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【発明の名称】 パチンコ機
【発明者】 【氏名】佐藤 孝弘

【氏名】川島 哲

【要約】 【課題】揺動角を検出するセンサが故障した場合でも、揺動を続けることができる振り分け装置を備えたパチンコ機の提供。

【解決手段】傾斜により遊技球199を誘導し、揺動により遊技者に有利な方向と不利な方向とに遊技球199を振り分ける振り分け手段201と、前記振り分け手段201を往復に回動させて揺動させるステッピングモータ202と、前記振り分け手段201の所定の位置を検出する位置検出手段210と、前記位置検出手段210からの信号をトリガーとして前記振り分け手段201を不利な方向に反転するよう前記ステッピングモータ202の回動を制御し、前記位置検出手段210が故障の際は、前記所定の位置に到達する前の前記振り分け手段201が有利な方向に傾く段階で前記振り分け手段201を不利な方向に反転させるように前記ステッピングモータ202を制御するモータ制御手段とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤上を転落する遊技球が載置されると共に傾斜により前記遊技球を誘導し、揺動により遊技者に有利な方向と不利な方向とに前記傾斜状態を変化させて遊技球を振り分ける振り分け手段と、
前記振り分け手段を往復に回動させて揺動させるステッピングモータと、
前記振り分け手段の所定の位置を検出する位置検出手段と、
前記位置検出手段からの信号をトリガーとして前記振り分け手段を不利な方向に反転するよう前記ステッピングモータの回動を制御し、前記位置検出手段が故障の際は、前記トリガーとなる信号と同レベルの信号を前記位置検出手段から取得することにより前記所定の位置に到達する前の前記振り分け手段が有利な方向に傾く段階で前記振り分け手段を不利な方向に反転させるように前記ステッピングモータを制御するモータ制御手段と
を備えるパチンコ機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機に関し、特に、遊技盤上を転落する遊技球の転落方向を振り分ける振り分け手段を備えるパチンコ機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ機に設置される可動役物は、ステッピングモータにより駆動されるものが存在する。例えば、下記特許文献1には、ステッピングモータを使って役物を回転させる際に、ステップ数により役物の位置を特定し、基準位置に近い回転方向に役物を回転させる技術が開示されている。また、下記特許文献2には、遊技球を収容可能な深さの異なる凹陥部が回転体の外周から回転軸に向けて複数形成され、ステッピングモータで回転駆動される振り分け手段が開示されている。この振り分け手段は、遊技球が収容される凹陥部の深さの違いにより、一定方向の回転を続けることで遊技球の転落先を振り分けるものである。
【0003】
ステッピングモータを用いれば、上記役物の回転や揺動を正確に制御することができ、また、パチンコ機に供給される電圧が安定しない場合でもモータの回転速度が大きく変化しないため、役物を安定した状態で駆動することが可能である。
【特許文献1】特開2004−254974号公報
【特許文献2】特開2005−246034号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところがパチンコ機の場合、役物等に遊技球が衝突したり、複数個の遊技球が役物等に乗ることで実際の役物等の位置とステッピングモータを制御する情報との間でずれが生じることがある。
【0005】
上記ずれはセンサなどを用いて役物などの位置を常に監視し、ずれが発生するたびに補正を行うことは可能であるが、前記役物の位置を検出するセンサの故障により補正が不可能となったり、いわゆるゴトと呼ばれる不正行為によりセンサが破壊され強制的に故障状態となるなどしてずれの補正ができなくなり、遊技者にとって有利な状態ばかりに役物が傾くなどの異常な状態が持続することが考えられる。このような場合、パチンコホールの不利益につながることとなる。