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【発明の名称】 遊技装置
【発明者】 【氏名】五十嵐 博

【氏名】恩田 明生

【要約】 【課題】視覚的に楽しい演出を実現して、遊技媒体を遊技空間内で移動させる遊技装置の遊技性を高める。

【構成】遊技盤1508の前方にフラットパネルディスプレイ1530を設け、両者の間にメダルMが流下可能な流下空間FSを形成する。第1ラインセンサ1534および第2ラインセンサ1536によって、フラットパネルディスプレイ1530の背面側に進入するメダルMの通過検出結果に基づいて、制御ユニット1580で進入時間・進入位置・進入速度を求める。メダルMがフラットパネルディスプレイ1530の背面側に進入するタイミングと進入位置に仮想メダルMIを出現表示させる。仮想メダルMIの移動は、仮想空間に形成された仮想遊技空間を流下する様子をシミュレーションして求めて表示制御する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技空間に遊技媒体を投入し、前記遊技空間内で運動させて遊ぶ遊技装置において、
背面側に遊技媒体の進入が可能な間隔を設けて配置された画像表示手段と、
前記遊技空間内を運動する遊技媒体が前記画像表示手段の背面側に進入した際の進入位置を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出に応じて、前記画像表示手段の該検出された進入位置に対応する位置に所与の移動体画像を出現表示させ、該移動体画像を移動表示させる移動体画像表示制御手段と、
を備えた遊技装置。
【請求項2】
前記検出手段は、更に進入速度を検出し、
前記移動体画像表示制御手段は、前記検出された進入位置及び進入速度に基づいて、移動体画像の移動表示を制御する
請求項1に記載の遊技装置。
【請求項3】
遊技空間に遊技媒体を投入し、前記遊技空間内で運動させて遊ぶ遊技装置において、
画像表示手段と、
前記遊技空間内を運動する遊技媒体の速度を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果に基づいて前記画像表示手段の画像表示を可変に制御する画像表示制御手段と、
を備えた遊技装置。
【請求項4】
前記検出手段は、更に、遊技媒体の種類を検出する媒体種類検出手段を有し、
前記画像表示制御手段は、前記媒体種類検出手段により検出された遊技媒体の種類に応じた画像表示の制御を行う、
請求項3に記載の遊技装置。
【請求項5】
前記画像表示制御手段は、前記検出手段の検出結果に基づいて前記画像表示手段に所与の移動体画像を出現表示させ、該移動体画像を移動表示させる移動体画像表示制御手段を有する請求項3又は4に記載の遊技装置。
【請求項6】
前記移動体画像表示制御手段が、前記検出手段による検出頻度に応じて、新たに出現させる移動体画像の表示サイズを可変する請求項1,2,4又は5に記載の遊技装置。
【請求項7】
前記画像表示手段は、背面側を流下する遊技媒体を遊技者が視認可能な光透過性を有しており、
前記画像表示手段の背面側を流下する遊技媒体の位置座標を検出する位置検出手段を更に備え、
前記移動体画像表示制御手段は、前記位置検出手段によって検出された位置座標に基づき、前記画像表示手段を介して当該遊技媒体を透視した際の透視位置に、移動体画像を表示させる
請求項1,2,4,5又は6に記載の遊技装置。
【請求項8】
遊技空間に遊技媒体を投入し、前記遊技空間内で運動させて遊ぶ遊技装置において、
画像表示手段と、
前記遊技空間へ前記遊技媒体を投入する投入手段と、
前記投入手段から投入された遊技媒体の速度及び/又は方向を検出する検出手段と、
前記検出手段による検出結果に基づいて前記画像表示手段の画像表示を可変に制御する画像表示制御手段と、
を備えた遊技装置。
【請求項9】
前記検出手段は、更に、遊技媒体の種類を検出する媒体種類検出手段を有し、
前記画像表示制御手段は、前記媒体種類検出手段により検出された遊技媒体の種類に応じた画像表示の制御を行う、
請求項8に記載の遊技装置。
【請求項10】
前記画像表示制御手段は、前記検出手段の検出結果に基づいて前記画像表示手段に所与の移動体画像を出現表示させ、該移動体画像を移動表示させる移動体画像表示制御手段を有する請求項8又は9に記載の遊技装置。
【請求項11】
前記投入手段は、遊技者の操作によって前記遊技空間に向けて前記遊技媒体を投入する方向を可変する手段であり、
前記検出手段は、前記投入手段による遊技媒体の投入方向を検出する投入検出手段を少なくとも有し、
前記移動体画像表示制御手段は、前記投入検出手段の検出に応じて、前記画像表示手段の該検出された投入方向に対応する位置に所与の移動体画像を出現表示させ、該移動体画像を移動表示させる
請求項10に記載の遊技装置。
【請求項12】
前記投入手段は、遊技者の操作によって遊技媒体の投入速度を可変に投入し、
前記検出手段は、更に投入速度を検出し、
前記移動体画像表示制御手段は、前記検出された投入方向及び投入速度に基づいて、移動体画像の移動表示を制御する
請求項11に記載の遊技装置。
【請求項13】
前記移動体画像表示制御手段が、前記検出手段による検出頻度に応じて、新たに出現させる移動体画像の表示サイズを可変する請求項10〜12の何れか一項に記載の遊技装置。
【請求項14】
前記移動体画像表示制御手段が、前記画像表示手段に仮想釘を配置した仮想遊技空間を表示制御するとともに、該仮想遊技空間内を移動体画像が遊技媒体となって運動しているかのような模擬表示制御を行う運動模擬表示制御手段を有する請求項1,2,4〜7及び9〜13のうちの何れか一項に記載の遊技装置。
【請求項15】
前記移動体画像表示制御手段は、移動体画像が前記画像表示手段の表示範囲内を移動した後、該表示範囲外へ出て行くような飛び出し表示の制御を行い、
前記画像表示手段の背面側に進入した遊技媒体を収容する収容手段と、
前記画像表示手段の縁部に沿って設けられた複数の遊技媒体排出手段と、
前記移動体画像表示制御手段による前記飛び出し表示に応じて、該飛び出し表示の表示位置に対応する位置に最寄りの前記遊技媒体排出手段から遊技媒体を排出させる排出制御手段と、
を備えた請求項1,2,4〜7及び9〜14のうちの何れか一項に記載の遊技装置。
【請求項16】
前記移動体画像表示制御手段は、前記飛び出し表示をする際に、該飛び出し表示位置が前記複数の遊技媒体排出手段の何れかの排出位置となるように移動体画像の移動表示を制御する請求項15に記載の遊技装置。
【請求項17】
現在の遊技状態を予め定められた複数種類の遊技状態の何れかに可変に制御する状態制御手段を更に備え、
前記移動体画像表示制御手段が、現在の遊技状態の種類に応じて移動体画像の種類を変える制御を行う
請求項1,2,4〜7及び9〜16のうちの何れか一項に記載の遊技装置。
【請求項18】
前記画像表示手段に特定キャラクタを表示させる特定キャラ表示制御手段を更に備え、
前記状態制御手段が、前記移動体画像表示制御手段により移動表示される移動体画像と前記特定キャラ表示制御手段により表示される特定キャラクタとの相対位置関係が所定条件を満たした場合に現在の遊技状態を他の遊技状態に変更する
請求項17に記載の遊技装置。
【請求項19】
前記画像表示手段に所与の標的キャラクタを表示させる標的キャラ表示制御手段と、
前記移動体画像表示制御手段により移動表示される移動体画像と前記標的キャラクタとのヒット判定をする標的ヒット判定手段と、
前記標的ヒット判定手段によってヒットしたと判定された場合に、入賞と判定して、遊技者に所与の利益を付与する利益付与手段と、
を備えた請求項1,2,4〜7及び9〜18のうちの何れか一項に記載の遊技装置。
【請求項20】
遊技者に所与の利益を付与するか否かの抽選を実行する抽選手段と、
前記画像表示手段に抽選の様子を表す抽選キャラクタを表示させる抽選キャラ表示制御手段と、
前記移動体画像表示制御手段により移動表示される移動体画像と前記抽選キャラクタとのヒット判定をする抽選キャラヒット判定手段とを備え、
前記抽選手段が、前記抽選キャラヒット判定手段によってヒットしたと判定された場合に抽選の開始及び/又は停止を行う請求項1,2,4〜7及び9〜19のうちの何れか一項に記載の遊技装置。
【請求項21】
前記移動体画像表示制御手段が、前記抽選手段による抽選結果が「当り」に該当する場合に、前記移動体画像の表示サイズを、抽選結果が「非当り」に該当する場合に比べて大きくする請求項20に記載の遊技装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技媒体を遊技空間内で移動させる遊技装置に関する。
【背景技術】
【0002】
垂直あるいは傾斜して配置された盤面と、その盤面を覆う透明なカバーとの間に画成された遊技空間に「釘」などの障害物を適宜配置し、金属球やメダルといった遊技媒体を投入して、遊技媒体を遊技空間内で移動させて楽しむ遊技装置が知られている。いわゆる、メダルゲームやパチンコ、ピンボールなどの装置がこれに該当する。
【0003】
例えばパチンコ装置を例に挙げると、パチンコ玉(遊技媒体)が遊技空間内に設けられた「チューリップ」と称される入賞口や「チャッカー」などの特定箇所を通過したことを検知すると、通過したパチンコ玉の数に応じてボーナスとして新たなパチンコ玉が払い出される。また、パチンコ玉が特定箇所を通過したことを検知すると抽選が実行され、所与のルールに従って遊技者に有利な特別遊技状態を実行するか否か、すなわち「大当たり」か「ハズレ」が決定される。抽選結果が「大当たり」の場合には、間口の広い特別な入賞口(大入賞口)が開かれる、あるいは入賞口の開口部がしばらくの間通常より広く開けられたままとなる。この間に、上手くパチンコ玉を入賞口に入れることができれば、通常よりも多くのパチンコ玉が払い出される。払い出されるパチンコ玉は遊技成績を反映したものであり、遊技者はいかに上手くパチンコ玉を入賞口に入れ、抽選で「大当たり」を引いてより多くパチンコ玉を払い出させるかを楽しむ。
【0004】
近年の遊技装置では、遊技中にどのような演出を行って如何に遊技者をより楽しませることができるかが、遊技装置の人気を左右する重要な要素となっている。例えば、盤面中央に画像表示装置を設け、この画像表示装置に様々な画像を表示させることで、遊技者をより楽しませるための演出をするものが有る。具体的には、画像表示装置にスロットマシーンのように複数の特別図柄群が変動する画像が表示され、抽選の結果に応じて確定停止する抽選の演出表示を画像表示させて、抽選の結果に応じた払出を行う。抽選の様子を派手に演出して見せることで遊技性を高めることができる(例えば、特許文献1を参照。)。
【特許文献1】特開2004−181093号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
こうした遊技媒体を遊技空間内で移動させる遊技では、遊技空間内に投入された遊技媒体が、所謂「釘」などの障害物に当りながら自由運動して移動する。遊技媒体がどのように遊技空間内を移動するか目で追って楽しむことは、遊技の楽しみ方の重要な要素である。ところが、上述のような従来の遊技装置でなされる演出は、特定箇所の通過を契機として発動し、遊技媒体の移動とはなんら関係のない画像を表示させているに過ぎない。そのため、演出表示が成される直前まで楽しんでいた遊技媒体の運動と演出表示とが視覚的に連携せず、遊技媒体を目で追う楽しみと画像表示による演出を見る楽しみとが切り離されて、視覚的楽しみとしての一体感に欠けた印象を与えてしまっていた。
【0006】
また、従来の構成では、遊技空間内に画像表示装置が配置されている。当然、遊技媒体が流下できるスペースは、画像表示装置を避けて形勢されるため小さくならざるを得なかった。つまり、演出をより派手にしようとして画像表示装置を大きくすると、反対に本来の遊技そのものが矮小化し、遊技の満足感が薄らいでしまうことになる。そのため、遊技盤の面積に対する画像表示装置の大きさや位置などの設置条件が限られてしまうといった問題もあった。
【0007】
本発明は、こうした課題を鑑みてなされたものであり、より視覚的に楽しい演出を実現して遊技性を高めることを目的とする。更には、遊技媒体が流下する空間を確保しつつも演出表示用の画像表示装置の設置自由度を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、第1の発明は、遊技空間に遊技媒体(例えば、図1のメダルM)を投入し、前記遊技空間内で運動させて遊ぶ遊技装置(例えば、図1の遊技装置1500)において、背面側に遊技媒体の進入が可能な間隔(例えば、図2の流下空間FS)を設けて配置された画像表示手段(例えば、図2のフラットパネルディスプレイ1530、図8の画像表示部500)と、前記遊技空間内を運動する遊技媒体が前記画像表示手段の背面側に進入した際の進入位置を検出する検出手段(例えば、図1の第1ラインセンサ1534、第2ラインセンサ1536、図8の背面進入メダル検出部104)と、前記検出手段の検出に応じて、前記画像表示手段の該検出された進入位置に対応する位置に所与の移動体画像(例えば、図6の仮想メダルMI)を出現表示させ、該移動体画像を移動表示させる移動体画像表示制御手段(例えば、図1の制御ユニット1580、図8の処理部200、遊技演算部210、運動状態量算出部212、仮想メダル登録処理部214、仮想メダル移動処理部216、画像生成部250)と、を備えた遊技装置である。
【0009】
第1の発明によれば、画像表示手段を、背面側に遊技媒体が進入可能な間隔をあけて配置し、遊技媒体が画像表示手段の背面側に進入した進入位置を検出できる。そして、検出された進入位置に対応する位置に、遊技媒体に対応する所与の移動体画像を出現表示させ、更にこの移動体画像を移動表示できる。すなわち、実体としての遊技媒体の移動運動を見て楽しむことができるとともに、画像表示手段に表示される仮想的な移動体画像の移動表示によって、画像表示手段の背後に進入した遊技媒体の移動運動もまた見て楽しむことができる。したがって、より視覚的に楽しい演出を実現して遊技性を高めることができる。
【0010】
また、このことによって、実質的に画像表示手段の背面側を遊技媒体が流下する空間として利用することが可能となる。画像表示手段を支持する構造は必要になるであろうが、画像表示手段を設置することによって遊技媒体が流下できる遊技空間が減少する度合いは従来に比べて圧倒的に少なくなる。よって、画像表示手段の大きさを従来よりも、より一層大きくして演出表示の品質を向上させることもできるし、遊技空間内における配置条件の制約も小さくすることができる。
【0011】
第2の発明は、第1の発明の遊技装置であって、前記検出手段は、更に進入速度を検出し、前記移動体画像表示制御手段は、前記検出された進入位置及び進入速度に基づいて、移動体画像の移動表示を制御する遊技装置である。
【0012】
第2の発明によれば、画像表示手段の背面側に進入する遊技媒体の進入位置及び進入速度に基づいて、移動体画像の移動表示が可能になる。したがって、画像表示手段の背面側に進入する直前の遊技媒体の運動と進入した直後の移動体画像との間で、運動の連続性を保ち、移動体画像の移動表示をよりリアルに表現できる。
【0013】
第3の発明は、遊技空間に遊技媒体を投入し、前記遊技空間内で運動させて遊ぶ遊技装置において、画像表示手段と、前記遊技空間内を運動する遊技媒体の速度を検出する検出手段(例えば、図1の第1ラインセンサ1534、第2ラインセンサ1536、図8の背面進入メダル検出部104)と、前記検出手段の検出結果に基づいて前記画像表示手段の画像表示を可変に制御する画像表示制御手段(例えば、図1の制御ユニット1580、図8の処理部200、遊技演算部210、運動状態量算出部212、仮想メダル登録処理部214、仮想メダル移動処理部216、画像生成部250)と、を備えた遊技装置である。
【0014】
第3の発明によれば、遊技空間内を運動する遊技媒体の速度を検出できる。そして、検出された速度に基づいて画像表示を可変できる。すなわち、実体としての遊技媒体の移動運動を見て楽しむことができるとともに、遊技媒体の移動速度に応じて可変される画像表示手段の画像表示を見て楽しむことができる。したがって、より視覚的に楽しい演出を実現して遊技性を高めることができる。
【0015】
第4の発明は、第3の発明の遊技装置であって、前記検出手段が、更に、遊技媒体の種類を検出する媒体種類検出手段を有し、前記画像表示制御手段が、前記媒体種類検出手段により検出された遊技媒体の種類に応じた画像表示の制御を行う、遊技装置である。
【0016】
この第4の発明によれば、検出された遊技媒体の種類に応じて、様々な画像表示の制御をすることが可能となる。
【0017】
