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【発明の名称】 パチンコ遊技機の機械式演出装置
【発明者】 【氏名】前山 大介

【氏名】浦山 直樹

【氏名】宇佐見 敏幸

【要約】 【課題】更なる斬新な驚きを遊技者に与える。

【解決手段】機械式演出装置13は、表示画面3前方の仮想鉛直面上を回動し得る長尺薄板状の刀部材12と、非演出時には、刀部材12を装飾部材5の右側部8の裏側の格納位置に略鉛直状態で保持し、演出時には、刀部材12を軸部20回りに所定角度回動し表示画面3前方の露出位置へと変位させる刀部材駆動機構14とを備える。刀部材駆動機構14は、刀部材12に対し回動力を常時加えるスプリング25と、ステップモータ15と、演出時にステップモータ15を動力源として回転するカム33と、カム33に当接するカム当接部31を有するクランク28であって、非演出時には、刀部材12を格納位置に保持し、演出時には、刀部材12を格納位置から露出位置へと回動させるクランク28とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤の中央部に画像式演出装置を備えると共に、該画像式演出装置の表示画面の周縁部前方に装飾部材を備えるパチンコ遊技機において、
前記装飾部材の左側部又は右側部の各下端部付近に軸部を有し、前記表示画面前方の仮想鉛直面上を回動し得る長尺薄板状の演出部材と、
非演出時には、前記演出部材を前記装飾部材の左側部又は右側部の裏側の格納位置に略鉛直状態で保持し、演出時には、前記演出部材を前記軸部回りに所定角度回動し前記表示画面前方の露出位置へと変位させる演出部材駆動機構と
を備え、
前記演出部材駆動機構は、
前記演出部材に対し前記回動方向の回動力を常時加える弾性部材と、
電動回転機と、
演出時に前記電動回転機を動力源として回転するカムと、
前記カムに当接するカム当接部と前記演出部材にピン結合されるピン結合部位とを有するクランクであって、非演出時には、前記カム当接部が基準回転角度位置にあるカムと当接状態に保持され、前記弾性部材の前記回動力と等しい反対方向の保持力を前記ピン結合部位を介して前記演出部材に加え、該演出部材を前記格納位置に保持し、演出時には、前記カムの回転に伴う前記カム当接部の変位により、前記保持力を減少させ、前記演出部材を前記格納位置から前記露出位置へと回動させるクランクと
を備えることを特徴とするパチンコ遊技機の機械式演出装置。
【請求項2】
前記格納位置から前記露出位置へと回動してきた演出部材を受け止める弾性受部材を備え、該弾性受部材は、前記演出部材の衝撃力を緩和させて受け止めることを特徴とする請求項1に記載のパチンコ遊技機の機械式演出装置。
【請求項3】
前記弾性受部材は傾斜面を有し、前記演出部材が前記弾性受部材によって受け止められるとき、前記演出部材は、前記露出位置直前で前記傾斜面と平行に近い角度で接触開始することを特徴とする請求項2に記載のパチンコ遊技機の機械式演出装置。
【請求項4】
前記演出時における前記保持力の減少は瞬間的であり、前記演出部材は、前記格納位置から前記露出位置へ瞬間的に回動することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のパチンコ遊技機の機械式演出装置。
【請求項5】
前記カムは、所定回転角度範囲で交互に正転及び逆転され、前記演出部材は、前記カムの正転及び逆転に伴い揺動動作を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のパチンコ遊技機の機械式演出装置。
【請求項6】
前記演出部材は、刀を模った刀部材であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のパチンコ遊技機の機械式演出装置。
【請求項7】
前記電動回転機はステップモータであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のパチンコ遊技機の機械式演出装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機の機械式演出装置、詳しくは、画像式演出装置の液晶画面等で行われる画像演出に合せて演出部材によって演出を行う機械式演出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今のパチンコ遊技機は、画像式演出装置の液晶画面の大型化に伴い、迫力のある画像表現を用いることで様々な驚きを与えるように構成されている。
