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【発明の名称】 微細気泡発生装置
【発明者】 【氏名】山下 信彦

【氏名】百瀬 敏成

【要約】 【課題】気体導入部により気体が導入された液体を、液体ポンプにより昇圧更には撹拌することで気体溶解液を生成し、その気体溶解液を減圧部により減圧して槽内に供給することで槽内に貯留されている液体に微細気泡を発生させる微細気泡発生装置において、槽内全体に充分な量の微細気泡を安定して発生させる技術を提供する。

【構成】気体導入部5による気体導入量を調整可能な気体導入量調整手段6と、液体ポンプ10の状態を検出する状態検出手段31とを備え、制御手段32が、微細気泡発生運転において、状態検出手段31により検出される液体ポンプ10の状態を目標範囲内に維持するように気体導入量調整手段6により液体Wへの気体導入量を設定する気体導入量設定処理を実行する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入口から吸入した液体を羽根車の回転に伴う遠心作用により昇圧して吐出口から吐出する液体ポンプと、前記液体ポンプの吸入口に吸入される液体に気体を導入する気体導入部と、前記液体ポンプから吐出された液体を減圧して槽内に供給する減圧部とを備え、
前記気体導入部により気体が導入された液体を、前記液体ポンプにより昇圧した後に、前記減圧部により減圧して前記槽内に供給することで、前記槽内に貯留されている液体に微細気泡を発生させる微細気泡発生運転を実行可能な制御手段を備えた微細気泡発生装置であって、
前記気体導入部による気体導入量を調整可能な気体導入量調整手段と、
前記液体ポンプの状態を検出する状態検出手段とを備え、
前記制御手段が、前記微細気泡発生運転において、前記状態検出手段により検出される前記液体ポンプの状態を目標範囲内に維持するように前記気体導入量調整手段により前記液体への気体導入量を設定する気体導入量設定処理を実行する微細気泡発生装置。
【請求項2】
前記槽が浴槽であり、前記液体が浴槽水であり、前記気体が空気である請求項1に記載の微細気泡発生装置。
【請求項3】
前記制御手段が、前記気体導入量設定処理において、前記気体導入量を増加側に移行させる請求項1又は2に記載の微細気泡発生装置。
【請求項4】
前記状態検出手段が、前記液体ポンプの状態として、前記液体ポンプの回転速度及び回転トルクの状態を検出する請求項1〜3に記載の微細気泡発生装置。
【請求項5】
前記液体ポンプが、渦流ポンプである請求項1〜4の何れか一項に記載の微細気泡発生装置。
【請求項6】
前記液体ポンプの吐出口から吐出された液体から未溶解の気体を分離して排出する気液分離部を備え、
前記気液分離部が、前記液体ポンプの吐出口から上方に延出した後に下方に折り返す折り返し流路で構成されている請求項1〜5の何れか一項に記載の微細気泡発生装置。
【請求項7】
前記制御手段が、前記微細気泡発生運転において、前記気体導入部による気体の導入及び前記減圧部による液体の減圧を停止した状態で前記液体ポンプの作動を開始して当該液体ポンプの出力を設定するポンプ出力設定処理を実行し、次に、前記気体導入部による気体の導入を停止した状態で前記減圧部による液体の減圧を開始して当該減圧部の差圧を設定する差圧設定処理を実行し、次に、前記気体導入部による気体導入を開始して前記気体導入量設定処理を実行する請求項1〜6の何れか一項に記載の微細気泡発生装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、吸入口から吸入した液体を羽根車の回転に伴う遠心作用により昇圧して吐出口から吐出する液体ポンプと、前記液体ポンプの吸入口に吸入される液体に気体を導入する気体導入部と、前記液体ポンプから吐出された液体を減圧して槽内に供給する減圧部とを備え、
前記気体導入部により気体が導入された液体を、前記液体ポンプにより昇圧した後に、前記減圧部により減圧して前記槽内に供給することで、前記槽内に貯留されている液体に微細気泡を発生させる微細気泡発生運転を実行可能な制御手段を備えた微細気泡発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水等の液体に空気等の気体の微細気泡(マイクロバブル)を発生させる技術は、もともとは下水の汚泥処理において加圧浮上法として用いられてきた。最近になって、微細気泡が帯電効果、圧縮効果、生活活性効果など、種々の有用な効果を持っていることが判ってきた。特に、生活活性効果に関しては、微細気泡を発生させた浴槽水への入浴が、血流促進効果があり、温浴効果に優れているという報告がある。
【0003】
このような微細気泡を発生するための微細気泡発生装置として、気体導入部により気体が導入された液体を、液体ポンプにより昇圧更には撹拌することで、液体に気体を高濃度で溶解させ、その気体溶解液を減圧部により減圧して槽内に供給することで、その気体溶解液から気体を上記微細気泡として析出させるように構成されたものが知られている(特許文献1又は2を参照。)。
【0004】
上記特許文献1には、液体ポンプから吐出された液体から未溶解の気体を分離して排出する気液分離部として機能するアキュムレータと、そのアキュムレータにおける液体の水位を検知する水位検知手段と、上記アキュムレータで分離された未溶解の気体の排出を断続可能な開閉弁とを備え、上記水位検出手段の検出結果に基づいて上記開閉弁を制御して上記アキュムレータにおける液体の水位を安定させることで、液体が上記開閉弁を通じて排出されたり、未溶解の気体が排出されずに大泡として吐水口を通じて槽内に吐出されることを防止するように構成されている。
