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【発明の名称】 模型用ラジオコントロール送信機
【発明者】 【氏名】山本 満夫

【氏名】豊臣 宏太

【要約】 【課題】機械的手段に依らず、被操縦体の可動部位の最大制御量を超えないように制御量を制限することができる模型用ラジオコントロール送信機を提供する。

【構成】操作部の操作に応じて被操縦体の可動部位の制御量を制御する制御信号を送信する模型用ラジオコントロール送信機において、操作部の操作による少なくとも二以上の制御量の加算量となる加算制御量を算出し、加算制御量が被操縦体の可動部位に応じて設定される最大制御量を超えるか否かを判定するとともに、加算制御量が最大制御量を超える場合には制御量が補正される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部の操作に応じて被操縦体の可動部位の制御量を制御する制御信号を生成し送信する模型用ラジオコントロール送信機において、
前記操作部の操作による少なくとも二以上の制御量の加算量となる加算制御量を算出し、
前記加算制御量が被操縦体の可動部位に応じて設定される最大制御量を超えるか否かを判定し、
前記加算制御量が前記最大制御量を超える場合には、前記制御量が補正されることを特徴とする模型用ラジオコントロール送信機。
【請求項2】
前記加算制御量は、前記操作部の操作による少なくとも二以上の制御量のベクトル和であることを特徴とする請求項1に記載の模型用ラジオコントロール送信機。
【請求項3】
操作部の操作に応じて模型ヘリコプターの可動部位の制御量を制御する制御信号を生成し送信する模型用ラジオコントロール送信機において、
前記操作部の操作による模型ヘリコプターのスワッシュプレートのピッチ及びロールの制御量の加算量となる加算制御量を算出し、
前記加算制御量が模型ヘリコプターのスワッシュプレートに応じて設定される最大制御量を超えるか否かを判定し、
前記加算制御量が前記最大制御量を超える場合には、前記制御量が補正されることを特徴とする模型用ラジオコントロール送信機。
【請求項4】
操作部の操作に応じて被操縦体の可動部位の制御量を制御する制御信号を生成し送信する模型用ラジオコントロール送信機において、
前記操作部の操作による少なくとも二以上の制御量の加算量となる加算制御量を算出する加算制御量算出手段と、
前記加算制御量が被操縦体の可動部位に応じて設定される最大制御量を超えるか否かを判定する制御量判定手段と、
前記加算制御量が前記最大制御量を超える場合には、前記制御量を補正する制御量補正手段とを備えていることを特徴とする模型用ラジオコントロール送信機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の操作部を操作し、電波として被操縦体へ送信する制御信号を制御することにより被操縦体を遠隔操縦するラジオコントロール送信機に関するものであり、特に模型の飛行機やヘリコプター、あるいは車やボート等の被操縦体を遠隔操縦する際に用いて好適な模型用ラジオコントロール送信機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
模型の飛行機・ヘリコプター・車・ボート等の被操縦体を遠隔操縦する模型用ラジオコントロール送信機には、主操作部として機能するスティックレバーやそれらの補助的な操作部として機能する各種レバーあるいはスイッチ類が配設されている。このスティックレバーや各種レバーあるいはスイッチ類は、それぞれ各別に可変抵抗器の回動軸に連結されており、このスティックレバーや各種レバーを操作して可変抵抗器の回動量を操作することで、その操作に応じて被操縦体への制御信号を複数形成し、模型用ラジオコントロール送信機から電波として送信される。被操縦体には、前記制御信号を受信する受信機ならびに被操縦体の可動部位を動作させるサーボ等が搭載されており、受信機で受信した制御信号に基づいて、サーボ等の各々の動作量を制御して被操縦体を遠隔操縦している。
【0003】
例えば、被操縦体として模型ヘリコプターを遠隔操縦する場合、模型ヘリコプターは、メインロータ(主回転翼)とテールロータの2つの回転翼を備えており、模型用ラジオコントロール送信機のスティックレバーを操作して2つの回転翼のピッチ角を制御することにより様々な飛行が行われるようになっている(例えば、特開2000−225277号公報参照)。