【0003】
しかし、画像表現のみを用いるよりも、実際の構造物いわゆるギミックといわれる演出部材(可動物)を作動する機械式演出装置を設け、この演出部材の動作と画像表現とを合せて用いる手法(例えば、特許文献1〜3参照)の方が、より効果的で斬新な驚きを遊技者に与えることができる。
【特許文献1】特開2003−236088公報
【特許文献2】特開2004−129892公報
【特許文献3】特開2005−40441公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、演出部材と画像表現を合せて用いる手法を採用するパチンコ遊技機において、従来と異なる新規な構成により、更なる斬新な驚きを遊技者に与えることができる機械式演出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によるパチンコ遊技機の機械式演出装置は、遊技盤の中央部に画像式演出装置を備えると共に、該画像式演出装置の表示画面の周縁部前方に装飾部材を備えるパチンコ遊技機において、前記装飾部材の左側部又は右側部の各下端部付近に軸部を有し、前記表示画面前方の仮想鉛直面上を回動し得る長尺薄板状の演出部材と、非演出時には、前記演出部材を前記装飾部材の左側部又は右側部の裏側の格納位置に略鉛直状態で保持し、演出時には、前記演出部材を前記軸部回りに所定角度回動し前記表示画面前方の露出位置へと変位させる演出部材駆動機構とを備え、前記演出部材駆動機構は、前記演出部材に対し前記回動方向の回動力を常時加える弾性部材と、電動回転機と、演出時に前記電動回転機を動力源として回転するカムと、前記カムに当接するカム当接部と前記演出部材にピン結合されるピン結合部位とを有するクランクであって、非演出時には、前記カム当接部が基準回転角度位置にあるカムと当接状態に保持され、前記弾性部材の前記回動力と等しい反対方向の保持力を前記ピン結合部位を介して前記演出部材に加え、該演出部材を前記格納位置に保持し、演出時には、前記カムの回転に伴う前記カム当接部の変位により、前記保持力を減少させ、前記演出部材を前記格納位置から前記露出位置へと回動させるクランクとを備えることを特徴とする。
【0006】
本発明の機械式演出装置において、非演出時には、クランクのカム当接部が基準回転角度位置にあるカムと当接状態に保持され、弾性部材の回動力と等しい反対方向の保持力が演出部材に加えられおり、演出部材は格納位置に保持される。一方、演出時には、カムの回転に伴いクランクのカム当接部が変位し、この変位により保持力が減少し、演出部材は、格納位置から露出位置へと回動する。この演出部材の回動は、車両のフロントガラスをスイープするワイパーブレードの動作に似た動作であり、演出部材は、装飾部材の側部から表示画面前方へと表示画面を部分的に横切るように移動する。このような演出部材の動作は、遊技者に対して斬新な驚きを与えることとなる。また、演出部材の回動は、カムの形状に基づいて行われるため、ギヤを用いて演出部材を回動させる場合と比べ、始動から停止まで連続的で滑らかな回動動作を実現することができる。
【0007】
機械式演出装置は、前記格納位置から前記露出位置へと回動してきた演出部材を受け止める弾性受部材を備え、該弾性受部材は、前記演出部材の衝撃力を緩和させて受け止める。弾性受部材は、演出部材の衝撃力を緩和するため、演出部材の回動速度を増大させても、演出部材が弾性受部材から受ける反力によってバウンドする不具合を防止でき、演出部材は露出位置まで安定して移動することができる。
【0008】
また、前記弾性受部材は傾斜面を有し、前記演出部材が前記弾性受部材によって受け止められるとき、前記演出部材は、前記露出位置直前で前記傾斜面と平行に近い角度で接触開始する。このため、演出部材は傾斜面に対して殆ど抵抗なしに接触開始するようになり、傾斜面に加わる演出部材の衝撃力は緩和されるようになる。
【0009】
