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【発明の名称】 スロットマシン
【発明者】 【氏名】上畑 泰之

【要約】 【課題】扉中継基板と筐体側の制御基板との間に接続されたケーブルを扉中継基板から外して不正に遊技媒体を獲得する不正行為を実施上有効に防止する。

【構成】筐体内に、複数の変動表示部を有する変動表示装置と遊技動作を司る制御基板とが配置され、筐体の前方開口部に遊技面を構成する前扉が取り付けられている。前扉の表面側には変動表示装置の変動表示が透視可能な表示窓と、変動表示装置の変動表示に関連する操作部とが設けられており、前扉の裏面側には上記操作部の操作信号を上記制御基板に転送するための扉中継基板33が取り付けられている。扉中継基板の取付面と反対側の表面全体を覆う中継基板カバー84を備え、この中継基板カバーは、その配置箇所に締結具90により固定するための固定部89と、中継基板カバーの固定状態が一旦解除された場合にその痕跡を表示する痕跡表示手段とを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体内に、複数の変動表示部を有する変動表示装置と遊技動作を司る制御基板とが配置されているとともに、この筐体の前方開口部に遊技面を構成する前扉が取り付けられ、この前扉の表面側には上記変動表示装置の変動表示が透視可能な表示窓と、変動表示装置の変動表示に関連する操作部とが設けられており、前扉の裏面側には上記操作部の操作信号を上記制御基板に転送するための扉中継基板が取り付けられてなるスロットマシンにおいて、
上記扉中継基板の取付面と反対側の表面全体を覆う中継基板カバーを備え、この中継基板カバーは、その配置箇所に締結具により固定するための固定部と、中継基板カバーの固定状態が一旦解除された場合にその痕跡を表示する痕跡表示手段とを有してなることを特徴とするスロットマシン。
【請求項2】
上記扉中継基板は、一回の遊技動作を完結するために設けられた複数の操作部からの操作信号を制御基板に転送するものであり、上記複数の操作部のうち、少なくとも一つの操作部にはその発信部を覆うカバー部材が設けられ、このカバー部材は、その配置個所に締結具により固定するための固定部と、カバー部材の固定状態が一旦解除された場合にその痕跡を表示する痕跡表示手段とを有している請求項1記載のスロットマシン。
【請求項3】
上記カバー部材は、変動表示装置の各変動表示部の変動表示を個別に停止させる複数の停止スイッチに接続されたスイッチ基板を覆うものである請求項2記載のスロットマシン。
【請求項4】
上記中継基板カバーの痕跡表示手段は、中継基板カバーの固定部を中継基板カバーの他の部位に連結しかつ切断し易くするために狭小に形成された脆弱部からなる請求項1記載のスロットマシン。
【請求項5】
上記カバー部材の痕跡表示手段は、カバー部材の固定部をカバー部材の他の部位に連結しかつ切断し易くするために狭小に形成された脆弱部からなる請求項2又は3記載のスロットマシン。
【請求項6】
上記締結具は、ねじ込み方向にのみ操作可能なワンウエイネジからなり、上記固定部は、このワンウエイネジが挿入可能な段付き孔を有する略円筒状のものであり、上記脆弱部は、1つの固定部に対し一対設けられている請求項4又は5記載のスロットマシン。
【請求項7】
上記固定部には一対の脆弱部に挟まれた部位にスリットが設けられているとともに、固定部の段付き孔の大径孔部の内面にはワンウエイネジの頭部と滑り難くするための滑り止め部が形成されている請求項6記載のスロットマシン。
【請求項8】
上記中継基板カバーには扉中継基板に実装されたコネクタに接続するケーブルを通すための切り欠き部が設けられ、この切り欠き部の幅寸法は、上記ケーブル側のコネクタのヘッド長さよりも小さく設定されている請求項1ないし請求項7のいずれか一つに記載のスロットマシン。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機としてのスロットマシンに関し、特に、遊技面を構成する前扉の裏面側に、スタートスイッチや停止スイッチなどの操作部の操作信号を筐体側の制御基板に転送するための扉中継基板を取り付ける場合の不正行為の防止対策に係わる。
【背景技術】
【0002】
一般に、スロットマシンにおいては、筐体内に、複数の回転リールを有するリール装置と遊技動作を司る制御基板とが配置されているとともに、この筐体の前方開口部に遊技面を構成する前扉が取り付けられている。また、この前扉の表面側には上記リール装置の各回転リールが透視可能なリール表示窓と、リール装置の各回転リールの回転に関連するスタートスイッチや停止スイッチなどの操作部とが設けられており、前扉の裏面側には上記操作部の操作信号を上記制御基板に転送するための扉中継基板などが取り付けられている。
【0003】
そして、従来、この種のスロットマシンにおいて、制御基板の実装品であるROMの取り替えなどの不正行為を防止するための対策としては、制御基板を、上ケースと下ケースとからなる箱状の基板ケース内に収納し、この基板ケースの開放を禁止するいわゆる封印構造が種々提案され、実用化されている。例えば特許文献1には、基板ケースの上ケースの周縁部に上ケースと下ケースとを結合するための複数の結合部を形成し、一回の結合時にはその中の少なくとも1つの結合部でワンウエイネジ、リベット又はピンなどの締結具により分離不能に結合することが開示されている。この封印構造によれば、制御基板の不正改造をするためには結合部又はその周辺を破壊しなければならず、また不正改造が行われた場合には破壊の痕跡が残ることから、制御基板の不正改造を予防ないし防止できるという効果が得られる。
【0004】
また、上記制御基板には、通常、スロットマシンに装備される他の基板(例えば中継基板や電装基板など)からの信号を受け、あるいは信号を送るためのコネクタが実装されている。このため、制御基板を収納する基板ケースの上ケースには、コネクタに対向して開口部が設けられ、この開口部を通してケーブル側のコネクタが基板側のコネクタに接続されるように構成されている。そして、この場合、不正な遊技者などがケーブル側のコネクタを外し、基板側のコネクタに不正な機器を接続することにより、基板ケース内に収納された制御基板に対し不正な信号を入力して不正に遊技媒体を獲得するという不正行為が行われる虞がある。このような不正行為を防止するために、例えば特許文献2に開示されているように、制御基板側のコネクタにケーブル側のコネクタを接続した後、この両コネクタを覆うコネクタカバーを設けるとともに、このコネクタカバーに、制御基板側のコネクタ又はケーブル側のコネクタと係合する突起部を形成して、両コネクタを覆って基板ケースに装着されたコネクタカバーを外し難くしたものが提案されている。尚、特許文献3には、内部抽選によりボーナスフラグが成立しても当面はそのボーナスフラグのストックを行い、ボーナスが成立不可能な状態を所定ゲーム数持続することで遊技性を高めたいわゆるストック機能を有するスロットマシンが開示されている。
