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【発明の名称】 動作玩具
【発明者】 【氏名】篠原 比呂志

【要約】 【課題】玩具の小型化に適し、かつ、回動体の円滑な動作を損なわない検知機構を持つ動作玩具を提供すること。

【解決手段】回動体が付設された軸を備える動作玩具において、前記軸に接触した前記回動体の回転に伴って発生する軸振動を検知し該軸振動に応じた電気信号を出力する圧電素子と、所定の動作を行う動作手段と、前記圧電素子からの電気信号に基づいて前記動作手段に所定の動作を行わせる制御手段と、を備えることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回動体が付設された軸を備える動作玩具において、前記軸に接触した前記回動体の回転に伴って発生する軸振動を検知し該軸振動に応じた電気信号を出力する圧電素子と、所定の動作を行う動作手段と、前記圧電素子からの電気信号に基づいて前記動作手段に所定の動作を行わせる制御手段と、を備えることを特徴とする動作玩具。
【請求項2】
前記動作玩具は走行玩具であって、前記軸は前記走行玩具の車軸であり、前記回動体は車輪であることを特徴とする請求項1に記載の動作玩具。
【請求項3】
前記圧電素子は前記走行玩具のサスペンションばねによって前記車軸に押圧されていることを特徴とする請求項2に記載の動作玩具。
【請求項4】
シャーシには、所定の範囲で上下動可能となるように前記車軸が付設され、前記シャーシ又はボディには、前記走行玩具が少なくとも走行状態にあるときに前記車軸と接触するように前記圧電素子が付設され、前記ボディ及び前記シャーシは前記車軸に対して上下動可能に構成されて、前記ボディを人為的に下方に押圧した際に前記車軸が前記圧電素子を強圧するように構成され、前記制御手段は、前記車軸が前記圧電素子に強圧された際に前記圧電素子から出力される電気信号に基づいて、前記動作手段の動作制御を行うように構成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の動作玩具。
【請求項5】
前記制御手段は、前記車振動に基づく電気信号と、前記ボディの押圧に基づく電気信号とを識別し、識別結果に基づいて前記動作手段の動作制御を行うように構成されていることを特徴とする請求項4に記載の動作玩具。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、軸の振れや軸振動を検知して動作する動作玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、走行玩具において、走行玩具の走行状態に応じて、例えばエンジン音やブレーキ音を出力するものが知られている(例えば、特許文献1)。この走行玩具においては、例えば、車軸に取り付けられたカムによってリーフスイッチを開閉させる機構を設け、リーフスイッチの開閉の有無やその開閉の間隔を検知することによって、走行状態(走行の有無や走行速度等)を検知し、その走行状態に応じた音を出力していた。
【特許文献1】特許第3611834号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1に記載の発明によれば、カムやリーフスイッチ等の機構部に要する容積が大きくなるため、ミニチュア模型など内容積の小さなものには実装が困難である。
また、カムとリーフスイッチによる検知機構を組み込んだ走行玩具にあっては、リーフスイッチに対する押し圧による影響で走行抵抗や走行ムラが生じるため、車輪(回動体)の回転の滑らかさが損なわれることから、検知機構を組み込まない走行玩具と同等の転がり性能や走行感が得られないという問題がある。
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、玩具の小型化に適し、かつ、回動体の円滑な動作を損なわない検知機構を持つ動作玩具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1記載の動作玩具は、回動体が付設された軸を備える動作玩具において、前記軸に接触した前記回動体の回転に伴って発生する軸振動を検知し該軸振動に応じた電気信号を出力する圧電素子と、所定の動作を行う動作手段と、前記圧電素子からの電気信号に基づいて前記動作手段に所定の動作を行わせる制御手段と、を備えることを特徴とする。