第5の発明は、第3又は4の発明の遊技装置であって、前記画像表示制御手段は、前記検出手段の検出結果に基づいて前記画像表示手段に所与の移動体画像を出現表示させ、該移動体画像を移動表示させる移動体画像表示制御手段を有する。
【0018】
第5の発明によれば、第3又は4の発明と同様の効果を奏するとともに、検出された遊技媒体の速度に基づいて画像表示手段に所与の移動体画像を出現表示させ、該移動体画像を移動表示させることができる。すなわち、実体としての遊技媒体の移動運動を見て楽しむことができるとともに、画像表示手段に表示される仮想的な移動体画像の移動表示によって、画像表示手段の背後に進入した遊技媒体の移動運動もまた見て楽しむことができる。したがって、より視覚的に楽しい演出を実現して遊技性を高めることができる。
【0019】
第6の発明は、第1,2,4又は5の発明の遊技装置であって、前記移動体画像表示制御手段が、前記検出手段による検出頻度に応じて、新たに出現させる移動体画像の表示サイズを可変する遊技装置である。
【0020】
第6の発明によれば、第1,2,4又は5の発明と同様の効果を奏するとともに、検出手段の検出の頻度に応じて新たに出現させる移動体画像の表示サイズを可変することができる。
【0021】
第7の発明は、第1,2,4,5又は6の発明の遊技装置であって、前記画像表示手段は、背面側を流下する遊技媒体を遊技者が視認可能な光透過性を有しており、前記画像表示手段の背面側を流下する遊技媒体の位置座標を検出する位置検出手段(例えば、図24のタッチパネル1574、図25の背面進入メダル検出部106、位置座標算出部211、図29のステップS130)を更に備え、前記移動体画像表示制御手段は、前記位置検出手段によって検出された位置座標に基づき、前記画像表示手段を介して当該遊技媒体を透視した際の透視位置に、移動体画像を表示させる遊技装置である。
【0022】
第7の発明によれば、第1,2,4,5又は6の発明と同様の効果を奏するとともに、画像表示手段が光透過性を有しているので、画像表示手段の背面側だから遊技媒体が見えなくなるといったことを気にする必要がない。したがって、画像表示手段の設置制約が極めて小さくなる。また、画像表示手段に表示された画像越しに実体としての遊技媒体を見ることができるので、画像表示による演出と実体との一体感を高め、より視覚的に楽しい演出を実現できる。
【0023】
第8の発明は、遊技空間に遊技媒体を投入し、前記遊技空間内で運動させて遊ぶ遊技装置において、画像表示手段(例えば、図35のフラットパネルディスプレイ1530)と、前記遊技空間へ前記遊技媒体を投入する投入手段(例えば、図35のメダル投入器1590)と、前記投入手段から投入された遊技媒体の速度及び/又は方向を検出する検出手段(例えば、図35の回転角度センサ1596、図37の投入方向検出部108)と、前記検出手段による検出結果に基づいて前記画像表示手段の画像表示を可変に制御する画像表示制御手段(例えば、図35の制御ユニット1580、図37の処理部200、遊技演算部210C,運動状態量算出部212C、仮想メダル登録処理部214C、仮想メダル移動処理部216C、画像生成部250)と、を備えた遊技装置である。
【0024】
第8の発明によれば、遊技空間に向けて投入手段から投入された遊技媒体の速度及び/又は方向を検出することができる。そして、検出された遊技媒体の速度及び/又は方向に基づいて画像表示が可変される。したがって、より視覚的に楽しい演出を実現して遊技性を高めることができる。
【0025】
第9の発明は、第8の発明の遊技装置であって、前記検出手段が、更に、遊技媒体の種類を検出する媒体種類検出手段を有し、前記画像表示制御手段が、前記媒体種類検出手段により検出された遊技媒体の種類に応じた画像表示の制御を行う、遊技装置である。
【0026】
この第9の発明によれば、検出された遊技媒体の種類に応じて、様々な画像表示の制御をすることが可能となる。
【0027】
第10の発明は、第8又は9の発明の遊技装置であって、前記画像表示制御手段は、前記検出手段の検出結果に基づいて前記画像表示手段に所与の移動体画像を出現表示させ、該移動体画像を移動表示させる移動体画像表示制御手段を有する装置である。
【0028】
第10の発明によれば、第8又は9の発明と同様の効果を奏するとともに、更に検出された遊技媒体の速度及び/又は方向に基づいて画像表示手段に所与の移動体画像を出現表示させ、更にこの移動体画像を移動表示できる。すなわち、実体としての遊技媒体の移動運動を見て楽しむことができるとともに、画像表示手段に表示される仮想的な移動体画像の移動表示によって、遊技媒体の移動運動もまた見て楽しむことができる。
【0029】
第11の発明は、第10の発明の遊技装置であって、前記投入手段は、遊技者の操作によって前記遊技空間に向けて前記遊技媒体を投入する方向を可変する手段であり、前記検出手段は、前記投入手段による遊技媒体の投入方向を検出する投入検出手段(例えば、図35の回転角度センサ1596、図37の投入方向検出部108)を少なくとも有し、前記移動体画像表示制御手段は、前記投入検出手段の検出に応じて、前記画像表示手段の該検出された投入方向に対応する位置に所与の移動体画像を出現表示させ、該移動体画像を移動表示させる遊技装置である。
【0030】
第11の発明によれば、第10の発明と同様の効果を奏するとともに、遊技操作の一つとして遊技者が投入速度を可変できるとともに、遊技空間に向けて投入された遊技媒体の投入方向を検出できる。そして、検出された投入方向に対応する位置に、遊技媒体に対応する所与の移動体画像を出現表示させ、更にこの移動体画像を移動表示できる。したがって、
少なくとも投入された遊技媒体の投入方向に基づいて移動体画像の移動表示を制御することができる。結果的に、遊技者による投入速度の大小と因果関係が有るように、移動体画像が移動表示されることになるので、より移動体画像の運動をリアルに表現して遊技性を高めることができる。
【0031】
第12の発明は、第11の発明の遊技装置であって、前記投入手段は、遊技者の操作によって遊技媒体の投入速度を可変に投入し、前記検出手段は、更に投入速度を検出し、前記移動体画像表示制御手段は、前記検出された投入方向及び投入速度に基づいて、移動体画像の移動表示を制御する遊技装置である。
【0032】
第12の発明によれば、第11の発明と同様の効果を奏するとともに、遊技操作の一つとして遊技者が投入速度を可変できる。そして、投入された遊技媒体の投入方向及び投入速度に基づいて、移動体画像の移動表示を制御することができる。結果的に、遊技者による投入速度の大小と因果関係が有るように、移動体画像が移動表示されることになるので、より移動体画像の運動をリアルに表現して遊技性を高めることができる。
【0033】
第13の発明は、第10〜12の何れか一つの発明の遊技装置であって、前記移動体画像表示制御手段が、前記検出手段による検出頻度に応じて、新たに出現させる移動体画像の表示サイズを可変する遊技装置である。
【0034】
第13の発明によれば、第10〜12の何れか一つの発明と同様の効果を奏するとともに、遊技媒体の投入頻度に応じて新たに出現させる移動体画像の表示サイズを可変することができる。したがって、より表現を豊かにして遊技性を高めることができる。
【0035】
第14の発明は、第1,2,4〜7及び9〜13の発明のうちの何れか一つの遊技装置であって、前記移動体画像表示制御手段が、前記画像表示手段に仮想釘を配置した仮想遊技空間を表示制御するとともに、該仮想遊技空間内を移動体画像が遊技媒体となって運動しているかのような模擬表示制御を行う運動模擬表示制御手段(例えば、図1の制御ユニット1580、図8の処理部200、遊技演算部210、仮想メダル移動処理部216、画像生成部250、図15のステップS10)を有する遊技装置である。
【0036】
第14の発明によれば、第1,2,4〜7及び9〜13の発明のうちの何れか一つと同様の効果を奏するとともに、画像表示手段の背面側に遊技媒体が隠れたところから引き継いで、移動体画像があたかも遊技媒体であるかのようにして、仮想釘が配置された仮想遊技空間を運動する様子を模擬表示するといったことが可能となる。すなわち、この場合、遊技媒体が画像表示手段の背面側に進入したからといって、遊技空間を運動する遊技媒体を目で追う楽しみが途切れるのではなく、画像の中で引き続き楽しむことができる。したがって、実体としての遊技媒体の運動と、移動体画像を仮想の遊技媒体と見立てた運動とで連続した全く新しい視覚的な楽しさをもたらすことができる。
【0037】
第15の発明は、第1,2,4〜7及び9〜14の発明のうちの何れか一つの遊技装置であって、前記移動体画像表示制御手段は、移動体画像が前記画像表示手段の表示範囲内を移動した後、該表示範囲外へ出て行くような飛び出し表示の制御を行い、前記画像表示手段の背面側に進入した遊技媒体を収容する収容手段(例えば、図2のメダルガイド部1540、メダル貯留部1542)と、前記画像表示手段の縁部に沿って設けられた複数の遊技媒体排出手段(例えば、図3のメダル排出装置1546、メダル射出装置1548、通過メダル排出口1560、図8の通過メダル排出部306)と、前記移動体画像表示制御手段による前記飛び出し表示に応じて、該飛び出し表示の表示位置に対応する位置に最寄りの前記遊技媒体排出手段から遊技媒体を排出させる排出制御手段(例えば、図1の制御ユニット1580、図8の処理部200、通過メダル排出制御部230)と、を備えた遊技装置である。
【0038】
第15の発明によれば、第1,2,4〜7及び9〜14の発明のうちの何れか一つと同様の効果を奏するとともに、画像表示手段の背面側に進入した遊技媒体を収容する一方、画像表示手段内で該遊技媒体の運動を引き継いだ格好で移動体画像を移動表示するといったことが可能になる。そして、移動体画像が画像表示手段の表示範囲外へ出て行くように画像表示されるとともに、飛び出すその位置の近傍から実体としての遊技媒体を排出させることができる。したがって、遊技媒体が、画像表示手段の背面に進入して背面を通過して外に出る一連の動作を連続して遊技者に見せるといったことができる。よって、従来に無い実体と画像表示との連携表示が可能となり、遊技性を高めることができる。
【0039】
第16の発明は、第15の発明の遊技装置であって、前記移動体画像表示制御手段は、前記飛び出し表示をする際に、該飛び出し表示位置が前記複数の遊技媒体排出手段の何れかの排出位置となるように移動体画像の移動表示を制御する遊技装置である。
【0040】
第16の発明によれば、第15の発明と同様の効果を奏するとともに、移動体画像の移動表示位置を制御して飛び出し位置が実体としての遊技媒体の排出位置となるようにあわせることができる。したがって、画像表示範囲を飛び出す画像と、実際に排出される遊技媒体との位置関係をあわせることで、画像表示手段の背面に進入して背面を通過して外に出る一連の動作の視覚的な連続性を高めることができる。
【0041】
第17の発明は、第1,2,4〜7及び9〜16の発明のうちの何れか一つの遊技装置であって、現在の遊技状態を予め定められた複数種類の遊技状態の何れかに可変に制御する状態制御手段(例えば、図1の制御ユニット1580、図8の処理部200、遊技演算部210、記憶部600、遊技状態データ634)を更に備え、前記移動体画像表示制御手段が、現在の遊技状態の種類に応じて移動体画像の種類を変える制御(例えば、図20のステップS324、S328、図21のステップS410)を行う遊技装置である。
【0042】
遊技状態とは、例えば、抽選機能を有しているならば「当り」の出る確率設定が異なる状態や、「当り」が出る前と出た後、特別な利益が付与される状態(ボーナスステージ、ジャックポッドなど)が該当する。
第17の発明によれば、第1,2,4〜7及び9〜16の発明のうちの何れか一つと同様の効果を奏するとともに、遊技状態の変化に応じて移動体画像の種類を変更することができる。したがって、遊技状態が変わったことを遊技者に示すことで利便性を高めることができるとともに、視覚的な変化によってより一層遊技性を高めることができる。
【0043】
第18の発明は、第17の発明の遊技装置であって、前記画像表示手段に特定キャラクタを表示させる特定キャラ表示制御手段(例えば、図1の制御ユニット1580、図8の処理部200、遊技演算部210、画像生成部250、特定キャラクタモデルデータ608、特定キャラクタデータ626)を更に備え、前記状態制御手段が、前記移動体画像表示制御手段により移動表示される移動体画像と前記特定キャラ表示制御手段により表示される特定キャラクタとの相対位置関係が所定条件を満たした場合に現在の遊技状態を他の遊技状態に変更する遊技装置である。
【0044】
第18の発明によれば、第17の発明と同様の効果を奏するとともに、表示画面内で特定キャラクタと移動体画像との相対位置関係が所定の条件を満たした場合に、遊技状態を変更することができる。相対位置関係が所定の条件を満たした場合とは、例えば、特定キャラクタとの接触や、特定キャラクタから所定範囲内の通過などが該当する。つまり、実体空間の遊技媒体と遊技空間内の設置物との係わりによって遊技状態が変わるのと同じように制御できる。画像の移動の結果としての表示画面内での移動体の運動結果と同画面内での特定キャラクタとの係わりによっても遊技状態を変更できるので、画面表示の内容を、実体としての遊技と融合させることで、実体と仮想空間とが一体となったシームレスな感覚をもたらす新しい遊技性を創生することができる。
【0045】
第19の発明は、第1,2,4〜7及び9〜18の発明のうちの何れか一つの遊技装置であって、前記画像表示手段に所与の標的キャラクタを表示させる標的キャラ表示制御手段(例えば、図1の制御ユニット1580、図8の処理部200、遊技演算部210、画像表示制御分250、図15のステップS14)と、前記移動体画像表示制御手段により移動表示される移動体画像と前記標的キャラクタとのヒット判定をする標的ヒット判定手段(例えば、図1の制御ユニット1580、図8の処理部200、遊技演算部210、図15のステップS18、図19のステップS202)と、前記標的ヒット判定手段によってヒットしたと判定された場合に、入賞と判定して、遊技者に所与の利益を付与する利益付与手段(例えば、図1の制御ユニット1580、ボーナスメダル排出口1612、メダル射出装置1549、図8の処理部200、ボーナスメダル排出部304、図19のステップS202)と、を備えた遊技装置である。
【0046】
第19の発明によれば、第1,2,4〜7及び9〜18の発明の何れか一つと同様の効果を奏するとともに、表示画面内に標的キャラクタを表示させて、移動体画像がこの標的キャラクタとヒットした場合に入賞判定し利益を付与できる。したがって、表示画面内も実体としての遊技空間のように用いることができる。
【0047】
第20の発明は、第1,2,4〜7及び9〜19の発明の何れか一つの遊技装置であって、遊技者に所与の利益を付与するか否かの抽選を実行する抽選手段(例えば、図1の制御ユニット1580、図8の処理部200、遊技演算部210、抽選部218)と、前記画像表示手段に抽選の様子を表す抽選キャラクタ(例えば、図18のスロット部22)を表示させる抽選キャラ表示制御手段(例えば、図1の制御ユニット1580、図8の処理部200、遊技演算部210、画像表示制御分250、図15のステップS12、ステップS16)と、前記移動体画像表示制御手段により移動表示される移動体画像と前記抽選キャラクタとのヒット判定をする抽選キャラヒット判定手段(例えば、図1の制御ユニット1580、図8の処理部200、遊技演算部210、抽選部218、図15のステップS20、図20のステップS302)とを備え、前記抽選手段が、前記抽選キャラヒット判定手段によってヒットしたと判定された場合に抽選の開始及び/又は停止を行う遊技装置である。
【0048】
第20の発明によれば、第1,2,4〜7及び9〜19の発明の何れか一つと同様の効果を奏するとともに、表示画面内に抽選キャラクタを表示させて、移動体画像とのヒットを契機に抽選の開始及び/又は停止を行うことができる。したがって、抽選を移動体画像の運動と関連付けてイベント性を持たせることで、より遊技性を高めることができる。
【0049】
第21の発明は、第20の発明の遊技装置であって、前記移動体画像表示制御手段が、前記抽選手段による抽選結果が「当り」に該当する場合に、前記移動体画像の表示サイズを、抽選結果が「非当り」に該当する場合に比べて大きくする遊技装置である。
【0050】
第21の発明によれば、第20の発明と同様の効果を奏するとともに、抽選結果として「当り」が出たことを明確に示すことができる。
【発明の効果】
【0051】