【特許文献1】特許第2895829号公報
【特許文献2】特開2006−34784号公報
【特許文献3】特開2004−24537号公報(第7頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、従来のスロットマシンでは、前扉の裏面側に取り付けられる扉中継基板は、ケーブルを介して筐体側の制御基板に接続され、かつ筐体側の制御基板よりも手の届き易い位置にあるにも拘わらず、収納ケース内に収納されることなく、露出した状態で取り付けられているのが実情である。このため、扉中継基板に接続されたケーブルを外し、このケーブルに不正な機器を接続することにより、基板ケース内に収納された制御基板に対し不正な信号を入力して不正に遊技媒体を獲得するという不正行為が行われる虞がある。
【0006】
そこで、このような不正行為を防止するために、扉中継基板を、制御基板と同様に、上ケースと下ケースとかなる基板ケース内に収納し、この基板ケースの開放を封印構造でもって禁止するように構成することが考えられる。しかし、扉中継基板の取付箇所は、前扉裏面側のリール表示窓下縁部であり、この取付箇所で扉中継基板を基板ケース内に収納した状態で取り付けた場合、基板ケースを含めた構造全体の厚みが大きくなるので、その基板ケースとの干渉を避けるためにリール装置等の内部構造を筐体内の奥寄りに移動させる必要があり、内部構造の設計自由度を制限してしまうとともに、前扉のリール表示窓とリール装置の回転リールとの間の寸法がその分大きくなるという不具合がある。
【0007】
本発明はかかる諸点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、前扉の裏面側に取り付けられる扉中継基板に対し適切な不正行為の防止対策を講じることにより、リール装置を筐体内の奥寄りに移動させることなく、扉中継基板と筐体側の制御基板との間に接続されたケーブルを扉中継基板から外して不正に遊技媒体を獲得するという不正行為を実施上有効に防止し得るスロットマシンを提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明は、スロットマシンとして、筐体内に、複数の変動表示部を有する変動表示装置(例えば回転リールを有するリール装置など)と遊技動作を司る制御基板とが配置されているとともに、この筐体の前方開口部に遊技面を構成する前扉が取り付けられ、この前扉の表面側には上記変動表示装置の変動表示が透視可能な表示窓と、変動表示装置の変動表示に関連する操作部とが設けられており、前扉の裏面側には上記操作部の操作信号を上記制御基板に転送するための扉中継基板が取り付けられてなることを前提とする。そして、上記扉中継基板の取付面と反対側の表面全体を覆う中継基板カバーを備え、この中継基板カバーは、その配置箇所に締結具により固定するための固定部と、中継基板カバーの固定状態が一旦解除された場合にその痕跡を表示する痕跡表示手段とを有する構成にする。
【0009】
この構成では、前扉の裏面側に取り付けられた扉中継基板の取付面と反対側の表面全体が中継基板カバーによって覆われており、また、この中継基板カバーは固定部で固定され、その固定状態が一旦解除された場合その痕跡が痕跡表示手段によって表示されるため、上記扉中継基板側のコネクタに接続されたケーブルを外して筐体側の制御基板に不正な信号を入力するなどの不正行為を予防ないし防止することができる。しかも、扉中継基板は、従来どおり前扉の裏面側に取り付けられた状態のままであって、この扉中継基板の取付面と反対側の表面全体を中継基板カバーで覆っているに過ぎないため、干渉を避けるために筐体側の変動表示装置を筐体内の奥寄りに移動させる必要はない。また、部品点数が少なくて済むため、コストダウンを図れ、実施化の上で有効である。
【0010】
ここで、スロットマシン、特に、背景技術の項で例示した特許文献3などに開示するいわゆるストック機能を有するスロットマシンに対する不正行為として、遊技者の操作を伴わずに短時間に数多くのゲームを消化する機能を有する不正な機器を接続することによって、ストックゲームを消化していわゆるフラグの放出状態とし、この放出状態から遊技を行うことで不正に遊技媒体であるメダルを獲得することがある。スロットマシンの場合、一回の遊技は、メダルの投入、スタートスイッチの操作及び停止スイッチの操作で完結することから、遊技回数を擬似的に消化するためには、遊技者の操作に対応して、メダル投入の信号、スタートスイッチの操作信号及び停止スイッチの操作信号の全てをそれぞれ不正に入力する必要がある。それ故、上記扉中継基板において、操作部の操作信号として少なくとも、スタートスイッチの操作信号と、複数の停止スイッチに接続されたスイッチ基板からの操作信号と、セレクタからのメダル投入信号を受信して制御基板に送信するものの場合、上述した不正行為を防止するためには、扉中継基板の出力信号に対応して、扉中継基板に対して不正行為の防止対策を講じるだけでなく、扉中継基板の3つの入力信号のうち、少なくとも1つの信号を出力する基板などに対しても、不正行為の防止対策を講じる必要がある。
【0011】
請求項2に係る発明は、この点に鑑みて、請求項1記載のスロットマシンにおいて、特に、上記扉中継基板が、一回の遊技動作を完結するために設けられた複数の操作部(例えばスタートスイッチや停止スイッチなど)からの操作信号を制御基板に転送するものの場合、上記複数の操作部のうち、少なくとも一つの操作部にその発信部を覆うカバー部材を設け、このカバー部材も、上記中継基板カバーと同じく、その配置個所に締結具により固定するための固定部と、カバー部材の固定状態が一旦解除された場合にその痕跡を表示する痕跡表示手段とを有する構成にする。この構成では、一回の遊技動作を完結するための複数の操作部のうち、一つの操作部の発信部がカバー部材によって覆われており、また、カバー部材は固定部で固定され、その固定状態が一旦解除された場合その痕跡が痕跡表示手段によって表示されるため、操作部の発信部から不正な信号を扉中継基板を通して制御基板に入力することを予防ないし防止することができる。
