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【発明の名称】 円筒型濾過器の洗浄装置、及びその洗浄方法
【発明者】 【氏名】溝岡 寛昭

【要約】 【課題】洗浄液の使用量を少なくできるようにすると共に、コストを削減でき、かつ、環境に配慮できるようにする。

【構成】ストレーナ30を洗浄する場合であって、このストレーナ30を回転する回転ハンドル2を備え、この回転ハンドル2により洗浄液20充填の裾絞形状の洗浄槽1に浸された当該ストレーナ30を、このストレーナ30の周曲面に沿って回転するようになされる。洗浄槽1の内側にはローラー3が備えられ、このローラー3は、洗浄槽1に浸漬のストレーナ30における周曲面に接し、このストレーナ30の回転に伴って回転する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒型の濾過器を洗浄する装置であって、
洗浄液が充填され、裾絞形状の洗浄槽と、
所定の位置に設けられ、前記濾過器を回転する回転手段とを備え、
前記回転手段は、
前記洗浄液充填の前記洗浄槽に浸された前記濾過器を、当該濾過器の周曲面に沿って回転することを特徴とする円筒型濾過器の洗浄装置。
【請求項2】
前記洗浄槽内に複数個の従動回転具を備え、
前記従動回転具は、
前記濾過器における周曲面に接し、
当該濾過器の回転に伴って回転することを特徴とする請求項1に記載の円筒型濾過器の洗浄装置。
【請求項3】
前記従動回転具を保持する保持部材を備え、
前記保持部材は、
角度調整可能な屈曲部を有し、
前記屈曲部を基準にして前記従動回転具の位置を調整し、かつ、前記洗浄槽に着脱可能であることを特徴とする請求項2に記載の円筒型濾過器の洗浄装置。
【請求項4】
前記従動回転具は、
多角形の形状であり、
前記形状を利用して前記濾過器に振動を与えることを特徴とする請求項2に記載の円筒型濾過器の洗浄装置。
【請求項5】
前記洗浄槽の所定位置に加温器を備え、
前記加温器は、
当該洗浄槽内の当該洗浄液に浸漬され、当該洗浄液を温めることを特徴とする請求項1に記載の円筒型濾過器の洗浄装置。
【請求項6】
前記洗浄槽に所定の傾斜が設けられ、
前記傾斜によって前記濾過器の付着物が前記洗浄槽の一箇所に堆積されることを特徴とする請求項1に記載の円筒型濾過器の洗浄装置。
【請求項7】
前記洗浄槽の所定位置に排出口を備え、
前記排出口は、
前記付着物を排出することを特徴とする請求項6に記載の円筒型濾過器の洗浄装置。
【請求項8】
前記洗浄槽の所定位置に鎖状の吊上部材を備え、
前記吊上部材は、
一端が前記洗浄槽の所定位置に固定され、
他端が前記洗浄槽に浸された前記濾過器と前記洗浄槽底面との間に通されて引っ張られて前記濾過器を吊り上げるようになされることを特徴とする請求項1に記載の円筒型濾過器の洗浄装置。
【請求項9】
円筒型の濾過器を洗浄する方法であって、
裾絞形状の洗浄槽の内部に洗浄液を充填する工程と、
前記洗浄液が充填された当該洗浄槽に前記濾過器を浸す工程と、
浸された前記濾過器を当該濾過器の周曲面に沿って回転する工程とを有することを特徴とする円筒型濾過器の洗浄方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、ストレーナを洗浄する装置に適用可能な円筒型濾過器の洗浄装置に関するものである。
【0002】
詳しくは、濾過器を回転する回転手段を備え、回転手段は、洗浄液充填の裾絞形状の洗浄槽に浸された濾過器を、この濾過器の周曲面に沿って回転し、濾過器の広い周曲面に沿って洗浄液を満遍なく行き届かせることにより洗浄液の使用量を少なくできるようにすると共に、コストを削減できるようにする。
【背景技術】
【0003】
従来、ストレーナを洗浄する場合、作業者は、屋外でビニールシートを敷き、このビニールシートの上にストレーナを置き、このストレーナに対して、洗浄液または灯油と空気とが混合されたものを直接噴射する。これにより、ストレーナに付着した塵や埃を除去できるようになる。
【0004】
