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【発明の名称】 置物
【発明者】 【氏名】齋藤 貴裕

【要約】 【課題】簡便に、低コストにて可動部の多様な変位を実現することが可能な置物を提供する。

【構成】基体部10の上部開口部にコイルスプリング11を介して可動自在に取付けられた可動部12と、可動部12に一端が固定されコイルスプリング11の内側を通って延出されるとともに延出端に折曲げ部13aが形成されたロッド13と、モータ、ゼンマイばね、オルゴールのドラム軸等の駆動源14からの動力を受けて回転駆動される爪車15とを有し、爪車15の爪15aがロッド13の折曲げ部13aに係合してロッド13を移動させることで可動部12に変位を与える置物101である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体部と、
前記基体部に弾性部材を介して支持された可動部と、
駆動源の回転執に固定されて駆動される爪車と、
第1端部が前記可動部に支持され第2端部が前記爪車に係合され、前記爪車の回転によって前記可動部を変位させるロッドと、
を含むことを特徴とする置物。
【請求項2】
請求項1記載の置物において、
前記ロッドの前記第2端部には折り曲げ部が設けられ、前記折り曲げ部に係合する前記爪車の回転によって前記可動部に揺動変位を与えることを特徴とする置物。
【請求項3】
請求項2記載の置物において、
さらに、前記爪車の回転平面にほぼ平行な平面内に前記ロッドの変位を規制するロッド移動規制ガイドを含み、前記折り曲げ部に係合する前記爪車の回転によって前記可動部に振子変位を与えることを特徴とする置物。
【請求項4】
請求項3記載の置物において、
前記ロッドには、前記ロッド移動規制ガイドに対する摺接部に、当該ロッド移動規制ガイドとの接触音を緩和する消音チューブが挿通されていることを特徴とする置物。
【請求項5】
請求項2記載の置物において、
さらに、前記ロッドを回転自在に軸支する第1ロッド軸受部を備え、前記折り曲げ部に係合する前記爪車の回転によって前記可動部に前記ロッドを回転軸とする回動変位を与えることを特徴とする置物。
【請求項6】
請求項1記載の置物において、
さらに、前記ロッドを回転自在に軸支する第1ロッド軸受部を備え、
前記ロッドの前記第2端部は略T字形に分岐した第1および第2分岐端を備え、
前記爪車は、前記第1および第2分岐端にそれぞれ係合する第1および第2爪車を備えた2枚爪車からなり、
前記ロッドの前記第1および第2分岐端にそれぞれ係合する前記第1および第2爪車の同一方向への回転によって、前記可動部に前記ロッドを回転軸とする互いに逆方向の回動変位を与えることを特徴とする置物。
【請求項7】
請求項6記載の置物において、
前記2枚爪車の前記第1および第2爪車は、互いに枚数および形状の少なくとも一方が異なることを特徴とする置物。
【請求項8】
請求項1記載の置物において、
前記ロッドの前記第2端部が、前記爪車に係合する折り曲げ部と当該ロッドに平行な折り返し部からなる略U字形を呈し、
前記ロッドと前記折り返し部を軸方向に変位自在に支持する第2ロッド軸受部を備え、 前記折り曲げ部に係合する前記爪車の回転によって前記可動部に前記ロッドの軸方向の
直線変位を与えることを特徴とする置物。
【請求項9】
請求項1記載の置物において、
前記駆動源はオルゴールであり、当該オルゴールの発音弁を駆動するドラム軸に前記爪車が固定されることを特徴とする置物。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、置物に関し、たとえば、基体部と可動部を備え、駆動源によって可動部に変位を発生させる置物等に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、キャラクタ等の置物の一部を可動にして、興趣ある動きを楽しめるようにすることが考えられる。
【0003】
従来、特許文献1に開示された揺動装置付オルゴールのように、オルゴール自体の内部に、振動弁を駆動するドラムに固定されたカムと、このカムに摺接する揺動腕を一体に内蔵し、この揺動腕に飾り物を固定して変位を与える技術が知られている。
【0004】
