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【発明の名称】 遊技機
【発明者】 【氏名】久保 慶太

【要約】 【課題】前枠扉の開放時における球導出樋部からの球こぼれを防止し得る遊技機を提供する。

【構成】連通領域46の側方に退避領域47を下方傾斜状態で連成した球導出樋部40に回動可能な開閉部材53を設けるとともに、前枠扉6の開放時に、該開閉部材53を回動させて退避領域47の上流域を開放する位置に位置決めるように付勢する付勢手段と、前枠扉6の閉鎖時に、該付勢手段の付勢力に抗して開閉部材53を復帰回動させて退避領域47の上流域を閉鎖する位置に位置決める復帰作動部材58とを備えた構成とした。これにより、前枠扉6の開放時に連通領域46内の遊技球が退避領域47に流入するので、前枠扉6の開放時における球導出樋部40からの球こぼれが確実に防止され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面に球送出口が開口され、内蔵する払出装置から払い出された遊技球を前記球送出口から前方に送出する本体枠と、
該本体枠の前面に一側縁が枢結されて開閉可能に設けられ、その閉鎖状態で前記球送出口の下部前方に臨む位置に球導出口が開口された前枠扉と、
該前枠扉の前面側に配設されて前記球導出口から導出された遊技球を貯留する上受皿と、
前記前枠扉の裏面に固定され、前記前枠扉の閉鎖状態で前記球送出口と前記球導出口とを連通させて、遊技球を前記上受皿に導出する球導出樋部と
を備えた遊技機において、
前記球導出樋部が、前記球送出口と前記球導出口とを連通させる連通領域と、該連通領域の側方に下方傾斜状態で連成された、遊技球が流入可能な退避領域とからなり、該退避領域の下流端に退避球流出口が形成され、前記前枠扉に該退避球流出口と連通して前記退避領域から流出する遊技球を前記上受皿に導出する退避球導出口が形成される一方、
前記前枠扉の開放時に前記連通領域内の少なくとも一部の遊技球を前記退避領域に流入させ、且つ前記前枠扉の閉鎖時に退避領域への遊技球の流入を遮断する遊技球遮断手段を備えていることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記遊技球遮断手段が、
前記球導出樋部に軸支されて回動可能に設けられ、前記退避領域の上流域で、遊技球の流下を遮断する閉鎖位置と、遊技球の流下を許容する開放位置とに選択的に位置決められる開閉部材と、
前記前枠扉の開放時に、該開閉部材を回動させて前記開放位置に位置決めるように付勢する付勢手段と、
前記前枠扉の閉鎖時に、該付勢手段の付勢力に抗して前記開閉部材を復帰回動させて前記閉鎖位置に位置決める復帰作動部材と
からなることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記遊技球遮断手段が、
前記本体枠から前方に突設され、前記前枠扉の閉鎖状態で、前記退避領域の上流域に挿入されて遊技球の流下を遮断する遮断部材からなることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項4】
前記遊技球遮断手段が、
前記球導出樋部に軸支されて回動可能に設けられ、前記退避領域の上流域で遊技球の流下を遮断し、且つ該退避領域の下流域で遊技球の流下を許容する上流域遮断位置と、前記退避領域の下流域で遊技球の流下を遮断し、且つ該退避領域の上流域で遊技球の流下を許容する下流域遮断位置とに選択的に位置決められるシーソー部材と、
前記前枠扉の開放時に、該シーソー部材を回動させて前記下流域遮断位置に位置決めるように付勢する付勢手段と、
前記前枠扉の閉鎖時に、該付勢手段の付勢力に抗して前記シーソー部材を復帰回動させて前記上流域遮断位置に位置決める復帰作動部材と
からなることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、前枠扉の開放時における球導出樋部からの球こぼれを防止し得るようにした遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、遊技球を遊技媒体とし、上受皿を備えた前枠扉が本体枠の前面に配設された遊技機にあっては、該前枠扉の上受皿に払出装置から払い出された遊技球が貯留される。
【0003】
このような遊技機は、図15(A)に示すように、内蔵する払出装置(図示省略)から払い出された遊技球を前方に送出する球送出口bが本体枠aの前面に開口される一方、本体枠aの前面に一側縁が枢結されて開閉可能に設けられた前枠扉cには、その閉鎖状態で前記球送出口bの下部前方に臨む位置に球導出口dが開口されている。また、該球導出口dには球導出樋部eが後方に向けて突設されており、前枠扉cの閉鎖状態で、該球導出樋部eを前方から球送出口bの直下位置に臨ませることによって該球送出口bと球導出口dとを連通させて、該球導出口dから遊技球を前枠扉cの前面側に配設された上受皿fに導出し得るように構成されている。
【0004】
ところで、このような構成にあっては、上受皿fが遊技球で満杯となり、図15(A)に示すように、球導出口dから上受皿fへ導出しきれない遊技球が球導出樋部e上に滞留している状態で前枠扉cが開放されると、図15(B)に示すように、球導出樋部e上の遊技球が機外にこぼれ落ちるという問題点があった。
【0005】
従来、このような前枠扉cの開放時における球こぼれを防止するために、球送出口bの下方に、前枠扉cの開放に伴って前方に張り出す受皿部材を設け、前枠扉cを開放した際に、球送出口b及び球導出樋部eからこぼれ落ちた遊技球を前記受皿部材で受け止めて下受皿に導くようにしたもの(例えば、特許文献1参照)や、球導出樋部eの後端開口を遮蔽可能な開閉枠を設け、該開閉枠によって球導出樋部eの後端開口を、前枠扉cの開放時に遮蔽する一方、前枠扉cの閉鎖時に開放するようにしたもの(例えば、特許文献2参照)、或いは球導出口d内に、前枠扉cの開放に伴って閉じるシャッタを設けたもの(例えば、特許文献3参照)が提案されている。