本発明によれば、遊技空間内を運動する遊技媒体の速度を検出し、検出した速度に基づいて画像表示を可変することができる。したがって、より視覚的に楽しい演出を実現して遊技性を高めることができる。更に、また、遊技媒体に対応する所与の移動体画像を出現表示させ、更にこの移動体画像を移動表示することで、実体としての遊技媒体の移動運動を見て楽しむことができるとともに、画像表示手段に表示される仮想的な移動体画像の移動表示によって、遊技媒体の移動運動もまた見て楽しむことができる。
加えて、背面側に遊技媒体の進入が可能な間隔を設けて画像表示手段を設け、その背面側に進入した遊技媒体の速度を検出する構成とすることで、実質的に画像表示手段の背面側を遊技媒体が流下する空間として利用することが可能となる。よって、画像表示手段の大きさを従来よりも、より一層大きくすることもできるし、遊技空間内における配置位置の制約も小さくすることができる。
【0052】
また、別の構成として、遊技空間に向けて投入された遊技媒体の速度及び/又は方向を検出し、検出した速度及び/又は方向に基づいて遊技媒体に対応する所与の移動体画像を出現表示させ、更にこの移動体画像を移動表示することによっても、同様に、実体としての遊技媒体の移動運動を見て楽しむことができるとともに、画像表示手段の背後に進入した遊技媒体の移動運動もまた見て楽しむことができる。また、実質的に画像表示手段の背面側を遊技媒体が流下する空間として利用することが可能となるので、画像表示手段の大きさを従来よりも、より一層大きくすることもできるし、遊技空間内における配置位置の制約も小さくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0053】
〔第1実施形態〕
以下、図面を参照しながら、本発明を適用した第1実施形態について説明する。本実施形態では、遊技媒体として金属製のメダルを用いるプッシャータイプのメダルゲームを例に挙げて説明するが、遊技媒体を金属球としたパチンコやピンボールにおいても同様に適用することができる。
【0054】
[装置の構成]
図1は、本実施形態における遊技装置1500の構成の概略を説明するための正面外観図である。図2は、遊技装置1500の縦断面図である。
図1に示すように、本実施形態における遊技装置1500は、基本的には所謂「プッシャータイプ」と称される形式のメダルゲームと同様の構成を有している。すなわち、遊技者が使用メダル投入口1502に新たなメダルを入れると、通過センサ1503によって投入が検出されるとともに、このメダルはメダル収容部1504に収容される。そして、使用メダル投入口1502から入れられたのと同数のメダルMが、遊技空間GSの天井部に設けられたメダル貯留部1505のメダル射出装置1548から射出される。射出されたメダルは、新規メダル落下口1506から排出され、遊技空間GS内に落下・投入される。
【0055】
遊技空間GS内に投入されたメダルMは、遊技盤1508に立設された釘1510などに当りながら遊技空間GS内を流下し、やがて遊技空間GSの下部に設けられたプッシャーテーブル1520に到達する。プッシャーテーブル1520は、筐体1501の開口部から略水平方向に延出した板状部材であり、装置前後方向(図1の奥が後、手前が前。図2の右が後、左が前)に周期的に進退動する。
【0056】
通常、遊技開始前には、遊技装置1500の管理人らによって、予めプッシャーテーブル1520の上面に多数のメダルが載せられる。遊技の進行にともなって、この状態から新たにメダルがプッシャーテーブル1520の上に次々に載せられることになる。プッシャーテーブル1520が後退すると、載っているメダルもいっしょに後退する。すると、プッシャーテーブル1520が後退した分だけテーブルの延出長が短くなり、プッシャーテーブル1520の手前側に載っているメダルが次々に、その下に設けられた固定テーブル1522上に落下する。固定テーブル1522上に落下したメダルは、プッシャーテーブル1520の前進に伴ってその前方端で押され(プッシュされ)、固定テーブル1522の手前側に載っているメダルから順に払出連通口1524に押し出されて落下する。落下したメダルは、払出連通口1524に連通する取得メダル払出口1526から、操作テーブル1528のメダル受皿1529に払い出される。
【0057】
また、メダルMが、遊技空間GSを流下する際に所定の位置を通過して入賞した場合や、所定の抽選始動条件を満たして実行された抽選で「当り」が出た場合には、ボーナスメダル払出口1512から、入賞や「当り」抽選に係る褒美・利益として新たなメダルがプッシャーテーブル1520上に払い出される。(以下では、ボーナスメダル払出口1512から払いだされるメダルを「ボーナスメダル」とも言う。)
したがって、上手く抽選を実行させて「当り」を出すことで、投入した数以上のメダルを取得することができる構成となっており、遊技者は射幸性のある遊技を楽しむことができる。
【0058】
尚、遊技装置1500は、制御ユニット1580に搭載されたCPU等の演算処理装置が、同じく搭載されたICメモリなどに記憶されているプログラムやデータを読み出して実行することによって制御される。例えば、制御ユニット1580による種々の制御によって、入賞の判定や、抽選確率の変更、演出画像の表示制御などが行われる。遊技中に様々な効果音がスピーカ1507から出力されて、遊技を盛り上げるのも制御ユニット1580による制御の一つである。
【0059】
次に、遊技空間GS内におけるメダルMの流れを中心にして、本実施形態における遊技装置1500の構成に係る詳細な説明をする。図1および図2に示すように、遊技空間GSは、筐体1501の上部に形成された正面に開口部を向けたコの字形に囲まれた空間と、同空間の前面を覆う透明アクリル樹脂パネルや強化ガラスなどの透明カバー1514とで画成されている。当然のことながら、遊技者は遊技空間GS内の様子を見ることができる。
【0060】
遊技空間GSの奥側には、釘1510などの障害物が設けられた遊技盤1508が、垂直立設されている。但し、前方下方に向かって傾斜して設けられることとしてもよい。遊技盤1508の前面は、遊技盤1508と略平行に固定された透明仕切り板1516で覆われており、遊技空間GSの一部にメダルが通過可能な流下空間FSが画成されている。尚、図2では、流下空間FSを広目に記載しているが、遊技盤1508と透明仕切り板1516との間隔は、一枚のメダルの表裏を装置前後方向に向けた状態でスムーズに流下できる程度に設定されており、複数のメダルが重なり合って流下することはできないようになっている。
【0061】
本実施形態では、透明仕切り1516の更に手前側には、画面を手前側に向けたフラットパネルディスプレイ1530が遊技盤1508と略平行に設けられている。フラットパネルディスプレイ1530は、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、表面電界ディスプレイ(SED)、有機ELディスプレイ(OLED)などによって実現され、CPU等の演算処理装置やICメモリ等の情報記憶媒体および各種信号のインターフェース装置を備えた制御ユニット1580の制御によって様々な画像を表示することができる。本実施形態のフラットパネルディスプレイ1530は、遊技盤1508の上端より幾ばくか下方の位置から、遊技盤1508の下端ぎりぎりまでに及ぶ縦長と、ほぼ全幅に渡って遊技盤1508の前面を覆う横長を有し、その背面側の様子は遊技者側からは見ることができない。
【0062】
新規メダル落下口1506から落下したメダルMは、遊技盤1508の盤面に沿って周期的に揺動する揺動腕1518によってその移動方向が変えられて流下する。そして更に、釘1510などの障害物に当りながらフラットパネルディスプレイ1530の背面側の流下空間FS内に進入する。
【0063】
図3は、フラットパネルディスプレイ1530を取り除いた状態に相当する遊技盤1508の正面図である。図2及び図3に示すように、本実施形態の遊技装置1500は、フラットパネルディスプレイ1530の背面側に進入するメダルの進入位置及び進入速度を検出する手段として、第1ラインセンサ1534と第2ラインセンサ1536とを備えている。
【0064】
第1ラインセンサ1534および第2ラインセンサ1536は、線状に配置された感光素子(例えばCCDイメージセンサ素子など。)と、レンズ、プリズム及びドライバー回路によって構成され、対象物の映像をレンズによって素子面に結像させて受光した光の量に応じて信号を制御ユニットに出力する。本実施形態では、それぞれ遊技盤1508の全幅とほぼ同じ全長(ライン長)を有し、ライン方向を遊技盤1508の横方向に合わせた状態で、遊技盤1508の背面に固定されている。そして、それぞれ感光素子の素子面側には、光学的に光路OPを屈曲させるレンズ一体型の光路変更プリズム1538の一端側が装着されている。光路変更プリズム1538の他端側は、遊技盤1508の取り付け穴に装着され、フラットパネルディスプレイ1530の裏面に設けられた両面バックライト1532から受光する受光部を形成している。受光部から入った光は光路変更プリズム1538内を導かれて感光素子に届けられる。本実施形態では、第1ラインセンサ1534の受光部は、フラットパネルディスプレイ1530の上端よりわずかに下側に位置しており、第2ラインセンサに装着された光路変更プリズム1538の他端側は、第1ラインセンサ1534の他端の位置よりも所定の配置間隔ΔYsだけ、わずかに下側に離れた位置にある(以下、受光部をもってラインセンサの位置として説明する。)。
よって、フラットパネルディスプレイ1530の背面側に進入したメダルMは、第1ラインセンサ1534および第2ラインセンサ1536の前を通過する際に、両面バックライト1532からの光を遮断することで、遮光部分として検出されることになる。
【0065】
図4は、本実施形態におけるメダルの進入位置と進入速度の検出方法の原理を説明するための概念図である。システム時刻がt1〜t3に進むにつれて、メダルM(M1〜M3)が第1ラインセンサ1534および第2ラインセンサ1536を通過する様子を示している。
【0066】
同図に示すように、水平方向右向きをX軸方向、下向き方向をY軸方向とすると、本実施形態では第1ラインセンサ1534と第2ラインセンサ1536はX軸方向に沿って、Y軸方向に配置間隔ΔYsだけ離して平行に配置されている。両者のY軸座標値は固定値である。
【0067】
本実施形態では、進入位置と進入速度を求める処理は、制御ユニット1580内で用いられるシステム時刻に基づく所定の制御サイクルで繰り返し実行される。フラットパネルディスプレイ1530の背面側の流下空間FS内に進入するメダルMは、ラインセンサの受光部の前を通過する際に両面バックライト1532からの光を有幅で遮断するため、各ラインセンサでは通過中のメダルMを遮光範囲RSとして検出することができる。第1ラインセンサ1534および第2ラインセンサ1536からの出力信号は、制御ユニット1580に搭載されたICメモリなどの情報記憶媒体に、システム時刻と対応づけて記憶される。尚、制御サイクルは、予測されるメダルの落下速度の範囲において、次のような状態が検出できる程度に十分短時間であるものとする。
【0068】
例えば、同図(a)のメダルM1のように進入開始当初の状態では、システム時刻t1において、第1ラインセンサ1534と第2ラインセンサ1536の両方の検出結果を走査(スキャン)しても、第1ラインセンサ1534では遮光範囲RSが検出されるが、第2ラインセンサ1536では検出されないことになる。同図(b)のメダルM2のように、システム時刻がt2まで経過してメダルが更に流下すると、両方のラインセンサでそれぞれ遮光範囲RSが検出される。同図(c)のメダルM3のように、さらに時間が経過して流下が進むと、第1ラインセンサ1534では遮光範囲RSは検出されないが、第2ラインセンサ1536では検出され続けている状態となる。
【0069】
したがって、同図(a)の状態が検出されたシステム時刻を、メダルMが進入した進入時間と見なすことができる。そして、このとき検出された遮光範囲RSの幅とその中間点Paの座標値とから、幾何的にメダルMの中心点が求まり、これを進入位置と見なすことができる。
【0070】
また、第1ラインセンサ1534と第2ラインセンサ1536とは配置間隔ΔYSで固定されているのであるから、同図(a)の状態から同図(b)の状態になるまでの時間間隔Δtが分かれば、配置間隔ΔYと時間間隔ΔtからY軸方向速度成分Vy0を求めることができる。また、メダルは円形なので必然的に、第1ラインセンサ1534の遮光範囲RSの中間点Paと、第2ラインセンサ1536の遮光範囲RSの中間点Pbとは、メダルの中心軸線上にある。したがって、同図(a)のシステム時刻t1における中間点Pa1のX座標値と、同図(b)におけるシステム時刻t2における中間点Pa2のX座標値との差ΔXと、時間間隔ΔtからX軸方向速度成分Vx0を求めることができる。
【0071】
ここで、第1ラインセンサ1534および第2ラインセンサ1536は、フラットパネルディスプレイ1530の幅と略同じライン長を有している。そのために、同システム時刻の走査(スキャン)の時点で複数のメダルが同時に各ラインセンサを横切る場合が起こる。その場合、遮光範囲及びその中間点の検出の結果、複数の中間点が存在することになる。これが、時間間隔Δt毎に検出されていくため、1つのメダルに対する中間点Paと中間点Pbの対応付けを誤ると、当該メダルの正しい速度成分を求めることができなくなる。
【0072】
図5は、本実施形態における中間点Pa,Pbの対応付けの原理を説明するための概念図である。中間点Paと中間点Pbの対応付けに際して、予め遮光範囲RSの基準値RS0が設定される。基準値RS0は、同図(a)に示すように、メダルMが第1ラインセンサ1534では検出されるが、第2ラインセンサ1536では検出されないような状態における遮光範囲RSの幅に相当する。メダルM1の半径及びラインセンサ間の間隔ΔYsに基づいて、基準値RS0=2×√{(メダルM1の半径)−(メダルM1の半径−間隔ΔYs)}として求めることができる。
【0073】
具体的な対応づけでは、先ず、第1ラインセンサ1534および第2ラインセンサ1536で略同時にスキャンし、それぞれで遮光範囲RSの中間点Pa,Pbを求める。そして、第1ラインセンサ1534で検出された遮光範囲RSaの中間点Pa(以下、単に「第1ラインセンサ1534の中間点Pa」とも言う。)のうち、X座標値の小さいほうから順に処理対象となる中間点Paを抽出し、当該中間点PaのX座標値を中心に正負方向に所定範囲ΔXcだけ大きい比較領域RCを設定する。所定範囲ΔXcは、メダルの半径よりもわずかに大きく設定されている。つまり、流下空間FS内の奥行き幅は、一枚のメダルが、抉りなどが発生することなくスムーズに流下するのに適当な大きさに設定されており、実質的に複数のメダルが重なり合って流下することはできないようになっている。このことは、第1ラインセンサ1534および第2ラインセンサ1536を通過するメダルについても同様のことが言える。してみれば、例えメダルMにX軸方向速度成分Vxが存在し、斜め下方に移動しているケースであったとしても、制御サイクルが十分に短ければ、中間点PaのX座標値を中心に設定された比較領域RC内に、他のメダルが横に並んで存在することは有り得ないことになる。
【0074】
したがって、処理対象の中間点Paを基準として設定された第2ラインセンサ1536の比較範囲RC内に、中間点Pbを抽出できない場合には、すなわち処理対象の中間点Paに対応付けできる中間点Pbが無い場合には、同図(a)のメダルM1のように、第1ラインセンサ1534では検出されるが、第2ラインセンサ1536では検出できない進入初期の状態にあると判断できることになる。
【0075】
また、第2ラインセンサ1536の中間点Pbの中に、該比較領域RC内に存在するものが抽出できる場合には、抽出された中間点Pbが処理対象の中間点Paに対応付けられるとも考えられる。ところが、この場合には、同図(b)のメダルM2およびM3の二つが上下方向に近接した状態と、同図(c)のメダルM4あるいはM5のように一つのメダルが両方のラインセンサにかかっている状態との両方が考えられる。同図(b)の場合は、対応づけられた中間点Pbは、メダルM2の先を流下するメダルM3のものであって、同図(b)に示す中間点PaとPbとを、1つのメダルに関する中間点であると判断して対応づけてしまうと、誤った対応づけとなる。
【0076】
そこで、本実施形態では、第2ラインセンサ1536の中間点Pbの中に、該比較領域RC内に存在するものが抽出できる場合、更に当該中間点Paおよび中間点Pbが生成されたもとになった遮光領域RSaおよびRSbの幅を求め、基準値RS0と比較する。