また、前記演出時における前記保持力の減少は瞬間的であり、前記演出部材は、前記格納位置から前記露出位置へ瞬間的に回動する。演出部材が格納位置から露出位置へ瞬間的に回動することにより、演出部材がゆっくりと露出位置へ回動する場合と比べ遊技者に与えるインパクトが大きなものとなる。なお、保持力の瞬間的な減少は、クランクのカム当接部とカムとの当接状態を非当接状態へと瞬間的に変化させることができるようにカムの形状を予め設定しておくことによって容易に実現することができる。
【0010】
また、前記カムは、所定回転角度範囲で交互に正転及び逆転され、前記演出部材は、前記カムの正転及び逆転に伴い揺動動作を行う。演出部材が表示画面の前方で揺動することによっても遊技者に斬新な驚きを与えることができる。この演出部材の揺動は、カムとクランクのカム当接部とを当接状態を維持しながらカム当接部を往復変位させることによって実現されるため、円滑なものとなる。
【0011】
また、前記演出部材は、刀を模った刀部材である。演出部材が刀部材である場合、刀部材の動作は、刀を振り下ろす動作に相当するものとなり、今まで見えなかった刀が突然目の前に振り下ろされる様を見て、遊技者は大いに驚くことになるであろう。
【0012】
また、前記電動回転機はステップモータである。ステップモータを使用することにより、円滑かつ高精度な位置制御を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係る機械式演出装置が組み込まれたパチンコ遊技機の遊技盤の正面図、図2は、格納位置にある刀部材及び刀部材駆動機構を正面図として表した機械式演出装置の全体構成図、図3は、格納位置にある刀部材及び刀部材駆動機構の背面図、図4は、露出位置にある刀部材及び刀部材駆動機構の正面図、図5は、露出位置にある刀部材及び刀部材駆動機構の背面図、図6(A)は刀部材の要部斜視図、図6(B)は弾性受部の要部斜視図、図6(C)は、弾性受部の作用説明図、図7は、刀部材の揺動動作を説明するための刀部材及び刀部材駆動機構の背面図、図8は、ステップモータによる刀部材の位置制御を説明するための説明図、図9は、刀部材の揺動動作時におけるステップモータの回転動作を示すタイミングチャート、図10は、花飾りの通常時の正面図、図11は、同花飾りの通常時の背面図、図12は、同花飾りの作動時の正面図、図13は、同花飾りの作動時の背面図、図14は、手飾りの通常時の正面図、図15は、同手飾りの通常時の背面図、図16は、同手飾りの作動時の正面図、図17は、同手飾りの作動時の背面図をそれぞれ示す。
【0015】
図1において、パチンコ遊技機は、遊技盤1の中央部に画像式演出装置2の表示画面3を備える。画像式演出装置2は、周知のように、遊技が行われていないときに客待ち画面を表示したり、始動入賞口4への遊技球の入賞を契機として取得した乱数に対応して、図柄を変動表示し、リーチの発生を予告するリーチ予告演出、相対的に大当たり信頼度の低いノーマルリーチ演出、大当たり信頼度の高いスーパーリーチ演出、大当たり発生時の大当たり演出、ハズレ演出など各種演出を画像表示するものである。なお、このようなパチンコ遊技機には、相対的に低確率で大当たりが発生する通常遊技状態と、高確率で大当たりが発生する確変遊技状態、時短遊技状態など特別遊技状態がある。
【0016】
表示画面3の周縁部前方には、装飾部材5が配設される。装飾部材5は、枠形状をしており、上部の前面には「歌舞伎剣」なる文字を表現した上側装飾部6が配されている。上側装飾部6の左端部には、作動可能な花飾り7が吊り下げられている。装飾部材5の右側部8には、歌舞伎役者の顔ないし頭部と手を模った半透明の人形部材が設けられている。人形部材の手の部分は、作動可能な手飾り9である。装飾部材5の下部は、遊技球に主として横方向の流動的な動きの変化を与えるステージ10を構成している。
【0017】
ステージ10の左右方向中央部の下方には、始動入賞口4が配置されている。始動入賞口4に遊技球が入賞すると、主制御基板18(図2)において乱数が取得され、上述したように、取得した乱数に基づいた各種演出が表示画面3で画像表示される。始動入賞口4の下方には、大当たり発生時に所定ラウンド数だけ間欠的に開放状態となり、多数の遊技球の入賞を可能にする大入賞口11が配置されている。
【0018】
