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【発明の名称】 走行玩具
【発明者】 【氏名】坂本 聡

【要約】 【課題】遠隔操作することなく走行中にパラシュートが開き、その後ブレーキをかけて強制的に走行を止めることができる走行玩具を提供すること。

【構成】フライホイール3を駆動力として駆動輪1を回転させて走行する走行玩具Aであって、この走行玩具Aはパラシュート3を発射する発射装置6と、上記駆動輪1を強制的に止めるブレーキ装置7とを備え、上記発射装置6と、上記ブレーキ装置7とは自由輪2の回転に連係して作動する駆動機構8によって走行中に作動し、上記駆動機構8は、上記発射装置6を起動後、一定距離走行後に上記ブレーキ装置7を起動させるようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フライホイールを駆動力として駆動輪を回転させて走行する、以下の要件を備えることを特徴とする走行玩具。
(イ)上記走行玩具は、上記駆動輪を強制的に止めるブレーキ装置を備えること
(ロ)上記ブレーキ装置は自由輪の回転に連係して作動する駆動機構によって一定の距離を走行した後、作動すること
【請求項2】
以下の要件を備えることを特徴とする請求項1記載の走行玩具。
(イ)前記走行玩具は、パラシュートを発射する発射装置を備えること
(ロ)上記発射装置は前記自由輪の回転に連係して作動する前記駆動機構によって走行中に作動すること
【請求項3】
前記駆動機構は、前記発射装置を起動後、一定距離走行後に前記ブレーキ装置を起動させることを特徴とする、請求項1及び2記載の走行玩具。
【請求項4】
前記駆動機構は、前記発射装置に係合し、該発射装置を作動させる係合部を備え、該係合部は前記自由輪の回転をスライド移動に変換する変換部材に設けた、請求項1、2及び3記載の走行玩具。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、走行玩具、詳しくは遠隔操作することなくパラシュートが開き、その後ブレーキがかかる走行玩具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、走行中に状態が変化する様々な走行玩具が提案され、走行中にパラシュートが開く走行玩具におけるパラシュート放出装置が提案されている(例えば、特許文献1)。このパラシュート放出装置は、巻き上げたゼンマイの巻き戻り力で駆動輪を回転させて走行するとともに、係止機構を作動させてパラシュート収容体の係止を解除させてパラシュートを放出するようにしたものである。
【特許文献1】特開昭63−158092号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする問題点は、上述のパラシュート放出装置はゼンマイの巻き戻り力でパラシュートの収容体の支持部を解除する係止機構を作動させるともに、駆動輪を回転させるもので、走行中に障害物にぶつかって駆動輪が空転している状態であっても、パラシュートは自動的に放出されてしまい、しかも、パラシュートが放出されてもゼンマイが完全に巻き戻るまでは停車せず走行を続け、あたかもパラシュートが開くことにより減速したような状況にはならずリアル感に欠けるものであった。
【0004】
本発明は、上記問題点を解決し、遠隔操作することなく走行中にパラシュートが開き、その後ブレーキをかけて強制的に走行を止めることができる走行玩具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために本発明に係る走行玩具は、フライホイールを駆動力として駆動輪を回転させて走行する、以下の要件を備えることを特徴とする。
(イ)上記走行玩具は、上記駆動輪を強制的に止めるブレーキ装置を備えること
(ロ)上記ブレーキ装置は自由輪の回転に連係して作動する駆動機構によって一定の距離を走行した後、作動すること
【0006】
なお、前記走行玩具は以下の要件を備えることが好ましい。
(イ)前記走行玩具は、パラシュートを発射する発射装置を備えること
(ロ)上記発射装置は前記自由輪の回転に連係して作動する前記駆動機構によって走行中に作動すること
【0007】
また、前記駆動機構は、前記発射装置を起動後、一定距離走行後に前記ブレーキ装置を起動させることが好ましい。
【0008】
