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【発明の名称】 屑分離装置及び方法並びに風送方法
【発明者】 【氏名】小代田 直也

【要約】 【課題】薄く且つ軽い屑であっても、安定してその屑を分離する。

【構成】セパレータ38は内カゴ52と外枠53を備える。内カゴ52は、底面部が開口で、側面部が側板58〜61で形成される。側板58〜61のパンチングメタルには、内カゴ52の内側に向けて突出する突条71が形成される。突条71は山形とされる。供給管54は側板59に沿うように取り付けられている。供給管54から屑を伴う風が略水平方向に吹き出される。側板58〜61は屑を伴う風から屑を分離する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部が開口で、少なくとも周面が多孔部材で形成される内カゴと、前記内カゴを取り囲み、前記多孔部材の孔を通り抜けた風を排気するための外枠とを有し、前記内カゴ内に風送された屑を前記多孔部材を用いて風と分離して下方に落下させる屑分離装置において、
前記内カゴに形成され、内側に向けて突出する複数の突起部と、
前記内カゴの内周面に沿って略水平方向に前記屑を風送するための供給管とを備えることを特徴とする屑分離装置。
【請求項2】
前記屑の平均長さをLcとし、前記突起部のピッチをPとしたときに、Lc≧Pとすることを特徴とする請求項1記載の屑分離装置。
【請求項3】
前記突起部は、前記供給管からの風の進行方向に交差するように長く形成される突条であることを特徴とする請求項1または2記載の屑分離装置。
【請求項4】
前記内カゴの下方に前記開口を介して設けられるシュータを備え、前記シュータは前記屑を下方に案内する複数のシュート面を有し、前記複数のシュート面のうち前記風が滞留する位置にあるシュート面の鉛直方向に対する傾き角度を、他のシュート面のそれよりも小さくすることを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項記載の屑分離装置。
【請求項5】
前記供給管の先端には、前記風の吹き出し方向を調整する方向調整部材が取り付けられていることを特徴とする請求項1ないし4いずれか1項記載の屑分離装置。
【請求項6】
前記内カゴの内部または外部を監視する監視手段を備えることを特徴とする請求項1ないし5いずれか1項記載の屑分離装置。
【請求項7】
前記監視手段は、前記外枠に設けられた透明窓であることを特徴とする請求項6記載の屑分離装置。
【請求項8】
前記監視手段はファイバスコープであり、前記ファイバスコープの先端は前記内カゴの内部に設けられることを特徴とする請求項6記載の屑分離装置。
【請求項9】
前記多孔部材の孔の直径は1mm以上5mm以下であり、単位面積当たりの開口率が30%以上60%以下であることを特徴とする請求項1ないし8いずれか1項記載の屑分離装置。
【請求項10】
底部が開口で、少なくとも周面が多孔部材で形成される内カゴと、前記内カゴを取り囲み、前記多孔部材の孔を通り抜けた風を排気するための外枠とを用いて、前記内カゴ内に風送された屑を前記内カゴを用いて風と分離して下方に落下させる屑分離方法において、
前記屑を前記内カゴ内に風送するための供給管により、前記内カゴの内周面に沿って略水平方向に前記屑を風送し、
前記屑を前記内カゴに内側に向けて突出して形成される複数の突起部に接触させて、風と分離させることを特徴とする屑分離方法。
【請求項11】
連続搬送されるフイルムから切断されたフイルムの側端部を長尺状に風送する第1の工程を有し、前記第1の工程を用いて前記側端部を回収部へ風送する風送方法において、
前記側端部を細かく切断して耳屑とし、この耳屑を請求項10記載の屑分離方法を用いて、風と分離することを特徴とする風送方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、屑を伴った風からその屑を分離する屑分離装置及び方法並びに風送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリマーフイルム(以下「フイルム」とする)は、優れた光透過性や柔軟性を有し、軽量薄膜化が可能であることから、光学機能性フイルムとして多岐に利用されている。この中でも、セルロースアシレート等を用いたセルロースエステル系フイルムは、前述の特性に加えて、さらに強靭性や低複屈折率を有している。このセルロースエステル系フイルムは、写真感光用フイルムをはじめとして、近年市場が拡大している液晶表示装置(LCD)の構成部材である偏光板の保護フイルムや光学補償フイルムとして利用されている。
【0003】
