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【発明の名称】 凝集反応装置
【発明者】 【氏名】竹内 忠雄

【氏名】田中 有

【要約】 【課題】広い流量範囲で高い凝集反応効率を確保することができ、処理量の範囲を拡大することができる凝集反応装置を提供すること。

【構成】懸濁水を圧送する移送配管4と、該移送配管4に連なる該移送配管4よりも小径の細径配管5と、該細径配管5又はその上流側の前記移送配管4に設けられた凝集剤供給手段と、前記細径配管5が直接開口する凝集反応槽と、を有する凝集反応装置において、前記細径配管5の断面積を、該細径配管5を流れる懸濁水の圧力に比例して増減させる面積可変手段7(バネ機能を有するフラップ板8)を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
懸濁水を圧送する移送配管と、
該移送配管に連なる該移送配管よりも小径の細径配管と、
該細径配管又はその上流側の前記移送配管に設けられた凝集剤供給手段と、
前記細径配管が直接開口する凝集反応槽と、
を有する凝集反応装置において、
前記細径配管の断面積を、該細径配管を流れる懸濁水の圧力に比例して増減させる面積可変手段を設けたことを特徴とする凝集反応装置。
【請求項2】
前記面積可変手段を、前記細径配管内に配されたバネ機能を有するフラップ板で構成したことを特徴とする請求項1記載の凝集反応装置。
【請求項3】
前記面積可変手段を、前記細径配管内に回動可能に配されたフラップ板と、前記細径配管に進退可能に螺合するとともに、その端部が前記フラップ板に連結されたボルトを含んで構成したことを特徴とする請求項1記載の凝集反応装置。
【請求項4】
前記面積可変手段を、懸濁水の流れ方向に沿って縮径する弾性変形可能なテーパ管で構成したことを特徴とする請求項1記載の凝集反応装置。
【請求項5】
前記面積可変手段を、一部が弾性変形可能な弾性シートで構成された吹き込み管で構成したことを特徴とする請求項1記載の凝集反応装置。
【請求項6】
前記細径管の下流端に、前記移送管よりも大きな断面積を有する凝集反応用の一時滞留部を設け、該一時滞留部を、第2の移送管と該第2の移送配管よりも小径の第2の細径配管を介して前記凝集反応槽に接続するとともに、前記第2の細径配管に前記面積可変手段を設けたことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の凝集反応装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、下水等の有機排水の生物処理工程から排出される余剰汚泥等の懸濁水を凝集処理するための凝集反応装置に係り、特に、広い流量範囲で高い凝集反応効率を確保することができる凝集反応装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下水等の有機排水の生物処理工程から排出される余剰汚泥を脱水処理する場合、一般的には、汚泥に凝集剤を添加して凝集処理することによってフロックを形成した後に脱水処理が行われる。
【0003】
図10は汚泥(原泥)に無機凝集剤を添加して凝集処理する従来の凝集反応装置101を示す模式的な断面図であり、この凝集反応装置101においては、原泥は原泥ポンプ103によって凝集反応槽102に導入され、この凝集反応槽102で原泥に無機凝集剤が添加されて両者が撹拌機106により撹拌混合されることによって凝集汚泥が排出される。
【0004】
ところで、汚泥と無機凝集剤とを効率的に反応させるためには強い撹拌が必要であるが、強い撹拌には多くの動力を消費し、又、下水の混合生汚泥のように汚泥中に夾雑物が含まれる原泥の場合には、撹拌羽根に夾雑物が絡み付いて円滑な撹拌が阻害される場合もある。
【0005】
そこで、図11及び図12に示すような凝集反応装置201が提案されている(特許文献1参照)。
【0006】
図11は凝集反応装置の正面図、図12は図11のE−E線断面図であり、図示の凝集反応装置201は、凝集反応槽202に汚泥(原泥)を移送する原泥ポンプ203を有する移送配管204に、この移送配管204よりも小径の細径配管205を連結し、この細径配管205を凝集反応槽202の外周部に接線方向に接続して構成されている。ここで、記凝集反応槽202は、円筒容器状に成形され、その内部には撹拌機206が備えられている。
