トップ :: B 処理操作 運輸 :: B01 物理的または化学的方法または装置一般

【発明の名称】 ハニカム構造体の目封じ方法
【発明者】 【氏名】高木 修

【氏名】清木 晋

【氏名】萬代 昇央

【要約】 【課題】封止材に不具合が発生しないハニカム構造体のセルを目封じする方法を提供すること。

【構成】本発明の目封じ方法は、セラミックスよりなるハニカム構造体の端部を封止材スラリーに浸漬して、所定のセルに封止材スラリーを導入することで所定のセルを封止するハニカム構造体の目封じ方法であって、封止材スラリーは、降伏値が0.2〜10(Pa)0.5であることを特徴とする。本発明の目封じ方法は、十分な長さをもつとともに強度にすぐれた封止材をセルの端部に形成することができる効果を発揮する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミックスよりなるハニカム構造体の端部を封止材スラリーに浸漬して、所定のセルに該封止材スラリーを導入することで該所定のセルを封止するハニカム構造体の目封じ方法であって、
該封止材スラリーは、降伏値が0.2〜10(Pa)0.5であることを特徴とするハニカム構造体の目封じ方法。
【請求項2】
前記セラミックスハニカム構造体が浸漬されるときに、前記封止材スラリーには剪断応力が付与されている請求項1記載のハニカム構造体の目封じ方法。
【請求項3】
前記セラミックスハニカム構造体が浸漬される前記封止材スラリーは、槽状容器に貯留され、
該セラミックスハニカム構造体が浸漬されるときに、該槽状容器が振動している請求項2記載のハニカム構造体の目封じ方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ハニカム構造体の目封じ方法に関し、詳しくは、DPFに用いられるハニカム構造体を製造するときにセルの開口部を目封じするハニカム構造体の目封じ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関、ボイラー、化学反応機器、燃料電池用改質器等の触媒作用を利用する触媒用担体、排ガス中の微粒子(特にディーゼルエンジンからの排気ガス中の微粒子物質(PM))の捕集フィルタ(以下、DPFという)等には、セラミックス製のハニカム体が用いられている。
【0003】
セラミックス製のハニカム体は、一般に、多孔質体よりなり、隔壁によって区画された流体の流路となる複数のセルを有している。そして、端面が市松模様状を呈するように、隣接するセルが互いに反対側となる一方の端部で封止材により封止された構造を有している。
【0004】
このような構造のハニカム体は、被処理流体が流入孔側端面が封止されていないセル、即ち流出孔側端面で端部が封止されているセルに流入し、多孔質の隔壁を通って隣のセル、即ち、流入孔側端面で端部が封止され、流出孔側端面が封止されていないセルから排出される。この際、隔壁がフィルタとなり、例えば、DPFとして使用した場合には、ディーゼルエンジンから排出される微粒子物質(PM)等が隔壁に捕捉され隔壁上に堆積していた。
【0005】
セラミックス製のハニカム体は、セラミックスよりなるハニカム構造体を製造し、この構造体の端部に封止材を形成することで製造される。そして、封止材は、ハニカム構造体の端部を封止材スラリーに浸漬してセル内に封止材スラリーを導入させ、この封止材スラリーを乾燥・焼成することで製造される。このような製造方法は、例えば特許文献1〜2に開示されている。
【0006】
特許文献1には、セラミックハニカム構造体の端面のうち所定の貫通孔(セル)を目封じする方法において、目封じしない貫通孔端部の壁内面に、封止材スラリーの溶媒に溶解せず、かつ加熱により燃焼または分解する物質の膜を形成した後に、このセラミックハニカムの端面を封止材スラリー中にディッピングして貫通孔に目封じ材を導入することにより、所定の貫通孔を封止することが開示されている。
【0007】
特許文献2には、セラミックハニカム構造体の端面のうち所定の貫通孔(セル)を目封じする方法において、セラミックハニカム構造体の端面に膜を形成した後に、目封じしない貫通孔にあたる部分の膜に穴を開ける工程、封止材スラリーの溶媒に難溶解性で加熱により燃焼または分解する粉体を含むスラリーをこの穴より充填する工程、乾燥後に前記膜を端面より剥離する工程、その後目封じする貫通孔の端部に封止材スラリーを充填する工程からなることが開示されている。
