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【発明の名称】 競技採点システム及び競技採点方法
【発明者】 【氏名】佐野 信哉

【要約】 【課題】ダンススポーツ競技の採点をペーパーレス化し、採点結果を即座に表示する。

【構成】競技の開始前に、コンピュータ1から採点装置2に向けて、各ヒート毎の出場選手の選手番号とアップ数とを無線で送信する。採点装置2は、受信した選手番号を選手番号表示部に各ヒート別に表示し、審査員がその表示された番号にタッチしてピックアップする。競技が終了すると、採点装置2からコンピュータ1へ向けて、ピックアップ済みの選手番号を無線で送信する。コンピュータ1はそれを受け、集計して勝ち残り選手を決定し、それを大型の表示装置3に表示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
競技に出場する選手の採点を行うための競技採点システムであって、コンピュータと、複数の審査員が採点するための前記コンピュータに無線で接続された複数の採点装置とを備え、前記コンピュータは、当該競技の各ヒート別に出場する選手の選手番号を無線で前記夫々の採点装置へ送信する選手番号送信手段と、当該ヒートが第何ヒートであるかを識別する当該ヒート番号を無線で前記夫々の採点装置へ送信する当該ヒート番号送信手段と、前記夫々の採点装置から送信されてきた採点結果を受信する採点結果受信手段と、これらの受信した採点結果を集計し当該競技の勝ち残り選手を決定する集計手段とを有し、前記採点装置は、前記コンピュータから送信されて来た選手番号を受信する選手番号受信手段と、前記コンピュータから送信されて来た当該ヒート番号を受信する当該ヒート番号受信手段と、前記受信された選手番号を各ヒート別に表示する表示手段と、前記表示された選手番号の中からピックアップすべき選手の選手番号を選択する選択手段と、前記選択された選手番号を前記採点結果として前記コンピュータへ送信する採点結果送信手段とを有し、前記採点装置の表示手段は、受信した当該ヒート番号を基に、当該ヒートの選手番号を他のヒートの選手番号と異ならせて表示することを特徴とする競技採点システム。
【請求項2】
前記表示手段が、各ヒートの選手番号を、ヒート毎に切り換え表示可能とすると共に、当該ヒートの選手番号を優先的に表示することにより、当該ヒートの選手番号を他のヒートの選手番号と異ならせて表示することを特徴とする請求項1に記載の競技採点システム。
【請求項3】
前記表示手段が、表示した当該ヒートの選手番号の近辺にグラフィックなパターンを付加することにより、当該ヒートの選手番号を他のヒートの選手番号と異ならせて表示することを特徴とする請求項1に記載の競技採点システム。
【請求項4】
前記表示手段が、当該ヒート以外の選手番号を縮小して表示することにより当該ヒートの選手番号を他のヒートの選手番号と異ならせて表示することを特徴とする請求項1に記載の競技採点システム。
【請求項5】
前記採点装置が、前記表示された選手番号の中からピックアップすべきかどうかを後で決めたい選手の選手番号を仮選択する仮選択手段と、この仮選択した選手番号を後で選択に変更する手段とを有し、前記採点結果送信手段が、前記仮選択されたのち選択に変更された選手番号を採点結果に含めて送信することを特徴とする請求項1に記載の競技採点システム。
【請求項6】
前記選手番号送信手段が、当該競技で勝ち残る選手の数であるアップ数を前記採点装置へ送信すると共に、前記採点結果送信手段が、前記選択された選手番号の数と前記仮選択された選手番号の数との合計が前記アップ数に一致する場合には、前記選択された選手番号と前記仮選択された選手番号とを前記採点結果として送信することを特徴とする請求項5に記載の競技採点システム。
【請求項7】
前記採点装置が、前記表示された選手番号の中からピックアップすべきでない選手の選手番号を非選択する非選択手段を有し、前記採点結果送信手段が、前記非選択された選手番号を採点結果に含めないで送信することを特徴とする請求項1に記載の競技採点システム。
【請求項8】
