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【発明の名称】 揺動人形玩具
【発明者】 【氏名】伊藤 幸作

【氏名】伊藤 禮次郎

【要約】 【課題】人形揺動部の振幅や振動数を変化させることによって、見ている人を飽きさせず、視覚によって楽しむことができる揺動人形玩具を簡単な構成で得る。

【構成】人形固定部に対し人形揺動部を揺動自在に支持させる支持機構と、固定部に回動自在に設けた振り子と、この振り子の一端に固設した主動磁石と、この主動磁石の磁力作用を受けるように上記人形揺動部の後側に埋設した従動磁石と、振り子揺動装置によって揺動する前記主動磁石との相対的磁力により上記人形揺動部を上下(前後)、左右に動かすようにしたものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意の電子回路で断続通電させることにより、回動自在に支持された振り子の一端に固設した励振用永久磁石に電磁力を及ぼし、継続的な振り子の揺動をもたらせるようにした電磁揺動装置を備えた固定部を設け、前記電磁揺動装置の振り子に一端を固設し、磁極を前面に向けた主動磁石と、その主動磁石の前方向でかつ前記固定部の上部軸受けで三次元方向揺動自在に支持された人形揺動部を設け、その人形揺動部の後部周辺に取り付けられた従動磁石と、前記主動磁石とを各磁極同士が吸引するように対向配置させて、人形揺動部を揺動させるようにしたことを特徴とする揺動人形玩具。
【請求項2】
前記主動磁石は、これを電磁揺動装置の振り子の一端に固設された励振用永久磁石に代用して、電磁揺動作用と人形揺動作用とを兼用させたことを特徴とする請求項1記載の揺動人形玩具。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、動物等の人形玩具の一部、例えば頭部が多様な動きをする揺動人形玩具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の揺動人形玩具は、例えば特許文献1に示されるように、電磁揺動装置で作動する第一の揺動体と、第一、第二の揺動体に生じる磁気的吸引力で第二の従動側の揺動体の動きを作り、その動きを組み合わせで楽しむ玩具があった。
【0003】
また、人形揺動部をナイフエッジ軸受けでバランスよく直立に支持させ、この人形揺動部の回動軸下に伸びる振り子に設けた振り子駆動用の永久磁石に対向して固定側に空芯コイルを設け、この空芯コイルに通電して磁界を発生させ、この発生磁界と振り子駆動用の永久磁石との相対磁力を、振り子の動きと同期励振作用として利用し人形揺動部を揺動させたものがあった。
【0004】
【特許文献1】登録実用新案第3018510号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の揺動人形玩具は、以上のように構成されていたので、ナイフエッジ軸受けによる支持方式は、人形揺動部の固有振動数が、人形揺動部の重量、重心位置及び慣性モーメントによって一定であり、人形揺動部は単に左右に揺動するのみで、揺動の不規則性に乏しく、動きの変化が少なく、玩具としての面白さに欠けて飽きてしまうものであった。
【0006】
この発明は、上記従来のような主、従の両揺動玩具体の動きの組み合わせを単に楽しむものではなく、従動揺動部の動きを如何にして面白い動きにするかを考慮して、簡単な構成で、人を飽きさせず、視覚的により一層楽しむことのできる揺動人形玩具を得ることを目的にする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る揺動人形は、従来の電磁揺動装置を利用して、三次元方向に回動自在に支持された人形揺動部の後側に固設された従動磁石に対して、電磁揺動装置の振り子の一端に固設された主動磁石の動きの軌跡が人形揺動部側から見たときに弧を描くような揺動方向になることで、主動磁石から働く磁力作用を上下左右に変動させる配置構造としている。
【発明の効果】
【0008】
