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【発明の名称】 水中撹拌曝気装置
【発明者】 【氏名】佐藤 卓

【氏名】富田 欣

【氏名】早川 稔

【要約】 【課題】目詰まりの問題や動力の問題が無く、容易に微細な気泡を供給することが可能な水中撹拌曝気装置を提供する。

【構成】槽2内の被処理水3に浸漬するように配置し、上下方向の軸線回りに回転する撹拌インペラ5により、被処理水3を撹拌して槽2内に上下方向の旋回循環流を形成し、このとき、被処理水3に浸漬するように配置し上記軸線と略同軸回りに回転する散気装置の回転部6の回転により、回転部6の回転方向に沿って複数設けたノズル孔16から旋回循環流に対して酸素含有気体を供給して散気を行い、このように、回転するノズル孔16から酸素含有気体を供給することで、ノズル孔16を目詰まりするほど小さくすること無く、且つ、多大な動力を与えること無く、回転による剪断力を気泡に作用させて当該気泡を細分化する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
槽内の被処理水に浸漬するように配置され、上下方向の軸線回りに回転することにより前記被処理水を撹拌し槽内に上下方向の旋回循環流を形成する撹拌インペラと、
前記旋回循環流に対して酸素含有気体を供給し散気する散気装置と、を具備し、
前記散気装置は、前記被処理水に浸漬するように配置され前記軸線と略同軸回りに回転する回転部を備え、
前記回転部は、その回転方向に沿って、前記酸素含有気体を吐出するためのノズル孔を複数有していることを特徴とする水中撹拌曝気装置。
【請求項2】
前記回転部は、前記撹拌インペラの上方に配置され、
下部の径に対して上部の径が大とされた略円錐台形状を備えることを特徴とする請求項1記載の水中撹拌曝気装置。
【請求項3】
前記回転部は、前記略円錐台形状の上側に前記ノズル孔を備えると共に、当該ノズル孔より上側に突起翼を備えることを特徴とする請求項2記載の水中撹拌曝気装置。
【請求項4】
前記回転部は、内部に前記酸素含有気体が供給される空間を有し、
前記ノズル孔は、前記回転部内の空間に供給された酸素含有気体を前記回転部外に吐出することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の水中撹拌曝気装置。
【請求項5】
前記回転部は、その上部に、前記空間を備え、
前記回転部の回転軸の軸線方向に沿う周囲には、前記回転部内の空間と当該空間より下方の回転部外とを連通し、運転停止時に前記ノズル孔を通して前記回転部内の空間に進入した汚泥を前記回転部外に排出するための汚泥抜き経路が設けられていることを特徴とする請求項4記載の水中撹拌曝気装置。
【請求項6】
前記回転部の回転軸を軸支する支持部が前記被処理水より上方に配置され、
前記支持部は、上下方向に離間して配置され前記回転軸を軸支する一対の軸受と、
前記一対の軸受を支持すると共に当該一対の軸受同士の間で前記回転軸の周囲に内部空間を形成する包囲壁と、を備え、
前記回転軸は、筒状に構成されると共に前記包囲壁内の部分に当該回転軸の内外を連通する連通孔を有し、且つ、その筒内の空間が前記回転部内の空間と連通され、
前記酸素含有気体は、前記包囲壁内に供給されることを特徴とする請求項4又は5記載の水中撹拌曝気装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、水中撹拌曝気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、槽内の被処理水に浸漬するように配置され、上下方向の軸線回りに回転することにより被処理水を送水しながら撹拌する撹拌インペラと、撹拌インペラによる装置内の送水経路に酸素含有気体を供給し散気する散気装置と、を具備した水中撹拌曝気装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−24683号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記公報記載の水中撹拌曝気装置にあっては、微細な気泡を供給するのが難しいという問題がある。また、微細気泡散気装置を用いると、目詰まりの問題や送気のために多大な動力を必要とするという問題がある。
