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【発明の名称】 吹き流し形フィルタ
【発明者】 【氏名】今井 孝次

【氏名】高谷 政男

【要約】 【課題】接着剤を必ずしも必要とせずに仮止めすることが容易であり、組み立て工程に手間が掛からず、材料コストも低く抑えることができる吹き流し形フィルタを提供すること。

【構成】保持枠が、当該吹き流し形フィルタの空気流入口周囲に配される外枠103と、前記外枠103内を仕切るように配される支持部材104とからなり、前記外枠103が、凹部が形成された中枠材106と断面コ字形またはC形の中枠用カバー材105とからなり、前記中枠材106の凹部に前記濾材101の開放端周り101cの一部を挿入した状態で前記中枠用カバー材105を前記中枠材106に固定することで、前記中枠材106の凹部の開口面が中枠用カバー材105によって覆われると共に、前記濾材101の開放端周り101cが前記中枠用カバー材105と前記中枠材106とに挟持されて当該濾材101が支持されるようにしたことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の袋状の濾材が並設して保持枠に取り付けられている吹き流し形フィルタにおいて、
前記保持枠が、当該吹き流し形フィルタの空気流入口周囲に配される外枠と、前記外枠内を仕切るように配される支持部材とからなり、
前記外枠が、凹部が形成された中枠材と断面コ字形またはC形の中枠用カバー材とからなり、
前記中枠材の凹部に前記濾材の開放端周りの一部を挿入した状態で前記中枠用カバー材を前記中枠材に固定することで、前記中枠材の凹部の開口面が中枠用カバー材によって覆われると共に、前記濾材の開放端周りが前記中枠用カバー材と前記中枠材とに挟持されて当該濾材が支持されるようにしたことを特徴とする吹き流し形フィルタ。
【請求項2】
中枠用カバー材が、中枠材に濾材の開放端周りを介して抜け止め状態に固定されるようになっており、前記中枠用カバー材の構成部材である枠片が、前記中枠材に吹き流し形フィルタの側面から取り付けられ、前記枠片が両端部で連結され一体化されて当該中枠用カバー材が構成されていることを特徴とする請求項1記載の吹き流し形フィルタ。
【請求項3】
支持部材が、支持棒と該支持棒の外側に抜け止め状態に固定される断面コ字形又はC字形の支持棒用カバー材からなることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の吹き流し形フィルタ。
【請求項4】
中枠材に中枠用カバー材を固定させたとき、前記中枠材と前記中枠用カバー材とからなる外枠に、根元にくびれ部を有する端部突起を両端に設けた支持棒の前記端部突起を受容する空隙と前記くびれ部を受容する受け穴とが形成されるようになっており、前記外枠の空隙に支持棒の端部突起を受容させ、前記外枠の受け穴に支持棒のくびれ部を受容させることにより、前記外枠に支持棒を抜け止め状態に固定するようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の吹き流し形フィルタ。
【請求項5】
保持枠が可燃性の材料のみから形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の吹き流し形フィルタ。
【請求項6】
可燃性の材料のみから形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の吹き流し形フィルタ。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、一般ビルの空調設備、工場空調設備、電算機室や病院の空調設備などに使用されるフィルタであって、塵埃に対して高い捕集効率と低い圧力損失で塵埃保持容量が極めて大きく、長期使用が可能であり、特に中高性能フィルタに適した吹き流し形フィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、吹き流し形フィルタとしては本出願人による製品が知られている(非特許文献1参照)。図37及び図38に示すように、この吹き流し形フィルタ1にあっては、該フィルタ1の空気流入口の周囲に木枠3が設けられている。木枠3は、該フィルタ1の空気流入口の周囲を構成する枠3aと、枠3a内を仕切る枠3bとからなり、これら枠3a及び枠3bがタッカーなどで接合されている。
【0003】
また木枠3には、複数の袋状の濾材2の入口部周囲の端部がタッカーなどで打ち付けられ、この濾材2端部と共に木枠3は、断面コ字形の亜鉛引き鋼板4からなる側板、天地板及び仕切板で覆われている。また、濾材2には保護材5が取り付けられている。保護材5は、濾材2が屈曲により、側板などを構成する亜鉛引き鋼板の角で破損するのを防止するためのものである。
