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【発明の名称】 トンネル消火栓装置
【発明者】 【氏名】粟津 一嘉

【氏名】梅原 寛

【要約】 【課題】組立作業、本体を架台へ載置する際の位置合わせ、設置場所での信号線の通線接続や配管の引き込み接続を容易して作業性を向上する。

【構成】トンネル消火栓装置10は、筐体内にノズル付きホースを収納し、消火時に筐体の扉を開いてノズル付きホースを引き出して消火する、装置筐体は、上下、左右及び前後に開口された箱型フレーム構造を備えたフレーム本体12と、フレーム本体12の前面に配置される前面化粧枠とで構成する。フレーム本体12の側面、上面、底面及び背面のフレーム開放部位に、塞ぎ板22,24を必要に応じて着脱する。塞ぎ板22,24はフレーム本体12の内側から着脱可能とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体内にノズル付きホースを収納し、消火時に筐体の扉を開いて前記ノズル付きホースを引き出して消火するトンネル消火栓装置において、
前記筐体を、
上下、左右及び前後に開放された箱型フレーム構造を備えたフレーム本体と、
前記フレーム本体の前面に配置される前面化粧枠と、
で構成したことを特徴とするトンネル消火栓装置。
【請求項2】
請求項1記載のトンネル消火栓装置において、前記フレーム本体の側面、上面、底面及び背面のフレーム開放位置に、塞ぎ板を必要に応じて着脱する塞ぎ板着脱構造を備えたことを特徴とするトンネル消火栓装置。
【請求項3】
請求項1記載のトンネル消火栓装置において、前記塞ぎ板着脱構造は、前記塞ぎ板を前記フレーム本体の内側から着脱可能としたことを特徴とするトンネル消火栓装置。
【請求項4】
請求項2又は3記載のトンネル消火栓装置において、前記塞ぎ板着脱構造は、前記前全面化粧枠から前記フレーム本体の側面及び又は上面に延在する防塵用又は漏水用の塞ぎ板を設けたことを特徴とするトンネル消火栓装置。
【請求項5】
請求項2又は3記載のトンネル消火栓装置において、前記塞ぎ板着脱構造は、前記塞ぎ板を前記フレームが受ける気流の上流側に設けたことを特徴とするトンネル消火栓装置。
【請求項6】
請求項2乃至5のいずれかに記載のトンネル消火栓装置において、前記塞ぎ板は断熱材であることを特徴するトンネル消火栓装置。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれかに記載のトンネル消火栓装置において、前記フレーム本体又は前記塞ぎ板に、前記前面化粧枠から塞ぎ板へ入る水や埃をフレーム本体側方へ流す排水径路を設けたことを特徴するトンネル消火栓装置。
【請求項8】
請求項1記載のトンネル消火栓装置において、前面化粧枠はトンネル壁面の傾斜角度に一致するように前方に傾斜して前記フレーム本体に取り付けたことを特徴とするトンネル消火栓装置。
【請求項9】
請求項1記載のトンネル消火栓装置において、前記フレーム本体を、消火器格納部、消火栓ホース収納部及び弁収納部でそれぞれ分割して分割フレームとし、前記3つの分割フレームを架台上に設置して連結可能としたことを特徴とするトンネル消火栓装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネル内に設置され、火災時に筐体内部のホースを抜き出して消火を行うトンネル消火栓装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高速道路や自動車専用道路などのトンネルに設置されるトンネル消火栓装置としては、例えば図17に示す筐体構造がある。図17において、トンネル消火栓装置200は、ホース、バルブ類及び消火器を収納した箱状の本体202と、本体202の前面を覆いホースを取出す際に開く消火栓扉206を備えた化粧枠204で構成される。
【0003】
このようなトンネル消火栓装置は、トンネル内の側壁に沿って例えば50メートル間隔で設置されており、消火時には、本体202の消火栓扉206を開いてノズル付きのホース208を引き出し、消火栓開閉レバー210を開位置に操作して消火用水をノズルから放出するようにしている。
【特許文献1】特開2005−318972号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来のトンネル消火栓装置にあっては次の問題がある。
【0005】
まず本体202は前面のみが開口した箱状になっているため、本体202の内部にホース208やバルブ類などを組み立てるには、前面からのみしか作業ができず、非常に狭い中での作業となり、組み立て作業が煩雑であるという問題がある。