ここで、「回動体」とは、走行玩具における車輪、運転台を模した運転シミュレーション玩具におけるハンドルや操作レバー、ミシン玩具におけるはずみ車等を含み、一方向に回転するものだけでなく、正逆に回転するものも意味している。また、「回動体」は、人が直接回転させるものだけでなく、モータやアクチュエータ等の動力源によって回転させるものも含む。さらに、「前記軸に接触した」とは、当初から軸に接触している場合だけでなく、動作玩具において機能上必然的に生じる原因が現出したときに軸に接触する場合も含む。例えば、サスペンション構造を持ち、凸凹している道路を走行したときだけ、圧電素子が車(車軸)に接触するような場合が、これに該当する。
【0005】
請求項2記載の動作玩具は、請求項1に記載の動作玩具において、前記動作玩具は走行玩具であって、前記軸は前記走行玩具の車軸であり、前記回動体は車輪であることを特徴とする。
この場合、車軸に車輪が固定され、車輪の回転に伴って車軸が同時に回転するように構成されていても良いし、車軸に車輪が空転可能に構成されていても良い。後者にあっては、静止している車軸と回転する車輪との間に生じる摩擦振動を圧電素子が検知することになる。
【0006】
請求項3記載の動作玩具は、請求項2に記載の動作玩具において、前記圧電素子は前記走行玩具のサスペンションばねによって前記車軸に押圧されていることを特徴とする。
【0007】
請求項4記載の動作玩具は、請求項2又は3に記載の動作玩具において、シャーシには、所定の範囲で上下動可能となるように前記車軸が付設され、前記シャーシ又はボディには、前記走行玩具が少なくとも走行状態にあるときに前記車軸と接触するように前記圧電素子が付設され、前記ボディ及び前記シャーシは前記車軸に対して上下動可能に構成されて、前記ボディを人為的に下方に押圧した際に前記車軸が前記圧電素子を強圧するように構成され、前記制御手段は、前記車軸が前記圧電素子に強圧された際に前記圧電素子から出力される電気信号に基づいて、前記動作手段の動作制御を行うように構成されていることを特徴とする。
【0008】
請求項5記載の動作玩具は、請求項4に記載の動作玩具において、前記制御手段は、前記車振動に基づく電気信号と、前記ボディの押圧に基づく電気信号とを識別し、識別結果に基づいて前記動作手段の動作制御を行うように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の動作玩具によれば、回動体が付設された軸に接触した圧電素子を備え、前記軸の振動を検知することによって所定動作を行うので、カムとリーフスイッチで構成される検知機構に比べて、検知機構自体を小型化することができることから、小型の動作玩具に適したものとなる。また、請求項1記載の動作玩具によれば、カムとリーフスイッチで構成される検知機構に比べて、回動体の回転抵抗や回転ムラが少なくなり、軸の回転の滑らかさが損なわれず、検知機構を組み込まない動作玩具と同等の回転性能が得られることになる。この請求項1記載の発明は、特に、動力源(モータやアクチュエータ)を内蔵しない動作玩具に適用した場合に有効である。
【0010】
請求項2記載の動作玩具によれば、動作玩具は走行玩具で、回転軸は前記走行玩具の車軸であるので、小型の走行玩具の実現が図れる。また、請求項2記載の動作玩具によれば、車軸の回転の滑らかさを確保することができ、検知機構を組み込まない走行玩具と同等の転がり性能や走行感が得られることになる。
【0011】
請求項3記載の動作玩具によれば、圧電素子は走行玩具のサスペンションばねによって車軸に押圧されているので、圧電素子が確実に車軸に押圧されることから、回転軸の回転によって確実に所定動作を行うことができる。また、サスペンションばねによって圧電素子が車軸に押圧されているので、圧電素子を車軸に押圧するための特別なばねが不要となり、その分、部品点数の減少が図れる。
【0012】
請求項4記載の動作玩具によれば、車軸は、シャーシに対して上下動可能に支持されるとともに、下方に向けて付勢され、圧電素子は、シャーシに取り付けられ、ボディが人為的に下方に押圧された際に、車軸が前記圧電素子に強く押しつけられるように構成され、所定動作を行うように構成されているので、回転軸の振れの際だけでなく、ボディの押圧によっても所定の動作を行うこととなり、変化に富んだ動作玩具の実現が図れる。
【0013】
請求項5記載の動作玩具によれば、前記車軸の振れに基づく信号と、前記ボディの押圧に基づく信号を識別する識別手段を備え、前記識別手段によって識別された信号に基づき所定動作を行うように構成されているので、動作パターンを増やすことができることとなり、変化に富んだ動作玩具の実現が図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は実施形態における走行玩具の斜視図、図2は走行玩具の要部を示す側面図、図3走行玩具の機能構成図である。
