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【発明の名称】 二輪走行玩具
【発明者】 【氏名】越後谷 厚義

【要約】 【課題】ガイド付き走行路のコーナーを、車体を傾斜させて通り抜けることができるようにした二輪走行玩具を提供する。

【構成】本発明の二輪走行玩具は、コーナーが設けられたガイド212付の走行路210を走行する二輪走行玩具100であって、走行路210を走行する二輪走行体110と、走行路210に設けられたガイド212に沿って二輪走行体110と共に移動可能な走行台120と、二輪走行体110と走行台120との相互間に設けられて、二輪走行体110と走行台120との位置差に対応して二輪走行体110の走行姿勢を設定する走行体支持機構130と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーナーが設けられたガイド付の走行路を走行する二輪走行玩具であって、
前記走行路を走行する二輪走行体と、
前記走行路に設けられたガイドに沿って前記二輪走行体と共に移動可能な走行台と、
前記二輪走行体と前記走行台との相互間に設けられて、前記二輪走行体と前記走行台との位置差に対応して前記二輪走行体の走行姿勢を設定する走行体支持機構と、
を備える二輪走行玩具。
【請求項2】
前記走行姿勢は、前記走行路の直線部においては直立であり、前記走行路のコーナー部では当該コーナーの曲率に応じた傾斜である、請求項1に記載の二輪走行玩具。
【請求項3】
前記走行体支持機構は、
前記二輪走行体の上部に設けられた上部ガイド部材と、
前記走行台から上方に延在して前記二輪走行体の上部で前記上部ガイド部材を遊動可能に支持する支持部材と、
を含む、請求項1又は2に記載の二輪走行玩具。
【請求項4】
前記上部ガイド部材は、柱状のガイドピンであり、
前記支持部材は、前記二輪走行体を両側から凸状に橋架するように構成された橋架構造体と、当該橋架構造体の凸状中央部に設けられた環状の保持部と、
を備え、前記保持部は前記ガイドピンを遊動可能に保持する、請求項3に記載の二輪走行玩具。
【請求項5】
前記走行体支持機構は、
前記二輪走行体の上部に配置された緩衝材と、
前記走行台から上方に延在して前記二輪走行体の上部で前記緩衝材と接続される支持部材と、
を含む、請求項1又は2に記載の二輪走行玩具。
【請求項6】
前記走行台には、前記二輪走行体の進行方向の左右方向に延在する移動案内溝が形成され、
前記二輪走行体の下部には前記移動案内溝に移動可能に係合する下部ガイド部材が設けられる、
請求項1乃至5のいずれかに記載の二輪走行玩具。
【請求項7】
前記移動案内溝が前記二輪走行体の進行方向において凸状又は凹状に湾曲して形成される、請求項6に記載の二輪走行玩具。
【請求項8】
前記走行路のガイドは走行路の路面上に延在する案内溝であり、該案内溝の両側には該案内溝に沿って給電線が配置されており、
前記二輪走行体は駆動源としてモータを内蔵し、
前記走行台の下部には、前記案内溝内を移動する走行ガイド部材と、前記給電線と接触して前記モータに電力を供給するブラシが設けられている、請求項1乃至7のいずれかに記載の二輪走行玩具。
【請求項9】
前記走行台の下部には、前記走行路を走行するローラが設けられている、請求項1乃至8のいずれかに記載の二輪走行玩具。
【請求項10】
前記二輪走行体は、車体の傾斜方向に当該傾斜に応じてハンドルを曲がらせるセルフステアリング機構を含む、請求項1乃至9のいずれかに記載の二輪走行玩具。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、走行路の路面に設けられた案内溝(スロット)や走行路の両側に設けられた案内壁などの走行体のガイド手段が設けられた走行路を走行する走行玩具に関し、特に、走行路を二輪走行する二輪走行玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、模擬車両を走行させて走行順位を競う玩具としてスロットレーシングがある。スロットレーシングは、走行路(コース)上に設けられた案内溝に車両玩具のガイドを滑らせて車両玩具の走行方向を設定し、車両玩具のスピードコントロールのみで速さを競えるようにしたものである。
【0003】
例えば、特開昭56−76972号公報には、四輪車を走行させるスロットレーシングの例が紹介されている。また、実案登録3112535号公報には、スタンドに立てた状態からフライホイールの回転力によって発車させる発射スタンド付き二輪走行玩具(オートバイ)の例が紹介されている。
【特許文献1】特開昭56−76972号公報
【特許文献2】実案登録3112535号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、実際の自動車レースは四輪車と二輪車のレースとがあるが、スロットレーシングの車両玩具は四輪車のみであり、二輪車はそれ程提供されていない。
