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【発明の名称】 加圧押出機能付ミキサー
【発明者】 【氏名】井上 芳隆

【氏名】是石 芳輝

【要約】 【課題】固/液系の中、高粘度材料を攪拌、混練、捏和処理するミキサーにおいて、処理後の処理材料をタンクから押し出しできる加圧押出機能付ミキサーを提供する。

【構成】昇降可能な攪拌ヘッド(2)に、駆動部(6)により回転される攪拌翼(8)を設ける。上記攪拌翼(8)は、攪拌ヘッド(2)を降下させたときタンク(11)に入り込み、攪拌等の処理を行う。上記攪拌ヘッド(2)には、連結部材(14)を介して着脱可能に加圧板(13)が取り付けられる。上記処理終了後、上記加圧板(13)を攪拌ヘッド(2)に取り付け、昇降シリンダーを降下させてタンク(11)内の処理材料をタンクの吐出口から押し出す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動部により回転される攪拌手段をタンク内に挿入して処理材料を処理するよう上記駆動部又はタンクを上下動可能に設けたミキサーにおいて、上記タンクに嵌合する加圧板を具備し、処理後の処理材料を上記タンクの吐出口から押し出すよう該加圧板を上記駆動部側に着脱可能に設けたことを特徴とする加圧押出機能付ミキサー。
【請求項2】
上記加圧板は、攪拌手段の下端よりタンク側に位置するよう連結部材を介して上記駆動部に取り付けられる請求項1に記載の加圧押出機能付ミキサー。
【請求項3】
上記ミキサーは、加圧板を載置する移動台車を具備し、該移動台車は上記タンクの開口部に対向する押出位置と該タンクから離れる待機位置に移動可能に設けられている請求項1または2に記載の加圧押出機能付ミキサー。
【請求項4】
上記ミキサーは、タンクの開口部の上部両側に位置する内方レールとタンクの側方に位置する外方レールを有し、上記移動台車は、上記外方レール上を走行する親台車と、該親台車上に移動可能に載置され上記内方レール上に移送可能なリフター台車を含んでいる請求項3に記載の加圧押出機能付ミキサー。
【請求項5】
上記加圧板は、移動台車上で昇降可能に保持されている請求項3または4に記載の加圧押出機能付ミキサー。
【請求項6】
上記ミキサーは、攪拌手段として処理材料を攪拌、混練、捏和処理するようタンク内で公転、自転する攪拌翼を有するプラネタリーミキサーである請求項1に記載の加圧押出機能付ミキサー。
【請求項7】
上記プラネタリーミキサーは、駆動部を有する攪拌ヘッドと、上記駆動部に連絡し攪拌翼を取り付ける回転板部を含み、加圧板は連結部材を介して上記攪拌ヘッドまたは回転板部に取り付けられる請求項6に記載の加圧押出機能付ミキサー。
【請求項8】
上記ミキサーは、複数の攪拌翼を有する多軸ミキサーである請求項1に記載の加圧押出機能付ミキサー。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、固/液系の中、高粘度材料を攪拌、混練、捏和等するプラネタリーミキサー等のミキサーに関し、処理後の材料を加圧してタンクから押し出しできる機能を有する加圧押出機能付ミキサーに係るものである。
【背景技術】
【0002】
固/液系の中、高粘度材料は、プラネタリーミキサー等のミキサーで攪拌、混練、捏和等の処理をすることが多く、通常このようなミキサーは処理材料を収納したタンクの上方から駆動部により回転される攪拌手段を降下させたり(例えば、特許文献1参照)、タンクを上昇してタンク内に攪拌手段を入り込ませて攪拌等の処理を行う。処理後、上記攪拌手段とタンクは分離され、流動性の高い材料の場合は、タンクの側面や底面に設けた吐出口のバルブをあけて流出させることができるが、固/液系の中、高粘度材料は吐出バルブを開放しても容易に流出しないので、上記タンクをミキサーから取り出し、別に設けた加圧押出装置に運んで吐出させている。
【0003】
この加圧押出装置は、タンクに加圧板を嵌合し、該加圧板を加圧用シリンダー装置で降下させ強制的に処理材料を吐出口から押し出して次工程へ材料を供給したり、加圧充填等するよう構成されている(例えば、特許文献2参照)。そのため、上述の如き中、高粘度材料を処理する場合には、プラネタリーミキサー等のミキサー本体とは別に加圧用シリンダー装置を有する加圧押出装置をそれぞれ用意する必要があり、工場内で広い据付場所を確保しなければならず、経済的でもない。
【特許文献1】特公平5−45389号公報(4欄1〜8行、第1図)
【特許文献2】特許第2764375号公報(0002、0005、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の解決課題は、攪拌手段によりタンク内の処理材料を攪拌、混練、捏和等するミキサーにおいて、処理後のタンクを別体に設けた加圧押出装置に運ばなくても、該ミキサーにセットした状態でタンク内の処理材料を加圧押出できるようにした加圧押出機能付ミキサーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、駆動部により回転される攪拌手段をタンク内に挿入して処理材料を処理するよう上記駆動部又はタンクを上下動可能に設けたミキサーにおいて、上記タンクに嵌合する加圧板を具備し、処理後の処理材料を上記タンクの吐出口から押し出すよう該加圧板を上記駆動部側に着脱可能に設けたことを特徴とする加圧押出機能付ミキサーが提供され、上記課題が解決される。
