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【発明の名称】 遊技機
【発明者】 【氏名】落合 克俊

【要約】 【課題】右側の遊技領域が装飾部材で覆われた左右非対称の盤面構成を有する遊技機において、右側の遊技領域を流下する遊技球を利用して遊技性の向上を図る。

【構成】遊技盤上でレールにより囲まれた遊技領域と、遊技領域の中央付近に設けられた可変表示装置と、遊技領域における可変表示装置の下方において、遊技球が入球可能に設けられた入球口と、少なくとも遊技領域における可変表示装置の右側において、可変表示装置とレールとにまたがるように設けられた装飾部材と、装飾部材におけるレールに沿った部位において、遊技球が通過可能に設けられた遊技球通路とを備える遊技機において、遊技球通路の出口部を、可変表示装置の下端より下方で、かつ、可変表示装置の右端より左側に位置させ、入球口に向かって開口させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤上でレールにより囲まれた遊技領域と、
前記遊技領域の中央付近に設けられた可変表示装置と、
前記遊技領域における前記可変表示装置の下方において、遊技球が入球可能に設けられた入球口と、
前記遊技領域における少なくとも前記可変表示装置の右側において、前記可変表示装置と前記レールとにまたがるように設けられた装飾部材と、
前記装飾部材における前記レールに沿った部位において、遊技球が通過可能に設けられた遊技球通路とを備え、
前記遊技球通路の出口部が、前記可変表示装置の下端より下方であって、前記可変表示装置の右端より左側に位置し、前記入球口に向かって開口していることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記遊技球通路における出口部近傍は筒状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記遊技球通路における出口部近傍は、内部が視認可能になっていることを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記遊技球通路における出口部近傍は、前記入球口に向かって下降する段差が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記可変表示装置は、識別図柄が表示可能になっており、
変動表示した前記識別図柄が特定図柄で停止表示した場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段を備え、
前記入球口は、遊技球の入球により前記識別図柄が変動開始する始動口であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は遊技球を用いて遊技を行う遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、遊技盤面上の形成される遊技領域の中央に、液晶表示器やドットマトリックス表示器等から構成される図柄表示装置を設けた遊技機が知られている。この種の遊技機には、遊技領域における中心より右側(遊技者から見て右側)の領域に、図柄表示装置の右側外周を囲むように装飾部材を配置して、遊技領域を遊技者から見て左右非対称としたものが存在する。このような左右非対称の盤面構成を有する遊技機では、遊技領域のうち右側の領域を流下する遊技球は、装飾部材上を流下するように構成されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−340541号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、図柄表示装置を備える遊技機では、遊技者は、図柄表示装置の表示内容や図柄表示装置下方に位置する始動口への遊技球の入球状況に注目して遊技を行うのが通常である。また、特許文献1の遊技機のように、遊技領域のうち右側の領域に装飾部材を配置した遊技機では、遊技領域のうち左側の領域を狙って遊技球を発射して遊技を行うのが通常である。このため、左右非対称の盤面構成を有する遊技機では、右側の遊技領域を覆う装飾部材上を遊技球が流下する頻度は低く、装飾部材上(右側の遊技領域)を遊技球が流下したとしても、遊技者はそのことに気付き難い。しかも、特許文献1の遊技機では、装飾部材上を流下した遊技球は単に下方に向かうだけであり、その遊技球の殆どはそのままアウト口に向かって流下していき、結果的に無駄球となる。
【0004】