【0005】
このように二輪走行玩具があまり提供されていないのは、二輪車にスロットレーシングの走行路を走らせることが難しいからであると考えられる。二輪走行玩具は、一般に、走行路のコーナー部でコースアウトし易い。これは、二輪走行玩具がコーナーを曲がる際に車体に急に遠心力が作用して転倒したり、走行振動によってガイドが走行路の案内溝から外れ易くなるからである。
【0006】
このように、コースアウトし易い二輪走行玩具はコーナリング速度を上げることが難しい。また、実際の二輪車レース(オートバイレース)ではドライバが車体を巧みにコントロール(傾斜)して素早くコーナーを駆け抜ける面白さがあるが、玩具にはこのようなコーナーで車体を傾斜して走行する機構はなく、コーナーを直立した状態で走行するのでリアリティに欠ける。
【0007】
そこで、本発明は、ガイド付き走行路のコーナーを、車体を傾斜させて通り抜けることができるようにした二輪走行玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の二輪走行玩具は、コーナーが設けられたガイド付の走行路を走行する二輪走行玩具であって、上記走行路を走行する二輪走行体と、上記走行路に設けられたガイドに沿って上記二輪走行体と共に移動可能な走行台と、上記二輪走行体と上記走行台との相互間に設けられて、上記二輪走行体と上記走行台との位置差に対応して上記二輪走行体の走行姿勢を設定する走行体支持機構と、を備える。ここで「走行路」には、模擬的に形成された、レースコース、道路、路面、舗装路、未舗装路、ラリーなどの荒れ地、等の他、プラスチックやゴム等の樹脂や金属の板状材料の面、建物の床面等の模擬二輪車が走行可能なある程度平坦な面(あるいはある程度滑らかな面)が含まれる。また、走行路は立体交差などを含む三次元的な構造であってもよい。
【0009】
かかる構成によれば、上記走行体支持機構を備えることで、二輪走行体と走行台との位置差に応じて二輪走行体の走行姿勢を変化させることができ、ガイド付き走行路のコースに合わせて適切に走行姿勢を変化させることができるので、例えばコーナーにおいてもコースアウトがし難い二輪走行玩具を提供することが可能となる。
【0010】
上記走行姿勢が、上記走行路の直線部においては直立であり、上記走行路のコーナー部では当該コーナーの曲率に応じた傾斜であることが好ましい。これにより、コーナリング時にコースアウトがし難くなり、また、実際に走行しているようなリアル感を出すことが可能となる。
【0011】
上記走行体支持機構が、上記二輪走行体の上部に設けられた上部ガイド部材と、上記走行台から上方に延在して上記二輪走行体の上部で上記上部ガイド部材を遊動可能に支持する支持部材と、を含むことが好ましい。
【0012】
このように構成することで、二輪走行体と走行台との位置差に応じて二輪走行体を傾斜させることができ、走行体の走行姿勢(傾斜姿勢)を自由に変化させることが可能となる。それにより、走行路のコーナーを二輪走行体をバンク(傾斜)させて通過することができ、遠心力によるコースアウトを回避可能となる。
【0013】
上記上部ガイド部材は、柱状のガイドピンであり、上記支持部材は、上記二輪走行体を両側から凸状に橋架するように構成された橋架構造体と、当該橋架構造体の凸状中央部に設けられた環状の保持部と、を備え、上記保持部は上記ガイドピンを遊動可能に保持するものであってもよい。
【0014】
このように構成することによっても、二輪走行体と走行台との位置差に応じて二輪走行体を傾斜させることができ、走行体の走行姿勢を自由に変化させることが可能となる。また、環状の保持部は量産にも適している。また、保持部とガイドピンとの間の遊びによって二輪走行体を上下方向に自由移動可能として車輪の走行路面接地を確実にする。また、当該遊びの程度を調整することで、走行体の傾斜開始のタイミングを調整可能となる。
【0015】
上記走行体支持機構は、上記二輪走行体の上部に配置された緩衝材と、上記走行台から上方に延在して上記二輪走行体の上部で上記緩衝材と接続される支持部材と、を含むものであってもよい。かかる構成によっても二輪走行体の傾斜と該二輪走行体の自由な上下動とを両立させることが可能である。緩衝材としては、コイルバネ、螺旋バネ、板バネ、スポンジ、ゴムなどの種々の弾性体を用いることが可能である。
【0016】
上記走行台には、上記二輪走行体の進行方向の左右方向に延在する移動案内溝が形成され、上記二輪走行体の下部には上記移動案内溝に移動可能(あるいは車体傾斜可能)に係合(あるいは接触)する下部ガイド部材が設けられることが好ましい。
【0017】