【発明の効果】
【0006】
本発明は上記のように構成され、攪拌手段の駆動部又はタンクを昇降シリンダー等の昇降手段で上下動可能に設けて上記攪拌手段をタンク内に挿入して処理を行うミキサーにおいて、上記タンクに嵌合する加圧板を具備し、該加圧板を上記駆動部側に着脱可能に設けたので、攪拌、混練、捏和等の処理をする際は上記加圧部を取り外して通常のように処理を行うことができる。処理後は、上記駆動部を上昇し又はタンクを降下して攪拌手段とタンクを分離し、連結部材を用いて上記加圧板を駆動部側に取り付ける。そして、上記駆動部を降下させ若しくはタンクを上昇させると、上記加圧板は該タンクに嵌入して行くから、上記タンクの側面や底面に設けた吐出口から処理材料を押し出すことができる。したがって、別に加圧押出装置を設ける必要がないので、ミキサーとしての据付場所があれば充分であり、昇降手段を兼用できるので経済的に得ることができる。
【0007】
また、上記加圧板を着脱する際、棒状の連結部材を用いると操作が容易であり、さらに加圧板を移動台車に載置して上記タンクの開口部に対応する押出位置と該タンクから離れる待機位置間で移動できるようにすると、重量のある加圧板でも取扱いが容易であり簡単に着脱作業を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1〜図3は、本発明によるプラネタリーミキサーの一実施例を示し、本体(1)には攪拌ヘッド(2)を上下動させる昇降手段として複動式の昇降シリンダー(3)、(3)が対向状態に設けられ、該攪拌ヘッド(2)には、モーター(4)、減速機(5)等を含む駆動部(6)が形成され、該駆動部により回転される攪拌手段(7)が設けられている。該攪拌手段(7)としては、枠形ブレード等の攪拌翼(8)を含み、上記駆動部(6)より回転する回転板部(9)(図4参照)に取り付けられ、公転、自転の遊星運動を行う。回転板部(9)の周囲は、公知のようにフード(10)が設けられている。なお、昇降手段としては、図に示す実施例では油圧式の複動シリンダーを用いているが、歯車やモーター等を用いて上下動させるようにしてもよい。
【0009】
タンク(11)は、上記攪拌手段(7)の下方に位置するように上記昇降シリンダー(3)、(3)間に搬入され、保持具により定位置に保持される。上記タンクに収納された処理材料は、公知のように、上記昇降シリンダー(3)、(3)により上記攪拌ヘッド(2)を降下させ、上記攪拌翼(8)をタンク(11)内に挿入して公転、自転させることにより攪拌、混練、捏和処理される。
【0010】
上記駆動部(6)側には、処理後の処理材料をタンク(11)の吐出口(12)から押し出すための加圧板(13)が着脱可能に設けられている。該加圧板(13)は、上記タンク(11)に嵌合する大きさに形成され、攪拌手段の攪拌翼(8)の下端よりタンク側に位置するように連結部材(14)を介して上記駆動部側に取り付けられている。なお、上記攪拌手段が上記回転板部(9)から簡単に取り外せるような場合は、連結部材を適宜の長さに形成してもよい。
【0011】
上記加圧板(13)は、図5に示すように、タンク(11)の内壁面に内接する大きさに形成され、適宜の油等の熱媒体により加温することができ、上面の周縁には複数の、図に示す実施例では4つの取付部(15)が形成されている。連結部材(14)は、略棒状に形成され、上下端に連結部(16)、(17)を形成してあり、下端連結部(16)は上記取付部(15)に挿入してピン(18)で連結される。また、上端連結部(17)は、図4に示すように攪拌ヘッド(2)の下面に固定した柱状の取付座(19)の下端に挿入され、ピン(18)で連結される。なお、該連結部材(14)は、所定の長さを有する単なる棒状体でもよいが、途中にねじ機構等を利用した長さ調整装置(20)を設けておけば、全長を微調整でき便利である。
【0012】
上記加圧板(13)は、使用する際に適宜の搬送手段で上記ミキサー本体に運ぶようにしてもよいが、上記本体に移動可能に移動台車を設け、該移動台車に載置して搬入、搬出するようにすると便利である。図1〜図3に示す実施例では、加圧板を載置するための移動台車(21)が設けられており、該移動台車(21)を上記タンク(11)の開口部に対向する押出位置と該タンク(11)から離れる待機位置に移動可能に構成してある。
【0013】