この発明は、電磁揺動装置の作用で振り子が揺動すると振り子の上部に固設された主動磁石が軸受け部を回転中心とした弧状の運動軌跡を描き往復回動する。その動きは従来の文献1の第一、第二の磁気的相対運動のような電磁気的同期励振と違っているため、人形揺動部は、自身の慣性モーメントにより振り子の左右揺動と必ずしも同期して動けず、振り子の主動磁石の上下動成分にも従動磁石が影響を受け、揺動周期や揺動方向の不規則な動きをする。このような単純な往復運動ではなく、何時、急に動きの方向が変わるか分からないと言う複雑かつ不定期な動きをさせる。よって、その面白さにより、見る人を飽きさせず、揺動人形玩具として人を和ませ、ストレスを解消させることができる。しかも、このような複雑な動きを他の機構(カム機構やロボット機構など)で作るのに比べ格段に安く作ることが出来る効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、この発明に係る揺動人形玩具の実施例を図面により詳細に説明する。まず、図1〜図6は、この発明の実施例1による揺動人形玩具を示すものである。
【0010】
図において、中空プラスチック成形品としての犬の揺動人形玩具1は、その人形胴体である人形固定部1aが中空プラスチック成形品の基台2上に固定されている。この人形固定部1aの中心に位置して基台2に立てた支柱4の頂面に、人形頭部である人形揺動部1bを軸受け3で揺動自在に支持させている。この軸受け3は、人形揺動部1bの底面中央部に形成された凹部1b−1の頂面、つまり、人形揺動部1bの重心位置より上の支点位置に軸受け3のピボット軸3bとしての針先を下向きに設け、このピボット軸3bを受ける受け座3aを支柱4の頂部に設けた構成である。なお、ピボット軸3bは、先端にモリブテンからなるボールが遊嵌されたボールペンチップが最適である。
【0011】
また、人形揺動部1bの内面後面側には、N磁極とS磁極との二つの永久磁石が従動磁石5として横並びに配置され、この従動磁石5と磁力を及ぼし合う位置にN磁極とS磁極である永久磁石を主動磁石6として垂直ケース7内に固設している。基台2上に固定された人形固定部1aの後方において基台2と一体に形成された垂直ケース7内には、振り子8がその中間部を回動自在に回動軸15で該垂直ケース内に軸支されている。この振り子8の上部には、従動磁石5に対向するように主動磁石6が固着され、下部には錘部9が形成されており、振り子8はこの錘部9に働く重力で直立して静止している。なお、振り子8の両側には振り子8の振れ角度を規制するストッパピン17が設けられている。
【0012】
また、垂直ケース7内には、通電により発生させた電磁力を主動磁石6に及ぼす空芯コイル10が配置されており、この空芯コイル10に励磁回路(図示せず)から電流を流して電磁力を発生させ、この電磁力で主動磁石6を介して振り子8を揺動させる構成としている。
【0013】
そこで、振り子8の揺動により、図5Aに示すように、振り子8の上部に設けたN磁極とS磁極との二つの主動磁石6が左右に移動すると、図5Bに示すように、この主動磁石6の磁気吸引力により人形揺動部1bの後面に設けた従動磁石5が吸引されて人形揺動部1bがピボット軸3bを中心にして水平に回動する。
【0014】
この場合、初めは水平回転であるが、図3に示すように振り子8の回転によって次第に上下回転となり、人形揺動部1bは振幅や振動数を変化させながら左右往復傾斜になったり、うなずくように上下(前後)往復傾斜になり、踊りを踊っているような動きになる。このような振動方向の変化をもたらす原因は、振り子8の上部の主動磁石6が水平移動ではなく、振り子8の回動軸15を中心とした円運動によって磁力作用線の角度変化が生じるためである。
【0015】
この主動磁石6の磁力が従動磁石5に作用し、人形揺動部1bの動きが大きくなってくると、振り子8側の固有振動数と人形揺動部1bの固有振動数とが合わないため、非同期励振のうなり現象により、徐々に従動磁石5と主動磁石6との間の磁気吸引力がなくなってくる。
【0016】
以上のように、この実施例1によれば、空芯コイル10への通電により発生された電磁力を受ける主動磁石6で従動磁石5を吸引し、この従動磁石5を備えた人形揺動部1bを上下(前後)、左右に作動させるように構成した。そこで、構成部品数の少ない簡単な構成で、人形揺動部を踊っているように見える動きをさせることができ、見ている者を飽きさせることがなく、視覚的に十分楽しむことができる揺動人形玩具を得ることができる。
【0017】
さらに、図7は実施例2による揺動人形玩具を示し、実施例1にある人形頭部となっている人形揺動部1bは、頭部と胴体部がデザインにより一体となり、左右に両手を延ばして踊りをしているのにふさわしい玩具としても実施することができる。
【0018】
図8〜図11は、この発明の実施例3による獅子舞人形を示し、獅子の首を上下左右に回動させる揺動人形玩具である。即ち、図8において、四角形状の基台2上にある太陽電池14から電力の供給を受け、鉄板製の振り子8を揺動させている電磁揺動装置が基台2の上面後部に固定されている。そして、振り子8の上部には、その磁極面を前方に向けた永久磁石の主動磁石6が固設されている。
