| 【発明の名称】 |
パチンコ遊技機 |
| 【発明者】 |
【氏名】長谷 哲
|
| 【要約】 |
【課題】発射球と反射球とを識別可能に検出することにより、アウト玉数を容易にカウントすることができるとともに、反射球の検出を利用して興趣を高め稼働率を向上させることのできるパチンコ遊技機を提供する。
【構成】逆流防止部材7の先端部7b側は、一対の圧電板71,72を積層したバイモルフ形態の圧電素子70によって形成されている。圧電板71,72は、同一材質の圧電セラミックス又は圧電性高分子で構成され、発射球B1が表面側に衝突する第1圧電板71と、反射球B2が表面側に衝突する第2圧電板72とが並列に接続されている。また、圧電素子70はリード線70aを介して、発射球B1(又は反射球B2)の衝突により圧電素子70に発生する起電力を検出するための検出装置に接続されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 発射装置によって打ち出された遊技球が遊技盤に形成された遊技領域に発射球として放出されるパチンコ遊技機において、 前記発射球を前記遊技領域に導入するために遊技球が通過可能な発射通路と、 基端部側が前記発射通路の終端部に固定され、先端部側がその発射通路に片持ち状に突出して当該発射通路の出口の間隔を遊技球の球径以下に保持し、前記発射球の通過の際の衝突によって先端部側が弾性変形して前記間隔を球径以上に広げる一方、その発射球の通過後は弾性復帰して前記間隔を球径以下に保持して前記遊技領域から前記発射通路に戻ろうとして衝突する反射球の入球を阻止するとともに、少なくともそれら発射球及び反射球の衝突により弾性変形する部位が圧電素子によって形成された逆流防止部材と、 その圧電素子が弾性変形することにより発生する電気的出力を検出する検出手段と、 その検出手段によって検出される電気的出力に基づいて前記逆流防止部材に衝突する遊技球が前記発射球と反射球とのいずれであるかを識別する識別手段とを備えることを特徴とするパチンコ遊技機。 【請求項2】 前記逆流防止部材は、前記発射球及び反射球の衝突により弾性変形する部位が一対の圧電素子素材を積層したバイモルフ形態の圧電素子によって形成されるとともに、そのバイモルフ形態の圧電素子を構成する一方の圧電素子素材の表面側に前記発射球が衝突し、他方の圧電素子素材の表面側に前記反射球が衝突するように配置され、 前記識別手段は、前記検出手段によって検出される起電力の正負に基づいて前記逆流防止部材に衝突する遊技球が前記発射球と反射球とのいずれであるかを識別する請求項1に記載のパチンコ遊技機。 【請求項3】 所定条件の成立に伴って抽選処理を実行する主制御部と、 その抽選処理による抽選結果に基づいて演出表示を行う可変表示装置とを備え、 その可変表示装置において前記抽選結果に基づく演出表示を行っているときに、前記識別手段が前記反射球を識別した場合、前記可変表示装置は、前記抽選結果が大当たりであることの期待度を示す演出表示を行う請求項1又は2に記載のパチンコ遊技機。 【請求項4】 前記識別手段が前記発射球を継続的に識別しているとき、前記主制御部は、遊技場等を管理する外部管理装置へ遊技中であることを示す稼動情報を出力する請求項3に記載のパチンコ遊技機。 【請求項5】 前記識別手段が前記発射球を識別するとき、前記可変表示装置は遊技中表示を行うとともに、 前記識別手段が前記発射球を所定時間識別しないとき、前記可変表示装置は前記遊技中表示を待機中表示に切り換える請求項3又は4に記載のパチンコ遊技機。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、パチンコ遊技機に関する。 【背景技術】 【0002】 パチンコ遊技機では、発射装置によって打ち出された遊技球が、遊技盤に形成された円形状の遊技領域に発射球として放出されることによって遊技が開始される。発射球を遊技領域に導入するために、遊技領域の周縁部には、遊技球が通過可能な発射通路を隔てて内外一対の発射レールが平行状に配置されている。このようにして遊技領域に放出(導入)される遊技球(発射球)を検出し、発射個数をアウト玉数としてカウントするために、例えば内側レールの終端部に遊技球の検出センサを設ける技術が開示されている(特許文献1,2参照)。 