上記本体には、上記移動台車を走行させる走行路を形成してあり、押出位置においては、タンク(11)の開口部の上部両側に位置するよう内方レール(22)、(22)が設けられ、該本体の側方の待機位置には外方レール(23)、(23)が設けられている。図6に示すように、実施例に示す上記移動台車(21)は、上記外方レール(23)上を走行する車輪(24)を有する親台車(25)と、該親台車(25)の上面に設けた中間レール(26)、(26)上に移動可能に載置され上記内方レール(22)上に移送可能な車輪(27)を有するリフター台車(28)を含んでおり、上記中間レール(26)、(26)は、上記内方レール(22)、(22)と同じ高さ、幅に形成され、その先端には上記親台車(25)を本体(1)に近接させたとき、上記内方レール(22)の端部に嵌合可能な接続部(29)が形成されている。
【0014】
上記リフター台車(28)には、加圧板(13)の下面を載置する支持板(30)が設けられている。該支持板(30)は、スクリュージャッキや油圧ジャッキ等の昇降装置(31)を設けて上下可動に支持されており、ハンドル(32)により該昇降装置を操作して該支持板(30)を微少量上下動させ加圧板(13)と連結部材(14)を接続する際の作業が容易にできるようにしてある。
【0015】
上記構成により、図1〜図3に示すミキサーでは、上述のように昇降シリンダー(3)により攪拌ヘッド(2)を降下して処理材料の処理が終了したら、該攪拌ヘッド(2)を上昇し攪拌手段(7)をタンクの上方へ移動させた後、上記移動台車(21)の親台車(25)を本体(1)に接近させる。そして、上記内方レール(22)と中間レール(26)を接続し、親台車(25)をその位置に停止させた状態で該中間レール(26)上のリフター台車(28)を内方レール(22)上に移送し、上記タンク(11)の開口部に対向する位置に加圧板(13)を移動させる。該加圧板(13)を連結部材(14)を介して取付座(19)に連結したら、上記リフター台車(28)は上記親台車(25)上に戻される。その後、上記昇降シリンダー(3)を降下させると、上記加圧板(13)は、タンク(11)に嵌合した状態で降下し、該昇降シリンダーの加圧作用で処理材料を上記タンク(11)の下面や側面に設けた吐出口(12)から押し出すことができる。作業終了後は、上記昇降シリンダー(3)により攪拌ヘッド(2)を上昇し、加圧板(13)をタンク(11)の上方に取り出し、上述と逆の手順で該加圧板(13)をリフター台車(28)に載置し、親台車(25)と共に待機位置へ後退させればよい。
【0016】
上記実施例は、加圧板(13)を加圧する圧力が、約0.6MPa以下好ましくは約0.4MPa程度の比較的高圧であり、連結部材(14)も4本用いて耐圧性を向上させているが、処理材料の粘度がそれ程高粘度でない場合には、それよりも低圧で加圧するよう構成を簡素化することもできる。
【0017】
図7〜図9は、他の実施例を示し、上述とほぼ同様の駆動部(6)を有する攪拌ヘッド(33)は本体(34)に固定され、タンク(35)を複動式の昇降シリンダー(36)で上下動させて枠形ブレード等の攪拌翼(37)を含む攪拌手段(38)をタンク内に挿入させている。加圧板(39)は、略円板状に形成され、中央に取付部(40)を有し、連結部材(41)を介して該取付部(40)と回転板部(42)を連結している。このような構成により、上述とほぼ同様に加圧押出しでき、約0.2MPa以下の例えば約0.05MPa程度の低圧で上記加圧板を押圧して処理材料を吐出口から押し出しできるような場合に好適である。
【0018】
上記実施例においては、ミキサーとしてプラネタリーミキサーを示したが、複数の攪拌翼を有する多軸ミキサーその他のミキサーに本発明を適宜適用できることは当業者には明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施例を示し、移動台車等を半断面したプラネタリーミキサーの正面図。
【図2】図1に示すプラネタリーミキサーの攪拌ヘッドを降下した状態の側面図。
【図3】図1に示すプラネタリーミキサーの平面図。
【図4】加圧板を連結した状態を半断面して示す一部の拡大説明図。
【図5】タンク、加圧板、連結部材の関係を示す説明図。
【図6】移動台車の説明図。
【図7】他の実施例のプラネタリーミキサーを示す正面図。
【図8】図7に示すプラネタリーミキサーの側面図。
【図9】一部の拡大説明図。
【符号の説明】
【0020】
1、34 本体
2、33 攪拌ヘッド
3、36 昇降シリンダー
6 駆動部
7、38 攪拌手段
8、37 攪拌翼
11、35 タンク
13、39 加圧板
14、41 連結部材
21 移動台車
22 内方レール
23 外方レール
25 親台車
26 中間レール
28 リフター台車
30 支持板
【出願人】 【識別番号】000139883
【氏名又は名称】株式会社井上製作所
【出願日】 平成18年7月3日(2006.7.3)
【代理人】 【識別番号】100081547
【弁理士】
【氏名又は名称】亀川 義示


【公開番号】 特開2008−12370(P2008−12370A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−182919(P2006−182919)