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【発明の名称】 電飾装置、電飾装置の製造方法、遊技盤、及びパチンコ遊技機
【発明者】 【氏名】榎本 宏

【氏名】鈴木 康剛

【氏名】木村 泰大

【要約】 【課題】樹脂製の導光部材を射出成形する際にその内部に形成されることにより電飾効果が低下する原因となる気泡を防止する。

【構成】基材2に形成された透光穴15内に嵌合される導光部材21を、入射面に凹陥部23aを備えた透光材料から成る外周部材23と、該凹陥部内に密着嵌合する透光材料から成る内挿部材24と、から構成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向両端面に夫々入射面と出射面を備えた透光材料から成る導光部材と、該導光部材を内部に収容する透光穴を貫通形成した基材、及び該基材前面に添設されたシート材を備えた遊技盤と、前記透光穴内に収容された前記導光部材の入射面に光を入射させる光源と、前記透光穴の出射側開口と対面する前記シート材部分に形成された透光性を有した電飾図柄と、を備えたパチンコ遊技機において、
前記導光部材は、前記透光穴内に嵌合すると共にその入射面に凹陥部を備えた透光材料から成る外周部材と、該凹陥部内に嵌合する透光材料から成る内挿部材と、から構成されていることを特徴とする電飾装置。
【請求項2】
前記導光部材は、複数の前記外周部材を連設一体化する透光材料から成る連設板を備えていることを特徴とする請求項1に記載の電飾装置。
【請求項3】
複数の前記内挿部材を透光材料から成る連設板により一体化したことを特徴とする請求項1又は2に記載の電飾装置。
【請求項4】
前記内挿部材の外径寸法は、前記外周部材と同形状且つ密実の樹脂成形品を射出成形金型により一体成形する場合にその内部に発生する気泡の外径よりも小さくなるように設定されていることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の電飾装置。
【請求項5】
前記外周部材はその出射面に所要形状の透光領域を有し、該透光領域及び前記入射面を除いた他の外面には非透光領域を有し、
前記非透光領域は、前記導光部材外面に接する反射層と、該反射層全体を被覆する遮光層と、を備えていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の電飾装置。
【請求項6】
前記反射層及び前記遮光層は、前記外周部材の外面に順次塗布される塗膜であることを特徴とする請求項5に記載の電飾装置。
【請求項7】
前記外周部材の出射面、又はその入射面、前記内挿部材の出射面、又はその入射面のうちの少なくとも一つの面には、光拡散層が形成されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の電飾装置。
【請求項8】
前記光拡散層は、サンドブラス、ダイヤカット、或いはディンプルカットのうちの少なくとも一つの加工法によって形成されていることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の電飾装置。
【請求項9】
前記外周部材と前記内挿部材の界面に反射防止膜を介在させたことを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の電飾装置。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか一項に記載の電飾装置の製造方法であって、
成形面に前記外周部材の外面形状を転写するための凹部を備えた第1の金型に対して、該凹部内に嵌合して前記外周部材の凹陥部形状を転写するための凸部を備えた第2の金型を型閉めする型閉め工程と、
型閉めされた前記成形金型の前記凹部と前記凸部とにより形成されるキャビティ内に溶融樹脂を注入して前記外周部材を射出成形してから型開きする外周部材成形工程と、
前記第2の金型に代えて成形面が平坦な第3の金型により前記第1の金型を型閉めすることにより形成されるキャビティ内に溶融樹脂を注入して前記凹部内の外周部材の凹陥部内に該溶融樹脂を充填して一体化してから型開きする内挿部材一体化工程と、
から構成されることを特徴とする電飾装置の製造方法。
【請求項11】
請求項1乃至9の何れか一項に記載の電飾装置の製造方法であって、
