| 【発明の名称】 |
消火剤及び消火器 |
| 【発明者】 |
【氏名】藤田 明
【氏名】塩谷 英敏
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| 【要約】 |
【課題】幅広い使用温度範囲で最も高い消火効果を発揮することができるクリーンルーム火災の消火に好適な消火剤及び消火器を提供する。
【構成】80〜98重量%の純水と20〜2重量%のアルコールからなることを特徴とする消火剤、及びかかる消火剤が充填されている消火器。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 80〜98重量%の純水と20〜2重量%のアルコールからなることを特徴とする消火剤。 【請求項2】 請求項1に記載の消火剤が充填されていることを特徴とする消火器。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、クリーンルームの火災の消火に好適な消火剤及び消火器に関する。 【背景技術】 【0002】 従来、半導体バイオ関連の工場や研究所等に設置されている消火器としては、粉末消火器、泡消火器、二酸化炭素ガス消火器などがある。粉末消火器や泡消火器は、燃焼物に付着して燃焼に必要な酸素の供給を遮断することによって消火するものであるが、消火作業をすると粉末や泡によりクリーンルーム内が汚染されるため、洗浄して復旧するのに莫大な時間と費用がかかり、クリーンルーム内での使用後の処理に問題があった。また、二酸化炭素ガス消火器は、燃焼物を二酸化炭素で覆って酸素の供給を遮断することによって消火するものであるが、消火作業でクリーンルーム内は汚染しないものの、垂直層流の環境下では二酸化炭素ガスが床下に移動して消火能力を十分に発揮できず、クリーンルーム内での消火効果に問題があった。 【0003】 かかる問題を解決するために、出願人は、純水からなる消火剤を提案した(特許文献1参照)。この消火剤は、純水であるがゆえに不純物、イオン等を含まないので、消火、かん水による汚染、腐食などがなく乾燥後にスケールも残らないと共に、純水であるがゆえに電気的絶縁性を有しているので、直接電気設備等に放水しても導電の心配がなく安全である。 【0004】 この消火剤は、消火器の技術上の規格を定める省令(非特許文献1参照)第10条の2に定められているように零度以上40度以下の使用温度範囲で正常に性能を発揮できなければならないため、また消火器用消火薬剤の技術上の規格を定める省令(非特許文献2参照)第1条の2第2項に定められているように結晶の析出を生じないものでなければならないため、当然純水(イオン交換水では凝固点約0.8℃)だけで使用されず、日本消防検定協会による消火器用消火薬剤の検定細則(非特許文献3参照)第8条に従って浸潤剤、不凍剤その他消火薬剤の性能を高め又は性状を改良するための薬剤(「浸潤剤等」とも言う)を純水に添加して使用される。この点について、純水に不凍剤のグリコール類を添加することによって消火効果を向上させた消火剤が提案されている(特許文献2参照)。しかし、純水へのグリコール類の添加は純水単独より消火効果は向上するもののなお不十分であるとともに、寒冷地での使用には多量のグリコール類の添加を必要とする。 【特許文献1】特開2000−93546号公報 【特許文献2】特開2004−113319号公報 【非特許文献1】消火器の技術上の規格を定める省令 【非特許文献2】消火器用消火薬剤の技術上の規格を定める省令 【非特許文献3】消火器用消火薬剤の検定細則 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 本発明は、かかる従来技術の現状に鑑み創案されたものであり、その目的は省令の使用温度範囲を含む幅広い温度範囲で最も高い消火効果を発揮することができるクリーンルーム火災の消火に好適な消火剤及び消火器を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0006】 本発明者は、かかる目的を達成するために純水に添加するのに最も好適な浸潤剤等について鋭意検討した結果、アルコールが少量の使用量で幅広い使用温度範囲で最も高い消火効果を発揮することを見出し、本発明の完成に至った。 【0007】 即ち、本発明は、80〜98重量%の純水と20〜2重量%のアルコールからなることを特徴とする消火剤である。また、本発明は上記消火剤が充填されていることを特徴とする消火器である。 【発明の効果】 【0008】 本発明の消火剤及び消火器によれば、純水に特定量のアルコールを添加しているので、幅広い使用温度範囲で最も高い消火効果を発揮しながらクリーンルームでの火災に好適に使用することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0009】 本発明の消火剤は、80〜98重量%の純水と20〜2重量%のアルコールから構成されるものである。