装飾部材5の右側部つまり人形部材の裏面側には、刀を模った刀部材つまり長尺薄板状の演出部材12が正面からは見えない状態(図示破線で示す状態)で配されている。この刀部材12の位置を演出部材の格納位置という。刀部材12は、機械式演出装置13の構成要素である。刀部材12は、装飾部材5の右側部の下端部付近を回転中心として、表示画面前方の仮想鉛直面上を反時計方向へ回動可能である。刀部材12は、画像式演出装置2の演出に合わせて格納位置から図示二点鎖線で示す露出位置へと瞬間的に回動し、あたかも刀が瞬時に振り下ろされたかのような演出を行う。露出位置まで回動した刀部材12は、その後、時計方向へ回動し、格納位置まで戻る。また、刀部材12は、後述するように、所定条件下で表示画面3の前方において揺動動作を行う。
【0019】
図2において、機械式演出装置13は、上記刀部材12と、刀部材12を駆動する刀部材駆動機構14と、刀部材駆動機構14のステップモータつまり電動回転機15の回転を制御するランプ制御基板16と、ランプ制御基板16にランプ制御信号を出力する演出制御基板17と、演出制御基板17に演出制御信号を出力する主制御基板18とを備えて構成される。
【0020】
刀部材12は、半透明のプラスチック材からなり、多数の発光ダイオード19を内蔵する。刀部材12は、発光ダイオード19の点滅パターンや発光色により、色彩的に変化可能である。刀部材12の根元部には、装飾部材5側つまり固定側に設けられた軸部20が挿通され、刀部材12は、軸部20を中心に回転可能とされている。また、刀部材12の根元部付近であって、軸部20付近の部位には、図6(A)に示すような凹部21が形成されている。凹部21は、刀部材12が露出位置まで回動したとき、装飾部材5側つまり固定側に設けられた図6(B)に示すような弾性受部材22と係合した状態となる。具体的には、刀部材12が露出位置直前(図6(B)において二点鎖線で示した位置)まで回動したとき、凹部21は、図6(C)に示すように、弾性受部材22の傾斜面23と平行に近い角度で接触開始し、その後の弾性受部材22の弾性変形により傾斜面23と圧接状態となる。また、刀部材12の根元部であって、軸部20を通る仮想鉛直線に対して回動方向側に位置する部位には係止爪24が設けられており、係止爪24には、刀部材12を回動させる方向の弾性力を刀部材12に常時加えているスプリングつまり弾性部材25の一端部が係止される。スプリング25の他端部は、装飾部材5側つまり固定側に係止されている。
【0021】
刀部材駆動機構14は、刀部材12の根元部に固着されたレバー26を備える。レバー26の一端部は、軸部20に対して回動自在に装着されており、レバー26は、係止爪24から離れる方向に延びている。レバー26の他端部にピン27が設けられている。ピン27は、クランク28の一端部に形成された長孔29内に、その長手方向に移動可能に挿通されている。クランク28の他端部は、図3に示すように、装飾部材5側つまり固定側に設けられた軸部30に対して回動可能に装着されている。クランク28は、一端部と他端部との中間部に、カム当接部31を有する。カム当接部31は、カムギヤ32に固着されたカム33のカム面と当接している。カムギヤ32は、ステップモータ15の出力軸に固着された駆動ギヤ34と噛み合っており、カムギヤ32は駆動ギヤ34よりも大径であり、減速機構を構成している。カム面は、図3に示すように、大径円弧面35と、小径円弧面36と、大径円弧面35の一端部と小径円弧面36の一端部を繋ぐ垂直面37と、大径円弧面35の他端部と小径円弧面36の他端部を繋ぐつるまき状の凸曲面38とにより構成される。装飾部材5側つまり固定側には、カム33の基準回転角度位置を検出するための位置検出手段例えばフォトセンサ39が設けられている。フォトセンサ39は、カムギヤ32の端面に配設された位置検出板40に突設された突起41を検出することによってカム33の基準回転角度位置を検出する。このフォトセンサ39の検出信号は、ランプ制御基板16に入力される。
【0022】
次に、上記のように構成される機械式演出装置13の動作を説明する。
【0023】
通常時、刀部材12は、図2及び図3に示すような略鉛直な状態、あるいは、図8(A)に示すような僅かに前傾した略鉛直な状態にあり、装飾部材5の裏側の格納位置にある。刀部材12が、図8(A)に示すような状態の格納位置にある状態では、クランク28のカム当接部31は、図3に示すように、カム33の大径円弧面35の直前のつるまき状の凸曲面38と当接状態にあり、スプリング25が刀部材12に加えている図3図示矢印a方向のトルクと、カム33がクランク28及びレバー26を介して刀部材12に加えている図3図示b方向のトルク(保持力)とが釣り合い、刀部材12は停止している。