これにより、下部ガイド部材と移動案内溝を介して二輪走行体で走行台を押すことが可能となる。また、二輪走行体の推進力を低位置(路面に近い位置)で走行台に伝えることが可能となる。二輪走行体の下方で走行台に推進力を伝えることにより、上方の支持部材の保持部で走行台に推進力を伝達する場合に比較して、支持部材によるモーメント力の発生が回避され二輪走行体の走行姿勢をより安定化させることが可能となる。また、走行台がその上面に進行方向に対して左右方向に延在する移動案内溝を有することで、二輪走行体の進行方向に対し左右方向への二輪走行体の移動や傾斜を可能とする。
【0018】
上記移動案内溝が上記二輪走行体の進行方向において凸状又は凹状に湾曲して形成されていてもよい。これにより、二輪走行体をより傾き易くしたり、元の姿勢により復元し易くすることが可能となる。
【0019】
上記走行路のガイドが走行路の路面上に延在する案内溝であり、該案内溝の両側には該案内溝に沿って給電線が配置されており、上記二輪走行体は駆動源としてモータを内蔵し、上記走行台の下部には、上記案内溝内を移動する走行ガイド部材と、上記給電線と接触して上記モータに電力を供給するブラシが設けられていることが好ましい。
【0020】
これによれば、走行台の下部に走行ガイド部材を有することで、走行台を走行路の案内溝に沿って移動させることが可能となり、また、走行台を介して給電線からの電力を二輪走行体内部に備えられたモータに供給することが可能となる。
【0021】
上記走行台の下部には、上記走行路を走行するローラが設けられていることが好ましい。これにより、走行台と路面間の走行摩擦を低減することが可能となる。
【0022】
上記二輪走行体は、二輪走行体を直進させるようにハンドルを機能させる、あるいは曲がったハンドルを元に戻すように機能させるセルフステアリング機構を含むことが好ましい。セルフステアリング機構は、二輪車(オートバイ)で知られている構造を適用できる。これにより、二輪走行玩具の直進性が増す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の実施形態に係る二輪走行玩具は、コーナーが設けられたガイド付き走行路を走行する玩具である。この二輪走行玩具は、走行台によって二輪走行体を上部で遊動可能に支持することにより、自由走行する二輪走行体をこの車輪の接地点を中心として進行方向の左右に車体を傾斜(あるいは揺動)させる。これにより、二輪走行玩具は走行路のコーナーにおいて車体を傾斜させて通り抜ける、いわゆるバンク走行を行い、オートバイレースがリアルに再現される。二輪走行体の上部に設けられた支持部は、係合部に遊びをもたせて被支持側(二輪走行体)を遊動可能な構成としている。それにより、二輪走行体の走行時の上下動や振動を吸収し、車輪の走行路への接地を確保して走行時の安定感を確保することが可能となっている。
【0024】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
【0025】
(第1の実施形態)
図1(a)は、本発明の第1の実施形態に係る二輪走行玩具を説明するための概略斜視図である。
図1(a)に示すように、本発明の第1の実施形態に係る二輪走行玩具100は、概略、走行路210を走行する二輪走行体110と、走行路210に設けられたガイド(案内溝)212に沿って二輪走行体110と共に移動可能な走行台120と、二輪走行体110と走行台120との相互間に設けられて、二輪走行体110と走行台120との位置差に対応して二輪走行体110の走行姿勢を設定する走行体支持機構130とを主に備えている。
【0026】
二輪走行体110は、ハンドル部材111と一体となっている前輪フォーク部材112に回転自在に取り付けられた前輪113と、後輪フォーク部材114に回転自在に取り付けられた後輪115と、駆動力源としてのモータ(図示せず)を内蔵した本体(ボディ)116とを備えている。ハンドルの機構には、オードバイと同じセルフステア(セルフステアリング)機構を採用している。セルフステアは本体116が傾くとその傾斜角に応じてハンドルがコーナー内側を向き、本体116が直立しているとハンドルは前方を向くようになる二輪車の作用特性である。
【0027】
駆動源としてのモータは、走行路210のガイド212の両脇に備えられた給電線214より供給される電力により、後輪115を駆動する。後輪115の駆動力を走行路により確実に伝えるために、例えば、後輪フォーク部材114としてある程度重さのある部材を用い、後輪115が走行路を押す力を高めてもよい。また、錘(ウェイト)を使用しても良い。二輪走行体110の下側に重心を持っていくと、二輪走行体110の走行により安定性をもたらすことができる。
【0028】
走行台120は、走行体支持機構130と共に二輪走行体110の走行姿勢を設定するものである。走行姿勢の設定については後に詳述する。走行台120の上面には、進行方向の左右方向に延在する移動案内溝122が形成されている。二輪走行体110の下部に設けられた下部ガイド部材144は、この移動案内溝122に該溝内を左右方向に移動可能に係合されている。二輪走行体110が移動すると、この本体116下部に設けられた下部ガイド部材144が、移動案内溝122の壁に突き当たって走行台120を進行方向に押し進めることになるので、二輪走行体110の移動と共に走行台120も移動する。