比較の結果、遮光領域RSaおよびRSbの少なくとも何れか一方が、基準値RS0より大きい場合には、同図(c)のメダルM4あるいはM5の何れかの状態であると判断できる。一方、遮光領域RSaおよびRSbの両方が、基準値RS0より小さい場合には、同図(b)のメダルM2,M3の状態であって、中間点PaおよびPbは異なる別々のメダルによるものであって、処理対象となっている中間点Paに対応する中間点Pbは無いと判断される。
【0077】
そして、以上の処理を続ける結果、第2ラインセンサ1536の中間点Pbに対応する中間点Paが存在しないものが出てくる場合がある。この場合は、同図(d)のメダルM6のように、第1ラインセンサ1534の前方は通過しきってしまって検出されないが、第2ラインセンサ1536は通過しきっていないために検出される状態であると判断できる。
【0078】
よって、中間点PaとPbの対応付け関係から、図4(a)〜(c)の状態を正しく判定し、フラットパネルディスプレイ1530の背面側に進入するメダルMの進入時刻と、進入位置および進入速度を得ることができる。
【0079】
そして、本実施形態では、図6に示すように、実体としてのメダルMがフラットパネルディスプレイ1530の背面側に進入するや否や、先に検出した進入時刻、進入位置および進入速度に基づいて、フラットパネルディスプレイ1530の表示画面内に当該メダルMに対応する仮想メダルMIが表示され、背面側に進入する実体としてのメダルMの運動状態を引き継ぐ格好で、仮想空間に形成された仮想遊技空間を仮想メダルMIが流下する画像が表示される。換言すれば、メダルMに仮想メダルMIがすり替わるように表示される。そして、仮想遊技空間には、実体としての遊技空間GSの遊技盤1508と同様にして仮想釘1534が設けられており、仮想メダルMIがあたかも実体のメダルが遊技盤に沿って流下するかのように表示される。
【0080】
一方、実体空間においては、図2および図3に示すように、フラットパネルディスプレイ1530の背面側には、メダルガイド部1540が設けられている。メダルガイド部1540は、遊技盤1508の略全幅に渡って、遊技盤1508からフラットパネルディスプレイ1530側に向けて斜め上向きに延設され、流下空間FSを流下してきたメダルMを、遊技盤1508の背面側に設けられたメダル貯留部1542に導く収納路1544へガイドする。すなわち、フラットパネルディスプレイ1530の背面側の流下空間FS内に進入したメダルは、メダルガイド部1540に当ってメダル収容路1544を通ってメダル貯留部1542に収容される。
【0081】
また、遊技盤1508の背面側には、メダル貯留部1542に貯留されているメダルを排出するメダル排出装置1546が設けられている。メダル排出装置1546には、遊技盤1508の下端に横一列に設けられた複数の通過メダル排出口1560―n(n=1,2,3…;以下、総称として通過メダル排出口1560とも言う。)にそれぞれ連通された複数のメダル射出装置1548が設けられている。
【0082】
メダル射出装置1548は、例えば図7に示すように、メダル貯留部1542の底に連通されたメダルホルダ1548aによって、これから排出するメダルMを横積みに蓄え、制御ユニット1580の制御に従って稼動する電磁ソレノイド1548bでプランジャ1548cを進退動させ、メダルホルダ1548a内のメダルMを1枚ずつ通過メダル排出口1560に連通する排出通路に射出する。
【0083】
本実施形態では、通過メダル排出口1560は、遊技盤1508の下端であってフラットパネルディスプレイ1530の下端よりもわずかに上側に横一列に設けられている。したがって、フラットパネルディスプレイ1530の背面側に進入したメダルMを一旦、装置内に貯留し、適当なタイミングで適当な位置の通過メダル排出口1560から貯留されていたメダルを排出制御することによって、あたかもフラットパネルディスプレイ1530の背面をメダルMが通過して出てきたかのように見せることができる。
【0084】
尚、メダル排出装置1542には入賞時にその褒美としてのメダル、所謂「ボーナスメダル」を排出するために特別のメダル射出装置1549が設けられており、射出先はボーナスメダル払出口1512に繋がっている。したがって、当該メダル射出装置1549の射出を制御することによって、任意の数のボーナスメダルを払い出すことができる。尚、メダル射出装置1549は、メダル射出装置1548と同様にして実現できる。
【0085】
[機能ブロックの説明]
次に、上述のような遊技装置1500を実現するための機能構成について説明する。図8は、本実施形態における機能構成の一例を示す機能ブロック図である。同図に示すように、遊技装置1500は、使用メダル投入検出部102、背面進入メダル検出部104、処理部200、新規メダル投入部302、ボーナスメダル払出部304、通過メダル排出部306、音出力部400、画像表示部500、記憶部600を備えている。
【0086】
使用メダル投入検出部102は、遊技者が新たに遊技に用いるメダルの通過を検出し、検出信号を処理部200に出力する。
背面進入メダル検出部104は、フラットパネルディスプレイ1530の背面側に進入するメダルの通過を検出し、検出信号を処理部200に出力する。
両者とも、通過センサと、メダルがその表裏面を検出素子に向けて一枚ずつ通過するように構成される通路構成とで実現できる。図1の例では、使用メダル投入検出部102には、使用メダル投入口1502と、使用メダル投入口1502からメダル収容部1504への連通路、および連通路中に設けられたメダルの通過センサ1503が該当する。また、背面進入メダル検出部104には、流下空間FSと、第1ラインセンサ1534および第2ラインセンサ1536が該当する。尚、通過センサとしては、例えばメダルによって揺動されて検出信号を出力する揺動センサや、金属の通過に伴う磁界変動を検出して検出信号を出力する金属通過センサ、投光ダイオードと受光ダイオードとを組み合わせてメダルが通過する際の遮光を検出し検出信号を出力する光センサなどを用いることができる。
【0087】
処理部200は、遊技装置1500の各部の動作を制御する。図1の例では、制御ユニット1580がこれに該当し、制御ユニット1580に搭載されたCPU、ASICなどの演算装置によって、記憶部600に記憶されているプログラムやデータを読み出して演算処理することによって各種機能を実現できる。
【0088】
本実施形態の処理部200は、遊技空間内への新たなメダルの投入を制御する新規メダル投入制御部202と、処理部200で共通に参照されるシステム時刻を生成するシステム時刻生成部204と、遊技の進行並びに演出画像の表示に係る演算処理を実行する遊技演算部210と、フラットパネルディスプレイ1530の背面を通過したかのようにメダルを排出制御する通過メダル排出制御部230と、音生成部240と、画像生成部250とを備えている。
【0089】
新規メダル投入制御部202は、使用メダル投入検出部102からの検出信号を受けて、新規メダル投入部302を制御して遊技空間GS内にメダルを投入させる。
具体的には、新規メダル投入制御部202は、使用メダル投入検出部102からの検出信号の断続によってメダルの投入タイミングと枚数を判定する。そして、新規メダル投入制御部202からの制御信号を受けた新規メダル投入部302は、実際に遊技者が投入したのとは別に、貯留されていたメダルを代わりとして新たに遊技空間GS内に排出・投入する。尚、新規メダル投入部302には、図1の例では、遊技空間GSの天井内に設けられたメダル貯留部1505とメダル射出装置1548、および新規メダル落下口1506が該当する。
【0090】
遊技演算部210は、運動状態量算出部212と、仮想メダル登録処理部214と、仮想メダル移動処理部216と、抽選部218とを有する。
【0091】
運動状態量算出部212は、背面進入メダル検出部104からの検出信号に基づいて、フラットパネルディスプレイ1530の背面側に進入するメダルの運動状態量として、進入時間・進入位置・進入速度を算出する。
【0092】
仮想メダル登録処理部214は、背面進入メダル通過検出部104からの検出信号に基づいて新たなメダルの進入を判定した場合に、当該メダルに対応して画像表示内に表示する仮想メダルを登録する。また、既に登録されている仮想メダルが画像表示範囲外に出る場合には、当該仮想メダルの登録を抹消する処理を実行する。すなわち、仮想空間における仮想メダルの生成と削除を管理する。
【0093】
仮想メダル移動処理部216は、登録されている仮想メダルの移動を制御する。具体的には、実体世界において実体としてのメダルが遊技空間内を釘に当りながら流下する状態を模擬すべく、仮想世界に仮想遊技空間を形成し、仮想遊技空間内を仮想メダルが仮想釘に当りながら流下する状態を物理法則に準じたシミュレーションを実行して求める。また、入賞時の演出表示などの特別な場合には、流下に限定されない様々な軌跡を描いて仮想メダルが移動するように移動制御する。
【0094】
また、仮想メダル移動処理部216は更に、仮想メダルがフラットパネルディスプレイ1530の下端に所定距離まで近寄った場合に、そのまま落下したときの飛び出し予測軌跡が通過メダル排出口1560の前面を通過するように当該仮想メダルの移動を補正する。
【0095】
図9は、仮想メダル移動処理部216による仮想メダルの移動補正について説明するための概念図である。同図に示すように、遊技盤1508に対応して仮想空間中に仮想遊技盤1608が設定されている。仮想空間の座標軸は実空間と同一に設定されている。
【0096】
仮想遊技盤1608には、フラットパネルディスプレイ1530の背面に相当する領域に、実空間の釘1510に相当する仮想釘1610が設定されている。最も下寄りの仮想釘1610−1は、通過メダル排出口1560の配置位置Y2より、所定距離ΔY3だけ上方に設定されている。仮想メダル移動処理部216は、仮想メダルMIが最も下寄りの仮想釘1610−1の配置位置Y4より下の領域に到達している場合に、仮想メダルMIがその後移動をつづけて、フラットパネルディスプレイ1530の画像表示範囲から飛び出すまでの予測軌跡Tpを求める。
【0097】
通過メダル排出口1560の配置位置Y2における仮想メダルMIの予測位置座標のX座標値Xpが、予め設定されている通過メダル排出口1560の何れかに対して、所定基準を満たして近接するか否かを判断する。具体的には、例えば予測軌跡Tp1のように、仮想メダルMIの予測位置座標のX座標値Xpが、予め設定されている通過メダル排出口1560の中央に設定された比較範囲Rjの何れかに存在しなければ、最寄りの通過メダル排出口1560の前面すなわち比較範囲Rjを通過する予測軌跡Tp2を描くように、当該仮想メダルMIのX軸方向速度成分Vxを増加または減少させて補正する。
【0098】
また、今補正に係るシミュレーション演算の結果、システム時刻の何時、何処の通過メダル排出口1560の前面を仮想メダルMIが通過するかが分かるので、仮想メダル移動処理部216は、これらを排出予約データ630として、記憶部600に記憶させる。
【0099】
抽選部218は、抽選を実行する。本実施形態では3連スロットによるスロットマシーン形式の抽選を行う。抽選の結果、すなわちスロットの出目は、3つの数字の組み合わせとして記憶部600に一時的に記憶する。
【0100】
通過メダル排出制御部230は、フラットパネルディスプレイ1530で画像表示されている仮想メダルが画像表示範囲の外に飛び出すタイミングで、飛び出す位置の最寄りの通過メダル排出部306から、実体としてのメダルを排出させる制御を行う。図1では、メダル排出装置1546、メダル射出装置1548および通過メダル排出口1560が該当する。
【0101】
音生成部240は、例えば、CPUやDSP等のハードウェアやその制御プログラムによって実現される。図1では、制御ユニット1580の一部がこれに該当する。音生成部240は、遊技演算部210による処理結果に基づいて、遊技中に使用される効果音やBGM等の音信号を生成し、生成した音信号を音出力部400に出力させる。
【0102】
音出力部400は、音生成部240からの音信号に基づいて効果音やBGM等を音出力する。図1ではスピーカ1507がこれに該当する。
【0103】
画像生成部250は、例えば、CPUやDSP等のハードウェアやその制御プログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ等によって実現される。図1では、制御ユニット1580の一部がこれに該当する。本実施形態では、画像生成部250は、遊技演算部210による処理結果に基づいて1フレーム時間(1/60秒)毎に1枚の画像を生成して画像表示部500に表示出力させる。
【0104】
画像表示部500は、画像生成部250から入力される画像信号に基づいて画像を表示出力する。画像表示部500は、例えば、液晶ディスプレイやプラズマパネルディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。図1ではフラットパネルディスプレイ1530がこれに該当する。遊技者は、画像表示部500に表示される画像で、フラットパネルディスプレイ1530の背面に進入したメダルを、仮想メダルが移動する画像として見ながら遊技を楽しむ。
【0105】
記憶部600は、処理部200に遊技装置1500を統合的に制御させるためのシステムプログラムや、仮想メダルが仮想遊技空間を流下する様子などを画像表示部500に表示させるために必要な遊技プログラム602及び各種データを記憶する。記憶部600の機能は、例えばICメモリやハードディスク、メモリカード、光ディスク、CD−ROM、DVD−RAM/ROM等の情報記憶媒体により実現される。図1では、制御ユニット1580に搭載されるICメモリ等がこれに該当する。
【0106】
本実施形態の記憶部600は、予め記憶されているデータとして、遊技プログラム602、仮想遊技盤データ604、仮想メダルモデルデータ606、特定キャラクタモデルデータ608、標的キャラクタモデルデータ610を記憶している。
【0107】
その他、遊技の進行に応じて生成・変更されるデータとして、連続投入判定時刻620、スキャン結果データ622、仮想メダル登録データ624、特定キャラクタデータ626、標的キャラクタデータ628、排出予約データ630、抽選データ632、遊技状態データ634を記憶する。その他、記憶部600には、制御に必要なフラグが適宜記憶される。
【0108】
仮想遊技盤データ604は、仮想空間に設定される仮想遊技盤1608(図9参照)の設定に係るデータを格納する。本実施形態では、例えば仮想遊技盤1608に設定される仮想釘1610の表示画像データや配置位置データが格納されるが、その他の障害物や通路、トンネルなど概ね実際の遊技盤1508で設定され得るような種々の構成要素を設定することができる。
【0109】
仮想メダルモデルデータ606は、仮想メダルの表示形態に係るデータを格納する。本実施形態では、図10に示すように、3種類の表示用モデルのデータが設定されている。識別情報にあたる表示モデル指定値606a=「0」に対応付けて、半径R0を有する円板の仮想メダルMIaが定義されている。仮想メダルM1aは、例えば、赤・青・緑の何れかの表示色がランダムに選択されるように設定されている。また、表示モデル指定値606a=「1」に対応付けて、外周半径R1(>R0)を有しオレンジ色に表示される仮想メダルMIbが定義されている。また、表示モデル指定値606a=「2」に対応付けて、外周半径R2(<R0)を有し、黄色で明滅表示される七芒星の仮想メダルMIcが定義されている。尚、仮想メダルの表示モデルはこれらに限るものではなく、形状や表示色、透明度、明滅、動作などを適宜設定することができる。
【0110】
特定キャラクタモデルデータ608は、本実施形態における抽選の様子を表示するための抽選キャラクタを含む特定キャラクタの表示形態に係るデータを格納する。
【0111】
標的キャラクタモデルデータ610は、表示画面内に移動自在に配置される標的オブジェクトの表示形態に係るデータを格納する。本実施形態では、標的キャラクタと仮想メダルMIとが衝突した場合に入賞したと判定され、ボーナスメダルが払い出される。
【0112】
連続投入判定時刻620は、遊技演算部210によって、使用メダル投入検出部102から検出信号を受けた都度のシステム時刻を過去に遡って参照可能に格納される。例えば、常時、最新のシステム時刻から過去の検出10回分までのシステム時刻を格納する。
【0113】
スキャン結果データ622は、背面進入メダル検出部104の検出結果を格納する。本実施形態では、背面進入メダル検出部104に該当する第1ラインセンサ1534および第2ラインセンサ1536それぞれについて、識別情報とともにスキャンした結果として、スキャンしたシステム時刻と、遮光範囲毎に範囲両端のX座標値と、当該遮光範囲の中間点Pa(第1ラインセンサ1534の中間点)、Pb(第2ラインセンサ1536の中間点)のX座標値を格納する。