【0015】
図1に示す走行玩具は自動車玩具である。この自動車玩具1は自動車のミニチュア模型であり、内部にゼンマイやモータ等の動力源を保持せず、手押しによって走行するように構成されている。この自動車玩具1の内部には電源が充電可能又は交換可能に備えられている。この電源は発音用のものである。以下、自動車玩具1の詳細を説明する。
【0016】
この自動車玩具1のシャーシ10には、左右の前輪11と、左右の後輪12とが取り付けられている。このうち左右の後輪12の車軸13は、図2に示すように、シャーシ10の軸受部の長孔10aに挿入され、シャーシ10に対して所定の範囲で上下動可能に取り付けられている。そして、車軸13には左右の後輪12が空転可能に取り付けられている。なお、車軸13に後輪12が固定され、後輪12の回転に伴って車軸13が回転するように構成されていても良い。
【0017】
また、シャーシ10には、前後方向に延在して板ばね(サスペンションばね)14が取り付けられている。この板ばね14は基端側がシャーシ10の上面に固定されている。一方、板ばね10の先端側の下面には圧電素子15が取り付けられている。そして、板ばね14の先端で圧電素子15を介して車軸13が下方に付勢されている。その結果、回転している後輪12と静止している車軸13との間の摩擦によって生じる車軸13の振動や、走行面の凹凸によって生じる車軸13の振動があったとき、圧電素子15が変位する。また、ボディ16を人為的に押圧したときに、車軸13に押されて圧電素子15が変位する。
なお、この実施形態では、圧電素子15を車軸13に接触させるために板ばね14を使用しているが、コイルばねを使用しても良い。また、圧電素子15を車軸13に接触させるためにサスペンションばねではなく、圧電素子15を車軸13に接触させるための特別なばねやゴムを使用してもよい。
【0018】
ここで、圧電素子15は、例えばユニモルフ型センサから構成され、下部電極(第1電極)と上部電極(第2電極)で圧電セラミックを挟み込んだものである。この圧電素子15は車軸13の振れや振動によって変位(撓んで伸張又は圧縮)し、それによって起電力を生じる。なお、圧電素子15は、ユニモルフ型センサに限定されるものではなく、車軸13の振れや振動による変位によって起電力を生じる他の圧電素子を用いることが可能である。
【0019】
次に、図3に示す制御ブロック図に基づいて、自動車玩具1の制御構成を説明する。
この自動車玩具1は、センサ部110、増幅器120、振幅比較器130,131、音声合成IC140、スピーカ150を備える。ここで、スピーカ150は動作手段を構成し、増幅器120、振幅比較器130,131、音声合成IC140は制御手段を構成する。
【0020】
センサ部110は圧電素子15によって構成されている。このセンサ部110によって起電された電気信号の一つは増幅器120で増幅され振幅比較器130で2値のデジタル信号に変換されて音声合成LSI140に入力される。また、一方でセンサ部110からの電気信号は振幅比較器131を経て2値のデジタル信号に変換されて音声合成IC140に入力される。
音声合成IC140は記憶部141とCPU142と音声処理部143とを備える。CPU142は記憶部141にあるプログラムによりコントロールされ、振幅比較器130、131を経て入力されたセンサ110からの信号を監視しているが、そこで所定のタイミングパターンの入力が検出された場合、音声処理部は記憶部141にある音声データを用いて検出信号に相応する音声信号を出力しスピーカ150を駆動する。
【0021】
例えば、自動車玩具1が走行し、車輪の回転によって生じる振動をセンサ部110で感知すると、センサ部110からは感知した振動に対応した電気信号が出力される。この電気信号は増幅器120で増幅され、振幅比較器130で「L(ロー)」と「H(ハイ)」2値のデジタル信号に判別され音声合成IC140に入力される。他方で、先のセンサ部110からの電気信号は振幅比較器131で「L(ロー)」と「H(ハイ)」のデジタル信号に判別され音声合成IC140に入力される。
そして、CPU142は所定の信号処理プログラムにより入力信号の時間的変化を捉えて自動車玩具1の状態を判別する。
【0022】
先ず、静止時にはセンサ部110に電気信号は生じないので振幅比較器130の出力は変化しないことから停止状態と判別される。