成形面に前記外周部材の外面形状を転写するための凹部を備えた第1の金型に対して、該凹部内に嵌合して前記外周部材の凹陥部形状を転写するための凸部を備えた第2の金型を型閉めすることにより形成されたキャビティ内に溶融樹脂を注入して前記外周部材を射出成形する外周部材成形工程と、
成型面に前記内挿部材の外面形状を転写するための凹部を備えた第3の金型に対して、第4の金型を型閉めすることにより形成されるキャビティ内に溶融樹脂を注入して前記内挿部材を射出成形する内挿部材成形工程と、
前記外周部材の凹陥部内に、前記内挿部材を嵌合させる工程と、
から構成されることを特徴とする電飾装置の製造方法。
【請求項12】
請求項1乃至9の何れか一項に記載の電飾装置を備えたことを特徴とする遊技盤。
【請求項13】
請求項12に記載の遊技盤を備えたことを特徴とするパチンコ遊技機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技盤面に形成した透光穴内に配置した導光部材を介して光源からの光を前方に照射して電飾効果を発揮させる電飾装置において、射出成形時に導光部材中に気泡が形成されないようにしたパチンコ遊技機における電飾装置、及びパチンコ遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機、アレンジボール等の遊技機においては、従来から、単なる照明効果のみならず、遊技盤上における遊技状態の変化等の状況変化を視覚的に表現、報知したり、遊技進行上での電飾効果を図る等の目的から、盤面上、その他任意の部位にLEDランプやフィラメント式ランプ等の発光装置を配置している。
この種のパチンコ遊技機として、例えば遊技盤の遊技領域に形成した開口部内に、複数の発光素子を前面に搭載したプリント基板を配置するとともに、開口部の前面を閉止するように盤面に透光性のカバー部材を取り付けたり、透光性を有するセルシートを貼付した電飾部を備えたものがある。これによれば、電飾部が遊技盤面より突出せず同一平面となっているため、電飾部によって遊技領域を流下する遊技球の正常な動作が妨げられる虞がなく、また電飾部が遊技盤面に対して突出している従来タイプと比較して遊技球が流下、或いは転動するスペースを広く確保することができるため、限られた遊技領域を有効に活用することができる。
【0003】
特許文献1乃至4には、夫々半透明セルシートによって盤面(ベニヤ板面)に貫通形成した透光穴を閉止すると共に、この透光穴の内部に配置したLED等の光源からの光によってセルシートに形成した所要の電飾図柄を発光させるようにした遊技機が開示されている。電飾図柄は、セルシートの一部を光が透過し得る発光表示部とすることにより、光源からの発光により電飾図柄の線図、輪郭線を視認できるように構成したものである。
このような電飾装置においては、例えば、電飾図柄を構成する線図や輪郭線が光によって浮き出てその形状を明確に視認できるようにする工夫が種々なされているが、実際には、光源からの光がベニヤ板に形成した透光穴の内壁で吸収されて減衰しやすいためにセルシート内を透過して前方へ出射する際に光量が低下したり、或いは内壁での乱反射により出射方向が過剰に拡散して電飾図柄を集中して照光できない状態となる。このため、光源点当時に発光するセルシートに描いた電飾図柄は、輪郭線がはっきりしないぼけた状態となりやすかった。
【0004】
次に、図7は他の電飾装置の構成を示す断面図であり、この電飾装置は透孔穴102を備えたベニヤ板101の表面にセルシート103を接合した構成を有する遊技盤100と、この透光穴102内に嵌合する透明プラスチック製の筒状の導光部材105と、遊技盤100の背面側に配置されたプリント基板110上の導光部材105の入射面と対向する位置に配置されたLED111と、を備えている。
導光部材105の出射面が対面するセルシート103の電飾図柄部分103aは、他のセルシート部分よりも部分的に透光性が高くなるように構成されており、図柄を構成する線図、輪郭線等がLED111からの光によってある程度明瞭に視認できるように配慮されている。この電飾装置によれば、LEDの消灯時には光源や透孔(電飾図柄)の存在を明確に視認できないセルシート部分(電側図柄)が、LEDの点灯によって発光して突如クローズアップされるという意外性を含んだ演出上の効果を発揮することができる。
【0005】
この電飾装置にあっては透明プラスチック等の透光材料から成る導光部材105内にLEDからの光が導かれて出射端面側からセルシートの電飾図柄103aに向けて出射されるため、盤面に設けた透光穴内に光源を直接収容したタイプの上記各従来例に比して集光性を高めることができ、過剰拡散光、及び漏れ光による電飾図柄の輪郭線のぼけをある程度は防止する効果が得られる。