【特許文献1】特開2004−275207号公報([0079]〜[0097]、図12〜図16)
【特許文献2】実開昭62−36784号公報
【特許文献3】特開2002−119718号公報([0047],[0048]、図4,図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような先行技術において、特許文献1の構成にあっては、前枠扉cの開放時に球送出口b及び球導出樋部eからこぼれ落ちた遊技球を受け止めて回収するものであり、球こぼれ自体を未然に防止することはできなかった。また、特許文献2の構成は、前枠扉cの開放時に、球導出樋部eの後端開口を遮蔽する開閉枠の上端より高い位置まで遊技球が滞留している場合には、その高い位置にある遊技球が開閉枠の上端を越えてこぼれ落ちるため、球こぼれを確実に防止することができなかった。また、特許文献3の構成は、シャッタが球導出口d内で上下方向に回動するように設けられているため、球導出口dの開口領域がシャッタにより狭められて、遊技球が通過する球導出口dの十分な開口領域を確保することができなかった。
【0007】
本発明は、かかる従来の実状に鑑みてなされたものであって、前枠扉の開放時における球導出樋部からの球こぼれを確実に防止し得るとともに、球導出口の十分な開口領域を確保し得る遊技機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前面に球送出口が開口され、内蔵する払出装置から払い出された遊技球を前記球送出口から前方に送出する本体枠と、該本体枠の前面に一側縁が枢結されて開閉可能に設けられ、その閉鎖状態で前記球送出口の下部前方に臨む位置に球導出口が開口された前枠扉と、該前枠扉の前面側に配設されて前記球導出口から導出された遊技球を貯留する上受皿と、前記前枠扉の裏面に固定され、前記前枠扉の閉鎖状態で前記球送出口と前記球導出口とを連通させて、遊技球を前記上受皿に導出する球導出樋部とを備えた遊技機において、前記球導出樋部が、前記球送出口と前記球導出口とを連通させる連通領域と、該連通領域の側方に下方傾斜状態で連成された、遊技球が流入可能な退避領域とからなり、該退避領域の下流端に退避球流出口が形成され、前記前枠扉に該退避球流出口と連通して前記退避領域から流出する遊技球を前記上受皿に導出する退避球導出口が形成される一方、前記前枠扉の開放時に前記連通領域内の少なくとも一部の遊技球を前記退避領域に流入させ、且つ前記前枠扉の閉鎖時に退避領域への遊技球の流入を遮断する遊技球遮断手段を備えていることを特徴とする遊技機である。
【0009】
ここで、球導出樋部の連通領域は、前枠扉の閉鎖時において、本体枠の球送出口と前枠扉の球導出口とを連通させて、遊技球を球導出口から上受皿に導出する作用を生じるものである。また、前枠扉の開放時に連通領域から退避領域に流入する遊技球は、退避領域の退避球流出口から前枠扉の退避球導出口を介して上受皿に導出されるが、その上受皿への導出タイミングは、前枠扉の開放時または閉鎖時の何れとすることも可能である。
【0010】
前記遊技機にあって、遊技球遮断手段を、球導出樋部に軸支されて回動可能に設けられ、退避領域の上流域で、遊技球の流下を遮断する閉鎖位置と、遊技球の流下を許容する開放位置とに選択的に位置決められる開閉部材と、前枠扉の開放時に、該開閉部材を回動させて前記開放位置に位置決めるように付勢する付勢手段と、前枠扉の閉鎖時に、該付勢手段の付勢力に抗して前記開閉部材を復帰回動させて前記閉鎖位置に位置決める復帰作動部材とからなるものとする構成が提案される。
【0011】
ここで、付勢手段としては、基端が前枠扉の裏面に保持され、且つ先端が開閉部材に連係された板バネとする構成が適用され得る。また、復帰作動部材としては、先端に後方側部に向けて傾斜した係合案内面を備え、本体枠側から突設されて、前枠扉の閉鎖時に、開閉部材を復帰回動させる板状部材とする構成が適用され得る。
【0012】
また、他の遊技球遮断手段としては、本体枠から前方に突設され、前枠扉の閉鎖状態で、退避領域の上流域に挿入されて遊技球の流下を遮断する遮断部材からなるものとする構成が提案される。
【0013】
さらに、他の遊技球遮断手段としては、球導出樋部に軸支されて回動可能に設けられ、退避領域の上流域で遊技球の流下を遮断し、且つ該退避領域の下流域で遊技球の流下を許容する上流域遮断位置と、退避領域の下流域で遊技球の流下を遮断し、且つ該退避領域の上流域で遊技球の流下を許容する下流域遮断位置とに選択的に位置決められるシーソー部材と、前枠扉の開放時に、該シーソー部材を回動させて前記下流域遮断位置に位置決めるように付勢する付勢手段と、前枠扉の閉鎖時に、該付勢手段の付勢力に抗して前記シーソー部材を復帰回動させて上流域遮断位置に位置決める復帰作動部材とからなるものとする構成が提案される。
【0014】
ここで、付勢手段としては、基端が前枠扉の裏面に保持され、且つ先端がシーソー部材に連係された板バネとする構成が適用され得る。また、復帰作動部材としては、先端に後方側部に向けて傾斜した係合案内面を備え、本体枠側から突設されて、前枠扉の閉鎖時に、シーソー部材を復帰回動させる板状部材とする構成が適用され得る。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、上述したように、球導出樋部が、本体枠の球送出口と前枠扉の球導出口とを連通させる連通領域と、該連通領域の側方に下方傾斜状態で連成された、遊技球が流入可能な退避領域とからなり、該退避領域の下流端に退避球流出口が形成され、前枠扉に該退避球流出口と連通して前記退避領域から流出する遊技球を上受皿に導出する退避球導出口が形成される一方、前枠扉の開放時に前記連通領域内の少なくとも一部の遊技球を退避領域に流入させ、且つ前枠扉の閉鎖時に退避領域への遊技球の流入を遮断する遊技球遮断手段を備えている遊技機であるから、前枠扉の閉鎖状態においては、球導出樋部の連通領域によって、本体枠の球送出口と前枠扉の球導出口とが連通されるとともに、遊技球遮断手段によって退避領域への遊技球流入が規制されていることにより、球送出口から送出される遊技球が上受皿に導出される。