【0008】
このような目封じ法において、封止材がセル内に占める長さが均一になることおよび封止材がセルを区画する隔壁と一体化していることが求められている。この要求を達成するために、特許文献3〜4に封止材スラリーの性状を安定化することが考案されている。
【0009】
特許文献3には、ハニカム構造のセラミック多孔質成形体を構成しているセル穴を封止してハニカムフィルターを構成する目封止材のための材料であって、この目封止材を、前記多孔質セラミック多孔質成形体を構成するセラミックパウダーと、揮発性溶剤と、有機結合材との混合物によって構成したことが開示されている。
【0010】
特許文献4には、セラミックハニカム成形体の端面のうち目封止しない端面をマスキング材により被覆した状態で,上記セラミックハニカム成形体の端面を目封止剤の中に浸漬して,上記セラミックハニカム成形体の端面のうち所定の端面を目封止する方法において,上記目封止剤は,セラミックス粒子と,これを流動化させるための助剤とからなり,該助剤は,上記セラミックハニカム成形体中のバインダーを再溶解させない性質を有することが開示されている。
【0011】
これらの公報に開示された方法は、揮発性の溶剤を添加したり、助剤を添加することで封止材スラリーの流動性を向上させている。しかしながら、溶剤や助剤の添加量を多量に添加する必要があるため、封止材を構成するセラミックス粒子の割合が相対的に減少するという問題があった。つまり、セラミックス粒子量が減少することで、ハニカム構造体のそれぞれのセルに均一に封止材スラリーを導入できなくなったり、乾燥・焼成を行ったときに十分な量のセラミックス粒子が導入できずに封止材の強度が不足するといった問題が生じていた。
【特許文献1】特開平9−25180号公報
【特許文献2】特開平9−29019号公報
【特許文献3】特開平1−297114号公報
【特許文献4】特開2002−173381号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、封止材に不具合が発生しないハニカム構造体のセルを目封じする方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために本発明者らは目封じ方法について検討を重ねた結果本発明をなすに至った。
【0014】
すなわち、本発明の目封じ方法は、セラミックスよりなるハニカム構造体の端部を封止材スラリーに浸漬して、所定のセルに封止材スラリーを導入することで所定のセルを封止するハニカム構造体の目封じ方法であって、封止材スラリーは、降伏値が0.2〜10(Pa)0.5であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の目封じ方法は、ハニカム構造体のセルに導入される封止材スラリーの降伏値を所定の範囲としたことで、封止材スラリーの流動性が確保できた。これにより、それぞれのセルに端面からの距離が均一な封止材が形成できた。
【0016】
また、本発明の目封じ方法は、封止材スラリーの降伏値を所定の範囲に保持することで、封止材スラリーにスラリーの性状を維持するための添加剤を添加する必要がなくなり、強度にすぐれた封止材が得られる効果を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の目封じ方法は、セラミックスよりなるハニカム構造体の端部を封止材スラリーに浸漬して、所定のセルに封止材スラリーを導入することで所定のセルを封止するハニカム構造体の目封じ方法である。ハニカム構造体の端部を封止材スラリーに浸漬することで、ハニカム構造体の端部に開口したセルの内部に封止材スラリーが侵入する(導入される)。そして、乾燥・焼成を施すことで、封止材スラリーが焼成されてハニカム構造体と一体をなす封止材が形成される。これにより、封止材スラリーが導入されたセルが目封じされる。このとき、ハニカム構造体にもうけられたセルのうち、封止されないセルは、その開口部をフィルム等の被覆材で被覆して封止材スラリーがセル内に侵入することを防止する。これにより、所定のセル以外のセルが封止されなくなる。
【0018】