【0024】
画像式演出装置2の表示画面3における画像演出に合わせ、主制御基板18が演出制御基板17に演出制御信号を出力すると、ランプ制御基板16からのランプ制御信号に従い、ステップモータ15は回転を開始する。ステップモータ15が回転を開始すると、駆動ギヤ34及びカムギヤ32を介してカム33が回転を開始し、カム33が基準回転角度位置から例えば20.24°の回転角度位置まで回転したとき、クランク28のカム当接部31はカム33の凸曲面38から離れて大径円弧面35と当接するようになる。このため、刀部材12は、図8(A)図示の前傾状態から図8(B)図示の鉛直状態へとテイクバックする。その後、カム33が基準回転角度位置から例えば137.6°の回転角度位置まで回転したとき、クランク28のカム当接部31はカム33の大径円弧面35から離れ垂直面37を経て小径円弧面36と瞬時に接近するようになる。このクランク28のカム当接部31の変位により、刀部材12に加わっていた図3図示a方向のトルクと図3図示b方向のトルク(保持力)の釣り合いが瞬間的にくずれ、スプリング25の弾性力による図3図示a方向のトルクが勝り、刀部材12は、瞬時にもしくは比較的短時間で図8(C)に二点鎖線で示すように露出位置まで約90°回動する。換言すると、刀部材12は、格納位置から露出位置へと瞬間的に振り下ろされ、図4及び図5に示す状態になる。刀部材12が振り下ろされたとき、刀部材12が露出位置直前(図6(B)において二点鎖線で示した位置)まで回動したとき、刀部材12の凹部21は、弾性受部材22の傾斜面23と平行に近い角度で接触開始し、その後の弾性受部材22の弾性変形により傾斜面23と圧接状態となる。このため、刀部材12の衝撃力は弾性受部材22によって緩和され、刀部材12の回動速度を増大させても、刀部材12が弾性受部材22から受ける反力によってバウンドする不具合を防止でき、刀部材12は露出位置まで安定して移動することができる。その後、カム33が基準回転角度位置から例えば253.84°の回転角度位置まで回転したとき、クランク28のカム当接部31はカム33の小径円弧面36から離れつるまき状の凸曲面38と当接開始するようになり、刀部材12はスプリング25の弾性力に抗して図3図示b方向へ比較的ゆっくりと振り上げられ、図8(D)に二点鎖線で示すようにテイクバック位置まで戻り、さらにカム33が基準回転角度位置まで回転したとき、図8(A)図示の格納位置に戻る。ここで、ステップモータ15は、フォトセンサ39が位置検出板の突起41を検出したとき、回転を停止する。
【0025】
このように、刀部材12は、格納位置から表示画面3の前方下部の露出位置まで瞬間的に振り下ろされる。このため、遊技者は、このような刀部材12の動作に驚きをもつ。
【0026】
次に、刀部材12の他の動作例として、刀部材12を比較的ゆっくり振り下ろす場合を説明する。この場合、ステップモータ15を上記のように正転させるのでなく上記とは反対方向へ逆転させる。このステップモータ15の逆転により、クランク28のカム当接部31は、カム33のつるまき状の凸曲面38上を移動するようになるため、刀部材12は比較的ゆっくりと振り下ろされる動作をする。
【0027】
また、刀部材12のさらに他の動作例として、刀部材12を揺動動作させる。この場合、ステップモータ15を逆転させクランク28のカム当接部31がカム33のつるまき状の凸曲面38と当接しているときに、ステップモータ15を正転させ、次に逆転させ、さらに正転させ、次に逆転させるというように、小刻みにステップモータ15の回転方向を切替える制御を行う。この制御を行うことにより、刀部材12は、図7に実線と二点鎖線で示した2つの状態をとり得るようになり、刀部材12は、表示画面3の前方で揺動動作をする。このように刀部材12を揺動動作させるにあたっては、図9に示すように、ステップモータ15を励磁状態に保つ停止期間を設けることが刀部材12に安定した揺動動作をさせる上で望ましい。
【0028】