本発明で使用する純水は、電気比抵抗が高く、不純物(パーティクル)の含有量が少ない水を指し、製法の違いによりイオン交換水、蒸留水、逆浸透水などが例示される。純水の不純物濃度はできるだけ零に近いことが好ましいが、長期間容器等に貯蔵すると不純物濃度は上昇するので、消火器が純水製造機と接続されるようにしてもよい。いずれにしても従来の消火剤と比べると純水は不純物の濃度は極めて低いので、純水を消火剤に用いるとクリーンルーム内での消火時の汚染及び腐食が防止される。また、純水の電気比抵抗は200V以下の回路において0.2MΩ・m以上の電気比抵抗があることが好ましい。このように電気比抵抗の高い純水を使用することにより、電気回路が通電状態のままで放水されても電気回路の損傷や感電の危険もなく迅速な初期消火を達成することができる。 【0010】 本発明で使用するアルコールは、純度が99%以上のものを使用することが好ましい。アルコールとしては、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどが使用できる。例えばエタノールは凝固点が−114.5℃、沸点が78.325℃であるので、純水と混合した場合に消火剤として幅広い使用温度範囲での効果的な使用が可能である。アルコールは純水80〜98重量部に対して20〜2重量部の割合で混合される。なお、本発明の消火剤は、基本的に水とアルコールからなるが、クリーンルームでの消火を妨げない範囲で日本消防検定協会による消火器用消火薬剤の検定細則第8条の浸潤剤等を適宜選択して微量添加することができる。 【0011】 本発明はまた、上述のような消火剤を充填された消火器も包含する。消火器のうち純水が充填される部分は不純物が溶出しにくい材料、例えばチタン、ステンレス、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等で構成されることが好ましい。また、消火器は純水製造機を内包しているものでもよいし、別体の純水製造機に接続されているものでもよい。いずれにしても本発明では従来提案された純水を使用する消火器及び消火設備を適宜採用することができ、従ってその詳細は当業者に公知なのでここでは述べない。 【実施例】 【0012】 本発明の消火剤の効果を実証するために以下に実施例及び比較例を記載して説明する。 【0013】 表1に記載の配合組成に従って実施例1〜4及び比較例1〜3の消火剤を製造した。なお、純水はイオン交換水(電気比抵抗0.35MΩ・m)を使用し、エチルアルコール、プロピレングリコール、ヘキシルグリコールは純度99.5%以上のものを使用した。また、消火剤にはpH安定剤及び防錆剤をそれぞれ微量(約0.05重量%)含有させた。 【0014】 消火剤の消火性能は、「消火器の技術上の規格に定める省令」に準じた試験方法により評価し、消火剤を3.0L蓄圧式消火器に充填し、この消火器の霧状ノズルから噴霧して、A−1消火模型を消火させた。この評価結果も表1に示す。 【0015】
1:消火後4分経過後も再燃しない 2:消火後2分経過後に再燃 3:消火後2分経過前に再燃 4:消火されず燃焼継続 【0016】 表1からわかるように、本発明の消火剤は、純水のみや純水にグリコール類を添加した場合と比べて消火効果が明らかに高い。また、エチルアルコールの量を純水に対して上記表のように変化させた場合であっても消火効果は維持されており、「浸潤剤等」のうちエチルアルコール添加による消火効果の向上は格別である。なお、実施例2の消火剤は−3℃でも充分に使用できたが、比較例1〜3の消火剤は−3℃ではいずれも結晶が析出して使用不可能であった。 【産業上の利用可能性】 【0017】 本発明の消火剤及び消火器によれば、純水をベースとしながらも、幅広い使用温度範囲で高い消火効果を発揮できるので、クリーンルームを使用する産業における消火のために極めて有用である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】391008320 【氏名又は名称】株式会社初田製作所
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| 【出願日】 |
平成18年6月26日(2006.6.26) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100103816 【弁理士】 【氏名又は名称】風早 信昭
【識別番号】100120927 【弁理士】 【氏名又は名称】浅野 典子
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| 【公開番号】 |
特開2008−500(P2008−500A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月10日(2008.1.10) |
| 【出願番号】 |
特願2006−174784(P2006−174784) |
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