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【発明の名称】 鉄道模型車輌及びその制御装置
【発明者】 【氏名】市川 隆司

【要約】 【課題】モーターを停止させつつ前照灯などを点灯させ、車輌を交換した場合にもランプを点灯させつつ車輌を停止させておくように容易に調整可能な制御装置を提供する。

【構成】直流電圧を出力する直流電源部33と、所定の周波数のパルス信号であってデューティー比が調整可能とされる制御パルスを出力する発振回路としての集積回路43と、この制御パルスに電圧調整が可能とされた直流電圧を重畳する出力調整回路部51と、直流電圧が重畳された制御パルスにより、直流電源部33が出力する一定の直流電圧を制御パルスに同期したパルス信号とすると共に制御パルスに重畳された直流電圧に対応する直流成分を加えた駆動信号を出力する出力調整器61と、駆動信号の極性を切り替える出力切換えスイッチ67とを有する鉄道模型用制御装置とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の周波数のパルス信号であってデューティー比が調整可能とされる制御パルスを出力する発振回路と、この制御パルスに電圧調整が可能とされた直流電圧を重畳する出力調整回路部と、直流電圧が重畳された制御パルスにより、一定の直流電圧を制御パルスに同期したパルス信号とすると共に制御パルスに重畳された直流電圧に対応する電圧の交流成分を加えた駆動信号を出力する出力調整器と、駆動信号の極性を切り替える出力切換えスイッチとを有することを特徴とする鉄道模型用制御装置。
【請求項2】
出力調整器がパルス信号として出力する駆動信号のピーク値は、常に一定の電圧であり、制御パルスのデューティー比の変化に従って駆動信号の平均値が変化し、制御パルスに重畳される直流電圧の電圧値の変化に従って駆動信号の平均値が変化することを特徴とする請求項1に記載した鉄道模型用制御装置。
【請求項3】
発振回路が出力する制御パルスの周波数は、20キロヘルツ乃至40キロヘルツトの範囲において一定に固定されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した鉄道模型用制御装置。
【請求項4】
直流電源部を更に有し、直流電源部の出力電圧を出力調整器で制御パルスに合わせたパルス信号の駆動信号とし、直流電源部の出力電圧及び駆動信号のピーク値が15ボルト程度であることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載した鉄道模型用制御装置。
【請求項5】
直流モーターと並列に発光ダイオードを内蔵し、発光ダイオードは、抵抗器とコンデンサとを並列とした制限回路と直列として左右のレールに集電器を介して接続されていることを特徴とする鉄道模型車輌。
【請求項6】
制限回路と直列とされる複数の発光ダイオードを内蔵し、発光ダイオードは、ダイオードブリッジを介して集電器により左右のレールに接続される発光ダイオードを含むことを特徴とする請求項5に記載した鉄道模型車輌。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、レール上を走行する鉄道模型の車輌、及び、この車輌の走行を制御する制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日、ミニチュア化した町や山などの模型の自然の中に線路及び駅などを設けて模型の車輌を走行させることが行われている。
このような模型の鉄道では、HOゲージやNゲージ、Zゲージなどの規格化が行われており、模型車輌も、実物の鉄道車輌を極力正確に再現することが望まれ、模型車輌を走行させるために電力を供給する場合はもちろん、モーターへの電力供給を停止して車輌を停車させた場合においても、前照灯や尾灯は点灯させる制御装置及び車輌の組み合わせも提案されている(例えば特許文献1)。
