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【発明の名称】 パチンコ遊技機の可変入賞装置
【発明者】 【氏名】草野 健康

【要約】 【課題】遊技領域と平行に開閉される開閉体が遊技領域を狭くしないようにする。

【構成】球取入口部7が遊技領域64から球を進入させない内部領域を囲む前仕切壁6の上部に設けられ、開閉体8が球取入口部7に設けられて開閉軸21を中心として遊技領域64と平行しつつ上下方向に開閉し、開閉体8が球取入口部7の左右方向の最大外径H1の範囲内で開くので、前仕切壁6の左右方向の最大外径H2が遊技領域64の左右方向の最大外径の例えば半分程度に大きく設定されても、開いた開閉体8が最大外径H2と遊技領域64の左右方向の最大外径との間の隙間を狭くすることがなく、最大外径H2と遊技領域64の左右方向の最大外径との間の隙間に遊技釘や風車あるいは入賞部品などの障害部材を配置して、球の流れに変化を多く与えられたり、球が入賞したり入賞しなかったりすることが多くなり、遊技性が向上する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技基盤の遊技領域に取り付けられる可変入賞装置であって、遊技領域から球を進入させない内部領域を囲む前仕切壁と、遊技領域から球を内部領域に進入させるために前仕切壁の上部に設けられた球取入口部と、球取入口部を遊技領域から球を取り込めないように閉鎖したり遊技領域から球を取り込めるように開放したりするために開閉軸を中心として遊技領域と平行しつつ上下方向に開閉するように球取入口部に設けられた開閉体とを備え、開閉体が前仕切壁の左右方向の最大外径の範囲内で開くことを特徴とするパチンコ遊技機の可変入賞装置。
【請求項2】
請求項1記載の開閉軸が閉じられた開閉体と前仕切壁とからなる環状の内周縁よりも内部領域の側に位置をずらして設けられたことを特徴とするパチンコ遊技機の可変入賞装置。
【請求項3】
請求項1記載の開いた開閉体から排出された球を取り込む入球検出口部、入球検出口部から排出された球を横方向に導出する球導出通路、球導出通路から排出された球を前仕切壁に沿って内部領域の中段に誘導する球誘導通路が通過する球を可変入賞装置の前側から見えるように形成されたことを特徴とするパチンコ遊技機の可変入賞装置。
【請求項4】
請求項1記載の開閉軸が開閉体の左右方向の幅における中央部の側に設けられたことを特徴とするパチンコ遊技機の可変入賞装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技領域と平行に開閉される開閉体が遊技領域を狭くしないようにするパチンコ遊技機の可変入賞装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技機の可変入賞装置には、次の構造が知られている。それは、遊技基盤の遊技領域から球を進入させない内部領域を囲む前仕切壁の左右部に球取入口部を設け、開閉体が球取入口部に設けられて開閉軸を中心として遊技領域と平行しつつ左右方向に開閉する。図7は、可変入賞装置75が遊技基盤63の遊技領域64に設けられた正面を示す。図7において、62は遊技盤、65は内ガイドレール、66は外ガイドレール、67は球発射通路である。可変入賞装置75は、遊技基盤63の遊技領域64に取り付けられる部品基盤76を備え、部品基盤76の前面に前仕切壁77を備え、前仕切壁77の左右部に球取入口部78を備え、球取入口部78に開閉体79を備える。前仕切壁77は、遊技領域64から球を進入させない内部領域80を囲む塀である。開閉体79は、実線および仮想線で示すように下部の開閉軸81を中心として、遊技領域64と平行しつつ左右方向に開閉する。そして、可変入賞装置75が遊技領域64を左右方向に広く占有する場合、例えば、遊技領域64の左右方向の最大内径H3が43センチメートル、前仕切壁77の左右方向の最大外径H4が20センチメートルに設定されるように、最大外径H4が最大内径H3の半分程度となるように大形に形成された場合において、開閉体79が実線で示す閉鎖状態から仮想線で示す開放状態になると、開いた開閉体79の開放側端部と内ガイドレール65との間の隙間H5が狭くなる。このように、開閉体79の開閉範囲内や隙間H5に遊技釘などの障害部材を設けることが困難となり、球発射通路67から遊技領域64に発射された球が遊技領域64の上部から自重落下する場合、自重落下する球のほとんどが遊技領域64から開いた開閉体79および球取入口部78を経由して前仕切壁77で囲まれた内部領域に取り込まれ、球の流れに変化を与えることが少なく、球が入賞したり入賞しなかったりすることが少なくなり、遊技性に欠けるという欠点がある。