【0006】
またトンネル消火栓装置200は、本体202を予めトンネル内に設置された架台の上に載せてボルトで固定設置するが、本体202は底面が塞がれた箱状であるため、本体202側から架台が見えず、本体202の架台への位置合わせが困難であり、更に本体202はかなりの重量があることから、架台に対する位置合わせを更に困難なものとしている。
【0007】
更に、トンネル消火栓装置200には、側面から給水配管や信号線を内部に引き込むために、本体側面板に開口穴214,216を予め開けてあり、本体202を設置した後に、開口穴214,216に配管や信号線を通し接続している。しかし、トンネル消火栓装置200の設置状態にあっては、現場によって配管の高さ等の位置が異なる場合があり、その場合には配管位置に併せて本体側面の開口穴214を加工する必要があり、手間と時間がかっている。また、信号線を通す開口穴216についても、トンネル消火栓装置200の周囲の状態によっては通しづらい場合があり、通線作業を煩雑なものとしている。
【0008】
本発明は、組立作業、本体を架台へ載置する際の位置合わせ、設置場所での信号線の通線接続や配管の引き込み接続を容易にする作業性に優れたトンネル消火栓装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、筐体内にノズル付きホースを収納し、消火時に筐体の扉を開いてノズル付きホースを引き出して消火するトンネル消火栓装置において、筐体を、上下、左右及び前後に開口された箱型フレーム構造を備えたフレーム本体と、フレーム本体の前面に配置される前面化粧枠と、で構成したことを特徴とする。
【0010】
ここで、フレーム本体の側面、上面、底面及び背面のフレーム開放位置に、塞ぎ板を必要に応じて着脱する塞ぎ板着脱構造を備える。塞ぎ板着脱構造は、塞ぎ板をフレーム本体の内側から着脱可能とする。
【0011】
塞ぎ板着脱構造は、前面化粧枠からフレーム本体の側面及び又は上面に延在する防塵用又は漏水用の塞ぎ板を設ける。塞ぎ板着脱構造は、塞ぎ板をフレーム本体が受ける気流の上流側に設ける。また塞ぎ板は断熱材としても良い。
【0012】
フレーム枠体又は塞ぎ板に、前面化粧枠から塞ぎ板へ入る水や埃をフレーム本体側方へ流す排水径路を設ける。

前面化粧枠はトンネル壁面の傾斜角度に一致するように前方に傾斜してフレーム本体に取り付ける。
【0013】
フレーム本体を、消火器格納部、消火栓ホース収納部及び弁収納部でそれぞれ分割して分割フレームとし、3つの分割フレームを架台上に設置して連結可能とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、トンネル消火栓装置の本体を、板の無い枠だけの箱型フレーム構造のフレーム本体とし、側面、背面などを開口構造とすることで、前面だけでなく背面などからも本体内に手を入れることができ、組立作業を非常に行い易くすることができる。
【0015】
またフレーム本体は側面に板がないため配管の引き込み接続及び信号線の通線接続のための開口穴が不要となり、フレーム本体側面の開口部分に対する信号線の通線接続や、配管の引き込み接続を行い易くできる。
【0016】
またフレーム本体は底面を無くした構造のため、架台が見やすく、フレーム本体の架台への載置の位置合わせを行い易くできる。
【0017】
またフレーム本体により側面板などが無くなったことで、外部から粉塵や水が筐体内に入りやすい構造となってしまうが、フレーム本体に塞ぎ板を着脱可能に取り付けられるようにして、粉塵等が入りそうな開口面に対しては必要に応じて塞ぎ板をフレーム本体に取り付けることができる。
【0018】
また塞ぎ板をフレーム本体の内部から取付け可能にしたことで、設置後であっても設置状況によって後から追加して塞ぎ板を取り付けることができる。例えば防塵対策としては、塞ぎ板は車の走行方向の上流側に少なくとも取り付けると良いし、漏水対策としては、上面のみ、或いは上面及び側面に少なくとも取り付けると良い。
【0019】
防塵対策用の塞ぎ板は、本体フレームだけでなく、本体前面に設けられる化粧枠の縁に取り付けて、後方の本体側に延びる構成としても良く、これによって防塵効果を高めることができる。
【0020】
またトンネルの壁面は円弧状に傾斜しているため、前面化粧枠を上部を前方に傾斜させて本体に接続固定することで、トンネル壁面の傾斜面に面一として、ホコリや水が入らないような構造とすることができる。
【0021】
更に、フレーム本体のフレーム構造としては、装置全体で一つのフレーム構造としても良いし、部分毎に分割してフレーム構造としても良い。例えば、消火器格納フレーム、ホース格納フレーム、バルブ類格納フレームといった3つの分割フレームで別々に構成し、後に架台に設置する際に連結して一つの消火栓装置としても良い。