【特許文献1】特許第2839414号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前述のように、モーターを停止させつつ前照灯などを点灯させるには、高周波の交流を用いてランプを点灯させつつモーターのトルク不足により車輌が移動しないように制御しているも、車輌に組み込むモーターの特性や車輌自体の重量、車輪の回転抵抗などにより車輌を走行させるための最小必要電力に微妙なバラツキが発生し、車輌を確実に停止させつつランプを点灯させることが困難であり、又、車輌を交換した場合にランプを点灯させつつ車輌を停止させておくように調整可能とされる制御装置は、その構造などが複雑となり、製造コストも高くなるという欠点があった。
【0004】
本発明は、このような欠点を排除し、比較的単純な制御回路により確実に車輌を停止させつつランプの点灯を可能とする制御装置及び模型車輌を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、所定の周波数のパルス信号であってデューティー比が調整可能とされる制御パルスを出力する発振回路としての集積回路(43)と、この制御パルスに電圧調整が可能とされた直流電圧を重畳する出力調整回路部(51)と、直流電圧が重畳された制御パルスにより、一定の直流電圧を制御パルスに同期したパルス信号とすると共に制御パルスに重畳された直流電圧に対応する電圧の交流成分を加えた駆動信号を出力する出力調整器(61)と、駆動信号の極性を切り替える出力切換えスイッチ(67)とを有する鉄道模型用制御装置(10)とするものである。
【0006】
そして、この出力調整器(61)がパルス信号として出力する駆動信号のピーク値は、常に一定の電圧であり、制御パルスのデューティー比の変化に従って駆動信号の平均値が変化し、制御パルスに重畳される直流電圧の電圧値の変化に従って駆動信号の平均値が変化するものであり、発振回路が出力する制御パルスの周波数は、20キロヘルツ乃至40キロヘルツとするものである。
【0007】
又、この制御装置(10)としては、直流電源部(33)を有し、直流電源部(33)の出力電圧を出力調整器(61)で制御パルスに合わせたパルス信号の駆動信号とし、直流電源部(33)の出力電圧及び駆動信号のピーク値を15ボルト程度することがある。
【0008】
又、模型車輌は、直流モーター(73)と並列に発光ダイオードを内蔵し、発光ダイオードは、抵抗器とコンデンサとを並列とした制限回路(75)と直列として左右のレールに集電器(71,72)を介して接続するものである。
尚、発光ダイオードは、集電器(71,72)と共にダイオードブリッジを介して左右のレールに接続することもある。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る制御装置は、デューティー比が調整可能とされる制御パルスを出力する発振回路を有し、この制御パルスに電圧調整が可能とされた直流電圧を重畳する出力調整回路部と、直流電圧が重畳された制御パルスによりこの重畳された直流電圧に対応する電圧の交流成分を加えたパルス信号を駆動信号として出力する出力調整器を有する故、制御パルスのデューティー比をランプ点灯調整つまみにより調整して直流電圧を低くすると鉄道模型車輌を走行させること無く車輌のランプとする発光ダイオードを点灯させる平均値の低いパルス信号を出力させる調整が容易となるものである。
【0010】
そして、走行調整つまみを調整して直流電圧を制御し、この直流電圧に対応する電圧の交流成分を多くして駆動信号の平均値電圧を調整することにより、直流モーターの回転速度を容易に調整制御することができる。
【0011】
このため、発振回路と制御信号に直流電圧を加える出力調整回路と直流成分を含む制御信号により直流電圧をパルス化する出力調整器とにより、容易に製造することができる制御装置であり、且つ、ランプ点灯調整つまみにより車輌のランプを点灯させつつ車輌を停止状態とし、走行調整つまみにより車輌の走行を容易に制御することのできる制御装置である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明を実施するための最良の形態は、15ボルトの直流電圧を出力する直流電源部33と、20キロヘルツ乃至40キロヘルツの範囲内で一定の周波数とされたパルス信号である制御