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【発明の名称】 溶剤溶出用カプセル及びそのカプセルを備えたカートリッジ
【発明者】 【氏名】鎌田 博文

【要約】 【課題】確実に溶剤を溶出させるとともに、一定濃度の溶液を持続的に作ることができる溶剤溶出用カプセル及びそれを備えたカートリッジを提供することにある。

【構成】このカートリッジ20は、溶液の流入孔22aと流出孔22bとを備えた筐体22を有し、その内部に、溶液流入用と流出用の極微細孔からなる開口部12a、12bを設けたケース本体12の内部に溶剤14が充填された溶剤溶出用カプセル10を、溶剤溶出用カプセル10の溶液流入用の開口部12aを前記流入孔側22aへ向け、溶液流出用の開口部12bを前記流出孔22b側へ向けて、かつ遊びを持って収納したものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の部位に溶液流入用と流出用の開口部を設けたケース本体と、
前記ケース本体内部に充填させた溶剤とを備え、
前記開口部の一方から他方に向けて溶液を流通させることにより、前記ケース本体内部の溶剤を前記溶液に溶出させる溶剤溶出用カプセルにおいて、
前記開口部は極小径孔であることを特徴とする溶剤溶出用カプセル。
【請求項2】
前記溶剤溶出用カプセル内部には、前記溶剤とともに複数個の小球体が充填されていることを特徴とする請求項1記載の溶剤溶出用カプセル。
【請求項3】
溶液流出用の前記極小径孔の周縁部であって、且つ前記溶剤溶出用カプセルの内側面に所定数の極微小突起物を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の溶剤溶出用カプセル。
【請求項4】
溶液の流入孔と流出孔とを備えた筐体を有し、該筐体内に請求項1〜3の何れかに記載の溶剤溶出用カプセルを、その溶液流入用の開口部を前記流入孔側へ向け、溶液流出用の開口部を前記流出孔側へ向けて、かつ遊びを持って収納したことを特徴とするカートリッジ。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、溶液に溶剤を定量的且つ持続的に溶出させることができる溶剤溶出用カプセル及びそのカプセルを備えたカートリッジに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の溶剤溶出方法としては、図3に示すように、カートリッジ30内に溶剤32を充填させ、これらに溶液(処理前)Aを流通させることで溶剤を溶液Aに溶出させて溶剤が充填された溶液(処理後)A′とする方法がある。例えば、水道水の活性化を図るためには、カートリッジ30内にマイナスイオン発生セラミックス、麦飯石、活性炭、二酸化チタンや銀を含む半導体セラミックス等を充填し、水道水を通してこれらの物質を溶出させ活性化させてミネラルウォーターとして利用する。
【0003】
しかし、このようなカートリッジ30の場合、カートリッジ30の流入口34から入った溶液Aの全てがカートリッジ30内を通って流出口36から流出するため、溶剤32の溶出する速度が速く、短時間のうちに溶剤32が溶けてしまい、最初は濃度が高く、徐々に下がっていき持続性がなく一定濃度の溶液を作ることが困難であった。
【0004】
また、他の方法として、特殊な構造のカートリッジ内に、攪拌用のインペラ等を流通エネルギーによって回転させることで、カートリッジ内に真空状態を作り、カートリッジ内に挿入したカプセルに充填させた溶剤を溶出させて溶液を作る方法が提案されている。
【0005】
例えば、特許文献1には、図4に示すような発明が開示されている。当該発明は、貯水タンク40内の水41を循環させる系路内に天然石42を充填したミネラルカートリッジ43を配置させ、前記ミネラルカートリッジ43にはミネラル分含有塩44を収容した密閉容器(カプセルに相当)45を開閉弁46を介して連通させて、前記密閉容器45内に循環系路内の水が出入りできるようにするとともに、前記密閉容器内45には、この容器内に導入された水を攪拌してミネラル分を含む塩類の飽和溶液を生成する攪拌機47を設けているものである。なお、図中の符号48はタンク40内の水41をミネラルカートリッジ43側へ導くポンプ、符号49はミネラルが添加されたタンク40内の水をフィルタ50を介して外部に供給するためのポンプである。また、ここで付した符号は特許文献1に記載されている符号とは異なるものである。
【0006】
この特許文献1記載の発明によると、数十分程度で必要な濃度のミネラル水を作れると共に、その効力を持続させることのできるミネラル水を生成することが可能となる。
【0007】