このフイルムの製造方法の一つとしては、溶液製膜方法が挙げられる。溶液製膜方法は、ポリマーと溶媒とが含まれたドープを流延ダイから支持体上に流延して流延膜を形成し、流延膜が自己支持性を有するものとなった後に、支持体から剥ぎ取って湿潤フイルムとし、テンタ内で湿潤フイルムを搬送させながら乾燥させてフイルムを製造する。この溶液製膜方法の利点は、光学等方性や厚み均一性に優れ、且つ含有異物が少ないフイルムを製造することができる点にある。したがって、LCDに利用される光学機能性フイルムは、溶液製膜方法により製造されたものが多い。
【0004】
フイルムを支持体から剥ぎ取って製品として巻き取るまでの間には、厚みが中央部に比べて変動しやすいフイルムの側端部(以下「耳部」という)を耳切装置により切断している。耳部の切断は、所定の位置に固定された回転刃を走行中のフイルムに当てることにより、連続的に行われている。また、この耳部の切断は、フイルムの幅を所望の幅に揃える役割も兼ねている。
【0005】
切断された耳部は、風送設備により、風と共に回収部まで送られる。風送設備では、まず、耳切装置により切断された長尺状の耳部を、耳切装置により連続的に切断し、細かい破片(以下「耳屑」という)にして風送する。その後に、風送された耳屑は、分離装置により風と分離される。耳屑はクラッシャに送られ、そのクラッシャにより耳屑は更に細かく砕かれる。細かくされた耳屑は回収部で回収され、原料として再利用される。
【0006】
分離装置としては、サイクロンやカゴ式セパレータなどが挙げられる。サイクロンは、耳屑が含まれた風を耳屑とその耳屑が除かれた風とに分離し、それぞれ別々の配管に送る。配管に送られた風は、再び耳屑を風送するものとして利用される。カゴ式セパレータ2は、図9に示すように、多数の孔3aが形成されたフラット形状の側板3を備え、その内部に耳屑が含まれた風4を送り込んで、その孔3aから風を逃がし、耳屑を分離してクラッシャへと落下させる。なお、図が複雑になるのを避けるために、多数の孔の一つのみに符号3aを付してある。
【0007】
耳部切断後の装置等に関連するものとして特許文献1の発明が挙げられる。この発明は、切断後の耳部を安定して搬送することができるように、その耳部を挟持するローラ対によりその耳部の張力を調整している。
【特許文献1】特開2005−238801号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述のサイクロン、カゴ式セパレータについては、以下のような問題がある。サイクロンは、分離後の風を再利用できる点で優れているが、鉛直方向である程度の長さが必要になり、製造設備のレイアウト制約などによりスペースを確保できない場合には、有効的ではない。この点において、カゴ式セパレータは、鉛直方向での長さがサイクロン式に比べて1/2以下で、限られたスペースであっても十分に設置可能である。
【0009】
ところが、カゴ式セパレータであっても、薄く且つ軽い耳屑の場合には、新たな問題が起こりうる。このような耳屑は、カゴ式セパレータの孔に張り付いてすぐに落下しないため、時間が経過するごとに孔が耳屑で閉塞されてしまう。そのため、安定して耳屑を分離することが困難となる。このような状況に陥った場合に、張り付いた耳屑を除去する必要があるが、カゴ式セパレータの内部を監視することができない状況にあった。
【0010】
本発明は、薄く且つ軽い屑であっても、安定して分離が可能な屑分離装置及び方法並びに風送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明は、底部が開口で、少なくとも周面が多孔部材で形成される内カゴと、前記内カゴを取り囲み、前記多孔部材の孔を通り抜けた風を排気するための外枠とを有し、前記内カゴ内に風送された屑を前記多孔部材を用いて風と分離して下方に落下させる屑分離装置において、前記内カゴに形成され、内側に向けて突出する複数の突起部と、前記内カゴの内周面に沿って略水平方向に前記屑を風送するための供給管とを備えることを特徴とする。
【0012】
前記屑の平均長さをLcとし、前記突起部のピッチをPとしたときに、Lc≧Pとすることが好ましい。前記突起部は、前記供給管からの風の進行方向に交差するように長く形成される突条であることが好ましい。前記内カゴの下方に前記開口を介して設けられるシュータを備え、前記シュータは前記屑を下方に案内する複数のシュート面を有し、前記複数のシュート面のうち前記風が滞留する位置にあるシュート面の鉛直方向に対する傾き角度を、他のシュート面のそれよりも小さくすることが好ましい。前記供給管の先端には、前記風の吹き出し方向を調整する方向調整部材が取り付けられていることが好ましい。前記内カゴの内部または外部を監視する監視手段を備えることが好ましい。前記監視手段は、前記外枠に設けられた透明窓であることが好ましい。前記監視手段はファイバスコープであり、前記ファイバスコープの先端は前記内カゴの内部に設けられることが好ましい。前記多孔部材の孔の直径は1mm以上5mm以下であり、単位面積当たりの開口率が30%以上60%以下であることが好ましい。
【0013】
