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【発明の名称】 エアフィルタ
【発明者】 【氏名】大森 直思

【氏名】北山 治

【要約】 【課題】取付時に不具合の起こりやすい床材を用いることなく良好なシール性を確保し、外調機に設けても耐候性、耐水性に優れるガスケットを使用したエアフィルタを提供する。

【構成】フィルタパック3を構成するジグザグに折り畳まれた濾材1のジグザグ状の端部に、平面部4を設けてフィルタ枠5に収納し、フィルタパック3の下流通風面の周縁部とフィルタ枠5の舟部5aとの間にガスケット6を設けるとともに、平面部4が、濾材1のジグザグ状の端縁近傍に塗布したリボン材を当接させてなることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタパックを構成するジグザグに折り畳まれた濾材のジグザグ状の端部に、平面部を設けてフィルタ枠に収納し、前記フィルタパックの下流通風面の周縁部と前記フィルタ枠の舟部との間にガスケットを設けるとともに、前記平面部が、前記濾材のジグザグ状の端縁近傍に塗布したリボン材を当接させてなることを特徴とするエアフィルタ。
【請求項2】
前記ガスケットの50%圧縮応力(JIS K6767準拠)が、10kPa以上、80kPa未満であることを特徴とする請求項1に記載のエアフィルタ。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、外調機等のビル空調用に使用されるエアフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外調機等のビル空調用に使用されるフィルタとしては、従来フィルタの正常時の断面図である図3(a)に示すようなフィルタが一般的に使用されている。図3(a)に示すように、従来のエアフィルタは、ジグザグに折り畳まれた濾材11と濾材11の間隔を保持するリボン材12とからなるフィルタパック13をフィルタ枠15に収納してなる。
ここで、フィルタ枠15は、クロロプレン系ゴム製のガスケット16を介してフィルタパック13の下流側端部と当接する舟部15aと、床材14によりフィルタパック13の上下端部を固定する平部15bと、上流及び下流側の端部15cとを含む。床材14は、フィルタパック13の上下端部とフィルタ枠15の平部15bとをシールするものであり、ガスケット16は、フィルタパック13の下流側端部とフィルタ枠15の舟部15aとの間をシールするものである。また、フィルタ枠15の下流側端部には、クロロプレン系ゴム製のガスケット17が設けられている。
なお、床材14とガスケット16とを一体化して、ウレタンフォーム製の床材兼用ガスケットとする場合もある。この場合、ウレタンフォーム製のものは柔らかいため、フィルタ枠とのシール性に優れ、取り扱いもし易いと考えられていた。
他の従来例として、ガスケット16を使用せずフィルタパックの端部に紙製床材を設けて、フィルタパックと紙製床材はホットメルトで固定したものもあった(図示せず)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のエアフィルタでは、図3(b)に示すように、フィルタ枠15にフィルタパック13を取り付ける際に、フィルタパック13に貼られた床材14あるいは床材兼用ガスケットがフィルタ枠15の平部15bとの間で擦れて剥がれ、その結果その部分にシール不良が発生するという問題があった。
また、ウレタンフォーム製ガスケットを用いているエアフィルタを外調機に使用する場合、ウレタンフォーム製ガスケットは雨水により加水分解を起こし、日光により劣化してボロボロになるという問題があった。
また、他の従来例であるガスケットを使用せずフィルタパックの端部に紙製床材を設けて、フィルタパックと紙製床材はホットメルトで固定したものも、紙製床材とフィルタ枠の隙間からエアリークが生じる可能性があるという問題があった。
【0004】
本発明は、このような従来のエアフィルタに存在する課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、取付時に不具合の起こりやすい床材を用いることなく良好なシール性を確保し、外調機に設けても耐候性、耐水性に優れるガスケットを使用したエアフィルタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる課題を解決すべく、本発明者らは鋭意検討の結果、以下の構成を見出した。即ち、本発明のエアフィルタは、請求項1の記載の通り、
フィルタパックを構成するジグザグに折り畳まれた濾材のジグザグ状の端部に、平面部を設けてフィルタ枠に収納し、前記フィルタパックの下流通風面の周縁部と前記フィルタ枠の舟部との間にガスケットを設けるとともに、前記平面部が、前記濾材のジグザグ状の端縁近傍に塗布したリボン材を当接させてなることを特徴とする。
また、請求項2に記載のエアフィルタは、請求項1に記載のエアフィルタにおいて、前記ガスケットの50%圧縮応力(JIS K6767準拠)が、10kPa以上、80kPa未満であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の請求項1のエアフィルタによれば、フィルタパックを構成するジグザグに折り畳まれた濾材のジグザグ状の端部に平面部を設けて、平面部が濾材のジグザグ状の端縁近傍に塗布したリボン材を当接させてなることにより、フィルタパックの上下端部とフィルタ枠平部との間に床材等の別部材を使用することなく、その間でのシール性を確保することができる。このため、従来のエアフィルタにおいて、フィルタパックに貼り付けた床材が取付け時に剥がれてシール不良を起こしたような問題を解消することができる。