そして、このように上受皿に導出される遊技球で該上受皿が満杯となり、導出しきれない遊技球が連通領域上に滞留している状態で前枠扉が開放されると、遊技球遮断手段による流入規制が解除されて連通領域内の少なくとも一部の遊技球が退避領域に流入するので、連通領域上に滞留している遊技球が減少する。これにより、前枠扉の開放時に、連通領域上に滞留している遊技球が機外にこぼれ落ちることを確実に防止することができる。尚、前枠扉の開放時に連通領域から退避領域に流入した遊技球は、前枠扉の開放時または閉鎖時の何れかの導出タイミングで、退避領域の退避球流出口から前枠扉の退避球導出口を介して上受皿に導出されることとなる。これにより、上受皿に導出される遊技球の数量を減少させることなく、前枠扉の開放時における球こぼれを防止できる。また、本体枠の球送出口と前枠扉の球導出口とを連通する連通領域を備えた球導出樋部に、前枠扉の開放時に遊技球が流入可能な退避領域を設けたので、該退避領域によって球導出口の開口領域が狭められることがなく、これによって球導出口の十分な開口領域を確保することができる。
【0016】
前記遊技機において、遊技球遮断手段を、球導出樋部に軸支されて回動可能に設けられ、退避領域の上流域で、遊技球の流下を遮断する閉鎖位置と、遊技球の流下を許容する開放位置とに選択的に位置決められる開閉部材と、前枠扉の開放時に、該開閉部材を回動させて前記開放位置に位置決めるように付勢する付勢手段と、前枠扉の閉鎖時に、該付勢手段の付勢力に抗して前記開閉部材を復帰回動させて前記閉鎖位置に位置決める復帰作動部材とからなるものとした構成にあっては、例えばソレノイド等の電気的駆動源を別途用いることなく、前枠扉の開放操作に伴って開閉部材が回動して前記開放位置に位置決められる状態が得られ、連通領域内の遊技球を退避領域に流入させることができる一方、前枠扉の閉鎖操作に伴って開閉部材が復帰回動して閉鎖位置に位置決められる状態が得られ、退避領域への遊技球の流入を規制することができる。また、退避領域に流入した遊技球は、下流端の退避球流出口から即座に流出し、該退避球流出口に連通する前枠扉の退避球導出口から上受皿に導出される。これにより、退避領域に流入した遊技球を手作業によって上受皿に移動させる必要がない。また、この構成は、退避領域に流入した遊技球の上受皿への導出タイミングを前枠扉の開放時とすることができるものである。これにより、前枠扉の開放時に上受皿内の遊技球を手で排除する必要が生じた場合でも、退避領域に流入した遊技球を上受皿から排除できる。
【0017】
また、他の遊技球遮断手段として、本体枠から前方に突設され、前枠扉の閉鎖状態で、退避領域の上流域に挿入されて遊技球の流下を遮断する遮断部材によって遊技球遮断手段を構成した場合には、上記と同様に、例えばソレノイド等の電気的駆動源を別途用いることなく、前枠扉の開放操作に伴って遮断部材が退避領域の上流域から後方へ抜け出ることによって、連通領域内の遊技球を退避領域に流入させることができる一方、前枠扉の閉鎖操作に伴って遮断部材が退避領域の上流域に後方から挿入されることによって、退避領域への遊技球の流入を規制することができる。これにより、上記遊技球遮断手段に比して簡単な構造で、上述した遊技球遮断手段と同様の作用効果を得ることができる。尚、この構成にあっても、退避領域に流入した遊技球の上受皿への導出タイミングを前枠扉の開放時とすることができるものである。
【0018】
また、他の遊技球遮断手段として、球導出樋部に軸支されて回動可能に設けられ、退避領域の上流域で遊技球の流下を遮断し、且つ該退避領域の下流域で遊技球の流下を許容する上流域遮断位置と、退避領域の下流域で遊技球の流下を遮断し、且つ該退避領域の上流域で遊技球の流下を許容する下流域遮断位置とに選択的に位置決められるシーソー部材と、前枠扉の開放時に、該シーソー部材を回動させて前記下流域遮断位置に位置決めるように付勢する付勢手段と、前枠扉の閉鎖時に、該付勢手段の付勢力に抗して前記シーソー部材を復帰回動させて上流域遮断位置に位置決める復帰作動部材とによって遊技球遮断手段を構成した場合には、上記と同様に、例えばソレノイド等の電気的駆動源を別途用いることなく、前枠扉の開放操作に伴ってシーソー部材が回動して前記下流域遮断位置に位置決められる状態が得られ、連通領域内の遊技球を退避領域に流入させることができる一方、前枠扉の閉鎖操作に伴ってシーソー部材が復帰回動して上流域遮断位置に位置決められる状態が得られ、該退避領域に流入している遊技球を下流端の退避球流出口から流出させて、該退避球流出口に連通する前枠扉の退避球導出口から上受皿に導出させることができる。これにより、退避領域に流入した遊技球を手作業によって上受皿に移動させる必要がない。また、この構成は、退避領域に流入した遊技球の上受皿への導出タイミングを前枠扉の閉鎖時とすることができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に、本発明をパチンコ遊技機に適用した場合の第一実施例を、図1〜図8に基づいて説明する。
パチンコ遊技機1は、図1,図2に示すように、遊技島設備(図示省略)に固定される長方形状の外枠2と、該外枠2の前面開口部を覆う遊技機本体3とからなる。
【0020】
遊技機本体3は、板状の本体枠5(図2参照)を備え、この本体枠5が前記外枠2にヒンジ部材4を介して枢着されている。この本体枠5の前面側には前枠扉6が開閉可能に配設されており、本体枠5の背面側には裏機構板7(図3参照)が配設されている。
【0021】
前記本体枠5には、遊技盤9が配設されており、該遊技盤9の前面には、案内レール13が湾曲状に設けられている。そして、この案内レール13により区画された円形領域は、大入賞口や普通入賞口などを備えた各種入賞装置や遊技釘などが配設された遊技領域12となっている。