【0029】
本実施例では、下部ガイド部材144は移動案内溝122の溝内底部に先端が到達していない(下部ガイド部材144の下端と移動案内溝122の底部との間に隙間がある)が、下部ガイド部材144は、移動案内溝122の溝内底部に先端が到達(接する)していてもよい。この場合には、それにより二輪走行体110の前後車輪(以下、単にタイヤともいう)が浮かないようにするため余分な下部ガイド部材144が本体116下部に戻される(へこむ)ような出入り自在の構造とする。例えば、本体116下部に設けた上下方向のガイド穴内に弱いバネ(緩衝材)を介して下部ガイド部材144を収容することによって下部ガイド部材144の出入り自在構造を得ることが可能である。
【0030】
なお、後述するように、移動案内溝122の形状を種々工夫することができる。この場合にも下部ガイド部材144の出入り自在構造により、走行時の二輪走行体110の走行姿勢の変化により下部ガイド部材144が移動案内溝122の溝内底部に接して、前輪113及び/又は後輪115を浮かせてしまうことを回避し得る。
【0031】
図2は、走行台120の構造を説明するための図である。図2(a)は走行台120の正面図であり、図2(b)は上面図であり、図2(c)は横面図である。図2(a)〜(c)に示すように、走行台120の裏面には、進行方向に向かって前方の中央部に、走行ガイド部材123が設けられている。走行ガイド部材123は、走行台120をガイド212に沿って走らせるために、走行台120とガイド212とをつなぐ為の部材である。走行ガイド部材123は、案内溝に沿って向きが変わるように、走行台120に対して、左右両方向に回転可能に構成されている。なお、ガイド部材123は、案内溝に沿って移動できればよく、ガイド部材123を走行台120に固定しても良い。
【0032】
また、走行ガイド部材123の両側には、ブラシ(集電器)124が備えられており、給電線214に接触して、給電線214からの電力を電線127を介して二輪走行体110に内蔵されたモータに供給する。ブラシ124は、例えば繊維状の金属を編んだ電線である。ブラシ124は、両側のブラシ124同士が接触してショートしないように、走行ガイド部材123が間に介在する位置に配置することが好ましい。走行台120の四隅には、走行台120と走行路210との摩擦を低減するために、走行路210を走行するローラ125が設けられている。
【0033】
さらに、走行台120内の裏面の中央後方寄りに、磁石126が設けられている。磁石126は(磁性材が配置された)走行路210に走行台120を密着させる働きをする。例えば、鉄などの磁性体金属製の給電線214は走行台120を引き付ける役割を果たす。これにより、走行時、特にコーナリング時に走行台120がガイド212から外れるのを防止することが可能となり、走行台120及び二輪走行体110の走行を安定化させることができる。磁石126は、永久磁石が好適であるが、電磁石であっても良い。磁石の配置位置は適宜に設定することができる。なお、磁石126の代わりに錘を付けることにより、走行台120にダウンフォース(車体を走行路に押し付ける力)を与えてもよい。
【0034】
走行体支持機構130は、二輪走行体110の上部に設けられた柱状のガイドピン(上部ガイド部材)1301と、走行台120から上方に延在して二輪走行体110の上方でガイドピン1301を遊動可能に支持する支持部材とを備えている。支持部材は、二輪走行体を両側から凸状に橋架するように構成された橋架構造体1302と、橋架構造体1302の凸状の略中央に設けられた環状の保持部1303とを備えており、保持部1303はガイドピン1301を遊動可能に保持している。このように遊動可能に保持することで、二輪走行体110の走行時における、前後左右及び上下方向の振動を吸収することができる。なお、走行体支持機構130を構成する部材の材質は、特に限定するものではなく、例えば、合成樹脂、金属、ピアノ線等のいずれを用いてもよい。
【0035】
次に、図3及び図4を参照しながら、二輪走行玩具100の動作について説明する。図3は、前輪113,後輪115及び走行台120によってコーナーリング時における車体の傾斜をその上方から見た状態で説明している。図4はコーナーリング時における車体の傾斜を進行方向から走行体110と走行体支持機構130(1301〜1303)とを見た状態で説明している。
【0036】