【0022】
これにより、分割フレームの部分毎に組立ができ、組立作業が行い易く、また一つ一つが軽量化して運送や取り換え作業が行いやすくなる。また交換が必要なときは、一部のフレームのみ交換でき、交換作業が簡単となり、余計な資源の消費を不要にできる。さらに、場所によっては、ユニットの連結の配置を変更することができたり、必要なもののみ連結して設置することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1は本発明によるトンネル消火栓装置の基本構成を示した説明図である。図1において、本発明のトンネル消火栓装置10はトンネル内に据え付けられ、消火時に消火栓扉を開いて内部のノズル付ホースを引き出して消火する装置であり、装置筐体としてフレーム本体12と、後の説明で明らかにするフレーム本体12の前面に配置される前面化粧枠とで構成される。
【0024】
フレーム本体12は上下、左右及び前後に開放された硬質材の箱型フレーム構造を備えており、フレーム本体12の内部に、点線で示す消火器格納部16、ホース格納部18及びバルブ類格納部20を配置している。
【0025】
フレーム本体12はトンネル据付時には、トンネル側の据付部に固定された架台14に乗せることで取付固定される。上下、左右及び前後に開放されたフレーム本体12に対しては、そのフレーム開放部位に対し必要に応じて塞ぎ板22,24を取り付けることができる。
【0026】
塞ぎ板は、金属、合成樹脂、ゴムなどの材質で取付面を塞げるものであれば良く、腐食など経年変化の少ない材質が良い。配管や線路を通す穴を加工しやすくするため、合成樹脂やゴムなど、いくらか柔軟な材質であっても良い。また、配管内の水の凍結防止のため、断熱材であっても良い。
【0027】
図1の場合には、フレーム本体12の左側の消火器格納部16の側面開口部に塞ぎ板22を取り付け、またフレーム本体12の上部に塞ぎ板24を取り付ける場合を例にとっている。
【0028】
また塞ぎ板22,24はトンネル消火栓装置10の工場製造段階で取り付けることもできるが、トンネル消火栓装置10をトンネル内に据付固定した後に、フレーム本体12に対し取付可能とするため、例えば塞ぎ板22,24をフレーム本体12の内側から必要な側面または上面に取り付ける構造とする。
【0029】
塞ぎ板22,24のフレーム本体12に対する取付けは、通常、フレーム本体12側にねじ穴を予め加工しておき、ビスでねじ止めする構造とする。またフレーム本体12の内側から塞ぎ板22,24を取り付ける場合には、ビスをねじ込むための作業スペースが確保できない可能性もあることから、フレーム本体12側に嵌合バネなどの嵌合部を設け、ここに塞ぎ板22,24を嵌め込み固定する着脱自在な取付構造としてもよい。
【0030】
またフレーム本体12の側面に取り付ける塞ぎ板22としては、トンネル消火栓装置10をトンネルに据え付けた状態で、トンネル内を流れる気流の上流側に設けることが望ましい。これによって、気流の上流側に設けた塞ぎ板22によりフレーム本体12内に対する埃の侵入を防止する防塵用の塞ぎ板22として機能させることができる。
【0031】
またフレーム本体12の上部に取り付ける塞ぎ板24は、フレーム本体12に対する漏水を防ぐために取り付ける。
【0032】
また図1の塞ぎ板22,24については、独立した部材としているが、後の説明で明らかにするフレーム本体12の前面に配置する前面化粧枠の上部または側面に一体に塞ぎ板を形成し、前面化粧枠から延在する形でフレーム本体12の上面または側面に塞ぎ板を取り付けるようにしてもよい。更に、塞ぎ板22,24としては一枚の板ではなく、例えば塞ぎ板22については上下2枚に分割した塞ぎ板としても良い。
【0033】
図2は図1の基本構成を備えた本発明によるトンネル消火栓装置の実施形態を示した説明図である。図2において、トンネル消火栓装置10は、点線で示すフレーム本体12の前面に前面化粧枠26を取り付けており、前面化粧枠26には扉用開口26a,26bが形成されている。扉用開口26aの位置にはフレーム本体12側にヒンジにより連結されて消火栓扉28が取り付けられ、また扉用開口26bの部分にはフレーム本体12側にヒンジを連結して消火器扉30が設けられている。
【0034】
消火栓扉28の内部には、図1のフレーム本体12内に破線で示したホース格納部18とバルブ類格納部20が位置し、ホース格納部18には先端にノズルを装着したホースを内巻きにして収納しており、消火栓扉28を開いてノズルを引き出し、扉内に設けている消火栓弁開閉レバーを操作することで消火ポンプ設備を起動して放水を行うことができる。