以上のことから、特許文献1のような従来の左右非対称の盤面構成を有する遊技機は、右側の遊技領域を覆う装飾部材上を遊技球が流下するようにしても、その流下する遊技球に対して遊技者が関心を持つ可能性は極めて低く、右側の遊技領域を流下する遊技球が遊技上無意味な存在となっていた。
【0005】
そこで、本発明は上記点に鑑み、右側の遊技領域が装飾部材で覆われた左右非対称の盤面構成を有する遊技機において、右側の遊技領域を流下する遊技球を利用して遊技性の向上を図ることを目的とする。また、本発明の他の目的は、右側の遊技領域を流下する遊技球を用いた効果的な演出を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は、遊技盤上でレールにより囲まれた遊技領域と、遊技領域の中央付近に設けられた可変表示装置と、遊技領域における可変表示装置の下方において、遊技球が入球可能に設けられた入球口と、少なくとも遊技領域における可変表示装置の右側を覆うように設けられた装飾部材と、遊技球が通過可能なように装飾部材に設けられた遊技球通路とを備え、遊技球通路の出口部は、可変表示装置の下端より下方であって、可変表示装置の右端より左側に位置し、入球口に向かって開口していることを特徴としている。
【0007】
このように、可変表示装置の右側を覆っている装飾部材に遊技球通路を設け、この遊技球通路の出口部を可変表示装置の下端より下方で、かつ、可変表示装置の右端より左側に配置し、さらに入球口に向かって開口するように構成することで、遊技球通路から排出された遊技球が入球口に入球しやすくすることができる。この結果、本来無駄球となって遊技に影響を与えない遊技球を有効な遊技球として用いることができ、遊技性を向上させることができる。
【0008】
特に、遊技球通路の出口部が可変表示装置の下端より下方で、かつ、可変表示装置の右端より左側に位置するので、この遊技球通路の出口部は、可変表示装置を注視して遊技を行う遊技者の視界に入り易い。このため、遊技球が遊技球通路から排出されることを遊技者に認識させることができ、その遊技球通路から排出される遊技球は遊技領域の右側を流下する遊技球であることから、結果的に、遊技領域の右側を流下する遊技球が無駄球にならないという認識を遊技者に与えることができる。
【0009】
また、遊技球通路における出口部近傍を筒状に形成することで、遊技球が入球口に向かって発射されるような印象を遊技者に与えることができ、演出効果を高めることができる。
【0010】
また、遊技球通路における出口部近傍は、内部が視認可能になっているように構成することで、遊技者は遊技球が発射される状態を見ることができ、演出効果をさらに高めることができる。
【0011】
また、遊技球通路における出口部近傍は、入球口に向かって下降する段差が設けられているように構成することで、遊技球通路を通過する遊技球の球速を遅くすることができる。これにより、遊技球が遊技球通路を通過している状況を遊技者が認識しやすくなる。また、遊技球通路から排出される遊技球の球速を遅くすることで、遊技球通路から排出され、可変表示装置の下方に位置する入球口に向かう遊技球の挙動を安定させることができる。この結果、遊技球通路から排出される遊技球を安定して入球口に向けて流下させることができる。
【0012】
また、可変表示装置では、識別図柄が表示可能になっており、変動開始した識別図柄が特定図柄で停止表示した場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段を備えるようにし、入球口が遊技球の入球により識別図柄が変動開始する始動口とすることで、遊技球通路を通過した遊技球により特別遊技状態が発生し得る。これにより、遊技者は特別遊技状態の発生に対する期待感を持つことができ、興趣を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(第1実施例)
以下、本発明の実施形態を示す第1実施例について図面を用いて説明する。本発明の遊技機をパチンコ遊技機(以下、単に遊技機という)に適用した実施例を図1〜図6に示す。なお、本明細書における「右」および「左」は、遊技者側から遊技機1を見た場合の方向を示している。
【0014】
図1は、本実施例の遊技機1の正面図である。図1に示すように、遊技機1の前面部は、本体枠2、中枠3、前面枠4、上皿部5、下皿部6、施錠装置9、遊技盤20等を備えている。なお、図1では遊技盤20の詳細な図示を省略している。また、中枠3は前面枠4等が前面側に配置されているため、図1においては明示されていない。
【0015】