【特許文献1】実開平04−1124296号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献1の場合には、カムや揺動腕がオルゴールと一体化されているため、揺動腕に固定された飾り物の動きを変更する場合には、オルゴール自体の設計変更が必要となり、飾り物の動きを変更することが容易ではなく、高コストになるという技術的課題があった。
換言すれば、揺動腕に固定された飾り物の動きの種類だけ、専用の構造のオルゴールが必要となり、汎用性に欠ける。
【0006】
本発明の目的は、簡便に、低コストにて可動部の多様な変位を実現することが可能な置物を提供することにある。
本発明の他の目的は、可動部に変位を与える駆動源の汎用性を損なうことなく、可動部の多様な変位を実現することが可能な置物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、基体部と、前記基体部に弾性部材を介して支持された可動部と、駆動源の回転軸に固定されて駆動される爪車と、第1端部が前記可動部に支持され第2端部が前記爪車に係合され、前記爪車の回転によって前記可動部を変位させるロッドと、を含む置物を提供する。
この第1の態様によれば、爪車やロッドの第2端部の形状を異なるものに変更するだけで、駆動源自体の構造に依存することなく、変位振幅、変位方向、変位周期等の異なる、可動部の多様な変位を容易かつ低コストにて実現することができる。
また、駆動源としては、爪車を駆動する回転軸を備えているだけでよく、駆動源自体の汎用性を損なうことなく、可動部の多様な変位を実現することができる。
【0008】
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の置物において、前記ロッドの前記第2端部には折り曲げ部が設けられ、前記折り曲げ部に係合する前記爪車の回転によって前記可動部に揺動変位を与える置物を提供する。
この第2の態様によれば、ロッドの第2端部に折り曲げ部を設けるという簡素な構成により、低コストにて可動部の揺動変位を実現できる。
【0009】
本発明の第3の態様は、第2の態様に記載の置物において、さらに、前記爪車の回転平面にほぼ平行な平面内に前記ロッドの変位を規制するロッド移動規制ガイドを含み、前記折り曲げ部に係合する前記爪車の回転によって前記可動部に振子変位を与える置物を提供する。
この第3の態様によれば、特定の平面内における、変位振幅、変位方向、変位周期等の異なる、可動部の振子変位を実現できる。
【0010】
本発明の第4の態様は、第3の態様に記載の置物において、前記ロッドには、前記ロッド移動規制ガイドに対する摺接部に、当該ロッド移動規制ガイドとの接触音を緩和する消音チューブが挿通されている置物を提供する。
この第4の態様によれば、可動部の変位に伴う動作音等のノイズが小さくなり、置物の設置環境の静粛性を維持できる。
【0011】
本発明の第5の態様は、第2の態様に記載の置物において、さらに、前記ロッドを回転自在に軸支する第1ロッド軸受部を備え、前記折り曲げ部に係合する前記爪車の回転によって前記可動部に前記ロッドを回転軸とする回動変位を与える置物を提供する。
この第5の態様によれば、特定の軸の回りにおける、変位振幅、変位方向、変位周期等の異なる、可動部の回転変位を実現できる。
【0012】
本発明の第6の態様は、第1の態様に記載の置物において、さらに、前記ロッドを回転自在に軸支する第1ロッド軸受部を備え、前記ロッドの前記第2端部は略T字形に分岐した第1および第2分岐端を備え、前記爪車は、前記第1および第2分岐端にそれぞれ係合する第1および第2爪車を備えた2枚爪車からなり、前記ロッドの前記第1および第2分岐端にそれぞれ係合する前記第1および第2爪車の同一方向への回転によって、前記可動部に前記ロッドを回転軸とする互いに逆方向の回動変位を与える置物を提供する。
この第6の態様によれば、可動部にロッドを回転軸とする互いに逆方向の複雑な回動変位を与えることができる。
【0013】
本発明の第7の態様は、第6の態様に記載の置物において、前記2枚爪車の前記第1および第2爪車は、互いに枚数および形状の少なくとも一方が異なる置物を提供する。
この第7の態様によれば、ロッドを回転軸とする互いに逆方向の回動変位の各々の変位振幅、変位方向、変位周期を個別に設定して、可動部に複雑な変位を与えることができる。
【0014】
本発明の第8の態様は、第1の態様に記載の置物において、前記ロッドの前記第2端部が、前記爪車に係合する折り曲げ部と当該ロッドに平行な折り返し部からなる略U字形を呈し、前記ロッドと前記折り返し部を軸方向に変位自在に支持する第2ロッド軸受部を備え、前記折り曲げ部に係合する前記爪車の回転によって前記可動部に前記ロッドの軸方向の直線変位を与える置物を提供する。