【0003】 【特許文献1】特開2002−177505号公報 【特許文献2】特開2000−116922号公報 【0004】 ところで、特許文献1では発射通路の出口に検出センサが設けられている。一方、特許文献2では、内側レールの終端部において、基端部側が固定され先端部側が発射通路内に片持ち状に突出する逆流防止部材に検出センサが設けられている。この逆流防止部材は、遊技領域に導入された発射球が、障害釘等で跳ね返され反射球(戻り球)となって遊技領域から発射通路に戻ろうとするのを阻止するために設けられている。したがって、いずれの場合にも、一旦発射球としてカウントされ遊技領域に導入された遊技球が反射球となったときに、検出センサによって再度検出される。このとき、検出センサでは既にカウント済みの遊技球であるか否かを識別(区別)できないので、反射球を重複してカウントしてしまう。その結果、これらの検出センサではアウト玉数を実際よりも多くカウントしてしまうおそれがある。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 本発明の課題は、発射球と反射球とを識別可能に検出することにより、アウト玉数を容易にカウントすることができるとともに、反射球の検出を利用して興趣を高め稼働率を向上させることのできるパチンコ遊技機を提供することにある。 【課題を解決するための手段及び発明の効果】 【0006】 上記課題を解決するために、本発明のパチンコ遊技機は、 発射装置によって打ち出された遊技球が遊技盤に形成された遊技領域に発射球として放出されるパチンコ遊技機において、 前記発射球を前記遊技領域に導入するために遊技球が通過可能な発射通路と、 基端部側が前記発射通路の終端部に固定され、先端部側がその発射通路に片持ち状に突出して当該発射通路の出口の間隔を遊技球の球径以下に保持し、前記発射球の通過の際の衝突によって先端部側が弾性変形して前記間隔を球径以上に広げる一方、その発射球の通過後は弾性復帰して前記間隔を球径以下に保持して前記遊技領域から前記発射通路に戻ろうとして衝突する反射球の入球を阻止するとともに、少なくともそれら発射球及び反射球の衝突により弾性変形する部位が圧電素子によって形成された逆流防止部材と、 その圧電素子が弾性変形することにより発生する電気的出力を検出する検出手段と、 その検出手段によって検出される電気的出力に基づいて前記逆流防止部材に衝突する遊技球が前記発射球と反射球とのいずれであるかを識別する識別手段とを備えることを特徴とする。 【0007】 例えば、発射球の衝突時の衝撃力は反射球の衝突時の衝撃力よりも大きいので、圧電素子に発生する電気的出力のピーク値(の絶対値)は、発射球の方が反射球よりも大きくなる。このように、検出手段によって検出される電気的出力に基づいて逆流防止部材に衝突する遊技球が発射球と反射球とのいずれであるかを識別する識別手段を備えることによって、アウト玉数を容易にかつ正確にカウントすることができる。また、無作為に発生する反射球が発射球とは区別して検出されるので、反射球の検出を利用してそのときのみの特別な演出表示を実行したりすれば、遊技者の興趣を高めてパチンコ遊技機の稼働率を向上させることができる。 【0008】 なお、検出手段によって検出される電気的出力は、遊技球(発射球又は反射球)の衝突により圧電素子が弾性変形して発生する起電力、電流、電圧のいずれであってもよい。 【0009】 この場合、発射球と反射球との識別は、これらの電気的出力のピーク値(の絶対値)の大小の他に、電気的出力の正負(の出現順)によっても可能となる。すなわち、発射球が衝突したときと反射球が衝突したときとで、逆流防止部材は異なる向きに弾性変形するので、電気的出力は正負が逆となる(正負の出現順が逆になる)。 【0010】 具体的には、逆流防止部材は、発射球及び反射球の衝突により弾性変形する部位が一対の圧電素子素材を積層したバイモルフ形態の圧電素子によって形成されるとともに、そのバイモルフ形態の圧電素子を構成する一方の圧電素子素材の表面側に発射球が衝突し、他方の圧電素子素材の表面側に反射球が衝突するように配置され、識別手段は、検出手段によって検出される起電力の正負に基づいて逆流防止部材に衝突する遊技球が発射球と反射球とのいずれであるかを識別することが望ましい。このように、一対の圧電素子素材を並列接続することによって、変形(撓み)方向に対して圧電素子には互いに逆方向の起電力を発生するので、起電力の正負(の出現順)によって発射球と反射球との識別が一層容易になる。 