【0004】
上記吹き流し形フィルタ1にあっては、その組立時に木枠3の組立が必要であり、また、その木枠3には濾材2の入口部周囲の端部をタッカーなどで一つ一つ止めていかなければならず、組み立て工程が非常に煩雑であった。また、この吹き流し形フィルタ1にあっては、濾材2の破損防止のために保護材5を取り付けるなど、濾過性能には直接寄与しない部品も必要としていた。
【0005】
一方、特許文献1には、図39及び図40に示すように『方形枠状に形成されたフィルタ枠14の互いに対向する2本の上、下枠板14a、14bに凹部15を刻設すると共に、凹部15に嵌合掛止する突部16aを各先端に突設した掛止板16を設け、且つ各掛止板16にバッグ状濾材11の接合容着線12の裏面側を載置して、各突部16aを夫々前記凹部15に嵌合掛止し、バッグ状濾材11の上端縁を接着剤により2本の左、右枠板14bの全面側に貼着固定すると共に、バッグ状濾材11の開口部5を上・下枠板14a、14bの全面側に貼着固定して、更にフィルタ枠14の前面に方形の押え枠17を、プラスチックスステーブル18で一体に固着したフィルタ装置19』(特許文献1の図6及び図7参照)が記載されている。
【0006】
しかし、このフィルタ装置では、バッグ状濾材の開口部を枠板に貼着固定する必要あり、組み立ての作業工程には、接着やステープルで一体化する手間がかかり、接着に要する時間も掛かり、また接着剤の材料費が多く掛かってしまうという問題があった。
【0007】
また特許文献2には、図41及び図42に示すように『環状空洞26を有する環形の濾材受け部材24と、環状空洞26に設けられる弾性変形する濾材押え部材25とを含むフレーム23を用いて、バッグ状濾材22の周辺部を濾材受け部材24と濾材押え部材25の間に挟持してバッグ状濾材22を固定し、かつ濾材押え部材25を弾性変形することによりバッグ状濾材22の周辺部を解放するように構成されたエアフィルタ装置21』(特許文献2の図1及び図2参照)が記載されている。
【0008】
しかし、このエアフィルタ装置では、フレームに要する材料費は節約できるものの、使用済みのバッグ状濾材と新品のバッグ状濾材の交換を現場で行う必要があり、そのため人件費が非常に大きなものになってしまい、かえってメンテナンスに要する費用が高くなってしまうという問題があった。
【非特許文献1】日本バイリーン株式会社の2001年6月発行の製品カタログ(製品名VG−90VG−98)
【特許文献1】実公平7−13777号公報
【特許文献2】特開2006−21102号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、接着剤を必ずしも必要とせずに仮止めすることが容易であり、組み立て工程に手間が掛からず、材料コストも低く抑えることができる吹き流し形フィルタを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、複数の袋状の濾材が並設して保持枠に取り付けられている吹き流し形フィルタにおいて、
前記保持枠が、当該吹き流し形フィルタの空気流入口周囲に配される外枠と、前記外枠内を仕切るように配される支持部材とからなり、
前記外枠が、凹部が形成された中枠材と断面コ字形またはC形の中枠用カバー材とからなり、
前記中枠材の凹部に前記濾材の開放端周りの一部を挿入した状態で前記中枠用カバー材を前記中枠材に固定することで、前記中枠材の凹部の開口面が中枠用カバー材によって覆われると共に、前記濾材の開放端周りが前記中枠用カバー材と前記中枠材とに挟持されて当該濾材が支持されるようにしたことを特徴とする吹き流し形フィルタをその要旨とした。
【0011】
請求項2記載の発明は、中枠用カバー材が、中枠材に濾材の開放端周りを介して抜け止め状態に固定されるようになっており、前記中枠用カバー材の構成部材である枠片が、前記中枠材に吹き流し形フィルタの側面から取り付けられ、前記枠片が両端部で連結され一体化されて当該中枠用カバー材が構成されていることを特徴とする請求項1記載の吹き流し形フィルタをその要旨とした。
【0012】
請求項3記載の発明は、支持部材が、支持棒と該支持棒の外側に抜け止め状態に固定される断面コ字形又はC字形の支持棒用カバー材からなることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の吹き流し形フィルタをその要旨とした。
【0013】