【0004】
本発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、目詰まりの問題や動力の問題が無く、容易に微細な気泡を供給できる水中撹拌曝気装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による水中撹拌曝気装置は、槽内の被処理水に浸漬するように配置され、上下方向の軸線回りに回転することにより被処理水を撹拌し槽内に上下方向の旋回循環流を形成する撹拌インペラと、旋回循環流に対して酸素含有気体を供給し散気する散気装置と、を具備し、散気装置は、被処理水に浸漬するように配置され上記軸線と略同軸回りに回転する回転部を備え、回転部は、その回転方向に沿って、酸素含有気体を吐出するためのノズル孔を複数有していることを特徴としている。
【0006】
このような水中撹拌曝気装置によれば、槽内の被処理水に浸漬するように配置され、上下方向の軸線回りに回転する撹拌インペラより、被処理水が撹拌されて槽内に上下方向の旋回循環流が形成され、このとき、被処理水に浸漬するように配置され上記軸線と略同軸回りに回転する散気装置の回転部が回転し、回転部の回転方向に沿って複数設けられたノズル孔から旋回循環流に対して酸素含有気体が供給されて散気が成される。このように、回転するノズル孔から酸素含有気体が供給されるため、ノズル孔を目詰まりするほど小さくしなくても、且つ、多大な動力を与えなくても、回転による剪断力が気泡に作用して当該気泡が細分化される。従って、目詰まりの問題や動力の問題が無く、容易に微細な気泡を供給することが可能とされる。
【0007】
ここで、回転部は、撹拌インペラの上方に配置され、下部の径に対して上部の径が大とされた略円錐台形状を備えているのが好ましい。このような構成を採用した場合、回転部の略円錐台形状の外周面に沿って、循環流を構成する水流が形成されるため、良好な旋回循環流が形成される。
【0008】
また、回転部は、略円錐台形状の上側にノズル孔を備えると共に、当該ノズル孔より上側に突起翼を備えているのが好ましい。このような構成を採用した場合、略円錐台形状の上側のノズル孔より吐出された気泡は、ノズル孔より上側の突起翼により、略円錐台形状の上方に滞留すること無く上方且つ外側へ送られる。このため、気泡同士の会合が防止され良好に分散される。
【0009】
また、回転部は、内部に酸素含有気体が供給される空間を有し、ノズル孔は、前記回転部内の空間に供給された酸素含有気体を回転部外に吐出する構成が好ましい。このような構成を採用した場合、簡易な構成で、ノズル孔から酸素含有気体を吐出することが可能とされる。
【0010】
また、回転部は、その上部に、上記空間を備え、回転部の回転軸の軸線方向に沿う周囲には、回転部内の空間と当該空間より下方の回転部外とを連通し、運転停止時にノズル孔を通して回転部内の空間に進入した汚泥を回転部外に排出するための汚泥抜き経路が設けられているのが好ましい。このような構成を採用した場合、運転停止時にノズル孔を通して回転部内の空間に進入した汚泥は、運転再開時に回転部の空間に供給される酸素含有気体により、回転部の回転軸の軸線方向に沿う周囲に設けられ回転部内の空間と当該空間より下方の回転部外とを連通する汚泥抜き経路を介して回転部外に良好に排出される。
【0011】
また、回転部の回転軸を軸支する支持部が被処理水より上方に配置され、支持部は、上下方向に離間して配置され回転軸を軸支する一対の軸受と、一対の軸受を支持すると共に当該一対の軸受同士の間で回転軸の周囲に内部空間を形成する包囲壁と、を備え、回転軸は、筒状に構成されると共に包囲壁内の部分に当該回転軸の内外を連通する連通孔を有し、且つ、その筒内の空間が回転部内の空間と連通され、酸素含有気体は、包囲壁内に供給される構成が好ましい。このような構成を採用した場合、回転部の回転軸を軸支する支持部が被処理水より上方に配置されるため、被処理水に浸漬している場合に必要とされる水封性の確保及びメンテナンス時の引き揚げ作業が不要とされる。また、上下方向に離間して配置された一対の軸受により回転軸が軸支されると共に、この一対の軸受が、当該一対の軸受同士の間で回転軸の周囲に内部空間を形成する包囲壁により支持されるため、回転軸の支持剛性が高められる。また、回転軸は、筒状に構成されると共に包囲壁内の部分に当該回転軸の内外を連通する連通孔を有し、且つ、その筒内の空間が回転部内の空間と連通され、酸素含有気体は、包囲壁内に供給される構成のため、少ない部品点数で、外部から回転部内の空間へ酸素含有気体を供給することが可能とされる。