【0011】 なお、圧電素子(圧電素子素材)に用いられる圧電材料は、圧電単結晶、圧電セラミックス、圧電性高分子のいずれでもよい。圧電単結晶には、水晶(SiO2)やニオブ酸リチウム(LiNbO3)が含まれ、圧電セラミックスには、チタン酸バリウム(BaTiO3)、チタン酸鉛(PbTiO3)、チタン酸ジルコン酸鉛(PbTiO3―PbZrO3;PZT)が含まれ、圧電性高分子には、ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)が含まれる。PVDFは、応力(歪)に対して発生する起電力が比較的大きく、柔軟性に富み、大面積化・薄膜化が容易であり、逆流防止部材として用いるのに適している。 【0012】 そして、所定条件の成立に伴って抽選処理を実行する主制御部と、 その抽選処理による抽選結果に基づいて演出表示を行う可変表示装置とを備え、 その可変表示装置において抽選結果に基づく演出表示を行っているときに、識別手段が逆流防止部材に衝突する遊技球を反射球と識別した場合、可変表示装置は、抽選結果が大当たりであることの期待度を示す演出表示を行うことができる。 【0013】 このように、無作為にかつたまに発生する反射球が検出されたときに、大当たりの期待度を演出表示することによって、遊技者に新たな興趣を付与し、稼働率を高めることができる。例えば、反射球が検出されたときにのみ特別なキャラクタを出現させたり数字を表示したりして、期待度を表示することによって、遊技に意外性を付与し興趣を高めることができる。 【0014】 また、識別手段が逆流防止部材に衝突する遊技球を発射球として継続的に識別しているとき、主制御部は、遊技場等を管理する外部管理装置へ遊技中であることを示す稼動情報を出力することができる。このように、逆流防止部材に圧電素子を用いることにより、アウト玉数(発射球カウント数)を容易にかつ正確にカウントすることができるので、そのカウントデータを稼動情報として主制御部から外部管理装置へ出力すれば、遊技場内の遊技機の稼動状況を常時監視することができ、各遊技機毎の打込玉数を容易に把握することができる。 【0015】 さらに、識別手段が逆流防止部材に衝突する遊技球を発射球として識別するとき、可変表示装置は遊技中表示を行うとともに、識別手段が発射球(逆流防止部材に衝突する遊技球)を所定時間識別しないとき、可変表示装置は遊技中表示を待機中表示に切り換えることができる。このように、発射球が所定時間検出されなくなると、可変表示装置が遊技中表示から待機中表示に切り換えられる。例えばリーチ演出中に遊技者が遊技球の発射を中断すると、待機表示画面に切り換わってしまう。そのため、遊技者は遊技球の発射を中断しなくなり、遊技機の稼働率が向上する。 【発明を実施するための最良の形態】 【0016】 (実施例) 以下、本発明の実施の形態につき図面に示す実施例を参照して説明する。図1は、本発明に係るパチンコ遊技機の一例を示す正面模式図、図2は要部の正面図及び側面図である。図1に示すパチンコ遊技機1は、台枠に取り付けられた透明のガラス扉2と、台枠の内側に配置されてガラス扉2によって覆われる遊技盤3を有する。遊技盤3の前面は、ほぼ左半周が内外2本の平行状の発射レール4,5によって区画され、全体としてほぼ円形状の遊技領域3aが形成されている。遊技盤3の下方には、玉供給皿9が設けられている。玉供給皿9に準備された玉(遊技球;遊技媒体)は、発射ハンドル8aを含んで構成される発射装置8によって遊技盤3の遊技領域3aに向けて発射される。遊技領域3aには釘3bが多数植設されているので、発射レール4,5間の玉通過可能な発射通路6を通じて遊技盤3の遊技領域3aに達した玉は、釘3bに弾かれながら遊技領域3aを落下する。なお、符号10aは玉を回収するための玉排出口、10bはファール玉を玉供給皿9に戻すためのファール玉戻り口を示す。 【0017】 図2に示すように、内側レール4の終端部には、断面矩形状の逆流防止部材7の基端部7aが遊技盤3に固定され、その先端部7bは発射通路6内に片持ち状に突出している。この逆流防止部材7の先端部7bは、外側レール5との相対間隔L(発射通路6の出口の間隔)が遊技球(発射球B1)の球径D以下になるように保持されている。発射装置8で打ち出された発射球B1が通過のために衝突すると、先端部7b側が弾性変形して相対間隔Lが球径D以上に広がる。