【0035】
消火栓扉28には開閉ハンドル28aが設けられ、開閉ハンドル28aを引くことで消火栓扉28を、下側を回転軸に前方に開放することができる。また消火器扉30には開閉ハンドル30aが設けられ、開閉ハンドル30aで扉を横に開くことで内部の消火器を取り出すことができる。
【0036】
消火器扉30の右側には操作表示部32が設けられ、操作表示部32には赤色表示灯34、手動発信機36及び応答ランプ38が設けられている。トンネル内での火災事故の際には手動発信機36のボタン操作により監視室などに異常通報ができ、火災通報が行われると応答ランプ38が点灯する。
【0037】
図3は図2の実施形態の消火栓扉28を外した状態での内部構造の説明図である。消火栓扉の内部にはフレーム本体12に設定されたホース格納部18とバルブ格納部20が位置している。
【0038】
ホース格納部18にはU字型の支持アーム40とホース収納枠42が設けられ、保形タイプのホース44を内巻き状態で収納している。支持アーム40は、上部で筐体に固定支持されたU字型のパイプ部材を使用している。またホース収納枠42は、ほぼ中央外側から横及び背後に矩形に形成され上下に開口した枠体であり、ホース収納枠42内にホース44が内巻きした状態で収納されている。
【0039】
ホース収納枠42に内巻き状態で収納されたホース44は、右側のバルブ類格納部20に設けている給水管から消火用水の供給を受ける。バルブ類格納部20には給水接続口45に続いて消火栓弁46、自動排水弁48及び自動調圧弁50が設けられ、自動調圧弁50の2次側の配管をホース44に接続している。
【0040】
消火栓弁46は消火栓扉の内側に設けている消火栓弁開閉レバーとワイヤ接続されており、レバー操作に従って弁の開閉を行うことができる。自動排水弁48は通常時にあっては2次側を排水するようにしている。自動調圧弁50は放水時にホース44側からの放水圧力を規定圧に自動調整する。
【0041】
図4は図2の実施形態の消火栓扉28を開いた状態で平面的に見た内部構造の説明図である。図4において、消火栓扉28はフレーム本体12に対しヒンジ55により開閉自在に取り付けられており、消火栓扉28とフレーム本体12との間には緩衝用ダンパ58が設けられ、消火栓扉28を滑らかに開放できるようにしている。
【0042】
消火栓扉28の内側の右側部分には消火栓弁開閉レバー56が設けられ、消火栓弁開閉レバー56を手前に操作することで、ワイヤで連結された図3の消火栓弁46を放水位置に切り替えることができる。このとき、図示しないレバーの下部に設けているポンプ起動用の連動スイッチがオンし、消火ポンプ設備のポンプ起動を行うようになる。
【0043】
ノズル52からの放水を停止したい場合には、消火栓弁開閉レバー56を図示の初期位置に戻す。この初期位置への戻しにより、ワイヤ連結されている消火栓弁46の給水が停止される。同時に、レバー下部の図示しないスイッチがオフとなって消火ポンプ設備を停止できる状態となる。
【0044】
フレーム本体12の各面の中の消火器格納部16、ホース格納部18及びバルブ類格納部20の境界位置には、中間のフレームをさらに設け、本体の強度を高めると共に、各フレームを使って装置の各部材を取り付けている。中間のフレームに塞ぎ板を追加取付けしても良い。例えば消火器格納部16とホース格納部18の間に塞ぎ板を取り付けて区画分けして、格納部同士の埃などの行き来を防ぐようにしても良い。
【0045】
図5は図4の消火栓扉28の開放状態の側面図である。図5において、フレーム本体12の前面には前面化粧枠26が取り付けられており、フレーム本体12側にヒンジを固定した消火栓扉28が開放された状態にある。
【0046】
本実施形態にあっては、前面化粧枠26の上部に上部化粧枠62を取り付けている。上部化粧枠62は、後の説明で明らかにするトンネル内に据え付ける際の上部の隙間を塞ぐために取り付けている。また、上部化粧枠62はフレーム本体12の上部を塞いで水や埃がフレーム本体内へ入るのを防ぐ塞ぎ板としての機能を有する。
【0047】
図6は図5の上部化粧枠62を取り出して示している。図6(A)は上部化粧枠62の平面図、図6(B)は正面図、図6(C)は側面図である。この上部化粧枠62は前面化粧枠部64と上部塞ぎ板部66と後部起立部68で形成されており、図5のようにフレーム本体12の上部に取り付けることで、前面化粧枠部64が分割した前面化粧枠の一部としてフレーム本体12の上部の隙間を塞ぎ、同時に前面化粧枠部64から水平方向に延在した上部塞ぎ板部66がフレーム本体12の上部を塞いで、フレーム本体12の内部に対する上部からの漏水を防ぐようになる。
【0048】