【特許文献1】特開平9−19692号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1記載の発明では、連続して一定濃度の溶液を得ることが困難であるとともに、カートリッジ構造が複雑で高価であり、また複雑であることに伴う故障という点も考慮しなければならない。また、カートリッジ内のカプセルは使い捨てではなく、再利用する方式であるため、その都度溶剤を充填させなくてはならず、その結果、不衛生ではないかということも考えられる。
カプセルを再利用しないで済むように、ゼラチン又はキトサン等で作られたカプセル内に溶剤を充填させて、溶液を作る方法も知られているが、この場合はカプセル材料が溶剤以外に溶出するため他の問題が生じることになる。
【0009】
本発明の課題は、確実に溶剤を溶出させるとともに、一定濃度の溶液を持続的に作ることができる溶剤溶出用カプセル及びそれを備えたカートリッジを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題を解決するために、以下の技術的手段を講じている。即ち、請求項1記載の発明は、所定の部位に溶液流入用と流出用の開口部を設けた中空ケースと、前記中空ケース内部に充填させた溶剤とを備え、前記開口部の一方から他方に向けて溶液を流通させることにより、前記中空ケース内部の溶剤を前記溶液に溶出させる溶剤溶出用カプセルにおいて、前記開口部は極小径孔であることを特徴としている。
【0011】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の溶剤溶出用カプセルにおいて、溶剤溶出用カプセル内部には、溶剤とともに複数個の小球体が充填されていることを特徴としている。
【0012】
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の溶剤溶出用カプセルにおいて、溶液流出用の極小径孔の周縁部であって、且つ前記溶剤溶出用カプセルの内側面に所定数の極微小突起物を設けたことを特徴としている。
【0013】
そして、請求項4記載のカートリッジは、溶液の流入孔と流出孔とを備えた筐体を有し、該筐体内に請求項1〜3の何れかに記載の溶剤溶出用カプセルを、その溶液流入用の開口部を前記流入孔側へ向け、溶液流出用の開口部を前記流出孔側へ向けて、かつ遊びを持って収納したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の溶剤溶出用カプセルは、所定の部位に溶液流入用と流出用の開口部を設けた中空ケースと、前記中空ケース内部に充填させた溶剤とを備え、前記開口部の一方から他方に向けて溶液を流通させることにより、前記中空ケース内部の溶剤を前記溶液に溶出させる溶剤溶出用カプセルにおいて、前記開口部は極小径孔であることを特徴としているため、小容量の溶液が溶剤溶出用カプセル内へ流入し、その結果、目的溶出物質が溶液中で飽和状態となり、一定濃度の溶液が溶出するようになる。
【0015】
また、請求項2記載の溶剤溶出用カプセルは、請求項1記載の溶剤溶出用カプセルにおいて、前記溶剤溶出用カプセル内に複数個の小球体を充填したので、この小球体により内部に充填している溶媒がカプセルの極小孔から外部に飛び出し排出されるのを防ぐことができる。
【0016】
また、請求項3記載の溶剤溶出用カプセルは、請求項1又は2記載の溶剤溶出用カプセルにおいて、溶液流出用の前記極小径孔の周縁部であって、且つ前記溶剤溶出用カプセルの内側面に所定数の極微小突起物を設けたので、小球体による極小径孔の閉塞が生じないので、目詰まりが防止され常に継続して一定濃度の溶液を流出させることができる。
【0017】
請求項4記載のカートリッジは、溶液の流入孔と流出孔とを備えた筐体を有し、溶剤溶出用カプセルを、その溶液流入用の開口部を前記流入孔側へ向け、溶液流出用の開口部を前記流出孔側へ向けて、かつ遊びを持って収納したので、溶液をカートリッジの流入孔から内部へ流し込むと、溶液はカートリッジ内を流れる本流と、カプセルの極小径孔を通過してカプセル内に流入する分流とに分けられ、この本流の流速Vと分流の流速Vとの流速差(V>V)に起因して、カプセル内部の圧力Pとカプセル外部の圧力Pの間に圧力差(P>P)が生じることで、この圧力差により極小径孔から他方の極小径孔へと溶液が引き出されることにより流通が可能となって、一定の濃度の溶液を継続して得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明に係る溶剤溶出用カプセルの実施形態について説明する。図1は、本発明に係る溶剤溶出用カプセル内の構造断面図を示し、(a)は、カプセル全体、(b)及び(c)は、カプセルの開口部周縁部の突起物の構造を示したものである。図2は、本発明に係る溶剤溶出用カプセルをカートリッジ内に挿入したカートリッジを示した図で、図3及び図4は、従来の溶剤の溶出を行う装置を示した図である。