また、この特許文献1に記載の微細気泡発生装置では、上記気体導入部としての気体供給管から液体に対して気体を導入するように構成されており、その気体導入量は一定に保たれている。
【0005】
上記特許文献2には、リアクター槽内に貯留されている液体に微細気泡を発生させる微細気泡発生装置ではあるが、上記気液分離部として機能する余剰気体分離槽内の圧力を一定に保ちながら当該分離槽内で分離された未溶解の気体を排出する抜気弁を備えることで、当該分離槽内に、高濃度で気体が溶解された気体溶解液を備蓄しておくように構成されている。
また、この特許文献2に記載の微細気泡発生装置では、上記液体ポンプとして、吸入口から吸入した液体を羽根車の回転に伴う遠心作用により昇圧して吐出口から吐出するような渦流ポンプを使用しており、かかる渦流ポンプにより、気体が導入された液体の加圧・通気・撹拌・混合・移送を同時に行うことで、高濃度で液体に気体を溶解させるように構成されている。
また、この特許文献2には、上記気体導入部としての気体吸込導管から液体に対して気体を導入するにあたり、その気体導入量を設定するようには構成されていない。
【0006】
【特許文献1】特公平7−114948号公報(図1等)
【特許文献2】特開2005−152763号公報(図6等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したような従来の微細気泡発生装置においては、槽内全体に充分な量の微細気泡を発生させることが重要である。そこで、充分な量の微細気泡を発生させるための方法としては、気体導入部において液体に対して多くの気体を導入することで、液体ポンプにおいてその液体に対して多くの気体を接触させ、液体に対する気体溶解度を高めることが考えられる。
【0008】
しかしながら、このように気体導入部における気体導入量を増加させると、その気体が液体ポンプに滞留しやすくなり、その気体導入量を増加させ過ぎると、液体ポンプにおいてガスロック現象(液体ポンプにおいて気体が羽根車の入口に滞留し、そのために液体ポンプが液体を吸い込まなくなること。「エアロック現象」と呼ぶ場合もある。)が発生するという問題がある。そして、このようなガスロック現象が発生すると、液体ポンプが停止又は破損する恐れがあり、気体導入量を適切且つ充分に増加させることは困難であった。
【0009】
また、上記気体導入部における気体導入量を、標準的な条件下において上記ガスロック現象を回避し得る範囲内の上限値付近に設定した場合においても、例えば、槽内の水位の変化等により条件が変化することにより一時的に上記ガスロック現象が発生する場合があり、安定した運転状態を維持することができないという問題がある。
【0010】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、気体導入部により気体が導入された液体を、液体ポンプにより昇圧更には撹拌することで気体溶解液を生成し、その気体溶解液を減圧部により減圧して槽内に供給することで槽内に貯留されている液体に微細気泡を発生させる微細気泡発生装置において、槽内全体に充分な量の微細気泡を安定して発生させる技術を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するための本発明に係る微細気泡発生装置は、吸入口から吸入した液体を羽根車の回転に伴う遠心作用により昇圧して吐出口から吐出する液体ポンプと、前記液体ポンプの吸入口に吸入される液体に気体を導入する気体導入部と、前記液体ポンプから吐出された液体を減圧して槽内に供給する減圧部とを備え、
前記気体導入部により気体が導入された液体を、前記液体ポンプにより昇圧した後に、前記減圧部により減圧して前記槽内に供給することで、前記槽内に貯留されている液体に微細気泡を発生させる微細気泡発生運転を実行可能な制御手段を備えた微細気泡発生装置であって、その第1特徴構成は、前記気体導入部による気体導入量を調整可能な気体導入量調整手段と、
前記液体ポンプの状態を検出する状態検出手段とを備え、
前記制御手段が、前記微細気泡発生運転において、前記状態検出手段により検出される前記液体ポンプの状態を目標範囲内に維持するように前記気体導入量調整手段により前記液体への気体導入量を設定する気体導入量設定処理を実行する点にある。
【0012】
上記第1特徴構成によれば、上記制御手段により、上記微細気泡発生運転において上記気体導入量設定処理を実行することで、液体ポンプの状態をガスロック現象による液体ポンプの停止又は破損を抑制し得る安定状態に維持しながら、気体導入部において液体に対してできるだけ多くの気体を導入することができるので、液体ポンプにおいて、液体に対して安定して多くの気体を接触させて、できるだけ高濃度の気体溶解液を生成することができる。よって、その高濃度の気体溶解液を減圧部により減圧して槽内に供給することで、槽内に貯留されている液体に充分な量の微細気泡を安定して発生させることができる。
【0013】
本発明に係る微細気泡発生装置の第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、前記槽が浴槽であり、前記液体が浴槽水であり、前記気体が空気である点にある。
【0014】
上記第2特徴構成によれば、浴槽内に貯留されている浴槽水に充分な量の微細気泡を安定して発生させることができるので、その充分な量の微細気泡が発生された浴槽水への入浴により、更なる血流促進効果及び温浴効果を得ることができる。
【0015】
本発明に係る微細気泡発生装置の第3特徴構成は、上記第1乃至上記第2の何れかの特徴構成に加えて、前記制御手段が、前記気体導入量設定処理において、前記気体導入量を増加側に移行させる点にある。