請求項4記載の発明は、中枠材に中枠用カバー材を固定させたとき、前記中枠材と前記中枠用カバー材とからなる外枠に、根元にくびれ部を有する端部突起を両端に設けた支持棒の前記端部突起を受容する空隙と前記くびれ部を受容する受け穴とが形成されるようになっており、前記外枠の空隙に支持棒の端部突起を受容させ、前記外枠の受け穴に支持棒のくびれ部を受容させることにより、前記外枠に支持棒を抜け止め状態に固定するようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の吹き流し形フィルタをその要旨とした。
【0014】
請求項5記載の発明は、保持枠が可燃性の材料のみから形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の吹き流し形フィルタをその要旨とした。
【0015】
請求項6記載の発明は、可燃性の材料のみから形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の吹き流し形フィルタをその要旨とした。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、複数の袋状の濾材が並設して保持枠に取り付けられている吹き流し形フィルタにおいて、前記保持枠が、当該吹き流し形フィルタの空気流入口周囲に配される外枠と、前記外枠内を仕切るように配される支持部材とからなり、前記外枠が、凹部が形成された中枠材と断面コ字形またはC形の中枠用カバー材とからなり、前記中枠材の凹部に前記濾材の開放端周りの一部を挿入した状態で前記中枠用カバー材を前記中枠材に固定することで、前記中枠材の凹部の開口面が中枠用カバー材によって覆われると共に、前記濾材の開放端周りが前記中枠用カバー材と前記中枠材とに挟持されて当該濾材が支持されるようにしたことから、濾材の開放端周りを中枠材に取り付ける際に、接着剤を必ずしも必要とせずに仮止めすることが容易となり、組み立て工程に手間が掛からず、材料コストも低く抑えることができる、との効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の吹き流し形フィルタを図面に示した一実施の形態に従ってさらに詳しく説明する。図1に示すように、本発明の吹き流し形フィルタ100は複数の袋状の濾材101が並設して保持枠102に取り付けられたものである。
【0018】
図1に示すフィルタ100では、6個の袋状の濾材101が並設して保持枠102に取り付けられており、各濾材101の開放端部同士は超音波ホッチキスなどで接合されている。また図2に示すように、袋状の濾材101を構成する濾材片101aと濾材片101bとの間にはセパレータ111が縫製又は超音波接着などで断面コの字状に接合されていて、濾材101の間隔が保持されるようになっている。
【0019】
上記濾材101の種類としては特に限定されず、例えば、ガラスマットと不織布が積層された濾材、メルトブロー法によって極細繊維を形成している過程で短繊維を吹き込み、極細繊維と短繊維とを混合して得られる濾材など、従来より吹き流し形フィルタとして使用されている濾材をそのまま使用することができる。また濾材101には、スパンボンド不織布やネットなどの布帛を補強材として積層したものも好適に使用できる。
【0020】
濾材101の面密度も特に限定されないが、好ましくは40〜400g/m2、より好ましくは60〜300g/m2、さらに好ましくは80〜250g/m2である。濾材101の厚さも限定されないが、好ましくは3〜20mm、より好ましくは4〜15mm、さらに好ましくは5〜10mmである。
【0021】
濾材101の具体例としては、例えばメルトブロー法によって製造された平均繊維径が0.1〜10ミクロンの極細繊維5〜50質量%と、平均繊維径が10〜100ミクロンの熱融着性繊維50〜95質量%とが混在し、前記熱融着性繊維の熱融着によって繊維相互が固定された不織布からなる濾材を挙げることができる。この濾材101の場合、JIS比色法効率(JISB9908に規定される試験値)95%以上の高性能フィルタ、同比色法効率90%以上の準高性能フィルタ、同比色法効率80%以上の中性能フィルタに適合させることができる。
【0022】
濾材101の材質としては、環境に悪影響を与え難い材料として可燃性材料のみからなることが望ましい。そのような材質とすることで、使用後の廃棄時に分別処理が不要となる上、熱源としてリサイクルすることが可能となる。また、濾材には難燃剤を含ませることもできる。この場合、リン系などのノンハロゲン系の材料とするのが望ましい。
【0023】
袋状の濾材101を構成する濾材片101aと濾材片101bとの間の間隔を保持する目的で取り付けられるセパレータ111としては、図2に示す断面コの字形のほか、W状や菱形状とすることもできる。また、セパレータ111の材質も濾材と同じく可燃性材料を用いることが望ましい。
