トップ :: B 処理操作 運輸 :: B01 物理的または化学的方法または装置一般

【発明の名称】 連続式分液装置
【発明者】 【氏名】冨田 麻衣子

【氏名】鶴山 愛

【氏名】茗荷谷 徹

【要約】 【課題】分液の自動化を図る従来技術においては、2種類の液体の層分離と、層分離した液体の抜き取りは、サンプル瓶において行うものであるので、これらの処理はバッチ式とならざるを得ず、連続的な処理を行うことはできない。

【構成】本発明では、横側に液体の流入部2を構成すると共に、上側と下側に液体の流出部3u,3dを構成したチャンバ1を設け、流入部に液体流入経路4、各流出部に液体流出経路5u,5dを接続した分液系統6を構成し、上記液体流出経路の少なくとも一方側に流量調整手段7を構成すると共に、チャンバ内の界面検出手段8を構成し、検出したチャンバ内の界面の位置を入力とし、この界面の位置を所定位置に保持するように上記流量調整手段を制御して流量を調整する出力を発する制御手段11を構成した分岐装置により、上記の課題を解決している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
横側に液体の流入部を構成すると共に、上側と下側に液体の流出部を構成したチャンバを設け、流入部に液体流入経路、各流出部に液体流出経路を接続した分液系統を構成し、上記液体流出経路の少なくとも一方側に流量調整手段を構成すると共に、上記チャンバ内の比重の異なる液体の界面検出手段を構成し、この界面検出手段により検出したチャンバ内の界面の位置を入力とし、この界面の位置を所定位置に保持するように上記流量調整手段を制御して流量を調整する出力を発する制御手段を構成したことを特徴とする連続式分液装置。
【請求項2】
横側に液体の流入部を構成すると共に、上側と下側に液体の流出部を構成したチャンバを設け、流入部に液体流入経路、各流出部に液体流出経路を接続した分液系統を複数構成し、下流側の分液系統の液体流入経路を上流側の液体流出経路に接続すると共に、他の液体の液体供給経路を合流させて、多段分液系統を構成し、下流側の分液系統の液体流入経路を接続した液体流出経路と液体供給経路の夫々に流量調整手段を構成すると共に、上記チャンバ内の比重の異なる液体の界面検出手段を構成し、この界面の位置を所定位置に保持するように液体流出経路の流量調整手段を制御して流量を調整する出力と、調整された流量に応じて上記液体供給経路の流量調整手段を制御して、その流量を、上記調整された流量と等比となるように調整する出力を発する制御手段を構成したことを特徴とする連続式分液装置。
【請求項3】
流量調整手段がポンプである請求項1または2に記載の連続式分液装置。
【請求項4】
流量調整手段がバルブである請求項1または2に記載の連続式分液装置。
【請求項5】
界面検出手段が静電容量式界面センサである請求項1〜4までのいずれか1項に記載の連続式分液装置。
【請求項6】
界面検出手段が撮像式界面センサである請求項1〜4までのいずれか1項に記載の連続式分液装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、界面を形成する2種類の液体から目的物質を連続的に分離して得られるようにした連続式分液装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば有機合成反応等によって生成した目的物質を回収するための方法として、目的物質の溶解した液体(重量液体または軽量液体)と、その液体と混ざり合わず、しかも目的物質と親和性の高い液体(軽量液体または重量液体)とを混合して反応させた後、層分離させて目的物質を回収する方法がある。
【0003】
このような方法を行う従来技術として、例えば特許文献1では、サンプル瓶に収納された相溶しない2種類の溶液からなる溶液相を、CCDカメラを用いたセンサにより画像として読み取り、読み取った画像から、上記溶液相の液面の位置と、界面の位置とを検出し、その検出結果に基づいて、各溶液の量を求めて、液抜取装置により各溶液をサンプル瓶から抜き取るようにした装置が提案されている。サンプル瓶からの各溶液の抜き取りは、サンプル瓶の上方からニードルを夫々所定位置まで下降させて行う。
【特許文献1】特開平11−51746号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術は、サンプル瓶内の2種類の液体の液面と界面をセンサにより検出することにより、液体の抜き取りを自動化し、以て、有機合成反応を自動的に行う装置を得ることを目的としているのであるが、2種類の液体の層分離と、層分離した液体の抜き取りは、サンプル瓶において行うものであるので、これらの処理はバッチ式とならざるを得ず、連続的な処理を行うことはできない。