しかし、従来の電飾装置にあっては、透光材料から成る導光部材105を直接ベニヤ板の透光穴102内に嵌合させた構成を有しているに過ぎないため、LEDからの光が導光部材105内を通過する過程で導光部材周面から外部に漏出し、透光穴102の内壁により吸収されて減衰したり、導光部材の出射端面からの出射光の集光度が低下して過剰に拡散する傾向があった。このため、電飾図柄の輪郭線がぼけを起こす可能性が依然として残されていた。
【0006】
次に、図7中に符号115で示したのは導光部材105の内部に形成される気泡であり、この気泡115はポリカーボネイト等のプラスチック材料から成る導光部材を射出成形する際に成形金型のキャビティ内における樹脂圧力のバラツキ等に起因して形成されることが多々ある。しかし、内部に気泡115を有した導光部材の入射端面からLED111の光を入射すると、図示のように電飾図柄103a中に気泡に起因して形成された黒い陰影が投影されるため、看者に違和感を持たせて電飾効果を減殺させる要因となり、この点の改善が従来から求められていた。
【特許文献1】実開平2−39783号公報
【特許文献2】特開2004−209039公報
【特許文献3】特開2005−152179公報
【特許文献4】特開2005−102711公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、遊技盤面上における遊技状態の変化等の状況変化を視覚的に表現、報知したり、遊技進行上での電飾効果を図るために、遊技盤を構成するベニヤ板に形成した透光穴を介して光源からの光を前方に照射すると共に、この透光穴を塞ぐセルシートに電飾図柄を表示することによって透光穴の内側からの光源光によって電飾図柄を発光させるようにしたパチンコ遊技機において、透光穴の内壁による光の減衰や乱反射によって出射光が光量不足や光量バラツキや過剰拡散に陥ることによって電飾図柄の輪郭形状が不明瞭化する不具合を解決することができる電飾装置、電飾装置の製造方法、遊技盤、及びパチンコ遊技機を提供することを目的としている。
【0008】
また、本発明は、遊技盤面に形成した透光穴内に樹脂製の導光部材を嵌合配置し、この導光部材の入射面側から光源光を照射して導光部材の出射面側に近接配置したセルシートに形成した電飾図柄を発光させるように構成した場合に、樹脂製の導光部材を射出成形する際にその内部に形成されることにより電飾効果が低下する原因となる気泡を防止することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1の発明に係る電飾装置は、軸方向両端面に夫々入射面と出射面を備えた透光材料から成る導光部材と、該導光部材を内部に収容する透光穴を貫通形成した基材、及び該基材前面に添設されたシート材を備えた遊技盤と、前記透光穴内に収容された前記導光部材の入射面に光を入射させる光源と、前記透光穴の出射側開口と対面する前記シート材部分に形成された透光性を有した電飾図柄と、を備えたパチンコ遊技機において、前記導光部材は、前記透光穴内に嵌合すると共にその入射面に凹陥部を備えた透光材料から成る外周部材と、該凹陥部内に密着嵌合する透光材料から成る内挿部材と、から構成されていることを特徴とする。
導光部材を単一の透光材料から成る成形品を使用するのでなく、入射面に凹陥部を有した外周部材と、当該凹陥部内に嵌合される内挿部材とから構成したので、樹脂成形品の内部に形成され易い気泡の発生を防止できる。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1において、前記導光部材は、複数の前記外周部材を連設一体化する透光材料から成る連設板を備えていることを特徴とする。
複数の外周部材を連設板により一体化したユニットとすることにより、生産性、及び組付け性が高まる。
請求項3の発明は、請求項1又は2において、複数の前記内挿部材を透光材料から成る連設板により一体化したことを特徴とする。
複数の内挿部材を連設板により一体化したユニットとすることにより、生産性、及び組付け性が高まる。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1、2又は3において、前記内挿部材の外径寸法は、前記外周部材と同形状且つ密実の樹脂成形品を射出成形金型により一体成形する場合にその内部に発生する気泡の外径よりも小さくなるように設定されていることを特徴とする。