この第8の態様によれば、ロッドの軸方向に、変位振幅、変位方向、変位周期の異なる多様な直線変位を可動部に与えることができる。
【0015】
本発明の第9の態様は、第1の態様に記載の置物において、前記駆動源はオルゴールであり、当該オルゴールの発音弁を駆動するドラム軸に前記爪車が固定される置物を提供する。
この第9の態様によれば、任意の設計仕様のオルゴールを駆動源として汎用的に用いることができるとともに、オルゴールを鳴動させながら可動部を変位させることができる。
また、爪車の爪の回転方向の配置や枚数、さらにはロッドの形状を適宜選択することで、任意のオルゴールの奏でる楽曲や小節に同期した可動部の多様な変位を実現できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、簡便に、低コストにて可動部の多様な変位を実現することが可能な置物を提供できる、という効果が得られる。
また、可動部に変位を与える駆動源の汎用性を損なうことなく、可動部の多様な変位を実現することが可能な置物を提供することができる、という効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の各実施の形態の説明では、共通な構成要素には同一の符号を付して、重複した説明は割愛する。
【0018】
図1は本発明の第1の実施の形態に係る置物の構成の一例を示す斜視図である。
図1に例示されるように、本実施の形態の置物100は、略円錐形状の基体部10にコイルスプリング11を介して略球形状の可動部12が可動自在に取付けられている。
【0019】
基体部10の上部には、軸受孔10aが開口されており、この軸受孔10aにコイルスプリング11の下端が接着等によって固定されている。
【0020】
可動部12は下部に開口部12aが形成され、可動部12の内部にコイルスプリング11が挿入されている。コイルスプリング11の上端は、可動部12の内部の上端部12bに接着等によって固定されている。
【0021】
この場合、可動部12の内部の上端部12bには、ロッド13の上端(第1端部)が接着等によって固定されている。このロッド13は、コイルスプリング11の内側を通って基体部10の内側へ延出されており、その延出端(第2端部)には直角に曲げられた折曲げ部13aが形成されている。
【0022】
基体部10の底盤16には、出力軸14aを備えた駆動源14が固定されている。この出力軸14aには、爪車15が螺子止め等によって着脱自在に交換可能に固定されており、駆動源14から動力を受けて爪車15が回転駆動される構成となっている。
【0023】
駆動源14は、たとえば、モータ、ゼンマイばね、オルゴールのドラム軸等からなり、出力軸14aにトルクを出力する。駆動源14は、必要に応じて減速機構を有し、出力軸14aを一方向へ回転駆動する。
【0024】
爪車15は、複数の爪15aを備えている。爪15aの回転範囲は、コイルスプリング11によって基体部10に対して変位自在な可動部12に支持されたロッド13の揺動範囲に干渉する位置に配置されている。
これにより、爪車15が回動すると、爪車15の個々の爪15aが、ロッド13の折曲げ部13aに係合する。
【0025】
本実施の形態の置物100の作用の一例を説明する。
駆動源14の出力軸14aからの動力によって爪車15が回転し、爪15aがロッド13の折曲げ部13aに係合し、ロッド13を、コイルスプリング11をたわませながら矢印Aの方向へ移動させると、コイルスプリング11の弾性により、可動部12はコイルスプリング11の下端部を支点として矢印Aとは逆方向の矢印Alの方向に変位する。
【0026】
爪車15がさらに回転され、ロッド13の折曲げ部13aが爪15aから外れると、コイルスプリング11の弾性でロッド13は矢印Bの方向へ移動され、可動部12は反対の矢印Blの方向に変位し、可動部12は振子運動する。また、次の爪15aが到来するまでに、ロッド13は、可動部12の慣性とコイルスプリング11の弾性により自由に振子運動する。
【0027】
爪車15の次の爪15aがロッド13を矢印A方向へ押しやり、可動部12の振子運動を連続させる。
これにより、爪車15の回転に伴って、可動部12には連続した振子変位が発生する。
【0028】