図3に示すように、まず、直進状態では、二輪走行体110は直立姿勢を保っており、そのタイヤ(前輪113及び後輪115)は車台の中心線上にあり、傾いていない(a地点、図4(a)参照)。コーナーにさしかかると、直立して走行する二輪走行体110は、セルフステアによりそのまま直進しようとするが、走行台120はガイド溝212に沿って移動し、コーナーのカーブで右横方向にずれ始める(b地点)。カーブに沿って走行台120がさらに進むと、二輪走行体110と走行台120との位置差によって走行台120の橋架構造体1302の支持部1303を介してガイドピン1301が右横方向に引っ張られるため、二輪走行体110はカーブの内側(進行方向右側)に傾くことになる(c地点,図4(b)参照)。その際、ハンドルがセルフステア機構によって二輪走行体110の傾斜方向に傾斜角に応じて切れ込み、二輪走行体110は向きをコーナーに向ける(d地点)。
【0037】
その後、二輪走行体110がコーナー部分を曲がって二輪走行体110の中心線と走行台の中心線とが重なる(二輪走行体と走行台の位置差が0)と二輪走行体110は傾斜状態から起こされて直進する。また、二輪走行体110がコーナー部分を曲がって直線路に入ると、遊戯者の操縦によってその速度が上昇する。車輪の回転数が増加すると、車輪回転によるジャイロ効果によって傾斜した二輪走行体110は起こされて直立した姿勢となって直進する(走行姿勢の復元)。S字カーブのようにコーナーが続く場合には、コーナーの曲がり方向に応じて二輪走行体と走行台との間に正又は負の位置差が生じ、二輪走行体110は車体を左右に傾斜してコーナーを通り抜けるようになる。
【0038】
上述したように、本実施例では、二輪走行体110は車体を傾斜してコーナーリングを行うので、コーナーリングの際に二輪走行体110に作用する遠心力がカーブの中心に向かう向心力と走行路から上向きの垂直抗力とに分散され、相殺されるのでコーナリング時の走行が安定し、より高速度でコーナーを通過することが可能となる。
【0039】
また、本実施例では、走行台120と二輪走行体110との位置差を利用して、二輪走行体110の走行姿勢をコーナーで傾斜させたので実際のオートレースのようなリアリティを出すことが可能となっている。
【0040】
図5は、走行台120の移動案内溝122を上方から見たの形状を概略的に説明する図である。図5に示すように、移動案内溝122は進行方向に対して左右に直線状に形成されるのが基本的な溝パターンであるが(図5(a)参照)、進行方向に凹状に湾曲させて形成されていてもよい(同図(c)参照)。また、進行方向に凸状に湾曲して形成されていてもよい(同図(b)参照)。移動案内溝122を進行方向に対して凸状に湾曲させると、カーブから直進に戻る際に、走行姿勢をより復元し易くなる。また、進行方向に凹状に湾曲させると、直進からカーブに進入する際に、走行姿勢をより倒れ易くすることができる。
【0041】
図6は、走行台120の移動案内溝122の深さ方向の形状を説明するための図である。図6に示すように、移動案内溝122の底部は平坦に形成されるのが基本的な溝パターンであるが(図6(a)参照)、凹状に湾曲させていてもよく(同図(b)参照)、凸状に湾曲させていてもよく(同図(c)参照)、また、W字状に波打った形状であってもよい(同図(d)参照)。下部ガイド部材144の下端が移動案内溝122の底部に接する場合には、このように、底部形状を工夫することで、二輪走行体110が傾く際の走行姿勢に種々変化を付けたり、姿勢変化を個性化させて楽しむことができる。
また、下部ガイド部材144が移動案内溝122の底部に接触する場合には、下部ガイド部材144の下端に、例えば回転球体を入れてボールベアリング構造とすることで、移動案内溝122との接触摩擦を低減させてもよい。
【0042】
本実施形態に係る二輪走行玩具100によれば、上記走行体支持機構130を備えることで、二輪走行体110と走行台120との位置差に応じて二輪走行体110の走行姿勢を傾けることができ、ガイド付き走行路のコースに合わせて柔軟に走行姿勢を傾けることができるので、コーナーにおいてもコースアウトし難くなり、また、実際に走行しているようなリアル感を出すことが可能となる。
【0043】
また、ガイドピン1301と橋架構造体1302という単純な構造なので、二輪走行体110の上部に重心がきて倒れ易くなるのを回避することもでき、また、量産にも適している。さらに、保持部1303が環状なので、走行時の前後左右及び上下方向のゆれに対しても安定化を持たせることが可能となる。また、走行体支持機構130が2本の脚部により支えられているので、走行台120を安定させることができ、二輪走行玩具100の走行時の安定性をより向上させることが可能となる。
【0044】
なお、上記例では、走行路のガイドとして案内溝を用いた例について説明したが、これに限定されない。例えば、図1(b)に示すように、走行路210の両側端を案内壁212とし、この壁を既述したガイド(溝)212として利用しても良い。この場合、走行台120の下部に逆凸型の走行ガイド部材123は存在しないが、両側の案内壁212によって走行台120の左右両端部がガイドされるので当該両端部が走行ガイド部材123として機能する。この案内壁212に給電線を配置してもよいし、また、車体、或いは車台に電池を内蔵して電力を確保してもよい。