本発明は、このような課題を解決し、界面を形成する2種類の液体から目的物質を連続的に分離して得られるすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、まず本発明では、横側に液体の流入部を構成すると共に、上側と下側に液体の流出部を構成したチャンバを設け、流入部に液体流入経路、各流出部に液体流出経路を接続した分液系統を構成し、上記液体流出経路の少なくとも一方側に流量調整手段を構成すると共に、上記チャンバ内の比重の異なる液体の界面検出手段を構成し、この界面検出手段により検出したチャンバ内の界面の位置を入力とし、この界面の位置を所定位置に保持するように上記流量調整手段を制御して流量を調整する出力を発する制御手段を構成した連続式分液装置を提案する。
【0006】
また本発明では、横側に液体の流入部を構成すると共に、上側と下側に液体の流出部を構成したチャンバを設け、流入部に液体流入経路、各流出部に液体流出経路を接続した分液系統を複数構成し、下流側の分液系統の液体流入経路を上流側の液体流出経路に接続すると共に、他の液体の液体供給経路を合流させて、多段分液系統を構成し、下流側の分液系統の液体流入経路を接続した液体流出経路と液体供給経路の夫々に流量調整手段を構成すると共に、上記チャンバ内の比重の異なる液体の界面検出手段を構成し、この界面の位置を所定位置に保持するように液体流出経路の流量調整手段を制御して流量を調整する出力と、調整された流量に応じて上記液体供給経路の流量調整手段を制御して、その流量を、上記調整された流量と等比となるように調整する出力を発する制御手段を構成した連続式分液装置を提案する。
【0007】
そして本発明では、以上の構成において、流量調整手段は、ポンプやバルブによって構成することができる。
【0008】
また本発明では、以上の構成において、界面検出手段は、静電容量式界面センサや、撮像式界面センサにより構成することができる。
【発明の効果】
【0009】
以上の本発明では、分液系統により、比重の異なる2種類の液体が混合された液体を液体流入部からチャンバ内に流入させて、層分離させた後、目的物質を含む上層側又は下層側の液体を、チャンバの上側又は下側の液体流出部から流出させることにより、目的物質の回収を連続的に行うことができる。
【0010】
この際、本発明では、目的物質を含む液体を液体流出部から流出させる際、界面検出手段により界面を常時監視して、制御手段により液体流出経路の流量調整手段を制御し、その界面が所定位置、例えばチャンバの中央に位置するように液体流出経路の流量を調整することにより、目的物質を含まない他の側の液体が流出することを防止することができ、最適な流量での目的物質を含む液体の流出を行わせることができる。
【0011】
次に複数の分液系統を多段式に接続した場合には、上流側の分液系統の液体流出経路から流出した液体を、更に下流側の分液系統のチャンバに供給することにより、下流側の分液系統において、目的物質の再抽出又は洗浄の処理を行うことができる。
【0012】
下流側の分液系統における再抽出又は洗浄においては、上流側の分液系統の液体流出部から流出した液体に、抽出溶媒又は洗浄液を供給し、混合して下流側の分液系統のチャンバに供給するのであるが、本発明では、界面の位置を所定位置に保持するように液体流出経路の流量調整手段を制御して流量を調整する出力と、調整された流量に応じて上記液体供給経路の流量調整手段を制御して、その流量を、上記調整された流量と等比となるように調整する出力を発する制御手段を構成することにより、最適な条件での再抽出又は洗浄を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に本発明を実施するための最良の形態を添付図面を参照して説明する。
まず図1〜図3は本発明に係る分液装置の第1の実施の形態を示すもので、図1は全体構成の一例を模式的に示す系統図、図2はチャンバを模式的に示す正面図、図3は図2の縦断面図である。
【0014】
符号1はチャンバであり、このチャンバ1は、横側に液体の流入部2を構成すると共に、上側と下側に液体の流出部3u,3dを構成したものであり、その容量は、後述するように、目的物質の溶解した液体(重量液体または軽量液体)と、その液体と混ざり合わず、しかも目的物質と親和性の高い液体(軽量液体または重量液体)とが混合した液体が、界面を形成するのに十分な容量を設定している