コンピュータと、複数の審査員が採点するための前記コンピュータに無線で接続された複数の採点装置とを用いて、競技に出場する選手の採点を行うための競技採点方法であって、前記コンピュータから当該競技の各ヒートに出場する選手の選手番号を無線で前記夫々の採点装置へ送信する選手番号送信段階と、前記コンピュータから当該ヒートが第何ヒートであるかを識別する当該ヒート番号を無線で前記夫々の採点装置へ送信するヒート番号送信段階と、前記採点装置が、受信した選手番号をヒート別に表示する表示段階と、前記採点装置が、前記表示した選手番号の中からピックアップすべき選手の選手番号を選択する選択段階と、前記採点装置が、前記選択した選手番号を採点結果として前記コンピュータへ送信する採点結果送信段階と、前記コンピュータが、受信した採点結果を集計して当該競技の勝ち残り選手を決定する集計段階とを有し、前記表示段階では、前記採点装置が、受信した当該ヒート番号を基に、当該ヒートの選手番号を他のヒートの選手番号と異ならせて表示することを特徴とする競技採点方法。
【請求項9】
コンピュータと、複数の審査員が採点するための前記コンピュータに無線で接続された複数の採点装置とを用いて、競技に出場する選手の採点を行うための競技採点方法であって、前記コンピュータから当該競技に出場する選手の選手番号を無線で前記夫々の採点装置へ送信する選手番号送信段階と、前記採点装置が、受信した選手番号を表示する表示段階と、前記採点装置が、前記表示した選手番号の中からピックアップすべき選手の選手番号を選択する選択段階と、前記採点装置が、ピックアップすべきかどうかを後で決めたい選手の選手番号を仮選択する仮選択段階と、前記採点装置が、仮選択した選手番号を選択に変更する仮選択変更段階と、前記採点装置が、前記選択した選手番号および前記仮選択したのち選択に変更した選手番号を採点結果として前記コンピュータへ送信する採点結果送信段階と、前記コンピュータが、受信した採点結果を集計して当該競技の勝ち残り選手を決定する集計段階とを有した競技採点方法。
【請求項10】
前記採点装置が、前記表示した選手番号の中からピックアップすべきでない選手の選手番号を非選択する非選択段階を有し、前記採点結果送信段階では、前記非選択した選手番号を採点結果に含めないで送信することを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の競技採点方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ダンススポーツ競技会等で使用される競技採点システムおよび競技採点方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ダンススポーツ競技会における、従来の採点の仕方について説明する。
近年、全国各地で、種々のレベルのダンススポーツ競技会が頻繁に開催されるようになってきた。通常、ダンススポーツ競技会の競技種目は、大きくはモダン種目とラテン種目とに分けられる。モダン種目には、ワルツ、タンゴ、スローフォックストロット、クイックステップ、ウインナワルツが含まれ、ラテン種目には、ルンバ、サンバ、チャチャチャ、パソドブレ、ジャイブが含まれる、さらに各種目毎に、A級、B級、C級、D級、1級〜6級等のランク別に分けて競技が行われる。
各競技では、出場選手が多い場合、1次予選、2次予選、・・・、準決勝の順に選手を絞って行き、最後に残った6組の選手で決勝戦が行われる。各予選では、通常、約12組ずつ複数の回戦(ヒート)に分けて競技が行われる。
【0003】
例えば、出場選手が70組の場合、1次予選では、6ヒート(各ヒート11〜12組)に分けて行われ、各ヒートで3〜4組が落ち、48組が勝ち残って2次予選に進む。2次予選では4ヒート(各ヒート12組)に分けて行われ、半数が落ち、24組が勝ち残って3次予選に進む。3次予選では2ヒート(各ヒート12組)で行われ、半数が落ち、12組が勝ち残って準決勝戦に進む。準決勝戦では1ヒート(12組)で行われ、6組が勝ち残って決勝戦に進む。最近では、これらのヒート割付(各予選で、どの選手が第何ヒートになるかの割付)はコンピュータを用いて行われている。
【0004】
選手は、事前に、競技会事務局に対して、出場希望の競技区分(モダン、ラテンの区別および級)を明確にして出場の申し込みを行う。事務局は、申し込んだ各選手に背番号を付与する。選手は、競技会当日、受付で背番号の付いたゼッケンを受け取る。受付を行った選手の背番号は、選手番号としてコンピュータに入力され、各競技区分毎にヒート割付が行われる。ヒート割付の結果はプリントアウトされ、会場内に掲示される。
