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【発明の名称】 特定のポリグリセリン誘導体からなるノニオン系界面活性剤及びこれを含有する水性カーボンブラック分散液並びに水性インク又は水性塗料
【発明者】 【氏名】保田 亮二

【氏名】丸山 英之

【氏名】今村 秀明

【要約】 【課題】

【構成】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
HLB値が12〜19の範囲であって、ポリグリセリン(平均重合度4〜10)及びアルキレンオキサイド(炭素数2〜4のアルキレンオキサイドであって、付加モル数が30〜150)及び直鎖若しくは分岐鎖を有する飽和若しくは不飽和である脂肪酸又は芳香族カルボン酸(炭素数14〜24)を反応して得られるノニオン系界面活性剤。
【請求項2】
少なくともA)10〜50重量%のカーボンブラック と、B)0.001〜35重量%の請求項1に記載のノニオン系界面活性剤とを含有する水性カーボンブラック分散液。
【請求項3】
グリセリン、アルキレングリコールおよびアルキレングリコールアルキルエーテルからなる郡より選ばれる1種または2種以上の水溶性有機溶剤をさらに含有することを特徴とする請求項2に記載の水性カーボンブラック分散液。
【請求項4】
請求項2〜3のいずれか1項に記載の水性カーボンブラック分散液を用いて製造される水性インクであって、全インク量に対するカーボンブラックの配合量が4〜12重量%の範囲であることを特徴とする水性インク。
【請求項5】
請求項2〜3のいずれか1項に記載の水性カーボンブラック分散液を用いて製造される水性塗料であって、全量に対するカーボンブラックの配合量が4〜12重量%の範囲であることを特徴とする水性塗料。
【請求項6】
請求項2又は請求項3に記載の水性カーボンブラック分散液を、0.1〜10μmの孔径のフィルターに通して、請求項4に記載の水性インク又は請求項5に記載の水性塗料を製造する方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、カーボンブラックを用いた水性インク又は水性塗料に関するものであり、詳しくは初期分散性、長期保存安定性に優れた水性インク又は水性塗料を得ることができ、特にインクジェット記録用顔料インクとしたときの吐出特性、印字特性に優れたインクを提供するノニオン系界面活性剤及びそれを含むことを特徴とするカーボンブラック分散液並びに水性インク若しくは水性塗料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に水を主成分とする液媒体中に種々の顔料を分散してなる水性顔料分散液は、顔料、水、有機溶剤、樹脂、アルカリ剤などを配合して分散機を用いて分散処理を行うのが一般的である。特にインクジェット記録用顔料インクを製造するための水性顔料分散液は、水溶性高分子化合物、界面活性剤などの分散剤を用いて顔料を水に分散して調製される。調製された水性顔料分散液は、保存安定性、吐出安定性などを確保するため、高度な凝集安定性や沈降安定性が要求される。顔料インクの凝集安定性や沈降安定性は、ほぼ使用される分散剤の性能により決定される。これまでに分散剤として、ノニオン、アニオン型界面活性剤、親水性ブロックと疎水性ブロックを有するブロック共重合体、樹脂粒子を含有する樹脂エマルションなどが試みられてきた(例えば、特許文献1〜2参照)。
【0003】
しかしながら、種々の顔料の中でも黒色顔料であって、一般的に使用されているカーボンブラックは、他の顔料に比べ分散させることが困難であることが知られており、従来の分散剤では、カーボンブラックを用いた場合においてインクジェット記録用顔料インクとして適正な粘度にすると再分散性に乏しく、凝集安定性や沈降安定性を十分に確保することが困難となり、インクジェットノズルの目詰まりが生じ吐出安定性が悪いものであった。また、分散剤濃度を増して顔料インクの凝集安定性や沈降安定性を確保するとインク粘度が上昇する、サーマルヘッドの場合焦げ付きが発生するなどの問題が起こり、インクの安定性とインクとしての性能を両立させることが困難であった。
