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【発明の名称】 貯水池のろ過装置
【発明者】 【氏名】阪本 眞由美

【要約】 【課題】目詰まりを容易に解消すると共に、その目詰まりの解消時機を容易に判別する経済性に優れた貯水池のろ過装置を提供する。

【構成】貯水池1の外部の透明なろ過筒10の内部に通水性の仕切り板により区分した複数の分室を上下方向に設け、最下段の分室を除く残りの分室内に珪砂を収容し、珪砂の粒径は下段側の分室に至るに従い順次小さくし、最上段の分室の上端開口部の蓋体16は着脱自在とし、揚水ホース20、開閉弁19を介して、最上段の分室上部の流入口に貯水池1内の貯水を水中ポンプ30により通水し、貯水をろ過筒10の分室内の珪砂中を下向きに通過させてろ過を行い不純物を除去し、ろ過後の清澄水は最下段の分室に接続した吐出ホース29により貯水池1に戻す。珪砂の目詰まりの際は、揚水ホース20を最下段の分室の排水口に接続してろ過筒10内の下部より貯水をろ過筒10内を上向きに通過させて珪砂を逆洗する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯水池の外部に設置された透明なろ過筒の内部に通水性を有する仕切り板によって区分された複数の分室を上下方向に設け、最下段の分室を除く残りの分室内に珪砂を収容すると共に、下段側の分室に至るに従って珪砂の粒径を順次小さくし、最上段の分室の上端開口を閉じる蓋体を着脱自在とし、その最上段の分室上部に形成された流入口に開閉弁の出口ポートを接続し、その開閉弁の入口ポートと前記貯水池内に置かれた水中ポンプの吐出口とを揚水ホースで接続し、最下段の分室に形成された排水口と3方弁の1つのポートを接続し、その3方弁の残りの2つポートのうち一方のポートに最下段の分室内に流れ落ちるろ過後の清澄水を貯水池に戻す吐出ホースを接続し、他方のポートに対して前記揚水ホースの排水側端部を接続可能とした貯水池のろ過装置。
【請求項2】
前記最上段の分室内に、流入口からその分室内に送り込まれる揚水の受取り用の通水性を有する受水槽を設け、その受水槽内に細かい砂を充填した請求項1に記載の貯水池のろ過装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、鯉や鮒、金魚等の鑑賞魚の生育用池や浴槽、水槽等の貯水池の貯水をろ過する貯水池のろ過装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
住宅の庭に作られた魚生育用の池は、風雨に曝される環境下にあるため、貯水内にごみ等の不純物が混入し易く、放置していると、貯水に濁りが生じて水質が悪化し、魚の成育に問題が生じる。
【0003】
そのような問題を解決するため、水中ポンプの駆動により貯水を循環し、その循環路にろ過器を組込み、そのろ過器のフィルタにより貯水をろ過して不純物を取り除き、ろ過後の清澄水を池に戻して貯水の水質を一定に保つようにしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような池の従来のろ過装置においては、繊維を絡めたフィルタを用いるようにしているため、フィルタが早期に目詰まりを起こし、また、その目詰まりも容易に解消することができないため、目詰まりが生じると新しいフィルタと交換する必要が生じ、経済性に問題があるばかりでなく、その交換も非常に手間がかかるという問題があった。
【0005】
また、ろ過器内のフィルタの目詰まりの状態を外部から確認することができないため、交換時機を判別することができないという問題もあった。
【0006】
この発明の課題は、目詰まりを容易に解消することができると共に、その目詰まりの解消時機を容易に判別することができるようにした経済性に優れた貯水池のろ過装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、この発明においては、貯水池の外部に設置された透明なろ過筒の内部に通水性を有する仕切り板によって区分された複数の分室を上下方向に設け、最下段の分室を除く残りの分室内に珪砂を収容すると共に、下段側の分室に至るに従って珪砂の粒径を順次小さくし、最上段の分室の上端開口を閉じる蓋体を着脱自在とし、その最上段の分室上部に形成された流入口に開閉弁の出口ポートを接続し、その開閉弁の入口ポートと前記貯水池内に置かれた水中ポンプの吐出口とを揚水ホースで接続し、最下段の分室に形成された排水口と3方弁の1つのポートを接続し、その3方弁の残りの2つポートのうち一方のポートに最下段の分室内に流れ落ちるろ過後の清澄水を貯水池に戻す吐出ホースを接続し、他方のポートに対して前記揚水ホースの排水側端部を接続可能とした構成を採用したのである。
【0008】