【0016】
上記第3特徴構成によれば、上記制御手段により、上記気体導入量設定処理において上記気体導入量を増加側に移行させることで、例えば槽内の水位変化等の条件の変化があった場合でも、液体ポンプの状態を安定状態に維持し得る範囲内で、そのときの条件に合わせてできるだけ多くの気体を液体に導入することができ、槽内に貯留されている液体においてできるだけ多くの微細気泡を発生させることができる。
【0017】
本発明に係る微細気泡発生装置の第4特徴構成は、上記第1乃至上記第3の何れかの特徴構成に加えて、前記状態検出手段が、前記液体ポンプの状態として、前記液体ポンプの回転速度及び回転トルクの状態を検出する点にある。
【0018】
上記第4特徴構成によれば、気体導入部による液体への気体導入量を増加させて液体ポンプのガスロック現象が進行すると、液体ポンプの回転速度及び回転トルクから求められる液体ポンプの仕事量が急激に増加することになる。よって、上記状態検出手段において、これら液体ポンプの回転速度及び回転トルクを液体ポンプの状態として検出すれば、その液体ポンプの状態から、過剰な気体導入量による液体ポンプのガスロック現象の発生を良好に予測しながら、気体導入量をガスロック現象の発生を回避し得る範囲内において適切に増加させて、できるだけ多くの微細気泡を発生させることができる。
【0019】
本発明に係る微細気泡発生装置の第5特徴構成は、上記第1乃至上記第4の何れかの特徴構成に加えて、前記液体ポンプが、渦流ポンプである点にある。
【0020】
上記第5特徴構成によれば、上記液体ポンプとして上記渦流ポンプを利用することで、かかる渦流ポンプにおいて、気体が導入された液体を羽根車と通路との間で生じる渦流によって良好に撹拌して、液体に対する気体溶解度を向上することができ、結果、一層高濃度の気体溶解液を生成して、微細気泡の発生量を増加させることができる。
【0021】
本発明に係る微細気泡発生装置の第6特徴構成は、上記第1乃至上記第5の何れかの特徴構成に加えて、前記液体ポンプの吐出口から吐出された液体から未溶解の気体を分離して排出する気液分離部を備え、
前記気液分離部が、前記液体ポンプの吐出口から上方に延出した後に下方に折り返す折り返し流路で構成されている点にある。
【0022】
上記第6特徴構成によれば、上記気液分離部を備えることにより、液体ポンプから吐出された未溶解の気体を液体から分離して排出することができるので、当該未溶解の気体が大泡として減圧部を通じて槽内に吐出されることを防止することができる。
更に、このような気液分離部を、液体ポンプの吐出口に直結する形態の上記折り返し流路で構成することにより、液体ポンプの吐出口から吐出された未溶解の気体が、同じく吐出された液体の流れに伴って、上記折り返し流路において吐出口に通じる上昇流路を通じて上端空間に良好に上昇して滞留することになる。そして、その未溶解の気体はその上端空間から良好に排出されると共に、未溶解の気体を除く液体が、上記折り返し流路において減圧部に通じる下降流路を通じて良好に降下することになり、結果、上記気液分離部としての折り返し流路において、良好に液体から未溶解の気体を分離することができる。
【0023】
本発明に係る微細気泡発生装置の第7特徴構成は、上記第1乃至上記第6の何れかの特徴構成に加えて、前記制御手段が、前記微細気泡発生運転において、前記気体導入部による気体の導入及び前記減圧部による液体の減圧を停止した状態で前記液体ポンプの作動を開始して当該液体ポンプの出力を設定するポンプ出力設定処理を実行し、次に、前記気体導入部による気体の導入を停止した状態で前記減圧部による液体の減圧を開始して当該減圧部の差圧を設定する差圧設定処理を実行し、次に、前記気体導入部による気体導入を開始して前記気体導入量設定処理を実行する点にある。
【0024】
上記第7特徴構成によれば、上記ポンプ出力設定処理、上記差圧設定処理、及び、上記気体導入量設定処理を順次実行することで、上記微細気泡発生運転を開始することができる。
即ち、上記微細気泡発生運転を開始するにあたり、気体導入部による気体の導入及び減圧部による液体の減圧を停止して液体ポンプにかかる負荷を小さくした状態で液体ポンプの作動を安定して開始して、上記ポンプ出力設定処理を実行することで、その液体ポンプの出力を、後に気体導入部による気体の導入及び減圧部による液体の減圧を開始したときに適切な出力となり得るものに設定することができる。次に、上記減圧部による液体の減圧を開始して、上記差圧設定処理を実行することで、その減圧部の差圧を、後に気体導入部による気体の導入を開始したときに、適切に微細気泡が発生し得るものに設定することができる。
そして、上記のように液体ポンプの出力及び減圧部の差圧を適切なものに設定してから、上記気体導入部による気体の導入を開始して、これまで説明してきた気体導入量設定処理を実行することで、液体ポンプの状態を、ガスロック現象を抑制し得る安定状態に維持しながら、気体導入部における気体の導入を開始し、その気体導入量をできるだけ増加させて、槽内に貯留されている液体に充分な量の微細気泡を発生させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明に係る微細気泡発生装置の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1に示す微細気泡発生装置50は、浴槽1(槽の一例)内に貯留されている浴槽水W(液体の一例)を、流入口2を通じて循環路4に取り込み、当該循環路4を流通した後の浴槽水Wを、流出口3を通じて浴槽1内に供給する形態で、浴槽1内に貯留されている浴槽水Wに空気A(気体の一例)からなる微細気泡Bを発生させるように構成されている。
【0026】