本発明の屑分離方法は、前記屑を前記内カゴ内に風送するための供給管により、前記内カゴの内周面に沿って略水平方向に前記屑を風送し、前記屑を前記内カゴに内側に向けて突出して形成される複数の突起部に接触させて、風と分離させることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、連続搬送されるフイルムから切断されたフイルムの側端部を長尺状に風送する第1の工程を有し、前記第1の工程を用いて前記側端部を回収部へ風送する風送方法において、前記側端部を細かく切断して耳屑とし、この耳屑を請求項10記載の屑分離方法を用いて、風と分離することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、底部が開口で、少なくとも周面が多孔部材で形成される内カゴと、前記内カゴを取り囲み、前記多孔部材の孔を通り抜けた風を排気するための外枠とを有し、前記内カゴ内に風送された屑を前記多孔部材を用いて風と分離して下方に落下させる屑分離装置において、前記内カゴに形成され、内側に向けて突出する複数の突起部と、前記内カゴの内周面に沿って略水平方向に前記屑を風送するための供給管とを備えることにより、薄く且つ軽い屑であっても、その屑が多孔部材の孔に張り付くことなく、安定して屑を分離することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1に示すように、フイルム製造ライン10は、ドープ製造ライン11、流延室12、テンタ13、フイルム乾燥室14、及び巻取室15などを備えている。
【0017】
ドープ製造ライン11では、ポリマーを溶媒に溶解または分散して得られるポリマー溶液からなるドープを製造する。流延室12では、例えばステンレス製のバンド16を循環走行させて、このバンド16上に流延ダイ17からドープ18を流延し、流延膜19を形成する。バンド16上の流延膜19は、流延室12内でバンド16に沿って送風される乾燥風などによって、流延膜19内の溶媒の乾燥が促進される。そして、自己支持性を有するようになったときに、剥取ローラ20で流延膜19が剥ぎ取られ、フイルム21が得られる。
【0018】
バンド16から剥ぎ取られたフイルム21は、自己支持性を有するものの、溶媒を多量に含んでおり、この後、テンタ13及びフイルム乾燥室14においてフイルム21が十分に乾燥される。テンタ13では、フイルム21の両端をクリップで把持しながら、フイルム21を走行させて、フイルム21を乾燥させる。テンタ13から出たフイルム21は、その下流に設けられた耳切装置22において、フイルム21の側端部(以下「耳部」という)が切断される。切断された耳部は、風送設備24により、風と共に搬送され、回収部であるサイロ26まで送られる。サイロ26で回収された耳部は、再度原料として利用される。
【0019】
一方、耳切装置22から出たフイルム21は、フイルム乾燥室14内で乾燥ローラ28上を走行し、その走行中に溶媒が十分に揮発されて乾燥される。フイルム乾燥室14を出たフイルム21は、ナーリング装置29により、ナーリングが付与される。この後に、フイルム21は、再度耳切装置30により、その耳部が切断されて、所望の幅に整えられる。切断された耳部は、前述と同様に、風送設備32により風と共に搬送され、サイロ33まで送られる。そして、巻取室15において、フイルム21が巻芯33に巻き取られる。
【0020】
図2は、風送設備32及びその周辺を示している。風送設備32は、吸引ダクト34、イオナイザ36、カットブロア37、セパレータ38、クラッシャ39、集塵機40を備えている。これら装置は配管43〜48により連結されている。なお、もう一方の風送設備24についても、同様の構成であるため、説明は省略する。
【0021】
吸引ダクト34は耳切装置30で切断された長尺状の耳部を吸引する。吸引された耳部は、配管43を通してイオナイザ36へと送られる。イオナイザ36は耳部の帯電圧値を制御し、配管44を通してカットブロア37へと送る。
【0022】
カットブロア37は回転式のカッタと送風器と(いずれも図示省略)を有している。回転式のカッタは、耳部を連続的に切断し、細かい破片(以下「耳屑」という)にする。送風器は配管45に風を送り、その風によって耳屑をセパレータ38にまで搬送する。
【0023】
セパレータ38は、耳屑が含まれた風(以下「耳屑風」という)から耳屑を分離する。分離された耳屑はクラッシャ39へと送られ、その一方、屑が除かれた風は、配管48を通じて集塵機40へ搬送される。なお、セパレータ38内の気圧が高くなった場合には、排気ダクト50から風が外部に強制的に排出される。
【0024】