そして、本発明の目封じ方法は、封止材スラリーの降伏値が0.2〜10(Pa)0.5である。封止材スラリーのように高濃度のスラリーは、通常は、非ニュートン性流体のビンガム(Bingham)流体となる。この流体の粘性を評価する方法として、剪断速度の平方根を横軸に、剪断応力の平方根を縦軸にプロットして評価するカッソンプロット(Casson Plot)を用いることが一般的である。そして、このカッソンプロットにおける切片が降伏値である。この降伏値は、スラリーや塗料など粘性の溶液の評価に用いられている。
【0019】
そして、封止材スラリーの降伏値がこの範囲内となることで、封止材スラリーに適度な流動性が確保される。封止材スラリーの流動性が適度に確保されることで、ハニカム構造体のセルに封止材スラリーを均一な深さで導入できる。また、封止材スラリーの降伏値を所定の範囲とすることで、封止材スラリーに添加剤を添加する必要がなくなる。つまり、封止材スラリーから形成される封止材に添加剤よりなる不純物が含まれなくなり、強度にすぐれた封止材が形成できる。
【0020】
封止材スラリーの降伏値が0.2より小さくなると、封止材スラリーの流動性が高くなりすぎて、ハニカム構造体のセルに導入したときに、セル内で流動を生じセル外に流出してしまい、所定の封止材が形成できなくなり、10(Pa)0.5より大きくなると、封止材スラリーの流動性が低下して、ハニカム構造体のセル内への導入が困難となる。封止材スラリーのより好ましい降伏値の範囲は、0.8〜8である。
【0021】
なお、本発明において、封止材スラリーの降伏値は、使用環境(封止材スラリーをハニカム構造体のセルに導入するときの周囲の状況)における値である。
【0022】
封止材スラリーの降伏値を所定の範囲内に維持する方法については特に限定されるものではない。
【0023】
セラミックスハニカム構造体が浸漬されるときに、封止材スラリーには剪断応力が付与されて低粘性化されていることが好ましい。封止材スラリーに剪断応力が付与されたことで、ハニカム構造体のセル内に封止材スラリーを導入できるようになる。また、剪断応力が封止材スラリーに付与されたことで、封止材スラリーの流動性が保持される。封止材スラリーに剪断応力を付与することで封止材スラリーの流動性を維持することで、封止材スラリーに添加剤を添加しなくともよくなり、得られる封止材が強度にすぐれたものとなる。
【0024】
封止材スラリーに剪断応力を付与する方法については、特に限定されるものではない。たとえば、封止材スラリーの貯留した容器に振動を付与する方法や、ポンプ等により封止材スラリーに流速を付与する方法をあげることができる。
【0025】
セラミックスハニカム構造体が浸漬される封止材スラリーは、槽状容器に貯留され、セラミックスハニカム構造体が浸漬されるときに、槽状容器が振動していることが好ましい。封止材スラリーが貯留する槽状容器が振動することで、封止材スラリーに剪断応力を付与でき、封止材スラリーの流動性を維持することができる。槽状容器を振動させる方法については特に限定されるものではない。例えば、槽状容器が一体に形成された振動手段をもつことが好ましい。このとき、槽状容器の振動の振動数および振幅についても特に限定されるものではない。たとえば、振幅が0.5〜50mmで毎分5〜500回往復動することが好ましい。
【0026】
本発明の目封じ方法において用いられるハニカム構造体および封止材スラリーは、特に限定されるものではなく、従来公知の材質を用いることができる。
【0027】
ハニカム構造体を形成するセラミックスの材質についても特に限定されるものではないが、コーディエライト、炭化ケイ素、窒化ケイ素等のセラミックスであることが好ましい。また、ハニカム構造体は、DPF用のハニカム構造体であることが好ましい。DPF用のハニカム体は、端面が市松模様状となるように、隣接するセルが互いに反対側となる一方の端部で封止材により封止された構成を有するものであり、DPF用のハニカム構造体には市松模様状に封止材スラリーがセル内に導入される。また、ハニカム構造体は、複数部が接合されてハニカム体を形成する分体であってもよく、DPF用ハニカム体の分体であることがより好ましい。
【0028】
封止材スラリーは、セラミックス粒子と、バインダーと、を有するスラリーとすることができる。
【0029】