なお、たとえば、コイルスプリング11の捩じり剛性が小さい場合は、ロッド13の軸と、爪15aと折曲げ部13aの接触部との距離Lに応じたトルクにて、ロッド13を軸とする矢印Cの捩じり変位も同時に発生する。矢印Cの捩じり変位は、コイルスプリング11の捩じり剛性や距離L等を変化させることで、随意に調整できる。
【0029】
この捩じり変位が好ましくない場合には、たとえば、折曲げ部13aが爪車15に対して空振りしない範囲で、距離Lを十分に小さくすればよい。
【0030】
このように、本実施の形態の置物100によれば、ロッド13および爪車15はいずれも比較的単純な構成であり、低コストにて製造できる。また、爪車15の爪15aの枚数や形状、ロッド13の長さ、等の条件や、これらの条件の組み合わせを変化させることで、駆動源14の設計変更等を全く必要とすることなく、簡単に可動部12の振子変位の振幅、周期等を多様に設定できる。
【0031】
すなわち、本実施の形態の置物100によれば、簡便に、低コストにて可動部12の多様な変位を実現することが可能である。
【0032】
また、駆動源14の出力軸14aに対して爪車15を蝶子止め等で交換可能に固定することにより、出力軸14aを備えた任意の設計仕様の駆動源14を爪車15の回転駆動に採用できる。
【0033】
すなわち、可動部12に変位を与える駆動源14の汎用性を損なうことなく、可動部12の多様な変位を実現することが可能な置物100を提供することができる。
【0034】
図2は本発明の第2の実施の形態に係る置物の構成の一例を示す斜視図である。図2に例示される置物101では所定の平面内で可動部12を横揺れさせる例を示す。
駆動源14に連結されて固定された基体部20の上端にはコイルスプリング11の下端部を固定する筒部20aが形成されている。
【0035】
筒部20aには、必要に応じて、たとえば、スカート等の任意のデザインの筐体を固定することができる。
【0036】
可動部12は図1に例示したものと同じである。可動部12は下部が開口部12aとされ、可動部12の内部にコイルスプリング11が挿入されている。コイルスプリング11の上端は、可動部12の内部の上端部12bに接着等によって固定されている。また、可動部12の内部の上端部12bにはロッド23の一端が接着等によって固定されている。
【0037】
このロッド23は、コイルスプリング11の内側を通って駆動源14側へ延出されており、その延出端には直角に曲げられた折曲げ部23aおよび折返し部23bが形成されている。なお、本実施の形態では折返し部23bはなくてもよい。
ただし、折返し部23bを、ロッド23の自由振動の周期を調整するための錘として機能させることもできる。
【0038】
基体部20には、ロッド23の移動方向を一方向に規制するロッド移動規制ガイド24が一体的に取付けられている。このロッド移動規制ガイド24は、筒部20aから所定距離だけ下側に設けられている。このロッド移動規制ガイド24は、ロッド23を挟んで、爪車15の回転平面内にほぼ平行に配設された一対のガイド部24aを有している。これにより、爪車15によるロッド23の移動方向がガイド部24aと平行になるように規制するものである。
【0039】
この置物101の場合、ロッド23がロッド移動規制ガイド24のガイド部24aに接触すると接触音が発生する。そこで、ロッド23に消音チューブ25をかぶせ、ロッド23とガイド部24aとの接触音を緩和するようにしている。
【0040】
特に図示しないが、折曲げ部23aにも消音チューブ25をかぶせて同様の消音効果を実現してもよい。
【0041】
また、この置物101では、爪車15の爪15aにおける折曲げ部23aとの接触する側に滑らかな面取り部15bを設けることで、当該折曲げ部23aと爪15aとの滑らかな接離を実現している。
【0042】
以下、本実施の形態の置物101の作用の一例について説明する。
上記の図2の構成において、駆動源14の出力軸14aからの動力によって爪車15が回転し、爪15aがロッド23の折曲げ部23aに係合し、ロッド23がコイルスプリング11をたわませながら矢印A方向へ移動させる。
【0043】
ここで、ロッド移動規制ガイド24によってロッド23の移動方向が矢印A−Bの方向を含む、爪車15の回転平面にほぼ平行な平面内に規制されているので、ロッド23と爪車15との接触が確実となる。
【0044】