【0015】
そして上記流入部2に液体流入経路4、各流出部3u,3dに液体流出経路5u,5dを接続して分液系統6を構成している。
【0016】
そして液体流出経路5u,5dの少なくとも一方側、この実施の形態では、液体流出経路5dに流量調整手段7を構成している。この例では、流量調整手段7はポンプP3により構成しているが、バルブ(図示省略)により構成することもできる。図1に示すように、この実施の形態では、目的物質を含む液体を下側の流出部3dから流出させて回収させる構成としている。
【0017】
図1中に、×印により示す部材は界面検出手段8であり、この界面検出手段8は、図3に示すように静電容量式界面センサ9として構成したり、図4に示すようにCCDカメラ等の撮像手段を用いた撮像式界面センサ10として構成することができる。
【0018】
符号11は制御手段であり、この制御手段11は、上記界面検出手段8により検出したチャンバ1内の界面12の位置を入力とし、この界面12の位置を所定位置に保持するように上記流量調整手段7を制御して流量を調整する出力を発する構成である。
【0019】
尚、図1において、符号13は原料Aの供給経路、14は原料Bの供給経路であり、これらの供給経路13、14は夫々ポンプP1、P2を備えている。そしてこれらの供給経路13、14は合流して合流経路15を流れ、ループ等で構成される反応部16を経て上記液体流入経路4に至る構成としている。また図3、図4において、符号17はガラス、18はOリングを示すものである。
【0020】
以上の構成において、供給経路13、14からポンプP1、P2により供給され、混合されて合流経路15を反応部16に至った2種類の原料A,Bは、反応部16において反応後、分液系統のチャンバ1に流入し、層分離する。
【0021】
そして、層分離により下層側となった目的物質を含む液体は、液体流出部3dから液体流出経路5dを経て流量調整手段7としてのポンプP3により回収される。
【0022】
この際、制御手段11は界面検出手段8により界面12を常時監視しており、その界面12が所定位置、例えばチャンバ1の中央に位置するように、液体流出経路5dの流量調整手段7を制御する。
【0023】
即ち、この実施の形態の場合には、界面12が上方に変化した場合には、流量調整手段7を制御して、液体流出部3dから流出する液体の流量を増加することにより、界面12の上昇を抑え、逆に界面12が下方に変化した場合には、流量調整手段7を制御して、液体流出部3dから流出する液体の流量を減少させることにより、界面12の下降を抑える。
【0024】
このようにして、目的物質を含まない他の側、即ち上層の液体が、液体流出部3dから流出することを防止しながら、最適な流量で、目的物質を含む下層の液体の流出を行わせて、液体流出経路5dを経て目的物質の回収を行うことができる。
【0025】
以上の動作は、目的物質を含む下層の液体を下側の流出部3dから流出させて回収を行う場合であり、逆に、目的物質を含む上層の液体を上側の流出部3uから流出させて回収を行う場合には、流出部3uに連なる液体流出経路5uに流量調整手段(図示省略)を設け、この流量調整手段を制御手段11により制御する構成とする。
【0026】
この場合には、界面12が上方に変化した場合には、流量調整手段を制御して、液体流出部3uから流出する液体の流量を減少させることにより、界面12の上昇を抑え、逆に界面12が下方に変化した場合には、流量調整手段を制御して、液体流出部3uから流出する液体の流量を増加させることにより、界面12の下降を抑える。
【0027】
次に図4は本発明において、界面検出手段8を、上記第1の実施の形態の静電容量式界面センサ9に代えて、CCDカメラ等の撮像手段を用いた撮像式界面センサ10としたものである。その他の構成は、上記実施の形態と同様であるので、重複する説明は省略する。
【0028】
次に図5は本発明に係る分液装置の第2の実施の形態を模式的に示す系統図である。
この実施の形態は、第1の実施の形態における分液系統6の液体流出経路5dの下流側に他の分液装置6を接続して、多段式の分液装置を構成したものであり、第1の実施の形態の構成要素と同様な構成要素には同一の符号を付している。 この実施の形態では、上流側の分液系統6の液体流出経路5dの下流側に、液体供給経路19を合流させると共に、その下流側に反応部20、この場合、ループ等による抽出部を構成し、その下流側に、下流側の分岐系統6の液体流入経路4を構成している。また液体供給経路19には流量調整手段21としてのポンプP4を設けている。