【0022】
また、本体枠5には、遊技盤9の直下に、左上方に向けて傾斜する発射レール16と発射槌60(図7参照)とを備えた発射装置15が配設されている。また、発射装置15の前側には、発射レール16の下端の球発射位置に遊技球を一個ずつ送り出す電動式の球送り機構を備えた整流器20が配設されている。この整流器20から送り出された遊技球は、発射レール16の球発射位置に供給され、発射槌60の打圧によって案内レール13を介して遊技領域12に打ち出される。ここで、発射レール16の上端と案内レール13の下端は、開口部27を介して非連続状に連設されており、発射の失敗によって遊技領域12に打ち出されずに案内レール13を逆流するファール球が、前記開口部27から下方に排出されるようになっている。
【0023】
また、本体枠5の前面下部には、図1,2のように、下部パネル23が配設されており、この下部パネル23の前面中央に余剰の遊技球を貯留する下受皿11が前方突成されている。この下受皿11内には球放出口24が開口しており、該球放出口24から下受皿11内に後述する球送出口34から溢れた遊技球が放出される。また、下受皿11の底部には遊技球排出用の球抜孔25が形成されており、下受皿11の底部に設けられた球抜スライダ26を移動操作することにより前記球抜孔25が開放され、下受皿11の遊技球が下方へ排出される。
【0024】
前記下部パネル23には、下受皿11の右側位置に発射ハンドル28が突設されている。この発射ハンドル28の外周部には回動操作可能な発射レバー29が設けられており、該発射ハンドル28の内部には、前記発射レバー29の回動角度を検知する回動角度検知センサ(図示省略)が配設されている。該回動角度検知センサは、上記した発射装置15や整流器20の作動を制御する発射制御基板(図示省略)に接続されており、発射レバー29の回動操作に伴って回動角度検知センサから発射制御基板に信号が入力されると、これに従って該発射制御基板は、整流器20の球送り機構を作動させるとともに、発射装置15を駆動制御し、整流器20から球発射位置に送り出された遊技球が発射されるようになっている。
【0025】
前記裏機構板7は、本体枠5の背面側に取り付けられている。該裏機構板7には、図3に示すように、その上部に球タンク17が配設されており、図示しない遊技島設備の補給樋から可撓パイプを介して供給される遊技球を該球タンク17内に受け入れ得るようになっている。また、裏機構板7には、球タンク17の底壁に開口された球出口18から放出される遊技球を受け入れて流下させる緩勾配で下方傾斜したタンクレール19と、該タンクレール19の下端部と連通して遊技球を下方の払出装置31へ導く上下方向の球通路21とが設けられている。また、裏機構板7には、前記払出装置31から払い出される遊技球をさらに下方に導く二股状に分岐された払出し流路22a,22bが設けられており、その一方の払出し流路22aは本体枠5に開口された後述する球送出口34と連通され、他方の払出し流路22bは下受皿11の前記球放出口24と連通されている。これにより、前記払出装置31から払い出された遊技球は、通常、払出し流路22aを介して球送出口34に送られるが、大量の遊技球が払い出された場合に、球送出口34から溢れた遊技球が払出し流路22bを介して下受皿11の球放出口24に送られるようになっている。さらに、裏機構板7には、遊技作動全般を制御する主制御基板,前記払出装置31の作動を制御する払出制御基板、前記発射装置15の作動を制御する発射制御基板等の各種制御基板(何れも図示省略)が夫々配設されている。
【0026】
また、前記本体枠5には、後述する上受皿10の球導出口33と連通可能な位置に球送出口34(図4参照)が開口されている。該球送出口34は前記払出し流路22aと連通しており、前記払出装置31から払い出された遊技球を払出し流路22aを介して前方に送出するようになっている。
【0027】
また、前記前枠扉6は、その左側の一側縁がヒンジ部材30(図2参照)によって本体枠5に枢結されて開閉可能に設けられている。ここで、前枠扉6は、前記下部パネル23より上の本体枠5を略全体的に前面から覆い得るように形成されており、その閉鎖状態で、前記遊技盤9,発射装置15,整流器20を前方から覆うものとなっている。
【0028】
この前枠扉6の中央には、透明板36を保持する略円形の遊技窓部37が形成されており、前枠扉6を閉鎖した状態で、該遊技窓部37を介して、前記遊技盤9の遊技領域12を前方から視認可能となっている。
【0029】
また、前枠扉6の下部前面には、図1に示すように、上受皿10が配設されている。この上受皿10には遊技球を整列する整列部38が左右方向に沿って形成されており、該整列部38の右端に、遊技球を取り込む球取込口39が形成されている。また、上受皿10の内底面は、遊技球が整列部38を流下して球取込口39へ流入するように右方向へ下方傾斜している。そして、前枠扉6の閉鎖状態で、球取込口39から流入した遊技球が前記整流器20に流入する。即ち、この上受皿10は、前記発射装置15へ送る遊技球を貯留するためのものである。
【0030】
さらに、前枠扉6には、上受皿10内の左側位置に、前枠扉6の厚み方向に貫通した球導出口33が設けられている。該球導出口33は、前枠扉6の閉鎖状態で、前記本体枠5の球送出口34の下部前方に臨む位置に開口されており、該球導出口33から導出される遊技球が上受皿10に貯留される。
【0031】
また、前枠扉6の裏面には、前枠扉6の閉鎖状態で、前記球送出口34と球導出口33とを連通させて、遊技球を前記上受皿10に導出する球導出樋部40が配設されている。この球導出樋部40は本発明の要部にかかるものであり、詳しくは後述する。
【0032】