【0012】
請求項3に係る発明は、請求項2記載のスロットマシンにおいて、上記カバー部材を、変動表示装置の各変動表示部の変動表示を個別に停止させる複数の停止スイッチに接続されたスイッチ基板を覆うものにする。この構成では、停止スイッチの発信部としてのスイッチ基板がカバー部材によって覆われており、スイッチ基板から不正な信号を扉中継基板を通して制御基板に入力することを防止できる。
【0013】
請求項4に係る発明は、請求項1記載のスロットマシンにおいて、上記中継基板カバーの痕跡表示手段を、中継基板カバーの固定部を中継基板カバーの他の部位に連結しかつ切断し易くするために狭小に形成された脆弱部によって構成する。この構成では、単に封印シールで解除の痕跡を表示する場合に比べてその痕跡が隠蔽され難いため、その分不正行為の防止効果を高めることができる。
【0014】
請求項5に係る発明は、請求項2又は3記載のスロットマシンにおいて、上記カバー部材の痕跡表示手段を、カバー部材の固定部をカバー部材の他の部位に連結しかつ切断し易くするために狭小に形成された脆弱部によって構成する。この場合も、請求項3の場合と同様に、不正行為の防止効果を高めることができる。
【0015】
請求項6に係る発明は、請求項4又は5記載のスロットマシンにおいて、締結具などの好ましい形態を提供するものである。すなわち、上記締結具を、ねじ込み方向にのみ操作可能なワンウエイネジによって構成し、上記固定部を、このワンウエイネジが挿入可能な段付き孔を有する略円筒状のものにし、上記脆弱部を、1つの固定部に対し一対設ける構成にする。この構成では、締結具としてのワンウエイネジによって中継基板カバー又はカバー部材の固定部を簡単に分離不能に固定することができ、また、この固定状態を解除するために一対の脆弱部をそれぞれニッパなどで切断する必要があり、切断の痕跡が2個所で明確なものになり、不正行為の防止効果をより高めることができる。
【0016】
請求項7に係る発明は、請求項6記載のスロットマシンにおいて、上記固定部の、一対の脆弱部に挟まれた部位にスリットを設けるとともに、固定部の段付き孔の大径孔部の内面に、ワンウエイネジの頭部と滑り難くするための滑り止め部を形成する構成にする。この構成では、一対の脆弱部を切断して固定部の固定状態を解除した後中継基板カバー又はカバー部材を新しいものに交換する場合には、ラジオペンチなどで固定部の外周側からワンウエイネジを挟んで回す際に滑り止め部がワンウエイネジの頭部に食い込んでワンウエイネジをも容易に回すことができる。
【0017】
請求項8に係る発明は、請求項1ないし請求項7のいずれか一つに記載のスロットマシンにおいて、上記中継基板カバーに、扉中継基板に実装されたコネクタに接続するケーブルを通すための切り欠き部を設け、この切り欠き部の幅寸法を、上記ケーブル側のコネクタのヘッド長さよりも小さく設定する構成にする。この構成では、扉中継基板に実装されたコネクタに接続するケーブルを、中継基板カバーに設けた切り欠き部を通すことによって、ケーブルの配線を容易に行うことができる上、上記切り欠き部の幅寸法が、ゲーブル側のコネクタのヘッド長さよりも小さく設定されているため、中継基板カバーで扉中継基板を覆った状態では上記切り欠き部を通してケーブル側のコネクタを抜き取ることができず、不正行為の防止効果をより高めることができる。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明のスロットマシンによれば、前扉の裏面側に取り付けられた扉中継基板の取付面と反対側の表面全体が中継基板カバーによって覆われ、かつ中継基板カバーは固定部で固定され、その固定状態が一旦解除された場合その痕跡が痕跡表示手段によって表示されるため、扉中継基板側のコネクタに接続されたケーブルを外して筐体側の制御基板に不正な信号を入力するなどの不正行為を防止することができる。しかも、扉中継基板は、従来どおり前扉の裏面側に取り付けられた状態のままであって、この扉中継基板の取付面と反対側の表面全体を中継基板カバーで覆っているに過ぎないため、干渉を避けるために筐体側の変動表示装置を筐体内の奥寄りに移動させる必要はなく、実施化を有効に図ることができる。
【0019】
特に、請求項2に係る発明では、一回の遊技動作を完結するための複数の操作部のうち、一つの操作部の発信部がカバー部材によって覆われ、かつカバー部材は固定部で固定され、その固定状態が一旦解除された場合その痕跡が痕跡表示手段によって表示されるため、操作部の発信部から不正な信号を扉中継基板を通して制御基板に入力することをも防止することができ、不正行為の防止効果を高めることができる。
【0020】
請求項4に係る発明では、中継基板カバーの固定状態が解除された場合の痕跡が隠蔽され難いため、その分不正行為の防止効果を高めることができる。
【0021】
請求項5に係る発明では、カバー部材の固定状態が解除された場合の痕跡が隠蔽され難いため、その分不正行為の防止効果を高めることができる。
【0022】
請求項6に係る発明では、締結具としてのワンウエイネジによって中継基板カバー又はカバー部材の固定部を簡単に分離不能に固定することができる上、この固定状態を解除するために一対の脆弱部をそれぞれ切断する必要があり、切断の痕跡が2個所で明確なものになるので、不正行為の防止効果をより高めることができる。
【0023】
請求項7に係る発明では、一対の脆弱部を切断して固定部の固定状態を解除した後中継基板カバー又はカバー部材を新しいものに交換する場合には、ラジオペンチなどで固定部の外周側からワンウエイネジを挟んで回す際に滑り止め部がワンウエイネジの頭部に食い込んでワンウエイネジをも容易に回すことができるので、交換作業の円滑化に寄与することができるという効果を併有する。
【0024】
さらに、請求項8に係る発明では、中継基板カバーに設けた切り欠き部によって扉中継基板に実装されたコネクタに接続するケーブルの配線を容易に行うことができる上、上記切り欠き部の幅寸法がケーブル側のコネクタのヘッド長さよりも小さく設定されているため、中継基板カバーで扉中継基板を覆った状態では切り欠き部を通してケーブル側のコネクタを抜き取ることができず、不正行為の防止効果をより一層高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明を実施するための最良の形態である実施形態を図面に基づいて説明する。
