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【発明の名称】 防火アタッチメント
【発明者】 【氏名】小林 幸司

【氏名】伊藤 直嗣

【要約】 【課題】高層集合住宅等の建築物の床又は壁等の防火区画を貫通する排水管又は継手に取り付けることで、該排水管又は継手に接続される排水立管に軽量で加工が容易な樹脂管を用いた場合でも、火災発生時に排水管又は継手の管路を通じた他の防火区画への類焼を確実に防止することができる防火アタッチメントを提供すること。

【構成】このアタッチメント20は、環状の取付金具21と前記取付金具21外周に設けた突片22と、前記突片22の下面側にバネ部材23と共に取り付けられた不燃性蓋部材24と規制ピン25とからなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中高層集合住宅等の建築物の床又は壁等の防火区画を貫通する排水管又は継手に取り付けられる防火アタッチメントであって、
前記排水管又は継手の端部に取り付けられる取付金具と、前記取付金具外面に設けた突片と、前記突片の外面側にバネ部材と共に取り付けられ、前記バネ部材の付勢力で前記取付金具の開口側へ水平方向に回動する不燃性蓋部材と、
前記突片の不燃性蓋部材の回動経路上に立設されて、前記不燃性蓋部材の回動を規制する規制ピンとからなり、
火災が発生したとき、火災時の熱によって前記突片の規制ピンによる規制が解除されて、前記不燃性蓋部材が前記バネ部材の付勢力によって回動し、前記取付金具の開口を閉蓋するようにしたことを特徴とする防火アタッチメント。
【請求項2】
取付金具外面に設けた複数の突片と、前記各突片の外面側にバネ部材と共に取り付けられ、前記バネ部材の付勢力で前記取付金具の開口側へ水平方向に回動する不燃性蓋部材と、前記各突片の不燃性蓋部材の回動経路上に立設されて、前記不燃性蓋部材の回動を規制する規制ピンとからなり、
火災が発生したとき、火災時の熱によって前記各突片の規制ピンによる規制が解除されて、前記各突片の不燃性蓋部材がバネ部材の付勢力によって回動し、前記取付金具の開口上で突き合わせ状態となって該開口を閉蓋するようにしたことを特徴とする請求項1記載の防火アタッチメント。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、中高層集合住宅等の建築物の床又は壁等の防火区画を貫通する排水管又は継手に取り付けられる防火アタッチメントに関し、詳細には各階の防火区画を貫通する排水管又は継手に取り付けられて、該排水管又は継手の管路を通じた他の防火区画への類焼を防止するようにした防火アタッチメントに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数の住戸専有部分を備える中高層集合住宅等の建築物の排水設備1は、図8に示すように、建築物の上下方向に延びる排水立管2と、建築物の各階毎に設けられて、各階の住居部分の設備等からの排水を前記排水立管2まで導く排水横枝管3と、排水立管2と排水横枝管3とを接続する排水管又は継手4とを有してなり、排水管又は継手4は、その胴部4aがコンクリートスラブCの貫通孔C1に通されており、その胴部Cによって上階の排水立管2と下階の排水立て管2とが接続されるようになっている。排水管又は継手4は、胴部4aがコンクリートスラブCの貫通孔C1に通された後、その胴部4aと貫通孔C1の隙間部分がモルタルMにより埋め戻されている(特許文献1参照)。
【0003】
上記従来の排水設備において、建築物の上下方向に延びる排水立管2には、下階から上階への類焼を防ぐ目的で鋼管や銅管などの金属製の配管部材が用いられていた。ところが、鋼管や銅管などの金属製の配管部材は重く、このような配管部材を配管場所に持ち込み、配管場所で所定の寸法に切断し接続するという配管作業は大変に手間がかかり、技術も要していた。
【0004】
そこで、運搬や配管作業の手間を大幅に削減できる軽量で、加工性に優れた樹脂製の配管部材の使用が望まれていた。
【0005】
このような要求に対し、従来より、汎用されている塩ビ管などの樹脂管を建築物の床又は壁等の防火区画を貫通する排水管又は継手に接続される排水立管の配管部材として用いることも検討された。
【0006】
しかし、塩ビ管などの樹脂管を建築物の床又は壁等の防火区画を貫通する排水管又は継手に接続される排水立管として用いた場合、塩ビ管などの樹脂管は可燃性材料であるため、火災発生時の熱で溶融して消失してしまい、これにより排水管又は継手の管路を通じて他の防火区画への類焼を引き起こす招く恐れがあった。
【0007】
このため、塩ビ管などの樹脂管を建築物の床又は壁等の防火区画を貫通する排水管又は継手に接続される排水立管として用いる場合には、消防法又は建築基準法上の法的規制により、排水立管の排水管又は継手との接続部分から前後1mを不燃材料で覆うという措置が講じなければならなかった。
