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【発明の名称】 歩行玩具及び歩行玩具の歩行方向変更方法
【発明者】 【氏名】市川 隆司

【要約】 【課題】内部構造を簡略化することで更に小型化し、電磁石と永久磁石を用いて歩行を可能とする歩行玩具を提供する。

【構成】第一可動部と第二可動部からなる歩行玩具であって、前記第一可動部及び前記第二可動部は、支持軸により回動自在に結合され、前記第一可動部は、電池を内蔵し、且つ、永久磁石を備える共に、電磁石を通電させるスイッチを底面板に備え、前記第二可動部は、前記スイッチにより作動する電磁石を備え、前記第二可動部の下端を接地部とする後足とし、前記第一可動部の底部の前端を第二可動部の下端より前方に突出させて接地部としての前足とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一可動部と第二可動部からなる歩行玩具であって、前記第一可動部及び前記第二可動部は、支持軸により回動自在に結合され、前記第一可動部は、電池を内蔵し、且つ、永久磁石を備える共に、電磁石を通電させるスイッチを底面板に備え、前記第二可動部は、前記スイッチにより作動する電磁石を備え、前記第二可動部の下端を接地部とする後足とし、前記第一可動部の底部の前端を第二可動部の下端より前方に突出させて接地部としての前足としたことを特徴とする歩行玩具。
【請求項2】
請求項1において、前記第一可動部及び第二可動部の大部分を覆う形象体を模したカバーと、前記カバーの側面には、揺動可能な装飾体可動部を備えたことを特徴とする歩行玩具。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記支持軸は、第一可動部の両側面の前方上方に形成されていることを特徴とする歩行玩具。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項において、前記永久磁石と前記電磁石は、前記支持軸から同一の長さの位置に備えたことを特徴とする歩行玩具。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項において、前記第一可動部のスイッチは、前記底部における前足に設けられていること特徴とする歩行玩具。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項において、前記第二可動部の下端は、円弧状の曲面で形成されると共に、前記第二可動部は、第一可動部より重量が軽いことを特徴とする歩行玩具。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項において、前記電磁石が磁性化したとき、前記電磁石と永久磁石による作用によって、前記第一可動部と前記第二可動部の接地部の幅が狭まることを特徴とする歩行玩具。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項において、前記歩行玩具の重心位置は、前記第一可動部と前記第二可動部との接地部の幅が前後に開いた時には、前記第二可動部の接地部における地面との接地点より前方に位置し、前記第一可動部と前記第二可動部との接地部の幅が狭まった時には、前記第二可動部の接地点より後方に位置することを特徴とする歩行玩具。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載した歩行玩具に対し、前記歩行玩具の前記永久磁石の前方磁極と同磁極の磁石を前から近づけることにより、近づけた磁石を避ける方向に進行方向を変化させ、又、逆極性の磁石を近づけることにより、近づけた磁石に向けて進行方向を変化させることを特徴とする歩行玩具の歩行方向変更方法。
【請求項10】
請求項9において、前記磁石を箱に収納し、前記歩行玩具の永久磁石における前方磁極と同極側の前記箱の表面には怖い顔を描き、前記歩行玩具の永久磁石における前方磁極と逆極側の前記箱の表面にはにこやかな顔を描き、この箱に収納した磁石を歩行玩具に近づけることを特徴とする歩行玩具の歩行方向変更方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、歩行玩具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、玩具の駆動装置としては、モータ(駆動源)の回転力を歯車を介して車輪に伝達し、該歯車で減速して車輪を回転させたり、前記モータの動力をリンクを介して手足等に伝達し、該リンクによって手足等を揺動させたりするものが知られている。