【0026】
図1ないし図3は本発明の一実施形態に係るスロットマシンを示し、1はスロットマシンの遊技面である前面部を構成する前扉であって、この前扉1は、筐体2の前方開口部に正面側から向かって左側をヒンジ側として開閉可能に取り付けられている。
【0027】
上記前扉1の上部には上部ランプ3、液晶表示部4及び左右2つのスピーカ5a,5bが設けられているとともに、前扉1の中央部には中央パネル6及び中央操作盤7が設けられている。液晶表示部4は、遊技の進行に応じてキャラクターなどを画面上に表示して遊技演出を行うようになっている。中央パネル6は、アクリル板のような透明な合成樹脂板や強化ガラス板などの裏面にシルクスクリーン印刷により絵柄や模様などを施してなり、この中央パネル6には、シルクスクリーン印刷を施さず透明なままの部分である矩形状のリール表示窓8が形成されている。また、中央操作盤7にはメダル投入口11、スタートスイッチ12、3つの停止スイッチとしての停止ボタン13,13,13、マックスベットボタン14及び精算ボタン15などが設けられており、中央操作盤7よりも下側の前扉1の下部には下部パネル16、メダル払出口17及びメダル受け皿18が設けられている。
【0028】
上記筐体2内には、図2に示すように、前扉1のリール表示窓8に対向して変動表示装置としてのリール装置21が配置されている。このリール装置21は、各々独自に回転する横並び3つの変動表示部としての回転リール22a,22b,22cを有しており、これらの回転リール22a〜22cの外周面にはそれぞれ複数の図柄(図示せず)が施され、前扉1を閉じた状態で各回転リール22a〜22c毎3つずつ計9つの図柄が前扉1のリール表示窓8を通して外部に見えるようになっている。また、筐体2内のリール装置21上側には、スロットマシンの遊技動作を司る主制御基板45(図4参照)を収容する主基板ケース23が取付プレート24を介在して筐体2の背面部に固定して配置されているとともに、筐体2内のリール装置21右側には内部中継基板25が筐体2の側壁部に固定して配置されており、筐体2内のリール装置21下側にはホッパー装置26及び電源ユニット27などが配置されている。
【0029】
一方、上記前扉1の裏面側には、図3に示すように、液晶表示部4及びスピーカ5a,5bなどを制御する副制御基板30(図4参照)を収容する副基板ケース31が取り付けられているとともに、中央パネル6のリール表示窓8周辺で各種の報知を行う報知器(図示せず)を装着するための内枠パネル32が取り付けられており、この内枠パネル32の下部には更にその上から扉中継基板33が取り付けられている。また、前扉1の裏面側には、各停止ボタン13に接続されたスイッチ基板としての停止ボタン基板34が取り付けられているとともに、メダル投入口11から投入されたメダルを選別するためのセレクタ35、メダル払出通路36及びインバータ基板用収納ケース37などが取り付けられている。
【0030】
図4はスロットマシンの制御系のブロック構成を示す。この図において、遊技者の遊技操作に関連するスタートスイッチ12の信号、停止ボタン基板34の信号及びセレクタ35の信号などは、いずれも扉中継基板33を通して主制御基板45に転送される。この主制御基板45には、スロットマシンの遊技動作を司るCPU(中央演算処理装置)38、遊技動作に関する情報を記憶したROM(読み出し専用記憶装置)39、及び遊技動作に関連して一時的に情報を記憶するRAM40などが実装されている。
【0031】
上記主制御基板45からは副制御基板30に対し、遊技演出の指令信号が出力されるようになっており、副制御基板30は、この指令信号に基づいて、液晶表示部4及びスピーカ5a,5bなどを作動させて遊技演出を実行する。また、主制御基板45からは、遊技者の遊技操作に応じて、内部中継基板25を通して、リール装置21(詳しくはリール基板)に回転開始又は回転停止の信号を送ったり、ホッパー装置26に払出信号を送ったりする。リール装置21からはリールが停止したこと、あるいはその停止位置を示す信号などが内部中継基板25を通して主制御基板45に送信される。そして、主制御基板45は、スタートスイッチ12の操作が行われたことに応じて、上記CPU38で抽選を行うとともに、回転リール22a〜22cを一斉に回転させる。その後、各停止ボタン13の操作に応じて、対応する回転リール22a〜22cを、上記抽選の結果と、各停止ボタン13の操作のタイミングとに応じて、所定の駒数以内にて停止させるように制御する。また、所定の入賞図柄の組み合わせがリール表示窓8の有効入賞ライン上に停止したとき、所定枚数の遊技媒体としてのメダルを払出口17から払い出すようになっている。
【0032】
このようなスロットマシンにおいて、最も不正行為の対象になり易いのは、遊技動作に関連する情報を記憶したROM39を実装品とする主制御基板45である。また、本実施形態のスロットマシンは、背景技術の項で特許文献3を例示して説明したいわゆるストック機能を有するものであり、この種のスロットマシンに対する不正行為として、遊技者の操作を伴わずに短時間に数多くのゲームを消化する機能を有する不正な機器を接続することによって、ストックゲームを消化していわゆるフラグの放出状態とし、この放出状態から遊技を行うことで不正にメダルを獲得することがある。このような不正行為は、前扉1の裏面側に取り付けた扉中継基板33や停止ボタン基板34などに接続されたケーブルが前扉1を少し開いただけで抜き取ることが可能であり、かつ目立たずに不正な機器を接続することが可能であることから、扉中継基板33などに対して行われる。また、スロットマシンの場合、一回の遊技は、メダルの投入、スタートスイッチ12の操作及び停止ボタン13の操作で完結することから、遊技回数を擬似的に消化するためには、遊技者の操作に対応して、メダル投入(セレクタ35)の信号、スタートスイッチ12の操作信号及び停止ボタン13の操作信号の全てをそれぞれ不正に入力する必要がある。それ故、上述した不正行為を防止するためには、扉中継基板33の出力信号に対応して、扉中継基板33に対して不正行為の防止対策を講じるだけでなく、扉中継基板の3つの入力信号のうち、少なくとも1つの信号を出力する基板などに対しても、不正行為の防止対策を講じる必要がある。