【0004】
更に説明すると、前記メインロータのピッチ角の制御は、メインロータの回転軸(シャフト)と同軸に配置された、3軸に自由度を有するスワッシュプレートをサーボにより制御することでおこなっている。
【0005】
図7は、その制御の様子を示すものである(メインロータは図示しない)。図7(a)に示す前進、後進の制御はピッチ制御(エレベータ制御ともいう)、図7(b)に示す右進、左進の制御はロール制御(エルロン制御ともいう)、図7(c)に示す上昇、下降の制御はコレクティブピッチ制御と呼ばれ、飛行中はこれらの制御を組み合わせて任意の方向に飛行制御をおこなう。
【0006】
具体的に、図7(a)に示す前進方向(矢印A方向)に機体を飛行させるには、同図に示す模型用ラジオコントロール送信機100の左側のスティックレバー101Lを上方(前方)に操作し、メインロータの回転軸110と同軸に配置されたスワッシュプレート120を図示しないサーボにより制御して矢印a方向に傾けることによりおこなう。反対に、機体の後進は、逆方向に傾けることによりおこなう。図7(b)に示す左方向に(矢印B方向)に機体を飛行させるには、模型用ラジオコントロール送信機100の左側のスティックレバー101Lを左方に操作し、メインロータの回転軸110と同軸に配置されたスワッシュプレート120を図示しないサーボにより制御して矢印b方向に傾けることによりおこなう。図7(c)に示す上昇方向に(矢印C方向)に機体を飛行させるには、模型用ラジオコントロール送信機100の右側のスティックレバー101Rを上方に操作し、メインロータの回転軸110と同軸に配置されたスワッシュプレート120を図示しないサーボにより制御して矢印c方向に上昇させることによっておこなう。
【0007】
【特許文献1】特開2000−225277号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のように、模型ヘリコプターを遠隔操縦により飛行制御する場合には、スワッシュプレートをサーボにより制御することでおこなわれるが、機体の前進、後進、左進、右進、上昇、下降の制御は複合されておこなわれる。このため、スワッシュプレートは、前後(ピッチ)、左右(ロール)、上下(コレクティブピッチ)の3つの制御が複合されておこなわれる。
【0009】
ところが、メインロータの回転軸(シャフト)と同軸に配置されているスワッシュプレートは、構造上の機械的制約により、その制御量(傾斜量)の最大量となる最大制御量(最大傾斜量)が制限されている。このため、各々が直交関係にあるピッチとロールの制御が同時になされて両制御量が加算されると、スワッシュプレートの制御量が飽和してしまう場合がある。スワッシュプレートの制御量が飽和してしまうと、その駆動源となるサーボ(ロール又はピッチを制御するサーボ)や、スワッシュプレートとサーボを連結するリンケージロッドに無理な負荷が掛かってしまい、それらを破損してしまう危険性があった。このため、これまで双方を最大限に制御してもスワッシュプレートの制御量が飽和しないようにピッチとロールの制御量を予め制限していた。
【0010】
しかしながら、近年流行しているアクロバット飛行(3D飛行)をおこなう模型ヘリコプターでは、ロール、ピッチ制御の反応性が要求されるため、それら制御量を大きくする必要が生じている。
そこで考案されたのが、模型用ラジオコントロール送信機のスティックレバーの外周にストッパーと称される円形状の枠板を組み込み、スティックレバーの操作を機械的に制限してスワッシュプレートの制御量を規制する方法であり、実際に一部の操縦者ではこの方法が採られている。
【0011】
しかしながら、このような機械的手段によるストッパーでスワッシュプレートの飽和現象を解決する場合においても、以下のような問題点がある。
ピッチ、ロールの制御は、操縦者により同一のスティックレバーで操作する場合と、左右のスティックレバーに分けて操作する場合がある。同一のスティックレバーで操作する場合には、上記ストッパーで解決できるが、左右のスティックレバーに分けて操作する場合は、ストッパーでは正常に機能しない。