【0024】
次に、保持枠について説明する。この吹き流し形フィルタ100において、保持枠102は、当該吹き流し形フィルタ100の空気流入口周囲に配される外枠103と、前記外枠103内を仕切るように配される支持部材104とからなる。
【0025】
外枠103は中枠材106と中枠用カバー材105とからなる。図1及び図3〜図8に示すように、中枠材106は、当該吹き流し形フィルタ100の空気流入口に対応する四角状の枠材であり、上下に対抗させる一対の中枠片106aと左右に対抗させる一対の中枠片106bとからなる。中枠片106aの両端部にはそれぞれコーナーピース112が設けられており、中枠片106bの両端部には前記各コーナーピース112を受け入れる受容部113がそれぞれ形成されており、前記中枠片106b両端部の受容部113に中枠片106a両端部のコーナーピース112を差し込んで、中枠片106aと中枠片106bの各端部を接合することによって中枠材106が形成されるようになっている。
【0026】
図1に示すフィルタ100の場合、中枠片106aと中枠片106bの各端部のコーナーピース112と受容部113にホットメルト接着剤を塗布し、これらを接合することにより、中枠片106aと中枠片106bとを一体化し中枠材106を形成している。
【0027】
尚、中枠片106aと中枠片106bとを接合し一体化するに際し、必ずしも接着剤を使用する必要はなく、中枠片106b両端部の受容部113に中枠片106aの両端部のコーナーピース112を差し込んだ後、超音波溶着によって中枠片106aと中枠片106bの各端部を接合することが可能であり、また、中枠片106aの各端部のコーナーピース112を中枠片106bの各端部の受容部113に差し込んで接合するだけであってもよい。また中枠材106は、中枠片106aと中枠片106bとを組み立てる形態のほか、はじめから四角状の枠材として一体化されている形態を採ることも可能である。
【0028】
また中枠材106には凹部114が設けられている。図27及び図28に示すように、凹部114は、当該凹部114内に濾材101の開放端周り101cを押し入れ、この状態で後述する中枠用カバー材105を前記中枠材106に固定することで、前記中枠材106の凹部114の開口面が中枠用カバー材105によって覆われると共に、前記濾材101の開放端周り101cが前記中枠用カバー材105と前記中枠材106とに挟持されて当該濾材101が支持されるようになっている。
【0029】
中枠材106の凹部114の形状は特に限定されず、穴形状であっても、スリットや溝形状であってもよい。図3〜図8に示す凹部114は、中枠片106a又は中枠片106bの長さ方向に沿って形成された溝形状をなしており、当該凹部114はリブ115によって複数の溝に仕切られている。このため、上記のように中枠片106aと中枠片106bの各端部を接合して組み立てたとき、得られる中枠材106は、当該リブ115によって補強され変形し難くなっている。
【0030】
また、中枠材106の凹部114の数や位置も任意である。図9〜図11に示すように、中枠片106a’又は中枠片106b’の長さ方向に沿って形成したリブのない1つの長溝形状をなす凹部114とすることもできる。この形態の場合、リブ115による補強が必要でないような中枠材106に好適である。
【0031】
また中枠材106の上下位置に配される各中枠片106aには、所定間隔に切り欠き116が設けられている。このため、図28に示すように、当該中枠材106に中枠用カバー材105を固定させたとき、後述する支持棒108の両端に設けた根元にくびれ部108aを有する端部突起108bを受容する空隙117と前記くびれ部108aを受容する受け穴118とが形成されるようになっている。そして、これら各中枠片106aに所定間隔に設けた切り欠き116を通して支持棒108の端部突起108bを凹部114内に入れ、この状態で当該中枠材106に中枠用カバー材105を固定させることで、外枠103に形成される空隙117に支持棒108の端部突起108bを受容させ、同時に外枠103に形成される受け穴118にくびれ部108aを受容させて、前記外枠103に支持棒108を抜け止め状態に固定できるようになっている。
【0032】
尚、支持棒108の端部突起108bを凹部114内に入れて固定するに当たり、端部突起108bを凹部114内に入れた後に、超音波溶着によってより確実に固定することが可能であり、また、予めホットメルト接着剤を端部突起108bに塗布してから、端部突起108bを凹部114内に入れて、より確実に固定することも可能である。