後部起立部68は、前面化粧枠部64から上部塞ぎ板部66に伝わって入る水や埃を後方へ進めてフレーム本体内へ入ることを防ぐための起立した壁であり、入った水は上部塞ぎ板部66を横方向へ流れてフレーム本体12の側方へ排出する排出径路を形成する。上部塞ぎ板66はフレーム本体12の上面全体を塞ぐように奥行き方向の長さを長くしても良い。
【0049】
図7は図2の実施形態の架台14を取り出して示した説明図である。図7において、架台14は図2のフレーム本体12の横幅に一致する長さを持ち、奥行方向はフレーム本体12の奥行より大きく作られている。架台14を構成するフレームの4箇所には取付用ナット70が溶接により固定されている。
【0050】
具体的には、架台14のフレームの取付用ナット70の固定部分に通し穴を開け、この通し穴の裏側に取付用ナット70を溶接により固定している。取付用ナット70に対しては、図5のようにフレーム本体12を架台14に乗せて位置合せした状態でフレーム本体12側からボルトをねじ込むことで、架台14に対しフレーム本体即ち本実施形態のトンネル消火栓装置10を取付固定することができる。
【0051】
この場合、トンネル消火栓装置10のフレーム本体12は下側に開口しているため、フレーム本体12を架台14の取付用ナット70に位置合せする際に、下側に開放したフレーム本体12の部分から取付位置を容易に確認することができ、重量の重いフレーム本体12と前面化粧枠26で構成された本実施形態のトンネル消火栓装置10の取付用ナット70に対する位置合せを容易且つ確実に行うことができ、架台14に対する取付作業が極めて容易にできる。架台14とフレーム本体12を取り付けた後、内側から塞ぎ板をフレーム本体下面に必要に応じて取り付ける。
【0052】
上部化粧枠62と同様のものをフレーム本体12の側面に取り付けて、上部塞ぎ板部66の排出径路をフレーム本体側面にも延長すれば、フレーム本体側面からも水の進入を防げ、確実に外部に排出することができる。
【0053】
また、前面化粧枠部64は必ずしも必要ではなく、後部起立部68があれば水の進入を防ぐことができる。また、上部塞ぎ板部66、後部起立部68は前面化粧枠26と一体に形成しても良い。後部起立部68は上部塞ぎ板部66の中間に形成しても良い。
【0054】
図8は図2の実施形態のトンネル据付状態の説明図であり、消火栓扉28を開いた状態で示している。図8において、トンネル72内にはアスファルト舗装による路面78が形成され、路面78の路肩側には排水路75が設けられ、続いて所定の高さに立ち上げられて避難や保守時に使用する監視員通路80が形成されている。
【0055】
監視員通路80に沿ったトンネル壁面74には、例えば50m間隔で消火栓装置収納部76がコンクリート打ちの際に形成されている。この消火栓装置収納部76に架台14を予め固定設置した後、本実施形態のトンネル消火栓装置10を図示のように架台14に乗せてボルト締めにより取付固定する。
【0056】
トンネル消火栓装置10は架台14上にフレーム本体12を乗せて固定しており、この据付例にあっては、フレーム本体12の側面の開放部に塞ぎ板82を取り付け、例えば塞ぎ板82はトンネル内の気流の上流側に取り付けることで粉塵の侵入を防いでいる。この塞ぎ板はフレーム本体12に取り付けても良いし、前面化粧枠26に取り付けても良い。
【0057】
またフレーム本体12の上部には図6に示した構造の上部化粧枠62が取り付けられており、上部化粧枠62は水平方向に図2に示した上部塞ぎ板部66を延在することでフレーム本体12の上部を塞いで、フレーム本体12に対する漏水を防いでいる。
【0058】
図9は図7の実施形態のトンネル据付状態を反対側から見た説明図である。図9にあっては、トンネル消火栓装置10の消火栓扉を閉じて、フレーム本体12及び上部化粧枠62の側面露出状態を示している。この実施形態にあっては、トンネル消火栓装置10の正面から見て右側となる側面に対し、図10に取り出して示す塞ぎ板84を取り付けるようにしている。
【0059】
図10において、塞ぎ板84は上側塞ぎ板84aと下側塞ぎ板84bの2分割構造であり、フレーム本体12の側面に取り付けた状態で両者の合せ部分に配管通し穴85を形成している。また上側塞ぎ板84aには配線用通し穴86が形成されている。
【0060】
塞ぎ板84は、図9のように架台14上にフレーム本体12によりトンネル消火栓装置10を取付固定し、トンネル消火栓装置10について図3に示したように、バルブ類収納部20に設けている給水接続口45に対し外部から給水管を接続固定した後、上下に分割された上側塞ぎ板84aと下側塞ぎ板84bを取付固定することになる。
【0061】