【0029】
下流側の分岐系統6の構成は、流量調整手段7としてのポンプをP5と表示している他は、第1の実施の形態の分岐機構と同様であり、その動作も同様であるため、重複する説明は省略する。
【0030】
一方、この第2の実施の形態においては、制御手段22は、上記界面検出手段8により検出したチャンバ1内の界面12の位置を所定位置に保持するように液体流出経路5dの流量調整手段7を制御して流量を調整する出力と、調整された流量に応じて上記液体供給経路19の流量調整手段21を制御して、その流量を、上記調整された液体流出経路5dの流量と等比となるように調整する出力を発する構成としている。
【0031】
以上の構成においては、界面検出手段8により検出される界面12が所定位置、例えばチャンバ1の中央に位置するように、制御手段22により液体流出経路5dの流量調整手段7が制御され、チャンバ1の下層の液体が流量調整されて液体流出経路5dを流れると共に、この液体に、液体供給経路19から供給される他の液体、例えば第2の抽出溶媒や洗浄液が合流して反応部20において反応し、その後、下流側の分液系統6において上述したように分液される。
【0032】
以上に際して、この実施の形態における制御手段22は、流量調整されて液体流出経路5dを流れる液体の流量に応じて、上記液体供給経路19の流量調整手段21を制御して、その流量を、上記調整された液体流出経路5dの流量と等比となるように調整するため、これらの液体の混合比率が一定に保たれた最適な条件において反応部20における反応、そして下流側の分液系統6における分液動作を行うことができる。
【0033】
以上に説明した実施の形態では、上流側の分液系統と下流側の分液系統のいずれも、目的物質を含む液体を、チャンバ1の下層側に対応する下側の流出部3dを経て流出させて回収する構成としているが、この他、上流側又は下流側の分液系統6のいずれか一方側では、チャンバ1の上層側に対応する上側の流出部3uを経て流出させて回収する構成としても良いし、両方側共にチャンバ1の上層側に対応する上側の流出部3uを経て流出させて回収する構成とすることもできることは、次に説明するとおりである。
【0034】
まず図6は上述した第2の実施の形態を適用した分液装置の、より具体的な全体構成に対応する第3の実施の形態を示すもので、この実施の形態の分液装置では、供給経路13、14からポンプP1a、P1bにより供給され、混合されて合流経路15を反応部16に至った2種類の原料A,Bは、反応部16において反応後、液体供給経路23からポンプP1cにより供給されるクエンチ液と混合して反応が終了し、次いで液体供給経路24からポンプP1dにより供給される第1の抽出溶媒と混合し、抽出部25において反応して所定の生成物が抽出される。
【0035】
次いで、上流側の分液系統6において、界面検出手段8により検出される界面12が所定位置、例えばチャンバ1の中央に位置するように、制御手段22により液体流出経路5dの流量調整手段7が制御され、チャンバ1の下層の液体が流量調整されて液体流出経路5dを流れると共に、チャンバ1の上層の液体が流出部3uから液体流出経路5uを経て回収される。
【0036】
一方、液体流出経路5dを流れるチャンバ1の下層の液体には、液体供給経路19から供給される第2の抽出溶媒が合流して反応部20において反応して所定の生成物が抽出され、その後、下流側の分液系統6において上述したように分液され、目的物質を含む液体は、この場合は、流量調整手段7としてのポンプP3aを設けておらず、代わりにバルブ26が設けられている側の液体流出経路5u、即ち、チャンバ1の上側の流出部3uに接続された液体流出経路5uを経て回収される。一方、液体流出経路5dを経ては廃液が排出される。
【0037】
このように、この実施の形態では、上流側の分液系統6のチャンバ1の上層の液体と、下流側の分液系統6のチャンバ1の上層の液体とが回収され、下流側の分液系統6のチャンバ1の下層の液体が廃液として排出される。
【0038】
以上の説明から分かるように、流量調整手段は、目的物質を含む液体を流出させる液体流出経路側ではなく、廃液等を流出させる液体流出経路側に設けることもでき、また両方側に設けることもできるものである。
【0039】
次に図7は本発明における分液装置の第4の実施の形態を示すものである。