【0033】
中枠用カバー材105は、上記中枠材106に濾材101の開放端周り101cを介して抜け止め状態に固定される外枠103を構成する構成部材である。この中枠用カバー材105は断面コ字形またはC形をなしており、前記中枠材106に固定することで、前記中枠材106の凹部114の開口面が中枠用カバー材105によって覆われると共に、前記濾材101の開放端周り101cが前記中枠用カバー材105と前記中枠材106とに挟持されて当該濾材101が支持されるようになっている。
【0034】
尚、中枠材106を中枠用カバー材105内に抜け止め状態に固定するにあたり、より確実に固定するには、図28または図36に示すように、中枠用カバー材105の開口縁部に内側に向かう突起105cが設けられていることが好ましい。このような構造とすれば、この中枠用カバー105の開口を通して中枠材106を中枠用カバー105内部に挿入した後に中枠材106を中枠用カバー材105内部から引き抜こうとしても、中枠材106が開口部分で引っ掛かるので、より確実に抜け止め状態になるのである。
【0035】
中枠用カバー材105は、はじめから四角状の枠材として一体化されている形態のほか、図15〜図20に示すように、上下位置に対抗して配される一対の枠片105aと、左右位置に対抗して配される一対の枠片105bとから四角状の枠材を構成してなり、これらの枠片105a、105bの両端部を接合して四角状の中枠用カバー材105に組み立てるようにしたものであっても良い。
【0036】
図15〜図17に示す枠片105aは断面コ字形またはC形をなしており、その両端部にはコーナーピース119が設けられている。一方、図18〜図20に示す枠片105bも断面コ字形またはC形をなしており、その両端部には前記枠片105aの各コーナーピース112を受け入れる受容部120がそれぞれ形成されている。そして、枠片105b両端部の受容部120に枠片105a両端部のコーナーピース119を差し込んで、枠片105aと枠片105bの各端部を接合することによって中枠用カバー材105が形成されるようになっている。
【0037】
図1に示すフィルタ100の場合、枠片105aと枠片105bの各端部のコーナーピース119と受容部120にホットメルト接着剤を塗布し、これらを接合することにより、枠片105aと枠片105bとを一体化し中枠用カバー材105を形成している。
【0038】
尚、枠片105aと枠片105bとを接合し一体化するに際し、必ずしも接着剤を使用する必要はなく、枠片105b両端部の受容部120に枠片105a両端部のコーナーピース119を差し込んだ後に、超音波溶着によって、枠片105aと枠片105bの各端部を接合することも可能であり、また、枠片105aの各端部のコーナーピース119を枠片105bの各端部の受容部120に差し込んで接合するだけであってもよい。
【0039】
図15〜図20に示す枠片105a、105bによって構成される中枠用カバー材105の場合、これら枠片105a、105bは、中枠材106に、当該吹き流し形フィルタ100の側面から取り付けられ、上述のように枠片105a、105bの各端部を接合し組み立てられるようになっている。このような構造とすることによって、中枠用カバー材105を容易に形成することができると同時に、中枠用カバー材105が中枠材106から外れるようなリスクが少なくなり、濾材101の開放端周り101cを確実に固定できるという利点がある。
【0040】
次に、支持部材について説明する。支持部材104は前記外枠103内を仕切るように配される。図1及び図21〜図26に示す形態では、5個の支持部材104が外枠103内に配されて該外枠103内を6つに仕切っている。この支持部材104は、支持棒用カバー材107とこの支持棒用カバー材107内に抜け止め状態に固定される支持棒108とからなる。
【0041】
図24〜図26に示すように、支持棒用カバー材107は断面コ字形又はC字形をなしており、この支持棒用カバー材17の開口縁部には内側に向かう突起107aが設けられている。このため、この支持棒用カバー材107の開口を通して支持棒108を支持棒用カバー材107内部に挿入した後に、支持棒108を支持棒用カバー材107内部から引き抜こうとしても、支持棒108が開口部分で引っ掛かる。このように、該支持棒108を支持棒用カバー材107内に抜け止め状態に固定できるようになっているのである。そして、図27〜図30に示すように、支持棒108を図30中矢印に示すように支持棒用カバー材107内に濾材101の開放端周り101cと共に押し込みながら挿入することで、濾材101の開放端周り101cを支持棒用カバー材107と支持棒108とで挟持させ、濾材101の支持がなされるようになっている。