導光部材(外周部材)を密実な単一の樹脂成形品として構成する場合には内部に気泡が形成され易いが、本発明では、導光部材を凹陥部を有した外周部材と、この凹陥部内に嵌合される内挿部材から構成し、しかも内挿部材の外径寸法を上記気泡(外周部材を密実な構成とした場合に形成されるであろう気泡)よりも小さくなるように構成することにより、内挿部材内部に気泡が発生し難くなる。外装部材については肉厚が薄い中空筒状体となるので、気泡は発生しない。
【0012】
請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れか一項において、前記外周部材はその出射面に所要形状の透光領域を有し、該透光領域及び前記入射面を除いた他の外面には非透光領域を有し、前記非透光領域は、前記導光部材外面に接する反射層と、該反射層全体を被覆する遮光層と、を備えていることを特徴とする。
外周部材の外面適所に反射層と遮光層から成る非透光領域を設けるので、光源から入射した光を出射面側に集中して出射光量を高めることができ、出射面側に配置されたセルシートに形成した電飾図柄を明瞭に発光させることができる。
請求項6の発明は、請求項5において、前記反射層及び前記遮光層は、前記外周部材の外面に順次塗布される塗膜であることを特徴とする。
反射層、遮光層はどのように構成してもよいが、その一例として塗膜であってもよい。
【0013】
請求項7の発明は、請求項1乃至6の何れか一項において、前記外周部材の出射面、又はその入射面、前記内挿部材の出射面、又はその入射面のうちの少なくとも一つの面には、光拡散層が形成されていることを特徴とする。
拡散層を設けることにより点光源からの入射光であっても導光部材内部に拡散させることができ、出射光の均一性を確保すると共に、出射光を適度に拡散させることが可能となる。従って、電飾図柄のぼけ状態を解消できる。
請求項8の発明は、請求項1乃至7の何れか一項において、前記光拡散層は、サンドブラス、ダイヤカット、或いはディンプルカットのうちの少なくとも一つの加工法によって形成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項9の発明は、請求項1乃至8の何れか一項において、前記外周部材と前記内挿部材の界面に反射防止膜を介在させたことを特徴とする。
両部材の界面における反射を防止して出射光量を高めることが可能となる。反射防止膜は、コーティングにより形成したり、フィルムを貼付することにより配置できる。
請求項10の発明に係る電飾装置の製造方法は、請求項1乃至9の何れか一項に記載の電飾装置の製造方法であって、成形面に前記外周部材の外面形状を転写するための凹部を備えた第1の金型に対して、該凹部内に嵌合して前記外周部材の凹陥部形状を転写するための凸部を備えた第2の金型を型閉めする型閉め工程と、型閉めされた前記成形金型の前記凹部と前記凸部とから成るキャビティ内に溶融樹脂を注入して前記外周部材を射出成形してから型開きする外周部材成形工程と、前記第2の金型に代えて成形面が平坦な第3の金型により前記第1の金型を型閉めすることにより形成されるキャビティ内に溶融樹脂を注入して前記凹部内の外周部材の凹陥部内に該溶融樹脂を充填して一体化してから型開きする内挿部材一体化工程と、から構成されることを特徴とする。
外周部材と内挿部材を別個に製造してから組み付けるのではなく、外周部材の射出成形直後に、その凹陥部内に溶融樹脂を充填することにより内挿部材と渾然一体化させるので、界面での反射光や屈折光が発生することがなく、しかも気泡も発生しなくなる。
【0015】
請求項11の発明に係る電飾装置の製造方法は、請求項1乃至9の何れか一項に記載の電飾装置の製造方法であって、成形面に前記外周部材の外面形状を転写するための凹部を備えた第1の金型に対して、該凹部内に嵌合して前記外周部材の凹陥部形状を転写するための凸部を備えた第2の金型を型閉めしてからキャビティ内に溶融樹脂を注入して前記外周部材を射出成形する外周部材成形工程と、成型面に前記内挿部材の外面形状を転写するための凹部を備えた第3の金型に対して、第4の金型を型閉めしてからキャビティ内に溶融樹脂を注入して前記内挿部材を射出成形する内挿部材成形工程と、前記外周部材の凹陥部内に、前記内挿部材を嵌合させる工程と、から構成されることを特徴とする。
外周部材と内挿部材を別個に製造してから組み付けることになるが、外周部材と内挿部材をいずれも連設板によりユニット化することにより、製造手数、組付け手数を大幅に削減できる。
【0016】