このため、フレーム本体12内の配管接続口45に外部から給水管を接続する際には、フレーム本体12の右側は開放状態にあり、配管接続作業はフレーム本体12の開口部を使用して簡単且つ容易にできる。そして配管接続が終了した後、図10に示す上側塞ぎ板84aと下側塞ぎ板84bを、既に接続が済んだ配管の部分に合せて配管通し穴85を形成するように位置決めしてフレーム本体12に対しねじ止め固定することで、塞ぎ板84を取付固定する。
【0062】
配管の位置は施工時に多少ばらつきが考えられるため、塞ぎ板84の位置合わせが行いやすいように塞ぎ板84のねじ通穴を大きくして塞ぎ板84の上下左右の位置調整ができるようにすると良い。
【0063】
更に上側塞ぎ板84aを取り付けた後に、配線用通し穴86を通して図2に示した操作表示部32やバルブ類格納部20に対する信号線の接続作業を行う。この接続作業の際にも、下側塞ぎ板84bを外しておけば比較的容易に配線作業が可能である。
【0064】
なお図10の塞ぎ板84にあっては、フレーム本体12の側面のみならず、トンネル72に形成した消火栓装置収納部76の側面全体を塞ぐ形で取り付けており、例えばトンネル消火栓装置10に隣接して他のユニットを取り付けるような場合に、そのユニットの間を仕切る塞ぎ板84として使用することができる。
【0065】
なお塞ぎ板84としては、フレーム本体12の側面形状に合せた上下分割構造の塞ぎ板としてもよいことはもちろんである。
【0066】
図11は本発明によるトンネル消火栓装置の他の実施形態を示した説明図であり、前面化粧枠をトンネル壁面に沿って傾斜させたことを特徴とする。図11(A)はトンネル消火栓装置10の正面図であり、図11(B)に消火栓扉28を開いた状態の側面図を示している。
【0067】
図11の実施形態にあっては、トンネル消火栓装置10は上下左右及び前後に開放された箱型フレーム構造を備えたフレーム本体12と、フレーム本体12の前面に配置される前面化粧枠26で構成されているが、前面化粧枠26は図11(B)の側面図に示すように、フレーム本体12の前面の垂直方向に対し、下側を中心に前方に所定角度θだけ傾斜して支持フレーム88により取り付けている。
【0068】
この前面化粧枠26の傾斜角θは、図12のようにトンネル74の消火栓装置収納部76に据え付けた際に、トンネル壁面74に沿って前面化粧枠26が位置する角度に設定している。
【0069】
また図11(B)において、フレーム本体12に対し前方に傾斜角θだけ傾斜して取り付けた前面化粧枠26の上部には、分割前面化粧枠として上部化粧枠90が配置されており、この上部化粧枠90の前面も前面化粧枠26と同様、同じく傾斜角θだけ前方に傾けて下側の前面化粧枠26に連続させている。
【0070】
図13は図11の実施形態に使用している上部化粧枠90を取り出して示しており、上部化粧枠90の構造は図6の場合と同様、上部塞ぎ板部92と前面化粧枠部94で構成されるが、前面化粧枠部94について、図13(C)に示すように、垂直方向に対し傾斜角θだけ前方に傾けて配置している。
【0071】
図14は図12のトンネル消火栓装置10の据付状態を反対側から見た説明図であり、トンネル消火栓装置10の右側のフレーム本体12の位置には図3に示したようにバルブ類格納部20が形成されており、外部から排水管を接続することになる。このフレーム本体12の右側には、図15に示す分轄構造の塞ぎ板96が外部からの配管接続後に装着される。
【0072】
塞ぎ板96は上側塞ぎ板96aと下側塞ぎ板96bで構成され、両者の合せ部分に配管用通し穴98を形成できるようにしている。また上側塞ぎ板96aには配線用通し穴100が形成されている。塞ぎ板96はフレーム本体12に対する外部からの配管接続が完了した状態で取付固定される。
【0073】
このとき、フレーム本体12のバルブ類収納部に対する外部からの配管の部分に配管用通し穴98の上半分が合うように上側塞ぎ板92aを挿入してフレーム本体12に対しビス止めし、続いて配管用通し穴98の下半分を配管に合わせるように下側塞ぎ板96bを取り付けて、同様にフレーム本体12にビス止め固定する。
【0074】
このように塞ぎ板96をフレーム本体12の右側に取り付けることで、トンネル内の据付状態でフレーム本体12の右側、即ちトンネル消火栓装置10の右側に他のユニットを据え付けるような場合、両者を仕切る仕切壁として塞ぎ板96を使用することが可能である。
【0075】
また図11の実施形態に使用する塞ぎ板96は、図11(B)のように、フレーム本体12に取り付ける前面化粧枠26が支持フレーム88により傾斜角θだけ前方に傾けて取り付けられていることから、この前面化粧枠26の傾斜角に合わせ、上側塞ぎ板96a及び下側塞ぎ板96bの前縁部を垂直方向に対し傾斜角θの傾きを持って形成している。