この実施の形態の分液装置では、供給経路13、14からポンプP1a、P1bにより供給され、混合されて合流経路15を反応部16に至った2種類の原料A,Bは、反応部16において反応後、液体供給経路23からポンプP1cにより供給されるクエンチ液と混合して反応が終了し、次いで液体供給経路24からポンプP1dにより供給される第1の抽出溶媒と混合し、抽出部25において反応して所定の生成物が抽出される。
【0040】
次いで、上流側の分液系統6において、界面検出手段8により検出される界面12が所定位置、例えばチャンバ1の中央に位置するように、制御手段22により液体流出経路5uの流量調整手段7が制御され、チャンバ1の上層の液体が流量調整されて液体流出経路5uを流れると共に、チャンバ1の下層の液体が流出部3dから液体流出経路5dを経て回収される。
【0041】
一方、液体流出経路5uを流れるチャンバ1の上層の液体には、液体供給経路19から供給される第2の抽出溶媒が合流して反応部20において反応して所定の生成物が抽出され、その後、下流側の分液系統6において上述したように分液され、目的物質を含む液体は、この場合は、流量調整手段7としてのポンプP3aを設けておらず、代わりにバルブ26が設けられている側の液体流出経路5d、即ち、チャンバ1の下側の流出部3dに接続された液体流出経路5dを経て回収される。一方、液体流出経路5uを経ては廃液が排出される。
【0042】
このように、この実施の形態では、上流側の分液系統6のチャンバ1の下層の液体と、下流側の分液系統6のチャンバ1の下層の液体とが回収され、下流側の分液系統6のチャンバ1の上層の液体が廃液として排出される。
【0043】
次に図8は本発明における分液装置の第5の実施の形態を示すものである。
この実施の形態の分液装置では、供給経路13、14からポンプP1a、P1bにより供給され、混合されて合流経路15を反応部16に至った2種類の原料A,Bは、反応部16において反応後、液体供給経路23からポンプP1cにより供給されるクエンチ液と混合して反応が終了し、次いで液体供給経路24からポンプP1dにより供給される第1の抽出溶媒と混合し、抽出部25において反応して所定の生成物が抽出される。
【0044】
次いで、上流側の分液系統6において、界面検出手段8により検出される界面12が所定位置、例えばチャンバ1の中央に位置するように、制御手段22により液体流出経路5uの流量調整手段7が制御され、チャンバ1の上層の液体が流量調整されて液体流出経路5uを流れると共に、チャンバ1の下層の液体が流出部3dから液体流出経路5dを経て廃液として排出される。
【0045】
一方、液体流出経路5uを流れるチャンバ1の上層の液体には、液体供給経路19から供給される洗浄液が合流して反応部20、この場合、洗浄部において洗浄され、その後、下流側の分液系統6において上述したように分液され、目的物質を含む液体は、この場合は、流量調整手段7としてのポンプP3aを設けている側の液体流出経路5u、即ち、チャンバ1の上側の流出部3uに接続された液体流出経路5uを経て回収される。一方、液体流出経路5dを経ては廃液が排出される。
【0046】
このように、この実施の形態では、上流側の分液系統6のチャンバ1の下層の液体と、下流側の分液系統6のチャンバ1の下層の液体とが廃液として排出され、下流側の分液系統6のチャンバ1の上層の液体が回収される。
【0047】
以上の各実施の形態の分液装置において使用する、比重の異なる2種類の液体、即ち重量液体(溶媒)と軽量液体(溶媒)としては、次のような組み合わせを例として挙げることができる。
【0048】
例1 重量液体:水
軽量液体:酢酸エチル

例2 重量液体:塩化メチル
軽量液体:水

例3 重量液体:クロロホルム
軽量液体:水
【0049】
次に、上述した第5の実施の形態の分液装置を用いた具体的な処理の例を以下に示す。
(1) 4−ヒドロキシ安息香酸をメタノールに溶解した溶液を原料A、濃硫酸を添加したメタノール溶液を原料Bとして、夫々液体供給経路23、24を経て供給して混合し、流速と反応時間から長さを決定した配管内を反応部16として利用して加熱反応を行う。
(2) 反応が進んで4−ヒドロキシ安息香酸メチルが生成した溶液に、液体供給経路23からクエンチ液として水を加えて反応を終了させる。
(3) 生成物を高純度で回収するために、液体供給経路24から抽出溶媒として酢酸エチルを添加し、反応部25において生成物を抽出する。
(4) 上流側の分液系統6のチャンバ1において2層に分離し、上記の分液動作により、上層となる酢酸エチル層をチャンバ1の上側の流出部3uから液体流出経路5uに回収し、下層となる水の層を、流出部3dから液体流出経路5dを経て排出する。