しかし、発射球B1の通過後は弾性復帰して相対間隔Lが球径D以下に保持されている(図3参照)。これによって、釘3bで跳ね返されて遊技領域3aから発射通路6に戻ろうとして衝突する反射球B2(戻り球)の入球を阻止している。 【0018】 図1に戻り、遊技盤3の中央付近には液晶表示部44(可変表示装置)が配設されている。この液晶表示部44には、複数列の図柄(例えば、3桁のアラビア数字)を液晶表示して各種の表示演出を行うための図柄表示領域45が形成されている。 【0019】 液晶表示部44の下方には、開閉する一対の回動翼片12a,12aを有するスタートチャッカー12(始動入賞口)が配置されている。そのスタートチャッカー12の下方には、スタートチャッカー12への入賞に基づいて実行される大当たり抽選において大当たりしたときに開放するアタッカー13(大入賞口;可変入賞口)が設けられている。また、液晶表示部44の左方には、玉が通過したときスタートチャッカー12を所定の時間及び回数(例えば0.5秒間で1回)だけ開放するためのスルーチャッカー11(始動ゲート)が配置されている。さらに、スタートチャッカー12を挟んで左右には、入賞に基づいてスタートチャッカー12を所定の時間及び回数(例えば1.5秒間で2回)だけ開放するための第1入賞口15、第2入賞口16がそれぞれ配置されている。 【0020】 図2に示すように、逆流防止部材7の先端部7b側は、一対の圧電板71,72(圧電素子素材)を積層したバイモルフ形態の圧電素子70によって形成されている。これらの圧電板71,72は、同一材質の圧電セラミックス又は圧電性高分子で構成され、発射球B1が表面側に衝突する第1圧電板71と、反射球B2が表面側に衝突する第2圧電板72とが並列に接続されている。また、圧電素子70はリード線70aを介して、発射球B1(又は反射球B2)の衝突により圧電素子70に発生する起電力を検出するための検出装置80に接続されている(図3,図5参照)。 【0021】 次に、図3〜図5を用いて逆流防止部材7(圧電素子70)の作動と発生する起電力の検出・識別について説明する。図3(a)に示すように、遊技球(発射球B1及び反射球B2)が衝突していない初期状態では、圧電素子70の先端部は、外側レール5との相対間隔Lが遊技球の球径D以下になるように発射通路6内に片持ち状に突出・保持されている(図2参照)。このとき圧電素子70は変形(撓み)を生じていないので、勿論圧電素子70は起電力を発生せず、検出装置80は起電力を検出していない(図4(a)参照)。 【0022】 このような状態において、発射装置8で打ち出された発射球B1が第1圧電板71の表面側から衝突すると、図3(b)に示すように、圧電素子70の先端部が発射通路6を開く方向に弾性変形して相対間隔Lが球径D以上に広がる。圧電素子70がこのような変形(撓み)を生じることにより、検出装置80は、正の起電力を検出する(図4(b)参照)。具体的には、図5(a)に示すように、検出装置80は、高レベルの第1閾値+T1を超えるピーク値+P1を示す正の起電力が圧電素子70に発生したことを検出する。 【0023】 その後発射球B1が発射通路6から遊技領域3a(図1参照)に放出されると、図3(c)に示すように、圧電素子70の先端部は発射通路6を閉じる方向に弾性復帰して相対間隔Lが球径D以下に保持される。圧電素子70がこのような変形(撓み)を生じることにより、検出装置80は、負の起電力を検出する(図4(c)参照)。具体的には、図5(a)に示すように、検出装置80は、高レベルの第1閾値−T1を超えるピーク値−P1を示す負の起電力が圧電素子70に発生したことを検出する。 【0024】 検出装置80によって図5(a)の如く圧電素子70の起電力が検出された場合、圧電素子70に衝突する遊技球が発射球B1であると識別できる。具体的には、起電力のピーク値+P1(−P1)が第1閾値+T1(−T1)を超えていることによって、発射球B1が識別される。衝突時の衝撃力は発射球B1の方が反射球B2よりも大きいことが知られており、それに合わせて高レベルに設定された第1閾値+T1(−T1)よりもさらに高いピーク値+P1(−P1)を検出したことによって、発射球B1であると判断する。 【0025】 また、起電力の発生順が、正の起電力から負の起電力に転じたことによって、発射球B1が識別される。