【0005】
競技の採点は、通常3名から9名の審査員によって行われる。各ヒートにおいて、競技の直前に係員が審査員に採点用紙を配る。採点用紙には、そのヒートの出場選手の選手番号がプリントアウトされている。各予選の開始時に、その予選の出場組数と、勝ち残って上位予選に進む勝残り組数(アップ数と呼ぶ)がアナウンスされる。このアナウンスを基に、審査員は、各ヒートの競技中に、出場選手の中から勝ち残らせたい複数組を選択して(ピックアップして)採点用紙の選手番号に○を付ける。図5に採点用紙の例を示す。この例の場合、出場選手の組数は12組であるが、そのうちの1組が欠場している。欠場した選手の選手番号は、各ヒートの競技開始直前にアナウンスされるため、審査員は予めその選手番号に×印を付けておく。この例では、No.5審査員によって、11組の中から6組がピックアップされて○が付けられた状態を示している。
【0006】
各ヒートの競技が終わると採点用紙は係員が回収する。回収された採点用紙に記入された各審査員の採点結果は、コンピュータに入力され集計処理される。そして○の多い選手から順に、規定のアップ数だけ上位予選に進む勝残り選手が決定される。さらに、上位予選におけるヒート割付が行われる。この集計結果はプリントアウトされ、会場内に掲示される。各選手は、この掲示を見て、自分が予選に勝ち残れたかどうか、また勝ち残れた場合は、上位予選の第何ヒートに出場するのかを確認する。
なお、決勝戦における採点方法は、○を付ける方法ではなく、各審査員が1位から6位までの順位を付ける順位法で行われる。
【0007】
しかし、以上のような競技採点方法では、各競技が終わってから、採点用紙を回収し、コンピュータに入力して集計処理を行い、その結果をプリントアウトして掲示するという手順を踏むため、非常に時間が掛かり、それまでの間、選手は自分が予選に勝ち残れたかどうか判らないという問題があった。また、掲示された集計結果では、小さくて見にくいという問題があった。
【0008】
このような問題を解決し、競技終了後直ちにその採点集計結果を表示できるようにした競技採点システムが特許文献1で開示されている。以下、特許文献1に開示されている競技採点システムについて説明する。
【0009】
図6は、特許文献1に記載の競技採点システムのブロック線図である。図6において、4はコンピュータであり、採点に関するデータの処理を行う。5はコンピュータ4との間でブルートゥース等の無線で接続された採点装置であり、複数の審査員が所持して採点に使用する。6はコンピュータ4の出力を表示する大型の表示装置であり、競技会の会場内に設置される。
【0010】
図7は、採点装置5の外観面である。図7において、51はコンピュータ4との間で無線で送受信するためのアンテナ、52はタッチパネル(感圧スイッチ付き透明パネル)付きの液晶パネルで構成された表示部、53は出場選手の選手番号を表示部52上に表示する選手番号表示部、54はヒート当りアップ数に対するピックアップ済み数を表示部52上に表示するピックアップ済み数表示部である。
【0011】
各種目の予選において、各ヒートの競技開始直前に、コンピュータ4から各採点装置5に向けて、当該ヒートの出場選手の選手番号と、そのヒートで何組ピックアップすれば良いかを示すヒート当りアップ数とが送信される。欠場者が出た場合は、事前にその情報をコンピュータ4に入力すれば、欠場者の選手番号は送信されない。
採点装置5は、受信した選手番号を選手番号表示部53に番号順に並べて表示する。図7(a)は競技が開始される前の状態の採点装置5を示す。この場合は、11組の選手の選手番号が表示されている。また、ピックアップ済み数表示部54に表示されるヒート当りアップ数は6が、ピックアップ済み数は0が表示されている。
【0012】
審査員がピックアップしたい選手の選手番号の部分を指で押すと、その選手番号表示部が反転して、その選手番号がピックアップ済みであることを表示するため、審査員は筆記用具を持つ必要が無い。図7(b)は、採点中の状態の採点装置5を示す。この場合、5組がピックアップされた状態を示す。このようにピックアップ済みの選手番号の数が表示されるため、審査員は、ピックアップ済みの選手番号を数えなくても、あと何組ピックアップすれば良いかが簡単に判る。このようにして審査員は最終的に規定のアップ数の選手をピックアップする。