また、図4に示すように、前記球送出口34の前部側には、前面に前記球導出樋部40が挿通可能な開口部41を備えたケーシング部材42が配設されており、該開口部41には下縁を枢支された開閉板43が起倒可能に設けられている。該開閉板43は、前枠扉6の開放時に、付勢バネ(図示省略)によって起立状態に保持されて球送出口34の前方を遮蔽し、該球送出口34から送出される遊技球の機外への飛び出しを防止するものであり、前枠扉6の閉鎖時には、前方から挿通される球導出樋部40によって押圧されて後方に回動するようになっている。また、該開閉板43と球送出口34間の下方領域は、ケーシング部材42内で隣接するファール球流下路44(図2,図8参照)の下部と連通されており、開閉板43の裏面に衝突して落下する遊技球はファール球流下路44を介して下受皿11に排出される。
【0033】
前記ケーシング部材42には、上述した案内レール13の下端の開口部27に下方から臨む位置にファール球流下路44に連通する球流入口45(図2参照)が開口されており、該球流入口45から流入したファール球がファール球流下路44を介して下受皿11に排出される。
【0034】
次に、本発明の要部について説明する。
前記球導出樋部40は、前記本体枠5の球送出口34と前枠扉6の球導出口33とを連通させる連通領域46と、遊技球が流入可能な退避領域47とからなり、図7(A)に示すように、連通領域46の右側方に退避領域47が該連通領域46に対して下方傾斜状態で連成されている。ここで、該球導出樋部40は、図4に示すように、連通領域46の底板部48aと、該底板部48aに対して若干下方傾斜する退避領域47の底板部48bとが側周壁49によって囲繞された横長の矩形箱状に形成されている。側周壁49には、球導出口33に対応する連通領域46の前面側に門型枠部51を備えた開口部50と、退避領域47の下流端に前向きの退避球流出口52が形成されており、また、連通領域46の底板部48aには、前記開口部50及び退避領域47に向けて遊技球が転動し得るように前方及び右側方(図7参照)に下方傾斜する適宜の勾配が設けられている。
【0035】
一方、前枠扉6には、前記退避球流出口52に対応する位置に、前枠扉6の厚み方向に貫通した退避球導出口65が設けられている。該退避球導出口65は、図1に示すように、前枠扉6の前面側で上受皿10の上部位置にその前端が開口されており、該退避球導出口65に流入した遊技球を上受皿10に導出し得るようになっている。
【0036】
前記球導出樋部40は、連通領域46の開口部50が前枠扉6の球導出口33に一致し、且つ、退避領域47の退避球流出口52が前枠扉6の退避球流出口52に一致する位置で、前枠扉6の裏面に固定されている。これにより、前枠扉6の閉鎖時に、連通領域46によって本体枠5の球送出口34と前枠扉6の球導出口33とが連通される。また、退避領域47の退避球流出口52から流出する遊技球は前枠扉6の退避球導出口65に流入し、上受皿10へ導出される。
【0037】
また、前記球導出樋部40の退避領域47には、開閉部材53が配設されている。該開閉部材53は、図5に示すように、所定長さの回動支持杆54と該回動支持杆54の上端部に連成された断面円弧状の球止め板55とからなり、該回動支持杆54には、その長さを略二等分する高さ位置に前後方向の軸受孔56が形成されている。ここで、球止め板55の前端部64aは、図6(A)に示すように、遊技球の流下を遮断し得るように退避領域47の前後幅に略対応する幅員に形成される一方、球止め板55の後端部64bは、図6(B)に示すように、遊技球が常時通過し得る球通過口66を側部に備えた狭小な幅員に形成されている。前記軸受孔56には、退避領域47に対応する側周壁49の前面側から前方に向けて突設された支軸57(図4参照)が挿通されており、該支軸57によって、開閉部材53が球導出樋部40に回動可能に軸支されている。そして、該開閉部材53はその回動によって、退避領域47の上流域で球止め板55の前端部64aが底板部48bに当接して遊技球の流下を遮断する閉鎖位置(図7(A)参照)と、球止め板55の後端部64bが底板部48bに当接し、退避領域47の上流域で球止め板55の前端部64aが底板部48bから離間して遊技球の流下を許容する開放位置(図7(B)参照)とに選択的に位置決められるようになっている。
【0038】
前枠扉6の裏面には、保持部材62によって基端が保持された板バネ61が配設されており、該板バネ61の先端が前記開閉部材53の回動支持杆54に連係されている。即ち、開閉部材53は、図7に示すように、回動支持杆54の下端部に側面から当接する板バネ61によって、球止め板55の後端部64bが底板部48bに当接する方向に常時付勢されている。そして、該板バネ61を、前枠扉6の開放時に、開閉部材53を回動させて前記開放位置(図7(B)参照)に位置決めるように付勢する付勢手段としている。
【0039】
また、本体枠5には、前枠扉6の閉鎖時に、前記板バネ61の付勢に抗して開閉部材53を復帰回動させる復帰作動部材58が配設されている。該復帰作動部材58は、図4に示すように、本体枠5から前方に突設された水平な板状部材からなり、その先端に後方側部に向けて傾斜または湾曲する係合案内面59を備えている。ここで、該復帰作動部材58は、前枠扉6の閉鎖時において、前記板バネ61が当接する回動支持杆54の下端部の側面と反対側の側面63(図7参照)に当接して、開閉部材53を前記閉鎖位置(図7(A)参照)へ回動させる位置に配設されている。即ち、前枠扉6の閉鎖時に、先ず、復帰作動部材58の係合案内面59が前記回動支持杆54の側面63に係合され、次いで復帰作動部材58の後方側部が回動支持杆54の側面63に係合されることにより、開閉部材53が閉鎖位置(図7(A)参照)まで復帰回動するように設けられている。
【0040】
そして、前記開閉部材53と、板バネ61からなる付勢手段と、復帰作動部材58とによって、前枠扉6の開放時に連通領域46内の少なくとも一部の遊技球を退避領域47に流入させ、且つ前枠扉6の閉鎖時に退避領域47への遊技球の流入を遮断する遊技球遮断手段が構成されている。