【特許文献1】特開2005−146525号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
排水立管を覆う不燃材料には、管長方向に2つ割にされた管状部材が使用され、これをバンド状止具や粘着テープや針金等を用いて排水立管周りに固定していた。しかしながら、これらの作業は床下等の狭い場所で作業しなければならないため容易ではなく、しかもうまく固定できなかったり、固定後に脱落したりするおそれもあった。
【0009】
本発明は、このような技術的課題に鑑みなされたものであり、中高層集合住宅等の建築物の床又は壁等の防火区画を貫通する排水管又は継手に取り付けることで、該排水管又は継手に接続される排水立管に軽量で加工が容易な樹脂管を用いた場合でも、火災発生時に排水管又は継手の管路を通じた他の防火区画への類焼を確実に防止することができる防火アタッチメントを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、中高層集合住宅等の建築物の床又は壁等の防火区画を貫通する排水管又は継手に取り付けられる防火アタッチメントであって、
前記排水管又は継手の端部に取り付けられる取付金具と、前記取付金具外面に設けた突片と、前記突片の外面側にバネ部材と共に取り付けられ、前記バネ部材の付勢力で前記取付金具の開口側へ水平方向に回動する不燃性蓋部材と、
前記突片の不燃性蓋部材の回動経路上に立設されて、前記不燃性蓋部材の回動を規制する規制ピンとからなり、
火災が発生したとき、火災時の熱によって前記突片の規制ピンのよる規制が解除されて、前記不燃性蓋部材が前記バネ部材の付勢力によって回動し、前記取付金具の開口を閉蓋するようにしたことを特徴とする防火アタッチメントをその要旨とした。
【0011】
請求項2記載の発明は、取付金具外面に設けた複数の突片と、前記各突片の外面側にバネ部材と共に取り付けられ、前記バネ部材の付勢力で前記取付金具の開口側へ水平方向に回動する不燃性蓋部材と、前記各突片の不燃性蓋部材の回動経路上に立設されて、前記不燃性蓋部材の回動を規制する規制ピンとからなり、
火災が発生したとき、火災時の熱によって前記各突片の規制ピンによる規制が解除されて、前記各突片の不燃性蓋部材がバネ部材の付勢力によって回動し、前記取付金具の開口上で突き合わせ状態となって該開口を閉蓋するようにしたことを特徴とする請求項1記載の防火アタッチメントをその要旨とした。
【発明の効果】
【0012】
本発明の防火アタッチメントにあっては、建築物の各階の防火区画を貫通する排水管又は継手の端部に取付金具を取り付け、前記排水管又は継手の端部に排水立管端部を接続することで、火災が発生したとき、火災時の熱によって前記取付金具外面に設けた突片の規制ピンによる規制が解除されて、前記突片の外面側にバネ部材と共に取り付けられ不燃性蓋部材が前記バネ部材の付勢力によって前記取付金具の開口側へ水平方向に回動し、該取付金具の開口を閉蓋するようになっている。このため、排水管又は継手の管路を通じた他の防火区画への類焼を確実に防止することができる。
【0013】
また、本発明のアタッチメントを適用する場合、排水管又は継手の管路を通じた他の防火区画への類焼が確実に防止されるため、各階の排水管又は継手間を接合する排水立管には、ポリ塩化ビニル、架橋ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の軽量で加工が容易な樹脂管を用いることができるため、建造物の配管作業をより効率よく行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の防火アタッチメントを図面に示した一形態に従ってさらに詳しく説明する。図1に示すアタッチメント11は、建造物の上下方向に延びる排水立管12と、建造物の各階毎に設けられて、各階の住去部分の設備等からの排水を前記排水立管12まで導く排水横枝管13とを接続する排水管又は継手14の下端部14bに取り付けられる。尚、アタッチメント11は、排水管又は継手14の下端部14bに限らず、上端部であっても良い。
【0015】
図示の排水管又は継手14は、その胴部14aがコンクリートスラブCの貫通孔C1に通された後、その胴部14aと貫通孔C1の隙間部分がモルタルMにより埋め戻されている。
【0016】
本発明のアタッチメントを適用する場合、排水管又は継手14の管路14cを通じた他の防火区画への類焼が確実に防止されるため、排水立管12には、ポリ塩化ビニル、架橋ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリエステル等の樹脂管を用いることができる。
【0017】