【0003】
しかしながら、モータを使用する場合には玩具の価格が高価なものとなる恐れがある。これは、小型玩具の場合では、電源及びモータを組み込むと、それらは小さくならざるを得ないが、小型モータの回転動力で大きな動作を行う為には、多くのエネルギーを必要とし、しかもモータ歯車からの動力を歯車機構を介して伝達するものでは特に電池の消耗が激しいものである。そのため、小型玩具にモータを使用することは、適さないという問題がある。
【0004】
そこで、本願出願人が出願を行った特開2003−251082の「動作玩具の駆動装置及び動作玩具」では、電磁石と磁性体との間に作用する磁力によって、動作体を往復運動させることによって、車輪や可動部を動作させるものであり、玩具の小型化に成功している。
【特許文献1】特開2003−251082号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、電磁石と磁性体を用いた駆動装置を用い、玩具の小型化に成功しているものの、その内部構造は煩雑なものとなっている。そこで、本発明は、上記従来技術の問題点に斯かる実情に鑑みなされたもので、内部構造を簡略化することで更に小型化し、電磁石と永久磁石を用いて歩行を可能とする歩行玩具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、第一可動部と第二可動部からなる歩行玩具であって、前記第一可動部及び前記第二可動部は、支持軸により回動自在に結合され、前記第一可動部は、電池を内蔵し、且つ、永久磁石を備える共に、電磁石を通電させるスイッチを底面板に備え、前記第二可動部は、前記スイッチにより作動する電磁石を備え、前記第二可動部の下端を接地部とする後足とし、前記第一可動部の底部である底面板の前端を第二可動部の下端より前方に突出させて接地部としての前足としたことを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1において、前記第一可動部及び第二可動部の大部分を覆う形象体を模したカバーと、前記カバーの側面には、揺動可能な装飾体可動部を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2において、前記支持軸は、第一可動部の両側面の前方上方に形成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項において、前記永久磁石と前記電磁石は、前記支持軸から同一の長さの位置に備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項において、前記第一可動部のスイッチは、前記底面板における前足に設けられていることを特徴とする。
【0011】
請求項6記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項において、前記第二可動部の下端は、円弧状の曲面で形成されると共に、前記第二可動部は、第一可動部より重量が軽いことを特徴とする。
【0012】
請求項7記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項において、前記電磁石が磁性化したとき、前記電磁石と永久磁石による作用によって、前記第一可動部と前記第二可動部の接地部の幅が狭まることを特徴とする。
【0013】
請求項8記載の発明は、請求項1乃至7のいずれか1項において、前記歩行玩具の重心位置は、前記第一可動部と前記第二可動部との接地部の幅が前後に開いた時には、前記第二可動部の接地部における地面との接地点より前方に位置し、前記第一可動部と前記第二可動部との接地部の幅が狭まった時には、前記第二可動部の接地点より後方に位置することを特徴とする。
【0014】
請求項9記載の発明は、請求項1乃至8のいずれか1項に記載した歩行玩具に対し、前記歩行玩具の前記永久磁石の前方磁極と同磁極の磁石を前から近づけることにより、近づけた磁石を避ける方向に進行方向を変化させ、又、逆極性の磁石を近づけることにより、近づけた磁石に向けて進行方向を変化させることを特徴とする。
【0015】