【0004】
また、特許文献3では、ノニオン系界面活性剤を用いて顔料の分散性について改良する旨が記載されているものの、その明細書中において黒色顔料とりわけカーボンブラックの分散性について詳しく言及されていないために、当業者は記載されているノニオン系界面活性剤を用いて汎用のカーボンブラックを分散でき、かつその種々の安定性を十分に確保できるか否かを容易に想到することができなかった。
【特許文献1】特開平1−204979号公報
【特許文献2】特開平9−217032号公報
【特許文献3】特開2005−60681号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、カーボンブラック分散液を水性顔料インク若しくは水性塗料へ希釈する際の生産性向上、及び初期分散性並びに長期保存安定性に優れた水性インク又は水性塗料を得ることであり、特に黒色顔料としてカーボンブラックを用いるインクジェット記録用顔料インクの吐出安定性を改善しノズルの目詰まりを防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記問題を解決するため鋭意検討した結果、平均重合度が4〜10のポリグリセリンとアルキレンオキサイド(30〜150モル)及び炭素数が14〜24の直鎖状若しくは分岐状の飽和若しくは不飽和の脂肪酸又は芳香族カルボン酸を反応して得られる生成物であり、HLBが12〜19の範囲であるノニオン系界面活性剤を使用することによって、上記課題が解決し、特にインクジェット記録用顔料インクの初期分散性、長期保存安定性、吐出安定性が飛躍的に向上することを見出し本発明に到達した。
【発明の効果】
【0007】
本発明のノニオン系界面活性剤を添加することにより、カーボンブラック分散液を水性顔料インク若しくは水性塗料へ希釈する際の生産性向上、及び初期分散性並びに長期保存安定性に優れた水性顔料インク若しくは水性塗料が得られる。また、本発明によれば、特に初期分散性、長期保存安定性、吐出特性、印字特性に優れたインクジェット記録用顔料インクが得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に本発明を詳細にする。
【0009】
本発明のカーボンブラック分散剤は、水酸基当量から得られる平均重合度が4〜10のポリグリセリン及びアルキレンオキサイド(30〜150モル)及び炭素数が14〜24の直鎖状若しくは分岐状の飽和若しくは不飽和の脂肪酸若しくは芳香族カルボン酸を反応して得られる生成物であり、そのHLBは12〜19のものが好ましく、中でも15〜18.5のものがより好ましい。それら化合物について、一般的な製造方法に従って合成した。すなわち、ポリグリセリンを触媒量のアルカリ存在下、アルキレンオキサイドを付加する工程及びその付加物を種々の脂肪酸又は芳香族カルボン酸と脱水縮合反応によりエステル化する工程からなる。ただし、この製造方法は例示であって、本発明で示すノニオン系界面活性剤を製造する際、この製造方法に限定されるわけではない。
【0010】
本発明で用いるHLBは、当業者で慣用されている通りHydrophile-Lipophile Balanceの頭文字をとった略称であり、界面活性剤の水と油への親和性の程度を表す値である。一般に、HLBを算出する方法として、アトラス法、グリフィン法、デイビス法、川上法と種々の方法が知られるが、その中でも本発明で示すノニオン系界面活性剤のHLBは、次に示すグリフィンの式より算出したものである。本発明で示すノニオン系界面活性剤に含有されるアルキレンオキサイドは水溶性に寄与するためグリフィン法に基づいて計算することがより実情に適合しているからである。なお、本発明における分散剤はその分子量に分布を有しているが、式中の親水基部分の分子量にはポリグリセリンにアルキレンオキサイドを付加した化合物の理論の数平均分子量を、界面活性剤の分子量にはポリグリセリンにアルキレンオキサイドを付加した化合物と脂肪酸等との反応物の理論の数平均分子量を、それぞれ代入し算出した。