【0007】
而して、汚泥は、原泥ポンプ203によって移送配管204及び細径配管205を経て凝集反応槽202に導入される間に、移送配管204と細径配管205との連結部近傍で無機凝集剤が注入される。注入された無機凝集剤は、小径の細径配管205内における汚泥の乱流によって汚泥中に均一に分散・混合され、この細径配管205を通過する高速の汚泥流が凝集反応槽202内に接線方向に流入するときの噴射流によって無機凝集剤の混合・拡散が効果的に行われる。
【0008】
そして、細径配管205から凝集反応槽202内に接線方向に流入した汚泥流は、凝集反応槽202内で旋回流となり、この凝集反応槽202内の汚泥と混合されることによって無機凝集剤はより一層均一に混合・拡散されるとともに、凝集反応槽202内での撹拌機206による撹拌によってフロックが成長し、良好な凝集処理が行われる。
【0009】
以上のようにして凝集反応槽202で得られた凝集汚泥は、排出配管209から凝集反応槽202外へと排出され、次いで有機高分子凝集剤を添加混合してフロックを生成させた後、次の脱水工程へ送給される(図示せず)。
【特許文献1】特許第3539428号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ここで、図11及び図12に示す凝集反応装置201において、口径φ25mmの細径配管(吹き込み管)205を使用したときの凝集反応槽202内へ噴射される汚泥の流量Qと噴射速度vとの関係を図13に示す。
【0011】
細径配管205の断面積をSとしたとき、速度vは次式:
v=Q/S … (1)
で表されるため、汚泥の噴射速度vは流量Qに正比例することが図13から明らかである。
【0012】
ところで、本発明者の知見によれば、無機凝集剤と汚泥との反応は汚泥の噴射速度vが2〜5m/secの範囲である場合に良好に行われる。従って、図13に示す流量Qと噴射速度vとの関係から、噴射速度v=2〜5m/secに対応する流量QはQ=4〜9m3 /hとなり、その範囲での処理量が望ましいことが分かる。処理量が4m3 /h未満では、撹拌強度が弱くなって無機凝集剤と汚泥との反応が不十分となり、逆に処理量が9m3 /hを超えると、形成されるフロックが破壊気味になるとともに、移送配管204及び細径配管205内の圧力が高くなり過ぎて装置の運転に支障を来すという問題がある。
【0013】
しかしながら、図11及び図12に示す従来の凝集反応装置201においては、細径配管205の口径は一定不変であって、断面積Sも一定不変であるため、無機凝集剤と汚泥との反応を良好に保つ噴射速度vを実現するための処理量(流量Q)の範囲が狭く、処理量に制限を受けるという問題があった。
【0014】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、広い流量範囲で高い凝集反応効率を確保することができ、処理量の範囲を拡大することができる凝集反応装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、
懸濁水を圧送する移送配管と、
該移送配管に連なる該移送配管よりも小径の細径配管と、
該細径配管又はその上流側の前記移送配管に設けられた凝集剤供給手段と、
前記細径配管が直接開口する凝集反応槽と
を有する凝集反応装置において、
前記細径配管の断面積を、該細径配管を流れる懸濁水の圧力に比例して増減させる面積可変手段を設けたことを特徴とする。
【0016】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記面積可変手段を、前記細径配管内に配されたバネ機能を有するフラップ板で構成したことを特徴とする。
【0017】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記面積可変手段を、前記細径配管内に回動可能に配されたフラップ板と、前記細径配管に進退可能に螺合するとともに、その端部が前記フラップ板に連結されたボルトを含んで構成したことを特徴とする。
【0018】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記面積可変手段を、懸濁水の流れ方向に沿って縮径する弾性変形可能なテーパ管で構成したことを特徴とする。