【特許文献1】特開平4−279187号公報
【特許文献2】特開平5−184716号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
発明が解決しようとする問題点は、前仕切壁の最大外径の大形化に伴い、開いた開閉体が遊技領域を狭くし、遊技性に欠けるという点である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係るパチンコ遊技機の可変入賞装置は、遊技基盤の遊技領域に取り付けられる可変入賞装置であって、遊技領域から球を進入させない内部領域を囲む前仕切壁と、遊技領域から球を内部領域に進入させるために前仕切壁の上部に設けられた球取入口部と、球取入口部を遊技領域から球を取り込めないように閉鎖したり遊技領域から球を取り込めるように開放したりするために開閉軸を中心として遊技領域と平行しつつ上下方向に開閉するように球取入口部に設けられた開閉体とを備え、開閉体が前仕切壁の左右方向の最大外径の範囲内で開くことを最も主要な特徴とする。開閉軸が閉じられた開閉体と前仕切壁とからなる環状の内周縁よりも内部領域の側に位置をずらして設けられたり、または、開いた開閉体から排出された球を取り込む入球検出口部、入球検出口部から排出された球を横方向に導出する球導出通路、球導出通路から排出された球を前仕切壁に沿って内部領域の中段に誘導する球誘導通路が通過する球を可変入賞装置の前側から見えるように形成されたり、または、開閉軸が開閉体の左右方向の幅における中央部の側に設けられたりしてもよい。
【発明の効果】
【0005】
本発明に係るパチンコ遊技機の可変入賞装置は、球取入口部が遊技領域から球を進入させない内部領域を囲む前仕切壁の上部に設けられ、開閉体が開閉軸を中心として遊技領域と平行しつつ上下方向に開閉するように球取入口部に設けられ、開閉体が前仕切壁の左右方向の最大外径の範囲内で開くので、前仕切壁の左右方向の最大外径が遊技領域の左右方向の最大外径の半分程度に大きく設定されても、開いた開閉体が前仕切壁の左右方向の最大外径と遊技領域の左右方向の最大外径との間の隙間を狭くすることがなく、前仕切壁の左右方向の最大外径と遊技領域の左右方向の最大外径との間の隙間に遊技釘や風車あるいは入賞部品などの障害部材を配置して、球の流れに変化を多く与えられたり、球が入賞したり入賞しなかったりすることが多くなり、遊技性を向上することができるという利点がある。開閉軸が閉じられた開閉体と前仕切壁とからなる環状の内周縁よりも内部領域の側に位置をずらして設けられれば、開閉体が開いた場合において、開閉体の開放側端部が前仕切壁よりも上方に突出する距離は、開閉軸が開閉体の裏側に位置するように設けられた場合よりも少なくなり、遊技釘などの障害部材が開閉体の開閉に支障を来たすことのない範囲で可変入賞装置の近くに位置するように遊技基盤に設けられるという利点がある。開いた開閉体から排出された球を取り込む入球検出口部、入球検出口部から排出された球を横方向に導出する球導出通路、球導出通路から排出された球を前仕切壁に沿って内部領域の中段に誘導する球誘導通路が通過する球を可変入賞装置の前側から見えるように形成されれば、遊技領域から、開いた開閉体、球取入口部、入球検出部、球導出通路、球誘導通路を順に経由して内部領域の中段に到達するまでの球を、可変入賞装置の前側から遊技者に見せることができるという利点がある。開閉軸が開閉体の左右方向の幅における中央部の側に設けられれば、開閉体が開いた場合において、開閉体の開放側端部が前仕切壁よりも上方に突出する距離は、開閉軸が開閉体の右側端部の側に設けられた場合よりも少なくなり、遊技釘などの障害部材が開閉体の開閉に支障を来たすことのない範囲で可変入賞装置の近くに位置するように遊技基盤に設けられるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1乃至図5は、発明を実施するための最良の形態である。