請求項12の発明に係る遊技盤は、請求項1乃至9の何れか一項に記載の電飾装置を備えたことを特徴とする。
請求項13の発明に係るパチンコ遊技機は、請求項12に記載の遊技盤を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
以上のように本発明によれば、基材に形成された透光穴内に嵌合される導光部材を、入射面に凹陥部を備えた透光材料から成る外周部材と、該凹陥部内に密着嵌合する透光材料から成る内挿部材と、から構成したので、樹脂製の導光部材を射出成形する際にその内部に形成されることにより電飾効果が低下する原因となる気泡を防止することができる。
また、外周部材の外面適所に、反射層と遮光層とから成る非透光領域を形成したので、透光穴の内壁による光の減衰や乱反射によって出射光が光量不足や光量バラツキや過剰拡散に陥ることによって、電飾図柄の輪郭形状が不明瞭化する不具合を解決することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付図面に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る電飾装置及び他の盤面部品を備えた遊技盤の正面図であり、図2(a)及び(b)は本発明の一実施形態に係る電飾装置を備えた遊技盤の正面図、及び側面図であり、図3はこの遊技盤の背面側分解斜視図であり、図4(a)乃至(d)は本発明の電飾装置の要部拡大断面図、分解斜視図、正面図、及び要部背面図である。
本発明の電飾装置を備えた遊技盤1は、パチンコ遊技機に装備される。パチンコ遊技機は周知のように図示しない機枠と、機枠に対して蝶番によって一側端縁を前後方向へ開閉自在に軸支された前面枠と、前面枠によって前後方向へ開閉自在に軸支されたガラス扉と、前面枠の内側に着脱自在に取り付けられた遊技盤1と、遊技盤1の背面側に蝶番を介して開閉自在に取り付けられた合成樹脂製の機構板と、を備えている。
【0019】
遊技盤1は、合板からなる基材2上に直接又は間接的にセルシート(シート材)3を貼着した構成を備えている。遊技盤1の前面には流下する遊技球の動作に変化を与えたり、流下方向をガイドするための図示しない遊技釘が植設されている。
遊技盤1の前面を覆うガラス扉の下方には、発射レールや打球杆を覆うように前板が開閉可能に取り付けられ、前板の前面には打球供給皿が設けられる。前面枠の下部には、遊技球発射装置の一部を構成する遊技球発射ハンドルが配置されると共に、打球供給皿上に貯留し切れなくなった遊技球やファール球を貯留する下皿が配置されている。
遊技盤1の前面を構成する遊技領域10には、例えば中央部11に複数の図柄を順次上下に移動(回動)させながら表示する図柄変動表示装置が配置され、その周囲には入賞口12、風車13などの盤面部品、遊技釘が配置される。
遊技盤1の左側縁には、遊技機の下部に配置された遊技球発射装置から発射された遊技球を遊技領域10内に導くための遊技球誘導経路14が上下方向へ延びて形成されている。
【0020】
図2(a)に示すように遊技盤1を構成する基材2の適所、例えば遊技領域10内に円形に示した各所には透光穴15が貫通形成されている。
本発明では、遊技盤1を構成する基材2に貫通形成した各透光穴15に相当する部位に電飾装置20を配置している。
この電飾装置20は、基材2に貫通形成された透光穴15内に配置され、軸方向両端面に夫々入射面21aと出射面21bを備えた透光材料(透明材料、半透明材料等を含む)から成る導光部材21と、透光穴15内に収容された導光部材21の入射面21aに光を入射させるLED、フィラメントランプ等の光源30と、透光穴15の出射側開口と対面するシート材部分に形成された透光性を有した電飾図柄3aと、を備えている。光源30はプリント基板31によって支持されている。
【0021】
図4(a)乃至(d)に示すように、導光部材21は、導光部材本体22と、導光部材本体22の外面適所に設けた透光領域25及び非透光領域26と、から構成されている。
導光部材本体22は、透光穴15内に嵌合すると共に入射面側に凹陥部23aを備えた透光材料から成る外周部材23と、凹陥部23a内に密着嵌合する透光材料から成る内挿部材24と、から構成されている。
外周部材23の凹陥部23aの内壁面と、内挿部材24の外面との界面には、必要に応じて反射防止膜を介在させることにより、界面での光量の減衰を防止するようにしてもよい。反射防止膜は、コーティングにより形成したり、反射防止フィルムを添設することにより配置する。
【0022】