そして、前記駆動機構は、前記発射装置に係合し、該発射装置を作動させる係合部を備え、該係合部は前記自由輪の回転をスライド動作に変換する変換部材に設ければよい。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明によれば、自由輪の回転力を利用してブレーキ装置を作動させるので、遠隔操作することなく走行中にブレーキがかかる走行玩具を実現することができる。
【0010】
請求項2の発明によれば、自由輪の回転力を利用して発射装置を作動させるので、実際に走行している状態でなければパラシュートは開かないので、走行しない状態でもゼンマイなどの駆動力で発射装置を作動させてパラシュートを発射する従来の走行玩具の不自然さを回避した走行玩具を実現できる。
【0011】
請求項3の発明によれば、走行中にパラシュートが開いて一定距離走行すると強制的にブレーキがかかるので、あたかもパラシュートにより走行玩具が停止させられたように見え、単にパラシュートが開くだけではなく、走行も制御されるリアル感のある走行玩具を実現することができる。
【0012】
請求項4の発明によれば、自由輪の回転を変換部材でスライド移動に変換し、この変換部材に発射装置に係合する係合部を設けたので、自由輪の回転がなければ係合部は発射装置に係合しないので、走行玩具が確実に走行しなければ発射装置はパラシュートを発射できないようにすることができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1(a)〜(c)は、本発明に係る走行玩具Aの動作態様を示し、図示しないスターターで、走行玩具Aに備えたフライホイールを回転させ、このフライホイールを駆動力として回転する駆動輪(後輪)1と、自由輪(前輪)2とで走行するようにしたもので、この走行玩具Aは、走行中にパラシュート3が開き、パラシュート3が開くと自動的にブレーキがかかって減速し、強制的に停車するようになっているものである。
【0014】
上記走行玩具Aは、図2のカバーを外した状態の斜視図に示すように、フライホイール4を備えたフライホイールユニット5と、パラシュート3を発射させる発射装置6と、駆動輪1の回転を強制的に止めるブレーキ装置7とを備えたもので、上記発射装置6とブレーキ装置7とは前輪2の回転に連係して作動する駆動機構8によってその起動が制御されている。
【0015】
なお、図2において、符号27は、前輪2を走行面に密着させ、走行時には前輪2が走行面をグリップして確実に回転させるための金属製の錘を示す。
【0016】
図3及び図4に示すように、駆動機構8は前輪2の車軸10に固定されたウォームギヤ11と、このウォームギヤ11に噛み合う2段歯車12の平歯車12aと、この平歯車12aの下面に一体に形成された小歯車12bに噛み合う平歯車14と、この平歯車14に噛み合い、前輪2の回転をスライド動作に変換する変換部材であるカムギヤ15とで構成され、上記カムギヤ15は車台16に形成された支軸17に前後方向に回動可能に軸支され、後輪1が回転して走行玩具が前進すると、走行面に接した前輪2が前転して、ウォーギヤ11、平歯車12a、小歯車12b、平歯車14を介して、カムギヤ15が時計方向(後方)に回動し、後述する係合部26がスライド移動するようになっている。
【0017】
上記2段歯車12は、支軸20に沿って上下に移動可能に軸支されているが、常にスプリング21で下方に付勢され、スプリング21に付勢されて下方に移動している状態では小歯車12bと平歯車14とは噛み合い、スプリング20に抗して上方に移動させられた時には、小歯車12bと平歯車14との噛み合いは外れるようになっている。
【0018】
上記カムギヤ15はスプリング22で支軸17を中心に反時計方向(前方)に回動するように付勢され、カムギヤ15の上面には発射装置6に係合する係合部である係合軸26が上方に突出して形成され、カムギヤ15が後方に回動したときには、上記係合軸26は後述する発射装置6のトリガーレバー42に係合し(図5(a)参照)、さらに回動すると、カムギヤ15のカム面15aはブレーキ装置7のレバー61の側面に当接し、これを後方に回動させるようになっている(図5(b)参照)。
【0019】
このカムギヤ15は、2段歯車12が上動し、小歯車12bと平歯車14との噛み合いが外れると、カムギヤ15はスプリング22の収縮力で前方(反時計方向)に復帰回動し、係合軸26による発射装置6のトリガーレバー42の押圧と、ブレーキ装置7のレバー61の押圧とを解除するようになっている。
【0020】