【0019】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記面積可変手段を、一部が弾性変形可能な弾性シートで構成された吹き込み管で構成したことを特徴とする。
【0020】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5の何れかに記載の発明において、前記細径管の下流端に、前記移送管よりも大きな断面積を有する凝集反応用の一時滞留部を設け、該一時滞留部を、第2の移送管と該第2の移送配管よりも小径の第2の細径配管を介して前記凝集反応槽に接続するとともに、前記第2の細径配管に前記面積可変手段を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
請求項1記載の発明によれば、細径配管を流れる懸濁水の圧力に比例して細径配管の断面積を増減させることができるため、懸濁水の流量が増えて圧力が高くなると細径配管の断面積が増大して噴射速度の増加率が低く抑えられる。このため、流量の増加に対して噴射速度が正比例してリニアに増加することなく、流量の増加に対する噴射速度の増加率が緩慢となり、凝集剤と汚泥との反応を良好に保つ噴射速度を実現するための処理量(流量)の範囲が拡大し、広い流量範囲で高い凝集反応効率を確保することができる。
【0022】
請求項2載の発明によれば、懸濁水の流量が増えて圧力が高くなると、その圧力によってフラップ板が自動的に弾性変形して細径配管の断面積が増大するため、流量の増加に対する噴射速度の増加率が緩慢となり、凝集剤と汚泥との反応を良好に保つ噴射速度を実現するための処理量(流量)の範囲が拡大する。
【0023】
請求項3記載の発明によれば、懸濁水の流量に応じてボルトを回してフラップ板を細径配管内で回動させて細径配管の断面積を手動で増減させることができるため、流量の増加に対する噴射速度の増加率が緩慢となり、凝集剤と汚泥との反応を良好に保つ噴射速度を実現するための処理量(流量)の範囲を拡大させることができる。
【0024】
請求項4記載の発明によれば、懸濁水の流量が増えて圧力が高くなると、その圧力によってテーパ管が拡径してその断面積が大きくなるため、流量の増加に対する噴射速度の増加率が緩慢となり、凝集剤と汚泥との反応を良好に保つ噴射速度を実現するための処理量(流量)の範囲が拡大する。
【0025】
請求項5記載の発明によれば、懸濁水の流量が増えて圧力が高くなると、その圧力によって吹き込み管の一部の弾性シートが膨張して該吹き込み管の断面積が大きくなるため、流量の増加に対する噴射速度の増加率が緩慢となり、凝集剤と汚泥との反応を良好に保つ噴射速度を実現するための処理量(流量)の範囲が拡大する。
【0026】
請求項6載の発明によれば、細径管の下流端に、移送管よりも大きな断面積を有する凝集反応用の一時滞留部を設けたため、細径配管での乱流によって懸濁水に均一に分散された凝集剤による凝集反応が一時滞留部において促進される。そして、一時滞留部に連なる第2の移送配管よりも小径の第2の細径配管に設けられた面積可変手段によって第2の細径配管の断面積が懸濁水の圧力に比例して増減せしめられるため、流量の増加に対する噴射速度の増加率が緩慢となり、凝集剤と汚泥との反応を良好に保つ噴射速度を実現するための処理量(流量)の範囲が拡大する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0028】
<実施の形態1>
図1は本発明の実施の形態1に係る凝集反応装置の正面図、図2は図1のA−A線断面図、図3(a)は図1のB部拡大断面図、図3(b)は細径配管の断面積の変化を示す図3(a)の矢視C方向の図、図4は汚泥の流量と噴射速度との関係を示す図である。
【0029】
図1及び図2に示す凝集反応装置1は、凝集反応槽2に汚泥(原泥)を移送する原泥ポンプ3を有する移送配管4に、この移送配管4よりも小径の細径配管5を連結し、この細径配管5を凝集反応槽2の外周部に接線方向に接続して構成されている。ここで、上記凝集反応槽2は、円筒容器状に成形され、その内部には撹拌機6が備えられている。尚、図示しないが、凝集反応装置1には、移送配管4を流れる汚泥に無機凝集剤を添加するための凝集剤供給手段が設けられている。