【0011】
【数1】



【0012】
本発明のノニオン系界面活性剤に使用するポリグリセリンは、好ましくは水酸基当量から得られる平均重合度が4〜10のものであり、より好ましくは同平均重合度が6〜10である。多官能である方がカーボンブラック分散性に優れるからである。
【0013】
本発明のノニオン系界面活性剤に使用するアルキレンオキサイドは、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどが挙げられるが、エチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイドが好ましく、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドは単独でも併用しても良い。アルキレンオキサイドの付加単位数は、好ましくはポリグリセリン1モルに対して30〜150モルであり、より好ましくは40〜100モルである。
【0014】
本発明のノニオン系界面活性剤に使用する脂肪酸は、炭素数が4〜24の直鎖状若しくは分岐状の、及び飽和若しくは不飽和のいずれの脂肪酸でもよく、単独または混合で使用できる。具体的には、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、リシノレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ベヘン酸、エルカ酸などが挙げられるが、なかでもオレイン酸、エルカ酸が好ましい。
【0015】
本発明のノニオン系界面活性剤に使用する芳香族カルボン酸としては、安息香酸が挙げられ、縮合多環式芳香族カルボン酸としては、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、α−ナフタレンカルボン酸、β−ナフタレンカルボン酸などが挙げられ、さらにアルキル、アルコキシ、ハロゲンなどの置換基を有する芳香族カルボン酸も含まれる。
【0016】
本発明のノニオン系界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレン(60)ヘキサグリセリルエーテルのエルカ酸エステル(HLB=16.6)、ポリオキシエチレン(100)ヘキサグリセリルエーテルのエルカ酸エステル(HLB=17.7)、ポリオキシエチレン(30)デカグリセリルエーテルのオレイン酸エステル(HLB=15.2)、ポリオキシエチレン(100)テトラグリセリルエーテルのオレイン酸エステル(HLB=18.0)などが挙げられる。
【0017】
本発明のカーボンブラック分散液は、本発明のノニオン系界面活性剤を液媒体に事前に添加した後に顔料を添加する工程、若しくは液媒体と顔料を混合した後に本発明のノニオン系界面活性剤を添加する工程を経て、ボールミル若しくはサンドミル若しくはサンドグラインダー等メディアを用いた分散機を当業者が適切に使用する方法によりカーボンブラックを分散させることにより調製される。
【0018】
本発明のノニオン系界面活性剤の添加量としては、カーボンブラックの重量に対し、通常0.01〜70重量%であり、好ましくは10〜70重量%であり、さらに好ましくは30〜60重量%である。添加量が0.01重量%以下では、分散安定化効果が小さく、70重量%を越える場合は逆にカーボンブラックの凝集が生じ、またカーボンブラック分散液の粘度の増加が起こり、取り扱いが悪くなるためこの範囲が好ましい。
【0019】
本発明で使用するカーボンブラックの種類は特に限定されず、当業者が一般に入手可能なカーボンブラックを使用することができる。具体的には、pHによって分類すると酸性カーボンブラック、中性カーボンブラック、塩基性カーボンブラックであり、また製造方法で分類すると、ファーネス式カーボンブラック、チャンネル式カーボンブラック、アセチレン式カーボンブラックを処理して得られたものであることが好ましい。本発明において使用される酸性カーボンブラックの具体例としては、#50、MA8、MA100(以上、三菱化学株式会社製)等、カラーブラックFW1、FW18、FW200、カラーブラックS170、スペシャルブラック250(以上、デグサ社製)等、ラーベン3500、ラーベン1080、ラーベンC(以上、コロンビアカーボン社製)等、モナーク1300、リーガル400R(キャボット社製)等が挙げられる。なお、これらの記載は本発明に好適なカーボンブラックの例示であり、これらにより本発明が限定されるものではない。
【0020】
本発明のノニオン系界面活性剤を含有する水性インキ又は水性塗料は、本発明のカーボンブラック分散液を水溶性有機溶剤、水溶性樹脂、有機アミン、界面活性剤、pH調整剤、キレート化剤、防腐剤、粘度調整剤、消泡剤等を必要に応じて添加して製造される。
【0021】
本発明の水性インキを製造する際、カーボンブラック分散液の段階で若しくは少なくとも一種の添加剤を加えた後に、0.1〜10μmの孔径のフィルターに通してカーボンブラック分散液若しくは各種添加剤を添加したカーボンブラック分散液をろ過する工程を経て水性インキを製造するが、ろ過する段階においてカーボンブラックは極力分散していることが好ましい。カーボンブラックが凝集しているとフィルターの目詰まりの原因となりろ過工程に長い時間を要し、かつ水溶性インキの製造量が減少するため、全体として水性インキの生産性が下がるからである。
【0022】
水性インク又は水性塗料に用いられる液媒体としては水又は水と水溶性有機溶剤の混合溶媒が好ましい。水溶性有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、又はジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、又はアセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、又はテトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類、又はエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−へキサントリオール、チオジグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等の多価アルコール類、又はN−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられ、こられのうち一種若しくは二種以上の水溶性有機溶剤が用いられる。
【0023】
水性インク又は水性塗料に必要に応じて添加する水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、若しくはスチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体等のスチレンアクリル酸樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、若しくはアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、及び酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体等の酢酸ビニル系共重合体及びそれらの塩が挙げられ、これらのうち一種若しくは二種以上の水溶性樹脂が用いられる。
【0024】
水性インク又は水性塗料に必要に応じて添加する有機アミンとしては、例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、2−アミノ−メチルプロパノール、2−アミノ−2−メチルプロパノール、2−エチル−2−アミノ−1,3−プロパンジオール、2−アミノエチルエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、モルフォリン、アンモニア等が挙げられ、これらのうち一種若しくは二種以上の有機アミンが用いられる。