図1は、パチンコ遊技機の可変入賞装置1の正面を示す。図2は、開閉駆動機構26を模式的に示す。図3のa図は、開かれた開閉体8の作用を示す。図3のb図は、開閉体8の周りを縦方向に切断して示す。図4は、可変入賞装置1の上部を分解して示す。図5は、パチンコ遊技機の正面を示す。本明細書において、「前」、「表」、「後」、「裏」、「左」、「右」、「上」、「下」の方向は、図5の状態に遊技機枠51および遊技盤62を置いて図5の紙面の前側から見た場合に特定される方向である。「前」および「表」は、同じ方向である。「後」および「裏」は、同じ方向である。
【0007】
図1を参照し、可変入賞装置1の構造について説明する。可変入賞装置1は、部品基盤2、前開口部3、取付孔4、前隔壁5、前仕切壁6、球取入口部7、開閉体8、入球検出部9、球導出通路10、球誘導通路11、上球振分体12、球停留体13、停留台14、下球振分体15、可動入賞口部16、上化粧体17、下化粧体18、ステージ19、ステージ入口20を備える。部品基盤2は、遊技基盤63に前側から取り付けられる板状であって、光遮蔽性の有る有色な合成樹脂により構成される。前開口部3は、部品基盤2の中央部に前後方向への貫通孔として設けられる(図4参照)。取付孔4は、遊技基盤63に部品基盤2を固定する止ねじを挿入するものであって、部品基盤2の周縁部に前後方向への貫通孔として設けられる。前隔壁5は、前開口部3を塞ぐ板状であって、光透過性の有る無色な合成樹脂により構成され、部品基盤2に固定される。前仕切壁6は、遊技基盤63の遊技領域64から球を進入させない内部領域を囲むものであって、部品基盤2の前面および前隔壁5の前面から前側に突出し、前開口部3の周縁部に沿って、前隔壁5の前面を囲む前面視環状の塀を構成する。球取入口部7は、遊技領域64から球を内部領域に進入させるために、前仕切壁6の上部が除去された部分として、前仕切壁6の上部に設けられる。
【0008】
開閉体8は、左右一対として、球取入口部7に設けられる。開閉体8が開閉軸21を中心として実線で示すように球取入口部7を閉鎖するように閉じられた場合、開閉体8は前仕切壁6に連なる環状を形成し、球取入口部7が球を開閉体8および前仕切壁6の外側から前仕切壁6の内側における前隔壁5の前面の側に取り込めないようになる。つまり、開閉体8が閉じられた場合において、開閉体8および前仕切壁6で囲まれた前隔壁5の前面が遊技基盤63の遊技領域64から球を進入させない内部領域となる。開閉体8が開閉軸21を中心として仮想線で示すように球取入口部7を開放するように開かれた場合、開閉体8は球取入口部7の左右方向の最大寸法H1の範囲内に位置し、球取入口部7が球を開閉体8および前仕切壁6の外側から前仕切壁6の内側における前隔壁5の前面の側に取り込めるようになる。
【0009】
遊技領域64から球を進入させない内部領域を囲む前仕切壁6の上部に球取入口部7を設け、開閉体8が開閉軸21を中心として遊技領域64と平行しつつ上下方向に開閉するように球取入口部7に設けられ、開閉体8が球取入口部7の左右方向の最大寸法H1の範囲内で開くので、前仕切壁6の左右方向の最大外径H2が遊技領域64の左右方向の最大内径H3(図7参照)の例えば半分程度に大きく設定されても、開いた開閉体8が最大外径H2と最大内径H3との間の隙間を狭くすることがなく、最大外径H2と最大内径H3との間の隙間に遊技釘や風車あるいは入賞部品などの障害部材を配置して、球の流れに変化を多く与えられたり、球が入賞したり入賞しなかったりすること(球が入賞するか否かの偶然性)が多くなり、遊技性を向上することができる。
【0010】
開閉軸21を閉じられた開閉体8と前仕切壁6とからなる環状の内周縁よりも内部領域の側に位置をずらして設けたので、開閉体8が開いた場合において、開閉体8の開放側端部22が可変入賞装置1よりも上方に突出する距離は、開閉軸21に相当する仮想軸L1が開閉体8の裏側に位置するように設けられた場合に比べ、少なくなる。よって、遊技釘などの障害部材が、開閉体8の開閉に支障を来たすことのない範囲で、可変入賞装置1の近くに位置するように、遊技基盤63に設けられるという利点がある。