【発明の効果】
【0012】
このように本発明による水中撹拌曝気装置によれば、目詰まりの問題や動力の問題が無く、容易に微細な気泡を供給することが可能な水中撹拌曝気装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明による水中撹拌曝気装置の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る水中撹拌曝気装置1を示す構成図、図2は、水中撹拌曝気装置1の一部破断構成図、図3は、水中撹拌曝気装置1の回転部を示す斜視図、図4は、回転部の縦断面図、図5は、図4のV−V矢視図、図6は、図4のVI−VI矢視図、図7は、撹拌インペラと回転部との関係を示す図、図8は、水中撹拌曝気装置1のロータリーユニットの縦断面図である。
【0014】
図1に示すように、水中撹拌曝気装置1は、槽2内の被処理水(窒素やリンを含む有機性排水)3を曝気することで被処理水3の浄化を行うものである。そのために、水中撹拌曝気装置1は概略、筒状体4、撹拌インペラ5、散気装置を構成する回転部6、シャフト(回転軸)7、ロータリーユニット(支持部)8及び駆動部9を備えている。これらの筒状体4、撹拌インペラ5、回転部6は、被処理水3に浸漬するように配置され、ロータリーユニット8及び駆動部9は、被処理水3より上方に配置されている。
【0015】
筒状体4は、槽2の底壁の略中央に立設されており、図2に示すように、円筒状の円筒部10と、円筒部10の下部に設けられて槽2の底壁に設置される設置部11と、を備えている。この筒状体4の円筒部10は、上部に位置する開口上部12と、下部に位置する開口下部13とを有している。
【0016】
撹拌インペラ5は、筒状体4の軸線と略同軸に配置されると共に、筒状体4の円筒部10内に配置され、上下方向に延在するシャフト7に固定されている。この撹拌インペラ5は、周方向に沿って複数の回転羽根14を備えている。回転羽根14は、回転したときに円筒部10の内壁と接触しない所定のクリアランスを有するように設置されている。
【0017】
回転部6は、撹拌インペラ5の上方であって、撹拌インペラ5の水流下流側に配置されるようにしてシャフト7に固定されている。この回転部6は、図3及び図4に示すように、下部の径に対して上部の径が大とされた略円錐台形状の水流案内部と、この水流案内部の上側に設けられた円錐形状の上部と、を有している。回転部6の上部内側には、シャフト7を介して空気が供給される空間15が設けられており、回転部6の水流案内部と上部との境界部の外周面には、空間15と回転部6外とを連通するノズル孔16が回転部6の回転方向に沿って複数設けられている。
【0018】
回転部6の空間15の下側であって回転部6におけるシャフト7の軸線に沿う周囲には、汚泥抜き経路17が設けられている。この汚泥抜き経路17の上端は、図4及び図5に示すように、複数の連通開口18を介して空間15と連通され、汚泥抜き経路17の下端は、図4及び図6に示すように、複数の汚泥抜き開口19を介して回転部6外と連通されている。
【0019】
なお、図7に示すように、回転部6の略円錐台形状の水流案内部の外周面における水平面からの仰角をθとすると、θ=10°〜80°が好ましい。また、撹拌インペラ5と回転部6とは、撹拌インペラ5の直径をDとし、撹拌インペラ5の上端から回転部6のノズル孔16までの距離をKとすると、K=0.25D〜1.5Dの関係とするのが好ましい。このようなθ、Kとすることで、気泡同士の会合の防止が図られる。
【0020】
