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【発明の名称】 遊技機
【発明者】 【氏名】富山 修平

【要約】 【課題】従来とは異なる方法でパチンコ球が当たり口に入賞するか否かを決定させることで新たな遊技性を持たせる。

【解決手段】受け皿55に向けて落下するパチンコ球110は受け皿55に衝突した後ステージ板56に向けて落下するか、受け皿55に滞留される。パチンコ球110が衝突することで受け皿55は揺動するので、受け皿に滞留したパチンコ球110は受け皿55からステージ板56に向けて落下し易くなる。ステージ板56は、アウト口及びアウト通路53に向けて下り傾斜する第1傾斜状態に保持されているので、受け皿55から落下するパチンコ球110はアウト口で回収される。基準時間が経過すると、ステージ板56が第1傾斜状態から、当たり口及び当たり通路51に向けて下り傾斜する第2傾斜状態に切り替えられるので、受け皿55から落下するパチンコ球110は当たり口に入る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パチンコ球が転動した結果に基づいて特典が付与されるか否かが決定される役物装置を備えた遊技機において、
前記役物装置に設けられ、前記役物装置の内部に前記パチンコ球を受け入れる受入れ口と、
前記受入れ口から前記役物装置の内部に受け入れられた前記パチンコ球を滞留させる受け皿と、
前記受け皿から落下した前記パチンコ球を転動させるステージと、
前記ステージを転動した前記パチンコ球を回収する回収口と、
前記ステージを転動した前記パチンコ球が入ることにより、前記特典が付与される当たり口と、
前記受け皿から落下したパチンコ球を前記回収口に向けて転動させる第1傾斜状態と、前記パチンコ球を前記当たり口に向けて転動させる第2傾斜状態との間で、前記ステージを切り替える切替機構と、
前記受入れ口から受け入れられた前記パチンコ球を検知する受入球検知手段と、
前記受入球検知手段によりパチンコ球が検知されたことを受けて作動する計時手段と、
前記計時手段による経過時間が予め設定された基準時間を超過した場合に、前記切替機構を作動させて、前記ステージを前記第1傾斜状態から前記第2傾斜状態へと切り替える切替制御手段と、を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記受け皿は、前記受入れ口から受け入れられたパチンコ球を受け止めることで揺動することを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記ステージが前記第1傾斜状態から前記第2傾斜状態へと切り替えられたときに、前記受け皿の下面を押圧する押圧部材を備えていることを特徴とする請求項1及び2記載の遊技機。
【請求項4】
前記受け皿の上方に、前記受入れ口から受け入れられたパチンコ球を前記受け皿に落下させる開口と、前記ステージに落下させる開口とを有する振分け部材を備えていることを特徴とする請求項1〜3いずれか1つ記載の遊技機。
【請求項5】
前記振分け部材は、前記受け皿に向けて落下するパチンコ球の勢いを減衰させる減衰部材を備えていることを特徴とする請求項4記載の遊技機。
【請求項6】
前記受け皿に対する前記振分け部材の高さ方向の位置を変動させる位置変動機構と、
前記位置変動機構の作動制御する変動制御手段と、を備えていることを特徴とする請求項4又は5記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、羽根が開放されたときに受け入れられたパチンコ球が、内部を転動した結果に基づいて当たりか否かが決定される役物装置を備えた遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ店などの遊技場に設置される遊技機としてパチンコ機が挙げられる。このパチンコ機の中には、羽根モノと呼ばれる役物装置を備えたパチンコ機がある。この羽根モノと呼ばれる役物装置は、開閉動作する羽根と、羽根が開放されたときに入賞が可能となる入賞口(受入れ口)が設けられている。この羽根は、例えば始動入賞装置にパチンコ球が入賞すると、一定回数開閉動作され、その開閉動作中にパチンコ球が羽根に受け止められると、上述した入賞口に入賞することが可能となる。この入賞口に入賞したパチンコ球は、役物の内部に設けられたステージ上を転動した後、当たり口、又はハズレ口(回収口)に入ることになる。
【0003】
例えば当たり口に入ると、遊技者に有利な当たりモードとなり、上述した羽根が例えば18回を上限として開閉動作されるか、その開閉動作中に例えば10個のパチンコ球が上述した入賞口に入ると、羽根の開閉動作が終了し、1ラウンドが終了する。この1ラウンドが終了する間に、役物の内部に入ったパチンコ球が当たり口に入ると、再度羽根が開閉動作を開始し、2ラウンド目が開始される。この当たりモードでは、例えば15ラウンドを上限として行われる。これにより、ラウンド数を多く消化すれば、数多くの賞球を得ることができる。