【0045】
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態では、走行体支持機構130として、ガイドピン1301と中央部に保持部1303を有する橋架構造体1302とを用いた。第2の実施形態では、走行体支持機構130として、ガイドピン1301の代わりに板状の上部ガイド部材1305を用い、橋架構造体1302の代わりに、板状の上部ガイド部材1305を両側から若干の隙間を介して支える2本のアーム部材1306を用いる例について説明する。
【0046】
図7は、第2の実施形態に係る二輪走行玩具を説明するための図である。図7(a)は、二輪走行玩具100の斜視図であり、図7(b)は正面図である。図7はにおいて、図1と対応する部分には同一符号を付し、かかる部分の説明は省略する。
【0047】
図7に示すように、2本のアーム部材1306は、走行台120から上方に延在しており、その先端は板状の上部ガイド部材1305を両側から挟み込むように内側に屈曲している。2本のアーム部材1306の先端間の距離dは、上部ガイド部材1305の厚みDよりも若干大きくなるように設定されており(d>D)、二輪走行体110の走行中に、アーム部材1306の先端間で板状の上部ガイド部材1305が遊動することができるように遊びをもたせている。このように、板状の上部ガイド部材1305を二輪走行体110を上部で遊動可能に支持することで、上述した第1の実施形態と同様に二輪走行体110と走行台120との位置差による二輪走行体110の傾動機構130を構成することができ、コーナリング時において、二輪走行体110の走行姿勢を傾斜させることを可能にしている。また、上部を遊動可能とすることで、二輪走行体110の車輪113及び115の走行路210への接地を確実にし、二輪走行体110の走行時における、二輪走行体110及び走行台120相互間の振動伝搬を回避し得る。
【0048】
したがって、本実施形態によれば、上記のような走行体支持機構130を備えることで、二輪走行体110と走行台120との位置差に応じて二輪走行体110の走行姿勢を傾けることができ、ガイド付き走行路のコースに合わせて柔軟に走行姿勢を傾けることができるので、コーナーにおいてもコースアウトがし難くなり、また、実際に走行しているようなリアル感を出すことが可能となる。また、走行体支持機構130の構造が単純であり、量産に適している。また、走行体支持機構130が2本の脚部により支えられているので、走行台120を安定させることができ、二輪走行玩具100の走行時の安定性をより向上させることが可能となる。
【0049】
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、走行体支持機構130の他の変形例について説明する。図8(a)は、第3の実施形態に係る二輪走行玩具100を説明するための図である。図8において図1と対応する部分には、同一符号を付し、かかる部分の説明は省略する。
【0050】
図8(a)に示すように、二輪走行体110の上部には、上部ガイド部材として、針金等から構成される4本の脚1307に支えられた球体1308が設けられている。走行台120上には、球体1308の半径rと同じか若干大きい半径R(r≦R)を有する略半円状の受け部1309を中央部に有する橋架構造体1310が設けられている。球体1308は、橋架構造体1310の受け部1309内で自由に動くことができるよう構成されている。これにより、二輪走行体110は球体1308を中心とした振り子のような運動をすることが可能となっている。また、球体1308と受け部1309との間の若干の空間により、二輪走行体110が上下動する際の振動も吸収することが可能とされている。球体1308と受け部1309との接触面には、滑りをよくするために、例えばグリース等の潤滑剤を塗布していてもよい。
【0051】
また、二輪走行体110の走行時に、二輪走行体110の上部に設けられた球体1308が受け部1309を押すことになるので、走行台120は二輪走行体110と共に移動することが可能となる。
【0052】
第3の実施形態によれば、上述したような走行体支持機構130を備えることで、二輪走行体110と走行台120との位置差に応じて二輪走行体110の走行姿勢を傾けることができ、ガイド付き走行路のコースに合わせて柔軟に走行姿勢を傾けることができるので、コーナーにおいてもコースアウトがし難くなり、また、実際に走行しているようなリアル感を出すことが可能となる。また、走行体支持機構130が2本の脚部により支えられているので、走行台120を安定させることができ、二輪走行玩具100の走行時の安定性をより向上させることが可能となる。