【0011】
入球検出部9は、開放した開閉体8から排出された球を取り込み、取り込んだ球を前隔壁5の裏側に排出するものであって、球取入口部7よりも下部で、球取入口部7の真下に位置し、前隔壁5から前側に突出して、前隔壁5に設けられ、入球検出器23を備える。入球検出器23は、前隔壁5の裏側から入球検出部9の内部に設けられ、入球検出部9を通過する球を検出して球検出信号を出力する。球導出通路10は、入球検出部9から前隔壁5の裏側に排出された球を、前隔壁5の裏面に沿って球誘導通路11に誘導する。球導出通路10の前面は、前隔壁5の裏面で形成される。球導出通路10の裏面は、前隔壁5の裏側に前隔壁5と平行に配置された上化粧体17の前面で形成される。球導出通路10の底面は、前隔壁5の裏面と上化粧体の前面とに連接された横板の上面で形成され、入球検出部9の球出口から球誘導通路11の側に下り勾配となる斜面として構成される。
【0012】
球誘導通路11は、前隔壁5の裏側において、球導出通路10から排出された球を、前仕切壁6の裏側に沿って下方に誘導して上球振分体12の上に排出する。球誘導通路11の左面と右面および裏面は、前隔壁5の裏面に取り付けられた光透過性の有る無色な合成樹脂からなる通路構造体で形成される。球誘導通路11の前面は、前隔壁5の裏面で形成される。通路構造体の裏側には表示灯基板が配置される。表示灯基板の前面にはLEDなどの表示灯が実装される。前仕切壁6の前部には、凸レンズが設けられる。よって、表示灯が点灯して球誘導通路11と球誘導通路11を通過する球および凸レンズを照明し、凸レンズが球誘導通路11を通過する球を拡大して可変入賞装置1の前側から見えるようにする。
【0013】
球導出通路10の前面および球誘導通路11の前面が光透過性の有る無色な合成樹脂からなる前隔壁5の裏面で形成されたので、開閉体8の前誘導面40(図3のb図参照)と入球検出部9および前仕切壁6における球誘導通路11と対応する部分が可変入賞装置1の前側からそれらの裏側まで見えるように例えば光透過性の有る素材で形成されたりまたは貫通孔を有するようにすれば、遊技領域64から、開いた開閉体8、球取入口部7、入球検出部9、球導出通路10、球誘導通路11を順に経由して上球振分体12の上に到達するまでの球を、可変入賞装置1の前側から遊技者に見せることができるという利点がある。
【0014】
上球振分体12は、前仕切壁6で囲まれた内部領域の上下方向の中段に位置するように前隔壁5の裏側に配置された板状であって、下化粧体18やステージ19の裏側に設けられた図外の振分駆動機構によって、左右前部を中心として、上下動することによって、球誘導通路11から排出された球を左右に振り分ける。球停留体13は、上球振分体12と下球振分体15との間に位置するように前隔壁5の裏側に配置され、下化粧体18やステージ19の裏側に設けられた図外の停留駆動機構によって、左右下部を中心として、前側に垂直状に起立したり後側に水平状に倒伏したりする。球停留体13が図示のように起立した場合、球停留体13が上球振分体12の前落下口24から落下した球を停留台14の上に停留するように受け止める。球停留体13が倒伏した場合、停留台14の上に停留した球が球停留体13の上を通過して下球振分体15の上に排出される。停留台14は、球停留体13と前隔壁5との間に配置される。
【0015】
下球振分体15は、静止した状態で前隔壁5の裏側に配置され、前側から後側への下り勾配の斜面を構成し、球停留体13から排出された球を前側から後側に流下させる過程で左右に振り分ける。可動入賞口部16は、前隔壁5の裏側に配置され、下化粧体18やステージ19の裏側に配置された図外の入賞駆動機構によって、左右に往復移動する。そして、上球振分体12から後側または下球振分体15から後側に排出された球は、可動入賞口部16または図外の外れ口部のいずれかに取り込まれる。外れ口部は、上方に開口した凹部を備え、凹部内を可動入賞口部16が左右に往復移動するので、可動入賞口部16に入らない球が外れ口部に入る。可動入賞口部16に入った球は、可動入賞口部16に対応して設けられた図外の入賞球検出器で検出された後に下方に排出される。外れ口部に入った球は、外れ口部に対応して設けられた図外の外れ球検出器で検出された後に下方に排出される。