【0004】
このような羽根モノと呼ばれる役物装置の内部には、ステージ上を転動するパチンコ球の転動方向を変化させる可動物が設けられている。そして、これら可動物によってパチンコ球の転動方向を変化させることで、当たり口に入賞するか、または回収口から回収されるかが決定される。
【特許文献1】特開2004−73264号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような役物装置の場合には、パチンコ球が転動する様子よりも、パチンコ球が当たり口に入るか否かに着目されることから、遊技が単調になりやすいという欠点がある。また、この他に、パチンコ機を叩く等、パチンコ機の外部から力を加えることで、パチンコ球の転動方向を変化させ、パチンコ球が当たり口に入る確率を不正に高める等の行為が行われやすいという欠点がある。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、従来とは異なる方法でパチンコ球が当たり口に入賞するか否かを決定させることで新たな遊技性を持たせることができるようにした遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の遊技機は、パチンコ球が転動した結果に基づいて特典が付与されるか否かが決定される役物装置を備えた遊技機において、パチンコ球が転動した結果に基づいて特典が付与されるか否かが決定される役物装置を備えた遊技機において、前記役物装置に設けられ、前記役物装置の内部に前記パチンコ球を受け入れる受入れ口と、前記受入れ口から前記役物装置の内部に受け入れられた前記パチンコ球を滞留させる受け皿と、前記受け皿から落下した前記パチンコ球を転動させるステージと、前記ステージを転動した前記パチンコ球を回収する回収口と、前記ステージを転動した前記パチンコ球が入ることにより、前記特典が付与される当たり口と、前記受け皿から落下したパチンコ球を前記回収口に向けて転動させる第1傾斜状態と、前記パチンコ球を前記当たり口に向けて転動させる第2傾斜状態との間で、前記ステージを切り替える切替機構と、前記受入れ口から受け入れられた前記パチンコ球を検知する受入球検知手段と、前記受入球検知手段によりパチンコ球が検知されたことを受けて作動する計時手段と、前記計時手段による経過時間が予め設定された基準時間を超過した場合に、前記切替機構を作動させて、前記ステージを前記第1傾斜状態から前記第2傾斜状態へと切り替える切替制御手段と、を備えたことを特徴とする。なお、受入球検知手段は、パチンコ球が受入れ口から受け入れられてから受け皿に至るまでの間でパチンコ球を検知できるものであればよい。
【0008】
また、前記受け皿は、前記受入れ口から受け入れられたパチンコ球を受け止めることで揺動することを特徴とする。
【0009】
また、前記ステージが前記第1傾斜状態から前記第2傾斜状態へと切り替えられたときに、前記受け皿の下面を押圧する押圧部材を備えていることを特徴とする。
【0010】
また、前記受け皿の上方に、前記受入れ口から受け入れられたパチンコ球を前記受け皿に落下させる開口と、前記ステージに落下させる開口とを有する振分け部材を備えていることを特徴とする。
【0011】
また、前記振分け部材は、前記受け皿に向けて落下するパチンコ球の勢いを減衰させる減衰部材を備えていることを特徴とする。
【0012】
また、前記受け皿に対する前記振分け部材の高さ方向の位置を変動させる位置変動機構と、前記位置変動機構を作動制御する変動制御手段と、を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の遊技機によれば、役物装置の内部に受け入れられたパチンコ球が受け皿に滞留している時間が長ければ当たり口に入る確率が高くなる。これによれば、従来では役物装置の内部をどのように転動させるかによって当たり口に入賞させるか否かが決定されていたが、本発明の場合には、役物装置の内部に滞留させる時間によって当たり口に入賞させるか否かが決定されるので、新たな遊技性を持つ遊技機を提供することができる。また、従来では、パチンコ機を叩くなど、パチンコ機の外部からの力を加えることで当たり口に入賞させる不正行為が行われやすいが、本発明においては、パチンコ機に外力を与えることで、受け皿に滞留したパチンコ球が受け皿から落下するから、パチンコ機を叩くなどの行為を防止することができる。
【0014】
また、受け皿が揺動することで、受け皿に滞留するパチンコ球の滞留時間を変化させることができるので、受け皿からパチンコ球が落下してしまうという緊張感を遊技者に与えることができる。
【0015】
