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攪拌型リアクター - 特開2008−36611 | j-tokkyo
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【発明の名称】 攪拌型リアクター
【発明者】 【氏名】張 書廷

【氏名】王 慧茹

【要約】 【課題】低回転速度で高い流体混合効果と物質移動速度が得られるリアクターを提供する。

【構成】攪拌翼の板に隙間を開け、流体が翼板の隙間を通過し、攪拌の前進方向に上向きに傾斜し、攪拌により液体が回ると同時に下向きに流動することにより、低攪拌速度で高い流体混合効果と物質移動速度が得られる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
攪拌翼は直径方向又は軸方向又はその任意の傾斜方向に当該翼板の両側を貫通する隙間が開けられ、流体がその攪拌翼の回転の前進方向側から当該隙間を通過し、攪拌翼の前進方向の裏側に流動できる攪拌機構を備えたことを特徴とする攪拌型リアクター。
【請求項2】
前記攪拌翼の板は攪拌の前進方向に上向きに傾斜し、攪拌により流体が回ると同時に下向きに流動することを特徴とする請求項1の攪拌翼を具備した攪拌型リアクター。
【請求項3】
前記攪拌翼は少なくとも2枚の条状板で構成し,条状板の間の間隔が3から120ミリメートルまでの任意の距離で開かれたことを特徴とする請求項1及び2の攪拌型リアクター。
【請求項4】
前記攪拌翼板中の隙間と板の面積の比率の変化範囲は20%から70%までであることを特徴とする請求項1から請求項3までの攪拌型リアクター。
【請求項5】
前記攪拌翼の最上部の板は液面より位置的に高く、液面上部の気体相に設置することを特徴とする請求項1から請求項4の攪拌型リアクター。
【請求項6】
前記攪拌翼の直径方向の先端はタンクの内壁との間の距離が50mmから600mmまでの任意の値にあることを特徴とする請求項1から請求項5までの攪拌型リアクター。
【請求項7】
前記攪拌翼の回転速度は毎分間2回転から150回転までの範囲に回転することを特徴とする請求項1から請求項6までの攪拌型リアクター。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は気体と液体の接触混合、又は液体と液体の混合,又は固体粒子と液体との混合を促進する装置に関し、特に微生物の培養に空気の供給を促進するリアクターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
各種産業活動において気体と液体との接触を促進するための混合、又は液体と液体の混合,又は固体粒子と液体との混合は重要な単位操作である。混合の効果はその工程の効果に影響を及ぼす場合が多く見られている。混合を促進するために攪拌がよく使われている。高い混合効果を得るために攪拌速度を上げることが有効であるが、速い攪拌速度は電力の消費だけでなく、液体中の粒子がせん断力由来のダメージを受けることがよくある。例えば、微生物培養において空気の溶解を促進するために、速い攪拌速度をとるが、菌体にせん断力のダメージを与える。固定化培養の場合では担体に付着した生物に攪拌のダメージを与えないように、流動層型のリアクターを採用する検討がよく見られているが、酸素を供給するために空気を多く入れても、担体で気泡の会合が加速され、大きな気泡で速く上昇してしまい、気液の接触面積と時間が期待できるほど高くならないのが現状である。
【0003】
このような固体粒子にダメージをあまり与えなく、高い物質移動速度が得られ、且つ低い電力消費で実現可能な流体の混合方法及び装置の開発が非常に重要とされている。その中では流動層型リアクターは限度があり、攪拌槽は速い攪拌速度をとれば高い物質移動速度を得ることが可能であるが、高速攪拌は粒子にダメージを与えると同時に電力消費も大幅に上昇することより、従来と異なる新しいリアクターの開発が望まれている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、低コストで、固体粒子にダメージをあまり与えなく、高い混合効果と物質移動速度が得られるリアクターを提供することを目的とする。