【0041】
また、前枠扉6の裏面に固定された球導出樋部40は、前枠扉6の閉鎖状態において、その退避領域47が、図8に示すように、上述したファール球流下路44の球流入口45の上部を左右方向において概ね半分程度遮蔽する位置関係で配設されている。これにより、ファール球の一部は退避領域47によって受け止められるが、受け止められたファール球は退避球流出口52から退避球導出口65に流入し、上受皿10へ導出されるようになっている。尚、図8には、発射装置15から発射された遊技球P1とその軌跡、及びファール球となって案内レール13を流下する遊技球P2とその軌跡を併せて示した。このように、球導出樋部40は、発射された遊技球P1の障害とならない位置及び形状で配設されている。
【0042】
かかる構成にあって、前枠扉6の閉鎖状態においては、図7(A)に示すように、復帰作動部材58が回動支持杆54の側面63に係合されていることにより、開閉部材53は球止め板55の前端部64aで遊技球の流下を遮断する閉鎖位置に保持されている。これにより、図6(A),図7(A)に示すように、退避領域47の上流域から下流域への遊技球の流下が防止される。そして、この状態においては、本体枠5の球送出口34と前枠扉6の球導出口33とを連通する連通領域46によって、遊技球を上受皿10に導出させることができる。
【0043】
上記のような閉鎖状態から前枠扉6が開放されると、図6(B),図7(B)に示すように、復帰作動部材58が相対的に後方へ移動することにより、該復帰作動部材58と回動支持杆54の側面63との係合が外れ、板バネ61の付勢力によって開閉部材53が支軸57を中心にして回動し、球止め板55の後端部64bが底板部48bに当接する位置で停止する。これにより、開閉部材53は、退避領域47の上流域で遊技球の流下を許容する開放位置に位置決められた状態となり、球止め板55の前端部64aで堰き止められていた遊技球が退避領域47の下流域に流入することとなる。これにより、連通領域46上の遊技球数が減少する。従って、連通領域46上に遊技球が滞留している状態で前枠扉6を開放しても、遊技球が機外にこぼれ落ちることがなく、前枠扉6の開放時における球こぼれを確実に防止することができる。
【0044】
また、上記のように、前枠扉6の開放に伴って退避領域47の下流域に流入した遊技球は、球止め板55の後端部64bの側部に設けられている球通過口66を通過して、退避領域47の下流端の退避球流出口52から前枠扉6の退避球導出口65に流入し、上受皿10に導出される。これにより、前枠扉6の開放に伴って退避領域47の下流域に流入した遊技球を、即座に上受皿10に導出させることができる。
【0045】
一方、上記のような開放状態から前枠扉6を閉鎖すると、該前枠扉6の閉鎖移動に伴って、先ず復帰作動部材58の係合案内面59が回動支持杆54の側面63に係合され、次いで復帰作動部材58の後方側部が回動支持杆54の側面63に係合される。この時、復帰作動部材58の先端に形成されている係合案内面59(図4参照)によって、その係合を円滑に行わせることができる。このように復帰作動部材58の後方側部が回動支持杆54の側面63に係合されることにより、その係合に伴って、開閉部材53は、板バネ61の付勢力に抗して球止め板55の前端部64aが底板部48bに当接する位置まで復帰回動する。これにより、開閉部材53は、図6(A),図7(A)に示すように、退避領域47の上流域において球止め板55の前端部64aで遊技球の流下を再び遮断する閉鎖位置に位置決められた状態となり、退避領域47の上流域から下流域への遊技球の流下を防止することができる。
【0046】
図9,図10は第二実施例を示し、この第二実施例は、上述した第一実施例における開閉部材53と、板バネ61からなる付勢手段と、復帰作動部材58とからなる遊技球遮断手段に代えて、前枠扉6の閉鎖状態で、図10(A)に示すように、退避領域47の上流域に挿入されて遊技球の流下を遮断する遮断部材67によって遊技球遮断手段を構成したものである。該遮断部材67は、図9に示すように、上下二本の丸棒材からなり、退避領域47の上流域に対応する位置で、本体枠5から前方に突設されている。また、退避領域47の上流域に対応する球導出樋部40の側周壁49の後面側には、左右方向に若干広幅な長孔状の挿通孔68が形成されており、該挿通孔68に下側の遮断部材67が挿通されるようになっている。遮断部材67の長さは、前枠扉6の閉鎖状態において、図10(A)に示すように、その先端部と、該先端部に対向する側周壁49との間に遊技球1個が通過不能な間隔が生じる程度の短めの長さに設定されている。尚、遮断部材67は、上下一対の丸棒材とすることは必ずしも必要ではなく、下側の丸棒材のみとすることも可能である。その他、第一実施例と共通する構成部分については第一実施例と同一符号を付して重複説明を省略する。
【0047】
かかる構成にあって、前枠扉6の閉鎖状態においては、図10(A)に示すように、遮断部材67が退避領域47の上流域に挿入されていることにより、退避領域47の上流域から下流域への遊技球の流下が遮断され、本体枠5の球送出口34と前枠扉6の球導出口33とを連通する連通領域46によって、遊技球を上受皿10に導出させることができる。
【0048】
上記のような閉鎖状態から前枠扉6が開放されると、図10(B),図10(C)に示すように、遮断部材67が相対的に後方へ移動することにより、該遮断部材67による遊技球の遮断が解除され、該遮断部材67で堰き止められていた遊技球が退避領域47の下流域に流入することとなる。ここで、遮断部材67が上述したように短めの長さに設定されていることにより、図10(B)に示すように、前枠扉6の開放開始と同時に遊技球を退避領域47の下流域に流入させることができる。そして、このように、遊技球が退避領域47の下流域に流入することにより、連通領域46上の遊技球数が減少する。これにより、連通領域46上に遊技球が滞留している状態で前枠扉6を開放しても、遊技球が機外にこぼれ落ちることがなく、前枠扉6の開放時における球こぼれを確実に防止することができる。また、前枠扉6の開放操作に伴って遮断部材67が退避領域47の上流域から後方へ抜け出る際に、該遮断部材67が退避領域47の上流域を開放し乍ら、連通領域46内の遊技球群を相対的に左方へ加圧するので、より退避領域47への遊技球の流入を促すことができる。