ロツド23の折曲げ部23aが回転軌道の爪車15から外れると、コイルスプリング11の弾性でロッド23は矢印B方向へ移動され、コイルスプリング11の弾性と可動部12の慣性で、可動部12は前記平面内における振子運動する。
【0045】
爪車15の次の爪15aが到来してロッド13を矢印A方向へ押しやり、可動部12の振子運動を連続させる。ロッド移動規制ガイド24によってロッド23の移動方向が一方向に規制されているので、可動部12の移動方向も一方向となる。したがって、可動部12を特定の平面内で横揺れ(揺動)させることができる。
【0046】
このことは、たとえば、可動部12に描画されたキャラクタの顔等の向きに応じて、特定の平面内で可動部12を揺動させたい場合に有効である。
【0047】
なお、ロッド23と、爪15aおよび折曲げ部23aとの接触部の距離Lと、コイルスプリング11の捩じり剛性の関係等により、可動部12には矢印Cに示すような捩じれ変位が同時に発生することは、上述の置物100の場合と同様である。
【0048】
図3は、本実施の形態の置物101に備えられた爪車15の変形例(他の具体例)を示す斜視図である。
図3(a)は2つの爪15aを、180度の回転対称の位置に備えた爪車15の一例を示している。
図3(b)は4つの爪15aのうち、対向する一対が180度の回転対称の位置に配置され、他の一対は、回転方向に非対称の位置に配置された爪車15の一例を示している。
【0049】
このように、ロッド23を駆動する爪車15の爪15aの数、形状、回転方向の配置角度等を変えることで、ロッド23の動きを、簡単に、より複雑に変化させることができ、これにより可動部12の多様な動きを簡単に変更することができる。
【0050】
図4は本発明の第3の実施の形態に係る置物の構成の一例を示す斜視図である。図4は可動部12を回動させる置物102を例示している。
【0051】
すなわち、図4に示す置物102は、ロッド23の揺動を規制し、ロッド23の回動を許容するロッド固定ホール部30(第1ロッド軸受部)を備える点が、上述の置物101と異なっている。
【0052】
ロッド固定ホール部30は基体部20に一体に取付けられており、ロッド23を軸方向に変位自在に挿通する軸受孔30aを有する。ロッド固定ホール部30によってロッド23はほぼ鉛直に保持される。その他の構造は図2に示したものと同じである。
【0053】
以下、本実施の形態の置物102の作用を説明する。
上記の構成の置物102において、駆動源14からの動力によって爪車15が回転し、爪15aがロッド23の折曲げ部23aに係合すると、ロッド23はコイルスプリング11を捻りながら可動部12を回動させる。
【0054】
ロッド固定ホール部30の軸受孔30aが軸受となり、ロッド23は、自身の軸を中心とする矢印B−A方向の揺動変位を行う。
【0055】
爪車15の回動に伴って爪15aとロッド23の折曲げ部23aの係合がはずれると、コイルスプリング11の復元力でロッド23は矢印B方向へ移動され、可動部12の慣性とコイルスプリング11の弾性で可動部12の矢印Clのような左右回転運動が持続される。
【0056】
爪車15の次の爪15aがロッド23を矢印Aの方向へ移動させ、可動部12の上述の左右回転運動を連続させる。
【0057】
爪車15の中心から爪15aの折曲げ部23aに対する当接部までの長さや、前記距離L、コイルスプリング11の剛性等を適宜変化させることにより、さまざまな周期や振幅を有する可動部12の上述の左右回転運動を実現できる。
【0058】
このように、本実施の形態の置物102によれば、コイルスプリング11(ロッド23)の軸の回りの左右回転変位を可動部12に与えることができる。
【0059】
図5は本発明の第4の実施の形態に係る置物の構成の一例を示す斜視図である。
図5は可動部12を左右に回動させる置物103の例を示している。ただし、上述の図4に示した置物102との相違点は次のとおりである。
【0060】
本実施の形態の置物103の場合、ロッド23の替りに、下端部がT字形の折曲げ部33aおよび折曲げ部33bに分岐したT字ロッド33を用い、爪車15の代わりに2枚爪車35を設けている。
【0061】
2枚爪車35は、T字ロッド33の一方の折曲げ部33aに係合する爪車35aと、T字ロッド33の他方の折曲げ部33bに係合する他方の爪車35bとを有する。
【0062】
すなわち、2枚爪車35は、車軸部35cの両端部に、爪車35aおよび爪車35bが同軸に固定された構造となっている。
【0063】