なお、導光部材21の出射面とセルシート3との間にギャップがある場合には電飾図柄3aを形成したシート面が凹状に陥没したり前後動する虞があるので、導光部材出射面とセルシート裏面とを密着させても良いし、必要に応じて両者間に微小な隙間を設けることは差し支えない。
本発明では、導光部材本体22を、別部材としての外周部材23と内挿部材24とから構成した。外周部材23と内挿部材24は、後述するように、同一の金型のキャビティ内に順次重ねて成形されるか、或いは異なった金型内で全く別個に射出成形により製造されることとなる。従って、円筒状の密実な(非中空状の)導光部材を一回の射出成形によって製造した場合に内部に形成され易い気泡が発生しにくくなる。即ち、例えば密実な導光部材本体22を射出成形する際にその外径を7.4mmとした場合には内部に気泡が形成され易くなるが、内挿部材24の外径を3.4mm(外周部材の肉厚は2mm)とした場合には、何れの部材内部にも気泡が形成されることはなかった。
【0023】
このように外周部材23と同一外形状の成形品を密実な構成となるように(凹陥部を有しないように)射出成形した場合にその内部に気泡が発生すると仮定したときに、内挿部材24の外径寸法が上記気泡よりも小さくなるように設定することにより、気泡の発生を確実に防止することができる。外周部材23の肉厚は気泡が発生し得ない程度に薄肉化されているので、気泡発生の問題は起きない。
【0024】
なお、本実施形態では、複数の外周部材23を同材料から成る連設板23cにより一体化してユニットU1とすることにより、生産性、組付け性を高めている。
また、外周部材23の出射面23bには所要形状の透光領域25を備え、透光領域25及び入射面23a’、24aを除いた他の外面には非透光領域26を備えている。非透光領域26は、導光部材外面に接する反射層26aと、反射層26a全体を被覆する遮光層26bと、を備えている。反射層26aは、導光部材本体22の入射面22a(23a’、24a)から導光部材本体22内に入射した光源30からの光を反射させて集光し、減衰させることなく透光領域25から電飾図柄3aに向けて照射させるための機能を発揮する。
【0025】
非透光領域26は、透光材料から成る連設板23cの適所にも延在させることにより漏光を防止することができる。
導光部材本体22は例えばポリカーボネート等の透光樹脂材料から構成した塗膜とし、反射層26aは例えば白色のウレタン塗料、遮光層26bは黒色のウレタン塗料から構成した塗膜とする。
反射層26aの外面に被覆された遮光層26bは、反射層26aだけでは防止することができない漏れ光を遮光する機能を有し、反射層26aを透過する漏れ光を遮蔽することにより透光領域25から電飾図柄3aへ向けて出射する光量を高める。
【0026】
なお、導光部材本体22の入射面22aを、サンドブラスト、ディンプルカット、ダイヤカット等の加工方法により粗面化(微細な凹凸加工)することにより、光源としてLED等の点光源を用いた場合であっても、導光部材本体内に光を拡散させることが可能となり、透光領域25から出射される光量を均一化することが可能となる。
このように本発明の電飾装置20においては、透光材料から成る導光部材本体22を基材2に設けた透光穴15内に嵌合配置して導光部材本体22の出射面22bを照明対象物としての電飾図柄3aに近接配置させるだけでなく、透光領域25と入射面22aを除いた導光部材本体22(外周部材23)の外面に、反射層26aと遮光層26bを順次積層して成る非透光領域26を設けたので、入射光を反射層26aにより反射させて減衰を低減し、更に反射層26aからの漏れ光を遮光層26bにより防止することができ、透光領域25から電飾図柄3aへ向けて出射される光量を高め、且つ集光度を高めることができ、電飾図柄3aを構成する線図、輪郭線等がぼけた状態で視認される不具合を防止できる。
【0027】
即ち、本発明の電飾装置では、光源30を発光させていない状態では、セルシート3を外面から目視する限り光源や透光穴や電飾図柄の存在を確認できない一方で、光源を発光させることにより突如として電飾図柄3aが発光して浮き上がって見える演出効果を狙っているため、導光部材21からの出射光量、出射集光度が低下すると上記演出効果が著しく減殺されるが、上記の如き非透光領域26を設けた構成としたので、狙いの演出効果を発揮することができる。