【0012】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、機械的手段に依らず、スティックレバーの操作による各々単独の制御量を可能となり得る最大制御量まで制御可能とし、それら制御量の加算量となる加算制御量が最大制御量を超えるような操作がなされても、最大制御量を超えないようにその制御量を制限することができるラジオコントロール送信機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題は、下記(1)から(4)の本発明により達成される。
【0014】
(1)操作部の操作に応じて被操縦体の可動部位の制御量を制御する制御信号を生成し送信する模型用ラジオコントロール送信機において、前記操作部の操作による少なくとも二以上の制御量の加算量となる加算制御量を算出し、前記加算制御量が被操縦体の可動部位に応じて設定される最大制御量を超えるか否かを判定し、前記加算制御量が前記最大制御量を超える場合には、前記制御量が補正されることを特徴とする模型用ラジオコントロール送信機。
【0015】
(2)前記加算制御量は、前記操作部の操作による少なくとも二以上の制御量のベクトル和であることを特徴とする上記(1)に記載の模型用ラジオコントロール送信機。
【0016】
(3)操作部の操作に応じて模型ヘリコプターの可動部位の制御量を制御する制御信号を生成し送信する模型用ラジオコントロール送信機において、前記操作部の操作による模型ヘリコプターのスワッシュプレートのピッチ及びロールの制御量の加算量となる加算制御量を算出し、前記加算制御量が模型ヘリコプターのスワッシュプレートに応じて設定される最大制御量を超えるか否かを判定し、前記加算制御量が前記最大制御量を超える場合には、前記制御量が補正されることを特徴とする模型用ラジオコントロール送信機。
【0017】
(4)操作部の操作に応じて被操縦体の可動部位の制御量を制御する制御信号を生成し送信する模型用ラジオコントロール送信機において、前記操作部の操作による少なくとも二以上の制御量の加算量となる加算制御量を算出する加算制御量算出手段と、前記加算制御量が被操縦体の可動部位に応じて設定される最大制御量を超えるか否かを判定する制御量判定手段と、前記加算制御量が前記最大制御量を超える場合には、前記制御量を補正する制御量補正手段とを備えていることを特徴とする模型用ラジオコントロール送信機。
【発明の効果】
【0018】
本発明による模型用ラジオコントロール送信機は、機械的手段に依らず、スティックレバーの操作による各々単独の制御量を可能となり得る最大制御量まで制御可能とし、それら制御量の加算量となる加算制御量が最大制御量を超えるような操作がなされた場合に、該最大制御量を超えないように各制御量が補正される。このため、該制御に係わる被操縦体の可動部位やサーボ等に無理な負荷が掛かることがなく、その破損を防止することができるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、本実施形態という)について図面を参照しながら説明する。
【0020】
図1は、本実施形態による模型用ラジオコントロール送信機(以下、送信機という)の概略構成を示すブロック図である。
【0021】
図1に示すように、送信機1は、操作部2、設定部3、信号処理部4、高周波回路部5、アンテナ6を備えて概略構成される。
【0022】
操作部2は、スティックレバー2R、2Lにより構成される。スティックレバー2R、2Lは、上下左右に操作することで可変抵抗器の抵抗値を可変することにより、操作に応じたアナログ信号を操作信号として出力する。
【0023】
設定部3は、例えば液晶ディスプレイ等の表示装置3aと送信機1の本体に設けられた複数のエディットキー3bあるいは表示装置3aの表示画面上に設けられたタッチパネルスイッチ3cにより構成され、各種設定やその設定変更をおこなう際に操作される。具体的には、表示装置3aの表示画面に設定画面を表示させ、これを参照しながらエデュットキー3bあるいはタッチパネルスイッチ3cを操作することで各種設定がおこなわれる。
【0024】
信号処理部4は、例えばワンチップマイコンで構成され、マルチプレクサ4a、A/D変換器4b、CPU4c、メモリ4dを備えている。
【0025】
マルチプレクサ4aは、多接点の電子スイッチであり、スティックレバー2R、2Lでのいずれかの操作に切換えられ、選択されたスティックレバー2R(又は2L)の操作に応じて出力される操作信号(アナログ信号)をA/D変換器4bに入力している。
【0026】