また、ステージが第1傾斜状態から第2傾斜状態へと切り替えられたときに、受け皿を傾斜させることで、受け皿に滞留しているパチンコ球を強制的にステージに落下させることができるので、役物装置の内部にパチンコ球が滞留している状態を解消させることができる。
【0016】
また、受け皿の上方に振分け部材を配置することで、受け皿に向けて落下するパチンコ球の割合を変化させることができる。さらに、振分け部材に減衰部材を設けることで、受け皿に落下するパチンコ球の勢いを減衰させることで、受け皿に落下したときの衝撃を低減させることで、パチンコ球が受け皿に長時間滞留させることができる。
【0017】
また、振分け部材の位置を変動させることで、受け皿に滞留するパチンコ球の割合を変動させる、つまり、振分け部材と受け皿との距離が長くなればなるほど、振分け部材から落下するパチンコ球が受け皿に滞留する割合が減少し、振分け部材と受け皿との距離が短くなればなるほど、受け皿に滞留する割合が増加する。これにより、当たり口への入賞確率を変動させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1に示すように、パチンコ機(遊技機)10は、基体となる本体部材11の前面上部に前面扉12が本体部材11に対して回動自在となるように、図示しないヒンジ部を介して組み付けられる。前面扉12の中央には開口12aが設けられており、この開口12aは前面扉12の裏側に取り付けられるガラス等の透光性を有する部材により塞がれている。この前面扉12が閉じている状態では、遊技の際に遊技領域25を流下するパチンコ球110(図8参照)や、遊技領域25に設けられた構造物は、上記開口12aを塞ぐガラスを介して視認される。なお、符号13は、本体部材11を遊技場等に固定するための固定枠である。
【0019】
本体部材11の前面下部には、操作ハンドル15や、供給皿16が設けられている。操作ハンドル15は、例えば回転自在に設けられており、操作ハンドル15を回転させると、その回転量に合わせた打ち出し強さでパチンコ球110が打ち出される。供給皿16は、遊技を開始する際にパチンコ球110が供給される他に、遊技領域25を流下するパチンコ球110が遊技領域25に設けられた入賞装置のいずれかに入賞したことを受けて払い出される賞球としてのパチンコ球110が受容される。なお、符号17は、払出口であり、この払出口17を介してパチンコ球110が払い出される。
【0020】
図2に示すように、前面扉12を開けると遊技盤20が露呈される。この遊技盤20の前面には、ガイドレール21によって囲まれた遊技領域25が露呈される。遊技領域25は、その中央にセンター役物(役物装置)30が設けられ、そのセンター役物30の下方に、始動チャッカー31,32,33が設けられている。なお、遊技領域25を流下するパチンコ球110は、センター役物30、又は始動チャッカー31,32,33のいずれかに入賞するか、アウト口36によって回収される。
【0021】
図3に示すように、センター役物30は、内部に受け入れられたパチンコ球110が転動した結果、特典が付与される当たり口50に入賞するか、アウト口52に入るかが決定される装置である。このセンター役物30は、羽根40,41と、これら羽根40,41を備えた役物本体42とを備えている。
【0022】
羽根40,41は、パチンコ球110を受け止めずに遊技領域25を流下させる閉じ位置(図3中実線)と、パチンコ球110を受け止める開き位置(図3中二点差線)との間で回動する。以下では、羽根40,41が閉じ位置から開き位置へと回動した後、再度閉じ位置に回動する動作を開閉動作として説明する。これら羽根40,41は、例えば始動チャッカー31,32,33のうち、始動チャッカー32,33にパチンコ球110が入賞した場合に1回開閉動作され、始動チャッカー31にパチンコ球110が入賞した場合に2回開閉動作される。なお、これら羽根40,41は、開閉機構95(図6参照)によって開閉動作が行われる。
【0023】
役物本体42は、その側面にパチンコ球110を受け入れる受入れ口45,46が設けられている。これら受入れ口45,46は、羽根40,41が閉じ位置にある場合に、羽根40,41によってそれぞれ遮蔽され、羽根40,41が開き位置にある場合に、その遮蔽がそれぞれ解除される。
【0024】
役物本体42の内部空間42aには、受入れ口45,46から受け入れられたパチンコ球110を案内する案内通路47,48が設けられている。案内通路47,48は、例えば役物本体42の中央に向けて下り傾斜している。これら案内通路47,48は、その上流側端部が、役物本体42の前面側に位置し、下流側端部が役物本体42の後面側に位置するクランク状の通路からなる。これら案内通路47,48を転動したパチンコ球110は、その下流側端部から落下する。なお、案内通路47,48をクランク状の通路としているが、これに限定される必要はなく、例えば螺旋状の案内通路であってもよい。