図3に示すように、セパレータ38は、内カゴ52、外枠53、供給管54、シュータ55、排気管56を備えている。内カゴ52は四角筒状であり、その底面部は開口52aで、側面部は合計4枚の側板58〜61(図7参照)で、上面部は孔が形成されていない板62で形成されている。それら側板58〜61のうち、供給管54が取り付けられる側板58には、供給管54用の挿通孔58aが形成されている。また、内カゴ52にはファイバースコープ65が取り付けられており、このファイバースコープ65はモニタ若しくはコンピュータ(いずれも図示省略)に接続されている。モニタは、ファイバースコープ65からの影像を写し出し、必要に応じて、コンピュータがその影像をそのコンピュータ内のメモリ(図示省略)に記録する。これにより、内カゴ52の内部の様子を監視することが可能となる。
【0025】
図4は、側板59の正面図を示している。側板59は、多数の孔67a(図5参照)が形成されたパンチングメタル67とそのパンチングメタル67の縁に設けられた取付枠68とからなる。取付枠68には取付孔68aが形成されており、この取付孔68aにボルトを通してナット(いずれも図示省略)で固定することで、各側板58〜61はそれぞれ組み合わされて、四角筒状の内カゴ52とされる。また組み立て式とすることで溝の方向を自由に変更できる。なお、取付孔の一つのみに符号68aを付してある。
【0026】
図5に示すように、パンチングメタル67には孔径Dを3mmとした多数の孔67aが、ピッチをP1として、60°の千鳥状に配置されている。パンチングメタル67の孔67aによる単位面積当たりの開口率は、30%以上60%以下の範囲であることが好ましい。孔径Dは1mm以上5mm以下の範囲であることが好ましい。また、ピッチP1は2mm以上6mm以下の範囲であることが好ましい。なお、パンチングメタル67の孔のうちの一つのみに符号67aを付してある。
【0027】
図6は、パンチングメタル67の断面図を示している。パンチングメタル67には鉛直方向に突条71が長く形成されている。この突条71は、水平方向にピッチをP2として多数形成してあり、断面形状が略三角形状になっている。ピッチP2は10mm以上20mm以下の範囲であることが好ましい。耳屑72は、例えば矩形であり、その一辺の平均長さLcは約20mmである。突条71のピッチP2を耳屑72の長さLc以下とすることにより、耳屑72が突条71により傾斜した状態でパンチングメタル67に接触することになり、耳屑72のパンチングメタル67への密着がなくなる。なお、突条71の断面形状を略三角形状としたが、これに限らず、略半円形状、略楕円形状その他各種の断面形状としてもよい。
【0028】
また、突条71の幅Wは10mm以上20mm以下の範囲であることが好ましい。また、突条71の高さHは4mm以上10mm以下の範囲であることが好ましい。また、パンチングメタル67の厚みTは1mm以上3mm以下の範囲であることが好ましい。
【0029】
なお、側板60,61については、側板59と略同様である。また、側板58についても、挿通孔58aが形成されている以外は、側板59と略同様であることが好ましい。
【0030】
図3に示すように、外枠53は内カゴ52を取り囲むように設けられる。外枠53には、供給管54用の取付孔53a、排気管56用の取付孔53b、排気ダクト50用の強制排気口53c、シューター55用の取付孔53dが形成されている。また、外枠53には、内カゴ52をその外部から監視することができるように、透明樹脂製の窓73(図2参照)が設けられている。
【0031】
供給管54は、耳屑風を略水平方向に内カゴ52の内部へと吹き出す。この供給管54は、図7に示すように、取付孔53aと挿通孔58aを貫通して、側板59に沿うように取り付けられている。また、供給管54の先端には、蛇腹状のSUS製フレキシブルホース75が取り付けられている。このフレキシブルホース75は、その出口角度θ2が変更可能であり、この出口角度θ2を変更することで、耳屑風が吹き出される方向を調整することが可能である。以上のような設定で供給管54を取り付け、出口角度θ2の位置を調整することによって、耳屑風が内カゴ52の内部で水平面に略平行に旋回するようになる。なお、供給管54を側板59に沿うように取り付けたが、その他の側板60,61のいずれかに沿うように取り付けてもよい。
【0032】
図3に示すように、シュータ55は、開口52aに接続されており、外枠53に形成された取付孔53dから外部へ出ており、クラッシャ39へと連結している。シュータ55のシュート面77〜79(図7参照)は鉛直線に対して角度θ3で傾斜しており、側板58側のシュート面80は角度θ3が「0」の鉛直とされている。図8にハッチングで示すように、滞留エリア81,82は供給管54から出て、内カゴ52内を旋回した耳屑風83が滞留しやすい箇所である。このため、シュート面80を鉛直とすることで、シュート効率を高めて、耳屑がシュート面80に堆積することを防止している。ここに言う「鉛直」とは、重力の働く方向をいい、具体的には水平方向に対して垂直であることをいう。なお、シュート面80のみを鉛直としたが、これに限らず、耳屑風が滞留する箇所が複数あれば、それに応じてシュート面を鉛直としてもよい。また、シュート面80の角度θ3を「0」の鉛直としたが、他のシュート面の角度θ3よりも小さければよい。