A/D変換器4bは、マルチプレクサ4aから入力されるスティックレバー2R、2Lの操作に応じた操作信号をデジタル信号に変換してCPU4cに出力している。
【0027】
CPU4cは、マイクロプロセッサ等により構成されている。CPU4cには、A/D変換器4bからの信号、設定部3のエデュットキー3bあるいはタッチパネルスイッチ3cからの信号が入力される。CPU4cでは、上記入力に基づき、メモリ4dとしてのROMやRAMに記憶されているプログラムに従って各種設定の変更、スティックレバー2R、2Lの操作による操作信号に基づく制御信号の出力制御、後述する、制御信号に反映されている被操縦体の可動部位における制御量の補正等を実行している。これにより、CPU4cは、スティックレバー2R、2Lの操作に応じた操作信号(各チャンネルのデータ)を固定フレーム長のベースバンドのシリアル信号(制御信号)として高周波回路部5に出力する。
【0028】
高周波回路部5は、CPU4cからの制御信号を高周波変調(例えばFM)してアンテナ6より電波として送信させている。
【0029】
上記構成による送信機1では、送信機1のスティックレバー2R、2Lが操作されると、このスティックレバー2R、2Lの操作及びCPU4c内部での補正に応じた信号が高周波変調され、電波として送信される。被操縦体に搭載されている受信機では、送信機1からの電波を受信して各チャンネルのデータに復調し、この復調した信号によってサーボが駆動することで被操縦体の可動部位が制御され、被操縦体が遠隔操縦されることとなる。
【0030】
そして、本実施形態による送信機では、スティックレバーの操作による被操縦体の可動部位の制御量として設定により予め選択されている制御量の加算量(加算制御量)がその可動部位に応じて設定されている最大制御量を超えた場合に、該制御量が補正されるようになっている。
【0031】
ここで、上記制御量の補正に関し、本実施形態による送信機1を模型ヘリコプターの遠隔操縦に適用した例で説明する。
【0032】
図2は、本実施形態による送信機1と該送信機1を適用して遠隔操縦される模型ヘリコプターを示したものである。
【0033】
図2に示すように、模型ヘリコプターは、機体10にメインロータ(主回転翼)11とテールロータ(ラダー)12の二つの回転翼を備えており、図1及び図2に示す送信機1の2本のスティックレバー2R、2Lを上下左右に操作して二つの回転翼のピッチ角を制御することにより、遠隔操縦による飛行制御がおこなわれるようになっている。なお、ここでは特に図示されないが、機体10には、送信機1より送信された制御信号を受信する受信機、該受信機で受信された制御信号に基づいて被操縦体の可動部位を駆動するサーボ、ならびに模型ヘリコプターの駆動源となる模型用エンジン又は電動モータ等が搭載されている。
【0034】
そして、従来技術欄にて説明したように、この種の模型ヘリコプターにおけるメインロータ11のピッチ角の制御は、スワッシュプレートを制御することによりおこなわれる。
【0035】
図3は、スワッシュプレートの制御原理を示す図である。
【0036】
スワッシュプレート13は、メインロータ11の回転軸(シャフト)11aと同軸に配置され、回転軸11aの軸中心Zを支点として、制御面(基円のなす面)13aが機械的に制限された範囲において傾斜可能に取り付けられているとともに、回転軸11a上を上下に摺動可能になっている。スワッシュプレート13の外周上には、模型ヘリコプターの前後方向に対して平行にピッチ制御点13P、直交方向にロール制御点13Rが配され、これらにリンケージロッドLの一端が連結され、その他端は各々サーボSp、Srに接続されている。
【0037】
そして、例えばピッチ制御の場合は、送信機1のスティックレバー2Lを上下に操作することにより、ピッチ制御用サーボSpを駆動してピッチ軸を中心にスワッシュプレート13を傾斜させ、機体の前後方向の制御をおこなう。ロール制御の場合は、送信機1のスティックレバー2Lを左右に操作することにより、ロール制御用サーボSrを駆動してロール軸を中心にスワッシュプレート13を傾斜させ、機体の左右方向の制御をおこなう。なお、コレクトピッチ制御は、図示しない別のリンクを介してスワッシュプレート13を上下に制御することにより機体の上昇下降の制御を実現している。
【0038】
図4は、スワッシュプレート13の動作例として、ロール制御がなされた際のスワッシュプレート13の動作の様子を示す模式図である。