【0025】
図4及び図5に示すように、役物本体42の内部空間42aの下部で、その前面左側には、当たり口50と、当たり口50へとパチンコ球110を導く当たり通路51が設けられている。また、役物本体42の内部空間42aの下部で、その後面左側には、アウト口(回収口)52と、アウト口52へとパチンコ球110を導くアウト通路53とが設けられている。これら当たり通路51とアウト通路53とは、平行となるように所定の間隔を空けて形成されている。なお、当たり口50とアウト口52とを役物本体42の左側に、つまり役物本体の幅方向における一端側にそれぞれ設けているが、これに限定する必要はなく、当たり口を役物本体の幅方向における一端側に、アウト口を他端側にそれぞれ設けたり、当たり口とアウト口とを、役物本体の幅方向の中央に設けるなど、適宜設定してよい。
【0026】
役物本体42の内部空間42aで、案内通路47,48の下方には、受け皿55と、ステージ板(ステージ)56とが設けられている。受け皿55は、案内通路47,48の下流側端部から落下したパチンコ球110を受け止め、受け止めたパチンコ球110を滞留させる。この受け皿55は、当たり通路51とアウト通路53との間で、且つ上方に突出する突出部58の上面に、コイルバネ59を介して取り付けられる。このコイルバネ59を介して受け皿55を突出部58に取り付けることで、案内通路47,48からそれぞれ落下するパチンコ球110を受け止めたときに、その受け止めた衝撃で受け皿55が傾斜した後、コイルバネ59の復帰力を受けて受け皿55が揺動する。
【0027】
ステージ板56は、役物本体42の内部空間42aの下部に設けられる当たり通路51とアウト通路53との間に配置される。このステージ板56は、その中央が開口された矩形板からなる。この開口された部分(以下、開口部56a)には、受け皿55が取り付けられる突出部58が挿通される。なお、開口部56aに突出部58が挿通されたときには、開口部56aと突出部58との間には隙間が生じており、この隙間が生じることで、ステージ板56を所定の範囲で回転させることができる。なお、この隙間は、パチンコ球110の直径未満とすることで、この隙間にパチンコ球110が入り込むことを防止することができる。
【0028】
このステージ板56は、役物本体42の幅方向における両側面で、ステージ板56の奥行き方向の中央に回動軸56b,56cをそれぞれ備えており、これら回動軸56b,56cを用いて役物本体42に軸支される。このステージ板56は、アウト通路53又はアウト口52に向けてパチンコ球110を転動させる、つまり役物本体42の後面側に下り傾斜する第1傾斜状態に保持されている(図4参照)。そして、後述する切替機構60によって、第1傾斜状態から、当たり通路51又は当たり口50に向けてパチンコ球110を転動させる、つまり役物本体42の前面側に下り傾斜する第2傾斜状態(図5参照)へと切り替わる。
【0029】
切替機構60は、ステージ板56を第1傾斜状態と第2傾斜状態との間で切り替えるために設けられている。この切替機構60についての詳細は図示しないが、モータなどの駆動源と、少なくともモータの駆動軸と、回転軸とに固着されたギヤとから構成される。なお、切替機構60としては、モータを駆動源とする切替機構の他、ソレノイドを駆動源とした切替機構であってもよい。
【0030】
図6に示すように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10における遊技を制御する遊技制御装置70を備えている。この遊技制御装置70は、CPU71、ROM72及びRAM73を備えている。ROM72には、遊技制御を実行するための遊技制御プログラム75が格納されており、CPU71は、遊技制御プログラム75を実行することで、遊技において出力される各種信号に基づいた遊技制御を実行する。RAM73は、CPU71で遊技制御プログラムを実行したときに発生する演算子やフラグなどが一時記憶される。
【0031】
CPU71は、遊技制御プログラム75を実行することによって、制御部(切替制御手段)80、計時部(計時手段)81、信号判定部82、カウンタ83として機能する。制御部80は、パチンコ機10の遊技制御を統括して実行する。計時部81は、後述する受入球検知センサ91,92のいずれかからの検知信号を受けて計時を開始する。そして、予め設定された基準時間が経過したときに、制御部80に向けてその旨を示す信号(以下、到達信号)を出力する。
【0032】
信号判定部82は、受入球検知センサ91,92のいずれかから出力された検知信号の総数と、入賞球検知センサ93及び回収球検知センサ94からの検知信号の総数が一致したか否かを判定する。信号判定部82は、カウンタ83のカウント数を監視しており、例えば、受入球検知センサ91,92のいずれかから出力された検知信号のカウント数と、入賞球検知センサ93及び回収球検知センサ94からの検知信号のカウント数が一致した場合に、その旨を示す信号(以下、一致信号)を制御部80に出力する。