図2に示すように、シャフト7は、回転部6及び撹拌インペラ5を固定すると共に、ロータリーユニット8により回転自在に軸支されている。このシャフト7は、図8に示すように、筒状に形成されており、内部に空気供給路20を備えている。シャフト7の上部には、ロータリーユニット8との間で空気が連通する複数の上部連通孔21が設けられると共に、シャフト7の下部には、図4に示すように、空気供給路20と回転部6の空間15との間で空気が連通する複数の下部連通孔22が設けられている。なお、シャフト7の空気供給路20は、空間15より下方の位置で閉じられている。
【0021】
ロータリーユニット8は、図8に示すように、水上の固定部に固定されているもので、シャフト7を回転自在に軸支する軸受部23と、駆動部9の駆動軸30から伝達された駆動力の方向を変換して、駆動軸30に直交するシャフト7に伝達する回転軸変換部24とを備えている。
【0022】
軸受部23は、シャフト7の上下方向に離間して配置されシャフト7を回転自在に軸支する一対の軸受25,26と、一対の軸受25,26を支持すると共に、この一対の軸受25,26同士の間でシャフト7の周囲に内部空間27を形成するケーシング(包囲壁)28と、ケーシング28に設けられてケーシング28外から内部空間27に空気を供給するための空気供給口29とを備え、ケーシング28が固定部に固定される。
【0023】
回転軸変換部24は、駆動軸30の水平軸回りの回転をシャフト7の垂直軸回りの回転に変換して伝達する軸変換伝達部31を備えている。この軸変換伝達部31は、例えば、駆動軸30とシャフト7にそれぞれカサ歯車を固定し、これらのカサ歯車を噛み合わせることにより構成することができる。
【0024】
そして、撹拌インペラ5、回転部6、シャフト7、ロータリーユニット8及び駆動部9により、本体上部32(図2参照)が構成され、ロータリーユニット8の空気供給口29から回転部6のノズル孔16に至る構成により、散気装置が構成されている。
【0025】
このような構成を有する水中撹拌曝気装置1は、筒状体4を槽2の底部に設置し、撹拌インペラ5の回転軸線が筒状体4の軸と略同軸となるように本体上部32を下降させて設置することで得られる。
【0026】
続いて、水中撹拌曝気装置1の動作について、図9を参照しながら説明する。図9は、水中撹拌曝気装置1が設置された槽2内の被処理水3の循環の様子を示す図である。図9において、符号33は被処理水3の旋回循環流を示し、矢印33a〜33cは旋回循環流33の流れ方向を示している。
【0027】
水中撹拌曝気装置1の運転を開始し、駆動部9の回転軸30が回転駆動されると、この回転駆動力は、軸変換伝達部31により回転方向が変換されて、シャフト7に伝達される。シャフト7は、ロータリーユニット8の軸受部23により軸支されながら回転する。このシャフト7の回転に伴い、シャフト7に固定されている回転部6及び撹拌インペラ5も同様に回転する。
【0028】
撹拌インペラ5は筒状体4の円筒部10内に設けられているため、撹拌インペラ5が回転すると、円筒部10の下方から被処理水3が吸引される。すなわち、被処理水3は、円筒部10の開口下部13から吸い込まれて、円筒部10内を伝って上昇し、撹拌インペラ5を通して、開口上部12から送水される。開口上部12から送水された被処理水3は、筒状体4の上方に設けられている回転部6の略円錐台形状の水流案内部の外周面に沿って上昇する。
【0029】
このとき、ロータリーユニット8に設けられた空気供給口29を通して、ケーシング28の内部空間27には空気が供給され、内部空間27に供給された空気は、シャフト7上部に設けられた上部連通孔21を通じて、シャフト7内の空気供給路20に供給され、空気供給路20を伝って下降し、シャフト7下部に設けられた下部連通孔22を通じて、回転部6の空間15に供給される。そして、空間15に供給された空気は、ノズル孔16から気泡となって吐出される。
【0030】
このように、ノズル孔16から気泡が吐出されているときには、回転部6はシャフト7と共に回転している。このため、ノズル孔16から吐出される気泡には回転による剪断力が作用し、ノズル孔16から吐出される気泡が細分化されて、被処理水3に供給される。
【0031】