また、フィルタパックの下流通風面の周縁部とフィルタ枠の舟部の間にガスケットを設けたことにより、空気がフィルタパックのリボン材による平面部とフィルタ枠の側面平部の間を通って抜けることを効果的に防止し、優れたシール性を発揮することができる。
また、本発明の請求項2のエアフィルタによれば、フィルタパックの下流通風面の周縁部とフィルタ枠の舟部との間に従来から使用されているガスケットは、50%圧縮応力(JIS K6767準拠)が130kPa程度と大きな締め付け力によりシール性を確保していたが、この50%圧縮応力を10kPa以上、80kPa未満の低圧力でシール性を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明のエアフィルタの好適な実施の形態を添付図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、本発明のエアフィルタの一実施形態を示す断面図を示している。
図1に示すように、本発明のエアフィルタは、ジグザグに折り畳まれた濾材1と濾材1の間隔を保持するリボン材2とからなるフィルタパック3をフィルタ枠5に収納してなるものである。ジグザグ状となる濾材1の片面の両端縁近傍には、この両端縁に沿って線状にホットメルト樹脂からなるリボン材2を塗布し、濾材1が折り曲げられた際に、当接したリボン材2で構成される平面部4をフィルタパック3に設けるようにした。
フィルタ枠5は、ガスケット6を介してフィルタパック3の下流通風面の周縁部と当接する舟部5aと、フィルタパック3の上下端面、すなわち、平面部4に当接する平部5bと、このフィルタをフィルタ取付枠に固定するための上流及び下流側の断面コ字状の端部(フランジ端部)5cとを含んでいる。なお、フィルタ枠5としては、合成樹脂製、金属製等のものを使用することができる。
平面部4は、フィルタパック3の上下端部とフィルタ枠5の平部5bとの間をシールするものであり、ガスケット6は、フィルタパック3の下流側端部とフィルタ枠5の舟部5aとの間をシールするものである。また、フィルタ枠5の下流側端部には、クロロプレン系ゴム製のガスケット7が設けられている。
【0008】
濾材1としては、合成繊維・無機質繊維等からなるフェルト、不織布、織布等の繊維体をプリーツ化したフィルタパックあるいは平状濾材を使用することができる。特に、フィルタパック3がプレフィルタであれば、重量法で70〜90%の濾材1を使用することができ、中性能フィルタであれば、比色法で50〜95%の濾材1を使用することができる。
リボン材2としては、ホットメルト樹脂等の溶融樹脂を使用することができる。このリボン材2の塗布量としては、580mm角のフィルタパックで7〜11列、56〜110g/m2とした場合には、リボン材2で形成される平面部4は8〜10g/列の溶融樹脂で形成することができる。この場合、平面部4の溶融樹脂量が8g/列未満ではシール性に問題があり、溶融樹脂量が10g/列超では濾材1の濾過面積を小さくしてしまうため捕集効率が悪くなるという問題がある。
また、リボン材2で形成される平面部4の設置位置は、フィルタパック3の上下端面からの距離を10mm以下とすることが好ましい。フィルタパック3の上下端面からの距離が10mm超では、ガスケット6の設置幅よりも小さくなり、フィルタパック3の上下端部とフィルタ枠5の平部5bとの間に床材等の別部材を使用することなく、その間でのシール性を確保可能であるという効果を発揮できない可能性があるという問題がある。
【0009】
フィルタパック3の下流通風面の周縁部とフィルタ枠5の舟部5aとの間をシールするガスケット6は、低トルクで締め付け可能で、シール性にも優れるPVC発泡体を使用することが好ましい。また、ガスケット6はPVC発泡体に限定されることなく、50%圧縮応力(JIS K6767準拠)が10kPa以上、80kPa未満となる材料からなるものであれば使用することができる。ここで、50%圧縮応力が10kPa未満であると、柔らかすぎて手組による圧着ではシール性に問題を生じる場合もある。また、50%圧縮応力が80kPa超であると、硬くてシール性を確保するのに大きなトルクが必要となり、ボルト締め、リベット留め等の機械的な締め付けが必要となるという問題がある。
【0010】
フィルタ枠5の端部5cの下流側に設けられ、フィルタ枠5とフィルタ取付枠(図示せず)との間に設けられるガスケット7は、耐候性及び耐水性に優れるクロロプレン系ゴムあるいはEPDMを使用するのが好ましい。また、ボルト締め、リベット留め等の機械的な締め付けでフィルタ取付枠へ取り付けるので、シール性を確保するため、50%圧縮応力が100〜150kPaと比較的硬いものを使用することが好ましい。
ここで、50%圧縮応力が100kPa未満であると、柔らかすぎて機械的締付方式ではガスケット7の厚みがなくなり、シール性に問題を生じる場合がある。また、50%圧縮応力が150kPa超であると、あまりにも硬いため、シール性を確保するのに大きなトルクが必要となり、ボルト締め、リベット留め等の機械的な締め付けでも不適となる可能性がある。