【0016】
可変入賞装置1の前側から上化粧体17と下化粧体18との間を通して可変入賞装置1の裏側まで視認可能であるので、上化粧体17と下化粧体18との間の裏側を光遮蔽性の有る部材で目隠ししないで、上化粧体17と下化粧体18との間の裏側に液晶表示器などからなる画像表示器の表示画面を配置すれば、上球振分体12、球停留体13、停留台14、下球振分体15、可動入賞口部16のそれぞれに関わる球と、画像表示器の表示画面で表示される演出表示画像との双方を、可変入賞装置1の前側から遊技者に見せることができるという利点がある。
【0017】
下化粧体18は、可変入賞装置1の前側から下球振分体15よりも下部が見えないように目隠しする有色な合成樹脂により構成され、前隔壁5の前側に設けられる。ステージ19は、部品基盤2の前面から後側に窪むように有色な合成樹脂により構成され、部品基盤2の前面にだけ開口した空間であって、遊技領域64からステージ入口20を経由して取り込まれた球を、左右に自在に躍らせた後、中央の凹部から下方の遊技領域64に落下させる。ステージ入口20は、遊技領域64から前仕切壁6の側に進行した球を斜め上方から下方に取り込んだ後、前側から後側に誘導してステージ19の右または左の側部に排出する。
【0018】
図2を参照し、可変入賞装置1では、開閉体8および開閉駆動機構26が左右に1組ずつ設けられるが、可変入賞装置1を前側から見た場合の右側の1組を例とし、開閉体8を開閉する開閉駆動機構26の構造について説明する。開閉駆動機構26は、開閉軸21、電磁ソレノイド27、ばね28、連結体29、駆動レバー30を備える。開閉軸21、電磁ソレノイド27、ばね28、連結体29、駆動レバー30は、部品基盤2の裏側に設けられるので、点線で示すべきところ、図を明確にする趣旨で、実線で示す。電磁ソレノイド27の可動鉄心31が上下方向に可動するように、電磁ソレノイド27が部品基盤2の裏面に配置された機構取付盤42(図4参照)の裏面に固定される。ばね28は、ばね力を可動鉄心31に下向きに与える。連結体29には、横長な連結孔32が、前後方向への貫通孔として設けられる。
【0019】
駆動レバー30は、互いに交差する2つのアーム33;34を備える。2つのアーム33;34が互いに交差する部分には、開閉軸21が設けられる。開閉軸21は機構取付盤42に支持される。アーム33の先端部には、連結棒35が設けられる。連結棒35は、連結孔32に嵌め込まれる。アーム34の先端部には、支持棒36が固定される。支持棒36には、開閉体8の中央部が固定される。支持棒36におけるアーム34と開閉体8との間に位置する部分が、前隔壁5に設けられた逃避孔37を前後方向に貫通する。
【0020】
開閉体8を開閉する動作について説明する。電力が電磁ソレノイド27の励磁コイルに供給されていない場合、可動鉄心31の下端部がばね28のばね力によって励磁コイルより離れるように下方に突出し、連結体29が駆動レバー30のアーム33の先端部を押し下げ、アーム33の先端部が開閉軸21を中心として下方に回転し、アーム34の先端部が開閉軸21を中心として上方に回転する。つまり、開閉体8が実線で示すように開閉軸21を中心として球取入口部7を閉鎖する。
【0021】
電力が電磁ソレノイド27の励磁コイルに供給されている場合、電磁ソレノイド27の固定鉄心がばね28のばね力に抗して可動鉄心31の上端部を磁力で上方に吸引し、可動鉄心31の下端部が励磁コイルに近づくように上方に移動し、連結体29が駆動レバー30のアーム33の先端部を持ち上げ、アーム33の先端部が開閉軸21を中心として上方に回転し、アーム34の先端部が開閉軸21を中心として下方に回転する。つまり、開閉体8が仮想線で示すように開閉軸21を中心として球取入口部7を開放する。
【0022】