このような従来例に関して、特許文献1には、フィルタエレメント洗浄装置が開示されている。このフィルタエレメント洗浄装置によれば、フィルタエレメント取付手段を備え、この取付手段は、フィルタエレメントを洗浄槽内の洗浄液中に上方から浸漬する。これにより、極めて悪条件下で使用されるようなフィルタエレメントであっても、確実に再生して使用できるようになる。
【0005】
【特許文献1】特開2000−334233号公報(第2頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来例に係るストレーナの洗浄方法によれば、ビニールシートに置かれたストレーナに対して、洗浄液と空気とが混合されたものを直接噴射している。また、特許文献1によれば、フィルタエレメントを洗浄槽内の洗浄液中に上方から完全に浸漬する。このため、洗浄液の使用量が無駄に多くなる恐れがある。従って、コストが高くなると共に環境に悪影響を与える可能性がある。
【0007】
そこで、本発明はこのような従来例に係る課題を解決したものであって、洗浄液の使用量を少なくできるようにすると共に、コストを削減でき、かつ、環境に配慮できるようにした円筒型濾過器の洗浄装置、及びその洗浄方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、請求項1に記載の円筒型濾過器の洗浄装置は、円筒型の濾過器を洗浄する装置であって、洗浄液が充填され、裾絞形状の洗浄槽と、所定の位置に設けられ、前記濾過器を回転する回転手段とを備え、前記回転手段は、前記洗浄液充填の前記洗浄槽に浸された前記濾過器を、当該濾過器の周曲面に沿って回転することを特徴とするものである。
【0009】
本発明に係る円筒型濾過器の洗浄装置によれば、円筒型の濾過器を洗浄する場合であって、回転手段は、洗浄液充填の裾絞形状の洗浄槽に浸された濾過器を、この濾過器の周曲面に沿って回転する。これにより、濾過器の広い周曲面に沿って洗浄液を満遍なく行き届かせることができるので、洗浄液の使用量を減少できるようになる。
【0010】
上述した課題を解決するために、請求項9に記載の円筒型濾過器の洗浄方法は、円筒型の濾過器を洗浄する方法であって、裾絞形状の洗浄槽の内部に洗浄液を充填する工程と、前記洗浄液が充填された当該洗浄槽に前記濾過器を浸す工程と、浸された前記濾過器を当該濾過器の周曲面に沿って回転する工程とを有することを特徴とするものである。
【0011】
本発明に係る円筒型濾過器の洗浄方法によれば、円筒型の濾過器を洗浄する場合に、濾過器の広い周曲面に沿って洗浄液を満遍なく行き届かせることができるので、洗浄液の使用量を減少できるようになる。これにより、コストを削減でき、かつ、環境に配慮できるようになる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る円筒型濾過器の洗浄装置及びその方法によれば、円筒型の濾過器を洗浄する場合であって、濾過器を回転する回転手段を備え、回転手段は、洗浄液充填の裾絞形状の洗浄槽に浸された濾過器を、当該濾過器の周曲面に沿って回転するものである。
【0013】
この構成によって、濾過器の広い周曲面に沿って洗浄液を満遍なく行き届かせることができるので、洗浄液の使用量を減少できるようになる。従って、コストを削減でき、かつ、環境に配慮できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
続いて、本発明に係る円筒型濾過器の洗浄装置、及びその洗浄方法の一実施例について、図面を参照しながら説明をする。
【0015】
図1は、本発明に係る実施例としてのストレーナの洗浄装置100の構成例を示す斜視図である。図1に示すストレーナの洗浄装置100は、洗浄槽1、及び回転ハンドル2を備える。洗浄槽1は、縦L1が220〜240cm、横L2が160〜180cm、高さL3が110〜130cmであり、ローラー3、ヒーター4を備える。洗浄槽1の前面には、軸取出口24が備えられる。
【0016】
洗浄槽1には、洗浄液20又は灯油などが充填される。充填される洗浄液20の水位は、ストレーナのサイズなどに合わせて、10〜30cmである。洗浄槽1の形状は裾絞形状である。洗浄槽1の底面に所定の傾斜が設けられ、この傾斜によってストレーナの付着物が洗浄槽1の一箇所に堆積される。