【0013】
競技が終わると、コンピュータ4からの指令により、各採点装置5からピックアップされた選手番号が採点結果としてコンピュータ4に送信される。コンピュータ4では、選手毎に各審査員によるピックアップ数を集計し、ピックアップ数の多い選手から順に規定アップ数までを勝残り選手として決定する。さらに、勝残り選手の上位予選におけるヒート割付も行う。以上の集計結果は、コンピュータ4から表示出力として表示装置6へ出力し、表示する。
これにより、競技が終了するとその採点集計結果が直ちに表示装置6に表示できるため、選手は自分が勝ち残ったかどうかを直ちに確認することができる。
【特許文献1】特開2002−126151号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかし、上記特許文献1記載の採点表示システムでは、採点装置で審査員が選手番号をピックアップするかしないかの2通りの選択しかできないため、例えば図7(b)の状態であと一組をピックアップするのに迷った場合、素早くどの選手をピックアップすべきかを決めにくいと言う問題があった。
また、競技が複数のヒートに分けて行われる場合、前のヒートでの採点状況を確認できないため、前のヒートの採点結果を参照したり、修正したりすることが困難であった。
【0015】
本発明の課題は、上記問題点を解決し、審査員がどの選手をピックアップすべきかを迷った場合でも、容易に決定できるようにし、また実施済みのヒートの採点結果も容易に確認や修正ができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するために第1の本発明に係る競技採点システムは、コンピュータと、前記コンピュータに無線で接続された複数の採点装置とを備え、前記コンピュータは、当該競技の各ヒート別に出場する選手の選手番号を無線で前記夫々の採点装置へ送信する選手番号送信手段と、当該ヒート番号を無線で前記夫々の採点装置へ送信する当該ヒート番号送信手段と、前記夫々の採点装置から送信されてきた採点結果を受信する採点結果受信手段と、これらの受信した採点結果を集計する集計手段とを有し、前記採点装置は、前記コンピュータから送信されて来た選手番号を受信する選手番号受信手段と、前記コンピュータから送信されて来た当該ヒート番号を受信する当該ヒート番号受信手段と、前記受信された選手番号を各ヒート別に表示する表示手段と、前記表示された選手番号の中からピックアップすべき選手の選手番号を選択する選択手段と、前記選択された選手番号を前記採点結果として前記コンピュータへ送信する採点結果送信手段とを有し、前記採点装置の表示手段は、受信した当該ヒート番号を基に、当該ヒートの選手番号を他のヒートの選手番号と異ならせて表示することを特徴とするものである。
【0017】
また、第2の本発明に係る競技採点方法は、コンピュータから当該競技の各ヒートに出場する選手の選手番号を無線で夫々の採点装置へ送信する選手番号送信段階と、前記コンピュータから当該ヒート番号を無線で前記夫々の採点装置へ送信するヒート番号送信段階と、前記採点装置が、受信した選手番号をヒート別に表示する表示段階と、前記採点装置が、前記表示した選手番号の中からピックアップすべき選手の選手番号を選択する選択段階と、前記採点装置が、前記選択した選手番号を採点結果として前記コンピュータへ送信する採点結果送信段階と、前記コンピュータが、受信した採点結果を集計する集計段階とを有し、前記表示段階では、前記採点装置が、受信した当該ヒート番号を基に、当該ヒートの選手番号を他のヒートの選手番号と異ならせて表示するものである。
【0018】