【0019】
主動磁石6の磁極面が向いている前側方向線上には、後側にある電磁揺動装置を覆い隠しながら、前記玩具の基台2に固定されている人形固定部1aがあり、その人形固定部1aの上部には、椀状の受け座3aにより三次元方向揺動自在に支持された獅子の首20を配設している。
【0020】
なお、獅子の首20の近傍を更に詳しく説明すると、人形固定部1aの上部の受け座3の周辺には、獅子の顔が首の付け根の所で前後左右に回動しても首に触らないような、図8で示すような開口部21を設けている。一方獅子の首である人形揺動部1bにはその首付け根下部内側の開口部21の中央に、受け座3aに載置せられたピボット軸3bを垂下させて固設させている。また、人形揺動部1bの後部を延長させ、その後端に前記振り子8の上部の主動磁石6と吸引作用のある従動磁石5を固設させている。また、人形揺動部1bの後部に埋設したバランス錘部9により獅子の顔や首は、その重力でほぼ水平に復元するように揺動自在に支持されている。
【0021】
次に、この実施例3の獅子舞の人形玩具の作用を説明する。電磁揺動装置の作用で振り子8が揺動するとその上部に付いた主動磁石6が電磁揺動装置の軸受け部を回転中心とした弧状の運動軌跡を描き往復回動し始める、すると人形揺動部1b後端の従動磁石5は振り子8の揺動で回動した主動磁石6に引かれ、人形揺動部1bをピボット受け座3を回動中心として水平回転し、左向き、または、右向きに動き始めようとする。ところが獅子の首20は慣性モーメントにより振り子8の左右揺動と必ずしも同期して動けない。
【0022】
また、振り子8の揺動により主動磁石6は、弧を描く動きをするため運動成分として上下方向に移動したことになり、その主動磁石6に引かれた従動磁石5は、ある時は左右、ある時は上下と、上下左右方向の組み合わせによる複雑な磁力を受けることになる。
【0023】
このように人形揺動部1bは自身の慣性モーメントによって自然に規制される慣性作動の滑らかな動きに振り子8の動きで起きるところの主動磁石6から受ける強制駆動を交えた複雑な動きをするものであり、獅子舞の獅子の顔を内部の人形が操っているかの如くに見させることのできるものである。
【0024】
この実施例3の電磁揺動装置の空芯コイル10の位置は、装置の下部に固定されており、振り子8の励振用永久磁石は、振り子下端に付いているが、請求項2によるの発明によれば、空芯コイル10の位置を振り子8の上端固着の主動磁石6と対向配設することで振り子励振に役立てることが出来る。
【0025】
なお、この実施例3では電磁揺動装置として太陽電池で作動する光発電により振り子を揺動させる装置を使って説明をした。しかしながら、この発明は、任意の電磁揺動装置を使っても作動するものであり、乾電池を電源にしたもの等でも作動することが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】この発明の実施例1を示す揺動人形玩具の斜視図である。
【図2】揺動人形玩具の一部を切り欠いて示した斜視図である。
【図3】垂直ケースを縦断して示した振り子の正面図である。
【図4】揺動人形玩具の縦断面図である。
【図5A】人形揺動部の動き方向を示す平面図である。
【図5B】振り子の駆動磁石の動きに追従して動いた状態を示す人形揺動部の平面図である。
【図6】人形揺動部の動きを示す斜視図である。
【図7】この発明の実施例2を示す揺動人形玩具の斜視図である。
【図8】この発明の実施例3を示す獅子舞玩具の一部を切り欠いて示した斜視図である。
【図9】獅子舞頭部の横断面説明図である。
【図10】獅子舞の縦断面説明図である。
【図11】人形揺動部を外した正面図である。
【符号の説明】
【0027】
1 人形玩具
1a 人形固定部
1b 人形揺動部
2 基台
3 軸受け
3a 受け座
3b ピボット軸
4 支柱
5 従動磁石
6 主動磁石
7 垂直ケース
8 振り子
9 錘部
10 空芯コイル
14 太陽電池
15 回動軸
20 首
21 開口
【出願人】 【識別番号】591126909
【氏名又は名称】国際ディスプレイ工業株式会社
【出願日】 平成18年8月24日(2006.8.24)
【代理人】 【識別番号】100069914
【弁理士】
【氏名又は名称】石橋 信雄


【公開番号】 特開2008−48864(P2008−48864A)
【公開日】 平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願番号】 特願2006−227287(P2006−227287)