パルスを出力し、この制御パルスとして出力するパルス信号のデューティー比が第1可変抵抗器46の調整操作により調整可能とされる発振回路としての集積回路43と、この制御パルスのピーク値を変動させることなくこの制御パルスに調整可変抵抗器53の調整操作により電圧調整が可能とされた直流電圧を重畳する出力調整回路部51と、直流電圧が重畳された制御パルスにより、一定の直流電圧を制御パルスに同期したパルス信号とすると共に制御パルスに重畳された直流電圧に対応する電圧の交流成分を加え、ピーク値は常に一定の電圧としつつ、制御パルスのデューティー比の変化に従って平均値が変化し、制御パルスに重畳される直流電圧の電圧値の変化に従っても平均値が変化する駆動信号を出力する出力調整器61と、駆動信号の極性を切り替える出力切換えスイッチ67とを有する鉄道模型用の制御装置10とするものである。
【0013】
そして、鉄道模型車輌は、直流モーター73と並列に複数の発光ダイオードを内蔵し、各発光ダイオードは、抵抗器とコンデンサとを並列とした制限回路75と直列として左右のレールに集電器71,72を介して接続するものであり、一部の発光ダイオードは、ダイオードブリッジを介して左右のレールに集電器71,72によって接続することもある。
【実施例】
【0014】
本発明にかかる鉄道模型車輌の制御装置10は、図1に示すように、ランプ点灯調整つまみ13、走行調整つまみ15、方向切換えスイッチ17を有すると共に、排熱用の通気孔27を有するものであり、更に、図示しない背面には、鉄道模型のレールに接続するコネクトピン25のコードを差し込む出力ピンジャック19と交流15ボルトの入力端子であるプラグジャック31を備え、同様に、図示しない右側面には直流12ボルトを出力する予備端子23と他の機器との共通グランド線を形成するグランド端子36を有するものである。
【0015】
そして、図2に示すように、プラグジャック31から供給される交流電力を4個のダイオードにヒューズを組み込んだ全波整流回路及びコンデンサにより形成した電源部33で直流化し、この直流15ボルトを出力する電源部33の+極出力端子を15ボルト用の予備端子21と制御回路部41に接続すると共に定電圧回路37を介して12ボルトに変換して12ボルト用の予備端子23と制御回路部41に供給するものである。
【0016】
又、電源部33の他の出力端子である−極端子は、グランド線35により前述の予備端子21,23や定電圧回路37、制御回路部41などに接続するものであり、このグランド線35には、前述の制御装置右側面に設けたグランド端子36も接続しているものであって、前記定電圧回路37の出力端子も、高抵抗の抵抗器と電解コンデンサとを並列とした電圧安定化回路39を介してこのグランド線35に接続している。
【0017】
そして、制御回路部41は、デューティー比の調整可能な発振回路としての集積回路43と、出力調整器61とする可変三端子レギュレーターと、出力調整回路部51とする可変抵抗器53及びトランジスタ55とで構成している。
【0018】
この発振回路としての集積回路43は、初期リセット用コンデンサ49を介して初期リセット端子をグランド線35に接続し、直列とした固定抵抗器45、第1可変抵抗器46、バイアス抵抗器47と発振用コンデンサ48を定電圧回路37の出力端子とグランド線35との間に挿入して集積回路43の発振用制御入力端子に接続している。
【0019】
そして、発振用コンデンサ48の容量を所定容量として約30キロヘルツのパルス信号を出力端子から制御パルスとして出力させているものであり、直列とした固定抵抗器45、第1可変抵抗器46、バイアス抵抗器47における第1可変抵抗器46の抵抗値を変化させることにより、制御パルスとしたパルス電圧のデューティー比を0パーセントから30パーセントの範囲で調整可能としているものである。
【0020】
そして、この第1可変抵抗器46の調整軸の端部に取り付けたつまみをランプ点灯調整つまみ13とするものであり、このランプ点灯調整つまみ13を回転操作して第1可変抵抗器46の抵抗値を変化させると、集積回路43の出力端子から出力される制御パルスは、図3に示すように、制御パルスにおけるAの範囲に示したように、抵抗値の順次変化に伴ってデューティー比を順次変化させるものであり、図3には示していないが、デューティー比を0パーセントとして直流のHレベル信号を出力することも可能としているものである。