【0053】
なお、上記例では、受け部1309は球体1308の略半分を覆うものであったが、例えば、図8(b)に示すように、受け部1309は球体1308の半分以上を覆うものであってもよい。また、球体1308は必ずしも4本の脚1307で支えられている必要はなく、例えば、円柱状の1本の脚(ロッド)1307で支えられていてもよい。これにより、例えば球体1308と脚1307を一体形成することが可能となるので、量産に適する。
【0054】
また、上記例では、二輪走行体110の上部に設けられた球体1308が受け部1309を押すことで、二輪走行体110の駆動力を走行台120に伝えた。しかし、上述の実施形態と同様に、二輪走行体110の下部に下部ガイド部材を設け、走行台120に移動案内溝122を設けることにより、後輪115の駆動力の伝達をより確実なものとしてもよい。また、下部ガイド部材により走行台120を押すように構成することにより、二輪走行体110の走行時の安定性をより高めることが可能となる。
【0055】
(第4の実施形態)
第4の実施形態では、走行体支持機構130の他の変形例について説明する。図9は、第4の実施形態に係る二輪走行玩具を説明するための図である。図9において図1と対応する部分には同一符号を付し、かかる部分の説明は省略する。
【0056】
図9に示すように、走行体支持機構130は、走行台120と平行で進行方向に突き出した円柱部材1314を中央部に備えた橋架構造体1315と、円柱部材1312の直径2・rより若干大きい短軸直径2・b(2・r<2・b)を有し、長軸直径が走行台120と垂直方向に延びた楕円形の円筒部材1314から構成されている。円筒部材1314は、4本の脚1313(例えば針金製)により二輪走行体110上で支えられている。この円筒部材1314を円柱部材1312に通すことにより、二輪走行体110と走行台120との間に位置差が生じると、円筒部材1314を介して二輪走行体110が傾斜される。また、走行台120の垂直方向に円筒部材1314の楕円の長軸を持ってくることで、二輪走行体110の車輪113,115の接地性を確保し、上下運動の衝撃を吸収することが可能とされている。また、円筒部材1314内には、円柱部材1312の動きを滑らかにするために、例えばグリース等の潤滑剤を塗布していてもよい。
【0057】
第4の実施形態によれば、上記のような走行体支持機構130を備えることで、二輪走行体110と走行台120との位置差に応じて二輪走行体110の走行姿勢を傾けることができ、ガイド付き走行路のコースに合わせて柔軟に走行姿勢を傾けることができるので、コーナーにおいてもコースアウトがし難くなり、また、実際に走行しているようなリアル感を出すことが可能となる。また、走行体支持機構130が2本の脚部により支えられているので、走行台120を安定させることができ、二輪走行玩具100の走行時の安定性をより向上させることが可能となる。
【0058】
(第5の実施形態)
第5の実施形態では、走行体支持機構130として、ばね(緩衝材)及びばねを支持する橋架構造体を用いた例について説明する。
【0059】
図10は、第5の実施形態に係る二輪走行玩具100を説明するための図である。同図において図1と対応する部分には同一の符号を付し、かかる部分の説明は省略する。
【0060】
本実施形態の二輪走行玩具100では、図10に示すように、橋架構造体1320の中央部と二輪走行体110の上部とをばね1321を介して接続している。このように、二輪走行体110の上部をばね1321を介して支持することにより、橋架構造体1320の中央部で二輪走行体110を遊動させることが可能となる。また、ばね1321の伸縮により二輪走行体110の車輪113,115を走行路210の路面に接地させ、二輪走行体110及び走行台120の走行時の上下の振動も吸収することが可能となる。
【0061】
本実施形態によれば、上記のような走行体支持機構130を備えることで、二輪走行体110と走行台120との位置差に応じて二輪走行体110の走行姿勢を傾けることができ、ガイド付き走行路のコースに合わせて柔軟に走行姿勢を傾けることができるので、コーナーにおいてもコースアウトがし難くなり、また、実際に走行しているようなリアル感を出すことが可能となる。また、走行体支持機構130にばねを採用することで、二輪走行体110の走行時の動きに変化をもたらすことが可能となる。また、走行体支持機構130が2本の脚部により支えられているので、走行台120を安定させることができ、二輪走行玩具100の走行時の安定性をより向上させることが可能となる。
【0062】
なお、上記例では、緩衝材としてばねを用いたが、これに限定されず、例えば、ゴム製のバンド等を用いてもよい。
【0063】
(第6の実施形態)