【0049】
また、上記のように、前枠扉6の開放に伴って退避領域47の下流域に流入した遊技球は、退避領域47の下流端の退避球流出口52から前枠扉6の退避球導出口65に流入し、上受皿10に導出される。これにより、前枠扉6の開放に伴って退避領域47の下流域に流入した遊技球を、即座に上受皿10に導出させることができる。
【0050】
一方、上記のような開放状態から前枠扉6を閉鎖すると、該前枠扉6の閉鎖移動に伴って、図10(A)に示すように、遮断部材67が退避領域47の上流域に挿入されることにより、退避領域47の上流域から下流域への遊技球の流下を遮断することができる。
【0051】
このように、第二実施例の構成にあっては、第一実施例の遊技球遮断手段に比して簡単な構造で、第一実施例の遊技球遮断手段と同様の作用効果を得ることができる。
【0052】
図11〜図14は第三実施例を示し、この第三実施例では、上述した第一実施例の開閉部材53(図5参照)に代えて、図12に示すようなシーソー部材69が用いられている。
【0053】
このシーソー部材69は、球導出樋部40の退避領域47に配設されている。該シーソー部材69は、図12に示すように、所定長さの回動支持杆54と該回動支持杆54の上端部に連成された断面円弧状の球止め板55とからなり、回動支持杆54には、その長さを略二等分する高さ位置に前後方向の軸受孔56が形成されている。ここで、球止め板55の前端部64a及び後端部64bは、遊技球の流下を遮断し得るように退避領域47の前後幅に略対応する幅員(図13参照)に形成されている。前記軸受孔56には、退避領域47に対応する側周壁49の前面側から前方に向けて突設された支軸57(図11参照)が挿通されており、該支軸57によって、シーソー部材69が球導出樋部40に回動可能に軸支されている。そして、該シーソー部材69はその回動によって、退避領域47の上流域で球止め板55の前端部64aが底板部48bに当接して遊技球の流下を遮断し、且つ該退避領域47の下流域で球止め板55の後端部64bが底板部48bから離間して遊技球の流下を許容する上流域遮断位置(図14(A)参照)と、退避領域47の下流域で球止め板55の後端部64bが底板部48bに当接して遊技球の流下を遮断し、且つ該退避領域47の上流域で球止め板55の前端部64aが底板部48bから離間して遊技球の流下を許容する下流域遮断位置(図14(B)参照)とに選択的に位置決められるようになっている。
【0054】
前枠扉6の裏面には、保持部材62によって基端が保持された板バネ61が配設されており、該板バネ61の先端が前記シーソー部材69の回動支持杆54に連係されている。即ち、シーソー部材69は、回動支持杆54の下端部に側面から当接する板バネ61によって、球止め板55の後端部64bが底板部48bに当接する方向に常時付勢されている。そして、該板バネ61を、前枠扉6の開放時に、シーソー部材69を回動させて前記下流域遮断位置(図14(B)参照)に位置決めるように付勢する付勢手段としている。
【0055】
また、本体枠5には、前枠扉6の閉鎖時に、前記板バネ61の付勢に抗してシーソー部材69を復帰回動させる復帰作動部材58が配設されている。該復帰作動部材58は、図11に示すように、本体枠5から前方に突設された水平な板状部材からなり、その先端に後方側部に向けて傾斜または湾曲する係合案内面59を備えている。ここで、該復帰作動部材58は、前枠扉6の閉鎖時において、前記板バネ61が当接する回動支持杆54の下端部の側面と反対側の側面63(図14参照)に当接して、シーソー部材69を前記上流域遮断位置(図14(A)参照)へ回動させる位置に配設されている。即ち、前枠扉6の閉鎖時に、先ず、復帰作動部材58の係合案内面59が前記回動支持杆54の側面63に係合され、次いで復帰作動部材58の後方側部が回動支持杆54の側面63に係合されることにより、シーソー部材69が上流域遮断位置(図14(A)参照)まで復帰回動するように設けられている。
【0056】
そして、前記シーソー部材69と、板バネ61からなる付勢手段と、復帰作動部材58とによって、前枠扉6の開放時に連通領域46内の少なくとも一部の遊技球を退避領域47に流入させ、且つ前枠扉6の閉鎖時に退避領域47への遊技球の流入を遮断する遊技球遮断手段が構成されている。
【0057】
その他、第一実施例と共通する構成部分については第一実施例と同一符号を付して重複説明を省略する。
【0058】
かかる構成にあって、前枠扉6の閉鎖状態においては、図14(A)に示すように、復帰作動部材58が回動支持杆54の側面63に係合されていることにより、シーソー部材69は球止め板55の前端部64aで遊技球の流下を遮断する上流域遮断位置に保持されている。これにより、図13(A),図14(A)に示すように、退避領域47の上流域から下流域への遊技球の流下が防止される。そして、この状態においては、本体枠5の球送出口34と前枠扉6の球導出口33とを連通する連通領域46によって、遊技球を上受皿10に導出させることができる。
【0059】