本体枠2は木製の板状体を略長方形の枠状に組立てたものであり、遊技機1の外枠を構成している。中枠3はプラスチック製であり、本体枠2の内側にはめ込まれて設置されており、外枠2に対して開閉可能に左端で軸支されている。中枠3は、上側2/3程度を占める枠体部と下側1/3程度を占める下板部とから構成されている。枠体部の前面側には遊技盤20と前面枠4とが重なるように設けられており、下板部の前面側には上皿部5と下皿部6が設けられている。下板部には、遊技球を遊技盤20に発射する遊技球発射装置を構成する発射装置ユニット(図示略)、遊技球を発射装置ユニットに供給する球送り装置(図示略)が設けられている。
【0016】
前面枠4は、中枠3の前面側に配置され、中枠3の左端で開閉可能に支持されている。前面枠4はプラスチック製であり、奥側に配置される遊技盤20の盤面を視認可能にするために、円形状の開口部4aが形成されている。前面枠4の裏面には、開口部4aに対応したガラス板等の透明板を備える略長方形状の透明板枠(図示略)が装着されている。
【0017】
前面枠4には、遊技効果等のためのランプ類として、左LED表示部4b、右LED表示部4c、左上LED表示部4d、右上LED表示部4e、上LED表示部4fが設けられている。左LED表示部4bと右LED表示部4cは、開口部4aの周囲の右側と左側にそれぞれ円弧状に設けられている。左上LED表示部4dは左LED表示部4aの左上方に設けられ、右上LED表示部4eは右LED表示部4cの右上方に設けられている。上LED表示部4fは円形状に形成され、左LED表示部4bの上端部と右LED表示部4cの上端部との間に2個設けられている。これらのLED表示部4b〜4fは、遊技効果を高めるためにゲーム進行に応じて点灯・消灯あるいは点滅する。また、2個の上LED表示部4fの間には、2個の賞球LED表示部4gが設けられている。賞球表示LED表示部4gの上方には、扇形のエラーLED表示部4hが設けられている。
【0018】
上皿部5は、前面枠4の下側に設けられ、中枠3の左端に開閉可能に支持されている。上皿部5は、球抜きボタンや遊技球の貸球ボタン、返却ボタン等が配設された皿外縁部5aと、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口5bとを備えている。さらに、上皿部5の略中央部には複数の長孔とその上部に多数の小穴が形成された第1音声出力部5cが形成されている。上皿部5の裏面には音量スイッチ基板(図示略)が設けられている。
【0019】
下皿部6は、上皿部5の下方に設けられている。下皿部6の略中央には、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが設けられている。また、下皿部6の底面には図示しない球抜き穴が設けられている。球抜き穴は通常時には閉鎖しており、下皿部6に貯留された遊技球を排出する際に開放する。下皿部6の略中央手前側には、球抜き穴を開閉させる排出ノブ6bが設けられている。下皿部6における排出ノブ6bの右側および左側には、第2音声出力部6cが設けられている。
【0020】
下皿部6の右端には、遊技者が発射装置ユニット(図示略)を操作するための発射ハンドル8が設けられている。発射ハンドル8には、遊技者が遊技球の発射強度を調整するための発射操作部8aが設けられている。発射操作部8aには、遊技者が触れていることを検出するタッチスイッチが設けられている。発射ハンドル8の左側面には、遊技者が操作して遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ8bが配置されている。
【0021】
施錠装置9は、中枠3の右端中央に設けられており、前面枠4を閉じた場合にこれを施錠するためのものである。また、遊技機1の左側には、プリペイドカードユニット13(CRユニット)が装着されている。
【0022】
次に、本実施例の遊技盤20の表面構造について図2を参照して説明する。図2は遊技盤20の正面図である。遊技盤20は、略長方形の木製の板状体であって中枠3に表面側に着脱可能に取り付けられているとともに、裏機構盤(図示略)によりその背面側が覆われている。
【0023】
図2に示すように、遊技盤20には、遊技盤20の表面に設けられた外レール22と内レール23とにより略円形状の遊技領域21が形成されている。遊技領域21内には、中央装置(センター役物)24、普通図柄作動ゲート28、始動口(普通電動役物)29、大入賞装置(特別電動役物)33、入賞口34、35、36、37等の遊技装置が配設されている。なお、遊技領域21には各遊技装置との位置バランスを考慮して多数の障害釘が配設されている。