【0030】
ところで、本実施の形態では、図3に示すように、細径配管5は断面矩形に成形され、該細径配管5には、その開口面積を、該細径配管5を流れる汚泥(正確には汚泥と無機凝集剤との混合物)の圧力に比例して増減させる面積可変手段7が設けられている。本実施の形態では、面積可変手段7は、細径配管5内に配されたバネ機能を有するフラップ板8で構成されており、該フラップ板8は、起点8aを中心として上下に撓み変形する。
【0031】
而して、汚泥は、原泥ポンプ3によって移送配管4及び細径配管5を経て凝集反応槽2に導入される間に、移送配管4と細径配管5との連結部近傍で不図示の凝集剤供給手段によって無機凝集剤が注入される。そして、注入された無機凝集剤は、小径の細径配管5内における汚泥の乱流によって汚泥中に均一に分散・混合され、この細径配管5を通過する高速の汚泥流が凝集反応槽2内に接線方向に流入するときの噴射流によって無機凝集剤の混合・拡散が効果的に行われる。
【0032】
以上のようにして凝集反応槽2で得られた凝集汚泥は、排出配管9から凝集反応槽2外へと排出され、次いで有機高分子凝集剤を添加混合してフロックを生成させた後、次の脱水工程へ送給される(図示せず)。
【0033】
ここで、本実施の形態では、前述のように細径配管5には、その開口面積を、該細径配管5を流れる汚泥(正確には汚泥と無機凝集剤との混合物)の圧力に比例して増減させる面積可変手段7としてバネ機能を有するフラップ板8を設けたため、細径配管5を流れる汚泥の圧力に比例してフラップ板8が起点8aを中心として上下に撓み変形することによって細径配管5の断面積Sが増減し、汚泥の流量Qが増えて細径配管5内の圧力Pが高くなると細径配管5の断面積Sが増大して汚泥の噴射速度vの増加率(dv/dQ)が小さく抑えられる。
【0034】
具体的には、汚泥の流量Qが少なく、その圧力Pも低いときには、フラップ板8の先端は図3の実線位置a1にあって、細径配管5の断面がフラップ板8によって絞られた状態にあり、細径配管5の断面積SがS1(図3(b)参照)に絞られるため、汚泥の噴射速度vは、小さな断面積S1に基づく次式:
v=Q/S1 … (2)
によって求められる値を示す。
【0035】
次に、汚泥の流量Qが増えてその圧力Pが高くなると、その圧力Pによってフラップ板8が起点8aを中心として自動的に上方に撓み、その先端が図3の鎖線位置a2へと移動して該フラップ板8が開くため、細径配管5の断面積SがS1からS2(図3(b)参照)へと増大する。このように細径配管5の断面積SがS1からS2へと増大すると、汚泥の噴射速度vは次式:
v=Q/S2 … (3)
によって求められる値を示し、流量Qの増加に対する噴射速度vの増加率(dv/dQ)が緩慢となる。
【0036】
以上はフラップ8が図示のa1,a2に示す位置にあるときの汚泥の流量Q(圧力P)と噴射速度v及び細径配管5の断面積Sとの関係について例示的に説明したが、フラップ板8は、その先端が汚泥の流量Q(つまり、圧力P)に応じて図示のa1,a2以外の任意の位置へと移動し、従って、細径配管5の断面積Sは、前記S1,S2以外の任意の値に連続的に変化することができる。
【0037】
つまり、本実施の形態では、細径配管5の断面積Sは、従来のように一定不変ではなく、圧力Pによって変化する変数S(P)となるため、次式:
v=Q/S(P) … (4)
で求められる噴射速度vは、従来のように(図13参照)流量Qに対して正比例してリニアに変化せず、流量Qの増加に対する増加率(dv/dQ)が緩慢となり、図4に示すように流量Qに対して2次曲線的に変化する。このため、無機凝集剤と汚泥との反応を良好に保つ噴射速度vを実現するための処理量(流量Q)の範囲が拡大し、広い流量範囲で高い凝集反応効率を確保することができることとなる。
【0038】
ところで、前述のように無機凝集剤と汚泥との反応は噴射速度vが2〜5m/secの範囲である場合に良好に行われることが分かっている。
【0039】
図4は細径配管5の断面を□30mmとしたときに得られる噴射速度vと流量Qとの関係を示すが、同図より明らかなように、本実施の形態に係る凝集反応装置1によれば、噴射速度v=2m/secに対応する流量QはQ=2m3 /h、噴射速度v=5m/secに対応する流量QはQ=16m3 /hとなり、噴射速度v=2〜5m/secを実現するための処理量(流量Q)の範囲を従来のQ=4〜9m3 /h(図13参照)に対して、Q=2〜16m3 /hに拡大することができ、広い流量範囲で高い凝集反応効率を確保することができる。