発射球B1の衝突時には圧電素子70の先端部が発射通路6を開く方向に弾性変形(このとき正の起電力発生)した後、発射通路6を閉じる方向に弾性復帰(このとき負の起電力発生)する。これに対し反射球B2の衝突時には、起電力の発生順はこれとは逆になるので、図5(a)のパターンでは発射球B1であると判断する。 【0026】 このように、「起電力のピーク値の大きさ」と「起電力の発生順」との少なくとも一方によって、圧電素子70に衝突する遊技球が発射球B1であると識別できる。なお、圧電素子70は、図4(b),(c)のような変形状態で停止しているときには起電力を発生しない。 【0027】 再び図3(a)のような初期状態において、釘3b等で跳ね返された反射球B2が第2圧電板72の表面側から衝突すると、図3(d)に示すように、圧電素子70の先端部が発射通路6を閉じる方向に弾性変形して相対間隔Lがさらに狭くなる。圧電素子70がこのような変形(撓み)を生じることにより、検出装置80は、負の起電力を検出する(図4(c)参照)。具体的には、図5(b)に示すように、検出装置80は、低レベルの第2閾値−T2を少し超える(ただし、第1閾値−T1を超えない)ピーク値−P2を示す負の起電力が圧電素子70に発生したことを検出する。 【0028】 その後反射球B2が圧電素子70から遊技領域3a(図1参照)側に戻されると、図3(e)に示すように、圧電素子70の先端部は発射通路6を開く方向に弾性復帰して相対間隔Lが少し大きくなる。圧電素子70がこのような変形(撓み)を生じることにより、検出装置80は、正の起電力を検出する(図4(b)参照)。具体的には、図5(b)に示すように、検出装置80は、低レベルの第2閾値+T2を少し超える(ただし、第1閾値+T1を超えない)ピーク値+P2を示す正の起電力が圧電素子70に発生したことを検出する。 【0029】 検出装置80によって図5(b)の如く圧電素子70の起電力が検出された場合、圧電素子70に衝突する遊技球が反射球B2であると識別できる。具体的には、起電力のピーク値−P2(+P2)が第1閾値−T1(+T1)を超えずに第2閾値−ST(+T2)を超えていることによって、反射球B2が識別される。衝突時の衝撃力は反射球B2の方が発射球B1よりも小さいことが知られており、それに合わせて低レベルに設定された第2閾値−T2(+T2)よりも少し高いピーク値−P2(+P2)を検出したことによって、反射球B2であると判断する。 【0030】 また、起電力の発生順が、負の起電力から正の起電力に転じたことによって、反射球B2が識別される。反射球B2の衝突時には圧電素子70の先端部が発射通路6を閉じる方向に弾性変形(このとき負の起電力発生)した後、発射通路6を閉じる方向に弾性復帰(このとき正の起電力発生)する。これに対し上記のように発射球B1の衝突時には、起電力の発生順はこれとは逆になるので、図5(b)のパターンでは反射球B2であると判断する。 【0031】 このように、「起電力のピーク値の大きさ」と「起電力の発生順」との少なくとも一方によって、圧電素子70に衝突する遊技球が反射球B2であると識別できる。 【0032】 図6は、パチンコ遊技機1の遊技制御装置20の構成を概略的に示すブロック図である。この遊技制御装置20は遊技盤3の背面側に配置される。図6に示すように、遊技制御装置20は、メイン基板21(主制御部;識別手段)、表示制御基板26(表示制御部;表示制御手段)、音声制御基板27(音声制御部)、ランプ制御基板28(ランプ制御部)、払出制御基板29(賞球制御部)、発射制御基板30(発射制御部)及び外部出力基板120(外部出力部)を含むものとして構成されている。各基板には個別にCPUやメモリを備える構成が一般的であるが、図6では省略されている。また、各基板には、電源回路34にて生成された所定電圧の電力がメイン基板21を介して供給されている。 【0033】 メイン基板21は、演算装置であるCPU22(当否抽選手段;大当たり発生手段)と、各種プログラム23a〜23d等(図7(a)参照)が予め記憶された読み取り専用記憶装置であるROM23と、読み書き可能な主記憶装置でありワークエリアとして使用されるRAM24と、入出力ポート25とを備えており、これらはバス(図示せず)を介して相互に接続されている。 【0034】 表示制御基板26は、メイン基板21より入力される表示制御信号に応じて、液晶表示部44に画像を表示させるための処理(制御)を実行する。