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、振り分け手段の揺動位置を検出するセンサが故障したり破壊されたような場合に、遊技者の有利な状態が持続することなく振り分け手段を動作させることを可能とするパチンコ機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明にかかるパチンコ機は、遊技盤上を転落する遊技球が載置されると共に傾斜により前記遊技球を誘導し、揺動により遊技者に有利な方向と不利な方向とに前記傾斜状態を変化させて遊技球を振り分ける振り分け手段と、前記振り分け手段を往復に回動させて揺動させるステッピングモータと、前記振り分け手段の所定の位置を検出する位置検出手段と、前記位置検出手段からの信号をトリガーとして前記振り分け手段を不利な方向に反転するよう前記ステッピングモータの回動を制御し、前記位置検出手段が故障の際は、前記トリガーとなる信号と同レベルの信号を前記位置検出手段から取得することにより前記所定の位置に到達する前の前記振り分け手段が有利な方向に傾く段階で前記振り分け手段を不利な方向に反転させるように前記ステッピングモータを制御するモータ制御手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
これにより、振り分け手段の揺動角を検出するセンサが故障した場合や破壊された場合でも、遊技者にとって有利な状態ばかりが発生するような異常な状態にならないように振り分け手段を制御することができ、振り分け手段の動作を維持し続けるような制御を行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0009】
揺動角を検出するセンサが故障した場合でも、異常な状態になることなく揺動を続けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明にかかるパチンコ機の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0011】
図1は、本発明の実施の形態におけるパチンコ機の斜視図である。
【0012】
本実施の形態におけるパチンコ機100は、図1(a)に示すように、外枠111、前枠112、窓枠113などを備えている。また、パチンコ機100の背部には、図1(b)に示すように、液晶ディスプレイなどの表示制御を行なう演出表示基盤121、各種遊技音の出力制御を行なう音サブ基盤122、入賞時におけるパチンコ機100の動作等を含むパチンコ機100の主要な動作を制御する主基盤123、遊技球の払い出し動作を制御する払出基盤124、各基盤等に電源を供給する電源基盤125等の各種基盤が例えば透明ケースに収納された状態で取り付けられている。
【0013】
外枠111は、パチンコホールの台島に直接取り付けられる部材であり、前後面が開口するように四角筒状に形成されている。
【0014】
前枠112は、外枠111の前端面に左側辺部とヒンジを介して取り付けられている。従って、台島に取り付けられた状態においても、ヒンジを介して前枠112を開閉することができるものとなっている。なお、この前枠112の前面下部には、上面が開口する下皿114と、上面が開口する上皿115とが固定されている。
【0015】
さらに、前枠112には、下皿14の右側方部にハンドル台116が固定されており、ハンドル台116には発射ハンドル119が回動自在に装着されている。この発射ハンドル119の後方には発射モータ(図示せず)が固定されており、発射モータの回転軸には打球槌が連結されている。この発射モータは打球槌の駆動源に相当するものであり、発射ハンドル119が回動操作されたときには発射モータに駆動電源が与えられ、打球槌が駆動することに基づいて上皿115内から供給される遊技球を遊技盤に弾き出す。
【0016】
窓枠113は、前枠112の前面にヒンジを介して前枠112に取り付けられている。また、窓枠113は、透明なガラス窓117aで内側から閉塞された円形孔状の窓部117を有している。さらに窓枠113は、左上隅部および右上隅部の裏面に遊技音を出力するスピーカ118を備えている。
【0017】
また、パチンコ機100は、窓枠113の後ろ側に遊技盤を備えている。以下、この遊技盤について図2を用いて説明する。
【0018】
図2は、遊技盤の正面図である。
【0019】
遊技盤130は、上述のように前枠112に取り付けられており、窓枠113のガラス窓117aを介して遊技盤130が見えるように配置されている。
【0020】
遊技盤130は、板体131に、特定入賞口132と、始動ゲート133と、大入賞口134と、一般入賞口135と、役物136と、役物口137と、遊技球通路138と、振り分け手段201とが取り付けられたものとなっている。
【0021】
板体131は、遊技盤130を構成する各構成部材を固定するための板である。なお、上記の他に、板体131には遊技球の転落方向を複雑にするための釘(図示せず)も植設されている。