【0033】
本実施形態においては、以上のことを考慮して、主制御基板45、扉中継基板33及び停止ボタン基板34に対し、それぞれ独自に不正行為の防止対策を施しており、以下に、これらの防止対策について順次説明する。
【0034】
図5及び図6は主制御基板45に対する不正行為の防止対策として用いられる主基板ケース23を示す。この主基板ケース23は、上ケース41と下ケース42とにより収容空間としての矩形箱型のケース本体43を構成し、このケース本体43内に、上述の如きCPU38やROM39などの外にコネクタ44a,44b,44c,44dを実装した主制御基板45を収容するものである。下ケース42の下面には、主基板ケース23を筐体2の背面部に取り付けるための取付プレート24が固定されている。
【0035】
上記上ケース41及び下ケース42は、共に透明又は半透明なアクリル樹脂などの合成樹脂からなり、下ケース42の互いに対向する2つの短辺のうち、一方の短辺には外方に延出する係合突起部46が形成され、この係合突起部46は、上ケース41の対応する短辺に設けたスリット(図示せず)内に挿通されて、係合突起部46をヒンジ点として上ケース41が下ケース42に対し開閉されるようになっている。また、上ケース41の開閉ヒンジ点と反対側の短辺には上ケース41と下ケース42とを結合するための6つの結合部47,47,…が短辺に沿って横並びに形成されている。そして、一回の結合時にはその中の少なくとも1つの結合部47で締結具48により上ケース41と下ケース42とが分離不能に結合される。
【0036】
上記締結具48は、上ケース41及び下ケース42と同じくアクリル樹脂などの合成樹脂からなるもので、図7に拡大詳示するように、先端に第1の係合爪51を有するピン部52と、このピン部52の基端側の外周を囲繞する円筒状の頭部53と、この頭部53とピン部52の基端とをピン部52の軸線を挟む2個所でそれぞれ連結する連結部54,54とを備えてなる。第1の係合爪51は、ピン部52の先端に形成した逆U字状の溝55を挟んだ両側の部位に形成されていて、下ケース42の後述する係止穴65に挿入される時弾性変形して挿入され易くなっている。頭部53の外周面には、その軸線方向の中央部でかつ軸線を挟む2個所にそれぞれ第2の係合爪57が形成されているとともに、軸線方向の先端側でかつ円周方向に位相が各第2の係合爪57と90度異なる2個所にそれぞれ第3の係合爪58が形成されている。各第2の係合爪57は、その周囲の三方つまり左右両側と先端側とに形成したコ字形の切り欠き溝59により弾性変形可能になっており、また各第3の係合爪58も、その左右両側に形成した切り欠き溝60,60により弾性変形可能になっている。各連結部54は、全長に亘って狭小で脆弱に形成されており、特に、頭部53寄りの部位に幅寸法が他の部位よりも小さい脆弱部54aを有している。
【0037】
一方、上記各結合部47は、図8及び図9に詳示するように、それぞれ締結具48の頭部53が嵌合可能な底部47aを有する円筒状に形成されており、その深さは締結具48の頭部53の軸線方向の長さ寸法と略同一に設定されている。この各結合部47の内周面には、開口寄りの軸線を挟む2個所にそれぞれ、図9に示す如く締結具48の頭部53が結合部13内に浅く嵌合する仮止め状態のとき上記各第3の係合爪58が係合する仮止め用の係止凹部61が形成されているとともに、深さ方向の中央部でかつ円周方向に位相が各仮止め用の係止凹部61と90度異なる2個所にそれぞれ、図10(a)に示す如く締結具48の頭部53が結合部47内に嵌合した結合状態のとき上記各第2の係合爪57が係合する結合用の係止凹部62が形成されている。また、各結合部47の底部47aには、上記結合状態のとき締結具48のピン部52が貫通する貫通孔63が設けられている。
【0038】
上記下ケース42には、上ケース41の各結合部47に対応して、それぞれ締結受け部64が設けられている。この締結受け部64は、取付プレート24上に支持された台座形のもので、締結受け部64の中心には、締結具48の頭部53が結合部47内に嵌合したときそのピン部52先端の第1の係合爪51が抜け止め状態に係合する係止穴65が設けられており、これにより、上ケース41の結合部47と下ケース42の締結受け部64との間で両ケース41,42が締結具48によって分離不能に結合される。この結合状態を解除して両ケース41,42を開放するときには、締結具48の2つの連結部54,54の各脆弱部54aを共にニッパなどで切断すると、図10(b)に示すように、締結具48の頭部53は上ケース41の結合部47内に嵌合した状態のまま残り、締結具48のピン部52のみが上ケース41の結合部47の貫通孔63から下ケース41の締結受け部64に抜け落ちて結合状態が解除されるようになっている。
【0039】
さらに、図5及び図6に示すように、上記上ケース41は、その長手方向の両端部分が中央部よりも一段低く形成されており、この上ケース41の長手方向両端部分には主制御基板45に実装された各コネクタ44a〜44dに対向して複数(図では4つ)の開口部66,67,68,69が設けられ、これらの開口部66〜69を通してそれぞれ主制御基板45側の各コネクタ44a〜44dに対しケーブル側のコネクタ(図示せず)が接続される。ここで、主制御基板45側のコネクタ44a〜44dのうち、コネクタ44aは、前扉1裏面側の扉中継基板33にケーブル81を介して接続されるものであり、コネクタ44bは、前扉1裏面側の副基板ケース31内に収納された副制御基板30にケーブル(図示せず)を介して接続されるものであり、コネクタ44cは、筐体2内の電源ユニット27にケーブル(図示せず)を介して接続されるものであり、コネクタ44dは、筐体2内の内部中継基板25にケーブル82を介して接続されるものである。
【0040】
そして、上記主制御基板45側のコネクタ44a及びコネクタ44dには、それぞれそのコネクタ44a,44dとそれに接続されるケーブル側のコネクタとを共に覆うコネクタカバー71,72が装着されている。この両コネクタカバー71,72は、共にアクリル樹脂などの合成樹脂からなり、コネクタカバー71の内側側面には、コネクタ44aに接続されたケーブル81を外部に導出させるための切り欠き部73が形成されている一方、コネクタカバー72の外側側面にも、同様にコネクタ44dに接続されたケーブル82を外部に導出させるための切り欠き部74が形成されている。