【0017】
ストレーナとは、流量計の入口側に設置され、計量液中に混入する固形異物を捕捉し、流量計を保護する装置をいう。例えば、ストレーナには、重原油流量計入口ストレーナ、燃料油・海送受入流量計ストレーナなどがある。重原油流量計入口ストレーナは、直径が43cm、回転軸方向を高さとしたとき、この高さが105cm程度である。燃料油・海送受入流量計ストレーナは、直径が80cm、高さが120cm程度である。直径が80cm以上のストレーナを大径のストレーナとし、直径が80cmより小さいものを小径のストレーナとする。
【0018】
回転ハンドル2は、回転手段の一例であり、図中の大径のストレーナ30の軸21に設けられ、洗浄液20が充填された裾絞形状の洗浄槽1に浸されたこのストレーナ30を、当該ストレーナ30の周曲面に沿って回転するようになされる。これにより、ストレーナ30の広い周曲面に沿って洗浄液を満遍なく行き届かせることができるので、洗浄液20の使用量を減少できるようになる。従って、コストを削減でき、かつ、環境に配慮できるようになる。回転ハンドル2は、軸21の先端部に回転ハンドル2の中心部が係合され、この係合箇所がリング型部材などにより圧締めされる。
【0019】
例えば、ストレーナ30は、作業者が流量計入口に装着する際に使用する軸21を有している。作業者は、この軸21に回転ハンドル2を装着し、この回転ハンドル2を回転してストレーナ30を回転させる。回転ハンドル2が装着できない場合、ウエスなどでストレーナ30の周曲面を拭きながら回転させて清掃する。
【0020】
ローラー3は、従動回転具の一例であり、洗浄槽1の内側に複数個ほど備えられる。ローラー3は、洗浄槽1に浸漬のストレーナ30における周曲面に接し、当該ストレーナ30の回転に伴って回転する。これにより、ストレーナ30が回転する際に発生する洗浄槽1との摩擦を軽減できるようになる。なお、作業者が回転ハンドル2を回転してストレーナ30を回転させることによってローラー3は回転するが、ローラー3を電気駆動式にしてもよい。これにより、作業者は、ストレーナ30を少ない力で回転できるようになる。また、電気駆動式のローラー3の回転力だけでストレーナ30を自動的に回転することもできるようになる。
【0021】
ヒーター4は、加温器の一例であり、洗浄槽1の前面の2箇所に備えられ、洗浄槽1内の洗浄液20に浸漬され、洗浄液20を温める。例えば、作業者は、図示しないヒーター4の温度制御部に接続されたタッチパネルで洗浄が最適に実施される温度(20〜60℃)に設定する。設定後、洗浄液20に浸漬されたヒーター4は、指定温度まで洗浄液20を加温する。これにより、ストレーナ30に付着した固形異物が融解し易くなり、この固形異物を効率的に取り除けるようになる。
【0022】
図2(a)及び(b)は、洗浄槽1の構成例を示す斜視図、及びそのX−X矢視切断面図である。図2(b)の洗浄槽1の底面には、傾斜が設けられている。この底面傾斜の最低部の近傍には、排出口5が備えられている。例えば、水平面に対して洗浄槽1の底面の傾斜を傾斜角θ1としたとき、この傾斜角θ1は、5〜10°に設定される。この傾斜によってストレーナ30の付着物が洗浄槽1の一箇所に堆積され、排出口5は、堆積した付着物を排出する。
【0023】
ヒーター4は、太い棒状の部材である突出部7が洗浄装置内部に突き出しており、この突出部7は洗浄液20に浸漬されている。ヒーター4は、突出部7を加温する。この浸漬された突出部7が加温されることにより、洗浄液20に熱が伝わって、洗浄液20は温められる。
【0024】
図3(a)及び(b)は、図2(a)に示した洗浄槽1のY−Y矢視切断面図、及びその支持部材8の構成例を示す拡大図である。図3(a)に示す洗浄槽1は、支持部材8及び水切り部12を備える。この支持部材8は、金属素材の板形状であり、洗浄槽1の側面にスポット溶接(抵抗溶接)によって取り付けられている。
【0025】