開閉軸21が開閉体8の右側端部の側に設けられてもよいが、開閉軸21が開閉体8の左右方向の幅における中央部の側に設けられたので、開閉体8が開いた場合において、開閉体8の開放側端部22が可変入賞装置1よりも上方に突出する距離は、開閉軸21が開閉体8の右側端部の側に設けられた場合に比べ、少なくなる。よって、遊技釘などの障害部材が、開閉体8の開閉に支障を来たすことのない範囲で、可変入賞装置1の近くに位置するように、遊技基盤63に設けられるという利点がある。開閉体8が左側の場合は、開閉体8の右側端部を左側端部と読み替えれば、同様に適用できることは理解できるであろう。
【0023】
図3のa図およびb図を参照し、可変入賞装置1を前側から見た場合の右側の1組を例とし、球Pが可変入賞装置1の上方から開放した開閉体8を経由して入球検出部9に導かれる構造について説明する。図3のa図に示すように、開閉体8の支持棒36よりも開放側端部22の側には、球導入通路38が設けられる。図3のb図に示すように、球導入通路38は、縦誘導面39および前誘導面40を備える。縦誘導面39は、部品基盤2に直交する方向の面であって、開閉体8が図3のa図に示すように開放した場合、球Pを矢印Xで示すように上から下に行くにしたがって弧状の経路で入球検出部9の側に誘導する主面として構成される。前誘導面40は、部品基盤2に平行する方向の面であって、前仕切壁6に連なる主面として構成される。前誘導面40と部品基盤2の前面との間には、1個の球Pを収容し得る隙間が形成される。縦誘導面39および前誘導面40が互いに直交する。そして、図3のa図において、開閉体8が開放状態になり、球Pが上方から球導入通路38に取り込まれると、球導入通路38は当該球Pを入球検出部9の上方に向けて排出する。戻し壁41は、前隔壁5から前側に突出し、開閉体8の側から入球検出部9を越えた球を入球検出部9の側に戻す斜面を構成する。
【0024】
図4を参照し、可変入賞装置1における上部の構造について説明する。部品基盤2の裏側には、機構取付盤42が、部品基盤2と平行に離れて配置され、部品基盤2に取り付けられる。機構取付盤42の裏側には、ソレノイド取付盤43が、機構取付盤42と平行に離れて配置され、機構取付盤42に取り付けられる。ソレノイド取付盤43の前面には、電磁ソレノイド27の励磁コイルを内包するケースが取り付けられる。部品基盤2の前面には、開放ストッパ44および閉鎖ストッパ45が設けられる。開放ストッパ44は、逃避孔37よりも下部の位置から前側に突出した突起として構成される。閉鎖ストッパ45は、開閉体8が開放状態から閉鎖状態に閉じた場合、開閉体8の開放側端部22を受け止め、遊技領域64を流下する球が開閉体8の開放側端部22を直撃しないように、開閉体8の開放側端部22を保護する(図1参照)。
【0025】
支持棒36における逃避孔37を経由して部品基盤2よりも前側に突出した前部には、抜止体46および回転阻止部47が設けられる。抜止体46は、支持棒36に固定され、支持棒36の前部が部品基盤2の側に移動した場合に、抜止体46が部品基盤2における逃避孔37の周りに接触し、それ以上、支持棒36の前部が部品基盤2の側に移動しないように、抜止体46が作用する。回転阻止部47は、支持棒36の周縁部の一部を平坦に除去し、支持棒36の軸心と直交する方向の断面が半月形状の異形に形成される。
【0026】
開閉体8の裏部には、棒取付部48および開放ストッパ49が設けられる。棒取付部48には、棒取付孔およびねじ取付孔が設けられる。棒取付孔は、棒取付部48の裏面から内部に、棒取付部48の軸心と直交する方向の断面が半月形状の異形として形成される。ねじ取付孔は、棒取付部48の外周面と棒取付孔とへの貫通孔の内面に雌ねじの形成されたねじ孔として、棒取付部48の径方向に形成される。開放ストッパ49は、棒取付部48よりも下部の位置において、開閉体8の裏面から内部への窪みとして構成される。
【0027】
そして、開閉体8の裏部が部品基盤2の前面の側に向けられ、開放ストッパ44;49が相互に嵌め合わされ、棒取付孔が支持棒36の前側から回転阻止部47に嵌め込まれた後、図外の止ねじが棒取付部48の径方向外側からねじ取付孔に装着され、止ねじが回転阻止部47に接触することによって、開閉体8が支持棒36の前部に固定される。そして、開閉体8が開放された場合、開放ストッパ44;49が互いに接触するかまたは接触する程度に近づく。開閉体8が閉鎖された場合、開放ストッパ44;49が互いに最も離れる。
【0028】