【0040】
又、本実施の形態に係る凝集反応装置1によれば、細径配管5の先端部に夾雑物が詰まった場合であっても、細径配管5内の圧力Pが上昇してフラップ板8が開く方向に変形するため、詰まった夾雑物が汚泥流と共に吹き流されるという効果も得られる。
【0041】
ところで、細径配管5の内部にはスケール(水垢)が付着する傾向があり、スケールが付着すると細径配管5の断面積Sが絞られるために汚泥の噴射速度vが高くなる(図4及び図13に示す特性カーブが小流量側(図中、左側)に移動する)。
【0042】
そこで、従来は或る頻度で清掃によってスケールを取り除く必要があったが、本発明に係る凝集反応装置1では、汚泥の流量Qの増加に対する噴射速度vの増加率(dv/dQ)、つまり図4に示す特性カーブの傾斜が緩慢となるため、清掃の頻度を低く抑えることができる。
【0043】
<実施の形態2>
次に、本発明の実施の形態2を図5及び図6に基づいて説明する。
【0044】
図5は本実施の形態に係る凝集反応装置の正面図、図6は図5のD−D線断面図であり、これらの図においては図1及び図2において示したものと同一要素には同一符号を付しており、以下、それらについての説明は省略する。
【0045】
本実施の形態に係る凝集反応装置1は、細径管5の下流端に、移送管4よりも大きな断面積を有する凝集反応用の一時滞留部10を設け、該一時滞留部10を、移送管4と同径の第2の移送管11と該第2の移送配管11よりも小径(細径配管5と同径)の第2の細径配管12を介して凝集反応槽2に接続するとともに、第2の細径配管12に前記実施の形態1と同様の面積可変手段7(図3参照)を設けたことを特徴としており、他の構成は前記実施の形態1のそれと同じである。
【0046】
而して、本実施の形態に係る凝集反応装置1においては、細径管5の下流端に、移送管4よりも大きな断面積を有する凝集反応用の一時滞留部10を設けたため、細径配管5での乱流によって汚泥に均一に分散された無機凝集剤による凝集反応が一時滞留部10において促進される。そして、一時滞留部10に連なる第2の移送配管11よりも小径の第2の細径配管12に設けられた面積可変手段7(図3参照)によって第2の細径配管12の断面積Sが汚泥の圧力に比例して増減せしめられるため、前記実施の形態1と同様に、汚泥の流量Qの増加に対する噴射速度vの増加率(dv/dQ)が緩慢となり、凝集剤と汚泥との反応を良好に保つ噴射速度(v=2〜5m/sec)を実現するための処理量(流量Q)の範囲が拡大する。
【0047】
その他、本実施の形態においても、夾雑物の詰まり防止や清掃頻度の低減等、前記実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0048】
<面積可変手段の他の形態>
ところで、以上の実施の形態1,2では、面積可変手段7としてバネ特性を有するフラップ板8を用いる構成を採用したが、面積可変手段7としては例えば図7〜図9に示すような構成が考えられる。
【0049】
即ち、図7は移送配管4と細径配管5の断面図であり、細径配管5内には面積可変手段7が設けられている。この面積可変手段7は、細径配管5内に回動可能に配されたフラップ板13と、細径配管5の上部に結着されたナット14と、該ナット14に螺合して細径配管5に上下動可能に挿通されたボルト15と、該ボルト15の頭部に取り付けられたハンドル16を含んで構成されており、ボルト15の細径配管5内に臨む下端部は前記フラップ板13の先端部に連結されている。
【0050】
上記構成において、汚泥の流量Qに応じてハンドル16を回転操作してボルト15を回し、該ボルト15を細径配管5に対して上下動させることによって、先端部がボルト15に連結されたフラップ板13を細径配管5内で上下に回動させることができる。このように細径配管5内でフラップ板13を上下に回動させることによって、細径配管5の断面積Sを手動で増減させることができ、前記実施の形態1,2と同様に、汚泥の流量Qの増加に対する噴射速度vの増加率(dv/dQ)が緩慢となる。このため、凝集剤と汚泥との反応を良好に保つ噴射速度(v=2〜5m/sec)を実現するための処理量(流量Q)の範囲を拡大させることができ、広い流量範囲で高い凝集反応効率を確保することができる。