更に、本発明では、導光部材本体22を、互いに嵌合し合うことによって一つの筒状体(レンズ部材)を構築する外周部材23と内挿部材24とから構成したので、外周部材23の肉厚が薄くなり、更に内挿部材24の外径が小さくなる。このため、個々の部材23、24を射出成形する際にその内部に気泡が形成される虞が皆無となり、電飾図柄3a中に気泡が黒点となって投影される虞がなくなる。
【0028】
なお、図4(b)中に破線で示すように複数の内挿部材24を同材料から成る連設板24cによって連設一体化してユニットU2とすることにより、生産性、及び組立て効率を更に高めることが可能となる。この連設板24cの適所にも非透光領域26を形成することが好ましい。これにより、連設板24c内に進入した光の外部への漏れ出しを防止して透光領域25からの出射光量、光度を高めることができる。
【0029】
なお、反射層26aは白色、ミラー材、その他の反射光量を高める材質、構成であればよく、遮光層26bは黒色、その他、遮光光量を高める材質、構成であればよい。従って、反射層26a、及び遮光層26bは、必ずしも塗料を塗布することによって形成した塗膜である必要はない。例えば、反射層26aと遮光層26bを積層一体化したシート状の部材を導光部材本体22の外面、或いは透光穴15の内壁等々に接着、或いは添設固定することによって非透光領域26を形成してもよい。
即ち、図5(a)(b)に示した電飾装置20は、導光部材本体22と透光穴15の内壁との間に低摩擦抵抗材料から成る介挿部材40が配置されており、反射層26aと遮光層26bのうちの少なくとも一方が介挿部材40の内壁に形成されている。即ち、この実施形態では、導光部材本体22、及び基材2とは別部材であって導光部材本体22(外周部材23)をスムーズに着脱するのに適した弾性材料から成る別部材としての介挿部材40を非透光領域26を形成する部材として用いることにより導光部材本体22に対して非透光領域26を塗装、接着等によって形成する手数を削減している。
【0030】
この例では、介挿部材40は、透光穴15の内面形状に整合する円筒状部40aと、各円筒状部40a間を連設する板状部40bとから一体成形されている。
また例えば、介挿部材40の少なくとも内壁面を遮光性黒色の樹脂、ゴム等から構成することによって遮光層26bとすると共に、この介挿部材40の内壁面に反射層26aを形成することによって、介挿部材40に非透光領域26を形成した構成としてもよいし、或いは介挿部材40自体を遮光材料により形成すると共に、反射層26aを導光部材本体22(外周部材23)の外面に形成してもよい。
介挿部材40に弾性をもたせることにより、外周部材23の外面との密着度が高まり、漏れ光の発生を更に防止することができる。
【0031】
次に、本発明の導光部材本体を製造する第1の方法としては、外周部材23と内挿部材24を別個の金型により射出成形することにより個別に製造してから組付ける手法を挙げることができる。即ち、この方法では、図示しない外周部材成形用の成形金型のキャビティ内に樹脂を注入して外周部材23を射出成形により製造する外周部材成形工程と、内挿部材成形用の成形金型のキャビティ内に樹脂を注入して内挿部材24を射出成形により製造する内挿部材成形工程と、外周部材23の凹陥部23a内に、内挿部材24を嵌合させる工程と、から構成される。
【0032】
更に具体的には、第1の方法では、成形面に外周部材23の外面形状を転写するための凹部を備えた第1の金型に対して、該凹部内に嵌合して外周部材の凹陥部形状を転写するための凸部を備えた第2の金型を型閉めしてからキャビティ内に溶融樹脂を注入して外周部材を射出成形する外周部材成形工程と、成型面に内挿部材の外面形状を転写するための凹部を備えた第3の金型に対して、第4の金型を型閉めしてからキャビティ内に溶融樹脂を注入して内挿部材を射出成形する内挿部材成形工程と、外周部材の凹陥部内に、内挿部材を嵌合させる工程を順次実施する。
【0033】
この成形方法によれば、導光部材本体を製造するに際して外周部材と内挿部材を夫々個別に成形してから、外周部材の凹陥部内に内挿部材を嵌合させるようにしているので、製造手数がかかる。しかし、外周部材と内挿部材を連設板により一体化したユニットU1、U2を夫々利用することにより、製造手数、組付け手数を大幅に削減できる。また、外周部材と内挿部材の界面に前記反射防止膜を介在させることにより界面での反射を防止して出射光量を高めることができる。
【0034】
次に、本発明の導光部材本体を製造する第2の方法としては、一対の金型を用いて外周部材23を成形してから一旦型開きを行い、次いで、一方の金型を他の金型に変更して閉じてから金型内に残っている外周部材の凹陥部内に内挿部材を構成する樹脂を充填して成形する手法を挙げることができる。