【0114】
仮想メダル登録データ624は、仮想メダルを、仮想空間内で移動表示させるためのデータを格納している。例えば、図11に示すように、メダルID624aそれぞれに対応づけて、当該メダルID624aのメダルが第1ラインセンサ1534で最初に検出された時刻である第1通過時刻624bと、そのときの中間点PaのX座標値である第1通過座標624cと、第2ラインセンサ1536で最初に検出された時刻である第2通過時刻624dと、そのときの中間点PbのX座標値である第2通過座標624eとを格納している。これらは、仮想メダルMIの運動状態量を求めるために参照される。
【0115】
また、仮想メダル登録データ624は、当該仮想メダルの現在の状態に係る情報として、制御サイクル当りのベクトルに相当する速度624g、仮想メダルの中心位置である代表点の位置座標624h、仮想メダルの表示上の半径であるとともにヒット判定時の領域の大きさでもある表示半径624j、フラットパネルディスプレイ1530の背面側に進入したことを示す背面進入フラグ624m、画像表示の際に適用される表示モデルを指定する表示モデル指定値624n、遊技状態が「特別」な場合に実行される演出表示に供される特定位置到達フラグ624pを格納する。そのほか、適宜フラグなどの情報を格納するのは勿論である。
【0116】
尚、生成時の仮想メダル登録データ624では、基本的には第1通過時刻624b、第1通過座標624c、第2通過時刻624d、第2通過座標624eにはそれぞれ「0」が格納される。表示半径624jは初期値R0、背面進入フラグ624mは未進入を示す「0」、表示モデル指定値624nは「0」が格納される。
【0117】
特定キャラクタデータ626は、特定キャラクタの現在の位置座標を格納する。
標的キャラクタデータ628は、例えば図12に示すように、識別情報としてのキャラクタID628aと、位置座標628bと、当該標的キャラクタに仮想メダルがヒットしたと判定された場合に払い出されるボーナスメダルの数を定義する設定払出数628cと、ヒットフラグ628dとを格納する。
【0118】
排出予約データ630は、通過メダル払出部306でメダルを払い出す予約情報を格納する。例えば図13のように、排出先の通過メダル排出口1560−n(n=1,2,3…;図3参照)を指定する排出口ID630aと、当該排出口からメダルを排出するべきシステム時刻を指定する通過予測時刻630bとを対応付けて格納している。排出予約データ630は、画像表示範囲における仮想メダルの高さ方向の位置が画像表示範囲の所定位置以下に到達する毎に、当該仮想メダルに関する新たな予約情報が格納されていき、排出が実行されると削除される。
【0119】
抽選データ632は、抽選の様子を画像表示(抽選表示)するための各種データを格納する。例えば、図14に示すように、抽選表示開始からの経過時間を格納する抽選タイマ632aと、抽選結果632bを格納する。また、抽選タイマ632aで計時される時間を参照して、種々の処理をするタイミングが定義されている。例えば、スロットの回転を停止するべき時間を定義する回転停止時間632c、抽選結果に係る特別な演出表示を開始すべき時間を定義する演出開始時間632d、特別な演出表示を終了して通常の表示に復帰すべき時間を定義する復帰時間632eが定義されている。同図の例で説明すると、本実施形態では、抽選の開始とともにスロットが回転する様子が画面表示され、3秒後に回転が停止する。そして、開始5秒後までの2秒間は出目の表示が確定表示されて、特別な演出表示の表示が開始される。開始15秒後には特別な演出表示が終了することになる。
【0120】
遊技状態データ634は、遊技状態を示すデータを格納する。本実施形態では、抽選によって「大当たり」が出て、遊技者に特別な演出表示がなされる特別な状態と、それ以外の通常な状態とを示す何れかの識別情報が格納される。
【0121】
[動作の説明]
次に、本実施形態の動作について説明する。図15は、本実施形態における遊技装置1500を制御する処理の流れを説明するためのフローチャートである。ここで説明する処理は、処理部200である制御ユニット1580が所定のシステムプログラムや遊技プログラム602、各種設定データを読み出し、所定の制御サイクル(例えば、1/60秒間隔)で演算処理を繰り返し実行することによって実現される。尚、プッシャーテーブル1520の動作については省略している。
【0122】
同図に示すように、通過センサ1503によって、遊技者が新たに使用するメダルを使用メダル投入口1502に投入したことが検知された場合(ステップS2のYES)、制御ユニット1580は、遊技空間GSの天井内部に設けられたメダル貯留部1505のメダル射出装置1548から、貯留されていたメダルの中から新たな一枚を射出させる(ステップS4)。射出されたメダルは、新規メダル落下口1506から排出され、遊技空間GS内に落下・投入される。
【0123】
次に、制御ユニット1580は、仮想メダル登録処理を実行する(ステップS6)。図16は、本実施形態における仮想メダル登録処理の流れを説明するためのフローチャートである。同図に示すように、制御ユニット1580は、先ず第1ラインセンサ1534と第2ラインセンサ1536とを、同時刻における検出の結果とみなせる程度に十分に短い時間で連続してスキャンする(ステップS52)。それぞれのスキャンの結果から、検出された遮光範囲RSの座標と、中間点Pa,Pbの位置座標を求め、その結果をスキャン結果データ622として記憶する(ステップS54)。
【0124】
次に、制御ユニット1580は、第1ラインセンサ1534のスキャン結果から求められた中間点Paと、第2ラインセンサ1536のスキャン結果から求められた中間点Pbとの対応付けを行う(ステップS56)。中間点Paと中間点Pbとの間で対応付けができたか否かの結果は、記憶部600に一時的にデータセットとして記憶する。例えば、各中間点Pa,Pbの識別情報と、対応付けできた場合には「1」、対応付けできなかった場合には「0」をそれぞれセットにして記憶する。
【0125】
そして、対応付けの結果に基づいて、先ずフラットパネルディスプレイ1530の背面側に進入したばかりのメダルを登録する一連の処理を実行する。すなわち、先の対応付けの結果にしたがって、第1ラインセンサ1534の中間点Paの中から、対応づけられる第2ラインセンサ1536の中間点Pbが存在しない中間点Paを抽出し(ステップS58)、仮想メダル登録データ624を生成して、スキャンしたシステム時刻を第1通過時刻624bに格納し、中間点PaのX座標値を第1通過座標624cに格納する。更には、第2通過時刻624dと第2通過座標624eには「0」を格納する(ステップS60)。また、メダルの連続投入を検知するために、スキャン時刻を連続投入判定時刻620に格納し更新する(ステップS62)。
【0126】
次いで、制御ユニット1580は、更新された連続投入判定時刻620を参照して、新たに格納されたシステム時刻から所定基準未満の短時間で連続する過去に格納されたシステム時刻の数をカウントし(ステップS64)、カウントした連続回数に応じて生成された仮想メダル登録データ624の表示半径624jを変更する(ステップS66)。
【0127】
具体的には、使用メダル投入口1502からメダル収容部1504へ連通する通路は、一枚のメダルが表裏何れかの面を下にしてスムーズに流下するように形成さており、複数のメダルが重なり合って流下することができないようになっている。そして、通過センサ1503のセンサ部は、通路幅の中央よりも外側に偏って設けられているので、メダルの中心より外側の部分の通過を検出することになる。したがって、遊技者がメダルを密着させてメダルを投入したとしても、必ずメダルの中心より外側の部分に生じた隙間を検出することができる。つまり、通過センサ1503の検出信号から、隙間を検出する時間が所定時間よりも短い場合に、連続的に投入されたと判断する。そして、この隙間を検出する時間を所定制御サイクル分まで遡って参照可能に記憶しておくことで、連続投入の回数を求めることができる。そして、例えば、所定の初期値を「連続回数×0.7倍」した値を表示半径624jに格納する。よって、メダルが第1ラインセンサ1534にかかって遮光したタイミングで該メダルに対応する仮想メダルを登録するとともに、遊技者によるメダルの投入頻度に応じて新たに出現させる仮想メダルの表示半径を可変することができる。初期値×連続回数×0.7で仮想メダルの表示半径が決定されるため、連続してメダルを投入すればするほど、仮想メダルの大きさが徐々に大きくなることになる。尚、この逆に、徐々に小さくしてもよいことは勿論である。
【0128】
次に、第1ラインセンサ1534と第2ラインセンサ1536の両方にかかったメダルを抽出し、当該メダルの運動状態量を算出する一連の処理を実行する。
すなわち、制御ユニット1580は、ステップS56の対応付けの結果から、対応付けされる中間点Pbが存在する第1ラインセンサ1534の中間点Paを抽出するとともに、当該抽出された中間点Paに対応する仮想メダル登録データ624を抽出する(ステップS68)。具体的には、抽出された中間点PaのX座標値から正負方向に所定範囲ΔXcを有する比較範囲RCに第1通過座標624bが存在する仮想メダルデータ624を、当該抽出した中間点Paに対応して先の制御サイクルで生成された仮想メダルデータ624であると判定し抽出する。
【0129】
そして、抽出された仮想メダル登録データ624の第2通過時刻624cが「0」である中間点Paを更に抽出する(ステップS70)。ここで抽出された中間点Paの仮想メダル登録データ624の第2通過時刻624dにスキャン時のシステム時刻を格納し、当該中間点Paに対応付けられる中間点PbのX座標を第2通過座標に格納する(ステップS72)。
【0130】
次に、制御ユニット1580は、第1通過時刻624bと第2通過時刻624dとから時間差Δtを求め、時間差Δtと予め定められている第1ラインセンサ1534と第2ラインセンサ1536の受光部の設置間隔ΔYsとから、Y座標方向速度成分Vy0を算出する。また、時間差Δtと、第1通過座標624cと第2通過座標624eとの差ΔXとからX軸方向速度成分Vx0を算出する(ステップS74)。次いで、算出したX軸方向速度成分Vx0およびY座標方向速度成分Vy0から、制御サイクルにおける単位ベクトル、すなわち単位速度ベクトルを求めて仮想メダル登録データ624の速度624gに格納する(ステップS76)。
【0131】
次に、制御ユニット1580は、当該仮想メダル登録データ624の第1通過座標値624cをもとに仮想メダルの中心座標を算出して、位置座標624hに格納する(ステップS78)。よって、メダルが第2ラインセンサ1536に初めてかかり遮光したタイミングで、該メダルに対応する仮想メダルの初速度、すなわち進入速度を求めるとともに、進入位置を求めることができたことになる。
【0132】
次に、制御ユニット1580は、抽出された仮想メダル登録データ624の位置座標624hを、予め定義されている画像表示範囲と比較し、画像表示範囲外に位置する仮想メダルの仮想メダル登録データ624を抹消し(ステップS80)、仮想メダル登録処理を終了する。
【0133】
図15に戻って、制御ユニット1580は、遊技状態データ634を参照する(ステップS8)。遊技状態が「通常」である場合には(ステップS8の「通常」)、仮想メダル第1移動処理を実行する(ステップS10)。
【0134】
図17は、本実施形態における仮想メダル第1移動処理の流れを説明するためのフローチャートである。同図に示すように、制御ユニット1580は、全ての仮想メダルについてループAの処理を実行する(ステップS100〜S112)。ループAの処理では、先ず、仮想遊技盤データ604を参照して、処理対象の仮想メダルが仮想遊技空間内を流下する様子を物理法則に準じてシミュレーションして位置を算出する(ステップS102)。ここではシミュレーションは、厳密な物理法則に則ることとしてもよいが、処理負荷や仮想メダルの画像が移動制御される場合の視覚的効果を考慮して、物理法則に則っているように見える程度に簡略化されていても良い。
【0135】
次に、制御ユニット1580は、シミュレーションの結果求められた新たな位置が、仮想遊技盤データ604で定義されている最下の仮想釘1610−1(図9参照)より下の領域に到達している場合には(ステップS104のYES)、更に当該仮想メダルが、何れかの通過メダル排出口1560の前を通過するか否かを判定する(ステップS106)。具体的には、例えば通貨メダル排出口1560が設けられているY座標値Y2に到達すると予測される予測システム時刻と予測X座標値を物理法則に準じたシミュレーションをして求める。予測X座標値が、通過メダル排出口1560の中央を基準に予め設定されている比較範囲Rjに存在すれば通過すると判定し(ステップS106のYES)、ループAの処理を終了する。一方、存在しない場合には(ステップS106のNO)、通過メダル排出口1560の前を通過しないと判定する。この場合、算出された予測X座標値が、最寄りの通過メダル排出口1560の比較範囲Rjに含まれるように、当該仮想メダルの移動を補正する(ステップS108)。具体的には、速度のX軸方向成分を増減する。
【0136】
次に、制御ユニット1580は、ステップS106で求められた予測システム時刻と、処理対象のメダルが前を通過する通過メダル排出口1560の識別情報、あるいは該通過メダル排出口1560にメダルを射出するメダル射出装置1548の識別情報とを対応づけて、排出予約データ630に格納する(ステップS110)。すなわち、排出予約データ630の通過予測時刻630bと、排出口ID630aとして格納される。尚、ここで格納される通過予測時刻630bは、メダル射出装置1548が射出命令信号を受けて実際に射出するまでのタイムロスを適宜加味するのが望ましい。
【0137】
全ての仮想メダルについてループAを終了したならば、仮想メダル第1移動処理を終了して、図15のフローに戻る。
【0138】
次に制御ユニット1580は、抽選の様子を表す抽選キャラクタを備えた特別キャラクタを、画面表示範囲内でランダムに移動させるために、特定キャラクタの新しい位置を算出して、特定キャラクタデータ626に格納されている位置座標を更新する(ステップS12)。次いで、標的キャラクタの発生と位置の更新を行う(ステップS14)。具体的は、ランダムなタイミングで標的キャラクタデータ628を生成して標的キャラクタを発生させる。そして、既に生成されている標的キャラクタが、画面表示範囲外から中へ進入し、更に画像表示内をランダムに飛行するように配置位置を変更する。
【0139】
次いで、制御ユニット1580は、仮想メダル、特定キャラクタおよび標的キャラクタの位置が更新されたので、それぞれの更新された位置座標に従って、これらの画像を画面表示させる(ステップS16)。
【0140】
図18は、本実施形態における画面表示の一例を示す図である。同図(a)の表示画面W2に示すように、仮想釘1610が描画された仮想遊技空間の様子が表示される。仮想遊技空間中には、フラットパネルディスプレイ1530の背面に進入したメダルの運動状態を引き継いで表示される仮想メダルMIが表示される。仮想メダルMIは、実体のメダルが遊技盤の釘に当りながら遊技空間を流下するのと同じように仮想釘1610に当りながら画面下方に流下するように移動表示される。同図では、移動軌跡に一部を破線で表示している。表示画面W2には、抽選の様子を現す抽選キャラクタである3連のスロット部22を有する特定キャラクタ24が、ランダムに移動するように移動表示される。また、標的キャラクタ26が、ランダムなタイミングで発生して表示範囲外から中へ現れ、ランダムな飛行を続ける。尚、標的キャラクタ26については、標的キャラクタデータ628のヒットフラグ628dが「0」のものについてはランダム飛行するように移動表示するが、ヒットフラグ628dが「1」のものは、仮想メダルによって衝突を受けたものであるので、墜落或いは爆発・飛散するように表示制御する。
【0141】
次に、制御ユニット1580は、払出処理を実行する(ステップS18)。
図19は、本実施形態における払出処理の流れを説明するためのフローチャートである。同図に示すように、先ず制御ユニット1580は、既に登録されている全ての仮想メダルについてループBの処理を実行する(ステップS200〜S208)。
【0142】