また、上記のような刀部材12の動作と共に、図10〜図13に示すように、花飾り7をソレノイド51とバネ52とクランク53を用いて軸54を中心として回動させるようにしてもよい。花飾り7は、通常時には、ソレノイド51が非作動状態にあり、バネ52の弾性力によって図10及び図11に示すように垂直状態に維持される。ソレノイド51が作動すると、バネ52は圧縮状態へと変位し、クランク53を介して軸54が回動し、花飾り7は、図12及び図13に示すように傾斜状態へと変位する。
【0029】
また、上記のような刀部材12の動作と共に、図14〜図17に示すように、手飾り9をモータ61と第1ギヤ62と第2ギヤ63とクランク64と第3ギヤ65とスイッチ66を用いて作動させるようにしてもよい。手飾り9は、通常時には、図14及び図15に示すように停止状態に維持される。モータ61が通電されると、モータ61は順回転し、第1、第2、第3ギヤ61、62、63及びクランク64を介して手飾り9が図16及び図17に示すように作動し、スイッチ66が第2ギヤ63を感知するとモータ61への通電が停止され、手飾り9が停止する。
【0030】
なお、刀部材12は、装飾部材の右側部ではなく左側部側に設け、上記と同様に、表示画面の前方下部に露出させるようにしてもよい。
【0031】
以上説明したように、本実施形態によるパチンコ遊技機の機械式演出装置13は、遊技盤1の中央部に画像式演出装置2を備えると共に、画像式演出装置2の表示画面3の周縁部前方に装飾部材5を備えるパチンコ遊技機において、装飾部材5の左側部又は右側部8の各下端部付近に軸部20を有し、表示画面3前方の仮想鉛直面上を回動し得る長尺薄板状の刀部材(演出部材)12と、非演出時には、刀部材12を装飾部材5の左側部又は右側部8の裏側の格納位置に略鉛直状態で保持し、演出時には、刀部材12を軸部20回りに所定角度回動し表示画面3前方の露出位置へと変位させる刀部材駆動機構(演出部材駆動機構)14とを備え、刀部材駆動機構14は、刀部材12に対し回動方向aの回動力を常時加えるスプリング(弾性部材)25と、ステップモータ(電動回転機)15と、演出時にステップモータ15を動力源として回転するカム33と、カム33に当接するカム当接部31と刀部材12にピン結合されるピン27及び長孔29(ピン結合部位)とを有するクランク28であって、非演出時には、カム当接部31が基準回転角度位置にあるカム33と当接状態に保持され、スプリング25の回動力と等しい反対方向bの保持力をピン結合部位27、29を介して刀部材12に加え、刀部材12を格納位置に保持し、演出時には、カム33の回転に伴うカム当接部31の変位により、保持力を減少させ、刀部材12を格納位置から露出位置へと回動させるクランク28とを備える。
【0032】
本実施形態の機械式演出装置13において、非演出時には、クランク28のカム当接部31が基準回転角度位置にあるカム33と当接状態に保持され、スプリング25の回動力と等しい反対方向の保持力が刀部材12に加えられおり、刀部材12は格納位置に保持される。一方、演出時には、カム33の回転に伴いクランク28のカム当接部31が変位し、この変位により保持力が減少し、刀部材12は、格納位置から露出位置へと回動する。この刀部材12の回動は、車両のフロントガラスをスイープするワイパーブレードの動作に似た動作であり、刀部材12は、装飾部材5の側部8から表示画面3前方へと表示画面3を部分的に横切るように移動する。このような刀部材12の動作は、遊技者に対して斬新な驚きを与えることとなる。また、刀部材12の回動は、カム33の形状に基づいて行われるため、ギヤを用いて刀部材12を回動させる場合と比べ、始動から停止まで連続的で滑らかな回動動作を実現することができる。
【0033】
また、機械式演出装置13は、格納位置から露出位置へと回動してきた刀部材12を受け止める弾性受部材22を備え、弾性受部材22は、刀部材12の衝撃力を緩和させて受け止める。弾性受部材22は、刀部材12の衝撃力を緩和するため、刀部材12の回動速度を増大させても、刀部材12が弾性受部材から受ける反力によってバウンドする不具合を防止でき、刀部材12は露出位置まで安定して移動することができる。
【0034】
また、弾性受部材22は傾斜面23を有し、刀部材12が弾性受部材22によって受け止められるとき、刀部材12は、露出位置直前で傾斜面23と平行に近い角度で接触開始する。このため、刀部材12は傾斜面23に対して殆ど抵抗なしに接触開始するようになり、傾斜面23に加わる刀部材12の衝撃力は緩和されるようになる。