【0076】
このようにフレーム本体12に対し傾斜角θを持って前方に傾けて前面化粧枠26を取り付けた実施形態にあっては、図12及び図14のトンネル72に対する据付状態から明らかなように、フレーム本体12に傾斜して取り付けた前面化粧枠26が消火栓装置収納部76のトンネル壁面74に対する開口部に沿って前方に斜めに傾いて配置されることとなり、このためトンネル消火栓装置10を据え付けた際にトンネル壁面74からの突出を抑えることができる。
【0077】
即ち図8の実施形態にあっては、トンネル72の消火栓装置収納部76に固定した架台14上にトンネル消火栓装置10を据え付けた場合、トンネル消火栓装置10の上部をトンネル壁面74の開口エッジに合わせて配置することから、架台14及びトンネル消火栓装置10の下側がトンネル壁面74から突出して監視員通路80側に位置している。
【0078】
これに対し図12の実施形態にあっては、フレーム本体12に対しトンネル壁面74の開口部の傾きに応じて前面化粧枠26を傾斜角θで前方に傾けてフレーム本体12に取り付けているため、トンネル消火栓装置10の上部化粧枠90及びフレーム本体12の前面の前面化粧枠26からなる前面部分を、上端をトンネル壁面74の開口縁部に合わせ、下端についてもトンネル壁面74の開口縁部に合わせて配置することができる。
【0079】
このため前面化粧枠26及び上部化粧枠90によりトンネル壁面74に対する消火栓装置収納部76の開口部分を塞ぐことができ、フレーム本体12内に対する埃や水の侵入を簡単に防止することができる。即ち図12の据付状態にあっては、図8の実施形態のように、据付状態でフレーム本体12の側面の一部がトンネル壁面74から飛び出すため、そこに塞ぎ板82を取り付けているが、このような塞ぎ板82の取付けが図12の実施形態にあっては不要にできるが、取り付けても良い。
【0080】
更に図8の実施形態にあっては、トンネル壁面74からトンネル消火栓装置10の下側及び架台14が飛び出すことで監視員通路80の一部を閉めることになるが、図12の実施形態にあっては監視員通路80側に対するトンネル消火栓装置10側の飛び出しがなく、監視員通路80の通り易さを確保することができる。フレーム本体12の前面フレームも前面化粧枠26の傾斜に合わせて前方に傾斜させても良い。
【0081】
図16は分割フレームを組み合わせてフレーム本体とする本発明によるトンネル消火栓装置の他の実施形態を示した説明図である。図16において、本実施形態のトンネル消火栓装置10にあっては、装置筐体として、図1の実施形態のように単一のフレーム本体を使用せず、例えば消火器格納フレーム102、ホース格納フレーム104及びバルブ類格納フレーム106の3つに分けてフレームを構成し、この3つのフレームを組み合わせて架台14に取付け固定することで、フレーム本体を構成している。
【0082】
架台14に取付け固定して組み合わせたフレーム本体に対しては、その前方に図1の実施形態と同様、図2のトンネル消火栓装置10に示すように前面化粧枠26が取り付けられ、前面化粧枠26は扉用開口26a,26bを持ち、それぞれにフレーム本体側をヒンジとして消火栓扉28及び消火器扉30を開閉自在に取り付けることになる。
【0083】
図16の実施形態にあっては、トンネル消火栓装置10のフレーム本体を3つのフレーム即ち消火器格納フレーム102、ホース格納フレーム104及びバルブ類格納フレーム106に分割したことで、工場における製造段階にあってはフレーム単位に組立作業を行うことができ、各フレームに組み込む機器の組立作業が容易であり、また装置全体を3つのフレームに分割して組み立てていることから、1つ1つのフレームの重量が軽量化でき、据付現場への運搬や据付現場における架台14に対する取付作業を分割フレームによる軽量化で容易に行うことができる。
【0084】
また据付後に特定の収納部の交換を必要とした場合には、交換を必要とする機器を含むフレーム部分を別の機器を組み込んだフレームと交換すればよく、フレーム単位で交換作業ができるため、機器の交換作業が簡単且つ容易に行うことができる。
【0085】
また図16の実施形態にあっては、3つに分割した消火器格納フレーム102、ホース格納フレーム104及びバルブ類格納フレーム106について、左側から順番に並べて架台14に取付け固定しているが、このフレームの架台14に対する連結位置を必要に応じて変更することができる。
【0086】