支持部材8は、両側に円弧を成した長手状の開口部を有する調整孔9を備える。ローラー3a〜3fを1セットとし、この1セットをローラーセット6とする。ローラー3a〜3fは、図4(a)に示す連結金具13で連結されている。ローラーセット6の両端は、図4(b)に示すボルト係合部25を備える。図中の破線円内図3(b)は、支持部材8を拡大したものであり、更に上面視及び側面視したものである。
【0026】
支持部材8の調整孔9にボルト10が通され、このボルト10にローラーセット6のボルト係合部25が係合され、このボルト10にナット11が螺合される。これにより、ローラーセット6が洗浄槽1の支持部材8に固定される。支持部材8は、洗浄槽1の一方の側面に8箇所、他方の側面に4箇所ほど取り付けられ、4つのローラーセット6を固定する。
【0027】
調整孔9の開口部の長さ(距離)をL4としたとき、この距離L4は、当該調整孔9の調整幅を成す。距離L4は、10〜12cmである。ボルト10は、この距離L4の範囲で水平方向へ移動可能である。これにより、ローラー3a〜3fを設置する位置を調整できるようになる。大径又は小径のストレーナ30及び31に対して、距離L4の範囲内でローラー3a〜3fの位置が調整できない場合、ボルト係合部25に図示しないスペーサを取り付け、このスペーサと支持部材8をボルト10で固定する。
【0028】
水切り部12は、洗浄液20に浸されたストレーナ30及び31が引上げられて設置される場所である。この水切り部12には、傾斜が設けられている。例えば、水平面に対して水切り部12の傾斜を傾斜角θ2としたとき、この傾斜角θ2は、7〜12°に設定される。これにより、引上げられたストレーナ30及び31から滴る洗浄液20を洗浄槽1の底に流れ落ちるようにすることができる。
【0029】
ローラー3の配置方法は、洗浄槽1の裾絞形状、つまりV字形状に沿って各片側斜面に2個づつ、谷部分に2個ほど配置される。例えば、片方の斜面にローラー3a及び3bが配置され、他方の斜面にローラー3e及び3fが配置され、谷部分にローラー3c及び3dが配置されている。
【0030】
ローラーセット6の個数は、ストレーナのサイズや重量に応じて増減可能である。例えば、重いストレーナの場合、ローラーセット6を増設し、軽いストレーナの場合、ローラーセット6を減設する。また、ローラーセット6を底に並べる間隔は調整可能である。例えば、図7に示す小径のストレーナ31の場合、ローラーセット6の間隔を詰めて設置し、大径のストレーナ30の場合、ローラーセット6の間隔を開けて設置する。
【0031】
図4(a)及び(b)は、ローラーセット6の構成例を示す説明図である。図4(a)は、ローラーセット6の側面視を示し、図4(b)は、ローラーセット6の上面視を示している。
【0032】
ローラー3a〜3fは8角形の形状であり、ローラー3a〜3fの回転時に、この形状を利用してストレーナ30に振動を与える。これにより、ストレーナ30に付着した固形異物を効率的に取り外せるようになる。
【0033】
ローラー3a〜3fを連結してローラーセット6を構成する連結金具13は、角度調整可能な屈曲部の一例であるヒンジ14を有し、このヒンジ14を基準にしてローラー3の位置を調整する。例えば、大径のストレーナ30の場合は、ヒンジ14の角度θ3を大きくして平面に近い形状にする。小径のストレーナ31の場合は、ヒンジ14の角度θ3を小さくしてV字形上に近い形状にする。これにより、サイズの異なるストレーナ30及び31に対してローラー3a〜3fを適合できるようになる。連結金具13は、洗浄槽1に着脱可能である。
【0034】
ローラー3a〜3fは、各ローラーの回転軸が連結金具13に着脱可能に連結されている。これにより、各ローラーの破損に応じてローラー毎に取替えることができる。
【0035】
図5は、洗浄槽1の構成例を示す上面視図である。図5に示すヒーター4は、洗浄槽1の前面の2箇所に備えられ、突出部7が洗浄装置内部に突き出しており、この突出部7が加温されることにより、洗浄液20は温められる。
【0036】
洗浄槽1の内側には、4個のローラーセット6a〜6dが序列して敷き詰められている。ローラーセット6a〜6dの各々には、図4に示した6個のローラー3a〜3fが取付けられている。