即ち、微細気泡発生装置50は、上記循環路4に、後述する水ポンプ10(液体ポンプの一例)、空気導入路5(気体導入部の一例)、及び、減圧弁8(減圧部の一例)を、上記循環路4に配置して備え、更に、これら水ポンプ10や減圧弁8等の作動を制御可能な制御装置30を備えて構成されている。
【0027】
上記水ポンプ10は、吸入口11から吸入した浴槽水Wを羽根車13の回転に伴う遠心作用により昇圧して吐出口12から吐出するように構成されており、更には、羽根車13と当該羽根車13の外周に形成された通路14との間で生じる渦流によって浴槽水Wを昇圧しながら良好に撹拌し得る渦流ポンプとして構成されている。
また、当該水ポンプ10は、DCモータである駆動用モータ15を駆動源として羽根車13を回転駆動するように構成されており、その駆動用モータ15の電源回路17による印加電圧を調整することで、出力を調整可能に構成されている。
【0028】
更に、水ポンプ10の回転に伴って信号を出力する回転センサ16と、電源回路17から駆動用モータ15に供給される電流値を計測する電流計18が設けられている。
そして、制御装置30は、上記回転センサ16や上記電流計18の出力を用いて水ポンプ10の状態を検出する状態検出手段31として機能するように構成されている。
即ち、上記状態検出手段31は、上記回転センサ16の出力を単位時間毎にカウントする形態で、水ポンプ10の回転速度を上記水ポンプ10の状態として検出するように構成されている。更に、上記状態検出手段31は、上記電流計18の出力即ち電流値が水ポンプ10の回転トルクに相当するものとなることを利用して、当該電流計18の出力から上記水ポンプ10の回転トルクを上記水ポンプ10の状態として検出するように構成されている。
【0029】
上記空気導入路5は、上記水ポンプ10の吸入口11に吸入される浴槽水W、即ち循環路4において水ポンプ10の上流側を流通する浴槽水Wに空気Aを導入する空気導入部として機能するものであり、更に、この空気導入路5には、浴槽水Wに対する空気Aの導入量(以下、「空気導入量」と呼ぶ。)を調整可能な空気導入弁6(気体導入量調整手段の一例)が設けられている。
【0030】
上記減圧弁8は、前記水ポンプ10から吐出された浴槽水Wを減圧して浴槽1内に供給する減圧部として機能するものであり、更に、この減圧弁8は、開度調整可能な調整弁により構成され、この減圧弁8の開度を調整することにより、減圧弁8の二次側(出口側)圧力に対する一次側(入口側)圧力の差圧、即ち浴槽1の流出口3側の圧力に対する水ポンプ10の吐出口12側の圧力の差圧を変化させることができる。
尚、制御装置30の状態検出手段31は、循環路4の減圧弁8の入口側に設けられた圧力センサ7により、当該減圧弁8の一次側圧力を検出するように構成されている。
【0031】
そして、上記制御装置30は、上記空気導入路5により空気Aが導入された浴槽水Wを、上記水ポンプ10により昇圧した後に、上記減圧弁8により減圧して浴槽1内に供給することで、浴槽1内に貯留されている浴槽水Wに微細気泡Bを発生させる微細気泡発生運転を実行可能な制御手段32として機能するように構成されている。
【0032】
即ち、上記制御手段32は、上記微細気泡発生運転を実行するにあたり、詳細については後述するが、上記水ポンプ10を作動させ、上記減圧弁8の開度を絞って浴槽1内に供給される浴槽水Wに対する減圧を行い、更に、空気導入弁6の開度を開いて循環路4を流通する浴槽水Wに対する空気Aの導入を行う。
すると、この微細気泡発生運転により、循環路4を流通する浴槽水Wは、上記空気導入路5により導入された空気Aと共に、吸入口11を通じて水ポンプ10の通路14に流入する。そして、その通路14において、空気Aと浴槽水Wとの混合物が羽根車13の回転により生じる渦流により昇圧更には撹拌されることで、上記浴槽水Wに対して比較的多くの上記空気Aが溶解した空気溶解水W’が生成され、その空気溶解水W’が通路14から吐出口12を通じて吐出されることになる。そして、この空気溶解水W’が減圧弁8により減圧されて浴槽1内に供給されることで、その減圧後の空気溶解水W’から空気Aが微細気泡Bとして析出することになり、その微細気泡Bが浴槽1内に貯留されている浴槽水Wに供給されることになる。
【0033】
更に、本微細気泡発生装置50には、水ポンプ10の吐出口12から吐出された空気溶解水W’から未溶解の空気Aを分離して排出する気液分離部20が、吐出口12に直結されて水ポンプ10と一体化される形態で設けられている。
【0034】
更に、上記気液分離部20は、水ポンプ10の吐出口12から上方に延出した後に下方に折り返す折り返し流路21,22,23で構成されている。即ち、上記折り返し流路21,22,23は、上記吐出口12に接続され当該吐出口12から上方に延出する上昇流路21と、当該上昇流路21の上端部に形成された空間である上端空間22と、当該上端空間22に接続され当該上端空間22から下方に延出する下降流路23とからなる。
更に、上記上端空間22には、当該上端空間22の上面を大気開放する排出路26と、当該上端空間22での水位を検知する水位センサ24と、水位センサ24で検知される水位が一定になるように上記排出路26を通じて排出される空気Aの量(以下、「空気排出量」と呼ぶ。)を調整する空気排出量調整弁25が設けられている。
【0035】
そして、この気液分離部20において、水ポンプ10の吐出口12から吐出された未溶解の空気Aは、同じく吐出された空気溶解水W’の流れに伴って、上記上昇流路21を通じて上端空間22に良好に上昇して滞留することになる。更に、上端空間22に滞留する未溶解の空気Aは、その上端空間22の水位が一定になるように当該上端空間22の上面に接続された排出路26を通じて良好に排出され、一方、未溶解の空気Aを除く空気溶解水W’が、上記下降流路23を通じて良好に降下することになり、結果、上記気液分離部20としての折り返し流路21,22,23において、良好に空気溶解水W’から良好に未溶解の空気Aが分離されることになる。