【0051】
又、図8は面積可変手段7としてのテーパ管17の斜視図であり、このテーパ管17は、汚泥の流れ方向(図示矢印方向)に沿って縮径する弾性変形可能な管であって、例えばゴム等の弾性体で構成されている。
【0052】
而して、上記テーパ管17を凝集汚泥装置の細径配管として使用する場合、汚泥の流量Qが増えてテーパ管17内の圧力Pが高まると、その圧力Pによってテーパ管17が図8に鎖線にて示すように拡径してその断面積(開口面積)Sが大きくなるため、前記実施の形態1,2と同様に、汚泥の流量Qの増加に対する噴射速度vの増加率(dv/dQ)が緩慢となり、凝集剤と汚泥との反応を良好に保つ噴射速度(v=2〜5m/sec)を実現するための処理量(流量Q)の範囲を拡大させることができ、広い流量範囲で高い凝集反応効率を確保することができる。
【0053】
更に、図9は面積可変手段7としての吹き込み管18の横断面図であり、吹き込み管18は、その上下壁が弾性変形可能な弾性シート19で構成され、左右の側壁は金属等の剛体で構成されている。尚、弾性シート19としてはゴムシート等が使用される。
【0054】
而して、上記吹き込み管18を凝集汚泥装置の細径配管として使用する場合、汚泥の流量Qが増えて吹き込み管18内の圧力が高まると、その圧力によって弾性シート19が図9に鎖線にて示すように外側に膨張して吹き込み管18の断面積(開口面積)Sが大きくなるため、前記実施の形態1,2と同様に、汚泥の流量Qの増加に対する噴射速度vの増加率(dv/dQ)が緩慢となり、凝集剤と汚泥との反応を良好に保つ噴射速度(v=2〜5m/sec)を実現するための処理量(流量Q)の範囲を拡大させることができ、広い流量範囲で高い凝集反応効率を確保することができる。
【0055】
尚、以上は汚泥の凝集処理を行う凝集反応装置について説明したが、本発明は、生物処理工程から排出される余剰汚泥のような懸濁固形物濃度の高い懸濁水の凝集処理に供される凝集反応装置の他、工場排水や下水等の比較的固形物濃度の低い汚濁水の凝集処理に供される凝集汚泥装置等に対しても同様に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施の形態1に係る凝集反応装置の正面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】(a)は図1のB部拡大断面図、(b)は細径配管の断面積の変化を示す(a)の矢視C方向の図である。
【図4】本発明に係る凝集汚泥装置における汚泥の流量と噴射速度との関係を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係る凝集反応装置の正面図である。
【図6】図5のD−D線断面図である。
【図7】面積可変手段の他の形態を示す移送管と細径配管の断面図である。
【図8】面積可変手段の他の形態を示すテーパ管の斜視図である。
【図9】面積可変手段の他の形態を示す吹き込み管の横断面図である。
【図10】従来の凝集反応装置の断面図である。
【図11】従来の凝集反応装置の正面図である。
【図12】図11のE−E線断面図である。
【図13】従来の凝集汚泥装置における汚泥の流量と噴射速度との関係を示す図である。
【符号の説明】
【0057】
1 凝集反応装置
2 凝集反応槽
3 原泥ポンプ
4 移送配管
5 細径配管
6 撹拌機
7 面積可変手段
8 フラップ板
8a フラップ板の起点
9 排出配管
10 一時滞留部
11 第2の移送配管
12 第2の細径配管
13 フラップ板
14 ナット
15 ボルト
16 ハンドル
17 テーパ管
18 吹き込み管
19 弾性シート
【出願人】 【識別番号】000001063
【氏名又は名称】栗田工業株式会社
【出願日】 平成18年6月20日(2006.6.20)
【代理人】 【識別番号】100092853
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 亮一


【公開番号】 特開2008−637(P2008−637A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−169522(P2006−169522)