また、爪車35aには、一対の爪35−1が180度の回転対称位置に配置されている。また、爪車35bには、爪35−2が180度の回転対称位置に配置されている。ただし、爪35−1と爪35−2は、回転方向に90度だけずれている。
これにより、爪車35aの爪35−1と、爪車35bの爪35−2は、互いにことなるタイミングで交互に、T字ロッド33の対応する折曲げ部33a、折曲げ部33bに係合することになる。
【0064】
以下、本実施の形態の置物103の作用を説明する。
上記の構成の置物103において、駆動源14からの動力によって2枚爪車35が回転し、一方の爪車35aの爪35−1がT字ロッド33の折曲げ部33aの側を押すことで、T字ロッド33は矢印B側へ回動され、コイルスプリング11が捻られ、可動部12が矢印BB方向へ回動される。
【0065】
2枚爪車35がさらに回転され、爪35−1がT字ロッド33から外れると、コイルスプリング11の復元力と可動部12の慣性で可動部12の左右回動運動が持続される。
【0066】
2枚爪車35の爪車35bの側の次の爪35−2がT字ロッド33の折曲げ部33bの側を押すことで、T字ロッド33は逆に矢印A側に回動され、コイルスプリング11が前回とは逆方向に捻られ、可動部12が矢印AA方向へ回動される。
【0067】
爪35−2がT字ロッド33の折曲げ部33bから外れると、コイルスプリング11の復元力と可動部12の慣性で可動部12の左右回動運動が持続される。
【0068】
このように、本実施の形態の場合には、2枚爪車35の爪車35aおよび爪車35bがT字ロッド33の折曲げ部33aおよび折曲げ部33bを交互に逆方向に押すことで、T字ロッド33の軸の回りの互いに逆方向の左右回動運動を確実に発生させることができる。
【0069】
図6は、本実施の形態の置物103における2枚爪車35の他の具体例を示す斜視図である。各爪車35a、35bの爪の数、形状を変えることで、T字ロッド33の動きを変化させ、可動部12の回動に変化を与えることができる。
【0070】
すなわち、この図6の例では、爪車35aの側の爪35−1は、上述の図5の場合と同様であるが、爪車35bの爪35−2は、一対の非対称の爪35−2がさらに設けられ、枚数が4枚に増やされている。
【0071】
これにより、2枚爪車35が1回転する間における爪車35aおよび爪車35bの折曲げ部33aおよび折曲げ部33bに対する当接回数やタイミングが異なるように動作する。このため可動部12の左右回動運動において、左右方向に交互にではなく、不等間隔に、周期や振幅の異なる回動運動を発生させることができる。
【0072】
図7は本発明の第5の実施の形態に係る置物の構成の一例を示す斜視図である。
図7に示す本実施の形態の置物104は、可動部12に上下方向の直線変位を与えるように動作するものである。
【0073】
図7に示すように、本実施の形態の置物104は、ロッド固定ホール部40(第2ロッド軸受部)を備えている。
【0074】
このロッド固定ホール部40は、基体部20に取付られており、ロッド23が挿通される軸受孔40aと、当該ロッド23に平行に折り返された折返し部23bが挿通される軸受孔40bとが設けられている。ロッド固定ホール部40によってロッド23は鉛直に保持される。
【0075】
このように、ロッド固定ホール部40の軸受孔40aおよび軸受孔40bに、互いに平行なロツド23および折返し部23bが挿通されていることにより、ロッド23の軸の回りの揺動変位が規制され、ロッド23の軸方向の上下動のみが許容される状態となっている。
その他の構造は、図4に示したものと同じである。
【0076】
以下本実施の形態の置物104の作用を説明する。
上記の構成の置物104において、駆動源14からの動力によって爪車15が回転し、爪15aの面取り部15bがロッド23の折曲げ部23aに係合すると、ロッド固定ホール部40によってロッド23の軸の回りの揺動変位が規制されているため、折曲げ部23aは、爪車15の回転とともに面取り部15bに摺接しつつ、せり上がるように上昇し、ロッド23は矢印Dのように上方向へ移動する。
【0077】
このロッド23の上方向への移動により、コイルスプリング11は延伸され、矢印Dlのように可動部12は上方へ移動する。爪車15の回転に伴って爪15a(面取り部15b)とロッド23の折曲げ部23aとの係合が外れると、コイルスプリング11の弾性と可動部12の自重とにより可動部12は下方向へ移動し、可動部12の慣性とコイルスプリング11の弾性で可動部12の上下運動を持続させる。