音声制御基板27は、メイン基板21より入力される音声制御信号に応じてスピーカ40(アンプを含む;図1参照)より音声を出力させる。ランプ制御基板28は、メイン基板21より入力されるランプ制御信号に応じてランプ類41(図1参照)の点滅を制御する。払出制御基板29は、メイン基板21より入力される賞球信号に応じて払出装置42を制御する。これにより、遊技者(玉払出皿)に対して所定量の賞球が払い出される。発射制御基板30は、遊技者による発射ハンドル8aの操作に基づいて、メイン基板21より入力される発射信号に応じて発射装置8(図1参照)を作動させる。 【0035】 メイン基板21には、スルーチャッカー11に付設されたゲート通過検出器31、スタートチャッカー12に付設された始動入賞検出器32、アタッカー13に付設された大入賞検出器33からの玉検知信号がそれぞれ入力されている。同様に、メイン基板21には、第1入賞口15に付設された第1入賞検出器35、第2入賞口16に付設された第2入賞検出器36からの玉検知信号がそれぞれ入力されている。各検出器31,32,33,35,36は、有接点式または無接点式のセンサ(スイッチ)により構成することができる。また、メイン基板21には、検出装置80(検出手段)の起電力検出器81からの起電力検出信号も入力され、起電力検出器81によって検出される起電力に基づいて逆流防止部材7(圧電素子70)に衝突する遊技球が発射球B1と反射球B2とのいずれであるかを識別する識別手段を構成している。 【0036】 一方、始動入賞口として構成されているスタートチャッカー12の開閉は、メイン基板21からの出力信号により、チャッカー用ソレノイド37の励磁/非励磁が切り換えられることにより実現される。また、可変入賞口として構成されているアタッカー13の開閉は、メイン基板21からの出力信号により、アタッカー用ソレノイド38の励磁/非励磁が切り換えられることにより実現される。 【0037】 ここで、図1を用いて、パチンコ遊技機1における遊技の流れ(遊技盤3上での遊技状態の変化)について概要を説明する。玉がスルーチャッカー11に入球(ゲート通過)してゲート通過検出器31で検知されると、チャッカー用ソレノイド37の励磁により回動翼片12a,12aが所定の時間及び回数(例えば0.5秒間で1回)にわたり開口して、スタートチャッカー12に入賞し易くなる。また、玉が第1入賞口15又は第2入賞口16に入賞して第1入賞検出器35又は第2入賞検出器36で検知されると、チャッカー用ソレノイド37の励磁により回動翼片12a,12aが所定の時間及び回数(例えば1.5秒間で2回)にわたり開口して、スタートチャッカー12に入賞し易くなる。 【0038】 玉がスタートチャッカー12に入賞して始動入賞検出器32で検知されると、大当たり抽選テーブルを用いた大当たり抽選(内部抽選)が行われる。この大当たり抽選において大当たり判定がなされると、液晶表示部44において、各桁毎に所定時間にわたり特別図柄が変動表示された後、3桁の大当たり図柄(例えば「777」等のゾロ目)が図柄表示領域に確定表示(停止表示)され、「大当たり状態(特別遊技状態)」となる。 【0039】 そして、アタッカー用ソレノイド38の励磁によりアタッカー13が開放され、玉がきわめて入り易い状況をもたらす。アタッカー13の開放は、大入賞検出器33による所定数(例えば10個)の入賞検知又は所定時間(例えば25秒間)の経過を1ラウンドとして所定ラウンド回数(例えば最高15回)まで繰り返されるので、このような大当たり状態の間に遊技者は多数の賞球を得ることができる。 【0040】 図6において、CPU22は、スタートチャッカー12への始動入賞に応じて大当たりか外れかの大当たり抽選を実行する、当否抽選手段としての機能を有している。また、CPU22は、大当たり抽選の判定結果に応じて大当たりを発動する、大当たり発生手段としての機能を有している。そして、RAM24には、起電力検出器81が発射球B1を検出しない時間を計測するための非稼動タイマ24aと、起電力検出器81による発射球B1の検出球数をカウントするための稼動カウンタ24bが設けられている(図7(b)参照)。 【0041】 さらに、液晶表示部44は、当否抽選手段(CPU22)による大当たり抽選の抽選結果に基づいて各桁の図柄を所定時間にわたり変動表示した後停止表示することにより、大当たり図柄又は外れ図柄を確定表示する、可変表示手段としての機能を有している。 