ループBの処理では、処理対象の仮想メダルMIが、標的キャラクタ26とヒットしたか否かを判定する(ステップS202)。ヒットした標的キャラクタ26が有る場合には(ステップS202のYES)、該当する標的キャラクタ26の標的キャラクタデータ628を参照して、ヒットフラグ628dを「1(ヒット)」に変更し(ステップS204)、設定払出数628cに格納されている数だけのメダルをボーナスメダル払出口1512より排出させる(ステップS206)。すなわち、仮想メダルMIが標的キャラクタにヒットした場合には、入賞したと判断して、入賞の褒美として入賞メダルをプッシャーテーブル上に排出する。このとき、例えば図18(c)に示すように、仮想メダルMIとヒットした標的キャラクタ26に付随させて、衝突をイメージする衝突表示28と、設定払出数628cを遊技者に示す払出数表示29を表示する。
そして、全ての仮想キャラクタについてループBの処理を実行し終えたならば、排出処理を終了し、図15のフローに戻る。
【0143】
次いで、制御ユニット1580は抽選処理を実行する(ステップS20)。
図20は、本実施形態における抽選処理の流れを説明するためのフローチャートである。同図に示すように、制御ユニット1580は先ず、仮想メダルが特定キャラクタ24にヒットしたか否か、より具体的にはスロット部22にヒットしたか否かを判定する(ステップS302)。
【0144】
肯定の場合(ステップS302のYES)、更に抽選タイマ632aが「0」であるか否かを判定する(ステップS304)。抽選タイマ632aが「0」の場合には(ステップS304のYES)、制御ユニット1580は、抽選を実行するとともに抽選タイマ632aを始動させ(ステップS306)、特定キャラクタ24のスロット部22を回転表示させる(ステップS308)。尚、ここで言う抽選は、公知の演算処理による抽選と同様に実現できるので詳細な説明は省略する。抽選の結果にあたるスロットの出目は、抽選結果632bに格納される。
【0145】
抽選タイマ632aが「0」ではない場合には(ステップS304のNO)、既に抽選が実行されている状態にあると判定して、特定キャラクタ24のスロット部22の表示を、抽選結果632bに格納されている出目で確定するように表示制御する(ステップS340)。すなわち、既に抽選が実行されている状態の特定キャラクタに2回目に特定キャラクタがヒットした場合には、回転しているスロット部22の表示を停止するように表示制御する。そして抽選タイマ632aを、演出開始時間632dに変更する(ステップS342)。
【0146】
一方、ステップS302において、仮想メダルMIが特定キャラクタ24にヒットしていない場合には(ステップS302のNO)、抽選の開始に係る処理を行わずにステップS310に進む。
【0147】
ステップS310で、制御部1580は抽選タイマ632aを参照し、抽選タイマ632aの時間が回転停止時間632cに達している場合には(ステップS310のYES)、特定キャラクタ24のスロット部22の表示を、抽選結果632bに格納されている出目で確定するように表示制御する(ステップS312)。
【0148】
次に、抽選タイマ632aが演出開始時間632dに達していて(ステップS314のYES)、更に抽選結果632bが、「大当たり」に相当する「777」である場合(ステップS316の「777」)、制御ユニット1580は遊技状態データ634を「特別」に変更し(ステップS318)、ステップS326に移行する。
【0149】
抽選結果632bが、「当り」に相当する場合、すなわち本実施形態では「777」を除いて、3つのスロットの出目が揃った場合には(ステップSの「777を除くぞろ目」)、制御ユニット1580は、出目に応じてボーナスメダル払出口1512からボーナスメ
ダルを払出させる(ステップS322)。そして、全ての仮想メダル登録データ624の表示モデル指定値624nを「1」に変更する(ステップS324)。
抽選結果632bが、くず目の場合、すなわち本実施形態では3つのスロットの出目が揃わない場合には(ステップS316の「くず目」)、抽選の結果が「はずれ」であると判断して、抽選タイマを停止させるとともに、リセットし「0」にする(ステップS332)。
【0150】
次に、抽選タイマ632aが復帰時間632eに達している場合には(ステップS326のYES)、制御ユニット1580は、全ての仮想メダル登録データ624の表示モデル指定値624nを「0」に変更し(ステップS328)、遊技状態データ634を「通常」に変更する(ステップS330)。そして、抽選タイマ632aを停止・リセットして(ステップS332)、抽選処理を終了する。
【0151】
以上の抽選処理によって、例えば、図18(a)の表示画面W2に示すように、特定キャラクタ24のスロット部22に仮想メダルMIが当ると、同図(b)の表示画面W4に示すように抽選が実行されるとともに、スロットが回り始めるように表示制御できる。そして、ヒット後の時間が所定時間に到達した場合、スロットの回転を抽選結果の出目に合わせて止めるように表示制御できる。スロットの回転が停止して出目が確定する。そして、抽選結果がくず目以外の場合には、同図(c)の表示画面W6に示すように、仮想メダルMIの表示形態が変更されるといった演出表示が実行される。同図(c)の例は、抽選結果が「777」を除くぞろ目の場合を示している。したがって、仮想メダルの表示モデル指定値を「1」に変更されているので、通常より大きな表示半径を有した表示形態(表示モデルMIb)で表示制御される。仮想メダルMIが大きくなるので、標的キャラクタ26にもヒットし易くなり、結果としてボーナスメダルが払い出されやすくなる。
【0152】
或いは、仮想メダルMIが、スロットが回り始めている状態の特定キャラクタ22にヒットした場合には、ヒット後の時間経過に係らず、スロットの回転を抽選結果の出目に合わせて止めるように表示制御できる。したがって、実際には抽選は演算処理によって自動的に行われているが、あたかも遊技者が投入したメダル(仮想メダル)と抽選キャラクタとの衝突という偶然の産物によって、抽選の開始・停止が行われたかのように見せることができる。遊技者にしてみれば、上手くメダルを投入するタイミングを図れば、のぞむ出目が得られるかのような錯覚となり、より射幸心があおられ、遊技に興奮するようになる。
【0153】
抽選処理を終了したならば、図15のフローに戻って、続いて制御ユニット1580は、通過メダルの排出処理を実行し(ステップS22)、ステップS2に戻る。
すなわち、機能ブロックで言うところの通過メダル排出制御部230が、通過メダル排出予約データ630を参照し、システム時刻生成部204で生成される現在のシステム時刻が、登録されている通過予測時刻630bに合致した場合に、当該通過予測時刻630bに対応づけられている排出口ID630aのメダル射出装置1548から、新たにメダルを一枚射出させ、同予約のデータを削除する。この結果、あたかも仮想メダルMIが、フラットパネルディスプレイ1530の画像表示範囲外へ飛び出すタイミングに合わせて、その飛び出す位置に最寄りの通過メダル排出口1560から実体としてのメダルMを排出することができる。したがって、遊技者に、あたかも実体のメダルMがフラットパネルディスプレイ1530の背面を通過して再び出てきたかのように見せるといった、従来に無い斬新な表現が可能となる。
【0154】
一方、図15のステップS8において、遊技状態が「特別」である場合、すなわち3連スロットの出目が「777」で揃った場合には(ステップS8の「特別」)、制御ユニット1580はフラットパネルディスプレイ1580で特別な演出表示を表示させる一連の制御を実行する(ステップS30〜S38)。
【0155】
本実施形態では、表示画面から特定キャラクタ24を消すとともに、暗雲立ち込める背景画像をバックにして輝く雷雲の画像を、画面上方に表示させる(ステップS30)。そして、同雷雲の画像の下に、「777」に揃ったスロットの確定表示を通常よりも大きく表示制御する(ステップS32)。次いで、仮想メダルMIの位置の更新に係る処理として、仮想メダル第2移動処理を実行する(ステップS34)。
【0156】
図21は、本実施形態における仮想メダル第2移動処理の流れを説明するためのフローチャートである。仮想メダル第1移動処理が、仮想メダルが仮想遊技空間内を物理法則に則って流下するように移動制御させたのに対して、仮想メダル第2移動処理は、実体としてのメダルではありえない移動をするように移動制御する点を特徴としている。
【0157】
具体的には、制御ユニット1580は、登録されている全ての仮想メダルについてループCの処理を実行する(ステップS400〜S414)。ループCでは、先ず、処理対象の仮想メダルMIの位置が、先に画像表示された雷雲の表示位置にあたる特定位置に、一度でも到達しているか否を判定する(ステップS402)。具体的には、処理対象の仮想メダルMIに対応する仮想メダル登録データ624の特定位置到達フラグ624pを参照する。
【0158】
仮想メダル登録データ624が生成された状態のままでは、特定位置到達フラグ624pには「0」が格納されており、未到達と判定される。特定位置に未到達の場合(ステップS402のNO)、仮想メダルMIが特定位置に近づくように、仮想メダルMIの位置座標を更新する(ステップS404)。具体的には、仮想メダルMIの現在の位置座標から雷雲の中心位置にいたる緩やかな弧を描いて移動するように更新する。
【0159】
次いで、更新された結果、当該仮想メダルMIが特定位置に到達したか否かを判定する。肯定の場合には(ステップS406のYES)、特定位置到達フラグ624pを「1」に変更するとともに(ステップS408)、表示モデル指定値624nを「2」に変更して(ステップS410)、ループCを終了する。
【0160】
ステップS402において、特定位置到達フラグ624pが「1」である場合(ステップS402のYES)、処理対象の仮想メダルMIは雷雲の位置に既に到達していると判断される。そこで制御ユニット1580は、当該仮想メダルMIが画面内をランダムに移動するように位置座標を更新する(ステップS412)。例えば、仮想メダルが雷雲内から出現して、螺旋を描くようにして画面内を上下方向移動するように移動制御したり、ジグザグに画面内を移動するように移動制御する。そして、ループCを終了する。
【0161】
そして、仮想メダル第2移動処理を終了したならば、図15のフローにもどり、制御ユニット1580は次に仮想メダルMIと標的キャラクタ26の画像を表示制御する(ステップS38)。
【0162】
したがって、以上の仮想メダル第2移動処理とステップS38によって、例えば図22〜23のように特別な演出表示がされることになる。すなわち、図22(a)の表示画面W10に示すように、抽選表示中は、あたかも実体のメダルが流下するのと同じように、仮想遊技空間を仮想釘に当りながら流下する仮想メダルが表示される。
【0163】
抽選の結果が「777」となり「大当たり」に相当する場合には、同図(b)の表示画面W12に示すように、暗雲立ち込める背景画像をバックにして、画面上部中央に輝く雷雲30が現れるとともに、「777」の出目が確定表示されたスロット部22が画面中央に拡大表示33される。そして、画面内を流下中の仮想メダルMIは流下を止めて、雷雲30に集まるように移動表示される。
【0164】
そして、図23(a)の表示画面W16に示すように、仮想メダルMIは、雷雲30に一旦到達すると表示形態が変更されるとともに、画面内を乱れ飛ぶように表示制御される。仮想メダルMIが画面内を飛び回るなかで、標的キャラクタに次々にヒットして大量のボーナスメダルが払い出されることになる。
【0165】
抽選タイマ623aが復帰時間に到達すると、演出表示は終了して通常の画面にもどる。したがって、同図(b)の表示画面W18に示すように、特定キャラクタが再び表示されるとともに、飛び回っていた仮想メダルMIは、その場から再び仮想遊技空間内を流下するように表示される。
【0166】
以上、本実施形態によれば、フラットパネルディスプレイ1530の背面に進入したメダルを検出し、検出したメダルの運動状態量として、進入時間・進入位置・進入速度を取得することができる。そして、運動状態量を受け継いだ仮想メダルを設定するとともに、実体としてのメダルがフラットパネルディスプレイ1530の背面側に進入するタイミングで、進入位置から進入速度を受け継いだ状態で、当該仮想メダルを表示制御することができる。しかも、この仮想メダルが仮想空間に形成された仮想遊技空間内を流下する様子は、物理法則に準じて求められるので、フラットパネルディスプレイ1530の上端を境にメダルMと仮想メダルMIがすり代わり、引き続き遊技空間を流下するように画像表示させることができるといった、従来に無い表現を実現し遊技性を高めることができる。換言すれば、フラットパネルディスプレイ1530の背面側もあたかも実体としての遊技空間の一部であるかのように利用できるので、フラットパネルディスプレイ1530の大きさや、遊技盤1508に対する相対的な配置位置などの配置条件の自由度を高めることにもなる。
【0167】
また、特別な演出表示では、流下中の仮想メダルMIが一転して実際にはありえない軌跡を描くように移動表示することができる。すなわち、視覚的に一連の遊技媒体の移動を楽しませつつ、突発的な移動をさせる意外性に富んだ演出表示を可能とし、より遊技性を高めることができる。
【0168】
また、フラットパネルディスプレイ1530の背面に進入したメダルを一旦収容し、制御されたタイミングであたかも背面を通過したかのようにして排出させることができる。したがって、遊技媒体の流下を一旦止める、或いは流下速度を変化させるといった従来にない表現が可能になる。
【0169】
〔第2実施形態〕
次に、本発明を適用した第2実施形態について説明する。本実施形態は、基本的に第1実施形態と同様の構成を有するが、画像表示手段が、背面側を流下する遊技媒体を遊技者が視認可能な光透過性を有している点と、遊技媒体が画像表示手段の背面に進入した進入位置の検出構成が異なる点を特徴とする。尚、第1実施形態と同様の構成要素については、同じ符号を付与し説明は省略するものとする。
【0170】
[構成の説明]
図24は、本実施形態における遊技装置1500Bの上部縦断面図である。同図に示すように、本実施形態の画像表示部500として、ホログラムスクリーン1572が、透明仕切り板1516の表面に設けられている。ホログラムスクリーン1572は、遊技空間GSの上部前方側に設けられたプロジェクタ1570から投影された画像のみを効率的に遊技者側へ反射するプリズムのように光を曲げる透明なシートであり、遊技者はホログラムスクリーン1572の背面側の様子も見ることができる。
【0171】
そして、本実施形態では、ホログラムスクリーン1572の背面側にも流下空間FSが形成されており、透明仕切り板1516の背面側から遊技盤1508に向けて釘1510が突設されている。新規メダル落下口1506から落下・投入されたメダルMは、釘1510に当りながら流下空間FSを流下し、同空間の下端からプッシャーテーブル1520の上面に落下する。
【0172】
また、本実施形態の背面進入メダル検出部104として、ホログラムスクリーン1572の背面に相当する位置にタッチパネル1574が設けられている。遊技盤1508の下側が、遊技者へ向かって傾斜するように配置されているので、流下空間FSを流下するメダルMは、タッチパネル1547の表面(ホログラムスクリーン1527に対向する面)に接触しながら落下する。
【0173】
タッチパネル1547は、表面の接触位置を検出するデバイスである。検出方式は適宜選択可能であるが、本実施形態ではメダルMが金属製なので、XY方向に多数のループコイルが配置し、金属製メダルが接触することによる磁界の変化を検出する方式である。タッチパネル1547に付属するコントロール装置は、XY方向にループコイルをスキャンして基準値以上の磁界変化のある座標値を制御ユニット1580に出力する。
【0174】
[機能ブロックの説明]
図25は、本実施形態における機能構成の一例を示す機能ブロック図である。同図に示すように、本実施形態の遊技演算部210は、背面進入メダル検出部104から出力される磁界変化のある座標値を入力し、タッチパネル1547上のメダルMの位置座標を求める位置座標算出部211を備える。具体的には、例えば隣接する基準値以上の磁界変化があるXY座標値の重心位置或いは平均値を算出して、算出した値を当該メダルMの位置座標値として出力する。
【0175】
また、本実施形態における仮想メダル登録処理部214Bは、タッチパネル1547で位置座標が求められたメダルMから、新たに流下空間FSに進入したメダルMを抽出し、当該メダルに対応づけて新たに仮想メダル登録データ624Bを生成し登録する。また、ホログラムシート1574で表示される範囲外に達したメダルMに対応する仮想メダル登録データ625を消去し、登録を抹消する処理をする。
【0176】
本実施形態における仮想メダル登録データ624Bは、例えば図26に示すように構成されており、位置座標算出部211で求められた座標値は、位置座標624hに格納される。
