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【発明の名称】 除湿機
【発明者】 【氏名】大下 直也

【氏名】坂口 洋一

【要約】 【課題】室温の上昇の少ない除湿機を提供する。

【構成】除湿ロータ3で空気中の水分を吸着し、除湿ロータ3を加熱して吸着した水分を蒸発させ、除湿ロータ3から蒸発した水蒸気をラジエータ12に導入して冷却することで、凝縮させて回収タンク13に回収する除湿機1において、機外から吸引した空気を、除湿ロータ3に挿通させてから機外に放出する除湿流路8と、機外から吸引した空気を、ラジエータ12に挿通させてから機外に放出する、除湿流路8と分離された冷却流路17とを設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
除湿ロータで空気中の水分を吸着し、前記除湿ロータを加熱して吸着した水分を蒸発させ、除湿ロータから蒸発した水蒸気をラジエータに導入して冷却し、前記水蒸気を凝縮させて回収タンクに回収する除湿機において、
機外から吸引した空気を、前記除湿ロータに挿通させてから機外に放出する除湿流路と、
機外から吸引した空気を、前記ラジエータに挿通させてから機外に放出する、前記除湿流路から分離された冷却流路とを有することを特徴とする除湿機。
【請求項2】
前記冷却流路の排気口に、可撓性のダクトを接続可能としたことを特徴とする請求項1に記載の除湿機。
【請求項3】
前記除湿流路の排気口と、前記冷却流路の排気口とで、排気方向が異なることを特徴とする請求項1または2に記載の除湿機。
【請求項4】
前記冷却流路は、前記回収タンクと接触することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の除湿機。
【請求項5】
前記除湿ロータと前記ラジエータとを隔離する熱侵入防止部材を有することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の除湿機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、デシカント式の除湿機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、除湿ロータで空気中の水分を吸着し、除湿ロータが吸着した水分を加熱して蒸発させることで除湿ロータを再生し、除湿ロータから蒸発した水蒸気を含む循環空気をラジエータで冷却して、水蒸気を凝縮させて回収するデシカント式の除湿機では、特許文献1に記載されているように、機外から吸入した空気でラジエータを冷却してから除湿ロータで水分を除去して機外に排気している。
【0003】
除湿ロータの再生は、加熱により行われるので、ここで発生した水蒸気を含む循環空気および再生された除湿ロータは高温となっている。機外から吸入した空気は、先ず、ラジエータで循環空気と熱交換して加熱され、さらに、除湿ロータでも除湿されると同時に加熱されるので高温になって排気される。
【0004】
例えば、室温(機外の空気の温度)が27℃であったとき、除湿機に吸入された空気は、ラジエータで34℃に加熱され、除湿ロータにおいて50℃まで加熱されてから排気される。
【0005】
このため、従来のデシカント式の除湿機は、室温を上昇させるという問題があり、夏場の使用が敬遠されがちである。
【特許文献1】特開2001−205036号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記問題点に鑑みて、本発明の課題は、室温の上昇が少ない除湿機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明による除湿機は、除湿ロータで空気中の水分を吸着し、前記除湿ロータを加熱して吸着した水分を蒸発させ、除湿ロータから蒸発した水蒸気をラジエータに導入して冷却し、前記水蒸気を凝縮させて回収タンクに回収する除湿機において、機外から吸引した空気を、前記除湿ロータに挿通させてから機外に放出する除湿流路と、機外から吸引した空気を、前記ラジエータに挿通させてから機外に放出する、前記除湿流路から分離された冷却流路とを有するものとする。
【0008】
この構成によれば、ラジエータを冷却した空気を分離したことで、空気の吹き出し温度を低くできる。
【0009】
また、本発明の除湿機において、前記冷却流路の排気口に、可撓性のダクトを接続可能としてもよい。
【0010】
この構成によれば、ラジエータを冷却した空気を、可撓性のダクトを介して室外に排気することができ、室温の上昇を低減できる。
【0011】
また、本発明の除湿機において、前記除湿流路の排気口と、前記冷却流路の排気口とで、排気方向が異なってもよい。
【0012】
この構成によれば、除湿ロータで除湿した空気と、ラジエータを冷却した空気とが異なる方向に吹き出されるので、広範囲に空気の流れを形成し、室内に干された洗濯物をムラなく乾燥できるので、すべての洗濯物が乾くまでの時間を短縮できる。
【0013】
また、本発明の除湿機において、前記冷却流路は、前記回収タンクと接触してもよい。
【0014】
この構成によれば、ラジエータで高温になった空気を、回収タンクの水で冷却できるので、冷却流路から吹き出す空気の温度を低減できる。
【0015】
また、本発明の除湿機は、前記除湿ロータと前記ラジエータとを隔離する熱侵入防止部材を有してもよい。
【0016】
この構成によれば、ラジエータで温度上昇した空気から除湿ロータに導入される空気に熱が伝わらないので、除湿する空気の温度上昇を低減できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の除湿機は、除湿する空気をラジエータの冷却に用いないので、除湿した空気の吹き出し温度が低く、室温の上昇が少ない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