【0041】
上記コネクタカバー71は、図11に詳示するように、その開口面積が上ケース41の開口部66のそれよりも一回り大きく形成されており、このコネクタカバー71の長手方向両側には、コネクタカバー71を開口部66に装着したとき、それぞれ上ケース41の開口部66近傍に設けた挿入孔75と主制御基板45に設けた挿入孔76とに挿入して主制御基板45の挿入孔76に係合するように前方に延出しかつ内向き又は外向きに突出した一対の矢尻形の係合部77,77が形成されており、この各係合部77は、上ケース41と下ケース42との結合を解除してケース本体43の内側である主制御基板45の裏側からのみ係合状態を解除可能に設けられている。
【0042】
また、上記コネクタカバー72は、図に詳示していないが、コネクタカバー71の場合と同様に、その開口面積が上ケース41の開口部69のそれよりも一回り大きく形成されており、このコネクタカバー72の長手方向両側には、コネクタカバー72を開口部69に装着したとき、それぞれ上ケース41の開口部69近傍に設けた挿入孔と主制御基板45に設けた挿入孔とに挿入して主制御基板45の挿入孔に係合するように前方に延出しかつ内向き又は外向きに突出した一対の矢尻形の係合部が形成されており、この各係合部は、上ケース41と下ケース42との結合を解除して主制御基板45の裏側からのみ係合状態を解除可能に設けられている。
【0043】
図12ないし図16は扉中継基板33に対する不正行為の防止対策として用いられる中継基板カバー84の取付構造を示す。
【0044】
上記扉中継基板33は、通常、専用のケース内に収容することなく露出した状態で内枠パネル32の下部上に取り付けられるが、本実施形態では、この扉中継基板33に実装された複数のコネクタ83a,83b,83c,83d,83e,83f,83gを含めて扉中継基板33の取付面と反対側の表面全体が中継基板カバー84によって覆われている。ここで、扉中継基板33に実装されたコネクタ83a〜83gのうち、コネクタ83aは、上述した主制御基板45にケーブル81を介して接続されるものであり、コネクタ83bは、前扉1裏面側の停止ボタン基板34にケーブル85aを介して接続されるものであり、コネクタ83cは、同じく前扉1裏面側のセレクタ35にケーブル85bを介して接続されるものである。また、コネクタ83dは、精算ボタン15とケーブル85cを介して接続されるものであり、コネクタ83eは、スタートスイッチ12とケーブル85dを介して接続されるものであり、コネクタ83fは、マックスベットボタン14とケーブル85eを介して接続されるものであり、コネクタ83gは、1ベットボタン(図示せず)とケーブル85fを介して接続されるものである。
【0045】
上記中継基板カバー84は、取付状態で、内部の基板が視認可能な状態となることが好ましく、特に、透明あるいは半透明な合成樹脂などの素材により構成することが好ましい。このことで、内部状態の透明性を確保し、不正な改造を施された場合に容易に発見できる効果を奏する。中継基板カバー84は、扉中継基板33と対向する略横長矩形状の平面部84aと、この平面部84aの略全周縁に亘って形成されたフランジ部84bとからなる。この中継基板カバー84には、扉中継基板33側のコネクタ83aに対応する部位に、コネクタ83a全体を覆うように平面部84aの縁部を下方に延ばしてなる庇部87が形成されているとともに、扉中継基板33側の4つのコネクタ83a,83b,83c,83dに対応する部位に、それぞれフランジ部84を切り欠いてなる4つの切り欠き部95a,95b,95c,95dが設けられて、ケーブル81,85a〜85fの配線を確保するようになっている。図13に示すように、切り欠き部95aの幅寸法W1は、ケーブル81側のコネクタ86aのヘッド長さW2よりも小さく設定されている。また、他の切り欠き部95b〜95dの幅寸法も、そこに通すケーブル85a〜85c側のコネクタ86b〜86dのヘッド長さよりも小さく設定されている。
【0046】
上記扉中継基板33には、図示していないが、スロットマシンの設定値を変更するための設定値変更スイッチ、大当たりが出た場合遊技を中断状態とするための打ち止め状態設定スイッチ、及び打ち止め状態としたときにクレジットを自動的に払い出すように設定するための自動精算設定スイッチなどが設けられることがある。これらのスイッチが設けられている場合、上記中継基板カバー84に、スイッチを操作するための操作部を開口して設けることが好ましく、店員が設定状態を変更する度に中継基板カバー84を外す必要がなくなる。また、スイッチのための開口部を設ける場合、スイッチの固定部分を、基板から突出するように構成し、その部分の形状を上記開口部の開口形状と略同一にするとともに、開口部周縁の中継基板カバー84壁面をスイッチの固定部分よりも低くなるように設けることが好ましく、特に、開口部周縁の中継基板カバー84壁面を扉中継基板33と接触する程に近接するように設けることが好ましい。その場合、スイッチを押し下げしたときに生じる開口部の隙間から異物を侵入させて中継基板カバー84内部に行う不正行為をも防止できるとともに、操作が容易になるという効果を奏する。また、中継基板カバー84のスイッチに対応する開口部に開閉可能な扉構造を設けてもよい。
【0047】
また、上記中継基板カバー84は、内枠パネル32に対し、上縁側の左右2箇所でそれぞれ通常のネジ88により固定されているとともに、下縁側の左右2箇所にそれぞれフランジ部84bより下方に突出して形成した固定部89でワンウエイネジ90により固定されている。上記固定部89は、図17に拡大詳示するように、ワンウエイネジ90が挿入可能な段付き孔91を有する円筒状のものであり、この固定部89と基板カバー84のフランジ部84bとの間には両者を連結しかつ固定部89を中継基板カバー84から切断し易くするための一対の狭小な連結部である脆弱部92,92が形成されている。また、固定部89には、この一対の脆弱部92,92に挟まれた部位にスリット93が設けられているとともに、段付き孔91の大径孔部の内面には、ワンウエイネジ90の頭部90aと滑り難くするための一対の鋸刃状の滑り止め部94,94が形成されている。
【0048】