【0022】
一般入賞口135は、上面が常時開口しているポケット状に形成されており、一般入賞口135に遊技球が入賞したことを検知するスイッチ(図示せず)を備えている。
【0023】
始動ゲート133は、上面及び下面が常時開口しているゲート状に形成されており、始動ゲート133内を遊技球が通過したことを検知するスイッチ(図示せず)を備えている。なお、始動ゲート133内を遊技球が通過しても賞球の払出は行われない。
【0024】
役物口137は、遊技球199を遊技球通路138に導くための板体131に設けられた横長矩形の孔である。また、役物口137には、役物口137を通常閉塞状態とし、所定の信号(例えば始動ゲート133への遊技球の通過)に基づき役物口137を一定時間開放する横長矩形の蓋体141が設けられている。この蓋体141は、下縁を軸とし、役物口137の上部を広く開放できるように遊技盤130の前方に向かって上縁部が傾倒し、蓋体141の裏側で転落してくる遊技球199を受け止めることが可能となっている。
【0025】
遊技球通路138は、役物口137に入った遊技球199を振り分け装置まで導くための通路である。なお、同図中には遊技球通路138内の遊技球199の経路を矢印で示している。
【0026】
役物136は、遊技球199の転落を阻害する障害物を回転させることなどにより遊技球199の転落経路を複雑化しランダムとする装置である。同図に示される役物136は、障害物である複数の突起を備えた円板を傾斜状に配置し、円板の中心を軸として回転させることで、役物口137と遊技球通路138を経て振り分け手段201により役物側に振り分けられた遊技球199の転落を阻害している。
【0027】
特定入賞口132は、上面が常時開口したポケット状の部材であり、役物136の下方において左右方向に揺動を繰り返すものである。
【0028】
上記役物136の回転と特定入賞口132の揺動により、ある確率の範囲で特定入賞口132に遊技球199が入賞するものとなされている。
【0029】
大入賞口134は、板体131に設けられる横長矩形の孔であり、遊技球199が入賞したことを検知するスイッチ(図示せず)を備え、大入賞口134に入賞した遊技球199の数に応じた賞球の払い出しを実行させる信号を発生させるものである。また、大入賞口134は、役物口137と同様、大入賞口134を通常閉塞状態とし、所定の信号(特定入賞口132への遊技球の入賞)に基づき大入賞口134を一定時間毎に所定の回数開放する扉体142を備えている。
【0030】
振り分け手段201は、遊技球通路138を通り落下する遊技球199を受け止めつつ、振り分け手段201自らが揺動し傾斜状態が変動することにより、遊技球199を左右に振り分ける部材である。なお詳細は次に述べる。
【0031】
図3は、振り分け装置を示す斜視図である。
【0032】
同図に示すように、振り分け装置200は、振り分け手段201と、ステッピングモータ202と、揺動規制板203と、位置センサ204と、原点センサ205とを備えている。なお、揺動規制板203と、位置センサ204と、原点センサ205とは、位置検出手段210を構成している。
【0033】
ステッピングモータ202は、振り分け手段201と直接接続され、振り分け手段201を正転方向と逆転方向とに順次駆動させて振り分け手段201を揺動させるモータである。
【0034】
揺動規制板203は、振り分け手段201と所定の間隔を開けて一体に接続される円板であって、図4に示すように、周縁部に放射状に切りかかれた切欠き部214と、切欠き部214と対向する周縁部に設けられるスリット215とを備えている。さらに、スリット215に対し中心に近い位置に半径方向に延び揺動規制板203から一体に突設された突設部218を備えている。
【0035】
位置センサ204は、切欠き部214に対応する位置にステッピングモータ202本体(回転しない部分)に対し固定されるセンサであり、振り分け手段201の揺動角を検出するセンサである。特に、振り分け手段が有利な方向に傾く限界の揺動角をも検出することが可能である。本実施の形態の場合、位置センサ204は、発光素子と受光素子とが所定の間隔を開けて対向状に一体に配置される素子であり、前記発光素子が遮光されたか否かを受光素子が検出する素子である。位置センサ204は、故障した場合、発光素子が遮光された状態と同様の状態として認識されるものとなっている。
【0036】