【0042】 次に、パチンコ遊技機の制御について、図8〜図10に示すフローチャートに従って説明する。図8〜図10のフローチャートは、図7(a)のROM23に格納されたプログラム23b〜23dにそれぞれ対応している。 【0043】 まず、図8の起電力検出処理を示すフローチャートでは、S1にて起電力検出器81が圧電素子70の起電力を検出したかを確認する。起電力を検出した場合(S1でYES)、S2にて検出したピーク値が第1閾値+T1(−T1)以上であるかを判定する。その結果、ピーク値が第1閾値+T1(−T1)以上であれば(S2でYES)、S3にて発射球B1と判定し、S4にて発射信号を出力してリターンる。 【0044】 一方、ピーク値が第1閾値+T1(−T1)未満であれば(S2でNO)、S5にてピーク値が第2閾値+T2(−T2)以上であるかを判定する。その結果、ピーク値が第2閾値+T2(−T2)以上であれば(S5でYES)、S6にて反射球B2と判定し、S7にて反射信号を出力してリターンする。なお、起電力検出器81が圧電素子70の起電力を検出していない場合(S1でNO)、及びピーク値が第2閾値+T2(−T2)未満の場合(S5でNO)には直ちにリターンする。 【0045】 次に、図9の稼動判定処理を示すフローチャートでは、S11にて発射信号が出力されたか否かを確認する。起電力検出処理(S4)において発射信号出力がなされていれば(S11でYES)、S12にて非稼動タイマ24aの作動をリセットし、S13にて稼動フラグがOFFであるか否かを確認する。稼動フラグがOFFの場合には(S13でYES)、発射信号出力がなされているのでS14にて稼動フラグをONとし、S15にて液晶表示部44に遊技中画面の表示出力を指示する。なお、稼動フラグがONの場合には(S13でNO)、既に遊技中画面の表示出力がなされているのでS16にスキップする。 【0046】 S11で発射信号が出力されている(すなわち稼動中)ので、S16にて稼動カウンタ24bをインクリメント(+1)し、S17にて稼動カウンタ24bが10に達したかをチェックする。いずれ稼動カウンタ24bは10(発射球B1が10個)に到達する(S17でYES)と、S18にて外部出力基板120を介して遊技場管理装置等の外部管理装置140に稼動信号を出力し、S19にて稼動カウンタ24bをリセットしてリターンする。なお、稼動カウンタ24bが10に達していない場合には(S17でNO)直ちにリターンする。 【0047】 このように、発射球B1の10個カウント毎にパチンコ遊技機1のメイン基板21から外部管理装置140へ稼動信号が送信される。したがって、外部管理装置140側では稼動信号をカウントするだけで、対応するパチンコ遊技機1のアウト玉数を正確に把握することができる。 【0048】 一方、発射信号が検知されない(出力されていない)場合には(S11でNO)、S20にて非稼動タイマ24aの作動時間が30秒を超えているか否かを確認する。非稼動タイマ24aの作動時間が30秒を超えていれば(S20でYES)、S21にて稼動フラグがONであるかをチェックする。稼動フラグがONの場合には(S21でYES)、発射信号出力がなされていないのでS22にて稼動フラグをOFFとしてから、S23にて液晶表示部44に待機画面の表示出力を指示する。なお、非稼動タイマ24aの作動時間が30秒以内であれば(S20でNO)、直ちにリターンして非稼動タイマ24aの作動を継続する。また、稼動フラグがOFFの場合には(S21でNO)、既に待機画面の表示出力がなされているので直ちにリターンする。 【0049】 さらに、図10のスーパーリーチ中の特別予告演出処理を示すフローチャートでは、S31にてスーパーリーチの演出中(変動中)であるかを確認する。スーパーリーチの演出中であれば(S31でYES)、S32にて図柄の確定表示までの残り時間が30秒以内か否かをチェックする。残り時間が30秒以内のとき(S32でYES)、S33にて反射信号を検知(すなわち起電力検出器81が反射球B2を検出し、S7にて反射信号を出力)したかを確認する。反射信号を検知している場合には(S33でYES)、S34にて液晶表示部44に特別予告を表示してリターンする。 