【0078】
爪車15の次の爪15a(面取り部15b)が、ロッド23を上方向へ押し上げ、可動部12の上下運動を連続させる。
【0079】
このように、本実施の形態の置物104によれば、可動部12に対して上下方向の直線的な変位を発生させることができる。
【0080】
また、爪車15の径方向における爪15a(面取り部15b)の折曲げ部23aに対する摺接長さを適宜設定することで、可動部12の上下動のストローク(振幅)を随意に設定できる。
【0081】
また、爪車15における複数の爪15aの各々における前記摺接長さを個別に設定することで、毎回、異なるストローク(振幅)にて可動部12の上下動を行わせることもできる。
【0082】
図8は本発明の第6の実施の形態に係る置物の構成の一例を示す説明図である。図9は図8に示す置物を裏面から見た図である。
【0083】
図8に例示される本実施の形態の置物105は、駆動源としてオルゴールを用い、オルゴールの鳴動とともに可動部が揺動するようにしたものである。
【0084】
基体部50は例えば陶器製であり、その上部にコイルスプリング51を介して可動部52が取付けられている。コイルスプリング51の上端は接着キャップ53に接着等によって固定されており、この接着キャップ53を可動部52の内部の頭部中央に接着等によって固定している。
【0085】
コイルスプリング51の下端にはビニール管55が固着され、このビニール管55を介してコイルスプリング51が基体部50の上部開口部に接着等によって固定されている。
【0086】
また、接着キヤツプ53には、ロッド54の上端(第1端部)が接着等によって固定され、下端(第2端部)はコイルスプリング51の内側を通って基体部50側に延出されている。
【0087】
なお、ロツド54は、上述の図1に例示したロッド13と同様に、基体部50内の下端部に折曲げ部54aが設けられている。
【0088】

基体部50の下部開口部には裏蓋56が接着等によって取付られており、この裏蓋56には木製のオルゴール取付台57を介してオルゴール58が取付られている。
【0089】
図9に例示されるように、オルゴール58は、ドラム軸58a、ドラム58b、発音弁58c、ドラム駆動ギア58d、図示しないゼンマイばね等を含んでいる。
【0090】
ドラム58bは、ドラム軸58aに支持されて回転し、表面に突設された図示しない複数の突起にて発音弁58cを弾くことにより音を発生させる。
【0091】
ドラム駆動ギア58dは、図示しないゼンマイばね等のトルクをドラム軸58aに伝達して、ドラム58bを所定の速さで回転駆動する。
【0092】
これにより、ドラム58bに突設された複数の突起の配列と、ドラム58bの回転速度とに応じて、発音弁58cが所望の楽曲を反復して奏する。
【0093】
そして、オルゴール58のドラム軸58aに爪車59がネジ止め等により交換可能に取付られている。
【0094】
この場合、爪車59の回転方向の位置は、可動部52の変位がオルゴール58の奏でる楽曲に同期するように設定される。
【0095】
オルゴール58のドラム軸58aに取付られた爪車59は、複数の爪59aを備えており、この爪59aが、ロッド54の折曲げ部54aが係合するようにしている。
【0096】
以下、本実施の形態の置物105の作用を説明する。
オルゴール58に内蔵されたゼンマイばねのトルクがドラム駆動ギア58d、ドラム軸58aを介してドラム58bに伝達され、ドラム58bが所定の方向に所定の速度で回転し、ドラム58bに突設された複数の突起が発音弁58cを弾いて楽曲を奏する。
【0097】
このとき、ドラム軸58aに固定された爪車59は、当該楽曲の進行に同期して回転し、爪車59の爪59aにロッド54の下端の折曲げ部54aが係合してロッド54を揺動させる。これにより、当該楽曲の進行に同期して可動部52が揺動する。
【0098】
このように、爪車59の爪59aの形状や枚数、回転方向の配置位置等を適宜設定することにより、オルゴール58で奏される楽曲のメロディや小節に合わせて可動部52を自在に変位させることができる。
【0099】
上述のように、本実施の形態の置物105の場合には、爪車59、ロッド54は、オルゴール58から独立しており、爪車59を着脱自在にオルゴール58にドラム軸58aを蝶子等で固定するだけで組み立てることができる。
【0100】