【発明が解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、攪拌翼は直径方向又は軸方向又はその任意の傾斜方向に当該翼板の両側を貫通する隙間が開けられ、流体がその攪拌翼の回転の前進方向側から当該隙間を通過し、攪拌翼の前進方向の裏側に流動できる攪拌機構を備えたことを特徴とする攪拌型リアクターである。本発明では流体は、気体、液体及び固体粒子の混合体で流動性のある流動体を指す。気体、液体及び固体粒子の三相混合体と、液体と液体の混合体と、液体と固体粒子との混合体をも含まれている。その構造は図1と図2(a)、図2(b)、図2(c)、図2(d)、図2(e)に示す。図1は攪拌型リアクター1を示している。モーター2で攪拌軸3を回転させ、攪拌軸3と攪拌翼4との連結板8を通じて攪拌翼4を回して、攪拌する。攪拌翼4は図2(a)、図2(b)、図2(c)に示したように、それぞれ直径方向、軸方向、任意の傾斜方向に隙間10が開けられ、攪拌翼が回転方向12に回わり、液体に作用力13を与え、攪拌されると同時に、流体である液体又は粒子または気泡11がその隙間10を通過する。図2(d)に示したのは攪拌翼の回る方向の投影面では隙間がないが、実際に攪拌翼の板と板の間では隙間が存在し、液体と粒子と気泡が隙間を通ることができる。また、攪拌翼の形状、隙間の形状を問わずに、このように攪拌翼の板に隙間をあけることにより、気体、液体及び固体粒子がその攪拌翼板の中を通過できるため、遅い攪拌速度でも高い混合効果が得られる。粒子に対するダメージを抑えながら低い電気消費で済む。
【0006】
請求項2に記載の発明は、攪拌翼の板は攪拌の前進方向に上向きに傾斜し、攪拌により液体が回ると同時に下向きに流動することを特徴とする請求項1の攪拌翼を具備した攪拌型リアクターてある。図2(a)、図2(b)、図2(c)、図2(d)、図2(e)に示したように、攪拌翼の板9が回転の前進方向12に上向きに傾斜する構造により、攪拌の時に液体が回ると同時に下向きに流動することは混合をよくし、特に微生物の培養では酸素を供給する空気の滞留時間が長くなり、液体に移動する酸素が増加する。攪拌翼の板は図2(a)、図2(b)、図2(c)、図2(d)に示したような平面板を用いても、図2(e)に示したような曲面板を用いてもよい。また、翼の攪拌の前進方向に構成した翼の先端が図2(a)、図2(b)、図2(c)、図2(d)に示したように平面上にあっても、図2(e)に示したように曲面上にあってもよい。
【0007】
請求項3に記載の発明は、攪拌翼は少なくとも2枚の条状板で構成し,条状板の間の間隔が3から120ミリメートルまでの任意の距離で開かれたことを特徴とする。条状板で構成するのは加工しやすく、簡単な形状で機能を発揮できる。条状板の間の間隔は攪拌の効果と電力消費に影響を及ぼす。その間隔の距離は実際の混合系に基づいて設計することができる。例えば微生物の固定化培養の場合では間隔を少し大きめに設計した方が生物担体に機械的な損傷を小さくすることができる。間隔は板と板の間の垂直距離を指す。条状板はすべて形状とサイズが等しくてもよいし、必要に応じて異なっても構わない。また、条状板を固定するためにその固定方法には形と数を問わない。
【0008】
請求項4に記載の発明は、攪拌翼板中の隙間と板の面積の比率の変化範囲は20%から70%までであることを特徴とする攪拌型リアクターである。攪拌翼板中の隙間と板の面積の比率の調整により実際の状況に合わせて、混合効果と電力消費を最適化することができる。隙間の面積は板と板の間の垂直距離で構成した面積であり,即ち流体が板を通過する時の最小面積を指す。板の面積は攪拌翼の回転方向にある投影面積を指す。また、攪拌翼の板の傾斜度は板の面積と隙間の比率を調整する方法の一つであり、実際の状況を応じて変化すればよい。
【0009】
請求項5に記載の発明は、攪拌翼の最上部の板は液面より位置的に高く、液面上部の気体相に設置することを特徴とする。混合液体中にある粒子は比重が軽い場合,例えば微生物の固定化好気培養系においては、空気により粒子が液面に浮かぶことがよく見られる。この場合では、気相に設置した攪拌翼の板により下向きの攪拌作用力を与え、液体中に戻させ、混合効果と酸素などの物質供給効果とを高めることができる。
【0010】