上記の構成からなるろ過装置において、水中ポンプを駆動すると、貯水池内の貯水が揚水されて流入口からろ過筒内に送り込まれ、分室内の珪砂間に形成された微小な隙間を流通して下段の分室内に順次流れ落ち、各分室内の珪砂間を流通する際に、貯水に含まれる不純物が捕捉、除去されてろ過され、ろ過後の清澄水が排水口から吐出ホースに流れて貯水池に戻され、貯水の水質低下を抑制することができる。
【0009】
ここで、最上段の分室内に、流入口からその分室内に送り込まれる揚水の受取り用の通水性を有する受水槽を設け、その受水槽内に細かい砂を充填しておくことにより、揚水中に含まれる大きなごみを上記受水槽によって最初に捕捉することができるため、各分室内に収容された珪砂間の隙間が早期に目詰まりするのを防止することができる。
【0010】
ここで、珪砂間が目詰まりすると、珪砂が変色して次第に黒くなる。このとき、ろ過筒は透明であるため、珪砂の色の変化から目詰まりを判別することができる。目詰まりが生じた際には、開閉弁から揚水ホースを外して3方弁に接続し、蓋体を取外した後、水中ポンプを駆動し、揚水を排水口に送り込み、ろ過筒の下端から上向きに流れる揚水によって珪砂を逆洗し、その逆洗水をろ過筒の上端開口からオーバフローさせる。
【発明の効果】
【0011】
上記のように、この発明においては、水中ポンプの駆動によって貯水池の貯水を揚水し、その揚水を流入口からろ過筒内に送り込むことによって、その揚水をろ過することができるため、貯水に含まれる不純物を除去することができ、貯水の透明度の低下や水質の低下を抑制することができる。
【0012】
また、ろ過筒内に複数の分室を上下方向に形成し、各分室内に収容された珪砂を、下段の分室に至るに従って順次細かくしたので、貯水を極めて効率よくろ過することができる。
【0013】
さらに、ろ過筒を透明としたので、珪砂の目詰まりを外部から判別することができ、目詰まりが生じた際には、珪砂を逆洗することで目詰まりを解消することができるため、ろ材を交換する必要がなく、きわめて経済的である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、貯水池1の外部にはろ過筒10が設置され、上記貯水池1の貯水中に水中ポンプ30が置かれている。
【0015】
図2に示すように、ろ過筒10は、アクリル樹脂等の透明な材料で形成された複数の筒体11を同軸上に配置し、各筒体11の両端に設けられたフランジ11aをボルトおよびナットからなる締付け具12の締付けにより連結した構成とされている。
【0016】
ろ過筒10の隣接する筒体11のフランジ11a間には、通水性を有する仕切り板13の外周部が挟持されている。仕切り板13として、ここでは、多孔性の板体を採用したが、メッシュの細かい網体を用いるようにしてもよい。その仕切り板13の取付けによって、ろ過筒10の内部に複数の分室14が設けられ、最下部の分室14を除く残りの分室14内に珪砂15が収容されている。
【0017】
ここで、分室14内に収容された珪砂15は、下段側の分室14内に至るに従って粒径が順次小さくなっている。
【0018】
ろ過筒10内に設けられた最上段の分室14の上端開口は蓋体16によって閉鎖されている。この蓋体16はボルトおよびナットから成る締付け具17により最上段の筒体11の上側フランジ11aに取付けられて着脱自在とされている。
【0019】
最上段の分室14の上部には流入口18が形成され、その流入口18に開閉弁19の出口ポート19aが接続されている。開閉弁19の入口ポート19bには揚水ホース20の一端が接続され、その揚水ホース20の他端は貯水池1の貯水内に置かれた前記水中ポンプ30の吐出口に接続されている。
【0020】
このため、水中ポンプ30を駆動すると、貯水池1内の貯水は揚水されて流入口18から最上段の分室14内に送り込まれることになる。その最上段の分室14内には、流入口18から送り込まれる揚水の受取り用の受水槽21が設けられている。
【0021】
受水槽21は多数の小孔22が形成されて通水性を有し、内部には細かい砂23が充填されている。
【0022】
また、最上段の分室14の上部には給水管24が接続され、その給水管24に給水弁25が取付けられている。一方、最上段の分室14の上部開口を閉塞する蓋体16には、エア抜き弁26が取付けられている。
【0023】
最下段の分室14の周壁には排水口27が形成され、その排水口27に3方弁28の第1ポート28aが接続されている。3方弁28の第2ポート28bには最下段の分室14内に流れ落ちるろ過後の清澄水を貯水池1内に戻す吐出ホース29が接続され、また、3方弁28の第3ポート28cに対して、前記揚水ホース20の排水端部が接続自在とされている。
【0024】