【0042】
図21〜図23に示すように、支持棒108の両端部には、根元にくびれ部108aを有する端部突起108bが設けられており、図28に示すように、前記中枠用カバー105を中枠材106に固定することで形成される外枠103の空隙117に支持棒108の端部突起108bを受容させ、外枠103の受け穴1118に支持棒108のくびれ部108aを受容させることにより、前記外枠103に支持棒108が抜け止め状態に固定されるようになっている。このような構造によって支持棒108が外枠103から抜けるというリスクが無く、また支持棒108がくっついたりせず、外枠103に支持棒108を確実に、しかも容易に固定できるという利点がある。
【0043】
上述した保持枠102の材質としては、木材、金属、合成樹脂など特に限定されないが、環境に悪影響を与え難い材料として可燃性材料のみからなることが望ましい。そのような材質とすることで、使用後の廃棄時に分別処理が不要となる上、熱源としてリサイクルすることが可能となる。また、保持枠には難燃剤を含ませることもできる。この場合、リン系などのノンハロゲン系の材料とするのが望ましい。
【0044】
次に、実際の組み立て方法を説明しながら、各部品の詳細な説明を行う。
まず、図2に示すように、袋状の濾材101に予めセパレータ111を、縫製または接着により取り付けておく。例えば濾材片101aと濾材片101bの間にセパレータ111を縫製または超音波接着などにより断面コの字形に設けておく。このような袋状の濾材101を6個準備して、これらの袋状の濾材の開放端周り101cを超音波ホッチキスなどで部分的に接合し、6個の袋状の濾材101を連結する。
【0045】
次いで、図3〜図5に示す中枠片106aの両端部にあるコーナーピース112にホットメルト接着剤を塗布し、これを図6〜図8に示す中枠片106bの両端部の受容部113に差し込み、これらを接合して中枠材106(図31)を形成する。あるいはホットメルト接着剤を塗布せずに、中枠片106bの両端部の受容部113に差し込んだ後に超音波溶着によって、これらを接合して中枠材106(図31)を形成する。
【0046】
次いで、図3〜図5、図22〜図23並びに図32に示すように、中枠材106の上下辺を構成する中枠片106aの切り欠き116を通して支持棒108両端部の根元にくびれ部108aを有する端部突起108bを嵌め込み、ホットメルト接着剤によって接合する。
【0047】
次いで、図33に示すように、支持棒108を接合した中枠材106上に連結された6個の袋状の濾材101を乗せ、図30に示すように支持棒用カバー材107を、濾材101の開放端周り101aの接合部を介して、支持棒108の上に被せ、支持棒用カバー材107内に支持棒108を抜け止め状態に固定する。
【0048】
尚、図30に示す各濾材101の開放端周り101cの接合部分に当たる部分を支持棒用カバー材107と支持棒108とで挟持させた後に、支持部材104を図31に示す中枠材106に接合することも可能である。
【0049】
次いで、図34に示すように、中枠材106の周囲に濾材101の開放端周り101cを被せ、図35に示すように、中枠材106に形成されている溝状の凹部114内にへら121を用いて、濾材101の開放端周り101cを挿入し、中枠材106に濾材101の開放端周り101cを仮止めする。この際に、溝状の凹部114から濾材101の開放端周り101cがはみ出すようにしておくことが好ましい。
【0050】
この後、図36、図15〜図20に示すように、中枠用カバー材105を、中枠材106の凹部114の上方から、濾材101の開放端周り101cの接合部を介して、中枠材106に抜け止め状態に固定する。このとき、中枠用カバー材105の上下辺を構成する枠片105a両端部のコーナーピース119にホットメルト樹脂を付着させておき、これらコーナーピース119を中枠用カバー材105の左右辺を構成する枠片105bの両端部の受容部120に差し込み、枠片105a、105b相互を連結することにより、中枠用カバー105が形成され、同時に外枠103が形成されることになる。あるいはホットメルト樹脂を付着しないで、コーナーピース119を受容部120に差し込んだ後に超音波溶着によって枠片105a、105b相互を連結することにより、中枠用カバー105が形成されると同時に外枠103が形成されることになる。
【0051】
以上の組立手順により、濾材101の開放端周り101aが中枠用カバー材105と前記中枠材106とに挟持されて当該濾材101が支持されたフィルタ100の組立が完了する。
【0052】