【0021】
そして、この集積回路43の出力端子を出力調整回路部51を介して出力調整器61である可変三端子レギュレーターの制御端子に接続するものである。
この可変三端子レギュレーターは、入力端子から入力される電圧以下の電圧を出力端子から出力するものであり、この出力端子からの出力電圧を、制御端子の電圧よりも1.5ボルト程度高い一定の電圧に調整して可変三端子レギュレーターの制御端子電圧に合わせた一定電圧を出力するものである。
【0022】
そして、この制御回路部41では、出力調整器61とする可変三端子レギュレーターの入力端子を電源部33の+極出力端子に接続し、可変三端子レギュレーターの出力端子を電圧降下ダイオード65を介して出力切換えスイッチ67に接続し、可変三端子レギュレーターの制御端子を出力調整回路部51に接続すると共に、制御端子と出力端子との間に調整抵抗器63を接続しているものである。
【0023】
この出力調整回路部51は、出力調整器61の制御端子とグランド線35とを接続する調整可変抵抗器53と、この調整可変抵抗器53の調整端子とグランド線35との間にスイッチングトランジスタ55を有するものであり、スイッチングトランジスタ55の制御端子を集積回路43の制御パルスの出力端子に接続し、調整可変抵抗器53の調整端子位置を調整してこのスイッチングトランジスタ55を導通させることにより、出力調整器61の制御端子とグランド線35との間に挿入された第2の可変抵抗器である調整可変抵抗器53の抵抗値を0オームまで低下させることができるものである。
【0024】
このため、調整可変抵抗器53の調整端子を最も出力調整器61の制御端子側に位置させてスイッチングトランジスタ55をオン及びオフさせることにより、出力調整器61の制御端子電圧を0ボルトと15ボルトとに切り換えることができ、調整可変抵抗器53の調整端子をグランド線35側に移動させてスイッチングトランジスタ55をオン及びオフさせることにより、出力調整器61の制御端子電圧を15ボルト以下の所定の電圧と15ボルトとに切り換えることができるものである。
【0025】
そして、この出力調整回路部51は集積回路43における制御パルスの出力端子に接続しているため、調整可変抵抗器53の調整端子を最も制御端子側に位置させたときの制御端子電圧は、図3に示すC区間のように、制御パルスがオン状態のとき、制御端子電圧を0ボルトとし、制御パルスがオフ状態のとき、制御端子電圧を約15ボルトとするように変化し、この制御パルスである電圧パルス信号のデューティー比に合わせて制御端子電圧のパルス幅(デューティー比)を変化させることができるものである。
【0026】
又、図3にB区間として示すように制御パルスのデューティー比を一定として調整可変抵抗器53の調整端子をグランド線35側へ徐々に移動させると、制御端子電圧は、図3に示したD区間のように、最低電圧を徐々に上昇させるものである。
【0027】
即ち、制御パルスのデューティー比を0とする直流電圧の信号を出力調整回路部51に入力し、調整可変抵抗器53の調整端子を移動調整して制御端子電圧に重畳する直流電圧の電圧調整を行うことにより、この調整した直流電圧に対応した電圧が制御端子電圧とされるものであり、制御パルスのデューティー比を0パーセント以外の一定の値とすることにより、重畳する直流電圧の電圧に対応した電圧の交流電圧が15ボルトのパルスの間に加えられるように重畳されて最低電圧を形成する制御端子電圧とされるものである。
【0028】
尚、図3に示した制御パルス及び制御端子電圧のパルスデューティー比は、模式的にデューティー比の変化量を拡大して記載したものであり、調整可変抵抗器53の調整端子軸の端部には、走行調整つまみ15を取り付けているものである。
【0029】
このように、集積回路43及び出力調整回路部51により出力調整器61の制御端子電圧を調整変化させるため、出力調整器61の出力端子から出力される駆動信号としての電圧信号は、制御端子電圧よりも僅かに高い電圧とされて制御端子電圧の変化と略同じ変化をする電圧パルスとして出力されるものである。