【0033】
次に、図9を用いて、セパレータ38が耳屑を分離するメカニズムについて説明する。供給管54から吹き出された耳屑風85は、内カゴ52の内部を旋回する。この耳屑風85は、側板58〜61のいずれかに若しくはシュータ55のシュート面80に、接触する。耳屑風85が側板61に接触したときには、耳屑が側板61に留まり、その耳屑が除かれた風が側板61の孔を通過する。これにより、耳屑風85から耳屑が分離される。分離された耳屑は、そのままクラッシャ39へと落下するか若しくはシュータ55のシュート面79に案内されてクラッシャ39へと送られる。このときクラッシャ39の回転で発生する吹き上げ風によっても側板61に溜まる。側板61の孔を通過した風は排気管56から排出され、集塵機40へ送られる。なお、図8に示した風の挙動は一例であり、これ以外にも多くの挙動が考えられる。
【0034】
側板61に留まった耳屑は、以下の理由により、側板61に継続的に張り付くことなく、すぐに側板61から落下する。突条71に耳屑が貼り付くと、全面がフラットな面に貼り付く場合と異なり、耳屑と側板61との間に隙間ができ、この隙間に風が回り込むことで、簡単に剥離される。また、突条71は、供給管54からの風の進行方向に対して直交するように、長く形成されているため、その供給管54からの風が、側板61に張り付こうとする耳屑を剥離させ、耳屑の下方への落下を促進させる。
【0035】
また、耳屑は、カットブロア37により切断された際に帯電しており、側板61に接触したときには、側板61との間に静電気力が生じる。この静電気力は、耳屑と側板61との間の距離の2乗に対して、反比例する。したがって、側板61を波型形状することで、フラット形状の場合と比較して、耳屑と側板61との間の距離が大きくなるため、静電気力が減少する。これにより、耳屑は側板61から離れ易くなる。
【0036】
ここで、耳屑風85を内カゴ52の内部に吹き出す前に、予め帯電した耳屑を除電することも考えられる。しかしながら、フイルム21のようなシート状のものに比べ、細かい耳屑を除電するのは困難である。仮に、除電を行ったとしても、耳屑の表面にある電荷が除かれるだけで、耳屑の内部にある電荷を除くことは困難である。
【0037】
なお、本実施形態では、セパレータの分離対象を、フイルムの耳屑としたが、これに限らず、破片状の屑、例えば紙屑などであってもよい。
【0038】
また、本実施形態では、内カゴの形状を四角筒状としたが、これに限らず、円筒状、楕円筒状その他の形状としてもよい。また、角筒は四角形に限らず、三角形やその他の多角形であってもよい。
【0039】
また、鉛直方向に形成した突条に代えて、または加えてスポット状の突起を形成してもよい。スポット状の突起は、円錐状、角錐状、半球状、球面状に構成される。また、上記スポット状の突条、及び分断した突条は、切断された耳屑の大きさに対応させて、ランダムに配置してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】フイルム製造ラインを示す概略図である。
【図2】風送設備及びその周辺を示す概略図である。
【図3】本発明のセパレータを示す縦断面図である。
【図4】側板を示す正面図である。
【図5】パンチングメタルの一例を示す正面図である。
【図6】図4におけるVI−VI線に沿う拡大した断面図である。
【図7】本発明のセパレータを示す横断面図である。
【図8】滞留エリアを示すセパレータの横断面図である。
【図9】供給管から吹き出される耳屑風の挙動を示すためのセパレータの横断面図である。
【図10】従来のセパレータを示す横断面図である。
【符号の説明】
【0041】
10 フイルム製造ライン
38 セパレータ
52 内カゴ
53 外枠
54 供給管
55 シュータ
58〜61 側板
65 ファイバスコープ
73 窓
75 フレキシブルホース
【出願人】 【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
【出願日】 平成18年6月28日(2006.6.28)
【代理人】 【識別番号】100075281
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 和憲

【識別番号】100095234
【弁理士】
【氏名又は名称】飯嶋 茂

【識別番号】100117536
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 英了


【公開番号】 特開2008−6356(P2008−6356A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−177697(P2006−177697)