図6(a)乃至(e)は本発明の第2の成形方法の説明図である。
本実施形態に係る成形方法においては、共通使用される可動金型(第1の金型)50と、交換使用される2種類の固定金型60、65とを使用する。可動金型50は、外周部材23の外面形状を転写形成するための凹部51を複数個備えており、第1の固定金型60は各凹部51内に嵌合する凸部61(外周部材の凹陥部23aの形状を転写する)を備え、凸部61と凹部51との間に外周部材23を形成するためのキャビティを形成する。
【0035】
まず、図6(a)に示す外周部材成形工程では、第1の固定金型(第2の金型)60に対して可動金型50を閉じた状態とし、この状態でキャビティ内に溶融樹脂を注入し、その後(b)に示すように型開きする。この際、可動金型50の成形面には外周部材23と連設板23cを構成する樹脂が残留する。第1の固定金型60は別の位置に退避させる。
次いで、(c)の内挿部材一体化工程に示すように成形面に凸部を有しない第2の固定金型(第3の金型)65を可動金型50の成形面に対向させてから型閉めを行い、キャビティ内に内挿部材24を構成する溶融樹脂を注入する。十分に冷却してから(d)に示すように型開きする。この結果、内挿部材24及び連設板24cと、外周部材23と連設板23cとが一体化した導光部材本体22が形成される。両部材23、24間の界面は密着した状態で一体化するので、界面での光の反射がなくなる。
なお、同図(d)は可動金型の成形面の構成例を示す図である。
【0036】
このように本発明によれば、合板等から成る基材に形成した透光穴の内壁による光の減衰や乱反射によって出射光が光量不足や過剰拡散に陥ることによって電飾図柄の輪郭形状が不明瞭化するという不具合を解決することができる。
更に、遊技盤面に形成した透光穴内に樹脂製の導光部材を嵌合配置し、この導光部材の入射面側から光源光を照射して導光部材の出射面側に近接配置したセルシートに形成した電飾図柄を発光させるように構成した場合に、樹脂製の導光部材を成形する際に内部に気泡が形成されないように構成したので、気泡の存在に起因して電飾効果が低下するという不具合を解決することができる。
【0037】
なお、パチンコ遊技機の詳細な構成については図示説明していないが、本願発明の技術的範囲中にパチンコ遊技機、及び遊技盤が含まれることに疑いがない。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の一実施形態に係る電飾装置及び他の盤面部品を備えた遊技盤の正面図である。
【図2】(a)及び(b)は本発明の一実施形態に係る電飾装置を備えた遊技盤の正面図、及び側面図である。
【図3】遊技盤の背面側分解斜視図である。
【図4】(a)乃至(d)は本発明の電飾装置の要部拡大断面図、分解斜視図、正面図、及び要部背面図である。
【図5】(a)及び(b)は本発明の他の実施形態に係る電飾装置の要部拡大断面図、及び分解斜視図である。
【図6】外周部材と内挿部材から成る導光部材本体を射出成形により製造するための製造手順(金型構造)を説明する図である。
【図7】従来の電飾装置の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0039】
1…遊技盤、2…基材、3…セルシート、3a…電飾図柄、4…遊技盤、10…遊技領域、11…中央部、12…入賞口、15…透光穴、2…基材、20…電飾装置、21…導光部材、21a…入射面、21b…出射面、22…導光部材本体、22a…入射面、22b…出射面、23…外周部材、23a…凹陥部、23a’…入射面、23b…出射面、23c…連設板、24…内挿部材、24…内挿部材、24c…連設板、25…透光領域、26…非透光領域、26a…反射層、26b…遮光層、26b…遮光層、30…光源、31…プリント基板、40…介挿部材、50…可動金型、51…凹部、60、65…固定金型、61…凸部。
【出願人】 【識別番号】000161806
【氏名又は名称】京楽産業.株式会社
【出願日】 平成18年8月11日(2006.8.11)
【代理人】 【識別番号】100085660
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 均


【公開番号】 特開2008−43454(P2008−43454A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−220483(P2006−220483)