これより、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1に、本発明の第1実施形態の除湿機1を示す。除湿機1は、本体2の中に、例えばゼオライトを含有するハニカム円板型の除湿ロータ3を有する。除湿ロータ3は、モータ4によって、所定の速度、例えば2分間に1回転のスピードで回転する。
【0019】
除湿機1は、除湿ファン5を有し、除湿ファン5によって除湿空気取込口6から吸引した機外の空気を除湿ロータ3に挿通させ、除湿ロータ3に水分を吸着させた後に除湿空気排出口7から排気する除湿流路8を有する。
【0020】
また、除湿機1は、除湿ロータ3に吸着された水分を回収するための循環流路9を有する。循環流路9は、除湿ロータ3を加熱して吸着している水分を蒸発させるヒータ10と、除湿ロータ3から蒸発した水蒸気を搬送する循環空気の流れを形成する循環ファン11と、循環空気を冷却して水蒸気を凝縮させて分離するためのラジエータ12とを有している。ラジエータ12で凝縮した水滴は、本体下部に収容された回収タンク13に回収されるようになっている。
【0021】
さらに、除湿機1は、ラジエータ12を冷却するための空気の流れを形成する冷却ファン14を有し、冷却ファン14によって冷却吸気口15から吸引した機外の空気を、ラジエータ12に挿通して、冷却空気排気口16から排出する冷却流路17を有する。
【0022】
除湿ロータ3とラジエータ12とは、つまり、除湿流路8と冷却流路17とは、板状の熱侵入防止部材18で隔離されている。また、冷却空気排気口16は、除湿空気排出口7とは排気方向が異なり、さらに、可撓性のダクト19が接続できるようになっている。
【0023】
本実施形態の除湿機1では、除湿する空気をラジエータ12の冷却に用いないので、吹き出し温度の上昇が抑えられる。例えば、室温が27℃で、ラジエータ12における温度上昇が7℃、除湿ロータ3における温度上昇が16℃である場合、従来のように、ラジエータ12を冷却した空気を除湿ロータ3に挿通して除湿すると、その吹き出し温度は50℃にも達するが、本実施形態では、除湿空気排出口7からの吹き出し温度は43℃に抑えられ、室温の上昇を低減できる。一方、ラジエータ12を冷却した空気は、約34℃に昇温しているが、ダクト19を介して、除湿機1を設置した部屋の外部に導出することができるので、室温上昇の原因にならないようにできる。
【0024】
また、冬場に洗濯物を部屋干しするときなど、室温の上昇が気にならないときは、ダクト19を装着しないで除湿機1を運転してもよい。このとき、除湿空気排出口7と冷却空気排気口16との排気方向が異なるので、除湿ロータ3で除湿された空気と、ラジエータ12を冷却した空気とは異なる方向に吹き出す。これによって、室内に、広範囲に行き渡る空気の流れを形成し、洗濯物をムラなく乾燥させることができるので、すべての洗濯物が乾ききるまでの時間を短縮することができる。
【0025】
また、熱侵入防止部材18は、ラジエータ12を通過した空気の熱が、除湿ロータ3に挿通される空気に伝達されないようにしている。これによって、除湿空気排出口7から送出される空気の過剰な温度上昇を防止できる。この作用をもたらすために、熱侵入防止部材18は、冷却流路17のラジエータ12の下流側と、除湿流路8の除湿ロータ3の上流側とを隔離するものであればよく、冷却流路17のラジエータ12の上流側が除湿流路8の除湿ロータ3の上流側と連通したり、除湿空気取込口6と冷却吸気口15とが一体となるような構成にしてもよい。
【0026】
続いて、図2に、本発明の第2実施形態の除湿機1を示す。本実施形態において、第1実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付して説明を省略する。
【0027】
本実施形態において、冷却流路17は、冷却ファン14の下流において、回収タンク13と接触するようになっている。具体的には、回収タンク13の外壁と本体2との間を空気が流れるようにしたり、回収タンク13を貫通する筒を設けて冷却流路17の一部を形成するようにすることで実現される。
【0028】
本実施形態では、ラジエータ12で温度上昇した空気を回収タンク13に回収した水で冷却するので、冷却空気排気口16から排出される空気の温度を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1実施形態の除湿機の概略図。
【図2】本発明の第2実施形態の除湿機の概略図。
【符号の説明】
【0030】
1 除湿機
2 本体
3 除湿ロータ
5 除湿ファン
7 除湿空気排口
8 除湿流路
9 循環流路
10 ヒータ
11 循環ファン
12 ラジエータ
13 回収タンク
14 冷却ファン
16 冷却空気排気口
17 冷却流路
18 熱侵入防止部材
19 ダクト
【出願人】 【識別番号】000002473
【氏名又は名称】象印マホービン株式会社
【出願日】 平成18年6月23日(2006.6.23)
【代理人】 【識別番号】100084146
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 宏

【識別番号】100100170
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 厚司


【公開番号】 特開2008−701(P2008−701A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−173808(P2006−173808)