例えば図16の実施形態にあっては、外部からの給水配管の接続がトンネル消火栓装置10の右側から行うようにしているために、右側にバルブ類格納フレーム106を配置しているが、もしトンネル消火栓装置10の左側から給水管を接続するような場所があった場合には、バルブ類格納フレーム106を左側に移動し、同時に消火器格納フレーム102を右側に移動すれば、外部からの給水管の接続が左側から行う場所についても簡単に本発明のトンネル消火栓装置10を対応することができる。
【0087】
更に図16の実施形態にあっては、消火器格納フレーム102、ホース格納フレーム104及びバルブ類格納フレーム106で構成しているが、場所によっては消火器格納フレーム102を使用せず、ホース格納フレーム104とバルブ類格納フレーム106の2つのフレームで構成されたトンネル消火栓装置を組み立てることも簡単にできる。
【0088】
もちろん消火器格納フレーム102を単独で使用することも可能であるが、これはトンネル消火栓装置というよりは単なる消火器収納装置としての利用となるが、本発明による実施形態の変形的な利用としては可能である。
【0089】
なお、消火器格納フレーム102やホース格納フレーム104などの各フレームの間に塞ぎ板を着脱自在に取り付けられる構成にしても良い。
【0090】
また上記の実施形態にあっては、フレーム本体12に取り付けられる前面化粧枠26の上部に分割構造の前面化粧枠として上部化粧枠を別途組み付けているが、上部化粧枠62を分割せずに前面化粧枠26と一体構造としてもよいことはもちろんである。また上記の実施形態にあっては、上部化粧枠62の背後に上部塞ぎ板部66を一体に延在させているが、独立した塞ぎ板を使用してもよいことはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明によるトンネル消火栓装置の基本構成を示した説明図
【図2】本発明によるトンネル消火栓装置の実施形態を示した説明図
【図3】図2の実施形態の消火栓扉を外した状態での内部構造の説明図
【図4】図2の実施形態の消火栓扉を開いた状態で平面的に見た内部構造の説明図
【図5】図4の側面図
【図6】図5の上部化粧枠を取出して示した説明図
【図7】図2の実施形態の架台を取出して示した説明図
【図8】図2の実施形態のトンネル据付け状態の説明図
【図9】図7に対し反対側から見たトンネル据付け状態の説明図
【図10】図8でフレーム本体の側面に設置する塞ぎ板を取出して示した説明図
【図11】前面化粧枠をトンネル壁面に沿って傾斜させた本発明によるトンネル消火栓装置の他の実施形態を示した説明図
【図12】図11の実施形態のトンネル据付け状態の説明図
【図13】図12の上部化粧枠を取出して示した説明図
【図14】図12に対し反対側から見たトンネル据付け状態の説明図
【図15】図14でフレーム本体の側面に設置する塞ぎ板を取出して示した説明図
【図16】分割フレームを組合せる本発明によるトンネル消火栓装置の他の実施形態を示した説明図
【図17】従来のトンネル消火栓装置の説明図
【符号の説明】
【0092】
10:トンネル消火栓装置
12:フレーム本体
14:架台
16:消火器格納部
18:ホース格納部
20:バルブ類格納部
22,24,82,84,92:塞ぎ板
26:前面化粧枠
26a,26b:扉用開口
28:消火栓扉
28a,30a:開閉ハンドル
30:消火器扉
32:操作表示部
34:赤色表示灯
36:手動発信機
38:応答ランプ
40:支持アーム
42:ホース収納枠
44:ホース
45:給水接続口
46:消火栓弁
48:自動排水弁
50:自動調圧弁
52:ノズル
54:ホースガイド
55:ヒンジ
56:消火栓弁開閉レバー
58:緩衝用ダンパ
60:消火器
62,90:上部化粧枠
64,94:前面化粧枠部
66,92:上部塞ぎ板部
68:後部起立部
70:取付用ナット
72:トンネル
74:トンネル壁面
75:排水路
76:消火栓装置収納部
78:路面
80:監視員通路
84a,96a:上側塞ぎ板
84b,96b:下側塞ぎ板
85,98:配管用通し穴
86,100:配線用通し穴
88:支持フレーム
102:消火器格納フレーム
104:ホース格納フレーム
106:バルブ類格納フレーム
【出願人】 【識別番号】505398963
【氏名又は名称】西日本高速道路株式会社
【識別番号】000003403
【氏名又は名称】ホーチキ株式会社
【出願日】 平成18年9月1日(2006.9.1)
【代理人】 【識別番号】100079359
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 進


【公開番号】 特開2008−55024(P2008−55024A)
【公開日】 平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願番号】 特願2006−237341(P2006−237341)