請求項10記載の発明は、請求項9において、前記磁石を箱に収納し、前記歩行玩具の永久磁石における前方磁極と同極側の前記箱の表面には怖い顔を描き、前記歩行玩具の永久磁石における前方磁極と逆極側の前記箱の表面にはにこやかな顔を描き、この箱に収納した磁石を歩行玩具に近づけることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1記載の発明によれば、第一可動部と第二可動部からなる歩行玩具であって、第一可動部及び第二可動部は、支持軸により回動自在に結合され、第一可動部は、電池を内蔵し、且つ、永久磁石を備える共に、電磁石を通電させるスイッチを底面板に備え、第二可動部は、スイッチにより作動する電磁石を備え、第二可動部の下端を接地部とする後足とし、第一可動部の底部の前端を第二可動部の下端より前方に突出させて接地部としての前足とし、前記底面板に備えたスイッチが地面と接触状態又は非接触状態となる度に、該電磁石が磁力を帯びたり失ったりし、これによる永久磁石との作用から、歩行玩具の前足及び後足は閉じたり開いたりする。したがって歩行玩具は、歩行することができる。
【0017】
請求項2記載の発明によれば、第一可動部及び第二可動部の大部分を覆う形象体を模したカバーと、カバーの側面には、揺動可能な装飾体可動部を備えることによって、動きの変化を大きくし、趣向の高い歩行玩具とすることができる。
【0018】
請求項3記載の発明によれば、支持軸は、第一可動部の両側面の前方上方に形成することによって、歩行玩具の重心バランスを調整し確実に歩行させることができる。
【0019】
請求項4記載の発明によれば、永久磁石と電磁石は、支持軸から同一の長さの位置とすることによって、永久磁石と電磁石による作用を確実なものとすることができる。
【0020】
請求項5記載の発明によれば、第一可動部のスイッチは、底部における前足に設けることによって、歩行玩具の前足が閉じたり開いたりする度に、確実にスイッチの作動させることができる。
【0021】
請求項6記載の発明によれば、第二可動部の下端は、円弧状の曲面で形成されると共に、第二可動部は、第一可動部より重量が軽いことによって、歩行玩具の後足を前方へと引き寄せる際に、後足と地面との摩擦を軽減し、確実に前方へと引き寄せることができる。
【0022】
請求項7記載の発明によれば、電磁石が磁性化したとき、電磁石と永久磁石による作用によって、第一可動部と第二可動部の接地部の幅が狭まるようにすることによって、電磁石で、前足及び後足の歩幅の制御をすることができる。
【0023】
請求項8記載の発明によれば、歩行玩具の重心位置は、第一可動部と第二可動部との接地部の幅が前後に開いた時には、第二可動部の接地部における地面との接地点より前方に位置し、第一可動部と第二可動部との接地部の幅が狭まった時には、第二可動部の接地点より後方に位置することによって、歩行玩具は、その重心位置を変化させながら、歩行動作を確実に行わせることができる。
【0024】
請求項9記載の発明によれば、歩行玩具に、歩行玩具の永久磁石の前方磁極と同磁極の磁石を前から近づけることにより、近づけた磁石を避ける方向に進行方向を変化させたり、また逆極性の磁石を近づけることにより、近づけた磁石に向けて進行方向を変化させたりすることができ、容易に歩行玩具の歩行方向を変更できる。
【0025】
請求項10記載の発明によれば、磁石を箱に収納し、歩行玩具の永久磁石における前方磁極と同極側の前記箱の表面には怖い顔を描き、歩行玩具の永久磁石における前方磁極と逆極側の箱の表面にはにこやかな顔を描き、この箱に収納した磁石を歩行玩具に近づけることによって、歩行玩具としての趣向を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
前足を下端前方に備えた第一可動部と後足を下端に備えた第二可動部からなる歩行玩具であって、第一可動部に小型のボタン電池を収納し、第一可動部及び第二可動部は、第一可動部の側面前方上方に形成した支持軸により回動自在に結合され、第一可動部には、前方下端に電磁石を通電させるスイッチを備えると共に、支持軸から所定長さの位置に永久磁石とを備え、第二可動部は、支持軸から永久磁石と同一の長さの位置に電磁石を備え、第二可動部の下端は円弧状の曲面で形成され、第一可動部より重量が小となるように形成されている。
【0027】
この歩行玩具の重心位置は、第一可動部と前記第二可動部の接地部が開いている時には、第二可動部の底部と地面との接地点より前方に位置し、第一可動部と第二可動部の接地部が狭まった時には、第二可動部の接地点より後方に位置している。また電磁石が磁性化したとき、電磁石と永久磁石による作用によって、第一可動部と第二可動部との接地部の幅が狭まるように作動する。
【0028】
そして、第一可動部及び第二可動部の大部分を覆う形象体を模したカバーと、カバーの側面には、揺動可能な装飾体可動部を備えることもある。
【0029】