ここで、ノズル孔16の直径を8mm、空気量を2.0m/時間・個、ノズル孔16の周速度を5〜7m/秒として、ノズル孔16から吐出される気泡の大きさを計測したところ、ノズル孔16から吐出された気泡は、平均直径が2mmと望ましい大きさであった。すなわち、ノズル孔16を目詰まりしないように大きくしても、回転による剪断力の作用により気泡が細分化されるため、所望の気泡が得られる。
【0032】
一方、空間15に供給された空気は、連通開口18を介し汚泥抜き経路17にも供給され、汚泥抜き経路17の下端に設けられた汚泥抜き開口19から進入してくる被処理水3を押し下げる作用を奏する。従って、被処理水が連通開口18を越えて空間15に進入しないように、且つ、空間15に供給される空気が汚泥抜き開口19から吐出しないように、すなわち、圧損高さが泥抜き経路17の間に位置するように、供給する空気の圧力調整が成されている。
【0033】
このようにして、撹拌インペラ5により送水された被処理水3は、回転部6の略円錐台形状の外周面に沿って上昇し、回転する回転部6のノズル孔16から吐出されて細分化した気泡が供給され、この細分化された気泡の空気を溶存しながら槽2を上昇する(図9の矢印33a参照)。槽2の水面まで上昇した被処理水3は、槽2の外側に向かい、再び槽2内を下降していく(図9の矢印33b参照)。槽2の底まで下降した被処理水3は、再び筒状体4に吸い込まれて、撹拌インペラ5により上方に送水される(図9の矢印33c参照)。このようにして、空気が溶存した被処理水3が旋回循環流33となり、槽2全体に循環し、被処理水3の浄化が良好に成される。
【0034】
その後、水中撹拌曝気装置1をメンテナンスするために運転を停止すると、回転部6の空間15には空気が供給されなくなるため、ノズル孔16や汚泥抜き開口19を介して汚泥が進入する。しかしながら、運転を再開し空気の供給を再開すると、回転部6の空間15の汚泥は、汚泥抜き経路17を介して回転部6外へ排出され、加えて、ノズル孔16が、前述のように大きくされているため、目詰まりすることなく回転による遠心力でノズル孔16から排出される。なお、汚泥抜き経路17の下部を、回転部6の遠心方向、すなわち水流案内部の傾斜側面に向けて延ばし回転部6外と連通するようにすると、遠心力により一層良好に汚泥抜き経路を介して汚泥が抜けるようになる。
【0035】
このように、本実施形態に係る水中撹拌曝気装置1によれば、撹拌インペラ5により被処理水3が撹拌されて槽2内に上下方向の旋回循環流33が形成され、回転部6に設けられたノズル孔16から吐出される気泡が回転部6の回転により細分化されて、旋回循環流33に対して散気が成される。このように、回転するノズル孔16から空気が供給されるため、ノズル孔16を目詰まりするほど小さくしなくても、且つ、多大な動力を与えなくても、回転による剪断力が気泡に作用して当該気泡が細分化される。従って、目詰まりの問題や動力の問題が無く、容易に微細な気泡を供給することが可能とされる。
【0036】
また、回転部6を略円錐台形状とすることで、回転部6の略円錐台形状の外周面に沿って、循環流を構成する水流が形成されるため、良好な旋回循環流33が形成される。
【0037】
また、回転部6の内部に空間15を有し、ノズル孔16は、空間15に供給された空気を回転部6外に吐出する構成のため、簡易な構成で、ノズル孔16から空気を吐出することが可能とされる。
【0038】
また、空間15の下方に汚泥抜き経路17を設けているため、運転停止時にノズル孔16を通して回転部6の空間15に進入した汚泥は、汚泥抜き経路17を介して回転部外に良好に排出される。
【0039】
また、シャフト7を軸支するロータリーユニット8が被処理水3より上方に配置されるため、被処理水3に浸漬している場合に必要とされる水封性の確保及びメンテナンス時の引き揚げ作業が不要とされる。また、同様に、駆動部9も、被処理水3より上方に配置されるため、水封性の確保及びメンテナンス時の引き揚げ作業が不要とされる。また、上下方向に離間して配置された一対の軸受25,26によりシャフト7が軸支されると共に、この一対の軸受25,26が、当該一対の軸受25,26同士の間でシャフト7の周囲に内部空間27を形成するケーシング28により支持されるため、シャフト7の支持剛性が高められる。また、シャフト7は、筒状に構成されると共にケーシング28内の部分に当該シャフト7の内外を連通する上部連通孔21を有し、且つ、その筒内の空気供給路20が回転部6内の空間15と連通され、空気は、ケーシング28内に供給される構成のため、少ない部品点数で、外部から回転部6内の空間15へ空気を供給することが可能とされている。