本発明のフィルタの全体の大きさとしては特に限定されないが、好ましくは外枠15の外寸が200〜800mmであり、実用的は、例えば290mm、305mm、595mm、650mmなどの寸法を採用することができる。また、支持部材間の距離も特に限定されないが、好ましくは50〜150mmを採用することができる。
【0053】
尚、本発明のフィルタは、上述の例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で自由に変更して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明のフィルタの全体を示す斜視図。
【図2】袋状の濾材を構成する濾材片間にセパレータが断面コの字状に接合されている状態を示す拡大図。
【図3】本発明のフィルタにおける外枠の中枠材を構成する中枠片106aを示す斜視図。
【図4】同じく平面図。
【図5】同じく正面図。
【図6】本発明のフィルタにおける外枠の中枠材を構成する中枠片106bを示す斜視図。
【図7】同じく平面図。
【図8】同じく正面図。
【図9】本発明のフィルタにおける外枠の中枠材を構成する中枠片106aのリブのない別形態を示す斜視図。
【図10】同じく平面図。
【図11】同じく正面図。
【図12】本発明のフィルタにおける外枠の中枠材を構成する中枠片106bのリブのない別形態を示す斜視図。
【図13】同じく平面図。
【図14】同じく正面図。
【図15】本発明のフィルタにおける外枠の中枠材を構成する中枠片105aを示す斜視図。
【図16】同じく平面図。
【図17】同じく正面図。
【図18】本発明のフィルタにおける外枠の中枠材を構成する中枠片105bを示す斜視図。
【図19】同じく平面図。
【図20】同じく正面図。
【図21】本発明のフィルタにおける支持部材を構成する支持棒を示す斜視図。
【図22】同じく平面図。
【図23】同じく正面図。
【図24】本発明のフィルタにおける外枠の支持部材を構成する支持棒用カバーを示す斜視図。
【図25】同じく平面図。
【図26】同じく正面図。
【図27】図1のA−A断面図。
【図28】図1のB−B断面図。
【図29】図1のC−C断面図。
【図30】濾材の開放端周りの接合部を介して、支持棒を支持棒用カバー材内に抜け止め状態に固定する過程を示す拡大断面図。
【図31】中枠片の各両端部を接合して形成した中枠材を示す斜視図。
【図32】中枠材に支持棒を接合した状態を示す斜視図。
【図33】支持棒を接合した中枠材上に濾材を配置した状態を示す斜視図。
【図34】中枠材周囲に濾材の開放端周りを被せる前の状態を示す拡大断面図。
【図35】中枠材の凹部114内にへらを用いて、濾材の開放端周りを挿入し、中枠材に濾材の開放端周りを仮止めする状態を示す拡大断面図。
【図36】中枠用カバー材を中枠材の凹部の上方から、濾材の開放端周りの接合部を介して、中枠材に抜け止め状態に固定する状態を示す拡大断面図。
【図37】従来のフィルタを示す斜視図。
【図38】従来のフィルタの木枠と、この木枠に取り付けられる濾材とを示す拡大断面図。
【図39】従来の別の濾材ユニットをフィルタ枠に取り付けた状態を示す斜視図。
【図40】同じく濾材ユニットを示す斜視図。
【図41】従来の別のエアフィルタ装置の一部破断斜視図。
【図42】図41のX−X線で囲まれた部分の拡大断面図。
【符号の説明】
【0055】
101 ・・・濾材
101a、101b ・・・濾材片
101c ・・・開放端周り
102 ・・・保持枠
103 ・・・外枠
104 ・・・支持部材
105 ・・・中枠用カバー材
105a、105b ・・・枠片
106 ・・・中枠材
106a、106b ・・・中枠片
107 ・・・支持棒用カバー材
108 ・・・支持棒
108a ・・・くびれ部
108b ・・・端部突起
114 ・・・凹部
117 ・・・空隙
118 ・・・受け穴
【出願人】 【識別番号】000229542
【氏名又は名称】日本バイリーン株式会社
【出願日】 平成18年6月28日(2006.6.28)
【代理人】 【識別番号】100083932
【弁理士】
【氏名又は名称】廣江 武典

【識別番号】100129698
【弁理士】
【氏名又は名称】武川 隆宣

【識別番号】100129676
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼荒 新一

【識別番号】100135585
【弁理士】
【氏名又は名称】西尾 務


【公開番号】 特開2008−6366(P2008−6366A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−178183(P2006−178183)