また、第3の本発明に係る競技採点方法は、コンピュータから当該競技に出場する選手の選手番号を無線で夫々の採点装置へ送信する選手番号送信段階と、前記採点装置が、受信した選手番号を表示する表示段階と、前記採点装置が、前記表示した選手番号の中からピックアップすべき選手の選手番号を選択する選択段階と、前記採点装置が、ピックアップすべきかどうかを後で決めたい選手の選手番号を仮選択する仮選択段階と、前記採点装置が、仮選択した選手番号を選択に変更する仮選択変更段階と、前記採点装置が、前記選択した選手番号および前記仮選択したのち選択に変更した選手番号を採点結果として前記コンピュータへ送信する採点結果送信段階と、前記コンピュータが、受信した採点結果を集計する集計段階とを有したものである。
【発明の効果】
【0019】
上記した手段により、第1および第2の本発明によれば、採点装置が、選手番号をヒート別に表示し、しかも、当該ヒートの選手番号を他のヒートの選手番号と異ならせて表示しているため、当該ヒート内だけでピックアップすることも可能であるし、また、採点済みのヒートを含めた全ヒートの選手番号からのピックアップも可能になる。
【0020】
また、第3の本発明によれば、審査員がピックアップすべきかどうか迷った場合でも、取り敢えず仮に選択しておき、後でピックアップ数が足りなくなった時に、それを選択に変更することが可能なため、審査が楽になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1に実施の形態1に係る競技採点システムの構成を示す。図1において、1はコンピュータであり、採点に関するデータの処理を行う。2はコンピュータ1と無線で接続された採点装置であり、複数の審査員が所持して採点に使用する。3はコンピュータ1の出力を表示する大型の表示装置であり、競技会の会場内に設置される。また、図2は採点装置2の外観図であり、採点中の表示の状態を示している。
【0022】
以下、本実施の形態における競技採点システムの動作について説明する。ここでは、ある種目のある予選の競技の出場選手の組数が32組で、3ヒートに分けて競技が行われ、その中からピックアップすべき組数(アップ数と呼ぶ)が21組である場合を例に説明する。
当該競技の開始前に、コンピュータ1から各採点装置2へ向けて、各ヒート毎の出場選手の選手番号と当該競技のアップ数と各ヒートでピックアップすべき組数(ヒート当りアップ数と呼ぶ)とが送信される。また、各ヒートの競技開始前に、当該ヒートが第何ヒートであるかを示す当該ヒート番号が送信される。ここでは、当該ヒートが第3ヒートであり、第3ヒートでのヒート当りアップ数が7組であるとする。
【0023】
競技採点装置2は、コンピュータ1から受信して、採点のための表示を行うが、その表示状態を図2に示す。図2において、21はコンピュータ1との間で無線で送受信するためのアンテナ、22はタッチパネル付きの液晶パネルで構成された表示部、23はヒート番号を表示するヒート番号表示部、24は選手番号を表示する選手番号表示部、25はヒート当りアップ数に対するそのヒートでのピックアップ済み選手番号の数を表示するアップ済み数表示部、26は選手番号を仮選択する仮選択モードに切り換えるための仮選択ボタン表示部、27は選手番号を非選択する非選択モードに切り換えるための非選択ボタン表示部、28は選択、仮選択、非選択を取り消すための取消ボタン表示部、29は現在のヒートまでのヒート当りアップ数の累積数(累積アップ数と呼ぶ)に対する現在のヒートまでのピックアップ済みの選手番号の累積数を表示する累積アップ済み数表示部、30は前のヒートを表示させるためのヒート戻しボタン表示部である。
【0024】
図2では、ヒート番号表示部23には現在のヒート番号である3が表示され、選手番号表示部24には第3ヒートに出場する選手の選手番号である23〜32が表示されている。そして、現在までに、No.5審査員により、○印の付いた23番,25番,26番,30番,31番の5組の選手がピックアップ(選択)され、△印の付いた27番の選手が仮ピックアップ(仮選択)され、×印の付いた29番の選手が非ピックアップ(非選択)されている状態を示している。そして、ピックアップ済み数表示部25にはヒート当りアップ数7組に対して、現在5組がピックアップ済みであることが表示されている。また、累積ピックアップ済み数表示部29には、第3ヒートまでの累積アップ数21に対して、現在19組がピックアップ済みであることが表示されている。
【0025】
ここで、選手番号を選択、仮選択、非選択および取消しする各モードについて説明する。