原点センサ205は、スリット215に対応する位置にステッピングモータ202本体(回転しない部分)に対し固定されるセンサであり、スリット215の通過を検出することで振り分け手段201の原点位置を検出するセンサである。本実施の形態の場合、原点センサ205は、位置センサ204と同様、発光素子と受光素子とが所定の間隔を開けて対向状に一体に配置される素子である。
【0037】
なお、位置センサ204と原点センサ205とは、それぞれプリント基板217に接続されており、プリント基板217に接続されるコネクタ216を介して信号を出力することができるようになっている。
【0038】
図5は、振り分け装置を遊技盤に固定するための基体を示す平面図である。
【0039】
同図に示される基体250は、一体に成形されたプラスチック製の部材であり、振り分け装置200が取り付けられるものである。基体250は、左ストッパ251と、右ストッパ252と、プリント基板保持部253と、軸孔254と、ねじ孔255とを備えている。
【0040】
左ストッパ251と右ストッパ252とは、基体250に対し一体に突設されており、揺動規制板203に設けられた突設部218と係合することにより振り分け手段201の傾動を物理的に規制することができるものである。
【0041】
プリント基板保持部253は、位置センサ204や原点センサ205が取り付けられるプリント基板217を挟持状に保持することのできる部分である。
【0042】
ねじ孔255は、ステッピングモータ202を固定するための雌ねじが設けられた孔である。
【0043】
軸孔254は、基体250に固定されたステッピングモータ202の回転軸が挿通される孔である。
【0044】
なお、ステッピングモータ202は、左ストッパ251や右ストッパ252等が突設される基体250の面とは反対側に取り付けられ、ステッピングモータ202の回転軸が軸孔254を通過し左ストッパ251等と同方向に突出するように基体250に取り付けられている。
【0045】
図6は、パチンコ機の機能構成の一部を振り分け装置と共に示すブロック図である。
【0046】
同図に示す制御部300は、振り分け手段201を揺動させるためにステッピングモータ202を制御するための処理部であり、位置検出部301と、原点検出部302と、モータ制御部303とを備えている。
【0047】
位置検出部301は、位置センサ204から4msec毎に信号を取得し、振り分け手段201が所定の揺動角に達したか、すなわち、切欠き部214の周方向端縁が位置センサ204を遮蔽したか否かを検出する処理部である。具体的には、位置検出部301は、位置センサ204が遮光されていない時は”0”の信号を検出し、遮光されているときは”1”の信号を検出する。そして、位置検出部301は4msec毎に位置センサ204から信号を取得する。
【0048】
また、位置検出部301は、位置センサ204が故障している場合、位置センサ204が遮光状態、すなわち”1”の信号のみを検出しつづけ、位置センサ204は遮蔽された状態をモータ制御部303に送信し続けることとなる。
【0049】
原点検出部302は、原点センサ205から4msec毎に信号を取得し、振り分け手段201が原点に達したか、すなわち、スリット215が原点センサ205に位置したか否かを検出する処理部である。ここで原点とは、振り分け手段201が揺動する途中の任意の一状態を任意に定めた点であり、本実施の形態では、振り分け手段201が水平状態になった点を原点としている。
【0050】
具体的には、原点検出部302は、原点センサ205が遮光されている時は”0”の信号を検出し、遮光されていないときは”1”の信号を検出する。そして、原点検出部302は、4msec毎に原点センサ205から信号を取得する。また、原点検出部302は、前記信号を保持するメモリを4bit分備え、最新の信号を最も下の桁に保持させると共に、今まで保持していた信号は一桁ずつ高位の桁にシフトさせ最も高位の桁にあった信号は破棄する構成が採用されている。
【0051】
従って、原点センサ205が遮光されているときは、前記メモリは”0000”となり、揺動規制板203のスリット215が原点センサ205に位置した瞬間は”0001”となる。次の信号を取得すると”0011”となる。
【0052】
そして、原点検出部302は、前記メモリの値が2進数で1、すなわち”0001”の時に、原点センサ205にスリット215が位置したと認識し、その旨をモータ制御部303に送信する構成が採用されている。
【0053】
原点検出部302は、原点センサ205が故障して原点センサ205からの信号が”0”のみ、または、”1”のみしか取得できない場合、原点センサ205にスリット215が到達したと認識することができないものとなっている。