上記ワンウエイネジ90は、図18に詳示するように、頭部90aのスクリュードライバーと係合する係合溝90bの形状に特徴があるもので、スクリュードライバーではねじ込み方向にのみ操作可能に設けられている。つまり、係合溝90bの壁面のうち、スクリュードライバーによるねじ込み時にそのスクリュードライバーと当接する壁面90c,90cは溝底面90dと略直角に交差しているが、ねじ込みを緩める時にスクリュードライバーと当接する壁面90e,90eは溝底面90dと斜めに傾斜している。従って、このワンウエイネジ90により固定部89ひいては基板カバー84を一旦固定すると一対の脆弱部92,92を共に切断しない限り中継基板カバー84は分離不能になる。
【0049】
図19ないし図21は停止ボタン基板34に対する不正行為の防止対策として用いられるカバー部材としてのボタン基板カバー100の取付構造を示す。
【0050】
上記停止ボタン基板34は、中央操作盤7の裏面側で3つの停止ボタン13,13,13に接続した状態で配置されており、この停止ボタン基板34の前面側にはコネクタ101が実装されている。上記ボタン基板カバー100は、停止ボタン基板34を覆うためのもので、停止ボタン基板3の後面と対向する略横長矩形状の平面部100aと、この平面部100aの全周縁に亘って形成されたフランジ部100bとからなり、フランジ部100bは、停止ボタン基板34よりも前方つまり中央操作盤7の裏面近傍にまで延びている。このボタン基板カバー100の左右両側縁にはそれぞれ、通常のネジ102により中央操作盤7に固定するための第1の固定部103と、ワンウエイネジ104により中央操作盤7に固定するための第2の固定部105とが形成されている。
【0051】
上記第2の固定部105は、図22に拡大詳示するように、ワンウエイネジ104が挿入可能な段付き孔106を有する円筒状のものであり、この第2の固定部105とボタン基板カバー100のフランジ部100bとの間には両者を連結しかつ第2の固定部105をボタン基板カバー100から切断し易くするための一対の狭小な連結部である脆弱部107a,107bが形成されている。また、第2の固定部105には、この一対の脆弱部107a,107bに挟まれた部位にスリット108が設けられているとともに、段付き孔106の大径孔部の内面には、ワンウエイネジ104の頭部104aと滑り難くするための一対の鋸刃状の滑り止め部109,109が形成されている。
【0052】
上記ワンウエイネジ104は、図に詳示していないが、上述したワンウエイネジ90(図18参照)と同じく、頭部104aのスクリュードライバーと係合する係合溝104bの形状に特徴があるもので、スクリュードライバーではねじ込み方向にのみ操作可能に設けられている。このワンウエイネジ104により第2の固定部105ひいてはボタン基板カバー100を一旦固定すると一対の脆弱部107a,107bを共に切断しない限りボタン基板カバー100は分離不能になる。
【0053】
次に、上記実施形態の作用効果、特に、前扉2の裏面側に取り付けられた扉中継基板33及び停止ボタン基板34に対する不正行為の防止対策上の作用効果を説明するに、上記扉中継基板33は、その実装品であるコネクタ83a〜83gを含めて扉中継基板33の取付面と反対側の表面全体が中継基板カバー84によって覆われており、また、この中継基板カバー84は、その下縁側の2個所にそれぞれ形成した固定部89でワンウエイネジ90により分離不能に固定されているため、不正に中継基板カバー84を取り外した上で扉中継基板33側のコネクタ83aからケーブル81を外して筐体3側の主制御基板45に不正な信号を入力するなどの不正行為を防止することができる。
【0054】
しかも、上記扉中継基板33は、従来どおり前扉1の裏面側で内枠パネル32に取り付けられた状態のままであって、この扉中継基板33の取付面と反対側の表面全体を中継基板カバー84で覆っているに過ぎないため、扉中継基板33及び中継基板カバー84との干渉を避けるために筐体2側のリール装置21を筐体2内の奥寄りに移動させる必要はなく、実施化を有効に図ることができる。
【0055】
さらに、上記中継基板カバー84は、扉中継基板33側の4つのコネクタ83a〜83dに対応する部位に、それぞれケーブル81,85a〜85fを配線するための切り欠き部95a,95b,95c,95dを有しているが、この切り欠き部95a〜95dの幅寸法は、いずれもそこに通すケーブル81,85a〜85c側のコネクタ86b〜86dのヘッド長さよりも小さく設定されているため、中継基板カバー84で覆われた扉中継基板33側のコネクタ83a〜83dからケーブル81,85a〜85cを外して切り欠き部95a〜95dより引き出すことができず、不正行為の防止効果を高めることができる。尚、ケーブル85d,85e,84fは、いずれもそのコネクタのヘッド長さよりも幅寸法が大きい切り欠き部95aを通しているが、これらのケーブル85d〜85fがそれぞれ接続される扉中継基板33側のコネクタ83e〜83gは、いずれもコネクタ83aの切り欠き部95aと反対側に設けられているため、中継基板カバー84で覆われた扉中継基板33側のコネクタ83e〜83gからケーブル85d〜85fを外すことはできない。
【0056】
一方、上記扉中継基板33のメンテナンス時などには、中継基板カバー84の各固定部89においてその固定部89と中継基板カバー84のフランジ部84bとを連結する一対の脆弱部92,92をニッパなどで切断して固定部89を中継基板カバー84から切り離すことにより、中継基板カバー84を取り外すことができるので、メンテナンス作業などに支障を来すことはなく、実施化を容易に図ることができる。また、中継基板カバー84を取り外した後新しい中継基板カバー84を取り付けるに当たっては、前扉1裏面側の内枠パネル32上に残った固定部89をワンウエイネジ90と共に取り外す必要があるが、固定部89にスリット93が設けられているとともに、固定部89の段付き孔91の大径孔部内面に一対の鋸刃状の滑り止め部94,94が形成されているため、ラジオペンチなどで固定部89の外周側からワンウエイネジ90を挟んで回す際に上記各滑り止め部94がワンウエイネジ90の頭部90aに食い込んでワンウエイネジ90をも容易に回すことができ、この点からも実施化を図る上で有利なものである。
【0057】
また、上記停止ボタン基板34は、ボタン基板カバー100によって覆われ、かつボタン基板カバー100は、その左右両側縁の第1の固定部103で通常のネジ102により固定されているだけでなく、左右両側縁の第2の固定部105でワンウエイネジ104により分離不能に固定されているため、不正にボタン基板カバー104を取り外して停止ボタン基板34側から不正な信号を扉中継基板33を通して主制御基板45に入力することを防止することができ、不正行為の防止効果を一層高めることができる。