通常は選択モードになっており、その状態で、審査員がタッチペンなどで選手番号表示部24のピックアップしたい選手の選手番号、例えば23をタッチすると、その選手番号に○印が付加され、ピックアップ済みであることが表示される。
【0026】
また、審査員が例えば27番の選手をピックアップするかどうか迷って、後で決めたいと思った場合には、取り敢えず仮に選択しておくために、先ず仮選択ボタン表示部26にタッチすると、仮選択ボタン表示部26の色が変わり、仮選択モードに切り換わる。その状態で選手番号27にタッチすると、その選手番号に△印が付加されて仮選択される。仮選択モードでは、1回どれかの選手番号にタッチすると、直ぐに選択モードに戻る。
【0027】
また、審査員が例えば29番の選手をピックアップしたくない場合には、先ず非選択ボタン表示部27にタッチすると、非選択ボタン表示部27の色が変わり、非選択モードになる。この状態で選手番号29にタッチすると、その選手番号に×印が付加されて非選択される。非選択モードでは、1回どれかの選手番号にタッチすると、直ぐに選択モードに戻る。
【0028】
また、一旦選択、仮選択もしくは非選択したものを取り消したい場合には、先ず取消ボタン表示部28にタッチすると、取消ボタン表示部28の色が変わり、取消モードに切り換わる。その状態で取り消したい選手番号にタッチすると、その選手番号の○印、△印もしくは×印が消えて取り消される。取消モードでは、1回どれかの選手番号にタッチすると、直ぐに選択モードに戻る。
【0029】
ここで、図2に示すように、ヒート当りアップ数7組に対して、あと2組ピックアップしなければならない場合、先ず、仮ピックアップ状態で△印の付いている27番の選手番号にタッチすると○印が付いて選択に変更される。そしてあと1組は、非ピックアップ状態である29番の選手を除く、24番、28番、32番の選手の中から1組をピックアップすればよい。もし、仮選択や非選択を行わない場合は、5組の中から2組を選択しなければならないが、このように、仮選択や非選択を行った場合は、3組の中から1組を選択すればよいため、それだけ選択が楽になる。ダンス競技では、通常、1ヒートの審査時間が1分20秒前後と、非常に短時間であり、その間に、決められた組数の選手をピックアップしなければならないため、審査員にとって非常にストレスが大きいが、このように、仮選択や非選択の機能を使用することによって、限られた時間で少しでも楽に審査ができるようになる。
【0030】
つぎに、例えば、図2に示す状態で、27番の選手を仮選択から選択に変更して、あと1組ピックアップしなければならないが、そのヒートには、もうピックアップするに相応しい選手は見当たらず、むしろ、前のヒートでピックアップしなかった選手の方がよいと思われる場合には、ヒート戻しボタン表示部30にタッチして前のヒートの審査結果を表示し、その中で仮選択の△印の付いた選手番号を選択に変更すればよい。
このように、仮選択や非選択の機能を利用することにより、審査がより楽になり、また、前のヒートの審査結果の修正もし易くなる。
【0031】
本実施の形態では、図2に示すように、通常は優先的に、当該ヒートのヒート番号、出場選手の選手番号およびピックアップ済み数が表示され、当該ヒートのヒート番号には、当該ヒートであることを識別しやすくするために、ヒート番号表示部23に網掛けをして、他のヒートの表示とは異ならせている。
【0032】
つぎに、その競技のすべてのヒートが終わると、コンピュータ1の指令により、もしくは審査員の操作により、採点装置2から採点結果がコンピュータ1へ送信されるが、このときは、選択された選手番号(仮選択した後に選択に変更した選手番号を含む)のみが採点結果として送信される。そして、次の競技の各ヒート毎の出場選手の選手番号とアップ数と各ヒートのヒート当りアップ数とがコンピュータ1から採点装置2へ送信される。
【0033】
コンピュータ1は、採点装置2から送信されて来た採点結果を集計し、選手毎に各審査員によるピックアップ数を集計し、ピックアップ薮の多い選手から順に規定のアップ数までを勝ち残り選手として決定する。さらに、勝ち残り選手の上位予選におけるヒート割付も行う。以上の集計結果は、コンピュータ1から表示出力として表示装置3へ出力し、また、プリントアウトも行う。以上のコンピュータ1の動作は、専用の競技採点用ソフトウエアによって行われる。