従って、可動部52の揺動変位の仕様を変更する場合でも、オルゴール58の構造自体は全く変更する必要がなく、ドラム58bのドラム軸58aが外部に突設された構造のものであれば、任意のオルゴール58を駆動源として用いることが可能である。
【0101】
換言すれば、可動部52に変位を与える駆動源としてのオルゴール58の汎用性を損なうことなく、可動部52の多様な変位を実現することが可能となる。
【0102】
また、可動部52に変位を与える機構として、コイルスプリング51、ロッド54、爪車59を備えた簡素な構造であるため、オルゴール58の楽曲に同期した可動部52の変位を実現するための爪車59の形状や、ロッド54、コイルスプリング51の剛性等の決定を、コンピュータシミュレーション等によって、比較的容易に決定できる。
【0103】
従って、多様なオルゴール58の楽曲に可動部52の変位を同期させるための多様な爪車59、ロッド54、コイルスプリング51を短期間に製造でき、多様な変位仕様の置物105を、短期間で製造することが可能になる。
【0104】
なお、本発明は、上述の実施の形態に例示した構成に限らず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
たとえば、弾性部材としては、コイルスプリングの代わりに、板バネ、ゴムチューブ等の任意の弾性部材を用いることもできる。
また、オルゴールは、ゼンマイばねで動作するものに限らず、モータで動作するものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る置物の構成の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る置物の構成の一例を示す斜視図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る置物における爪車の他の具体例を示す斜視図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係る置物の構成の一例を示す斜視図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態に係る置物の構成の一例を示す斜視図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態に係る置物における2枚爪車の他の具体例を示す斜視図である。
【図7】本発明の第5の実施の形態に係る置物の構成の一例を示す斜視図である。
【図8】本発明の第6の実施の形態に係る置物の構成の一例を示す斜視図である。
【図9】本発明の第6の実施の形態に係る置物を裏面から一部破断して見た平面図である。
【符号の説明】
【0106】
10 基体部
10a 軸受孔
11 コイルスプリング
12 可動部
12a 開口部
12b 上端部
13 ロッド
13a 折曲げ部
14 駆動源
14a 出力軸
15 爪車
15a 爪
15b 面取り部
16 底盤
20 基体部
20a 筒部
23 ロッド
23a 折曲げ部
23b 折返し部
24 ロッド移動規制ガイド
24a ガイド部
25 消音チューブ
30 ロッド固定ホール部
30a 軸受孔
33 T字ロッド
33a 折曲げ部
33b 折曲げ部
35 2枚爪車
35−1 爪
35−2 爪
35a 爪車
35b 爪車
35c 車軸部
40 ロッド固定ホール部
40a 軸受孔
40b 軸受孔
50 基体部
51 コイルスプリング
52 可動部
53 接着キャップ
54 ロッド
54a 折曲げ部
55 ビニール管
56 裏蓋
57 オルゴール取付台
58 オルゴール
58a ドラム軸
58b ドラム
58c 発音弁
58d ドラム駆動ギア
59 爪車
59a 爪
100 置物
101 置物
102 置物
103 置物
104 置物
105 置物
【出願人】 【識別番号】506252808
【氏名又は名称】シンサートイ株式会社
【出願日】 平成18年7月22日(2006.7.22)
【代理人】 【識別番号】100081271
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 芳春


【公開番号】 特開2008−23132(P2008−23132A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−200140(P2006−200140)