【0050】 反射信号を検知していない場合には(S33でNO)、S35にて図柄の確定表示までの残り時間が10秒以内か否かをチェックする。残り時間が10秒以内のとき(S35でYES)には直ちにリターンし、残り時間が10秒超のとき(S35でNO)にはS33へ戻り、残り時間が10秒以内となるまでに反射信号が検知されるのを待つ。なお、スーパーリーチの演出中でない場合(S31でNO)、及び図柄の確定表示までの残り時間が30秒超の場合には直ちにリターンする。 【0051】 スーパーリーチでは一般に変動時間(演出表示時間)が長くなる傾向がある(1分間以上にも及ぶ場合がある)。そこで、この間に起電力検出器81によって反射球B2が検出された場合には、発射球B1の検出状態とは異なる特別な演出表示を実行することによって、遊技に意外性を付与することができる。この場合の特別な演出表示としては、期待度を数字で表わしたり、発射球B1の検出状態では登場しない特別なキャラクタを登場させたりすることによって期待度を表示すること等が考えられる。 【0052】 このように、逆流防止部材7に形成した圧電素子70の起電力を検出することによって、発射球B1を反射球B2とは区別して検出・カウントすることができる。これによって、パチンコ遊技機1の稼動状態の把握が容易になり、アウト玉数を正確にかつ容易に把握することができる。また、発射球B1とは区別して検出・カウントできる反射球B2が検出されたときには、その出現(検出)を契機として特別な演出表示等に利用することによって、遊技に意外性と興趣を付加することができる。 【0053】 なお、実施例では「起電力のピーク値の大きさ」によって発射球B1と反射球B2とを識別したが、「起電力の発生順(正負)」によって両者を識別してもよい。勿論、これら2つの方法を組み合わせて利用してもよい。また、実施例では圧電素子70の弾性変形により発生する起電力を検出するようにしたが、発生する起電力によって流れる電流や生じる電圧(電位)を検出するようにしてもよい。例えば、電流値の大きさや電流の流れる方向によって、発射球と反射球のいずれが逆流防止部材に衝突したのかを識別することができる。さらにこれらの検出結果は、稼動情報の提供や予告演出の表示以外の用途に用いてもよい。 【図面の簡単な説明】 【0054】 【図1】本発明に係るパチンコ遊技機の一例を示す正面模式図。 【図2】図1の要部の正面図及び側面図。 【図3】図2の逆流防止部材の作動説明図。 【図4】起電力の検出を示す説明図。 【図5】起電力の発生と識別を示す説明図。 【図6】図1のパチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図。 【図7】図6に示すメイン基板のROM及びRAMの概念図。 【図8】起電力検出処理を示すフローチャート。 【図9】図8に続いて稼動判定処理を示すフローチャート。 【図10】図9に続いてスーパーリーチ中の特別予告演出処理を示すフローチャート。 【符号の説明】 【0055】 1 パチンコ遊技機 3 遊技盤 3a 遊技領域 4 内側レール(発射レール) 5 外側レール(発射レール) 6 発射通路 7 逆流防止部材 7a 基端部 7b 先端部 8 発射装置 21 メイン基板(主制御部;識別手段) 26 表示制御基板(表示制御部) 44 液晶表示部(可変表示装置) 70 圧電素子 71 第1圧電板(圧電素子素材) 72 第2圧電板(圧電素子素材) 80 検出装置(検出手段) 120 外部出力基板(外部出力部) 140 外部管理装置
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000108937 【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
|
| 【出願日】 |
平成18年7月26日(2006.7.26) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100095751 【弁理士】 【氏名又は名称】菅原 正倫
|
| 【公開番号】 |
特開2008−29413(P2008−29413A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月14日(2008.2.14) |
| 【出願番号】 |
特願2006−203641(P2006−203641) |
|