請求項6に記載の発明は、攪拌翼の直径方向の先端はタンクの内壁との間の距離が50mmから600mmまでの任意の値にあることを特徴とする請求項1の攪拌型リアクターである。通常、攪拌翼が長くなれば低い攪拌速度でも高い混合効果を得ることが可能であるが、攪拌に消費する電力は攪拌翼直径の5乗に比例するため、従来の攪拌翼の場合では良好な混合を得ようとしても長くとることができない。本発明の攪拌翼の構造では流体が攪拌翼の内部を通過することができるため、攪拌の抵抗が低減される。従って、攪拌翼の先端はタンクの壁に接近した形にしても、低い攪拌抵抗で回転できるため、動力消費力が低く抑えることが可能となった。
【0011】
請求項7に記載の発明は、攪拌翼の攪拌速度は毎分間2回転から150回転までの範囲に回転することを特徴とする。従来の攪拌翼では高い混合効果を得るために高い攪拌速度を採用しなければならない。本発明の攪拌翼は長い直径をとることができるから、低い攪拌速度でも高い混合効果が得られ、かなり低回転速度範囲における運転の実現が可能になった。
【0012】
図1では気体を供給する散気管5を示したが、液体と液体との混合、液体と粒子との反応などの気体が必要でない場合では散気管がなくて済む。
【0013】
前述において、典型的な条状板且つ最も簡単な構成方法を用いて構成された攪拌翼を示したが、本発明の最重要なのは攪拌翼に隙間を設け、流体が通過できることと、流体が攪拌により回転すると同時に下向きに流れることであるから、隙間についても形状を問わない。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、低い攪拌速度で、高い混合効果が得られ、粒子に与えるダメージを大幅に低減し、省エネルギーにつながり、リアクターのランニングコストを低く抑えることが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を実施例により説明するが、かかる実施例によって本発明が制限されるものではない。
【実施例1】
【0016】
本発明の攪拌型リアクターの実施例の一つである。5mm角の立方体のポリビニールアルコール発泡体の担体をタンクに体積比85%入れ、微生物を付着させ、工場有機排水を処理する場合である。図1に示したリアクターに原水は上部の原材料入口7から入り、酸素供給の気体供給散気管5からの酸素及び担体に付着した微生物と接触して有機成分が生物により分解され、底部にある流体出口6から排出される。攪拌翼は図2(a)のような典型的な条状板で構成し、直径方向に隙間を開けた構造である。条状板の幅は150mmで、隙間の長さは40mm、長さ360mmごとに板と板の間に固定板で固定し、強度を保つ。また、攪拌翼の先端はタンクの内壁に200mmの距離を設ける。攪拌速度は毎分間15回転にする。このリアクターと操作条件で同じ容積のタンクに同じ担体添加で攪拌しない場合に比べて単位容積リアクターの処理能力が大幅に高くなる。
【実施例2】
【0017】
本発明に係る糸状菌固定化培養の実施例の一つである。2〜3mmのポリウレタンフォームの担体をタンクに体積比70%入れ、微生物を付着させ、ペニシリン生産菌を固定化培養し、抗生物質を生産する。図1に示したリアクターに培養液は上部の入口7から入れ、酸素供給の空気散気管から酸素を供給し、微生物が担体に付着し、増殖しながらペニシリンを分泌して生産される。また、回分培養が終了したら上部入口から基質液を供給しながら、底部の出口6にメッシュを用いて液体だけを排出して分離精製工程に送り、連続的に培養、生産及び精製することができる。また、液体と菌体との固液分離も非常に簡単になる。攪拌翼は実施例1と同じである。
【実施例3】
【0018】
本発明に係る微生物培養の実施例の一つである。図1に示したリアクターに培養液は上部の入口から入れ、、酸素供給の空気散気管から酸素を供給し、微生物を培養し、有用物質を生産する。攪拌翼は図2(d)のような典型的な条状板で構成し、直径方向に隙間を開けた構造である。条状板の幅は120mmで、隙間の長さは30mm、長さ300mmごとに板と板の間に固定板で固定し、強度を保つ。また、攪拌翼の先端はタンクの内壁に180mmの距離を設ける。攪拌速度は毎分間90回転にする。このリアクターと操作条件で同じ容積のタンクに従来の平板型攪拌翼の場きに比べて溶存酸素濃度を同じレベルまて保ち、攪拌動力が大幅に低減できる。
【実施例4】
【0019】