【0030】
そして、この出力調整器61の出力端子は、電圧降下ダイオード65とする順方向に直列とした複数個のダイオードを介して出力切換えスイッチ67に接続するものである。
【0031】
この電圧降下ダイオード65は、出力調整器61とした可変三端子レギュレーターが、出力端子からの出力電圧を制御端子の電圧よりも1.5ボルト程度高い一定の電圧に調整して出力するものであり、出力調整器61の制御端子が出力調整器61である可変三端子レギュレーターの入力電圧と0ボルトとの間に調整されるため、出力調整器61の出力電圧の最低値が1.5ボルト程度となるのを0ボルト近くまで降下させるものである。
【0032】
また、出力切換えスイッチ67は、二連3端子スイッチを用いるものであり、出力ピンジャック19の一方の接点を第1切換え端子と第6切換え端子に、出力ピンジャック19の他方の接点を第3切換え端子と第4切換え端子に接続し、二連3端子スイッチの第2切換え端子と第5切換え端子を開放状態としているものである。
【0033】
尚、この出力ピンジャック19は、コネクトピン25のコードが接続されるものであり、この出力ピンジャック19及びコネクトピン25を介して制御装置10から出力する駆動信号が鉄道模型のレールに供給電力として供給されるものである。
【0034】
従って、二連3端子スイッチ第1接点を第1切換え端子に且つ第2接点を第4切換え端子に接続した状態から、第1接点を第3切換え端子に且つ第2接点を第6切換え端子に接続した状態とすることにより、2つのコネクトピン25への出力極性を反転させる正逆切換えスイッチとして機能すると共に、第1接点を第2切換え端子に且つ第2接点を第5切換え端子に接続することにより駆動信号のコネクトピン25への出力を停止することができるものであり、この切換えスイッチにおける第1接点と第2接点とを連動させて操作する切換え軸の端部には図1に示した方向切換えスイッチ17を取り付けているものである。
【0035】
尚、この実施例では、出力切換えスイッチ67の一方の接点を出力調整器61の出力端子に接続すると共に、他方の接点をグランド線35に接続し、両接点の間には逆バイアス方向としたダイオード69を挿入しているものである。
【0036】
そして、コネクトピン25が接続される鉄道模型のレールに載置する駆動車としての車輌は、左右の車輪軸に各々摺接させる集電器71,72を有すると共に、この集電器71,72に接続する直流モーター73及び前照灯などとする発光ダイオード81,82を有するものである。
【0037】
そして、図4に示すように、直流モーター73の両極を各々集電器71,72に接続すると共に、コンデンサと抵抗器とを直列とした制限回路75と直列とした発光ダイオード81,82を左右の集電器71,72の間に設けるものであり、車輌の前方に設ける前照灯としての発光ダイオード81と車輌の後方に設ける前照灯としての発光ダイオード82とは、その極性を逆としておくものである。
【0038】
従って、前述の制御装置10によりレール間に所定の直流成分を含む交流やパルス信号などの脈流が印加されると、一方の発光ダイオード81が点灯すると共に直流モーター73が一方向に回転し、レール間に印加する直流又は脈流の極性を反転させると、直流モーター73が逆転すると共に点灯していた発光ダイオード81は消灯し、極性を逆にしている他方の発光ダイオード82が点灯するものである。
【0039】
このため、直流モーター73の極性と発光ダイオード81,82の極性を調整しておけば、常に車輌の進行方向に向いた前照灯としての発光ダイオードを点灯させることができる。
【0040】
また、この左右にレール間に印加される駆動信号は、図3に示した出力調整器61の制御端子電圧に従った約30キロヘルツのパルス信号とされた脈流電圧であるため、デューティー比を小さく且つ平均値を小さくすることにより、制限回路75と直列とした発光ダイオード81,82の一方を点灯させつつ直流モーター73の回転を停止状態に維持することができる。
【0041】