【0054】
モータ制御部303は、ステッピングモータ202の正転と逆転とを1STEPずつ制御することができる処理部であり、ステッピングモータ202を何STEP分回転させたかをカウントするステップカウンタを備えている。また、このステップカウンタは外部からの信号に基づき初期状態に戻すことが可能となっている。
【0055】
モータ制御部303は、位置検出部301からの信号や、原点検出部302からの信号に基づき、ステップカウンタを初期状態に戻す構成が採用されている。
【0056】
次に、振り分け装置200の動作を制御する手順を説明する。
【0057】
図7は、振り分け手段と一体に動く揺動規制板の揺動状態を概略的に示す図である。
【0058】
同図に基づき、ステッピングモータ202の制御の概要を説明する。
【0059】
<1>
まず、位置センサが遮蔽されるか、ステップカウンタの値が252になるまで、ステッピングモータ202を右に回転させる。
【0060】
ここで、位置センサ204が故障している場合、常に位置センサ204が遮蔽されていると認識されるため、モータ制御部303の制御段階がこの段階に移行するとすぐに次の制御段階に移行することになる。
【0061】
<2>
上記条件を満たしてから、さらに100STEP分ステッピングモータ202を右に回転させる(追加回転)。
【0062】
<3>
100STEPに到達したら、次に、原点センサ205が透過状態になるか、ステップカウンタの値が252になるまで、ステッピングモータ202を左に回転させる。
【0063】
<4>
上記条件を満たしてから、さらに位置センサ204が遮蔽されるか、ステップカウンタの値が240になるまで、ステッピングモータ202を左に回転させる。
【0064】
ここで、位置センサ204が故障している場合、常に位置センサ204が遮蔽されていると認識されるため、モータ制御部303の制御段階がこの段階に移行するとすぐに次の制御段階に移行することになり、振り分け手段201を遊技者にとって不利な方向に反転させることが可能となる。
【0065】
<5>
上記条件を満たせば、次に、原点センサ205が透過状態になるか、ステップカウンタの値が252になるまで、ステッピングモータ202を右に回転させる。
【0066】
以上の<1>〜<5>を繰り返すことで、振り分け手段201は揺動を繰り返すことができる。
【0067】
また、位置センサ204が故障している場合は、遊技者にとって不利な方向に振り分け手段201を傾かせることなく振り分け手段201は揺動を繰り返すことができる。
【0068】
次にステッピングモータ202の制御手順を詳細に説明する。
【0069】
図8は、ステッピングモータの制御のためのメインフローを示すフローチャートである。
【0070】
同図に示すように、まず、パチンコ機100に電源を投入すると、初期設定がなされる。具体的には、ステップカウンタを”0”に設定し(S100)、回転方向フラグを”0”に設定し(S103)、追加回転フラグを”0”に設定し(S106)、原点通過フラグを”1”に設定する(S100)。
【0071】
次に、メインルーチンが開始される、メインルーチンの最初として、原点センサ205が透過状態か否かが判断される(S112)。本実施の形態の場合、図7<5>などに示す状態、すなわち、揺動規制板203に設けられたスリット215が原点センサ205配置位置に到達し、原点センサ205の発光素子からの光が揺動規制板203により遮光されずに受光素子にまで到達した場合に原点センサが透過状態となる。
【0072】
原点センサ205が遮蔽状態と判断されると(S112:N)、原点センサフラグが”0”に設定され(S118)、原点を通過していると判断されると(S112:Y)、原点通過フラグが”1”に設定される(S115)。
【0073】
次に、位置センサが遮蔽されたか否かが判断される(S121)。本実施の形態の場合、図7<1>に示す状態、すなわち、揺動規制板203に設けられた切欠き部214の周方向端縁が位置センサ204配置位置に到達し、位置センサ204の発光素子からの光が揺動規制板203により遮蔽されたと判断される。
【0074】
位置センサ204が遮蔽されたと判断されない場合(S121:N)、位置センサフラグが”0”に設定され(S127)、位置センサ204が遮蔽されたと判断されると(S121:Y)、揺動フラグが”1”に設定される(S124)。
【0075】