実施の形態で示すろ過装置は上記の構造からなり、図1に示すように、水中ポンプ30の吐出口と開閉弁19の入口ポート19bに揚水ホース20が接続され、3方弁28の第2ポート28bに吐出ホース29が接続された状態において、水中ポンプ30を駆動すると、貯水池1の貯水は揚水ホース20内に揚水されて、流入口18からろ過筒10の最上段の分室14内に送り込まれる。
【0025】
最上段の分室14内に送り込まれた揚水は、受水槽21内に流れ落ち、その内部に充填された砂23によって揚水に含まれる大きなごみが最初に除去される。
このとき、受水槽21内には細かい砂が充填されているため、通水性が悪く、その受水槽21で受け取られた揚水の多くは受水槽21の上縁をオーバフローして最上段の分室14内に流れ落ちる。
【0026】
分室14内に流れ落ちた揚水は、その分室14内の珪砂15間に形成された微小な隙間を流通して下段の分室14内に順次流れ落ち、各分室14内の珪砂15間を流通する際に、揚水に含まれる不純物が捕捉、除去されてろ過される。そして、清澄化された水が最下段の分室14内に流れ落ち、排水口27から吐出ホース29に流れて貯水池1に戻される。
【0027】
このように、水中ポンプ30を駆動すると、貯水池1の貯水がろ過筒10内に送り込まれて、そのろ過筒10内の珪砂15によりろ過され、ろ過後の清澄水が貯水池1に戻されるため、貯水の透明度の低下や水質の低下を抑制することができる。
【0028】
また、ろ過筒10内に形成された複数の分室14のそれぞれには、下段の分室14に至るに従って粒径が順次小さくなる珪砂15が収容されているため、揚水に含まれる不純物は、大きな不純物から順に捕捉されることになり、貯水池1内の貯水を極めて効率よくろ過することができる。
【0029】
実施の形態で示すように、最上段の分室14内に、流入口18からその分室14内に送り込まれる揚水の受取り用の受水槽21を設け、その受水槽21に細かい砂を充填しておくことにより、揚水中に含まれる大きなごみを上記受水槽21によって最初に捕捉することができるため、各分室14内に収容された珪砂間の隙間が早期に目詰まりするのを防止することができる。
【0030】
ここで、珪砂15間が目詰まりすると、珪砂15が変色して次第に黒くなる。このとき、ろ過筒10は透明であるため、珪砂15の色の変化から目詰まりを判別することができる。
【0031】
目詰まりが生じた際には、開閉弁19から揚水ホース20を外して、図3に示すように、3方弁28の第3ポート28cに接続し、その第3ポート28cと第1ポート28aとが連通するよう3方弁28を切換え、かつ、蓋体16を取外した後、水中ポンプ30を駆動する。
【0032】
上記水中ポンプ30の駆動によって、貯水池1の貯水は揚水ホース20内に揚水されて排水口27に送り込まれ、ろ過筒10内を下端から上向きに流れてろ過筒10の上端開口からオーバフローし、上記ろ過筒10内を上向きに流れる揚水によって珪砂15が逆洗され、珪砂の目詰まりが解消される。
【0033】
このように、ろ過筒10を透明にすることにより、珪砂15の目詰まりを外部から判別することができ、目詰まりが生じた際には、珪砂15を逆洗することで目詰まりを解消することができるので、ろ材を交換する必要がなく、きわめて経済的である。
【0034】
なお、貯水池1内の貯水の水位が低下した際には、給水弁25を開放して、ろ過筒10内に給水する。その給水は、ろ過筒10内を下向きに流れて最下段の分室14から吐出ホース29に流れ、貯水池1内に供給されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】この発明に係る貯水池のろ過装置の実施の形態を示す断面図
【図2】図1に示すろ過筒の断面図
【図3】ろ過筒内の珪砂の逆洗状態を示す一部切欠正面図
【符号の説明】
【0036】
1 貯水池
10 ろ過筒
13 仕切り板
14 分室
15 珪砂
16 蓋体
18 流入口
19 開閉弁
19a 出口ポート
19b 入口ポート
20 揚水ホース
21 受水槽
22 小孔
27 排水口
28 3方弁
28a 第1ポート
28b 第2ポート
28c 第3ポート
30 水中ポンプ
【出願人】 【識別番号】506229774
【氏名又は名称】阪本 眞由美
【出願日】 平成18年7月4日(2006.7.4)
【代理人】 【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二

【識別番号】100087538
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥居 和久

【識別番号】100112575
【弁理士】
【氏名又は名称】田川 孝由

【識別番号】100084858
【弁理士】
【氏名又は名称】東尾 正博


【公開番号】 特開2008−12408(P2008−12408A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−184603(P2006−184603)