【0024】
図2に示すように、中央装置24は遊技領域21の略中央部に配置されている。この中央装置24は、主に図柄表示装置25と装飾部材26とから構成されている。
【0025】
図柄表示装置25は、装飾部材26の内側に位置するように、遊技盤20の裏面側に配設されている。この図柄表示装置25は、遊技の進行に応じて種々の演出表示が可能な表示領域を有する表示装置であり、本実施例では12インチ程度の大型液晶表示装置を用いている。図柄表示装置25には、図示を省略しているが、普通図柄を表示する普通図柄表示領域、特別図柄を表示する特別図柄表示領域等が設けられている。なお、図柄表示装置が本発明の可変表示装置に相当し、特別図柄が本発明の識別図柄に相当している。
【0026】
装飾部材26における図柄表示装置25の下方は、ステージ26aとして構成されている。装飾部材26の左側には、ワープ入球口26bが設けられている。このワープ入球口26aに入球した遊技球は、ワープ通路26cを介してステージ26a上に落下する。ステージ26a上に落下した遊技球は、ステージ26a上を転動した後にステージ26aの前方(遊技者側)に落下する。ステージ26aの下方には後述の始動口29が配置されており、ステージ26aから落下した遊技球は始動口29に入賞する可能性が高くなる。
【0027】
装飾部材26は、図柄表示装置25を囲んで、かつ右側部位が遊技領域21における図柄表示装置25の右側領域を占有するように、遊技盤20の表面側に設けられている。装飾部材26の右側部位は、図柄表示装置25と外レール22とにまたがるように設けられており、図柄表示装置25の上端より高い位置から図柄表示装置25の下端より低い位置にかけて外レール22と接触している。
【0028】
次に、装飾部材26の構成を図2〜図5を参照して具体的に説明する。図3は、装飾部材26の正面図であり、図4は、右前方からみた装飾部材26の斜視図であり、図5は、左前方からみた装飾部材26の斜視図である。
【0029】
装飾部材26の中央には、図柄表示装置25の表示画面を遊技者に対して新可能とする視認窓25aが貫設されている(図3〜図5参照)。そして、視認窓25aを囲むように装飾部分が設けられており、この装飾部分のうち、視認窓25aの上方略中央から右側にかけては、視認窓25aの上方略中央から左側に比べて、遊技領域21の外径方向に大きく張り出すように設けられている。この張り出し部位が、遊技領域21の右側の領域を占有する部位となっている。
【0030】
装飾部材26の上端付近から右側周縁にかけては、遊技球通路27が設けられている。この遊技球通路27は、遊技盤20の表面右側に位置する外レール22および内レール23(図2参照)に沿った形状の上流側通路27aと、それらレール(外レール22および内レール23)から離れた方向に延びる下流側通路27bとからなる。図2に示すように、下流側通路27bは、図柄表示装置25の下端付近に対応する位置で外レール22から離れ、図柄表示装置25の下方に設けられた始動口29に向かって左下がりに傾斜させて延設されている。なお、始動口29が本発明の入球口に相当している。
【0031】
遊技球通路27は、遊技球が通過可能となっており、遊技球1個分の幅を有している。遊技球通路27における最上流側の入口部27cは、装飾部材26の最上部に位置しており、外レール22に平行な方向に向かって開口している。つまり、遊技球通路27の入口部27cは、遊技領域21の右側領域に向かって発射され、外レール22に沿って進行してくる遊技球の進行方向に向かって開口している。遊技球通路27における最下流側の出口部27dは、図柄表示装置25の下端より下方で上述のステージ26aより下方に位置し、かつ、図柄表示装置25の右端(視認窓25aの右端)より左側に位置している。また、遊技球通路27の出口部27dは、遊技領域21の中央下方に位置する始動口29に向かって開口している。
【0032】
遊技球通路27の下流側通路27bは、略円筒形状に構成されている(図4、図5参照)。この下流側通路27bは半透明になっており、内部が視認可能となっている。また、下流側通路27bは、複数に分断されており、先端(出口部27d)に向かって徐々に下降する階段状の段差が設けられている。これにより、下流側通路27bを通過する遊技球の球速を遅くすることができる。また、下流側通路27bの分断部分は、それぞれ遊技球1個分の長さ(直径)より短くなっており、遊技球が分断部分から脱落しないようになっている。
【0033】