【0036】
これまで説明してきた微細気泡発生装置50において、ある条件下において水ポンプ10の吐出口12から吐出される空気溶解水W’の溶存酸素濃度を計測すると、図2に示すように、空気導入路5による浴槽水Wへの空気導入量を増加させるほど、当該溶存酸素濃度が高くなっていることから、水ポンプ10における浴槽水Wに対する空気Aの溶解度が高くなることが確認できた。そして、溶存酸素濃度が13(mg/L)以上に高くなるように上記空気導入量を増加させれば、浴槽1内において充分な量の微細気泡Bが発生するように、空気Aが充分に溶解した高濃度の空気溶解水W’を生成することができる。
【0037】
しかしながら、このように上記空気導入量を増加させ過ぎると、水ポンプ10においてガスロック現象が発生する場合がある。
【0038】
そこで、上記制御手段32は、浴槽1内全体に充分な量の微細気泡Bを安定して発生させるために、微細気泡発生運転において、回転センサ16及び電流計18の出力を用いて上記状態検出手段31で検出した水ポンプ10の回転速度と回転トルクを目標範囲内に維持するように、空気導入弁6により浴槽水Wへの空気導入量を設定する空気導入量設定処理(気体導入量設定処理の一例)を実行するように構成されている。
【0039】
即ち、上記制御手段32は、上記空気導入量設定処理を実行することで、上記状態検出手段31で検出した水ポンプ10の回転速度と回転トルクを目標範囲内に維持することで、ガスロック現象による水ポンプ10の停止又は破損を抑制し得る安定状態に維持しながら、空気導入路5により循環路4を循環する浴槽水Wに対してできるだけ多くの空気Aを導入して、水ポンプ10において、浴槽水Wに対して安定して多くの空気Aを接触させて、できるだけ高濃度の空気溶解液W’を生成するように構成されている。
よって、その高濃度の空気溶解液W’を減圧弁8により減圧して浴槽1内に供給することで、浴槽1内に貯留されている浴槽水Wに充分な量の微細気泡Bが安定して発生することになる。
【0040】
更に、上記制御手段32は、上記微細気泡発生運転において、上記空気導入量設定処理を実行する前に、ポンプ出力設定処理及び差圧設定処理を実行するように構成されており、かかる微細気泡発生運転における各処理の詳細について、微細気泡発生運転の処理フローと共に、図3〜図6に基づいて以下に説明を加える。
【0041】
〔微細気泡発生運転〕
上記制御手段32は、図3に示すように、利用者による運転開始ボタン(図示せず)等の操作による運転開始指令が入力された時点で当該微細気泡運転を開始する(ステップ#01)。
【0042】
そして、この微細気泡運転においては、先ず、空気導入弁6の開度Vaを全閉に設定して空気導入路5による浴槽水Wに対する空気Aの導入を停止した非空気導入状態とすると共に、減圧弁8の開度Voを全開に設定して減圧弁8による減圧を停止した非減圧状態とする所謂初期設定を行う(ステップ#02)。
【0043】
次に、上記非空気導入状態且つ上記非減圧状態を維持しながら、水ポンプ10の作動を開始して(ステップ#03)、循環路4に浴槽水Wを循環させると共に、後述するポンプ出力設定処理(ポンプ出力設定処理の一例)(ステップ#04)を実行することにより、当該水ポンプ10の出力を適切なものに設定する。
【0044】
また、次に、上記非空気導入状態を維持しながら、上記減圧弁8の開度を絞ることにより減圧弁8による減圧を開始する減圧状態として(ステップ#05)、後述する差圧設定処理(ステップ#06)を実行することにより、当該減圧弁8の差圧を適切なものに設定する。
【0045】
そして、上記ポンプ出力設定処理及び上記差圧設定処理を実行して、水ポンプ10の出力及び上記減圧弁8の差圧を設定した後に、そのときの水ポンプ10の回転速度Nを調整前回転速度n1として記憶(ステップ#07)した上で、空気導入弁6の開度を拡大して上記水ポンプ10の吸引力により空気導入路5から循環路4を循環する浴槽水Wへの空気Aの導入を開始する空気導入状態として(ステップ#08)、後述する第1空気導入量設定処理(空気導入量設定処理の一例)(ステップ#09)を実行し、浴槽1内に貯留されている浴槽水Wに充分な量の微細気泡Bが安定して発生させる。
【0046】
更に、上記第1空気導入量設定処理の実行後に、再度そのときの水ポンプ10の回転速度Nを調整前回転速度n1として記憶(ステップ#10)した上で、後述する第2空気導入量設定処理(空気導入量設定処理の一例)(ステップ#11)を実行し、空気導入量を増加側に移行させ、浴槽1内に貯留されている浴槽水Wにできるだけ多くの微細気泡Bを安定して発生させるようにする。
【0047】
そして、利用者による運転停止ボタン(図示せず)等の操作により運転停止指令が入力されたか否かを判定しながら(ステップ#12)、一定の待機時間(例えば2秒)を間に介して(ステップ#13)、上記ステップ#11における第2空気導入量設定処理を繰り返し実行し、上記ステップ#12において運転停止指令が入力されたと判定した場合には、本微細気泡発生運転を終了する。
【0048】
〔ポンプ出力設定処理〕
上記制御手段32は、上述したように、微細気泡発生運転において、上記非空気導入状態且つ上記非減圧状態を維持しながら、水ポンプ10の作動を開始した後に、上記ステップ#04においてポンプ出力設定処理を実行するのであるが、そのポンプ出力設定処理の詳細について以下に説明する。
【0049】