そして、走行調整つまみ15を最小端位置に位置させて調整可変抵抗器53の調整端子を制御端子側に位置させ、ランプ点灯調整つまみ13を最小位置から徐々に最大位置方向に回転させると、図3に示したA区間のように、制御パルスのデューティー比を徐々に変化させて制御パルスの平均値電圧を低くし、ひいては駆動信号の平均値を徐々に増加させることができる。
【0042】
そして、前照灯とした発光ダイオード81,82の一方を点灯させて順次前照灯を明るくし、車輌が動き始めるとランプ点灯調整つまみ13を少し戻し、車輌を停止させた状態で前照灯を最も明るくするようにランプ点灯調整つまみ13を調整することにより、車輌を停止させつつ前照灯を明るく点灯させるように調整することが容易にできる。
【0043】
このようにして、図3においてA区間として示したように調整を行い、ランプ点灯調整つまみ13を固定して図3のB区間に示すように制御パルスのデューティー比を一定としておき、走行調整つまみ15を最小端位置から最大位置方向に順次回転させて調整可変抵抗器53の調整端子をグランド線35側に移動させると、図3にD区間として示したように、パルス信号のデューティー比を一定としつつこのパルス信号に直流電圧を重畳するようにして駆動信号の平均値を大きくすることができる。
【0044】
そして、直流モーター73の回転を開始させることができ、直流電圧成分を多くすると速く、直流電圧成分を少なくすると低速で直流モーター73を回転させて車輌を走行させることができ、制御パルスの直流電圧成分を0とすると車輌を停止させつつ前照灯の点灯を維持することができるものである。
【0045】
又、直流モーター73と前照灯としての発光ダイオード81,82を設けた車輌に、又は直流モーター73や前照灯としての発光ダイオード81,82を設けない車輌に、室内灯としての発光ダイオード83を取り付けることがある。
【0046】
この室内灯としての発光ダイオード83は、図5に示すように、一方の集電器71から第1ダイオード91を介して並列とした複数の発光ダイオード83を接続し、複数の発光ダイオード83のカソードをまとめて抵抗器とコンデンサとを並列とした制限回路75に接続し、この制限回路75を第2ダイオード92を介して他方の集電器72に接続すると共に、第2ダイオード92のカソードと第1ダイオード91のカソードとの間に第3ダイオード93を挿入し、第2ダイオード92のアノードと第1ダイオード91のアノードとの間に第4ダイオード94を挿入して4個のダイオードブリッジによる整流回路を介して発光ダイオード83と制限回路75とに電圧を供給するものである。
【0047】
なお、この4個のダイオードブリッジにより発光ダイオード83と制限回路75とに電圧を供給するに際し、直列とした発光ダイオード83と制限回路75に対して並列に補助コンデンサを挿入して発光ダイオード83への供給電圧を平滑化しているものである。
【0048】
したがって、この室内灯の回路では、一方の集電器71から第1ダイオード91及び第2ダイオード92を流れる電流により各発光ダイオード83に順バイアスの電圧を印加することができ、レール間の極性が反転すると第3ダイオード93及び第4ダイオード94を流れる電流により各発光ダイオード83に順バイアスの電圧を印加することができ、レール間の極性に拘らず、レール間に所定以上の電圧が印加されると常に発光ダイオード83を点灯させることができるものである。
【0049】
又、先頭車輌として車輌の前方に前照灯と表示灯や尾灯を設けることもあり、この場合は、図6に示すように、前照灯としての直列とした発光ダイオード81と逆極性とする単一の発光ダイオード85を尾灯として左右の集電器71,72の間に挿入し、4個のダイオード91〜94を用いたダイオードブリッジによる整流回路を介して表示灯とする発光ダイオード87を設けるものである。
【0050】
したがって、この車輌では、前照灯を取り付けた前方に走行するときは前照灯とする発光ダイオード81と表示灯とする発光ダイオード87とを点灯し、逆走するときは前照灯を消灯して尾灯とする発光ダイオード85と表示灯とする発光ダイオード87とを点灯するようにして走行させることができ、複数の車輌を連結した列車の先頭車輌又は最後尾車輌とすることができる。