【0037】
これらのローラーセット6の個数は、ストレーナのサイズや重量に応じて増減可能である。例えば、重いストレーナの場合、ローラーセット6a〜6dを洗浄槽1に設置する。軽いストレーナの場合、ローラーセットを減設してローラーセット6b及び6dのみを洗浄槽1に設置する。ローラーセット6a及び6cは設置しない。
【0038】
また、ローラーセット6を底に並べる間隔は調整可能である。例えば、小径のストレーナ31の場合、ローラーセット6の設置間隔を詰めてローラーセット6c及び6dのみ設置する。大径のストレーナ30の場合、ローラーセット6の設置間隔を開けてローラーセット6a及び6dのみ設置する。これにより、コストを削減できるようになる。
【0039】
図6は、図2(a)に示した洗浄槽1にストレーナ30及び回転ハンドル2を配置した例を示す一部破砕の断面図である。図6に示す洗浄槽1には、洗浄液20が充填されている。
【0040】
洗浄槽1の支持部材8には、図5に示したローラーセット6a〜6dが固定されている。ストレーナ30は、洗浄液20中に周曲面の5分の1程度浸されている。作業者が回転ハンドル2によりストレーナ30を回転すると、洗浄液20中に浸されている周曲面が回転し、360°回転されると周曲面が元の位置に戻る。
【0041】
これにより、ストレーナ30をビニールシートに置いて、洗浄液20と空気とが混合されたものを直接噴射して洗浄する必要がなくなる。また、ストレーナ30を洗浄槽1内の洗浄液20中に完全に浸漬する必要もなくなる。従って、洗浄液20の使用量を減少できるようになる。これにより、コストを削減でき、かつ、環境に配慮できるようになる。
【0042】
図7は、図2(a)に示した洗浄槽1にストレーナ31及び回転ハンドル2を配置した例を示す一部破砕の断面図である。図7に示す洗浄槽1には、洗浄液20が充填されている。
【0043】
ここで、ローラー3がストレーナ31の周曲面に接するように、ローラーセット6の図4に示したヒンジ14の角度θ3を小さくしてV字形上に近い形状にする。このとき、ローラーセット6のボルト係合部25と洗浄槽1の支持部材8との距離が大きく開くので、ローラーセット6のボルト係合部25に図示しないスペーサを取り付け、このスペーサと支持部材8をボルト10で固定する。これにより、ストレーナ31の周曲面に接するようにヒンジ14の角度θ3が調整されてローラーセット6が洗浄槽1の支持部材8に固定される。支持部材8は、図5に示したローラーセット6c及び6dを固定している。
【0044】
ストレーナ31は、洗浄液20中に周曲面の4分の1程度浸されている。作業者が回転ハンドル2によりストレーナ31を回転すると、洗浄液20中に浸されている周曲面が回転し、360°回転されると周曲面が元の位置に戻る。これにより、ストレーナ31をビニールシートに置いて、洗浄液20と空気とが混合されたものを直接噴射して洗浄する必要がなくなる。また、ストレーナ31を洗浄槽1内の洗浄液20中に完全に浸漬する必要もなくなる。従って、洗浄液20の使用量を減少できるようになる。
【0045】
図8(a)〜(c)は、ストレーナ30の引上げ機構及びその手順例を示す説明図である。回転ハンドル2及び軸21などは、使用しないので図示していない。
【0046】
図8(a)〜(c)に示す洗浄槽1は、引上げ機構70を有している。引上げ機構70は、チェーン15、第1のチェーン固定部材16、及び第2のチェーン固定部材17を備える。チェーン15は、吊上部材の一例であり、長さが230〜250cmである。チェーン固定部材16はL字形状であり、水切り部12側の支持部材8に取付けられ、チェーン15の一端を固定する。チェーン固定部材17はL字形状であり、水切り部12の上端部に取付けられ、チェーン15の他端を固定する。
【0047】
図8(a)に示すチェーン15は、一端がチェーン固定部材16に固定され、他端が洗浄槽1に浸されたストレーナ30と洗浄槽1の底との間に通されている。例えば、作業者は、先ず、ストレーナ30を洗浄槽1に浸漬する前に、チェーン15の一端をチェーン固定部材16に固定し、このチェーン15を洗浄槽1に浸漬させて他端を対向側へ渡しておく。次に、このチェーン15が浸漬された洗浄槽1にストレーナ30を浸漬する。