上記制御手段32は、ポンプ出力設定処理において、回転センサ16及び電流計18の出力により上記状態検出手段31において逐次検出される水ポンプ10の回転速度N及び回転トルクIを用いて、水ポンプ10を駆動する駆動用モータ15の印加電圧Vpを設定する。
即ち、図4に示すように、上記回転速度Nが、目標回転速度範囲上限値nmaxよりも所定割合1/b小さい回転速度nmax/b以下の目標範囲内とならない(ステップ#04−2)場合、又は、上記回転トルクIが、目標回転トルク範囲上限値imax1以下の目標範囲内とならない(ステップ#04−3)場合には、上記印加電圧Vpを所定の調整幅Δvp毎に低下側に調整する(ステップ#04−5)ことで、上記回転速度N及び回転トルクIの減少を図る。ここで、上記bは、1以上の値であり、例えば、本微細気泡発生装置50において、空気導入弁6による空気導入開始前の回転速度Nに対する、空気導入開始後の回転速度Nの増加率に応じた経験値として設定されている。ここで、上記目標回転速度範囲上限値nmaxは、水ポンプ10が安定して作動し得る回転速度の上限値として設定された値である。更に、上記目標回転トルク範囲上限値imax1は、空気Aを導入していない非空気導入状態において、水ポンプ10が安定して作動し得る回転トルクの上限値として設定された値である。
一方、上記制御手段32は、上記回転トルクIが目標回転トルク範囲上限値imax1以上の目標範囲内とならない(ステップ#04−6)場合には、上記印加電圧Vpを所定の調整幅Δvp毎に増加側に調整する(ステップ#04−1)ことで、上記回転トルクIの増加を図る。
即ち、上記制御手段31は、上記ポンプ出力設定処理において、上記水ポンプ10の回転速度Nが回転速度nmax/b以下の目標範囲内となり、且つ、上記水ポンプ10の回転トルクIが上記目標回転トルク範囲上限値imax1となるように、上記水ポンプ10の印加電圧Vpを調整する。
【0050】
また、上記ステップ#04−5において印加電圧Vpを減少側に調整するにあたり、当該Vpが調整可能範囲の下限値vpminを下回るものとなった(ステップ#04−4)場合、又は、上記ステップ#04−1において印加電圧Vpを増加側に調整するにあたり、当該Vpが調整可能範囲の上限値vpmaxを上回るものとなった(ステップ#04−7)場合には、何らかの異常が発生したものとして、水ポンプ10を停止すると共に、アラームを出力するなどの異常停止を実行する(ステップ#04−8)。
【0051】
〔差圧設定処理〕
上記制御手段32は、上述したように、微細気泡発生運転において、上記非空気導入状態を維持しながら、上記減圧状態として上記減圧弁8の開度を絞ることにより減圧弁8による減圧を開始した後に、上記ステップ#06において差圧設定処理を実行するのであるが、その差圧設定処理の詳細について以下に説明する。
【0052】
上記制御手段32は、上記差圧設定処理において、圧力センサ7との出力により上記状態検出手段31において逐次検出される減圧弁8の一次側圧力Pを用いて、減圧弁8の開度Voを設定する。
即ち、図5に示すように、上記減圧弁8の一次側圧力Pが、目標圧力範囲上限値pmax以下の目標範囲内とならない(ステップ#06−6)場合には、上記減圧弁8の開度Voを所定の調整幅Δvo毎に増加側に調整する(ステップ#06−8)ことで、上記圧力Pの減少を図る。
一方、上記制御手段32は、上記減圧弁8の一次側圧力Pが、目標圧力範囲下限値pmin以上の目標範囲内とならない(ステップ#06−9)場合には、上記減圧弁8の開度Voを所定の調整幅Δvo毎に減少側に調整する(ステップ#06−1)ことで、上記圧力Pの増加を図る。
即ち、上記制御手段31は、上記差圧設定処理において、上記減圧弁8の一次側圧力Pが下限値pmin以上且つ上限値pmax以下の目標範囲内となるように、上記減圧弁8の開度Voを調整する。
【0053】
更に、上記ステップ#06−1又は上記ステップ#06−5により減圧弁8の開度Voを調整するのと同時に、上記回転速度Nが、目標回転速度範囲上限値nmaxよりも所定割合1/b小さい回転速度nmax/b以下の目標範囲内とならない(ステップ#06−2)場合、又は、上記回転トルクIが、目標回転トルク範囲上限値imax1以下の目標範囲内とならない(ステップ#06−3)場合には、上記印加電圧Vpを所定の調整幅Δvp毎に低下側に調整する(ステップ#06−5)ことで、上記回転速度N及び回転トルクIの減少を図る。
【0054】
また、上記ステップ#06−8において減圧弁8の開度Voを増加側に調整するにあたり、当該Voが調整可能範囲の上限値vomaxを上回るものとなった(ステップ#06−7)場合、又は、上記ステップ#06−1において減圧弁8の開度Voを減少側に調整するにあたり、当該Voが調整可能範囲の下限値vominを下回るものとなった(ステップ#06−10)場合、又は、上記ステップ#06−5において印加電圧Vpを減少側に調整するにあたり、当該Vpが調整可能範囲の下限値vpminを下回るものとなった(ステップ#06−4)場合には、何らかの異常が発生したものとして、水ポンプ10を停止すると共に、アラームを出力するなどの異常停止を実行する(ステップ#06−11)。
【0055】
〔第1空気導入量設定処理〕
上記制御手段32は、上述したように、微細気泡発生運転において、上記減圧状態且つ上記空気導入状態として、そのときの水ポンプ10の回転速度Nを調整前回転速度n1として記憶した上で、上記ステップ#09において第1空気導入量設定処理を実行するのであるが、その第1空気導入量設定処理の詳細について以下に説明する。
【0056】
上記制御手段32は、上記第1空気導入量設定処理において、回転センサ16の出力により上記状態検出手段31において逐次検出される水ポンプ10の回転速度Nを用いて、空気導入弁6の開度Vaを設定する。