また、歩行玩具に、歩行玩具の永久磁石の前方磁極と同磁極の磁石を前から近づけることにより、近づけた磁石を避ける方向に進行方向を変化させたり、また逆極性の磁石を近づけることにより、近づけた磁石に向けて進行方向を変化させたりすることができ、歩行玩具の歩行方向を変化させることができる。そして、磁石を箱に収納し、歩行玩具の永久磁石における前方磁極と同極側の箱の表面には怖い顔を描き、また歩行玩具の永久磁石における前方磁極と逆極側の箱の表面にはにこやかな顔を描くこともある。
【実施例1】
【0030】
図1は、本発明の一実施例であり、歩行玩具の正面斜視図面である。図2は、本発明の歩行玩具の背面斜視図面となっている。図3は、本発明の歩行玩具のカバーを外した斜視図面である。歩行玩具10は、カバー12と、前足を備える第一可動部20と、後足を備える第二可動部46とから構成され、第一可動部20は、第二可動部46の側面に形成された支持軸22に回動自在に軸支され、この第一可動部20及び第二可動部46の上方をカバー12で覆っている。この歩行玩具10は、第一可動部20の底部24に形成する前足と第二可動部46の下端52である後足を交互に作動させることによって、前進歩行するようになっており、非常に簡素化した構成で実施可能され、実施例での歩行玩具10の大きさは、高さ17.5mm、幅22.9mm、奥行き15mmと小型化に成功している。
【0031】
次に、図4を用いてカバー12の説明を行う。カバー12は、下面及び背面に開口を有する薄肉状の略立方体形状に樹脂形成され、またカバー12の両側面の上方には、装飾体可動部16を軸支するための軸14が突出して形成されている。このカバー12の正面には、犬を模した目・鼻・口が表示されている。また、該軸14と軸着する開口穴18が形成された薄肉方形板状の装飾体可動部16は、犬の耳を模した形に形成され、揺動自在とされている。この装飾体可動部16は、歩行玩具10が歩行動作を行う際に発生する歩行玩具10全体の揺れによって、揺動動作を行うものである。
【0032】
次に、第一可動部20の説明を行う。第一可動部20は、対向する側面板と、この側面板の下方で両側面板と接続する底面板とからなる略コの字形状に形成され、両側面の間の前面側には、永久磁石30を固着させる磁石受け26が形成され、この磁石受け26は、厚肉円盤状に形成された永久磁石30の周縁と密着するように、厚肉円筒状に膨出して形成され、永久磁石30を固着している。また、後面側に形成された電池受け(図示しない)も磁石受け26と同様に厚肉円盤状とされ、小型のボタン電池である電池36の周縁と密着するように厚肉円盤状に膨出されている。この後面側の電池受けは、薄肉方形状に形成された電池蓋38によって、覆われるようになっている。
【0033】
次に、第一可動部20の両側面には、突出する支持軸22が形成されており、該支持軸22は、第二可動部46に形成された軸穴48を軸支するようになっている。そして、第一可動部20の底部24の前方向の端辺は、側面板よりも前方に延設され、犬の前足を模した形に形成された接地部である前足とする。また、この前方端辺近傍には、スイッチ32が貫通する方形状の開口28が形成されている。
【0034】
また、スイッチ32は、後述する電磁石54を通電させる為のスイッチ32で、第一可動部20の底部24に形成された開口28に摺動可能に挿嵌されている。スイッチ32は、厚肉方形状に形成され、長手方向の両端辺が、鍔状に左右へ膨出している。また、スイッチ32の中央近傍には、凹部34が形成され、該凹部34内に後述する第一配線40及び第三配線44の接片45が配設されている。
【0035】
次に、第二可動部46の説明を行う。後足を下端に形成する第二可動部46は、対向する側面板と、この側面板の前方で両側面板と接続する正面板とからなる略コの字形状で薄肉板状に形成されている。両側面の上方には、第一可動部20の支持軸22に軸支される軸穴48が形成されている。また、正面には、エナメル線などを巻いて薄肉円盤状に形成された電磁石54の外縁と密着するように、薄肉円盤状の凹部となる電磁石受け50が形成されている。また、第二可動部46の両側面の接地部となる下端52は、円弧状の曲面で形成されている。この円弧は、第二可動部46の両側面に形成された軸穴48を中心とする円弧に略等しい円弧として後足を形成している。尚、第二可動部46の軸穴48から下端52までの長さは、第一可動部20の支持軸22から側面板の下端までの長さよりも僅かに長く形成している。また、この第二可動部46は、第一可動部20よりも重量が軽くなるように形成されており、第二可動部46の下端52となる後足を回動させる際に地面との摩擦を少なくしている。