以上のような構成の装飾部材26が設けられた遊技盤20の盤面構成(図2参照)では、遊技領域21における中央装置24が設けられている領域は、遊技球が流下することができない。特に、遊技領域21のうち右側の領域は装飾部材26の右側部位により覆われている。このため、遊技領域21に発射された遊技球のほとんどは、図柄表示装置25の右側を流下することができず、図柄表示装置25の左側を流下する。しかしながら、遊技球が遊技領域21の右側領域に向かって発射され、その遊技球が外レール22に沿って進行した場合には、入口部27cから遊技球通路27に流入することができる。これにより、遊技球が遊技球通路27を介して遊技球が中央装置24の内部を通過し、図柄表示装置25の右側を流下することができる。遊技球通路27を通過した遊技球は、出口部27dから始動口29に向けて排出される。
【0034】
普通図柄作動ゲート28は、中央装置24の左側に設けられている。普通図柄作動ゲート28の内部には、遊技球の通過を検知する普通図柄作動ゲート検知スイッチ(図示略)が設けられている。普通図柄表示領域では、普通図柄作動ゲート28を遊技球が通過することにより、図柄表示装置25の普通図柄表示領域では、普通図柄が変動開始し、所定時間経過後に普通図柄が予め設定された当り図柄の組合せあるいは外れ図柄の組合せで停止表示される。そして、普通図柄が当り図柄の組合せで停止表示すると、始動口(普通電動役物)29が所定時間(例えば0.5秒)開放される。
【0035】
始動口29は、中央装置24の中央位置の下方に設けられている。始動口29は、2つの入球口29a、29bが上下方向に並んで配置されている。上段側入球口29aは常時開口しており、下段側入球口29bはいわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部29cが開閉するように形成されている。普通図柄が当り図柄の組合せで停止表示された場合には、翼片部29cが開いて下段側入球口29bが所定時間(例えば0.5秒)開放される。
【0036】
始動口29の内部には、遊技球の通過を検知する始動口入賞検知スイッチ(図示略)と、翼片部29cを作動させるための始動口ソレノイド(図示略)とが備えられている。この一対の翼片部29cが左右に開いた場合には、下段側入球口29bは遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部29cが立設された場合には、下段側入球口29bは遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態となる。
【0037】
図6は、上述の遊技球通路27の下流側通路27bと始動口29との位置関係を示す部分拡大図である。図6に示すように、上述の遊技球通路27の下流側通路27bの傾斜角度は、下段側入球口29bの翼片部29cが開いた場合における右側の翼片部29cの傾斜角度とほぼ一致するように設定されている。遊技球通路27の下流側通路27bを延長した仮想直線Aは、開放状態の右側翼片部29cを延長した仮想直線Bより若干上方にずれている。このため、遊技球通路27の出口部27dから排出された遊技球は、始動口29の下段側入球口29bに向かって流下し、下段側入球口29bに入球可能となる。
【0038】
遊技球が始動口29に入球することで、図柄表示装置25の特別図柄表示領域で特別図柄が変動表示を開始する。図柄表示装置25の特別図柄表示領域では、複数の特別図柄の組合せを表示可能となっており、これらの特別図柄の組合せのうち、特定の組合せが大入賞装置(特別電動役物)33および条件装置が作動することとなる当り特別図柄の組合せ(特定の組合せ)であり、これら以外の組合せが外れ特別図柄の組合せである。なお、条件装置とは、役物連続作動装置が作動するための条件となる装置である。具体的には、条件装置は、後述の主制御部200を主体として構成され、特別図柄が当り図柄で停止表示することで作動を開始し、役物連続作動装置を作動させるものである。役物連続作動装置とは、後述の主制御部200を主体として構成され、後述の大入賞装置33を連続して作動させ、大入賞口33aを連続して開放状態とする装置である。役物連続作動装置の作動開始により、大入賞口33aが連続して開放する特別遊技状態が開始される。
【0039】
大入賞装置33は、上記始動口29の下方に配設されている。ここで、大入賞装置33は、帯状に開口された大入賞口33aと、この大入賞口33aを開放・閉鎖する開閉板33bと、この開閉板33bを開閉するための大入賞口ソレノイド(図示略)と、入賞球を検知する入賞球検知スイッチ(図示略)とから主に構成されている。