即ち、図6に示すように、上記回転速度Nが、上記調整前回転速度n1よりも所定割合b大きい回転速度n1・b以下の目標範囲内とならない(ステップ#09−9)場合には、上記空気導入弁6の開度Vaを所定の調整幅Δva毎に減少側に調整する(ステップ#09−11)ことで、上記回転速度Nの減少を図る。
【0057】
一方、上記制御手段32は、上記回転速度Nが、上記調整前回転速度n1よりも所定割合a大きい回転速度n1・a以上の目標範囲内とならない(ステップ#09−12)場合には、上記空気導入弁6の開度Vaを所定の調整幅Δva毎に増加側に調整する(ステップ#09−1)ことで、上記回転速度Nの増加を図る。ここで、上記a,bは、a<bの関係を有する1以上の値であり、例えば、本微細気泡発生装置50において、空気導入弁6による空気導入開始前の回転速度Nに対する、空気導入開始後の回転速度Nの増加率に応じた経験値として設定されている。
即ち、上記制御手段31は、上記第1空気導入量設定処理において、上記回転速度が下限値n1・a以上且つ上限値n1・b以下の目標範囲内となるように、上記空気導入弁6の開度Vaを調整する。
【0058】
更に、上記ステップ#09−1又は上記ステップ#09−11により空気導入弁6の開度Vaを調整するのと同時に、上述したポンプ出力設定処理と略同様に上記水ポンプ10の印加電圧Vpを調整する。
即ち、上記回転速度Nが、目標回転速度範囲上限値nmax以下の目標範囲内とならない(ステップ#09−2)場合、又は、上記回転トルクIが、目標回転トルク範囲上限値imax2以下の目標範囲内とならない(ステップ#09−3)場合には、上記印加電圧Vpを所定の調整幅Δvp毎に低下側に調整する(ステップ#09−5)ことで、上記回転速度N及び回転トルクIの減少を図る。ここで、上記目標回転トルク範囲上限値imax2は、空気Aを導入している空気導入状態において、水ポンプ10が安定して作動し得る回転トルクの上限値として設定された値であり、前述した非空気導入状態における目標回転トルク範囲上限値imax1よりも小さい値に設定されている。
一方、上記制御手段32は、上記回転速度Nが目標回転速度範囲下限値nmin以上の目標範囲内とならない(ステップ#09−6)場合には、上記印加電圧Vpを所定の調整幅Δvp毎に増加側に調整する(ステップ#09−8)ことで、上記回転速度Nの増加を図る。
即ち、上記制御手段31は、上記水ポンプ10の回転速度Nが下限値nmin以上且つ上限値nmax以下の範囲内となり、且つ、上記水ポンプ10の回転トルクIが上記目標回転トルク範囲上限値imax2以下となるように、上記水ポンプ10の印加電圧Vpを調整する。
【0059】
また、上記ステップ#09−11において空気導入弁6の開度Vaを減少側に調整するにあたり、当該Vaが調整可能範囲の下限値vaminを下回るものとなった(ステップ#09−10)場合、又は、上記ステップ#09−1において空気導入弁6の開度Vaを増加側に調整するにあたり、当該Vaが調整可能範囲の上限値vamaxを上回るものとなった(ステップ#09−13)場合、又は、上記ステップ#09−5において印加電圧Vpを減少側に調整するにあたり、当該Vpが調整可能範囲の下限値vpminを下回るものとなった(ステップ#09−4)場合、又は、上記ステップ#09−8において印加電圧Vpを増加側に調整するにあたり、当該Vpが調整可能範囲の上限値vpmaxを上回るものとなった(ステップ#09−7)場合には、何らかの異常が発生したものとして、水ポンプ10を停止すると共に、アラームを出力するなどの異常停止を実行する(ステップ#09−14)。
【0060】
〔第2空気導入量設定処理〕
上記制御手段32は、上述したように、微細気泡発生運転において、上記第1空気導入量設定処理を実行した後に、そのときの水ポンプ10の回転速度Nを調整前回転速度n1として記憶した上で、上記ステップ#11において第2空気導入量設定処理を実行するのであるが、その第2空気導入量設定処理の詳細について以下に説明する。
【0061】
上記制御手段32は、上記第2空気導入量設定処理において、空気導入弁6の開度Vaが調整可能範囲の上限値vamaxを下回るものである(ステップ#11−1)場合に、空気導入量を増加側に移行させるべく、以下に示すステップ#11−2〜ステップ#11−6の処理を適宜実行する。
即ち、空気導入弁6の開度Vaを一旦所定の調整幅Δva’分増加させた(ステップ#11−2)状態で、水ポンプ10の回転速度Nが目標回転速度範囲上限値nmax以下であるか否か(ステップ#11−3)、水ポンプ10の回転トルクIが目標回転トルク範囲上限値imax2以下であるか否か(ステップ#11−4)、更には、水ポンプ10の回転速度Nの調整前回転速度n1に対する増加幅N−n1が所定の許容増加幅Δn以下であるか否か(ステップ#11−5)を判定する。
【0062】
そして、上記夫々の判定処理の何れかで「no」の場合、即ち、上記回転速度Nが目標回転速度範囲上限値nmax以下でない、又は、上記回転トルクIが目標回転トルク範囲上限値imax2以下でない、又は、上記増加幅N−n1が許容増加幅Δn以下でない場合には、上記ステップ#11−2で一旦増加させた空気導入弁6の開度Vaを即座にその調整幅Δva’の2倍である低下幅2・Δva’分減少させて(ステップ#11−7)、過剰な空気導入を回避する。
【0063】