【0035】
また、演出時における保持力の減少は瞬間的であり、刀部材12は、格納位置から露出位置へ瞬間的に回動する。刀部材12が格納位置から露出位置へ瞬間的に回動することにより、刀部材12がゆっくりと露出位置へ回動する場合と比べ遊技者に与えるインパクトが大きなものとなる。なお、保持力の瞬間的な減少は、クランク28のカム当接部31とカム33との当接状態を非当接状態へと瞬間的に変化させることができるようにカム33の形状を予め設定しておくことによって容易に実現することができる。
【0036】
また、カム33は、所定回転角度範囲で交互に正転及び逆転され、刀部材12は、カム33の正転及び逆転に伴い揺動動作を行う。刀部材12が表示画面3の前方で揺動することによっても遊技者に斬新な驚きを与えることができる。この刀部材12の揺動は、カム33とクランク28のカム当接部31とを当接状態を維持しながらカム当接部31を往復変位させることによって実現されるため、円滑なものとなる。
【0037】
また、刀部材12は、刀を模っているため、今まで見えなかった刀が突然目の前に振り下ろされる様を見て、遊技者は大いに驚くことになるであろう。
【0038】
また、ステップモータ15を使用したため、円滑かつ高精度な位置制御を容易に行うことができる。
【0039】
また、画像式演出装置内にも動画像として揺動演出を再生させ、この揺動演出に連動しかつ刀部材12の揺動に合せて花飾り7も揺動させることにより、画像式演出装置を内部に備えた装飾部材5自体があたかも揺れているかのような表現をさせることができる。
【0040】
また、刀部材12の動作に合わせて手飾り9が動作することにより、歌舞伎役者が見得を切る姿をリアルに表現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施形態に係る機械式演出装置が組み込まれたパチンコ遊技機の遊技盤の正面図である。
【図2】格納位置にある刀部材及び刀部材駆動機構を正面図として表した機械式演出装置の全体構成図である。
【図3】格納位置にある刀部材及び刀部材駆動機構の背面図である。
【図4】露出位置にある刀部材及び刀部材駆動機構の正面図である。
【図5】露出位置にある刀部材及び刀部材駆動機構の背面図である。
【図6】(A)は刀部材の要部斜視図、(B)は弾性受部の要部斜視図、(C)は弾性受部の作用説明図である。
【図7】刀部材の揺動動作を説明するための刀部材及び刀部材駆動機構の背面図である。
【図8】ステップモータによる刀部材の位置制御を説明するための説明図である。
【図9】刀部材の揺動動作時におけるステップモータの回転動作を示すタイミングチャートである。
【図10】花飾りの通常時の正面図である。
【図11】同花飾りの通常時の背面図である。
【図12】同花飾りの作動時の正面図である。
【図13】同花飾りの作動時の背面図である。
【図14】手飾りの通常時の正面図である。
【図15】同手飾りの通常時の背面図である。
【図16】同手飾りの作動時の正面図である。
【図17】同手飾りの作動時の背面図である。
【符号の説明】
【0042】
1 遊技盤
2 画像式演出装置
3 表示画面
5 装飾部材
8 右側部
12 刀部材(演出部材)
13 機械式演出装置
14 刀部材駆動機構(演出部材駆動機構)
15 ステップモータ(電動回転機)
20 軸部
22 弾性受部材
23 傾斜面
25 スプリング(弾性部材)
27 ピン(ピン結合部位)
28 クランク
29 長孔(ピン結合部位)
31 カム当接部
33 カム
【出願人】 【識別番号】000161806
【氏名又は名称】京楽産業.株式会社
【出願日】 平成19年2月19日(2007.2.19)
【代理人】 【識別番号】100076473
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 昭夫

【識別番号】100112900
【弁理士】
【氏名又は名称】江間 路子


【公開番号】 特開2008−200193(P2008−200193A)
【公開日】 平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願番号】 特願2007−38002(P2007−38002)