次に、回転方向フラグが”0”か否かが判断される(S130)。回転方向フラグが”0”の場合は、右回転処理が実行され(S133)、回転方向フラグが”1”の場合は、左回転処理が実行される(S136)。
【0076】
次に、右回転処理のルーチンを説明する。
【0077】
図9は、右回転処理のフローを示すフローチャートである。
【0078】
<1>
右回転処理のルーチンが開始されると、ステッピングモータ202に対し右方向に1STEP回転するための信号が送信される(S200)。これにより、ステッピングモータ202は、1STEP分右方向に回転し、これに伴い振り分け手段201と揺動規制板203とが共に回転する。
【0079】
次に、ステップカウンタを更新する(S203)。本実施の形態では今までのステップカウンタの値に対し1を加える。
【0080】
次に、原点通過フラグが”0”か否かが判断される(S206)。原点通過フラグが”1”であるとすると(S206:N)、次に、追加回転フラグが”0”か否かが判断される(S209)。
【0081】
追加回転フラグが”0”であるとすると(S209:Y)、次に、ステップカウンタが第1の閾値yより大きいか否かが判断される(S224)。ここで、本実施の形態の場合yは251に設定されている。ステップカウンタが所定値以下、つまり、振り分け手段201が大きく右に傾いていない段階(S224:N)なら、次に、位置センサフラグが”1”か否かが判断される(S227)。位置センサフラグが”0”であるとすると(S227:N)右回転処理ルーチンが終了し、メインルーチンに戻る。
【0082】
次に、メインルーチンに戻って、タイマ割り込みを待つ(S139)。タイマ割り込みが発生すると(S139:Y)、再び原点センサが透過状態か否かが判断され(S112)、上記と同様にメインルーチンと右回転処理のルーチンが繰り返される。ここで、本実施形態ではタイマ割り込みを4msec毎に発生させるため、上記の条件が継続される間、4msec毎にステッピングモータ202は1STEPずつ右に回転することになる。
【0083】
ステッピングモータ202の右回転が継続し、振り分け手段201が右に傾き続けると、揺動規制板203も右に回転し、いずれ揺動規制板203により位置センサ204が遮蔽されることとなる。この段階で位置センサ204が遮蔽されているか否かの判断(S121)がYesとなり、位置センサフラグが”1”に設定される。そしてこの状態で右回転処理ルーチンに移行する。
【0084】
原点通過フラグは”1”であり追加回転フラグは”0”であるので、ステップカウンタが所定値より大きいか否かが判断され(S224)、ステップカウンタが第1の閾値y以下の場合(S224:N)、位置センサフラグが確認され(S227)、位置センサフラグが”1”となっているためステップカウンタが初期状態(本実施形態の場合0)に戻される(S230)。そして、追加回転フラグが”1”に設定される(S233)。
【0085】
ここで、揺動規制板203の切欠き部214により規制されるステッピングモータ202の回転角よりも、ステップカウンタの第1の閾値yにより規制される回転角を大きく設定すると、通常の状態では、ステップカウンタの値が第1の閾値yを越えるよりも前に、切欠き部214の周方向端縁が位置センサ204に到達して揺動フラグが”1”となり、ステップカウンタが初期状態、すなわち0に戻されることとなる。
【0086】
従って、揺動規制板203と位置センサ204により検出される振り分け手段201の絶対的な揺動角によって、ステップカウンタが所定の値(本実施の形態では0)に設定されるため、遊技球の衝突などによりステップカウンタの値と振り分け手段201の揺動角とがずれた場合でも、上記処理によりそのずれを解消することが可能となる。
【0087】
また、位置センサ204が故障した異常状態の場合、位置センサ204が遮蔽されたと判断されつづける。つまり、位置センサフラグが”1”のままとなるため、強制的にステップカウンタの値が初期状態である0に戻され(S230)、追加回転フラグが”1”に設定され(S233)、次の制御に移行する。
【0088】
次に、メインルーチンに戻るが、追加回転フラグが”1”となっている以外は、前述の状態と同様であるので、右回転処理ルーチンが実行されることとなる。
【0089】
<2>
そして、右回転処理ルーチンにおいて、追加回転フラグが”1”であるため、追加回転フラグの判断(S209)がNoとなり、ステップカウンタが初期状態からカウントされ、ステップカウンタが第2の閾値xを越えるまで(S212)同じ処理が繰り返される。
【0090】