上記のような閉鎖状態から前枠扉6が開放されると、図13(B)に示すように、復帰作動部材58が相対的に後方へ移動することにより、該復帰作動部材58と回動支持杆54の側面63との係合が外れ、板バネ61の付勢力によってシーソー部材69が支軸57を中心にして回動し、図14(B)に示すように、球止め板55の後端部64bが底板部48bに当接する位置で停止する。これにより、シーソー部材69は、退避領域47の上流域で遊技球の流下を許容し、且つ退避領域47の下流域において球止め板55の後端部64bで遊技球の流下を遮断する下流域遮断位置に位置決められた状態となり、球止め板55の前端部64aで堰き止められていた遊技球が退避領域47の下流域に流入することとなる。これにより、連通領域46上の遊技球数が減少する。従って、連通領域46上に遊技球が滞留している状態で前枠扉6を開放しても、遊技球が機外にこぼれ落ちることがなく、前枠扉6の開放時における球こぼれを確実に防止することができる。
【0060】
一方、上記のような開放状態から前枠扉6を閉鎖すると、該前枠扉6の閉鎖移動に伴って、先ず復帰作動部材58の係合案内面59が回動支持杆54の側面63に係合され、次いで復帰作動部材58の後方側部が回動支持杆54の側面63に係合される。この時、復帰作動部材58の先端に形成されている係合案内面59(図11参照)によって、その係合を円滑に行わせることができる。このように復帰作動部材58の後方側部が回動支持杆54の側面63に係合されることにより、その係合に伴って、シーソー部材69は、板バネ61の付勢力に抗して球止め板55の前端部64aが底板部48bに当接する位置まで復帰回動する。これにより、シーソー部材69は、図13(C),図14(C)に示すように、退避領域47の下流域で遊技球の流下を許容し、且つ退避領域47の上流域において球止め板55の前端部64aで遊技球の流下を再び遮断する上流域遮断位置に位置決められた状態となり、退避領域47の上流域から下流域への遊技球の流下を防止することができる。
【0061】
また、上記のようにシーソー部材69が退避領域47の下流域で遊技球の流下を許容する状態となるため、球止め板55の後端部64bで堰き止められていた遊技球は、退避領域47の下流端の退避球流出口52から前枠扉6の退避球導出口65に流入し、上受皿10に導出される。これにより、前枠扉6の開放時に退避領域47の下流域に流入した遊技球を、前枠扉6の閉鎖時に上受皿10に導出させることができる。
【0062】
このように、本発明によれば、前枠扉6の開放及び閉鎖に伴って作動する遊技球遮断手段によって、前枠扉6の開放時に連通領域46内の遊技球を退避領域47に流入させるので、前枠扉6の開放時における球こぼれを確実に防止することができる。また、本体枠5の球送出口34と前枠扉6の球導出口33とを連通する連通領域46を備えた球導出樋部40に、前枠扉6の開放時に遊技球が流入可能な退避領域47を設けたので、該退避領域47によって球導出口33の開口領域が狭められることがなく、これによって球導出口33の十分な開口領域を確保することができる。
【0063】
尚、上記各実施例では、パチンコ遊技機に本発明を適用した場合について説明したが、パチンコ遊技機以外の遊技機であっても、遊技球を遊技媒体とし、該遊技球を前枠扉に配設された上受皿に払い出す遊技機であれば本発明が適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】第一実施例にかかるパチンコ遊技機1の斜視図である。
【図2】同上のパチンコ遊技機1の前枠扉6を開放した状態を示す斜視図である。
【図3】裏機構板7の背面図である。
【図4】要部の拡大斜視図である。
【図5】(A)は開閉部材53の背面側斜視図、(B)は開閉部材53の正面側斜視図である。
【図6】(A)は前枠扉6の閉鎖状態、(B)は前枠扉6の開放状態を夫々示す概略平面図である。
【図7】(A)は前枠扉6の閉鎖状態、(B)は前枠扉6の開放状態を夫々示す概略正面図である。
【図8】前枠扉(図示せず)の閉鎖状態における球導出樋部40の配設位置を示すパチンコ遊技機1の正面図である。
【図9】第二実施例の要部の拡大斜視図である。
【図10】(A)は前枠扉6の閉鎖状態、(B)は前枠扉6を僅かに開いた状態、(C)は前枠扉6の開放状態における球導出樋部40と遊技球の状態を夫々示す第二実施例の概略平面図である。
【図11】第三実施例の要部の拡大斜視図である。
【図12】(A)はシーソー部材69の背面側斜視図、(B)はシーソー部材69の正面側斜視図である。
【図13】(A)は前枠扉6の閉鎖状態、(B)は前枠扉6の開放状態、(C)は前枠扉6の閉鎖時における遊技球の放出状態を夫々示す第三実施例の概略平面図である。
【図14】(A)は前枠扉6の閉鎖状態、(B)は前枠扉6の開放状態、(C)は前枠扉6の閉鎖時における遊技球の放出状態を夫々示す第三実施例の概略正面図である。
【図15】(A)は従来の球導出樋部eの構成を示す側断面図、(B)は前枠扉cの開放時に生じる球こぼれ状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0065】
1 パチンコ遊技機(遊技機)
5 本体枠
6 前枠扉
10 上受皿
11 下受皿
31 払出装置
33 球導出口
34 球送出口
40 球導出樋部
46 連通領域
47 退避領域
52 退避球流出口
53 開閉部材
58 復帰作動部材
61 板バネ(付勢手段)
65 退避球導出口
67 遮断部材
69 シーソー部材
【出願人】 【識別番号】591142909
【氏名又は名称】マルホン工業株式会社
【出願日】 平成18年6月20日(2006.6.20)
【代理人】 【識別番号】100084043
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 喜多男

【識別番号】100135460
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 康利

【識別番号】100142240
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 優


【公開番号】 特開2008−189(P2008−189A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−169983(P2006−169983)