次に自動車玩具1が走行し車輪が転がり出すと、車輪が回転した際に車軸に生じる微細な振動によってセンサ部110には相応の電気信号が生じ、それが増幅器120で増幅され振幅比較器130に入力されるため、振幅比較器130の出力はその振動に相応した「L(ロー)」と「H(ハイ)」の変化を交互に繰り返す。この時間に対する変化を伴った信号は音声合成IC140に入力されるが、その変化のパターンが走行状態に生じるパターンであることをCPU142が判別すると、CPU142は音声処理プログラムを起動し、エンジン音等走行状態に相応した音声の電気信号を出力してスピーカ150を駆動することにより、所定の音声が出力される(図4参照)。
なお、自動車玩具1が走行状態から停止状態に移行すると、音声合成IC140に入力される前者の「L(ロー)」または「H(ハイ)」の電気信号は変化しなくなるので、こうした状態に移行したことをCPU142が判別すると、CPU142は音声処理プログラムを起動し、ブレーキ音等停止時に相応した音声の電気信号を出力し、スピーカ150よりその音声が出力される(図4参照)。
ここでは、単純に自動車玩具1の走行時と停止時における状態の判別とそれに対応する出力動作の一例を示したが、CPU142は振幅比較器130より入力される信号の時間的変化のパターンを検出することにより、転がりの速さや持続時間など走行状態を判別することも可能であり、入力信号の変化を周期や間隔により幾つかのパターンに分類し、その状態に応じてエンジン音を変化させたり、サイレンを鳴らしたりする動作手段として利用することで変化に富んだ出力動作をさせることも可能である。
【0023】
また、自動車玩具1はボディ16が押圧された場合、シャーシ10も一体となって下降する。一方で後輪12は接地しているので、後輪12を支持する車軸13は一定位置を保つ。その結果、車軸13は、圧電素子15からなるセンサ部110に強く押圧されることになり、この応力によってセンサ110には大きな起電力が生じる。この電気信号は増幅器120で増幅され振幅比較器130で「L(ロー)」と「H(ハイ)」の2値に判別され音声合成IC140に入力される一方で、押圧によってセンサ110に生じる起電力の振幅は後輪12の回転によって生じるものより大きいため、増幅器を介さない振幅比較器131の出力からも「L(ロー)」と「H(ハイ)」の2値の変化を伴った信号が検出されることとなる。そのため、振幅比較器131より音声合成IC140に入力される信号の変化をCPU142の信号処理プログラム上で判別することによってボディ16が押圧された状態を検出することができる。そして、この時CPU142は音声処理プログラムを起動し、その押圧された状態に相応した音声の電気信号を出力してスピーカ150を駆動ことにより、所定の音声が出力される。実施形態においては、CPU142の待機状態からの起動や、アイドリングから空吹かし音へエンジン音を変化させる等の動作手段として利用している(図4参照)。
【0024】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでもない。
【0025】
例えば、上記実施形態では、所定の動作を行う動作手段としてスピーカを考えたが、動作手段はLEDであっも良いし、所定の運動を行う各種機構であっても良い。
【0026】
また、上記実施形態では、動作玩具の例として自動車玩具1を挙げたが、置物等、他の玩具であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施形態の斜視図である。
【図2】本発明の実施形態の要部を示す側面図である。
【図3】本発明の実施形態の制御ブロック図である。
【図4】本発明の実施形態の動作態様を示す図である。
【符号の説明】
【0028】
1 自動車玩具
10 シャーシ
11 前輪
12 後輪
13 車軸
14 板ばね(サスペンションばね)
15 圧電素子
【出願人】 【識別番号】000003584
【氏名又は名称】株式会社タカラトミー
【出願日】 平成18年10月3日(2006.10.3)
【代理人】 【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司


【公開番号】 特開2008−86595(P2008−86595A)
【公開日】 平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願番号】 特願2006−271849(P2006−271849)