【0036】
また、第一可動部20の永久磁石30と第二可動部46の電磁石54は、支持軸22から同一の長さの位置に配設されており、永久磁石30と電磁石54は、対向する位置に配設されるようになっている。また、電磁石54に用いられる電線は、非磁性体となる電線を用いることが望ましいが、磁性体となる電線であっても構わない。また、電磁石54は、通電された時に、永久磁石30と反発する磁界を発生するようにされている。
【0037】
図5を用いて、歩行玩具10の電気配線の説明を行う。歩行玩具10の電気配線は、第一配線40、第二配線42、第三配線44で構成されている。第一配線40は、スイッチ32から第一可動部20の後面側に設けられた電池36までの間の電線であり、第一配線40のスイッチ32側の端部41は、薄板状に形成されている。また、第二配線42は、第一可動部20の後面側に設けられた電池36から第二可動部46に設けられた電磁石54までの間の電線であり、電池36側の接触片43が、電池36の裏面に接触している。
【0038】
また、第三配線44は、スイッチ32の接片45から第二可動部46に設けられた電磁石54までの間の電線であり、スイッチ32側の接片45は、第一配線40の端部41と接触し易いように釣り針形状に屈曲されている。このように、歩行玩具10の電気配線も簡素化しており、小型化を容易にしている。
【0039】
そして、第一可動部20の開口28に摺動可能に挿嵌されたスイッチ32が摺動することによって、第一配線40の薄板と第三配線44に接続された接片45が接触し通電する。これにより、第一配線40と第三配線44が通電し、第二可動部46に設けられた電磁石54に通電され、電磁石54は磁性化し、第一可動部20に設けられた永久磁石30と反発するようになっている。
【0040】
次に、図6を用いて歩行玩具10の動作について説明を行う。歩行玩具10を地面に載置すると、まず後足となる第二可動部46の下端52が、図6(C)示すように地面と接触する。この時に、第一可動部20の底部24は、接触しておらず、歩行玩具10の重心Gは、永久磁石30や電磁石54の重量から接地点Pよりも前方にあることから、歩行玩具10は、前のめりに傾き、図6(A)に示すように、重心Gが支持軸22の下方に位置すると共に、前足となる第一可動部20の底部24の前方の接地部となる前足と地面とが接触し、同底部24に備えたスイッチ32も地面と接触状態となる。この時点では、第二可動部46の永久磁石30と第一可動部20の電磁石54は、略当接状態となっている。
【0041】
そして、スイッチ32が、地面と接触状態となったことにより、スイッチ32は、歩行玩具10の自重によって押圧され、スイッチ32が摺動することによって、第一配線40の端部41と接片45が接触し、電磁石54に電池36の電力が供給されることになり、第二可動部46に配設された電磁石54は、磁性化し、第一可動部20の前面側に配設された永久磁石30と反発するようになる。
【0042】
また、第二可動部46の下端52は円弧状に形成されていると共に、第一可動部20よりも重量が軽く形成されている為、地面との摩擦抵抗が少ないことから、電磁石54と永久磁石30間の反発力によって、図6(B)に示すように、第二可動部46の正面板が前方に押し出され、側面板が前方に引き寄せられ、第二可動部46は、支持軸22を中心に前方向へと回動する。そして、第二可動部46が回動したことによって、第二可動部46と第一可動部20との間に隙間が生じると共に、第二可動部46の接地点Pが重心Gより、前方に移動する。
【0043】
このため、第一可動部20及び第二可動部46は、前方を持ち上げるように回転し、第二可動部46の接地点Pを僅かに後方へ移動させる。そして、この回転に伴ってスイッチ32は、地面と非接触状態となる。このため、スイッチ32は復動し、第一配線40の端部41と第三配線44の接片45が非接触状態となることから、電磁石54への電力供給は遮断させることとなる。
【0044】
そして、スイッチ32の復動に伴う電力供給の遮断により、電磁石54の磁力が失われることによって、電磁石54と永久磁石30間の反発力も失われる。これにより、電磁石54と永久磁石30との反発力が消失し、第一可動部20の重心が第一可動部20の支持軸22より後方に位置し、第一可動部20と第二可動部46が第一可動部20の前方上方に形成した支持軸22で回動自在に結合されているため、第一可動部20は、その自重によって支持軸22を中心に前方へと回動し始める。
【0045】