上述した各実施形態では、走行体支持機構130の支持部材が2本の脚部を有する場合について説明したが、これに限定されず、例えば脚部は1本であってもよい。第6の実施形態では、脚部が1本の支持部材を用いた例について説明する。
【0064】
図11は、第6の実施形態に係る二輪走行玩具を説明するための図である。図11において図1と対応する部分には同一符号を付し、係る部分の説明は省略する。
【0065】
図11に示すように、本実施形態では、走行体支持機構130は、上部ガイド部材としての柱状のガイドピン1331と、ガイドピン1331を遊動可能に保持する保持部1333を有する先端が屈折したポール状の支持部材1332とから構成されている。保持部1333は、走行台120の略中央部分に設置されており、二輪走行体110の本体116には、支持部材1332を通すための貫通孔150が設けられている。貫通孔150は、二輪走行体110の進行方向に対して左右方向に広がっており、二輪走行体110の走行時に二輪走行体110と走行台120との位置がずれると、保持部1333を介して傾斜するようになされている。また、後輪115の駆動力は、ガイドピン1331及び支持部材1332を介して走行台120に伝えられるか、或いは、貫通孔150に通した支持部材1332を本体116が直接押すことにより走行台120に伝えられてもよい。
【0066】
本実施形態によれば、上記のような走行体支持機構130を備えることで、二輪走行体110と走行台120との位置差に応じて二輪走行体110の走行姿勢を傾けることができ、ガイド付き走行路のコースに合わせて柔軟に走行姿勢を傾けることができるので、コーナーにおいてもコースアウトがし難くなり、また、実際に走行しているようなリアル感を出すことが可能となる。
【0067】
以上、本発明の二輪走行玩具について説明したが、本発明の二輪走行玩具は上記実施形態に限定されることなく、本発明の範囲を逸脱することのない範囲において種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】図1(a)は、本発明の第1の実施形態に係る二輪走行玩具を説明するための概略図である。図1(b)は、走行路210の他の例を示す図である。
【図2】図2は、走行台120の構造を説明するための図である。ここで、図2(a)は走行台120の正面図であり、図2(b)は上面図であり、図2(c)は横面図である。
【図3】図3は、二輪走行玩具の動作を説明するための図である。
【図4】図4は、二輪走行玩具の動作を説明するための図である。
【図5】図5は、走行台120の移動案内溝122の平面方向の形状を説明するための図である。
【図6】図6は、走行台120の移動案内溝122の深さ方向の形状を説明するための図である。
【図7】図7は、第2の実施形態に係る二輪走行玩具を説明するための図である。
【図8】図8(a)は、第3の実施形態に係る二輪走行玩具を説明するための図である。図8(b)は、第3の実施形態に係る二輪走行玩具の走行体支持機構の変形例を示す図である。
【図9】図9は、第4の実施形態に係る二輪走行玩具を説明するための図である。
【図10】図10は、第5の実施形態に係る二輪走行玩具を説明するための図である。
【図11】図11は、第6の実施形態に係る二輪走行玩具を説明するための図である。
【符号の説明】
【0069】
100 二輪走行玩具、110 二輪走行体、111 ハンドル部材、112 前輪フォーク部材、113 前輪、114 後輪フォーク部材、115 後輪、116 本体、120 走行台、122 移動案内溝、123 走行ガイド部材、124 ブラシ、125 ローラ、126 磁石、127 電線、130 走行体支持機構、132 上部ガイド部材、134 橋架構造体、144 下部ガイド部材、150 貫通孔、210 走行路、212 ガイド、214 給電線、1301 ガイドピン、1302 橋架構造体、1303 保持部、1305 上部ガイド部材、1306 アーム部材、1307 脚、1308 球体、1309 受け部、1310 橋架構造体、1312 円柱部材、1313 脚、1314 円筒部材、1315 橋架構造体、1320 橋架構造体、1331 ガイドピン、1332 支持部材、1333 保持部
【出願人】 【識別番号】597047130
【氏名又は名称】株式会社ウィズ
【出願日】 平成18年7月4日(2006.7.4)
【代理人】 【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸

【識別番号】100093861
【弁理士】
【氏名又は名称】大賀 眞司

【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史


【公開番号】 特開2008−11997(P2008−11997A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−184852(P2006−184852)