【0048】
図8(b)に示すチェーン15は、対向側へ渡されたチェーン15の他端が、ストレーナ30を一周回してチェーン15の一端が固定された側へ戻っている。例えば、作業者は、対向側にあるチェーン15の他端を図示しない棒状の引っ掛け部材などを使用してチェーン15の他端を引っ掛けて自分側へ引き寄せる。
【0049】
図8(c)に示すチェーン15は、作業者によってチェーン15の他端が上方向へ引っ張られ、この他端がチェーン固定部材17に固定されている。このとき、ストレーナ30は、洗浄液面から吊り上げられて水切り部12に固定されている。水切り部12に設けられた図3に示した傾斜角θ2(=7〜12°)により、引上げられたストレーナ30から洗浄液20が滴って洗浄槽1の底に流れ落ちるようになる。ストレーナ30に付着した洗浄液20が十分に切れると、チェーン15を緩めてストレーナ30を洗浄槽1から取り外す。
【0050】
図9(a)及び(b)は、洗浄槽1の周囲板の機構及びその開閉例を示す説明図である。図9(a)及び(b)に示す洗浄槽1は、周囲板の機構71を有している。この機構71は、天板18、側板19、及び背板22を備える。天板18は着脱式であり、洗浄槽1に上から被せるように装着する。側板19は、蝶番金具23を備え、この蝶番金具23で洗浄槽1に屈曲自在に結合されている。背板22も同様に、図示しない蝶番金具を備え、この蝶番金具で洗浄槽1に屈曲自在に結合されている。
【0051】
図9(a)に示す洗浄槽1は、天板18が取り外され、側板19及び背板22が上述の蝶番金具23を基準にして折り曲げられている。ストレーナ30の水切り作業時は、このような外気循環の効率が良くなる状態にしておく。これにより、ストレーナ30を早く乾燥できるようになる。
【0052】
図9(b)に示す洗浄槽1は、側板19及び背板22が上述の蝶番金具23を基準に回動されて垂直にされ、この上から天板18が取付けられている状態である。ストレーナ30の洗浄作業終了時は、このような密閉状態にしておく。これにより、洗浄槽1に塵埃の混入や洗浄液20の蒸発を抑えることができる。
【0053】
図10は、ストレーナ30洗浄の作業例を示すフローチャートである。この例では図5に示したように、洗浄槽1の内側には、ローラーセット6が4個ほど装着されている。また、洗浄槽1には、図8(a)に示したようにチェーン15が取付けられている。天板18は取り外されている。これらをストレーナ30洗浄時の条件として図10に示すステップS1で、作業者は、裾絞形状の洗浄槽1の内部に洗浄液20を充填する。充填する洗浄液20の水位は、最も浅い位置で10〜30cmに設定される。
【0054】
充填後、作業者は、洗浄槽1内の洗浄液20に浸漬されたヒーター4の電源をONにして洗浄液20を温める。例えば、図示しないヒーター4の温度制御部に接続されたタッチパネルで洗浄が最適に実施される温度(20〜60℃)に設定する。設定後、洗浄液20に浸漬されたヒーター4は、指定温度まで洗浄液20を加温する。これにより、ストレーナ30に付着した固形異物が融解し易くなり、この固形異物を効率的に取り除けるようになる。
【0055】
ステップS2に移行し、洗浄液20が充填された洗浄槽1にストレーナ30を浸す。例えば、作業者は、軸21を持ってストレーナ30を洗浄槽1に浸してステップS3へ移行する。
【0056】
ステップS3では、浸されたストレーナ30をこのストレーナ30の周曲面に沿って回転する。例えば、作業者は、ストレーナ30の軸21に回転ハンドル2を取付け、この回転ハンドル2で、洗浄液20が充填された裾絞形状の洗浄槽1に浸されたストレーナ30を、このストレーナ30の周曲面に沿って回転する。
【0057】
例えば、作業者は、ストレーナ30の軸21の先端部に回転ハンドル2の中心部を係合し、この係合箇所をリング型部材などにより圧締めする。ハンドルが装着できない場合、ウエスなどでストレーナ30の周曲面を拭きながら回転させて清掃する。
【0058】