【0011】
本発明のエアフィルタのフィルタ構造は、通常のフィルタパックの1台を1フィルタとしたフラット型、あるいはフィルタパックの複数台をV字状に配置したダブルプリーツ型(以下の図2参照)等に使用することができる。
【実施例】
【0012】
以下のように、プリーツタイプの一実施例のフィルタ(図1参照)とダブルプリーツタイプの他実施例のフィルタ(図2参照)を作製し、そのシール性を評価した。
(実施例1)
厚さ0.38mm、目付け70g/m2の濾材1を用いて、濾材1をジグザグ状に折り畳み、リボン材2を7列塗布してフィルタパック3を形成して、50%圧縮応力が56kPaのPVC発泡体(サンゴバン社製「ノルシール」)のガスケット6(厚さ5mm・幅12mm)を図1に示すようなフィルタ枠5の舟部5aの内周側に設けて、フィルタパック3をフィルタ枠5の平部5b、5bに沿って挿入して収容し、縦610mm・横610mm・奥行65mmの本発明の一実施例におけるエアフィルタを作製した。
なお、エアフィルタのフィルタパック3において、濾材1の片面のジグザグ状の一端縁近傍に塗布するリボン材2の量は約30gで、両面で約60gのリボン材2で平面部4を形成した。
なお、エアフィルタを取り付ける際、気密性を高めるために、フィルタ枠5の下流側に50%圧縮応力が127kPaのクロロプレン系ゴム(スターコーポレーション社製)のガスケット7(厚さ5mm×幅12mm)を図1に示すように貼り付けた。
本発明の一実施例におけるエアフィルタは、平面部4、4によりフィルタパック3の上下端部を遮断し、フィルタ枠5の平部5b、5bとフィルタパック3との間を通過する空気もガスケット6で遮断することができるため、優れたシール性を有するエアフィルタが得られた。また、エアフィルタ作製時にフィルタパック3を挿入する際にも破損等の不具合を生じないので安全であった。
【0013】
(実施例2)
厚さ0.38mm、目付け70g/m2の濾材(図2では符号を付さず)を用いて、濾材をジグザグ状に折り畳み、リボン材(図2では符号を付さず)を7列塗布して複数のフィルタパック3’を形成し、例えば、補強帯(図2では符号を付さず)等により図2(a)に示すような連結フィルタパックを形成して、50%圧縮応力が56kPaのPVC発泡体(サンゴバン社製「ノルシール」)のガスケット6’(厚さ5mm×幅12mm)をフィルタ枠5’の舟部5a’の内周側に設けて、4台のフィルタパック3’を図2(b)に示すようなフィルタ枠5’の平部に沿って挿入して収容し、縦610mm×横610mm×奥行290mmの本発明の他の実施例におけるエアフィルタを作製した。
なお、エアフィルタの各フィルタパック3’において、濾材の片面のジグザグ状の一端縁近傍に塗布するリボン材の量は約30gで、両面で約60gのリボン材で平面部を形成した。
なお、エアフィルタを取り付ける際、気密性を高めるために、フィルタ枠5’の下流側に50%圧縮応力が127kPaのクロロプレン系ゴム(スターコーポレーション社製)のガスケット7’(厚さ5mm×幅12mm)を図2(b)に示すように貼り付けた。
本発明の他の実施例におけるエアフィルタは、一実施例におけるエアフィルタと同様に、平面部によりフィルタパック3’の上下端部を遮断し、フィルタ枠5’の平部と各フィルタパック3’との間を通過する空気もガスケット6’で遮断することができるため、優れたシール性を有するエアフィルタが得られた。また、エアフィルタ作製時にフィルタパック3’を挿入する際にも破損等の不具合も生じないので安全であった。
【産業上の利用可能性】
【0014】
本発明は、取付時に不具合の起こりやすい床材を用いることなく良好なシール性を確保し、外調機に設けても耐候性、耐水性に優れるガスケットを使用したエアフィルタであるので、特に、外調機等のビル空調用に使用する際に利点を有する点で、産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明のエアフィルタの一実施形態を示す断面図
【図2】本発明のエアフィルタの他の実施例を示す斜視図(a)及び平面図(b)
【図3】従来のエアフィルタの正常時(a)及び異常時(b)の断面図
【符号の説明】
【0016】
1、11 濾材
2、12 リボン材
3、13 フィルタパック
4 平面部
5、15 フィルタ枠
5a、15a 舟部
5b、15b 平部
5c、15c 端部
6、16 ガスケット
7、17 ガスケット
14 床材

【出願人】 【識別番号】000232760
【氏名又は名称】日本無機株式会社
【出願日】 平成18年6月30日(2006.6.30)
【代理人】 【識別番号】100087745
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 善廣

【識別番号】100098545
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 伸一

【識別番号】100106611
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 幸史


【公開番号】 特開2008−6416(P2008−6416A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−182146(P2006−182146)