【0040】
特別図柄表示領域で停止表示した特別図柄が特定図柄であった場合、後述の主制御部200は遊技者に相対的に有利な特別遊技状態を発生させる。特別遊技状態は、大入賞装置33を作動させることで、大入賞口33aへの遊技球の入球に関して遊技者に利益を付与するものである。なお、主制御部200が本発明の特別遊技状態発生手段に相当している。
【0041】
大入賞装置33の作動開始により、大入賞口33aが開放して遊技球受入状態となる。この遊技球受入状態は、所定の終了条件成立により終了し、開放していた大入賞口33aが閉鎖状態となる。所定の終了条件として、遊技球受入状態の開始後における大入賞口33aの開放時間が所定開放時間(例えば30秒)に達したとき、もしくは遊技球受入状態の開始後、大入賞口33aに入球した遊技球数が所定数(例えば10個)に達したときとすることができる。
【0042】
この遊技球受入状態の開始から終了までを1ラウンドとした場合、上述の役物連続作動装置は、所定ラウンド数(例えば15ラウンド)が終了したときに作動終了する。大入賞装置33では、遊技球受入状態が終了してから所定時間(例えば0.5秒)が経過した後に、大入賞口33aが開放して再び遊技球受入状態となり、次のラウンドが開始する。このような遊技球受入状態は、所定ラウンドが終了して役物連続作動装置の作動が終了するまで繰り返し継続される。
【0043】
大入賞装置33の左斜め上方には、左入賞口34、35、36がそれぞれ設けられている。これらの内部には、それぞれ左入賞口通過検知スイッチ(図示略)が設けられている。大入賞装置33の右斜め上方には、右入賞口37とが設けられている。これらの内部には、右入賞口通過検知スイッチ(図示略)が設けられている。
【0044】
以上説明したように、遊技球通路27の出口部27dを、図柄表示装置25の下端より下方で、かつ、図柄表示装置25の右端より左方に位置させることで、遊技球通路27の出口部27dが始動口29の近傍に位置することとなる。これにより、遊技球通路27から排出された遊技球を始動口29(下段側入球口29b)に入球しやすくすることができる。この結果、本来無駄球となって遊技に影響を与えない右側の遊技領域を流下する遊技球を、有効な遊技球として用いることができる。特に、本実施例では、遊技球通路27の出口部27dから排出される遊技球が、始動口29を構成する下段側入球口29bに向かって流下するようになっている。このため、下段側入球口29bの開放頻度が高まる確変状態や時短状態等の特定の遊技状態、換言すると、普通電動役物の開放時間延長機能が作動する特定の遊技状態において、右側の遊技領域を流下する遊技球が無駄球とならない可能性が高まり、これにより、遊技者は遊技球通路27の有効性を認識することができる。
【0045】
そして、遊技球が始動口29(下段側入球口29b)に入球することで、図柄表示装置25において特別図柄の変動表示が行われ、停止表示される特別図柄によっては、遊技者にとって有利な特別遊技状態が発生し得ることとなる。このため、遊技者は、右側の遊技領域を流下する遊技球が始動口29(下段側入球口29b)に入球することに対する期待感を持つことができ、延いては特別遊技状態の発生に対する期待感を持つことができる。
【0046】
また、遊技者が通常注視していない部位から、遊技者が通常注視する始動口29に向かって遊技球が現れるので、遊技球を用いた演出効果を高めることができ、遊技性を向上させることができる。特に、遊技球通路27の下流側通路27bは筒状部として構成されており、図柄表示装置25の下方で遊技球が始動口29に向かって発射されるような印象を遊技者に与えることができ、これにより、右側の遊技領域を流下する遊技球を用いた演出効果を高めることができる。また、筒状の下流側通路27bは、内部が視認可能となっているので、遊技者は遊技球が排出される状態を見ることができ、演出効果をさらに高めることができる。
【0047】
(第2実施例)
次に、本発明の第2実施例について説明する。以下、上記第1実施例と異なる部分についてのみ説明する。
【0048】
図7は、本第2実施例の装飾部材26の正面図である。なお、図7では、説明の便宜のため、装飾部材26を簡略化して図示している。本第2実施例の装飾部材26には、遊技球通路27の下流側通路27bにおける分断部分を横切るように複数のLED表示部26dが設けられている。本実施例では、下流側通路27bの3箇所の分断部分に応じて3つのLED表示部26dが設けられている。各LED表示部26dは、装飾部材26の左上から右下にかけて設けられている。各LED表示部26dの内部にはLEDが設けられており、遊技の進行に応じて点灯・消灯あるいは点滅するように構成されている。