【0051】
このように、模型車輌の前照灯や室内灯などのランプ類とする発光ダイオード81〜87には直列にコンデンサと抵抗器とを並列とした制限回路75を接続しているため、ピーク電圧が15ボルトと大きく、平均値が小さなパルス電圧である駆動信号を用いても発光ダイオードを損傷させること無く明るく点灯させることができ、この駆動信号は約30キロヘルツの高周波パルスであるために直流モーター73には負荷よりも大きなトルクを発生させること無く回転を停止させておくことができる。
【0052】
尚、この駆動信号の周波数は、30キロヘルツに限るものではないが、20キロヘルツ以上として車輌やレールなどに電圧共振が発生しても人の耳には聞き取れない周波数として異音を発生させないことが好ましく、車輌のランプ類とする発光ダイオードの発光効率が低下しない40キロヘルツ程度以下とすることが好ましい。
【0053】
そして、この制御装置10は、ランプ点灯調整つまみ13によりパルス信号のデューティー比を調整するため、直流モーター73のトルクのバラツキや車輌連結による負荷の変動など、車輌毎に状態が異なっていても各車輌を走行させること無く発光ダイオードを明るく点灯させるように調製することが容易にできるものであり、予備端子21,23を有しているため、車輌以外の付属品に15ボルト又は12ボルトの直流電圧を供給することができるものである。
【0054】
又、図2に示した制御装置10は、交流15ボルトの電力を直流化する電源部33を有するものであるも、この電源部33に電圧降下用のトランスを組み込み、交流100ボルトの電力を入力する制御装置10とすることもあり、又は、電源部33を有することなく、直流15ボルトなどを出力する電源に接続され、15ボルトなどの入力される一定電圧の直流を制御回路部41により直流成分を含むパルス信号である駆動信号として出力する制御装置10とすることもある。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明に係る制御装置の外観を示す図。
【図2】本発明に係る制御装置の回路構成を示す図。
【図3】本発明に係る制御装置における制御パルス及び制御端子電圧の状態を示す図。
【図4】本発明に係る模型車輌における回路構成を示す図。
【図5】本発明に係る模型車輌におけるランプ回路の一例を示す図。
【図6】本発明に係る模型車輌におけるランプ回路の他の例を示す図。
【符号の説明】
【0056】
10 制御装置
13 ランプ点灯調整つまみ 15 走行調整つまみ
17 方向切換えスイッチ
19 出力ピンジャック 21、23 予備端子
25 コネクトピン
27 通気孔
31 プラグジャック
33 電源部
35 グランド線 36 グランド端子
37 定電圧回路 39 電圧安定化回路
41 制御回路部
43 集積回路 45 固定抵抗器
46 第1可変抵抗器 47 バイアス抵抗器
48 発振用コンデンサ
49 初期リセット用コンデンサ
51 出力調整回路部
53 調整可変抵抗器 55 スイッチングトランジスタ
61 出力調整器
63 調整抵抗器 65 電圧降下ダイオード
67 出力切換えスイッチ 69 ダイオード
71、72 集電器
73 直流モーター 75 制限回路
81、82、83、85、87 発光ダイオード
91、92、93、94 ダイオード
97 補助コンデンサ
【出願人】 【識別番号】592153584
【氏名又は名称】株式会社東京マルイ
【出願日】 平成18年8月25日(2006.8.25)
【代理人】 【識別番号】100092646
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 清

【識別番号】100083769
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 仁


【公開番号】 特開2008−48935(P2008−48935A)
【公開日】 平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願番号】 特願2006−228796(P2006−228796)