【0033】
カウンタ83は、受入球検知センサ91,92のいずれかから出力された検知信号のカウントを行うとともに、入賞球検知センサ93及び回収球検知センサ94からの検知信号のカウントを行う。
【0034】
制御部80は、信号判定部82からの一致信号と、計時部81からの到達信号とを監視しており、例えば計時部81からの到達信号が信号判定部82からの一致信号よりも先に出力された場合に、制御部80は、切替機構60を作動させてステージ板56を第1傾斜状態から第2傾斜状態へと切り替える。その後、信号判定部82からの一致信号を受けたっときに、再度切替機構60を作動させて、ステージ板56を第2傾斜状態から第1傾斜状態へと切り替える。一方、信号判定部82からの一致信号が計時部81からの到達信号よりも先に制御部80に出力された場合には、制御部80は、計時部81の作動を停止させる。この場合、基準時間に到達していないので、制御部80は切替機構60を作動させない。
【0035】
センター役物30には、受入球検知センサ91,92、入賞球検知センサ93及び回収球検知センサ94が設けられている。受入球検知センサ91は受入れ口45から役物本体42の内部に受け入れられたパチンコ球110を、受入球検知センサ92は受入れ口46から役物本体42の内部に受け入れられたパチンコ球110を、それぞれ検知し、その検知信号(以下、受入信号)をCPU71に出力する。これを受けて、CPU71は、払出信号を払出制御装置105に出力する。
【0036】
入賞球検知センサ93は当たり口50に入ったパチンコ球110を検知し、その検知信号(入賞信号)をCPU71に出力する。CPU71は、入賞信号を受けて、遊技状態を通常の遊技が行われる通常状態から、遊技者への特典が与えられる大当たり状態へと移行させる。また、回収検知センサ94はアウト口52に入ったパチンコ球110を検知し、その検知信号(回収信号)をCPU71に出力する。
【0037】
開閉機構95は、センター役物30に設けられた羽根40,41の開閉動作を行う、つまり羽根を閉じ位置と、開き位置との間で切り替えるために設けられている。なお、この開閉機構95としては、例えばソレノイドを駆動源とするものや、モータを駆動源とするものが挙げられる。例えばソレノイドを用いた開閉機構の場合には、ソレノイドの他に、複数のリンクを組み合わせたものであり、モータを用いた開閉機構の場合には、モータの他に複数のギヤを組み合わせたものである。
【0038】
左始動入賞球検知センサ100は、始動チャッカー32に入賞したパチンコ球110を検知し、その検知信号(左始動入賞信号)をCPU71に出力する。これを受けて、CPU71は開閉機構95を作動させて、羽根40,41を1回開閉動作させる。中央始動入賞球検知センサ101は、始動チャッカー31に入賞したパチンコ球110を検知し、その検知信号(中央始動入賞信号)をCPU71に出力する。これを受けて、CPU71は開閉機構95を作動させて、羽根40,41を2回開閉動作させる。右始動入賞球検知センサ102は、始動チャッカー33に入賞したパチンコ球110を検知し、その検知信号(右始動入賞信号)をCPU71に出力する。これを受けて、CPU71は開閉機構95を作動させて、羽根40,41を1回開閉動作させる。なお、CPU71は、羽根40,41の開閉動作を実行させると同時に、払出制御装置105に払出信号を出力する。
【0039】
払出制御装置105は、遊技制御装置70から出力された払出信号を受けて、払出装置106を作動させて賞球としてのパチンコ球110を払い出す。
【0040】
次に、本実施形態の作用について図7のフローチャートに基づいて説明する。遊技が実行されていない時には、ステージ板56は第1傾斜状態に保持されている。そして、遊技が実行され、パチンコ球110が遊技領域25を流下していく過程で、始動チャッカー31,32,33のいずれかに入賞するか、アウト口36から回収される。例えば始動チャッカー32にパチンコ球110が入ると、左始動入賞球検知センサ100によって検知され、制御部80に左始動入賞信号が出力される。これを受けて、制御部80は開閉機構95を作動させ、羽根40,41を一回開閉動作させる。
【0041】
また、始動チャッカー31にパチンコ球110が入ると、中央始動入賞球検知センサ101によって検知され、制御部80に中央始動入賞信号が出力される。この場合は、制御部80は開閉機構95を介して羽根40,41を二回開閉動作させる。さらに、始動チャッカー31にパチンコ球110が入った場合には、右始動入賞球検知センサ102によって検知され、制御部80に右始動入賞信号が出力される。この場合、左始動入賞信号と同様に、制御部80は、羽根40,41を一回開閉動作させる。なお、制御部80がこれら始動入賞信号を受けた場合に、制御部80が払出制御装置105に向けて払出信号を出力することは周知であることから、ここでは払出信号が出力された後の処理についての説明は省略する。