セラミックス粒子は、ハニカム構造体と同種のものか、またはその特性が近似した材質のものを用いることが好ましい。たとえば、焼成収縮率及び熱膨張係数を近似させることで、セル内に導入された封止材スラリーを焼成したときにクラックが発生することを防止するためである。セラミックス粒子としては、たとえば、コーディエライト生成材、ムライト生成材、アルミナ、炭化珪素、窒化珪素などからなる粒子をあげることができる。
【0030】
また、セラミックス粒子の粒径についても、特に限定されるものではなく、従来公知のセラミックス粒子の粒径とすることができる。たとえば、200μm以下であることが好ましい。より好ましくは、0.1〜100μmであり、さらに好ましくは、1〜10μmである。
【0031】
バインダーは、封止材スラリーにおいてセラミックス粒子同士を接着する役目を果たし、これによりセラミックス粒子が分散した封止材スラリーを形成できる。このようなバインダーとしては、メチルセルロース、エチルセルロースなどのセルロース類、アクリルバインダー、ポリビニルアルコールなどを用いることができる。
【0032】
また、封止材スラリーは、セラミックス粒子およびバインダー以外に従来公知の添加剤を添加することができる。このような添加剤としては、例えば、ケイ素粒子(金属Si)、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、アルミニウム、アルミナ、チタン酸アルミニウムをあげることができる。ここで、ケイ素粒子は、その粒径が10〜200μmのものを用いることが好ましい。
【実施例】
【0033】
以下、実施例を用いて本発明を説明する。
【0034】
まず、以下に示した方法で封止材スラリー(スラリーA〜D)を調製した。
【0035】
(スラリーA)
平均粒径が3μmのSiC粉末(太平洋ランダム製、商品名:GC6S)55重量部、平均粒径が50μmの金属Si粒子32重量部、バインダー(三井化学株式会社製、商品名:バインドセラムWA−3205)0.5重量部、を秤量し、12.5重量部の水に均一に分散させてスラリーAを調製した。
【0036】
このスラリーAの室温での降伏値を測定したところ、0.8であった。
【0037】
ここで、降伏値の測定は、測定装置には東機産業社製、商品名:TVB−10形粘度計を用い、M2回転子を用い、6rpmと60rpmの回転数で測定を行い、得られた2点から降伏値を求めた。
【0038】
(スラリーB)
平均粒径が3μmのSiC粉末(スラリーAの時と同じ製品)50重量部、平均粒径が50μmの金属Si粒子38.5重量部、バインダー(スラリーAの時と同じ製品)1重量部、を秤量し、10.5重量部の水に均一に分散させてスラリーBを調製した。
【0039】
このスラリーBの降伏値をスラリーAの時と同様にして測定したところ、4.5であった。
【0040】
(スラリーC)
平均粒径が3μmのSiC粉末(スラリーAの時と同じ製品)50重量部、平均粒径が50μmの金属Si粒子35重量部、バインダー(スラリーAの時と同じ製品)0.5重量部、を秤量し、14.5重量部の水に均一に分散させてスラリーCを調製した。
【0041】
このスラリーCの降伏値をスラリーAの時と同様にして測定したところ、0.1であった。
【0042】
(スラリーD)
平均粒径が3μmのSiC粉末(スラリーAの時と同じ製品)55重量部、平均粒径が50μmの金属Si粒子34重量部、バインダー(スラリーAの時と同じ製品)1重量部、を秤量し、10重量部の水に均一に分散させてスラリーCを調製した。
【0043】
このスラリーDの降伏値をスラリーAの時と同様にして測定したところ、14であった。
【0044】
(評価)
上記の各スラリーの評価として、実際にハニカム構造体のセル内に導入して目封じを行った。
【0045】
(静止状態での目封じ)
上記の各スラリー2を上面が開口した槽状容器3に貯留した。そして、この貯留したスラリー2に内径が2mmのセルをもつコーディエライトよりなるDPF用ハニカム構造体1の端部を1cmの深さで浸漬した。浸漬時の状態を図1に示した。この浸漬により、ハニカム構造体1のセルの内部にスラリー2が導入された。
【0046】
ハニカム構造体1の端部が浸漬した状態で1分間静置した後に、ハニカム構造体1をスラリー2から引き上げた後に、80℃で30分間保持して乾燥した後に、430℃まで12時間かけて昇温する処理を施して脱脂処理を行い、その後、2300℃で60分間の焼成を行った。
【0047】
これにより、セルが目封じされたハニカム体が製造できた。