【0049】
このように、下流側通路27bを複数に分断し、その分断部分にLED表示部26を配置することで、遊技領域21を左上から右下に向かって対角線上に横切るようにLEDを発光させる演出を実現することができる。つまり、本実施によれば、下流側通路27bの分断部分を効果的な発光演出に利用することができ、下流側通路27bが遊技盤面上(遊技領域21)におけるLED等の発光演出の妨げになることはない。
【0050】
また、例えば、遊技球通路27内の複数箇所に遊技球の通過を検知するセンサ(近接スイッチやフォトセンサ等)を設け、遊技球通路27内における遊技球の通過状況に応じて、複数のLED表示部26dを順次点灯するように構成することができる。このように、遊技球通路27における遊技球の通過に関連させて下流側通路27bの分断部分に設けられた各LED表示部26dの点灯等を行うことで、遊技球通路27を通過する遊技球を用いた演出効果をより高めることができる。
【0051】
(他の実施形態)
なお、上記実施例では、筒状に構成された遊技球通路27の下流側通路27bが複数に分断されているように構成したが、必ずしも複数に分断されている必要はなく、下流側通路27bを1つの連続した筒状に構成してもよい。
【0052】
また、上記実施例では、下流側通路27bの先端(出口部27d)を始動口29の下段側入球口29bに向けて、遊技球通路27の出口部27dから排出される遊技球が下段側入球口29bに向かって流下するように構成した。しかしながら、始動口29と下流側通路27bとの位置関係は、上記実施例に限定されるものではなく、例えば、下流側通路27bの先端(出口部27d)を始動口29の上段側入球口29aに向けて、遊技球通路27の出口部27dから排出される遊技球が上段側入球口29aに向かって流下するようにしてもよい。この場合、遊技球通路27の出口部27dから排出される遊技球は、上段側入球口29bまたは下段側入球口29bの何れかに入球する可能性が生じることとなるので、右側の遊技領域を流下する遊技球が無駄球となる可能性がより低くなる。
【0053】
また、上記実施例では、始動口29が、通常のポケット型の入球口である上段側入球口29aと、普通電動役物を兼ねた電動チューリップ型の入球口である下段側入球口29bとから構成される例を説明したが、始動口29は、1つの入球口により構成されるものであってもよい。この場合、始動口29はポケット型または電動チューリップ型の何れか一方とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】上記実施例による遊技機を示す正面図である。
【図2】上記実施例による遊技機の盤面構成を示す正面図である。
【図3】上記実施例による装飾部材の正面図である。
【図4】上記実施例による右前方からみた装飾部材の斜視図である。
【図5】上記実施例による左前方からみた装飾部材の斜視図である。
【図6】遊技球通路の下流側通路と始動口との位置関係を示す部分拡大図である。
【図7】第2実施例の装飾部材の正面図である。
【符号の説明】
【0055】
1…遊技機、20…遊技盤、21…遊技領域、22…外レール、23…内レール、24…中央装置、25…図柄表示装置、26…装飾部材、27…遊技球通路、27a…上流側通路、27b…下流側通路、27c…入口部、27d…出口部、29…始動口、29a…上段側入球口、29b…下段側入球口、200…主制御部(特別遊技状態発生手段)、230…払出制御部、250…発射制御部、260…演出制御部、280…図柄制御部。
【出願人】 【識別番号】000204262
【氏名又は名称】タイヨーエレック株式会社
【出願日】 平成18年8月11日(2006.8.11)
【代理人】 【識別番号】100100022
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 洋二

【識別番号】100108198
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 高広

【識別番号】100111578
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 史博


【公開番号】 特開2008−43397(P2008−43397A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−219453(P2006−219453)