【0058】
その上、上記第2の固定部105は、中継基板カバー84の固定部89と同様な構成になっているため、メンテナンス作業に支障を来すことがなく、実施化を容易に図ることができるなどの効果をも奏する。
【0059】
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の形態を包含するものである。例えば上記実施形態では、中継基板カバー84を前扉1の内枠パネル32に固定するに当たり、中継基板カバー84の上縁側の左右2箇所をそれぞれ通常のネジ88により固定するとともに、下縁側の左右2箇所に形成した固定部89,89をそれぞれワンウエイネジ90により固定するようにしたが、本発明は、図23に示すように、中継基板カバー84の下縁及び左右両側縁にそれぞれ複数の固定部110,100,…を形成し、一回の固定時には中継基板カバー84の上縁側の左右2個所をそれぞれ通常のネジ88により固定するとともに、上記複数の固定部110,110,…の中の少なくとも1つをワンウエイネジにより固定するようにしてもよい。この場合、中継基板カバー84の固定状態を解除する毎に新しい中継基板カバー84に交換する必要がなくなるので、コスト面や利便性の面で有利である。
【0060】
また、上記実施形態では、中継基板カバー84を前扉1の内枠パネル32に固定するに当たり、中継基板カバー84の固定部89をワンウエイネジ90により分離不能に固定するとともに、この固定部89と基板カバー84とを連結しかつ切断し易くするための狭小な連結部である脆弱部92を設ける構成にしたが、本発明は、基板カバー84の固定構造としては、この実施形態のものに限らず、基板カバー84を取り外した場合にその痕跡が残るものであればよく、例えば封印シールと固定ネジとで構成するだけでもよい。
【0061】
さらに、上記実施形態では、スロットマシンの遊技動作を司る主制御基板45とは別に、この主制御基板45の指令信号に基づいて前扉1側の液晶表示部4及びスピーカ5a,5bなどを制御する副制御基板30を備えるスロットマシンに適用した場合について述べたが、本発明は、この場合に限らず、1つの制御基板のみを備えるタイプ、あるいは主制御基板とは別に、複数の副制御基板を備えるタイプのスロットマシンにも同様に適用することができるのは勿論である。
【0062】
さらに、上記実施形態では、横並びに3つの回転リール22a〜22cを有するリール装置21を筐体2内に配置してなる普及型のスロットマシンに適用した場合について述べたが、本発明は、この普及型のスロットマシンに限らず、例えば3つ以外の複数の回転リールを有するリール装置を筐体内に配置してなり、あるいは回転リールの代わりに、回転ベルトを用い、この回転ベルトの外面に図柄を施してなる複数の図柄変動部を有する変動表示装置を筐体内に配置してなる特殊なスロットマシンにも提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施形態に係るスロットマシンの外観を示す正面図である。
【図2】上記スロットマシンから前扉を取り外して見た筐体内の配置レイアウトを示す正面図である。
【図3】上記前扉の裏面側を示す背面図である。
【図4】スロットマシンの制御系のブロック構成図である。
【図5】主基板ケースの斜視図である。
【図6】同平面図である。
【図7】締結具を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は斜視図である。
【図8】主基板ケースの各結合部に締結具を保持させた状態を示す拡大斜視図である。
【図9】図8のX−X線における断面図である。
【図10】(a)は図8のY−Y線における上下ケースの結合状態を示す断面図、(b)は上下ケースの分離状態を示す断面図である。
【図11】図6のZ−Z線における拡大断面図である。
【図12】内枠パネルに対する扉中継基板及び中継基板カバーの取付状態を示す図である。
【図13】図12の中央部分の一部切開した拡大図である。
【図14】図12のC方向から矢視図である。
【図15】図12のD―D線における拡大断面図である。
【図16】図12のE−E線における拡大断面図である。
【図17】図12のF矢付近の拡大図である。
【図18】ワンウエイネジを示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図19】中央操作盤に対する停止ボタン基板及びボタン基板カバーの取付状態を示す図である。
【図20】図19のG−G線に沿って見た矢視図である。
【図21】図19のH−H線における拡大断面図である。
【図22】図19のI矢付近の拡大図である。
【図23】別の実施形態を示す図12相当図である。
【符号の説明】
【0064】
1 前扉
2 筐体
7 中央操作盤
8 リール表示窓
11 メダル投入口(操作部)
12 スタートスイッチ(操作部)
13 停止ボタン(停止スイッチ、操作部)
14 マックスベットボタン(操作部)
21 リール装置(変動表示装置)
21a,21b,21c 回転リール(変動表示部)
32 内枠パネル
33 扉中継基板
34 停止ボタン基板
35 セレクタ
45 主制御基板
81,85a〜85f ケーブル
84 中継基板カバー
86a〜86d ケーブル側のコネクタ
89,110 固定部
90,104 ワンウエイネジ(締結具)
92,107a,107b 脆弱部(痕跡表示手段)
93,108 スリット
94,109 滑り止め部
95a〜95d 切り欠き部
100 ボタン基板カバー(カバー部材)
105 第2の固定部
【出願人】 【識別番号】000169477
【氏名又は名称】アビリット株式会社
【出願日】 平成18年9月13日(2006.9.13)
【代理人】 【識別番号】100100262
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 勉


【公開番号】 特開2008−67873(P2008−67873A)
【公開日】 平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願番号】 特願2006−248709(P2006−248709)