ストレーナ30の洗浄終了後、作業者は、先ず、対向側にあるチェーン15の他端を棒状の引っ掛け部材などを使用してチェーン15の他端を引っ掛けて自分側へ引き寄せる。次に、チェーン15の他端を上方向へ引っ張り上げ、この他端をチェーン固定部材17に固定する。このとき、ストレーナ30は、洗浄液面から吊り上げられて水切り部12に固定される。水切り部12には傾斜が設けられおり、この傾斜によって、引上げられたストレーナ30から滴る洗浄液20は、洗浄槽1の底に流れ落ちる。
【0059】
ストレーナ30を水切り部12に固定後、作業者は、側板19及び背板22を上述の蝶番金具23を基準にして外側に折り曲げる。これにより、外気循環の効率が良くなり、ストレーナ30を早く乾燥できるようになる。
【0060】
ストレーナ30の乾燥終了後、作業者は、ストレーナ30を洗浄槽1から取り出し、側板19及び背板22を上述の蝶番金具23を基準にして回動して垂直にし、この上から天板18を取付ける。これにより、洗浄槽1が密閉状態なり、洗浄槽1に塵埃の混入や洗浄液20の蒸発を抑えることができる。なお、ストレーナ31の場合もストレーナ30と同様にして洗浄する。
【0061】
このように、本発明に係るストレーナの洗浄装置100及びその方法によれば、ストレーナ30及び31を洗浄する場合であって、ストレーナ30などを回転する回転ハンドル2を備え、この回転ハンドル2により洗浄液20充填の裾絞形状の洗浄槽1に浸された当該ストレーナ30を、このストレーナ30の周曲面に沿って回転するようになされる。従って、ストレーナ30の広い周曲面に沿って洗浄液を満遍なく行き届かせることができるので、洗浄液20の使用量を減少できるようになる。これにより、コストを削減でき、かつ、環境に配慮できるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、ストレーナを洗浄するストレーナ洗浄装置などに適用して好適である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明に係る実施例としてのストレーナの洗浄装置100の構成例を示す斜視図である。
【図2】図2(a)及び(b)は、洗浄槽1の構成例を示す斜視図、及びそのX−X矢視切断面図である。
【図3】図3(a)及び(b)は、図2(a)に示した洗浄槽1のY−Y矢視切断面図、及びその支持部材8の構成例を示す拡大図である。
【図4】(a)及び(b)は、ローラーセット6の構成例を示す説明図である。
【図5】洗浄槽1の構成例を示す上面視図である。
【図6】図6は、図2(a)に示した洗浄槽1にストレーナ30及び回転ハンドル2を配置した例を示す一部破砕の断面図である。
【図7】図2(a)のY−Y矢視切断面に小径のストレーナ31及び回転ハンドル2を配置した例を示す説明図である。
【図8】(a)〜(c)は、ストレーナ30の引上げ機構及びその手順例を示す説明図である。
【図9】(a)及び(b)は、洗浄槽1の周囲板の機構及びその開閉例を示す説明図である。
【図10】ストレーナ30洗浄の作業例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0064】
1 洗浄槽
2 回転ハンドル(回転手段)
3 ローラー(従動回転具)
4 ヒーター(加温器)
13 連結金具(保持部材)
15 チェーン(吊上部材)
20 洗浄液
30 大径のストレーナ
31 小径のストレーナ
100 ストレーナの洗浄装置(円筒型濾過器の洗浄装置)
【出願人】 【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
【識別番号】596133119
【氏名又は名称】中電プラント株式会社
【出願日】 平成18年6月29日(2006.6.29)
【代理人】 【識別番号】100090376
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 邦夫


【公開番号】 特開2008−6381(P2008−6381A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−179963(P2006−179963)