【0039】
図4に示すように、スワッシュプレート13は、ロール制御がなされていない場合、メインロータ11の回転軸11aに対してスワッシュプレート13の制御面13aが直角になるように位置している(図中(a)で示す位置)。
【0040】
これに対して、ロール制御として左に制御された場合には、図中(b)で示す位置が最大制御量(最大傾斜量)となる位置としてスワッシュプレート13の制御面13aが左に傾斜する。反対に、ロール制御として右に制御された場合には、図中(c)で示す位置が最大制御量(最大傾斜量)となる位置としてスワッシュプレート13の制御面13aが右に傾斜する。すなわち、ロール制御がなされた場合、スワッシュプレート13は、図中(a)で示す水平位置を基準として制御された方向に傾斜することとなり、同様にピッチ制御がなされた場合にも水平位置を基準として制御された方向に傾斜することとなるが、その最大制御量としての最大傾斜量には、スワッシュプレート13の構造上の機械的制約により限界がある。このため、ピッチ、ロール制御各々単独の制御量の最大量をスワッシュプレート13の最大制御量に設定した状態においてピッチ制御とロール制御の複合制御がなされた際には、その各制御量が加算され、最大制御量を超える場合があるため問題となる。
【0041】
そこで、本実施形態による送信機1では、模型ヘリコプターのピッチ、ロール制御に対し、スティックレバーの操作による各々単独での制御量を可能となり得る最大量まで制御できるようにし、なお且つ、ピッチとロール制御の複合制御がなされ、それら制御量の加算量となる加算制御量が設定された最大制御量を超える場合には、加算制御量が最大制御量を超えないように補正されるようになっている。
【0042】
この補正に関しては、(1)補正対象となる制御量(加算対象となる制御量)、(2)補正がおこなわれる閾値となる最大制御量が予め設定されることにより実行される。そして、具体的にこれら設定は、図1、図2に示す送信機1の表示装置3aの設定画面を参照しながら、エデュットキー3bあるいはタッチパネルスイッチ3cを操作することでおこなわれる。
【0043】
図5は、上記設定に基づいておこなわれる制御量の補正を説明するため、スワッシュプレートの制御量(傾斜量)、加算制御量、ならびに補正制御量の関係を比率的に図式化したものである。
図5では、スワッシュプレートの支点Oを中心として、スワッシュプレートの制御量をその制御方向(傾斜方向)と傾斜量(傾斜角度)に基づきベクトルで示している。
【0044】
同図において、スワッシュプレートの構造上の機械的制約により、その制御量(傾斜量)が最大となるスワッシュプレートの最大制御量(最大傾斜量)Sは図の円で示され、スワッシュプレートのロール及びピッチ制御による加算制御量の取り得る範囲は、図の四角で囲まれた範囲となる。
【0045】
ここで、例えば図5(a)に示すように、スワッシュプレートのロール制御による制御量が右にR、同ピッチ制御による制御量が後にPとすると、両制御量によるスワッシュプレートの加算制御量Qは、下記の数1式の如く、各々の制御量のベクトル和で表されることとなる。
【0046】
【数1】


【0047】
そして、上記の数1式により算出されるスワッシュプレートの加算制御量Qは図中の白丸で示されることになるが、この加算制御量Qは実質的にスワッシュプレートの最大制御量Sを超えることになる。このため、本実施形態による送信機では、この加算制御量を最大制御量S(Q=S)まで補正するようになっている。この補正は、ロール、ピッチ制御とも比例的におこない、補正後の制御量となる補正制御量としてロールの補正制御量をr、ピッチの補正制御量をpとすると、その補正制御量は、下記の数2式による相似計算により容易に求められる。
【0048】
【数2】


【0049】
上記計算による補正により、図5(b)に示すように、補正後の加算制御量qは、図中の黒丸で示される最大制御量Sに一致するものとなる。
【0050】
そして、上記補正は、送信機を構成しているCPUがメモリ内に記憶されているプログラムを実行することによりソフトウェア的に実行されており、操縦者はスティックレバーを操作している過程において特別な操作をすることなくおこなわれる。
【0051】
図6は、送信機におけるCPUでの補正処理手順を示すフローチャートである。
【0052】