(5) 液体流出経路5uを経て回収した酢酸エチル層の液体に、液体供給経路19から純水を供給して混合し、次いで洗浄部20を経て下流側の分液系統6のチャンバ1に流入させて洗浄を行い、洗浄された液体をチャンバ1の上側の流出部3uに接続された液体流出経路5uを経て回収すると共に、液体流出経路5dを経て廃液を排出する。
【0050】
尚、上流側の分液系統6において、液体流出経路5dに排出したチャンバ1の下層の水の層から十分に抽出効果が得られなかった場合には、この液体流出経路5dの下流側に、他の分液系統を構成し、液体流出経路5dに排出された水層の液体に、新たに酢酸エチルを混合して、再抽出工程を行い、その後下流側の分液系統において回収を行うことができる。
【0051】
このように、本発明では、上流側の分液系統の、チャンバ1の上側と下側の流出部に対応する両側の液体流出経路の下流側に、他の分液系統を構成することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は以上のとおりであるので、以下に示すような特徴を有し、産業上の利用可能性が大である。
1.分液系統により、比重の異なる2種類の液体が混合された液体を液体流入部からチャンバ内に流入させて、層分離させた後、目的物質を含む上層側又は下層側の液体を、チャンバの上側又は下側の液体流出部から流出させることにより、目的物質の回収を連続的に行うことができる。
【0053】
2.この際、本発明では、目的物質を含む液体を液体流出部から流出させる際、界面検出手段により界面を常時監視して、制御手段により液体流出経路の流量調整手段を制御し、その界面が所定位置、例えばチャンバの中央に位置するように液体流出経路の流量を調整することにより、目的物質を含まない他の側の液体が流出することを防止することができ、最適な流量での目的物質を含む液体の流出を行わせることができる。
【0054】
3.複数の分液系統を多段式に接続した場合には、上流側の分液系統の液体流出経路から流出した液体を、更に下流側の分液系統のチャンバに供給することにより、下流側の分液系統において、目的物質の再抽出又は洗浄の処理を行うことができる。
【0055】
4.下流側の分液系統における再抽出又は洗浄においては、上流側の分液系統の液体流出部から流出した液体に、抽出溶媒又は洗浄液を供給し、混合して下流側の分液系統のチャンバに供給するのであるが、本発明では、界面の位置を所定位置に保持するように液体流出経路の流量調整手段を制御して流量を調整する出力と、調整された流量に応じて上記液体供給経路の流量調整手段を制御して、その流量を、上記調整された流量と等比となるように調整する出力を発する制御手段を構成することにより、最適な条件での再抽出又は洗浄を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明に係る分液装置の第1の実施の形態を模式的に示す系統図である。
【図2】図1のチャンバの模式的正面図である。
【図3】図2の縦断面図である。
【図4】チャンバの他例の縦断面図である。
【図5】本発明に係る分液装置の第2の実施の形態を模式的に示す系統図である。
【図6】本発明に係る分液装置の第3の実施の形態を模式的に示す系統図である。
【図7】本発明に係る分液装置の第4の実施の形態を模式的に示す系統図である。
【図8】本発明に係る分液装置の第5の実施の形態を模式的に示す系統図である。
【符号の説明】
【0057】
1 チャンバ
2 流入部
3u,3d 流出部
4 液体流入経路
5u,5d 液体流出経路
6 分液系統
7 流量調整手段(ポンプP3)
8 界面検出手段
9 静電容量式界面センサ
10 撮像式界面センサ
11 制御手段
12 界面
13、14 供給経路
15 合流経路
16 反応部
17 ガラス
18 Oリング
19 液体供給経路
20 反応部(抽出部、洗浄部)
21 流量調整手段
22 制御手段
23、24 液体供給経路
25 抽出部
26 バルブ
【出願人】 【識別番号】000138200
【氏名又は名称】株式会社モリテックス
【出願日】 平成18年6月29日(2006.6.29)
【代理人】 【識別番号】100071102
【弁理士】
【氏名又は名称】三觜 晃司


【公開番号】 特開2008−6387(P2008−6387A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−180510(P2006−180510)