【0025】
本発明の水性インク特にインクジェット記録用インクを用いる場合には、インクジェット記録方式を用いたプリンターであれば、如何なるプリンターにおいても用いることができる。例えば、プリンターヘッドに配設された発熱抵抗素子のヒーターなどによる熱エネルギーを用いて記録する熱ジェット記録方式プリンター、及びプリンターヘッドに配設された圧電素子を用いて記録を行う圧電素子記録方式プリンターのいずれにも使用することができる。
【実施例】
【0026】
以下、本発明の水性カーボンブラック分散液および水性インクについて詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0027】
<実施例1>
カーボンブラック(MA100<三菱化学株式会社製>)を20重量部、ポリグリセリン(平均重合度6)(ポリグリセリン#500<阪本薬品工業株式会社製>)のエチレンオキサイド付加物(ポリグリセリンに対する付加モル数(以下、単に付加モル数と略す)60)1モルにエルカ酸2モルを反応させて得られるエステルであるノニオン系界面活性剤を9重量部、ジエチレングリコールを10重量部、トリエタノールアミンをpHが8.5となる量加え残余を水とし、粒径1.0mmのジルコニアビーズをロッキングミルで10時間分散し、カーボンブラック分散液を100重量部得た。なお、用いたノニオン系界面活性剤のHLBは16.6であった。
【0028】
上記分散液を0.8μmのフィルターを通してろ過し、グリセリン、ジエチレングリコール、n−ブチルカルビトールを加えて、カーボンブラック5重量部、上記ノニオン系界面活性剤2.25重量部、ジエチレングリコール10重量部、n―ブチルカルビトール5重量部、グリセリン10重量部である水性インクを100重量部得た。
【0029】
<実施例2〜4,比較例1〜4>
実施例1におけるノニオン系界面活性剤を他のノニオン系界面活性剤とした以外は実施例1と同様にカーボンブラック分散液および水性インクを得た。
実施例2〜4及び比較例1〜5において用いたノニオン系界面活性剤を以下に示す。
実施例2:ポリグリセリン(平均重合度6)のエチレンオキサイド付加物(付加モル数100)のエルカ酸エステルであって、HLBが17.7であるノニオン系界面活性剤
実施例3:ポリグリセリン(平均重合度10)のエチレンオキサイド付加物(付加モル数30)のオレイン酸エステルであって、HLBが15.2であるノニオン系界面活性剤
実施例4:ポリグリセリン(平均重合度4)のエチレンオキサイド付加物(付加モル数100)のオレイン酸エステルであって、HLBが18であるノニオン系界面活性剤
比較例1:ポリグリセリン(平均重合度2)のエチレンオキサイド付加物(付加モル数40)のエルカ酸エステルであって、HLBが17.5であるノニオン系界面活性剤
比較例2:ポリグリセリン(平均重合度4)のエチレンオキサイド付加物(付加モル数160)のエルカ酸エステルであって、HLBが18.4であるノニオン系界面活性剤
比較例3:ポリグリセリン(平均重合度6)のエチレンオキサイド付加物(付加モル数20)のパルミチン酸エステルであって、HLBが14.8であるノニオン系界面活性剤
比較例4:ポリグリセリン(平均重合度6)のエチレンオキサイド付加物(付加モル数80)のラウリン酸エステルであって、HLBが16.9であるノニオン系界面活性剤
比較例5:ポリグリセリン(平均重合度12)のエチレンオキサイド付加物(付加モル数80)のオレイン酸エステルであって、HLBが14.1であるノニオン系界面活性剤
【0030】
<評価>
上記カーボンブラック分散液の保存安定性及び水性インクの製造容易性並びに保存安定性並びに再分散性を下記評価方法に従い測定した。その結果を表1に示した。
(1)保存安定性
製造時のカーボンブラック分散液並びに水性インクのカーボンブラック粒子径、及び50℃で一ヶ月保存時のカーボンブラック分散液並びに水性インクのカーボンブラックの粒子径並びに水性インクの粘度を測定し、経時変化を確認した。
粒子径について、その増大幅が50nm未満の場合に○、50nm以上の場合に×とした。なお、粒度分布測定には、日機装株式会社製マクロトラックUPA150を使用した。
粘度について、増粘率((経時後粘度―製造時粘度)×100/製造時粘度)が30%未満の場合に○、30%以上の場合に×とした。なお、粘度測定には、株式会社東京計器製HMローターNo.1を用い、25℃下で測定した。
(2)製造容易性
種々のカーボンブラック分散液を0.8μmのフィルターに通してろ過したときの目詰まりによるろ過の容易性をもって、製造容易性を判断した。
すなわち、目詰まりなくカーボンブラック分散液を全てろ過出来た場合を○、目詰まりが起こりカーボンブラック分散液を全てろ過できなかった場合を×とした。
(3)再分散性
再分散性は、遠心機で2500G、3時間遠心処理し、強制的に沈降させたインクで評価した。
顔料が容易に再分散するものを○、顔料の再分散が困難なものを×とした。
【0031】
【表1】



【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明のノニオン系界面活性剤を含有するカーボンブラック分散液及びそれらを含有することを特徴とする水性インクは、初期安定性、長期保存安定性が向上し、当該カーボンブラック分散液から当該水性インクを製造する際の生産性も向上することができるため、通常の水性ボールペン等の筆記具用インクや水性塗料、特にインクジェット記録用カーボンブラック含有インクとして好適に用いることができる。
【出願人】 【識別番号】390028897
【氏名又は名称】阪本薬品工業株式会社
【出願日】 平成18年8月18日(2006.8.18)
【代理人】 【識別番号】300088360
【氏名又は名称】田村 克之


【公開番号】 特開2008−43901(P2008−43901A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−223472(P2006−223472)