【0034】
ところで、採点結果をコンピュータへ送信する際、選択された選手番号の数がアップ数に一致していなければならないが、もし、一致していない場合は、採点装置は審査員に対して、ブザーや、音声メッセージや、表示部での注意文の点滅などで、アラームを発する。また、もし選択された選手番号の数と仮選択された選手番号の数との合計がアップ数に一致している場合は、選択された選手番号に仮選択された選手番号を合わせたものを採点結果として送信するようにしても良い。
【0035】
(実施の形態2)
図3に、実施の形態2に係る競技採点システムにおける採点装置2の外観を示す。図3において、図2と同じ符号を付した部分は同じ構成要素であるため、説明を省略する。
本実施の形態では、実施の形態1で説明した状況と同じ状況を想定しているが、実施の形態1では、1つのヒートだけを表示しているのに対して、実施の形態2では、当該ヒート(第3ヒート、網掛けして当該ヒートであることを識別し易くしている)と並べて前のヒート(第1,2ヒート)も表示している。
【0036】
このように、すべてのヒートを同時に表示することにより、審査の終わったヒートの審査結果をより修正しやすくなる。
また、ヒート数が非常に多い場合には、複数のヒートのグループに分割して切り換え表示するようにしてもよいし、また、図4に示すように、現在採点中の当該ヒート以外のヒートを縮小して表示するようにしてもよい。
【0037】
ところで、当該ヒートの選手番号を識別しやすくするために、図2に示すように当該ヒートの選手番号を優先的に表示したり、図2、図3、図4に示すように当該ヒートのヒート番号表示部23に網掛けしたり、図4に示すように当該ヒート以外のヒートの選手番号を縮小して表示する方法の他に、当該ヒートのヒート番号表示部もしくは選手番号表示部を着色したり、太線で囲ったり、目印をつけるような種々のグラフィックなパターンを当該ヒートの選手番号表示部の近辺に付加する方法で、他のヒートの表示と異ならせるようにしてもよい。
【0038】
なお、実施の形態1及び実施の形態2の説明で、選択、仮選択、非選択した選手番号を○印、△印、×印で識別するようにしたが、これに限らず、数字を反転したり、着色するなど、他の方法で識別するようにしてもよい。
また、出場選手の選手番号としては、背番号の他に、選手名や、記号等、選手を識別できる情報であれば何でもよいので、ここでは、これらを含めて選手番号と呼んでいる。
また、採点装置としては、専用の装置を使用してもよいが、汎用の携帯コンピュータに採点装置用のソフトウエアを読み込んで使用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、ダンススポーツ競技会等での競技採点に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】 本発明の実施の形態1による競技採点システムを示すブロック線図
【図2】 本発明の実施の形態1による採点装置の表示例を示す外観図
【図3】 本発明の実施の形態2による採点装置の表示例を示す外観図
【図4】 本発明の実施の形態2による採点装置の他の表示例を示す外観図
【図5】 従来の採点用紙を示す図
【図6】 従来の競技採点システムを示すブロック線図
【図7】 従来の採点装置の表示例を示す外観図
【符号の説明】
【0041】
1 コンピュータ
2 採点装置
3 表示装置
21 アンテナ
22 表示部
23 ヒート番号表示部
24 選手番号表示部
25 ピックアップ済み数表示部
26 仮選択ボタン表示部
27 非選択ボタン表示部
28 取消ボタン表示部
29 累積ピックアップ済み数表示部
30 ヒート戻しボタン表示部
【出願人】 【識別番号】506328169
【氏名又は名称】佐野 信哉
【出願日】 平成18年8月31日(2006.8.31)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−55121(P2008−55121A)
【公開日】 平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願番号】 特願2006−265918(P2006−265918)