【0177】
また、本実施形態における仮想メダルモデルデータ606Bは、例えば図27に示すように抽選結果が「大当たり」であった場合に適用される表示モデルMIeとして、実体としてのメダルMの像に重なるように表示される仮想メダルMIcと、この仮想メダルMIcを中心にして周回するように表示制御される複数の副仮想メダルMIdとが設定されている。
【0178】
[動作の説明]
図28は、本実施形態における遊技装置1500を制御する処理の流れを説明するためのフローチャートである。第1実施形態における処理の流れと異なる処理としては、先ず本実施形態における仮想メダル登録処理に代えて仮想メダル登録処理B(ステップS7)を実行する点が挙げられる。
【0179】
図29は、本実施形態における仮想メダル登録処理Bの流れを説明するためのフローチャートである。仮想メダル登録処理Bでは先ず、制御ユニット1580は、タッチパネル1574の上面を流下するメダルMの座標値を算出する(ステップS130)。
次に、タッチパネル1574の上端にかかったメダルを見つけるために、既に登録されている仮想メダルを抽出し登録処理する。すなわち、ステップS130で算出された座標値毎に、対応する仮想メダル登録データ624Bを抽出する(ステップS132)。具体的には、例えば算出された座標値を中心とする検索範囲を設定し、設定された検索範囲に位置座標値624hが含まれる仮想メダル登録データ624Bを抽出する。検索範囲の大きさと形状は、流下空間FSを流下するメダルMが1回の制御サイクル内で移動可能な範囲に該当する程度となるように、流下空間FS内に配置された釘1510の密度や制御サイクルの時間などによって適宜最適値を事前にテストして求めておく。
【0180】
そして、ステップS130で算出された座標値で、対応する仮想メダル登録データ624Bが抽出されたものは位置座標624hを更新し(ステップS134)、抽出されなかったものは、新たに仮想メダル登録データ624Bを生成して、ステップS130で算出された座標値を位置座標624hに格納する(ステップS136)。
【0181】
次に、位置座標624hが更新されなかった仮想メダル登録データ624B、および新たに生成された仮想メダル登録データ624b以外を削除し(ステップS138)、仮想メダル登録処理Bを終了する。すなわち、タッチパネル1574上を流下中のメダルの中に対応するものが無いということは、当該仮想メダル登録データ624Bに対応付けられていたメダルは、タッチパネル1574上を通過してしまったと判断し、登録を抹消する。
【0182】
また、本実施形態では、制御サイクルの都度、各メダルMの位置座標を求め、その結果を仮想メダルの位置とするように、直接的に位置座標を求める構成である。したがって、図28のメインのフローでは、第1実施形態における仮想メダルの移動を予測演算するのに係る処理が省略されるとともに、抽選処理に代えて抽選処理B(ステップS21)が実行される。
【0183】
図30は、本実施形態における抽選処理Bの流れを説明するためのフローチャートである。同図に示すように、抽選処理Bは基本的に第1実施形態の抽選処理に類似するが、制御ユニット1580は、抽選結果が「777」の「大当たり」である場合に遊技状態を「特別」に変更する処理(ステップS318)に次いで、全ての仮想メダル登録データ624Bの表示モデル指定値624nを「2」に変更する処理を行う(ステップS320)。
【0184】
また、その他、図28のメインのフローでは、遊技者が、ホログラムスクリーン1572の背面側の様子も見ることができるので背面側に進入したメダルの収容、及び仮想メダルが画像表示範囲外へ飛び出すタイミングで通過したメダルのようにして排出することに係る処理も本実施形態では省略されている。
【0185】
以上、本実施形態によれば、図31(a)の表示画面W20に示すように、流下空間FSを流下するメダルMを、ホログラムスクリーン1572越しに透視した際の透視位置に、仮想メダルMIの画像を表示させることができる。したがって、第1実施形態と同様に画像表示装置の背面側も遊技空間として利用可能とすることで、画像表示装置の設置条件の自由度を高めることができる。さらには、透視したメダルMに仮想メダルMIの画像が重ね合わされて表示されるので、より派手な画像演出が可能になり、遊技性を高めることができる。
【0186】
また、例えば抽選結果として「当り」が出た場合には、同図(b)の表示画面W22に示すように仮想メダルMIの形態が変化した状態で、透視したメダルMに重ねて表示される。この場合、メダルMは標的キャラクタ26にヒットしなくとも、同図(a)の通常状態に比べて仮想メダルMIが大きくなることでヒットし易くなる。つまり、実体としてのメダルMの移動と画像演出とが一体となった従来にない表示が可能となり、より遊技性を高めることができる。
【0187】
本実施形態では、更に抽選結果として「大当たり」が出た場合には、図32(a)の表示画面W24に示すように、メダルMに重ねて仮想メダルMIcが表示されるとともに、その周囲を周回する副仮想メダルMIdが表示され、仮想メダルMIcおよび副仮想メダルMIdの何れかが標的キャラクタ26にヒットすれば、入賞と判定される。周回半径を適宜可変するとしても良い。したがって、見た目をより派手にしながらも、より一層遊技状態に応じた利益を付与することが可能となる。このように、実体としてのメダルMの移動と画像演出とが一体となった表示でありながら、様々な利益の付与形態や画像の変化をつけることができるので、従来にない遊技性を実現できる。尚、副仮想メダルMIdの動作は、周回に限るものではなく、例えば同図(b)の表示画面W26に示すように、仮想メダルMIcに付随して、その軌跡に沿って移動するように表示制御する形態であっても良い。この場合、仮想メダルMIcが通過してしまった軌跡に遅れて交差するように標的キャラクタ26が移動制御されたケースでも、副仮想メダルMIdによってヒットと判定されるので、同じようにより一層入賞の機会が増え、より多くの利益が付与され易くなる。また更には、この場合、副仮想メダルMIdを、仮想メダルMIcからたなびく尾MIfとして表現するとしても良い。
【0188】
尚、上記実施形態の説明では、遊技者が画像表示装置の背面側を流下する遊技媒体を視認可能とするために、プロジェクタ1570から投影された画像をホログラムスクリーン1572に映し出す構成としたがこれに限定されるものではない。例えば、第1実施形態と同様にしてフラットパネルディスプレイ1530を設け、このフラットパネルディスプレイ1530を透過型液晶パネルとすることでも実現できる。
【0189】
また、常時、メダルMの位置座標を取得可能とするために、タッチパネル1574を用いる構成としたがこれに限るものではない。例えば、図33に示すように、遊技盤1508のホログラムスクリーン1572の背面側に該当する範囲に、感光センサ1576を十分に細かい間隔でXY方向に複数配置する構成としても良い。この場合、制御ユニット1580は、タッチパネル1574から出力される座標値の代わりに、メダルMの通過に伴って遮光された感光センサ1576の座標値を取得する構成となっている。
尚、同図における感光センサ1576の配置は概念を示しているに過ぎない。実施にあたっては、メダルMの大きさ、釘1510の配置密度などを考慮して、1の画像表示レートにおいてメダルMの位置が1の場所に確定できる程度に十分細かく配置する必要がある。
【0190】
〔第3実施形態〕
次に、本発明を適用した第3実施形態について説明する。尚、第1および第2実施形態と同様の構成要素については、同じ符号を付与し説明は省略するものとする。
【0191】
図34は、本実施形態における遊技装置1500Cの縦断面図である。同図に示すように、遊技盤1508が、遊技装置1500Cの上部に、遊技者側から離れるほど低くなるようにテーブル状に配置されている。そして、遊技盤1508の上方空間の奥側にフラットパネルディスプレイ1530が表示画面を遊技者側に向けて配置され、更に手前側に透明カバー1514が配置されることで、筐体1501Cの側壁とともに遊技空間GSを画成している。また、フラットパネルディスプレイ1530は、遊技盤1508の上面から離して配置され、これによって、フラットパネルディスプレイ1530の背面下方に、メダルMが縦に進入可能に流下空間FSを設けている。
【0192】
遊技装置1500Cの前部の操作テーブル1528上には、樋状のメダル投入器1590が配置されている。メダル投入器1590は、先端を遊技盤1508の手前側上面に向けた所定の傾斜姿勢で、垂直軸AX周りに所定範囲で首振り自在な台座1594に固定されている。台座1594の回転軸には回転角度センサ1596が接続されており、首振り角度が検出されて制御ユニット1580に出力される。すなわち、回転角度センサ1596による首振り角度から、メダルMの遊技空間GSへの進入位置が明らかとなる。
【0193】
メダル投入器1590をより詳細に見ると、例えば図35に示すように、縦にしたメダルMが一枚入る程度の溝幅を有した断面U字状の樋を形成しており、遊技者が任意の位置(例えば、M1あるいはM2の位置など。)からメダルを溝に挿入することができる。挿入されたメダルはメダル投入器1590の傾斜によって溝に沿って転がり、傾斜下方の先端から遊技盤1508の前端部上面に転がり落ちる。
【0194】
メダル投入器1590の先端には、通過速度センサ1592が設けられている。本実施形態では、投光素子と受光素子からなる通過センサ1592aと1592bとが溝方向に配列されている。夫々の通過センサ1592a,1592bからは通過検出信号が制御ユニット1580に出力される。したがって、制御ユニット1580は、夫々の通過センサから通過検出信号を入力した時のシステム時刻の差と、通過センサの設置距離ΔZとから、メダルの遊技空間GSへの進入速度を算出することができる。
【0195】
メダル投入器1590から転がり出たメダルMは、遊技盤1508の上面を縦になって転がり、同上面とフラットパネルディスプレイ1530との設置隙間から流下空間FSに進入し、筐体1501C内に設けられたメダル貯留部1542に収容される。入賞した場合には、メダル貯留部1542に貯留されているメダルがメダル排出装置1546によって、取得メダル払出口1526から払い出される。
【0196】
そして、本実施形態では、メダルMがフラットパネルディスプレイ1530の下を通過するタイミングで通過する位置に対応させて、フラットパネルディスプレイ1530の表示画像内に仮想メダルMIの画像を表示させる。仮想メダルMIの移動は、実体としてのメダルMがメダル投入器1590で投入される時点での速度(ベクトル)と進入位置とに基づいて、物理法則に準じてシミュレーションされる。
【0197】
例えば、図36は、本実施形態における画像表示の一例を示す図であって、フラットパネルディスプレイ1530を正面から見た図である。同図に示すように、仮想遊技空間には奥に行くほど高くなる起伏のある地形40が設定されており、地形40上を画面左右方向に標的キャラクタ42や、特定キャラクタ44がランダムに移動するように表示制御される。標的キャラクタ42は、第1実施形態の標的キャラクタ26に相当し、仮想メダルMIがヒットすると入賞したと判定され、予め設定されている数のメダルがボーナスメダルとして払い出される。特定キャラクタ44に仮想メダルMIがヒットすると抽選が開始される。抽選の結果はスロットル部46に表示され、抽選の結果が「777」で「大当り」に相当する場合には遊技状態が一定時間「特別」に変更される。
【0198】
本実施形態の仮想メダルMIは、転動するようにして表示画像内に登場し、一定時間経過後にキャプチャ領域ACを生成して消滅する。転動表示中に標的キャラクタ42にヒットすれば入賞と判定されるが、特定キャラクタ44は、キャプチャ領域ACでのみヒット判定される。しかも、本実施形態における仮想メダルMIの移動は、地形GSの影響を受けるように表示制御される。例えば、十分な勢いがあれば、軌跡L1のように斜面を駆け上がって適当なタイミングでキャプチャ領域ACを生成して特定キャラクタ44にヒットさせることができるが、勢いが十分でなければ軌跡L2のように斜面を登りきらず、特定キャラクタ44から離れた位置でキャプチャ領域ACが生成されてしまい、ヒットできないこととなる。キャプチャ領域ACは、例えば光の固まりのように表現される。
【0199】
したがって、遊技者は画面を見ながら所望する標的キャラクタ42や特定キャラクタ44に狙いをつけて投入器1590の方向を操作しつつ、地形GSの影響を考慮して投入機1590の何れの位置からメダルMを挿入するかを考えなければならない。単にメダルを投入すれば良いだけでなく、方向と強さを同時に操作して遊技を楽しむといった従来にない遊技を実現できる。
【0200】
[機能構成の説明]
図37は、本実施形態における機能構成の一例を示す機能ブロック図である。本実施形態の遊技装置1500Cは、投入メダル通過検出部106と、投入方向検出部108と、入賞払出部308を備えている。
【0201】
投入メダル通過検出部106は、遊技空間GSに投入されるメダルMの2点間の通過を検出し、各点の通過毎に検出信号を処理部200に出力する。図34の通過速度センサ1592がこれに該当する。
【0202】
投入方向検出部108は、遊技空間GSにメダルMを投入する方向を検出し、処理部200に出力する。図34の回転角度センサ1596がこれに該当する。
【0203】
入賞払出部308は、入賞したと判定された場合に、その褒美としてのボーナスメダルを払い出す。図34のメダル払出装置1546がこれに該当する。
【0204】
また、本実施形態における運動状態量算出部212Cは、投入メダル通過検出部106および投入方向検出部108からの入力に基づいて、遊技空間GSに投入されるメダルの運動状態量として、進入時間、進入位置、進入速度を算出する。具体的には、2点目の検出点を通過したタイミングのシステム時刻を進入時刻とする。また、投入メダル通過検出部106から検出信号が入力されたタイミングのシステム時刻の差と、検出する2点間の所定距離とから進入速度を算出する。また、本実施形態では、投入器1590が垂直軸AX周りに首振り可能に枢支されているので、投入方向検出部108から出力される投入の方向とから、進入位置が幾何的に求められる。
【0205】
仮想メダル登録処理部214Cは、新たに遊技空間GSに出現させる仮想メダルの仮想メダル登録データ624を生成して仮想メダルMIを登録し、進入時刻から所定時間が経過した仮想メダル登録データを消去して登録を抹消する。本実施形態における仮想メダル登録データ624Cは、例えば、図38に示すように、メダルID624a、速度624g、位置座標624h、表示半径624j、背面進入フラグ624m、表示モデル指定値624n、進入時刻624qを含んでいる。
【0206】
仮想メダル移動処理部216Cは、仮想遊技空間に設けられた地形GS上を、仮想メダルMIが縦に転がるように移動制御する。この際、仮想メダルMIには、所定の重量と地形GSを転動する転がり抵抗とが予め設定されており、運動法則および重力の法則にしたがって仮想遊技空間内を転がるようにシミュレーションされる。そして、進入時間から所定時間が経過した場合には、位置の更新は行わない。これは、画面上では、キャプチャ領域ACが生成され仮想メダルMIが消えるためである。
【0207】
抽選部218Cは、抽選開始の条件が整った場合に抽選を実行する。本実施形態では、仮想メダル登録データ624Cの位置座標624hと、進入時刻624qを参照し、進入時刻624qから所定時間経過した仮想メダルMIの位置座標624hを基準に所定範囲(例えば、仮想メダルの表示半径624jを有する球状領域。)に特定キャラクタ44が存在する場合に、抽選開始の条件が整っていると判断する。
【0208】
また、本実施形態における仮想メダルモデルデータ606Cは、例えば図39に示すように、通常時にて適用される表示モデル指定値=「0」の表示モデルMIfは、実体としてのメダルに見かけを似せて設定されている。抽選結果が「当り」の場合に適用される表示モデル指定値=「1」の表示モデルMIgは、MIfよりも厚さが増したモデルが設定されている。したがって、より標的キャラクタ42にヒットし易くなる。また、抽選結果が「大当り」の場合に適用される表示モデル指定値=「2」の表示モデルMIjは、仮想メダル登録データ624の位置座標に表示させる表示モデルMIfの両側に沿って移動制御される副仮想メダルMIhが付加されている。当然のことながら、表示モデルMIjが用いられている場合、すなわち遊技状態が「特別」の場合には、標的キャラクタ42および特定キャラクタ44と仮想メダルとのヒット判定は、表示モデルMIfと追加された副仮想メダルMIhの複数について実行される。したがって、より一層、標的キャラクタ42や特定キャラクタ44とヒットしやすくなる。