【0042】
これら羽根40,41の開閉動作の間にもパチンコ球110の打ち出しが行われているので、遊技領域25を流下するパチンコ球110は開き位置にある羽根40,41のいずれかに受け止められる。例えば羽根40に受け止められた時には、受入れ口45からセンター役物30の内部に受け入れられる。この場合は受け入れられたパチンコ球110は、受入球検知センサ91によって検知され、その受入信号が制御部80に出力される。これを受けて、制御部80は計時部81を作動させて経過時間の計測を開始させるとともに、カウンタ83を作動させて受入信号の数をカウントする。なお、羽根41の場合も同様であるので、ここでは省略する。また、仮にパチンコ球110が2個受け入れられた場合には、初めに受け入れられたパチンコ球110についてのみ上記処理を行い、次に(2番目に)受け入れられたパチンコ球110については、経過時間の計測処理は行われない。
【0043】
図8に示すように、受入れ口45からセンター役物30の内部に受け入れられたパチンコ球110は、案内通路47に案内された後、案内通路47の下流側端部から受け皿55に向けて落下する。受け皿55は、コイルバネ59を介して突出部58に取り付けられているから、受け皿55に向けて落下するパチンコ球110は受け皿55に衝突することで跳ね返り、ステージ板56に向けて落下する、或いは、コイルバネ59によって衝突時の衝撃が吸収され、受け皿55に滞留することになる。しかしながら、落下するパチンコ球110の衝撃によって、受け皿55はA方向及びB方向に揺動し、またC方向及びD方向に上下動するので、受け皿55に滞留するパチンコ球110は、受け皿55の変動の影響を受けて、受け皿55からステージ板56に向けて落下し易くなる。
【0044】
また、複数個のパチンコ球110が異なるタイミングでセンター役物30の内部に受け入れられた時には、先に受け皿55にパチンコ球110が滞留していたとしても、次に受け皿55に落下するパチンコ球110が受け皿55に衝突することよって受け皿55の揺動が変化し、ステージ板56に向けて落下しやすくなる。例えばステージ板56が第1傾斜状態の場合には、ステージ板56に落下したパチンコ球110は、アウト通路53又はアウト口52に向けて(E方向に)転動し、最終的にアウト口52に回収される。アウト口52によって回収されたパチンコ球110は、回収球検知センサ94によって検知され、その回収信号が制御部80に出力される。この回収信号は、カウンタ83によってカウントされる。
【0045】
信号判定部82では、回収信号のカウント数が、受入信号のカウント数と一致するか否かを判定しており、また、計時部81では、センター役物30にパチンコ球110が受け入れられてからの経過時間を計測している。例えば受け入れられたパチンコ球110が全て受け皿55からステージ板56に落下した場合には、これらパチンコ球110はアウト口52に導かれることから、回収球検知センサ94から出力された回収信号のカウント数が、受入信号のカウント数と一致することになる。この場合には、信号判定部82からの一致信号が、計時部81からの到達信号よりも早く制御部80に出力されるので、制御部80は、計時部81による計時を停止する。
【0046】
一方、計時部81からの到達信号が、信号判定部82からの一致信号よりも早く制御部80に出力された場合には、制御部80は切替機構60を作動させて、ステージ板56を第1傾斜状態から第2傾斜状態へと切り替える。図9に示すように、ステージ板56が第2傾斜状態に切り替えられた後に受け皿55からパチンコ球110が落下すると、落下したパチンコ球110は、当たり通路51又は当たり口50に向けて(F方向に)転動し、当たり口50に入る。これにより、パチンコ球110が受け皿55に滞留している時間が長いほど、当たり口に入り易くなることから、受け皿にパチンコ球110を長く滞留させるという、新たな遊技性を生み出すことができる。また、従来の遊技機では、パチンコ機を叩くなどして、パチンコ球を当たり口に向けて転動させる行為が行われやすいが、パチンコ球110を受け皿55に長く滞留させる必要が生じることから、パチンコ機を叩くなどの行為を防止することができる。
【0047】
なお、パチンコ球110が当たり口50に入ると、入賞球検知センサ93によってパチンコ球110が検知され、その入賞信号が制御部80に出力される。この入賞信号を受けて、信号判定部82は、入賞信号と回収信号とのカウント数が、受入信号のカウント数と一致したと判断した場合に、制御部80に一致信号を出力する。この一致信号を受けて、制御部80は切替機構60を作動させて、ステージ板56を第2傾斜状態から第1傾斜状態へと切り替える。この動作とともに、遊技状態が通常の遊技が行われる通常状態から、大当たり状態へと移行する。