図5を参照し、パチンコ遊技機の構造について説明する。パチンコ遊技機は、遊技機枠51の内部に遊技盤62を交換可能に格納した形態である。遊技機枠51は、固定枠52の前側に可動枠53を開閉可能に備え、可動枠53の前側に前扉54および皿構造体55を開閉可能に備える。固定枠52は、遊技機設置構造体に取り付けるための外枠とも呼ばれる。遊技機設置構造体は、遊技店のパチンコ遊技機を設置する島とも呼ばれる設備である。可動枠53は、左側に位置するヒンジ56を中心とし、固定枠52の前側で前側に開かれかつ後側に閉じられるように、片開き可能であって、遊技盤62、球発射機構57、図外の球払出機構、図外の払出制御装置、図外の発射制御装置など遊技に必要な部品を取り付ける前枠とも呼ばれる。球払出機構、払出制御装置、発射制御装置は、可動枠53の裏部に設けられる。前扉54および皿構造体55は、個別に、左側に位置する図外のヒンジを中心とし、可動枠53の前側で前側に開かれかつ後側に閉じられるように、片開き可能である。前扉54は、パネル枠とも呼ばれ、前後方向に貫通する窓58を備える。窓58は、前面パネル59で塞がれる。前面パネル59は、前扉54の裏面に設けられた光透過性の有る無色なガラスのような板状の部材により構成される。皿構造体55の前面には、球受皿60および球発射操作機構61が設けられる。
【0029】
遊技盤62は、遊技基盤63に、多種多様な遊技部品を備える。遊技基盤63の前面には、遊技領域64が設けられる。遊技領域64は、遊技盤62の前面の内ガイドレール65および外ガイドレール66で囲まれた内側の部分である。遊技領域64の左側には、球発射通路67が接続される。球発射通路67は、内ガイドレール65の左側部と外ガイドレール66の左側部との間の隙間によって形成される。遊技領域64には、アウト口68、球戻り防止弁69、球反発体70、始動部品71、可変入賞装置1、図外の入賞部品、図外の遊技釘などが設けられる。内ガイドレール65、外ガイドレール66、アウト口68、球戻り防止弁69、球反発体70、始動部品71、可変入賞装置1、風車72、図柄表示器73、図外の入賞部品、図外の遊技釘、図外の演出表示器などは、遊技基盤63の前側に設けられる多種多様な遊技部品を構成する。遊技基盤63の裏部には、図外の主制御装置、図外の演出制御装置が設けられる。
【0030】
遊技盤62が遊技機枠51に格納された場合、遊技領域64は、遊技機枠51の前側から窓58および前面パネル59を経由して視認される。その状態において、遊技者が球受皿60にパチンコ球と呼ばれる球を入れ、遊技者が球発射操作機構61を右回りに操作すると、球発射機構57が球発射操作機構61の操作量に応じた発射力で駆動し、球発射機構57が球受皿60から遊技機枠51の内部に取り込まれた球を1個ずつ球発射通路67に向けて発射する。球発射通路67に発射された球は、球戻り防止弁69を押し開けて遊技領域64に到達する。遊技領域64に到達した球は、遊技領域64を流下する過程において、遊技部品に衝突して、流れる方向を変えながら、始動部品71、可変入賞装置1、図外の入賞部品のいずれかに入って遊技盤62の裏側に排出される。始動部品71、可変入賞装置1、図外の入賞部品のいずれにも入らないで、遊技領域64の最下部に到達した球は、アウト口68から遊技盤62の裏側に排出される。球が始動部品71、可変入賞装置1、図外の入賞部品のいずれかに入ると、図外の球払出機構が賞球としての球を遊技者に与えるように球受皿60に払い出す。
【0031】
パチンコ遊技の一例について説明する。遊技領域64を流下する球が始動部品71に入賞し、始動部品71に入賞した球を検出した入賞球検出器が入賞信号を主制御装置に出力すると、主制御装置に内蔵されたコンピュータが内部抽選処理および図柄表示器73に主図柄の変動表示を開始させる。内部抽選処理の結果としては、例えば、大当たりまたは小当たりのいずれかが選択される。大当たりの場合、主図柄の変動表示を開始から所定時間後に、主制御装置のコンピュータが図柄表示器73に主図柄の変動停止を行い、図柄表示器73が大当たり図柄として定められた主図柄を停止表示する。引き続き、主制御装置のコンピュータが大当たり遊技として主制御装置のコンピュータのプログラムに定められたラウンド遊技を処理するように電磁ソレノイド27(図2参照)を制御し、可変入賞装置1の開閉体8が開閉をラウンド遊技の範囲で繰り返す。