【0209】
キャプチャ領域モデルデータ611は、キャプチャ領域ACを画像表示するモデルに係るデータを格納している。
【0210】
[動作の説明]
図40は、本実施形態における遊技装置1500Cを制御する処理の流れを説明するためのフローチャートである。ここで説明する処理は、処理部200である制御ユニット1580が所定のシステムプログラムや遊技プログラム602C、各種設定データを読み出し、所定の制御サイクル(例えば、1/60秒)で演算処理を繰り返し実行することによって実現される。
【0211】
先ず、制御ユニット1580は、仮想空間中に仮想遊技空間を形成し、地形GSや標的キャラクタ42、特定キャラクタ44を配置する。そして、標的キャラクタ42や特定キャラクタ44は、適宜移動制御する(ステップS402)。次いで、仮想空間に配置された仮想カメラから見た画像を生成して、フラットパネルディスプレイ1530に表示させる(ステップS404)。
【0212】
次に、制御ユニット1580は、通過速度センサ1592からの検出信号が入力された場合(ステップS406のYES)、回転角度センサ1596から回転角度を取得し(ステップS408)、新たに投入されたメダルの進入時刻、進入速度を算出する(ステップS410)。そして、進入時刻、進入速度をもとに仮想メダル登録データを生成する(ステップS412)。
通過速度センサ1592からの検出信号が入力されない場合には(ステップS406のNO)、仮想メダルの新規登録に係るこれら一連の処理は実行しないで、ステップS414に移行する。
【0213】
次に、制御ユニット1580は、登録されている全ての仮想メダルについて、ループDの処理を実行する(ステップS414〜S428)。ループDの処理では先ず、処理対象の仮想メダルが仮想遊技空間の地形GS上を転がる様子を物理シミュレーションし位置を更新する(ステップS416)。次に、現在のシステム時刻と当該仮想メダルの進入時刻624qを比較し、当該仮想メダルが生成されてから所定のキャプチャ領域発生時間Tcが経過しているか否かを判定する(ステップS418)。
経過していない場合には(ステップS418のNO)、当該仮想メダルの表示モデルを仮想空間中に配置する(ステップS420)。経過している場合には(ステップS418のYES)、当該仮想メダルの表示モデルに代えてキャプチャ領域ACのオブジェクトを仮想空間に配置する(ステップS422)。
【0214】
次に、制御ユニット1580は、更に当該仮想メダルが生成されてから所定の消滅時間Tdが経過しているか否かを判定する(ステップS424)。否定の場合にはそのままループDの処理を終了するが(ステップS424のNO)、肯定の場合には(ステップS424のYES)、キャプチャ領域オブジェクトを仮想空間から消去するとともに、処理対象である仮想メダルの仮想メダル登録データ624Cを消去し登録を抹消し(ステップS426)、ループDの処理を終了する。
【0215】
ここまでの処理で、仮想遊技空間における仮想メダルMI、標的キャラクタタ42、特定キャラクタ44の位置が全て更新されたことになるので、仮想空間に配置された所定の仮想カメラから見た仮想空間の画像を生成して、フラットパネルディスプレイ1530に表示させる(ステップS430)。
【0216】
つづいて制御ユニット1580は、仮想メダルMIとヒットした標的キャラクタ42を抽出し、抽出された標的キャラクタ42に設定されている数だけボーナスメダルを払い出す(ステップS432)。
【0217】
次に、特定キャラクタ44に仮想メダルMIがヒットしたか否かを判定する(ステップS434)。本実施形態では、仮想メダルがキャプチャ領域ACを生成する設定であるので、ここではキャプチャ領域AC内に特定キャラクタ44が存在しているか否かを判定することになる。そして、肯定の場合には(ステップS434のYES)、抽選処理Bを実行し(ステップS436)、ステップS402にもどる。否定の場合には(ステップS434のNO)、抽選処理Bを実行せずにステップS402にもどる。
【0218】
以上のような構成と動作によって、本実施形態によれば、遊技者は任意の投入タイミングで、望む投入方向と投入する強さを自在に決めてメダルを投入することができる。そして、投入されたメダルがフラットパネルディスプレイ1530の背面に隠れると、背面に隠れるタイミングで、その隠れた位置に該メダルの速度を受け継いだ仮想メダルの画像を表示させることができる。そして、この仮想メダルの移動を、実体としてのメダルから受け継いだ速度に基づいて物理法則に準じたシミュレーションによって求めて表示制御することができる。よって、あたかもフラットパネルディスプレイ1530の背面側にも遊技空間が存在し、実体のメダルから仮想メダルに入れ換わりながらも連続して運動し続けているよう遊技者に見せることができる。実体として遊技媒体と、仮想体としての仮想媒体の連続した移動表示といった斬新な映像表現を可能にし、遊技性を高めることができる。
【0219】
また、実体としての遊技媒体を、仮想体としての遊技媒体に置き換えることで、たとえばキャプチャ領域ACを発生するなどのように、実体としての遊技空間では設定することのできない表現を遊技に盛り込むことが可能となり、より一層遊技性を高めることができる。
【0220】
尚、本実施形態では、メダル投入器1590をメダル自体の転がりによって投入する構成としたが、電動射出器を備えた投入器に置き換えることもできる。この場合には、射出の強さを調整するためのダイアルなどの操作入力手段を適宜設けると良い。
【0221】
また、投入器1590を所定の垂直軸まわりに首振りする構成としたが、フラットパネルディスプレイ1530に向かって画面左右方向に沿って、移動可能な構成としても良い。この場合には、回転角度センサ1596に代えて、左右位置を検出するセンサを適宜設けると良い。
【0222】
また、遊技状態が「特別」である間は、仮想メダルMIの表示形態を変えるに限らず、例えば標的キャラクタ42を、通常よりも幅が広いモデルで表示する構成としても良い。
【0223】
〔第4実施形態〕
次に、本発明を適用した第4実施形態について説明する。本実施形態は、基本的に第1実施形態と同様の構成を有するが、遊技媒体の種類を検知し、検知した種類に応じて仮想メダルの表示形態を可変する点に特徴を有する。尚、本実施形態では、遊技媒体の種類として、遊技媒体の色を検出する例を挙げて説明するが、遊技媒体の形状(例えば、中央の穴の有無)や大きさなどで種類を検出するとしても良い。
【0224】
先ず、構造としての特徴としては、第1ラインセンサ1534および第2ラインセンサ1536は、カラーCCDを用いており、検出信号には通過するメダルMの色情報を含む。尚、撮影に必要な光源としてこれらのラインセンサの上側或いは下側に並列して白色LCDや陰極線管を配置すると好適である。
【0225】
図41は、本実施形態における機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
同図に示すように、本実施形態の仮想メダル登録処理部214Cは更に第1ラインセンサ1534および第2ラインセンサ1536の検出信号からメダルMの色を識別し、対応する仮想メダルMIに識別した色に応じて異なる表示形態を付与する機能を備える。具体的には、RGBの各色情報から、例えば赤色のメダル、青色のメダル、緑色のメダルを識別する。勿論、このためにはこれら3色のメダルが予め店舗等で用意されており、例えば夫々異なる金額で遊技者に提供されるとしても良い。或いは、所定金額で10枚のメダルを購入するとして、ランダムに3色のメダルが組み合わされて提供されるとしても良い。
【0226】
次に、本実施形態における処理の流れであるが、基本的には第1実施形態と同様の流れを有するが、本実施形態では処理部200は、仮想メダル登録処理(ステップS6)に代えて仮想メダル登録処理Cを実行する。
図42は、本実施形態における仮想メダル登録処理Cの流れを説明するためのフローチャートである。特徴としては、ステップS67において、仮想メダル登録処理部214Cが第1ラインセンサ1534および第2ラインセンサ1536の検出信号からメダルMの色を識別し、赤色メダルならば、連続回数に応じて変更された表示半径そのままとし、青色メダルならば、連続回数に応じて変更された表示半径を更に1.2倍にする。また、緑色メダルならば、連続回数に応じて変更された表示半径を更に0.5倍にする。
【0227】
このように、仮想メダルMIの表示形態を実際のメダルMの種類に応じて可変することによって、より遊技に奥深さが生まれる。例えば、各色のメダルを異なる金額で購入する方式の場合には、より射幸心を狙う遊技者は青色メダルを購入し、「ここぞ」というタイミングで使うといったことでより遊技を楽しむことができる。また、払いだされるメダルにも同様に3色のメダルがランダムに含まれるならば、払い出されるメダルの色の配分で更に偶然性が加わってより一層遊技を面白くすることができる。
【0228】
尚、メダルの色以外に例えば、日本の50円玉のように中央に穴が開いているメダルを使用する場合には、第1ラインセンサ1534および第2ラインセンサ1536から出力される遮光範囲RSに中抜けが存在することが検知されることで、10円玉のように中央に穴が開いていないモノと識別することができる。或いは、遮光範囲RSのスキャン画像データをスキャン開始から所定時間分記憶し、連続する画像データとして扱い、予め用意してあるパターンマッチングデータと比較することで、メダルMの表裏面のデザイン違いによって種類を判定する構成としても良い。
【0229】
また、メダルMの種類に応じて可変する要素は、仮想メダルの大きさに限らず、例えば第3実施形態のように、仮想メダルを複数表示するなど仮想メダルの数を変更したり、仮想メダルモデルデータ606にメダル種類を対応づけて、メダルの種類に応じて異なるデザインとしても良い。
【0230】
〔変形例〕
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の適用形態は上記したものに限らず、発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜変更可能である。
【0231】
例えば、遊技媒体はメダルに限らず、金属球を用いることとして、本発明をパチンコやピンボールなどに適用することもできる。
【0232】
また、上記実施形態では画像表示を2次元画像のように説明したが、立体視表示としても良いのは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0233】
【図1】第1実施形態における遊技装置の構成の概略を説明するための正面外観図。
【図2】第1実施形態における遊技装置の縦断面図。
【図3】フラットパネルディスプレイを取り除いた状態に相当する遊技盤の正面図。
【図4】第1実施形態におけるメダルの進入位置と進入速度の検出方法の原理を説明するための概念図。
【図5】第1実施形態における中間点Pa,Pbの対応付けの原理を説明するための概念図。
【図6】第1実施形態における画面表示の一例を示す図。
【図7】メダル射出装置の構成の一例を示す断面図。
【図8】第1実施形態における機能構成の一例を示す機能ブロック図。
【図9】仮想メダル移動処理部による仮想メダルの移動補正について説明するための概念図。
【図10】第1実施形態における仮想メダルモデルデータのデータ構成例を示す図。
【図11】第1実施形態における仮想メダル登録データのデータ構成例を示す図。
【図12】第1実施形態における標的キャラクタデータのデータ構成例を示す図。
【図13】排出予約データのデータ構成例を示す図。
【図14】抽選データのデータ構成例を示す図。
【図15】第1実施形態における遊技装置を制御する処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図16】第1実施形態における仮想メダル登録処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図17】仮想メダル第1移動処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図18】第1実施形態における画面表示の一例を示す図。
【図19】第1実施形態における払出処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図20】第1実施形態における抽選処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図21】仮想メダル第2移動処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図22】第1実施形態における画面表示の一例を示す図。
【図23】第1実施形態における画面表示の一例を示す図。
【図24】第2実施形態における遊技装の上部縦断面図。
【図25】第2実施形態における機能構成の一例を示す機能ブロック図。
【図26】第2実施形態における仮想メダル登録データのデータ構成例を示す図。
【図27】第2実施形態における仮想メダルモデルデータのデータ構成例を示す図。
【図28】第2実施形態における遊技装置を制御する処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図29】第2実施形態における仮想メダル登録処理Bの流れを説明するためのフローチャート。
【図30】第2実施形態における抽選処理Bの流れを説明するためのフローチャート
【図31】第2実施形態における画面表示の一例を示す図。
【図32】第2実施形態における画面表示の一例を示す図。
【図33】第2実施形態の変形例を示す図。
【図34】第3実施形態における遊技装置の縦断面図。
【図35】メダル投入器の構成の一例を示す斜視図。
【図36】第3実施形態における画面表示の一例を示す図。
【図37】第3実施形態における機能構成の一例を示す機能ブロック図。
【図38】第3実施形態における仮想メダル登録データのデータ構成例を示す図。
【図39】第3実施形態における仮想メダルモデルデータのデータ構成例を示す図。
【図40】第3実施形態における遊技装置を制御する処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図41】第4実施形態における機能構成の一例を示す機能ブロック図。
【図42】第4実施形態における仮想メダル登録処理の流れを説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
【0234】
22 スロット部
24、42 特定キャラクタ
26、44 標的キャラクタ
102 使用メダル投入検出部
104 背面進入メダル検出部
106 投入メダル通過検出部
108 投入方向検出部
200 処理部
202 新規メダル投入制御部
210 遊技演算部
211 位置座標算出部
230 通過メダル排出制御部
302 新規メダル投入部
304 ボーナスメダル払出部
306 通過メダル排出部
600 記憶部
602 遊技プログラム
604 仮想遊技盤データ
606 仮想メダルモデルデータ
624 仮想メダル登録データ
630 排出予約データ
1500 遊技装置
1508 遊技盤
1520 プッシャーテーブル
1530 フラットパネルディスプレイ
1534 第1ラインセンサ
1536 第2ラインセンサ
1542 メダル貯留部
1560 通過メダル排出口
1570 プロジェクタ
1572 ホログラムスクリーン
1574 タッチパネル
1580 制御ユニット
1590 メダル投入器
M メダル
MI 仮想メダル
GS 遊技空間
FS 流下空間
【出願人】 【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコゲームス
【出願日】 平成18年9月13日(2006.9.13)
【代理人】 【識別番号】100124682
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 泰

【識別番号】100104710
【弁理士】
【氏名又は名称】竹腰 昇

【識別番号】100124626
【弁理士】
【氏名又は名称】榎並 智和

【識別番号】100090479
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 一


【公開番号】 特開2008−67881(P2008−67881A)
【公開日】 平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願番号】 特願2006−248777(P2006−248777)