【0048】
大当たり状態に移行すると、羽根40,41が通常時よりも長く開放されるので、数多くのパチンコ球110がセンター役物30の内部に受け入れられる、つまり、数多くのパチンコ球110が賞球として払い出される。そして、例えば羽根40,41の開閉動作が所定回数行われる、又は一回の羽根41の開閉動作中に受け入れられたパチンコ球110が当たり口50に入らない場合等の終了条件が満足されると大当たり状態が終了し、通常状態に移行する。
【0049】
本実施形態では、受け皿55と突出部58との間にコイルバネ59を配置することで、落下したパチンコ球110の衝撃によって受け皿55を揺動させる形態としているが、これに限定する必要はなく、受け皿55を突出部58に直接取り付けることも可能である。
【0050】
本実施形態では、パチンコ球110が受入れ口45,46のいずれかからセンター役物の内部に受け入れられてからの経過時間が基準時間に到達する前に、受け入れられたパチンコ球110が全て回収口に回収された場合には、ステージ板56を第2傾斜状態への切替を行わないようにしているが、これに限定する必要はなく、センター役物30の内部にパチンコ球110が残留しているか否かに関係なく、基準時間が経過すれば、ステージ板56を第1傾斜状態から第2傾斜状態へと切り替えるようにしてもよい。
【0051】
本実施形態では、受け皿55に滞留するパチンコ球110は、全てステージ板56に向けて落下するものとしているが、受け皿55に滞留するパチンコ球110の中には、受け皿55からステージ板56に向けて落下しないものもある。例えば基準時間が経過すれば、ステージ板56に向けて落下するパチンコ球110は必ず当たり通路51又は当たり口50に向けて転動することから、基準時間が経過した後も受け皿55にパチンコ球110を滞留させる必要がない。また、受け皿55にパチンコ球110が滞留し続ける、つまりセンター役物30の内部に残留してしまうことになるので、ステージ板56を第1傾斜状態から第2傾斜状態へと切り替えたとき、或いは切り替えた後に、受け皿55を強制的に傾斜させることも考えられる。以下では、本実施形態と同一の部材については同一の符号を付して説明する。図10に示すように、ステージ板56の上面から突出する押圧片(押圧部材)115をステージ板56の奥側端部に設け、ステージ板56が第2傾斜状態に切り替わるときに、押圧片115の先端で受け皿55の下面を押圧する。この押圧を受けて受け皿55が傾斜し、受け皿55に滞留していたパチンコ球110は、ステージ板56に向けて強制的に落下することになる。
【0052】
また、受け皿55に滞留するパチンコ球110を落下させる方法としては、ステージ板56に押圧片115を設け、ステージ板56を第2傾斜状態に切り替えた時に、押圧片115によって受け皿55を傾斜させる他に、下記の方法も挙げられる。図11に示すように、突出部58を固定部分120と可動部分121とから構成し、可動部分121に受け皿55を取り付ける。また、固定部分120の内部に、可動部分121を傾斜させる傾斜機構122を設け、ステージ板56を第1傾斜状態から第2傾斜状態へと切り替えるときに、又は切り替えた後、傾斜機構122を作動させて可動部分121をH方向に傾斜させる。その後、傾斜機構122により、可動部分121をI方向に回動させる。なお、傾斜機構122としては、ソレノイドやモータを駆動源とし、また、リンクやカムを用いた機構が挙げられる。
【0053】
本実施形態では、受入れ口45,46から受け入れられたパチンコ球110を案内通路47,48から直接受け皿55に落下させる実施形態としているが、これに限定する必要はなく、図12に示すように、例えば受け皿55の上方に、落下孔130,131を備えたクルーン132を配置することも可能である。例えばクルーン132に到達したパチンコ球110が落下孔130に入った場合には、そのままステージ板56に向けて落下させ、落下孔131に入った場合には、受け皿55に向けて落下させる。これによれば、パチンコ球110を落下させる位置を振り分けることができる。さらに、受け皿55に向けて落下させる落下孔131の下部に、パチンコ球110の直径以上、パチンコ球110の直径の1.5倍以下の直径を内径とするコイルバネ(減衰部材)134を取り付けることで、落下孔131から落下するパチンコ球110の勢いを減衰させることで、受け皿55に向けて落下するパチンコ球110を確実に受け皿55に滞留させることができる。
【0054】