この第一可動部20の回転に伴って、重心Gが第二可動部46の接地点Pよりも前方に移動すると、第一可動部20の底部前方となる接地部を降下させ始める。これにより、再び、第二可動部46の永久磁石30と第一可動部20の電磁石54は、略当接状態となり、且つ、重心Gが接地点Pよりも前方となって、歩行玩具10は、初期状態となる図6(C)の状態に復帰する。したがって、歩行玩具10は、図6(A)〜(C)の動作を連続して繰り返すことによって、歩行動作を行うものである。
【0046】
また、歩行玩具10の歩幅は、図6(D)に示すように第一可動部20の底部の前方端の接地部となる前足が、第一可動部20が支持軸22を中心に前方に回動したことによって、前足が前方に移動した分だけ、前進歩行したことになる。
【0047】
図7及び図8を用いて、この歩行玩具10の遊び方について説明する。歩行玩具10に、薄肉方形状の永久磁石30となる磁性板56を組み合わせて遊ぶことができる。例えば、歩行玩具10の第一可動部20に備えた永久磁石30の前方側の磁極をS極とした場合、この磁性板56のS極の面に、「ブルドック」や大型犬の表示を行い、N極の面には、「雌犬」や餌などの表示を行うようにする。
【0048】
歩行動作を行い前進する歩行玩具10の前に、N極の面となる雌犬を表示した面を歩行玩具10に向けて近づけると、歩行玩具10内の永久磁石30と磁性板56との磁力で、歩行玩具10は引っ張られて、図7に示すように自然と、磁性板56の方向へと歩行するようになる。また、S極の面となるブルドックを表示した面を歩行玩具10に向けて近づけると、歩行玩具10内の永久磁石30と磁性板56との磁力で、歩行玩具10は、図8に示すように逆方向へと方向転換しつつ、離れていくように歩行動作を行うようにすることができる。
【0049】
また、例えば、磁石(図示しない)を箱(図示しない)などに収納して、歩行玩具10の永久磁石30における前方磁極と同極側の箱の表面に「怖い顔」を表示し、また歩行玩具10の永久磁石30における前方磁極と逆極側の箱の表面には「にこやかな顔」を表示する。この箱の「怖い顔」が表示された面を、歩行玩具10の前から近づけることにより、歩行玩具10の歩行方向を近づけた箱を避ける方向に変化させたり、また「にこやかな顔」を表示された面を近づけることにより、近づけた箱に向けて進行方向を変化させたりすることもできる。
【0050】
この以上説明したように構成することにより、内部構造を簡略化することで更に小型化し、電磁石と永久磁石を用いて歩行を可能とする歩行玩具を提供することができる。また、好ましい実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した技術的範囲内で種々に改変できる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の一実施例である歩行玩具の正面斜視図面である。
【図2】本発明の一実施例である歩行玩具の背面斜視図面である。
【図3】本発明の一実施例である歩行玩具のカバーを取り外した斜視図面である。
【図4】本発明の一実施例である歩行玩具の分解斜視図面である。
【図5】本発明の一実施例である歩行玩具の電気配線を示す図である。
【図6】本発明の一実施例である歩行玩具の動作を示す図である。
【図7】本発明の一実施例である歩行玩具の遊戯例を示す図である。
【図8】本発明の一実施例である歩行玩具の遊戯例を示す図である。
【符号の説明】
【0052】
10 歩行玩具
12 カバー
14 軸
16 装飾体可動部
18 開口穴
20 第一可動部
22 支持軸
24 底部
26 磁石受け
28 開口
30 永久磁石
32 スイッチ
34 凹部
36 電池
38 電池蓋
40 第一配線
41 端部
42 第二配線
43 接触片
44 第三配線
45 接片
46 第二可動部
48 軸穴
50 電磁石受け
52 底部
54 電磁石
56 磁性板
【出願人】 【識別番号】399016031
【氏名又は名称】株式会社トイテック
【出願日】 平成18年8月24日(2006.8.24)
【代理人】 【識別番号】100092646
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 清

【識別番号】100083769
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 仁


【公開番号】 特開2008−48879(P2008−48879A)
【公開日】 平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願番号】 特願2006−227669(P2006−227669)