操縦者により送信機のスティックレバーが操作されてCPUに操作信号が入力されると、図6に示すフローチャートが開始され、STEP1にて加算(補正)対象となる制御量として予め設定されているピッチの制御量P及びロールの制御量Rと最大制御量Sが読み込まれる。そして、STEP2にてSTEP1で読み込まれたピッチの制御量Pとロールの制御量Rによる加算制御量Qが算出され、STEP3に処理が移行する。STEP3では、STEP2にて算出された加算制御量Qが設定されている最大制御量Sより大きいか否かが判定され、加算制御量Qが最大制御量Sよりも大きいと判定された場合(STEP3−YES)、STEP4にて各補正制御量が算出され終了する。なお、STEP3にて加算制御量Qが最大制御量Sよりも大きくないと判定された場合(STEP3−NO)はそのまま終了する。
【0053】
このように、本発明による模型用ラジオコントロール送信機は、スティックレバーの操作による各々単独の制御量を可能となり得る最大制御量まで制御可能とし、それら制御量の加算量となる加算制御量が最大制御量を超えるような操作がなされた場合に、該最大制御量を超えないように各制御量が補正される。
このため、該制御に係わる被操縦体の可動部位(例えば、被操縦体が模型ヘリコプターの場合は、スワッシュプレート)や、それらを駆動するサーボ、あるいはスワッシュプレートとサーボを連結するリンケージロッド等に無理な負荷が掛かることがなく、その破損を防止することができる。
【0054】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0055】
例えば、上記実施形態の補正による補正制御量は、相似計算により算出する方法であったが、補正制御量の算出方法はこれに限定されることなく、他の算出方法によっても実現できる。例えば、ロールとピッチ制御とで補正比率を変え、一方に対し他方の制御量を優先して補正するようにしてもよい。そのような形態であっても、本発明の目的とする課題に対して同様の効果を奏することができる。
【0056】
また、上記実施形態では、スワッシュプレートの制御点が90度単位(90度、90度、180度)で配されたT型スワッシュプレートの制御への適用例で説明したが、例えばこれら制御点が120度毎に配されているY型スワッシュプレート等、他のスワッシュプレートの制御にも適応することができる。すなわち、スワッシュプレートの型式により、各制御点の具体的な制御は異なるが、本発明でいう制御量とは、あくまでも被操縦体の可動部位における制御量を指しているため、どのような方式のスワッシュプレートにも同様に適用可能である。
【0057】
なお、上記説明では、本発明による送信機を模型ヘリコプターの操縦に適用した場合について説明したが、本発明による送信機は他の模型にも同様に適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本実施形態による模型用ラジオコントロール送信機の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態による模型用ラジオコントロール送信機を適用して遠隔制御される模型ヘリコプターを示す図である。
【図3】スワッシュプレートの制御原理を示す図である。
【図4】スワッシュプレートの動作の様子を示す模式図である。
【図5】スワッシュプレートの制御量、加算制御量、補正量の関係を示す図である。
【図6】本実施形態による模型用ラジオコントロール送信機におけるCPUでの補正処理手順を示すフローチャートである。
【図7】模型ヘリコプターにおけるスワッシュプレートの制御の様子を示す図である。
【符号の説明】
【0059】
1 模型用ラジオコントロール送信機
2 操作部
3 設定部
4 信号処理部
5 高周波回路部
6 アンテナ
10 機体
11 メインロータ
12 テールロータ
13 スワッシュプレート
【出願人】 【識別番号】000201814
【氏名又は名称】双葉電子工業株式会社
【出願日】 平成18年9月14日(2006.9.14)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−67884(P2008−67884A)
【公開日】 平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願番号】 特願2006−248803(P2006−248803)