【0032】
小当たりの場合、主図柄の変動表示を開始から所定時間後に、主制御装置のコンピュータが図柄表示器73に主図柄の変動停止を行い、図柄表示器73が小当たり図柄として定められた主図柄を停止表示する。引き続き、主制御装置のコンピュータが小当たり遊技として主制御装置のコンピュータのプログラムに定められた範囲で電磁ソレノイド27(図2参照)を制御し、可変入賞装置1の開閉体8が開閉を1回または数回行う。この小当たり遊技中における開閉体8の開放中において、球が遊技領域64から開いた開閉体8、球取入口部7、入球検出部9、球導出通路10、球誘導通路11、上球振分体12または球停留体13、停留台14、下球振分体15を順に経由して可動入賞口部16に入賞し、可動入賞口部16に対応して設けられた入賞球検出器が入賞信号を主制御装置に出力すると、主制御装置のコンピュータがラウンド遊技を処理するように電磁ソレノイド27(図2参照)を制御し、可変入賞装置1の開閉体8が開閉をラウンド遊技の範囲で繰り返す。
【0033】
主制御装置は、入球検出器23からの球検出信号と、外れ球検出器からの球検出信号と可動入賞口部16に対応して設けられた入賞球検出器からの入賞信号とによって、可変入賞装置1への球の入りと出とを監視する。
【産業上の利用可能性】
【0034】
図1において、開閉体8が開閉軸21を中心として仮想線で示すように球取入口部7を開放するように開かれた場合、開閉体8が球取入口部7の左右方向の間口である最大寸法H1の範囲以上で前仕切壁6の左右方向の最大外径H2の範囲内に位置してもよく、このように開いた開閉体8が最大寸法H1から最大外径H2までの範囲に位置すれば、開閉体8が最大寸法H1の範囲内で開かれた場合よりも、球取入口部7が球を開閉体8および前仕切壁6の外側から前仕切壁6の内側における前隔壁5の前面の側に取り込み易くなる。開閉体8は1つでもよい。左右一対の開閉体8を1つの電磁ソレノイド27(図4参照)で開閉してもよい。
【0035】
図6を参照し、異なる形態に係る開閉体8を開閉軸21に結合する構造について説明する。開閉軸21が前隔壁5の裏側から前隔壁5を回転可能に貫通して前隔壁5の前側に突出するように延長され、軸取付部74が開閉体8から開閉軸21の側に設けられ、開閉軸21の前隔壁5よりも前側に突出した部分が軸取付部74に固定される。そして、図2において、開閉軸21の前隔壁5よりも裏側の部分にはアーム33が固定され、連結棒35が連結孔32に挿入される。これによって、電磁ソレノイド27の可動鉄心31が上下動するのに伴い、開閉体8が実線および仮想線で示すように開閉軸21を中心として開閉する。この異なる形態では、図2におけるアーム34、支持棒36、逃避孔37が不要となり、構造が簡単になるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】可変入賞装置の正面図(最良の形態)。
【図2】開閉駆動機構の模式図(最良の形態)。
【図3】a図は開かれた開閉体の正面図、b図は開閉体の縦断面図(最良の形態)。
【図4】可変入賞装置の上部の分解斜視図(最良の形態)。
【図5】パチンコ遊技機の正面図(最良の形態)。
【図6】可変入賞装置の正面図(異なる形態)。
【図7】遊技盤の正面図(従来)。
【符号の説明】
【0037】
1 可変入賞装置、5 前隔壁(内部領域)、6 前仕切壁、7 球取入口部、
8 開閉体、9 入球検出部、10 球導出通路、11 球誘導通路、
12 上球振分体、21 開閉軸。
【出願人】 【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
【出願日】 平成18年6月28日(2006.6.28)
【代理人】 【識別番号】100080296
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 純一


【公開番号】 特開2008−5978(P2008−5978A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−178133(P2006−178133)