【0048】
製造されたハニカム体を軸方向に沿った断面で切断して、封止材の軸方向の長さ(目封じ深さ)を4カ所で測定するとともに、目封じ状況を目視で確認した。結果を表1に示した。なお、表1中の×は、封止材が形成されなかったことを示す。
【0049】
【表1】


【0050】
表1に示したように、降伏値が所定の範囲内にあるスラリーAおよびBからは、8mm程度の軸方向の長さをもつ封止材が形成できたが、降伏値の小さなスラリーCおよび大きなスラリーDからは、封止材が十分な長さをもたないだけでなく、封止材が形成されていないセルもあった。降伏値が小さなスラリーCをセルの内部に導入しても、降伏値が小さく流動性が大きいため、セル内に残留せずにセル外に排出される。また、降伏値の大きなスラリーDは、流動性に乏しく、ハニカム構造体のセルの内部に侵入しにくくなっている。これにより、十分な封止材が形成できなかった。降伏値が所定の範囲内にあるスラリーにハニカム構造体の端部を浸漬することで、十分な長さをもつとともに強度にすぐれた封止材でセルの端部が封止されたハニカム体を製造できることがわかる。
【0051】
(振動状態での目封じ)
上記の各スラリー2を上面が開口した槽状容器3に貯留した。槽状容器3は、図示されない振動手段をもち、この振動手段により、水平方向に所望の振幅および振動数で振動できる。そして、この貯留容器3を10mmの振幅幅で1分間に60回往復振動させた。つまり、この往復振動により、槽状容器3に貯留したスラリー2に剪断応力が付与された。
【0052】
そして、往復振動している槽状容器3に貯留したスラリー2に内径が2mmのセルをもつDPF用ハニカム構造体1の端部を1cmの深さで浸漬した。浸漬時の状態を図2に示した。この浸漬により、ハニカム構造体1のセルの内部にスラリー2が導入された。
【0053】
ハニカム構造体1の端部がスラリー2に浸漬した状態で1分間保持し、その後、ハニカム構造体1をスラリー2から引き上げた。その後、80℃で30分間保持して乾燥した後に、430℃まで12時間かけて昇温する処理を施して脱脂処理を行い、その後、2300℃で60分間の焼成を行った。
【0054】
これにより、セルが目封じされたハニカム体が製造できた。
【0055】
製造されたハニカム体を軸方向に沿った断面で切断して、封止材の軸方向の長さ(目封じ深さ)を4カ所で測定するとともに、目封じ状況を目視で確認した。結果を表2に示した。
【0056】
【表2】


【0057】
表2に示したように、降伏値が所定の範囲内にあるスラリーAおよびBは、8mm以上の軸方向の長さをもつ封止材が形成できたが、降伏値の小さなスラリーCおよび大きなスラリーDは、封止材が十分な長さをもたなかった。さらに、スラリーCは、封止材が形成されていないセルもあった。
【0058】
つまり、降伏値が所定の範囲内にあるスラリーにハニカム構造体の端部を浸漬することで、十分な長さをもつとともに強度にすぐれた封止材でセルの端部が封止されたハニカム構造体を製造することができる効果を発揮する。
【0059】
また、振動状態のスラリーのいずれにおいても、静止状態のときよりも封止材の軸方向の長さが長くなっている。つまり、剪断応力が付与された状態のスラリーにハニカム構造体を浸漬することで、十分な長さをもつとともに強度にすぐれた封止材でセルの端部が封止されたハニカム構造体を製造できることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】静止状態のスラリーにハニカム構造体の端部を浸漬した状態を示した図である。
【図2】振動状態のスラリーにハニカム構造体の端部を浸漬した状態を示した図である。
【符号の説明】
【0061】
1:ハニカム構造体
2:スラリー(封止材スラリー)
3:槽状容器
【出願人】 【識別番号】000220767
【氏名又は名称】東京窯業株式会社
【出願日】 平成18年6月30日(2006.6.30)
【代理人】 【識別番号】100081776
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 宏


【公開番号】 特開2008−6398(P2008−6398A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−181057(P2006−181057)