ここで、本実施の形態では第2の閾値xは99が設定されている。つまり、通常の状態においては、右回転において位置センサ204が遮蔽状態となれば、そこから100ステップ分だけさらに右回転が実行される。
【0091】
そしてステップカウンタが第2の閾値xを越えれば(S212:Y)、ステップカウンタの値が初期状態である0に設定され(S215)、追加回転フラグが”0”に設定され(S218)、回転方向フラグが”1”に設定される(S221)。
【0092】
メインルーチンにおいて、回転方向フラグが”1”に設定されているため、回転方向フラグの判断(S130)はNoとなり、今度は左回転処理のルーチンが実行される。
【0093】
図10は、左回転処理のフローを示すフローチャートである。
【0094】
<3>
左回転処理が開始されると、ステッピングモータ202に対し左方向に1STEP回転するための信号が送信される(S300)。すなわち、逆回転の開始となり、ステップカウンタが更新される(S303)。本実施の形態では今までのステップカウンタの値に対し1を加える。
【0095】
次に、原点通過フラグが”0”か否かが判断される(S306)。原点通過フラグが”0”であるとすると(S306:Y)、次に、ステップカウンタが第3の閾値zを越えたか否かが判断される(S309)。本実施の形態ではzは251である。
【0096】
第3の閾値zを越えていないと判断されると(S309)、原点センサフラグが”1”か否かが判断される(S312)。
【0097】
原点センサフラグが”0”であるとすると、左回転処理が繰り返され、それに伴いステッピングモータ202が1STEPずつ左回転していく。
【0098】
ここで、ステッピングモータ202が最も右に回転した状態、すなわち、振り分け手段201が最も右に傾いた状態から、スリット215までの回転角よりも、ステップカウンタの第3の閾値zにより規制される回転角を大きく設定すると、通常の状態では、ステップカウンタの値が第3の閾値zを越えるよりも前に、スリット215が原点センサ205を通過して原点センサフラグが”1”となり、ステップカウンタが初期状態、すなわち”0”に戻され(S315)、原点通過フラグが”1”に設定(S318)されることとなる。
【0099】
従って、原点センサ205が透過状態と判断されることによって、ステップカウンタが初期状態(本実施の形態では0)になるため、遊技球の衝突などによりステップカウンタの値と振り分け手段201の揺動角とがずれた場合でも、上記処理によりそのずれを解消することが可能となる。
【0100】
また、本実施形態の場合、原点センサ205が故障した場合でも、以降の処理が継続されるように制御されている。
【0101】
<4>
原点通過フラグが”1”、すなわち、振り分け手段201が水平な状態となると、続いて、左回転処理が行われるが、今度は、原点通過フラグの判断(S306)においてNoと判断されるため、ステップカウンタの値が第4の閾値wを越えたか否かが判断される(S324)。本実施の形態ではwは239である。
【0102】
第4の閾値wを越えていないと判断されると(S324:N)、位置センサフラグが”1”か否かが判断される(S327)。
【0103】
位置センサフラグが”0”であるとすると(S327:N)、左回転処理が繰り返され、それに伴いステッピングモータ202が1STEPずつ左回転していく。
【0104】
ここで、振り分け手段201が原点にある状態から、位置センサ204が遮蔽されるまで回転角よりも、ステップカウンタの第4の閾値wにより規制される回転角を大きく設定すると、通常の状態では、ステップカウンタの値が第4の閾値wを越えるよりも前に、揺動規制板203が位置センサ204を遮蔽して位置センサフラグが”1”となり、ステップカウンタが初期状態、すなわち”0”に戻され(S330)、原点通過フラグが”1”に設定(S333)され、回転方向フラグが”0”に設定される(S336)こととなる。
【0105】
従って、位置センサ204が遮蔽されたと判断されることによって、ステップカウンタが初期状態(本実施の形態では0)になるため、遊技球の衝突などによりステップカウンタの値と振り分け手段201の揺動角とがずれた場合でも、上記処理によりそのずれを解消することが可能となる。
【0106】
以上により左回転が終了し、メインルーチンを通過して右回転処理ルーチンが開始される。
【0107】