上記2段歯車の上動は解除機構9によってなされる。この解除機構9は2段歯車12の平歯車12aの底面に一端30aが係合するシーソー30と、このシーソー30の他端30bに係脱するスライダー31とで構成され、このスライダー31は車台16に形成されたガイド軸32に長穴33がガイドされ、前後にスライドできるようになっており、スプリング34で常に後方にスライドするように付勢され、スライダー31の後端に形成された操作軸35が走行玩具Aの後面から後方に突出するようになっており、スライダー31の前部には前面が前上がりの斜面36aが形成された係合板36が形成され、図6(a)に示すように、スプリング34に抗して操作軸35を前方に押し操作すると、スライダー31が前進し、係合板36の斜面36aがシーソー30の他端30bに係合し、これを押し下げるのでシーソー30の一端30aが上昇させられて2段歯車12をスプリング21に抗して押し上げるので、小歯車12bと平歯車14との噛み合いを外すことができるようになっている(図6(b)参照)。
【0021】
操作軸35の押圧を解除すると、図6(c)に示すように、スプリング34に付勢されてスライダー31が後方に移動し、係合板36の斜面36aによるシーソー30の一端30aの押し下げが解除されるので、他端30bによる2段歯車12の押し上げは解除されるので、2段歯車12はスプリング21に付勢されて下動し、2段歯車12の小歯車12bは平歯車14に再び噛み合うことになる。
【0022】
発射装置6は、図7(a)に示すように、発射筒40とピストン41とトリガーレバー42とで構成されている。発射筒40は太い筒部43と細いガイド筒44とが連接して構成され、車台16に形成された支柱45の先端に固定されている。ピストン41は、図7(b)に示すように、発射筒40の筒部43内に収容される発射板46と、この発射板46の背面から後方に突出したピストン軸47とで構成され、このピストン軸47がガイド筒44にガイドされ、ガイド筒44内に収容したスプリング48で前方に付勢されている。
【0023】
ピストン軸47に形成された係止凸部49はガイド筒44に形成されたガイド溝50から突出し、トリガーレバー42の係止片54に係止されるようになっており、係止片54が係止凸部49を係止した状態では、スプリング48を圧縮した状態で発射板46が筒部43の内部に引き込まれ、ピストン41の前進が阻止された状態になっている。
【0024】
なお、トリガーレバー42は軸部52がガイド筒44の上面に固定された軸受53に軸支され、軸部52を中心に上下に回動可能に軸支されているが、トリガーレバー42に形成されたフック55と、ガイド筒44の先端部に形成されたフック56との間に掛け渡されたスプリング57に付勢されて、係止片54が常にガイド溝50の上に当接している。
【0025】
ブレーキ装置7は、車台16に形成された支軸60に前後に回動可能に軸支されるとともに先端が後方に曲折して、略逆L字状に形成されたブレーキレバー61と、後輪1の車軸62に固定され、周面がゴムで形成されたブレーキディスク63とで構成され、ブレーキレバー61の先端61aにはコイルスプリング64が取り付けられている。
【0026】
このブレーキ装置7は、カムギヤ15が後方に回動すると、カム面15aがブレーキレバー61の側面61aに当接し、カムギヤ15によってブレーキレバー61が押されて後方に回動すると、コイルスプリング64がブレーキディスク63に押し付けられ、ブレーキディスク63の回転を邪魔するようになり、結果的に後輪の回転を強制的に停止させるようになっている。
【0027】
次に、上記構成の走行玩具の使用態様について説明する。
【0028】
先ず、パラシュート3を丸めて筒部43内に押し込む。この押し込みによってピストン41が押し込まれ、係止凸部49が係止片54に係止され、スプリング48を圧縮した状態でピストン41が発射筒40内に保持されている。
【0029】
パラシュート3が装填された走行玩具は、図示しないスターターにセットし、スターターの出力歯車にフライホイールユニット5の歯車65を噛み合わせた状態で、スターターを始動させ、出力歯車の回転で、歯車65を回転させてフライホイール4を回転させ、後輪1を高速で回転させる。スターターのセットを解除するとフライホイール4の慣性力で回転している後輪1が走行面をグリップして走行を開始する。走行玩具Aが走行を始めると錘27で前輪2が走行面に圧接しているので、前輪2は確実に回転させられる。
【0030】