また、クルーン132を受け皿55の上方に配置した場合、クルーン132の位置を上下動させることも可能である。この場合、位置変動機構135を設け、この位置変動機構135によって、クルーン132を上下動させる。なお、例えば受入球検知センサ91,92によってセンター役物の内部に受け入れられたパチンコ球110は検知していることから、受入球検知センサ91,92からの受入信号を受けて、遊技制御装置70によって計時を開始する。そして、一定時間が経過した場合に、遊技制御装置70の制御部(変動制御手段)80は、位置変動機構135を作動させてクルーン132を下方に移動させる、或いは上方に移動させる。例えば一定時間が経過した場合にクルーン132を下方に(J方向に)移動させる場合には、羽根40,41が閉じ位置へと移動するタイミングで受け入れられたパチンコ球110がクルーン132から受け皿55に落下する距離が短くなるので、受け皿55に落下したときの衝撃も小さく、受け皿55が揺動する振幅も小さくなる。これによれば、パチンコ球110が受入れ口45,46から受け入れられるタイミングが遅いほど、受け皿55に滞留する確率が高くなる。
【0055】
一方、クルーン132を上方に(K方向に)移動させる場合には、一定時間が経過する前のクルーン132と受け皿55との距離は、一定時間が経過した後の距離よりも短いことから、この場合には、パチンコ球110が受入れ口45,46から受け入れられるタイミングが早いほど、受け皿55に滞留する確率が高くなる。これによれば、クルーン132を上下方向に移動させることで、受け皿55に滞留させる確率を変化させ、また、受け皿55に滞留する時間を変動させることができ、結果的に当たり口50へ入る確率を変動させることができる。なお、クルーンを上下動させる他に、漏斗状からなる滞留部材を受け皿の上方に配置し、その滞留部材を上下動させることも可能である。
【0056】
また、これに合わせて、羽根が開放される時間を変動させることも可能である。この場合、例えば始動チャッカーにパチンコ球が入賞した場合や、大当たり状態の終了後に、開放時間を変更させるか否かの抽選を行って、この当選に当選した場合に、羽根が開放される時間を長くする。これにより、羽根40,41が閉じるタイミングでパチンコ球110が受け入れられれば、ステージ板56が第1傾斜状態から第2傾斜状態に切り替わるまでの時間が短いことから、当たり口に入る確率が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明のパチンコ機の外観を示す斜視図である。
【図2】前面扉を開放した状態のパチンコ機の外観を示す斜視図である。
【図3】センター役物の構成を示す斜視図である。
【図4】第1傾斜状態に保持されたステージ板近傍の構成を示す斜視図である。
【図5】第2傾斜状態に保持されたステージ板近傍の構成を示す斜視図である。
【図6】パチンコ機の電気的構成を示す機能ブロック図である。
【図7】遊技の際のセンター役物の動作の流れを示すフローチャートである。
【図8】ステージ板が第1傾斜状態に保持されているときのパチンコ球の流れを示す説明図である。
【図9】ステージ板が第2傾斜状態に保持されているときのパチンコ球の流れを示す説明図である。
【図10】ステージ板が第2傾斜状態に切り替わったときに受け皿を強制的に傾斜させる場合のステージ板近傍の構成を示す説明図である。
【図11】受け皿が取り付けられる突出部を可動部分と固定部分とから構成し、可動部分を回動させることで受け皿を傾斜させる場合の受け皿近傍の構成を示す説明図である。
【図12】受け皿の上方にクルーンを設けた場合の受け皿近傍の構成を示す説明図である。
【符号の説明】
【0058】
10 パチンコ機(遊技機)
30 センター役物(役物装置)
45,46 受入れ口
50 当たり口
52 アウト口(回収口)
55 受け皿
56 ステージ板(ステージ)
60 切替機構
80 制御部(切替制御手段、変動制御手段)
81 計時部
91,92 受入球検知センサ(受入球検知手段)
110 パチンコ球
115 押圧片(押圧部材)
130,131 落下孔
132 クルーン(振分け部材)
134 コイルバネ(減衰手段)
135 位置変動機構
【出願人】 【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
【出願日】 平成19年2月19日(2007.2.19)
【代理人】 【識別番号】100075281
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 和憲

【識別番号】100095234
【弁理士】
【氏名又は名称】飯嶋 茂

【識別番号】100117536
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 英了


【公開番号】 特開2008−200192(P2008−200192A)
【公開日】 平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願番号】 特願2007−38000(P2007−38000)