また、位置センサ204が故障した異常状態の場合、位置センサ204が遮蔽されたと判断されつづける。つまり、故障状態の位置センサ204においては、遮蔽されているか否かにかかわらず常に正常なら遮蔽されていると認識される信号レベルと同レベルの信号が位置検出部301により位置センサ204から取得されることになる。従って、位置センサフラグが”1”のままとなるため、強制的にステップカウンタの値が初期状態である0に戻され(S330)、原点通過フラグが”1”に設定され(S333)、回転方向フラグが”0”に設定されて次の制御に移行する。
【0108】
<5>
右回転処理のルーチンが開始されると、ステッピングモータ202に対し右方向に1STEP回転するための信号が送信される(S200)。これにより、ステッピングモータ202は、右方向に回転する。次に、ステップカウンタを更新する(S203)。
【0109】
次に、原点通過フラグが”0”か否かが判断される(S206)。原点通過フラグは現段階で”0”であるので(S206:Y)、次に、ステップカウンタが第4の閾値vより大きいか否かが判断される(S236)。
【0110】
ここで、本実施の形態の場合vは、251に設定されており、通常の状態においてはステップカウンタが第4の閾値vを越えるよりも先に原点センサフラグが”1”(S239:Y)、すなわち、原点センサ205が透過状態となる値である。
【0111】
そして、原点センサフラグが”1”(S239:Y)となれば、ステップカウンタの値を0に設定し(S242)、原点通過フラグを”1”に設定する(S245)。
【0112】
以上により、原点センサ205が透過状態と判断されることによって、ステップカウンタが初期状態(本実施の形態では0)になるため、遊技球の衝突などによりステップカウンタの値と振り分け手段201の揺動角とがずれた場合でも、上記処理によりそのずれを解消することが可能となる。
【0113】
また、本実施形態の場合、振り分け手段201の揺動角とステップカウンタの値との間に生じるずれを解消する機会が、振り分け手段201が1往復する間に、原点センサ205によって2回、位置センサ204によって2回の合計4回存在する。これにより、通常の状態においては、きめ細かにずれを修正しつつけるため、遊技球の衝突が頻繁に起こっても、振り分け手段201を所望の動作で動かし続けることができる。
【0114】
さらに、位置センサ204が故障したり故意に破壊されたような場合、遊技者にとって有利な状態、すなわち、振り分け手段201が原点(水平な状態)から左に傾いている状態とすることなくステッピングモータ202の正転逆転、すなわち振り分け手段201の揺動が維持される。
【0115】
なお、位置検出手段として切欠きを備えた円板と光の透過と遮蔽とを検出することのできるセンサを用い、所定の位置に到達したか否かのみを検出したが、センサとしてはマイクロスイッチなど特に限定されるものではなく、さらには、ロータリーエンコーダを用いて揺動角自体を検出するものでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0116】
本発明はパチンコ機に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】本発明の実施の形態におけるパチンコ機の斜視図。
【図2】制御盤を示す平面図。
【図3】振り分け装置を示す斜視図。
【図4】位置検出手段をステッピングモータ側から示す平面図。
【図5】振り分け装置を遊技盤に固定するための基体を示す平面図。
【図6】パチンコ機の機能構成の一部を振り分け装置と共に示すブロック図。
【図7】振り分け手段と一体に動く揺動規制板の揺動状態を概略的に示す図。
【図8】ステッピングモータの制御のためのメインフローを示すフローチャート。
【図9】右回転処理のフローを示すフローチャート。
【図10】左回転処理のフローを示すフローチャート。
【符号の説明】
【0118】
100…パチンコ機、200…振り分け装置、201…振り分け手段、202…ステッピングモータ、203…揺動規制板、204…位置センサ、205…原点センサ、210…位置検出手段、214…切欠き部、215…スリット、301…位置検出部、302…原点検出部、303…モータ制御部
【出願人】 【識別番号】000121693
【氏名又は名称】奥村遊機株式會社
【出願日】 平成19年2月20日(2007.2.20)
【代理人】 【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守


【公開番号】 特開2008−200279(P2008−200279A)
【公開日】 平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願番号】 特願2007−39812(P2007−39812)