前輪2が回転すると、前輪2の車軸10に固定されたピニオン11に噛み合った2段歯車12が回転し、この2段歯車12に噛み合う中間歯車14が回転すると、カムギヤ15が後方に回動を始める(図5(a)及び図8(a)参照)。
【0031】
走行玩具Aの走行が継続すると、カムギヤ15の係合軸26がトリガーレバー42の下部に係合し、これを後方に押し始める。トリガーレバー42の下部が押されるとトリガーレバー42は支軸52を中心に上方に回動し、やがてトリガーレバー42の係止片54によるピストン41の係止凸部49の支持部が解除され、ピストン41はスプリング48に付勢されて後方に飛び出す。
【0032】
ピストン41の先端にはパラシュート3が取り付けられているので、パラシュート3は発射筒40から発射されることになる(図8(b)参照)。
【0033】
駆動輪1はフライホイール4の慣性力で回転が継続すると、カムギヤ15はさらに後方に回動し、カムギヤ15のカム面15aはブレーキレバー61の背面61aに当接してブレーキレバー61を後方に回動させる(図5(b)参照)。
【0034】
ブレーキレバー61が後方に回動すると、先端に取り付けられたコイルスプリング64が後輪1の車軸62に固定されたブレーキディスク63の表面に接触する(図8(c)参照)。このブレーキディスク63にはゴムが周設されているので、コイルスプリング64の先端がブレーキディスク63の表面に押し付けられると、ブレーキディスク63の回転が抑制され、後輪1にブレーキがかけられた状態になり、フライホイール4の回転も抑制されて走行玩具Aは停止することになる(図1(c)参照)。
【0035】
上述したように、パラシュート3が発射された後、一定距離走行すると、ブレーキがかかり、あたかもパラシュート3が開いて空気抵抗で減速したような印象を与え、リアル感のある走行玩具Aを実現することができる。
【0036】
しかも、駆動源を持たない前輪2の回転を利用して駆動機構8を作動させるので、駆動源を持つ後輪1の回転を利用して駆動機構8を作動させる場合に比べ、車輪のスリップはないために、実際に走行をしなければパラシュート3は開かないことになり、駆動輪を回転させるためのモータやゼンマイなどの駆動力を利用してパラシュートを開くようにした従来の走行玩具のパラシュート発射機構では実現できない走行玩具を実現することができる。
【0037】
しかも、パラシュート3が開いてから強制的に後輪1を止めるように働きかけるようにしたので、あたかもパラシュート3が開いてブレーキがかかったような印象を与えることができる走行玩具を実現することができる。
【0038】
なお、上述の走行玩具はスターターにセットしてフライホイールを回転させるようにしたが、ラックギヤが形成されたラックベルト(図示せず)を走行玩具Aの後ろから挿通し、ラックギヤをフライホイールユニット5の歯車65に噛み込ませた後、ラックベルトを勢いよく引き抜いてフライホイール4を直接回転させるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】(a)〜(c)は本発明にかかる走行玩具の走行態様の説明図
【図2】上記走行玩具のカバーを外した状態の内部構造を説明する斜視図
【図3】上記走行玩具の分解斜視図
【図4】上記走行玩具のカバーを外した状態の平面図
【図5】(a)(b)は駆動機構の動作を説明する上記走行玩具のカバーを外した状態の平面図
【図6】(a)〜(c)は上記走行玩具のパラシュートを収容するまでの操作説明図
【図7】(a)(b)は発射装置及び発射装置の分解斜視図
【図8】(a)〜(c)は上記走行玩具のパラシュートが開いてブレーキがかかるまでの動作説明図
【符号の説明】
【0040】
1 駆動輪(後輪)
2 自由輪(前輪)
3 パラシュート
4 フライホイール
5 フライホイールユニット
6 発射装置
7 ブレーキ装置
8 駆動機構
15 変換部材(カムギヤ)
26 係合部(係合軸)
【出願人】 【識別番号】000003584
【氏名又は名称】株式会社タカラトミー
【出願日】 平成18年7月3日(2006.7.3)
【代理人】 【識別番号】100074918
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬川 幹夫


【公開番号】 特開2008−11896(P2008−11896A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−183058(P2006−183058)