一方、上記夫々の判定処理において「yes」の場合、即ち、上記回転速度Nが目標回転速度範囲上限値nmax以下である、且つ、上記回転トルクIが目標回転トルク範囲上限値imax2以下である、且つ、上記増加幅N−n1が許容増加幅Δn以下である場合には、上記空気導入弁6の開度Vaを増加させ空気導入量を増加させた状態を維持したまま、本第2空気導入量設定処理を終了する。そして、この第2空気導入量設定処理は、微細気泡発生運転を停止するまで繰り返し実行されるので、上記空気導入量は増加側に移行されることになり、水ポンプ10における浴槽水Wに対する空気Aの溶解度が高められて、浴槽1内における微細気泡Bの発生量が増加側に移行することになる。
【0064】
また、上記ステップ#11−7において空気導入弁6の開度Vaを減少側に調整するにあたり、当該Vaが調整可能範囲の下限値vaminを下回るものとなった(ステップ#11−6)場合には、何らかの異常が発生したものとして、水ポンプ10を停止すると共に、アラームを出力するなどの異常停止を実行する(ステップ#11−8)。
【0065】
〔別実施形態〕
(1)上記実施の形態では、本発明に係る微細気泡発生装置50を、浴槽1内に貯留されている浴槽水Wに空気Aからなる微細気泡Bを発生させるように構成したが、上記浴槽を別の槽としたり、上記浴槽水を別の液体としたり、上記空気を別の気体とするなどのように、適宜、槽内に貯留されている液体に気体からなる微細気泡を発生させるように適宜改変可能である。
また、上記気体としては、上記空気以外に、例えば浴槽水を加熱する給湯器の燃焼排ガスに含まれている二酸化炭素を利用しても構わない。
【0066】
(2)上記実施の形態では、水ポンプ10を渦流ポンプとして構成したが、別に、当該水ポンプを上記渦流ポンプとは別の遠心式ポンプ、即ち、吸入口から吸入した液体を羽根車の回転に伴う遠心作用により昇圧して吐出口から吐出する液体ポンプとして構成しても構わない。
【0067】
(3)上記実施の形態では、水ポンプ10から吐出された浴槽水Wを減圧して浴槽1内に供給する減圧部を減圧弁8として構成したが、当該減圧部をオリフィスなどの別の形態で構成しても構わない。
【0068】
(4)上記実施の形態では、水ポンプ10の吐出口12から吐出された浴槽水W(空気溶解水W’)から未溶解の空気Aを分離して排出する気液分離部20を、上昇流路21、上端空間22及び下降流路23からなる折り返し流路で構成したが、別に、当該気液分離部を、下面に液体の流入口及び流出口が形成され、上面に気体の流出口が形成されたタンクなどの別の形態で構成しても構わない。
また、この未溶解の空気Aを大泡として浴槽1内に供給しても構わない場合などにおいて、当該気液分離部20を省略しても構わない。
【0069】
(5)上記実施の形態では、空気導入路5による空気導入量を調整可能な空気導入弁6を設けたが、かかる空気導入路に空気ポンプを設け、その空気ポンプの送風量を調整して空気導入量を調整するように構成しても構わない。
【0070】
(6)上記実施の形態では、状態検出手段31により、水ポンプ10の状態として水ポンプ10の回転速度及び回転トルクを検出し、その水ポンプの状態を用いて空気導入量を制御して、ガスロック現象を回避するように構成したが、例えば水ポンプの振動などのように水ポンプのガスロック現象を推定可能な別の水ポンプ10の状態を検出するように構成しても構わない。
【0071】
(7)上記実施の形態では、上記第2空気導入量設定処理を実行して空気導入量を増加側に移行するように構成したが、適宜第2空気導入量設定処理を省略しても構わない。
【0072】
(8)上記実施の形態では、上記空気導入量設定処理を実行する前に、ポンプ出力設定処理及び差圧設定処理を実行するように構成したが、これらは適宜改変又は省略しても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明に係る微細気泡発生装置は、気体導入部により気体が導入された液体を、液体ポンプにより昇圧更には撹拌することで気体溶解液を生成し、その気体溶解液を減圧部により減圧して槽内に供給することで槽内に貯留されている液体に微細気泡を発生させるにあたり、槽内全体に充分な量の微細気泡を安定して発生させる微細気泡発生装置として有効に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】微細気泡発生装置の概略構成図
【図2】空気導入量と溶存酸素濃度との関係を示すグラフ図
【図3】微細気泡発生運転の処理フロー図
【図4】ポンプ出力設定処理の処理フロー図
【図5】差圧設定処理の処理フロー図
【図6】第1空気導入量設定処理の処理フロー図
【図7】第2空気導入量設定処理の処理フロー図
【符号の説明】
【0075】
1:浴槽(槽の一例)
5:空気導入路(気体導入部の一例)
6:空気導入弁(気体導入量調整手段の一例)
7:圧力センサ
8:減圧弁(減圧部の一例)
10:水ポンプ(液体ポンプの一例)
11:吸入口
12:吐出口
13:羽根車
16:回転センサ
18:電流計
21,22,23:折り返し流路
26:排出路
31:状態検出手段
32:制御手段
50:微細気泡発生装置
A:空気(気体の一例)
B:微細気泡
W:浴槽水(液体の一例)
W’:空気溶解水(気体溶解液)
【出願人】 【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
【出願日】 平成18年8月2日(2006.8.2)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎

【識別番号】100128901
【弁理士】
【氏名又は名称】東 邦彦


【公開番号】 特開2008−36481(P2008−36481A)
【公開日】 平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願番号】 特願2006−211145(P2006−211145)