本発明に係る気液固三相反応の実施例の一つである。図1に示したリアクターに液体の原料と固体粒子の触媒を上部の入口7から入れ、気体供給管5から水素ガスを入れ、水素反応を行う。攪拌翼は図2(d)のような典型的な条状板で構成し、直径方向に隙間を開けた構造である。条状板の幅は100mmで、隙間の長さは30mm、長さ300mmごとに板と板の間に固定板で固定し、強度を保つ。また、攪拌翼の先端はタンクの内壁に180mmの距離を設ける。攪拌速度は毎分間90回転にする。このリアクターと操作条件で同じ容積のタンクに従来の平板型攪拌翼の場合に比べて同じ反応を実現させるのに、攪拌動力を大幅に低減できる。
【実施例5】
【0020】
本発明に係る固液の混合と溶解ガスの追い出しの実施例の一つである。図1に示したリアクターに廃液の原水を上部の入口7から入れ、メタン発酵を行う。攪拌によりメタン菌と液体をよく混合し、溶解しているガスを追い出し、リアクター(発酵タンク)から排出(排出口は図示せず)し、発酵を促進する。攪拌翼は図2(c)のような典型的な条状板で構成し、軸方向に隙間を開けた構造である。条状板の幅は160mmで、隙間の長さは45mm、長さ300mmごとに板と板の間に固定板で固定し、強度を保つ。また、攪拌翼の先端はタンクの内壁に80mmの距離を設ける。攪拌速度は毎分間12回転にする。このリアクターと操作条件で同じ容積のタンクに従来の攪拌翼の場合に比べて同じ混合効果を達成するのに、攪拌動力を大幅に低減することができる。
【実施例6】
【0021】
本発明に係る液と液の混合の実施例の一つである。図1に示したリアクターに液体の原料を上部の入口から入れ、ジャケット(図示せず)で加熱しながら混合を行う。攪拌翼は図2(b)のような典型的な条状板で構成し、軸方向に隙間を開けた構造である。条状板の幅は100mmで、隙間の長さは30mm、長さ200mmごとに板と板の間に固定板で固定し、強度を保つ。また、攪拌翼の先端はタンクの内壁に80mmの距離を設ける。攪拌速度は毎分間60回転にする。このリアクターと操作条件で同じ容積のタンクに従来の攪拌翼の場合に比べて同じ混合効果を達成するのに、攪拌動力を大幅に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態に係る攪拌型リアクターを示す図である。
【図2(a)】本発明の実施の形態に係る攪拌型リアクターの攪拌翼の隙間を直径方向に開けた構造の例を示す図である。
【図2(b)】本発明の実施の形態に係る攪拌型リアクターの攪拌翼の隙間を軸方向に開けた構造の例を示す図である。
【図2(c)】本発明の実施の形態に係る攪拌型リアクターの攪拌翼の隙間を傾斜方向に開けた構造の例を示す図である。
【図2(d)】本発明の実施の形態に係る攪拌型リアクターの攪拌翼の条状板が回転方向の投影で重ねる構造の例を示す図である。
【図2(e)】本発明の実施の形態に係る攪拌型リアクターの攪拌翼を曲面にした構造の例を示す図である。
【符号の説明】
【0023】
1 リアクター
2 モーター
3 攪拌軸
4 攪拌翼
5 気体供給用散気管
6 流体出口
7 原材料入口
8 攪拌軸と攪拌翼との連結板
9 攪拌翼条状板
10 攪拌翼の隙間
11 流体(液体、又は気泡、又は粒子,又はその混合物)
12 回転による攪拌翼の前進方向
13 流体に及ぼす攪拌翼の回転の作用力の方向
A 直径方向に隙間を開けた攪拌翼の断面方向
A−A 直径方向に隙間を開けた攪拌翼の断面図
B 軸方向に隙間を開けた攪拌翼の断面方向
B−B 軸方向に隙間を開けた攪拌翼の断面図
C 傾斜方向に隙間を開けた攪拌翼の断面方向
C−C 傾斜方向に隙間を開けた攪拌翼の断面図
D 条状板が回転方向の投影面に重ねる構造の攪拌翼の断面方向
D−D 条状板が回転方向の投影面に重ねる構造の攪拌翼の断面図
E 攪拌翼を曲面にした構造の攪拌翼の断面方向
E−E 攪拌翼を曲面にした構造の攪拌翼の断面図
【出願人】 【識別番号】501147325
【氏名又は名称】コア技術株式会社
【出願日】 平成18年8月3日(2006.8.3)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−36611(P2008−36611A)
【公開日】 平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願番号】 特願2006−232767(P2006−232767)