【0019】
本実施形態に係る溶剤溶出用カプセル10は、図1(a)に示すように、ケース本体12の溶液流入用と溶液流出用として極小径孔12a、12bが設けられており、内部には、溶媒液に溶出させる溶剤14が充填され、さらに複数個の小球体16も同時に充填されている。なお、極小径孔12a、12bの大きさは、ケース本体12の縦断面積の3%〜20%程度の開口面積となるような径が好ましい。
【0020】
溶剤14としては、その目的に沿ったもので、例えば水道水の活性化のためであれば、マイナスイオン発生セラミックスや半導体セラミックス等を充填することになる。小球体16としては、溶液に不溶の物質にしても良いし、また目的に沿った溶剤により成型したものでも良いが、カプセル12の微小径孔12bから流出しないような大きさのものであれば良い。
【0021】
そして、図1(b)及び(c)に示すように、溶液流出用の極小径孔12bの周縁部であって、且つ溶剤溶出用カプセル10内側面に所定の間隔で4カ所の極微少突起物18が設けられている。この極微少突起物18に小球体16が当接することで、小球体16と極小径孔12bの間に隙間ができるため、極小径孔12bを小球体16によって閉塞するおそれがない。
【0022】
次に、図2に本発明に係るカートリッジの実施の形態を示す。図に示すように、カートリッジ20は溶液の流入孔22aと流出孔22bとを備えた筐体22を有し、該筐体22内に上述した溶剤溶出用カプセル10を、その溶液流入用の開口部12aを前記流入孔22a側へ向け、溶液流出用の開口部12bを前記流出孔22b側へ向けて、かつ遊びを持って収納したものである。
溶液Aをカートリッジ20の流入孔22aから内部へ流し込むと、溶液Aはカートリッジ20内を流れる本流と、カプセル10の極小径孔12を通過して溶剤溶出用カプセル10内に流入する分流とに分けられることになる。
【0023】
この本流の流速Vと分流の流速Vとの流速差(V>V)に起因して、カプセル内部の圧力Pとカプセル外部の圧力Pの間に圧力差(P>P)が生じることで、この圧力差により極小径孔12aから他方12bへと溶液が引き出されることにより流通が可能となる。このような構造にしたので、従来のように、溶媒内を一気に溶液が流れ込むことがないので、溶媒の効果が持続し、長時間一定の濃度の溶液を流出させることができる。
【0024】
なお、カプセル10は、この図ではカートリッジ20の中央部に配置されているが、その支持方法については図示を省略しているが、カートリッジ20の筐体22の内部に設けた網からなる支持具で固定しても良く、あるいはアーム状の支持金具で上下左右から支持しても良い。また、カプセル10を単にカートリッジ20の筐体22内にころがしておいても目的を達成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0025】
上記実施の形態では、水道水を活性化することを例としたが、これに限らず溶液中に一定の濃度の目的溶媒を長時間継続して溶出させるものとして利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係る溶媒溶出用カプセルの実施の形態を示した図で、(a)は側面図、(b)は部分拡大図、(c)は(b)のC−C線による端面図である。
【図2】本発明に係るカートリッジの実施の形態を示した図である。
【図3】従来から用いられている溶媒溶出用カートリッジ(カプセル)の図である。
【図4】同じく従来の溶媒溶出用カートリッジを示す図である。
【符号の説明】
【0027】
10 カプセル
12 ケース本体
12、12b 極小径孔
14 溶剤
16 小球体
18 極微少突起物
20 カートリッジ
22 筐体
22a 流入孔
22b 流出孔
A 溶液(処理前)
A′ 溶液(処理後)
【出願人】 【識別番号】000156444
【氏名又は名称】鎌田バイオ・エンジニアリング株式会社
【出願日】 平成18年7月13日(2006.7.13)
【代理人】 【識別番号】100097021
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 紘一

【識別番号】100090631
【弁理士】
【氏名又は名称】依田 孝次郎


【公開番号】 特開2008−18341(P2008−18341A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2006−192392(P2006−192392)