【0040】
図10は、他の実施形態に係る水中撹拌曝気装置34の回転部35を示す正面図である。
【0041】
図10に示すように、この水中撹拌曝気装置34と、上述した水中撹拌曝気装置1と異なる点は、回転部35におけるノズル孔16の上側に突起翼37を新たに設けた点のみであり、他の構成は同一である。
【0042】
ここで、撹拌インペラ5により被処理水3が上方に送水されると、回転部の略円錐台形状の上方には、被処理水3の巻き込みによる点線で示す乱流xが発生する。しかしながら、ここでは、ノズル孔36の上側に突起翼37が設けられているため、被処理水3は突起翼37により上方且つ外側に送られる。
【0043】
従って、下部の径に対して上部の径が大とされた略円錐台形状の上側のノズル孔36より吐出された気泡は、ノズル孔36より上側の突起翼37により、略円錐台形状の上方に滞留すること無く上方且つ外側へ送られる。このため、気泡同士の会合が防止され良好に分散される。
【0044】
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、上記実施形態においては、散気装置の回転部の一例として略円錐台形状の回転部を用いて説明したが、例えば図11の構成を採用しても良い。図11(a)は、回転部と撹拌インペラの上面図、図11(b)は、回転部と撹拌インペラの正面図を示し、ここでは、シャフト7に対して、円環状の回転部50が取り付けられている。このような構成でも、先の実施形態とほぼ同様な効果を得ることができる。
【0045】
また、上記実施形態においては、特に好ましいとして、散気を空気により行っているが、酸素含有気体であれば良い。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施形態に係る水中撹拌曝気装置を示す構成図である。
【図2】図1に示す水中撹拌曝気装置の一部破断構成図である。
【図3】回転部を示す斜視図である。
【図4】回転部の縦断面図である。
【図5】図4のV−V矢視図である。
【図6】図4のVI−VI矢視図である。
【図7】撹拌インペラと回転部との関係を示す図である
【図8】ロータリーユニットの縦断面図である。
【図9】図1に示す水中撹拌曝気装置が設置された槽内の被処理水の循環の様子を示す図である。
【図10】他の実施形態に係る水中撹拌曝気装置の回転部を示す正面図である。
【図11】さらに他の回転部を示す図である。
【符号の説明】
【0047】
1,34…水中撹拌曝気装置、2…槽、3…被処理水、4…筒状体、5…撹拌インペラ、6,35,50…回転部、7…シャフト(回転軸)、8…ロータリーユニット(支持部)、9…駆動部、10…円筒部、11…設置部、12…開口上部、13…開口下部、14…回転羽根、15…空間、16…ノズル孔、17…汚泥抜き経路、18…連通開口、19…汚泥抜き開口、20…空気供給路、21…上部連通孔、22…下部連通孔、23…軸受部、24…回転軸変換部、25,26…軸受、27…内部空間、28…ケーシング(包囲壁)、29…空気供給口、30…駆動軸、31…軸変換伝達部、32…本体上部、33…旋回循環流、37…突起翼。
【出願人】 【識別番号】507036050
【氏名又は名称】住友重機械エンバイロメント株式会社
【出願日】 平成18年7月7日(2006.7.7)
【代理人】 【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹

【識別番号】100092657
【弁理士】
【氏名又は名称】寺崎 史朗

【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹


【公開番号】 特開2008−12474(P2008−12474A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−188083(P2006−188083)