以下、上述のよな作用効果を奏するアタッチメントの具体例を示す。図2〜図5に示すアタッチメント20は、環状の取付金具21と前記取付金具21外周に設けた突片22と、前記突片22の下面側にバネ部材23と共に取り付けられた不燃性蓋部材24と規制ピン25とからなる。
【0018】
図示の取付金具21は、環状に加工された鋳鉄製の板材からなり、その環周には3つの取付用切り欠き21aが穿設されている。そして、図3に示すように、排水管又は継手14の下端部14bに取付金具21を配し、該取付金具21の取付用切り欠き21aに接続バンド14dのボルト14eを挿入し、ボルト締めすることで、取付金具21の排水管又は継手下端部14bへの取り付けがなれるようになっている。
【0019】
上記取付金具21の環の外周には3つの突片22が設けられている。各突片22は鋳鉄製の板材からなり、その下面側(非取付面側)には、バネ部材23と不燃性蓋部材24と規制ピン25が取り付けられている。尚、突片22は環状の取付金具21とは別に製造されたものを溶接等で接合してもよいが、これら突片22と環状の取付金具21は、一枚の鉄板から加工して一体に製造されたものであっても良い。この場合、溶接等の加工が不要であり、また部品点数を少なくすることができる。
【0020】
各突片22に取り付けられるバネ部材23はねじりバネからなり、その一端は突片22に固着され、他端は不燃性蓋部材24に当接するように配されている。不燃性蓋部材24は略円弧状に設けた鉄製の薄板であり、その基端部が回動軸22aによって軸支されている。そして、該不燃性蓋部材24は図2に示すように前記バネ部材23の付勢力で前記取付金具21下端の開口21b側へ水平方向に回動するようになっている。
【0021】
また、突片22に取り付けられた各不燃性蓋部材24は、バネ部材23の付勢力で回動したとき、図4に示すように、前記取付金具21下端の開口21a上で突き合わせ状態となって、該開口21aを閉蓋するようになっている。
【0022】
一方、図2に示すように、各突片22の不燃性蓋部材24が回動する経路上には樹脂製の規制ピン25が立設されていて、前記不燃性蓋部材24の取付金具21下端の開口21a側への回動が規制されている。尚、規制ピン25は、各不燃性蓋部材24の回動を規制すると共に、火災時の熱によってその規制を解除できるものであるならば、上記樹脂製のピンのほか、例えば火災時の熱によって変形する形状記憶合金製のピンなど、何でも良い。
【0023】
上述のように、建造物の各階の排水管又は継手14の下端部14bに環状の取付金具21を取り付け、前記排水管又は継手14の下端部14bに排水立管12端部を接続することで、建造物の各階の排水管又は継手14とこれらを接合する排水立管12とが連通状態となり、建造物の各階の排水がスムーズに階下へと排水されるようになっている。
【0024】
そして、火災が発生したとき、火災時の熱によって前記取付金具21外周に設けた各突片22の規制ピン25が溶融して炭化する。これにより、各突片22の不燃性蓋部材24は規制ピン25による規制から開放され、バネ部材23の付勢力によって図2中矢印方向、すなわち取付金具21下端の開口側へと回動することになる。この結果、図4及び図5に示すように、各突片22の不燃性蓋部材24は、取付金具21下端の開口21a上で突き合わせ状態となり、該取付金具21下端の開口21aが閉蓋されるようになっている。
【0025】
尚、本発明は、図2〜図5に示す例、すなわち環状の取付金具に複数の突片を設けると共に、これら各突片のそれぞれにバネ部材と不燃性蓋部材と規制ピンを取り付けた例に限定されず、例えば板状の取付金具に1つの突片のみを設け、この突片にバネ部材と不燃性蓋部材と規制ピンをそれぞれ取り付け、前記規制ピンによる規制が火災時の熱によって解除されて、該不燃性蓋部材がバネ部材の働きで回動し、取付金具下端の開口を閉蓋するようにするなど、特許請求の範囲に記載された範囲内で自由に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明のアタッチメントを取り付ける排水管又は継手を示す拡大断面図である。
【図2】本発明のアタッチメントを示す拡大平面図である。
【図3】図2に示すアタッチメントを排水管又は継手下端部に取り付けた状態を示す拡大断面図である。
【図4】排水立管が火災時の熱で消失した時のアタッチメントの状態を示す拡大平面図である。
【図5】本発明のアタッチメントを排水管又は継手下端部に取り付けた後、排水立管が火災時の熱で消失した時の状態を示す拡大断面図である。
【図6】従来の排水設備を示す模式図である。
【符号の説明】
【0027】
12 ・・・排水立て管
13 ・・・排水横枝管
14 ・・・排水管又は継手
14b ・・・下端部挿し口
20 ・・・アタッチメント
21 ・・・環状の取付金具
22 ・・・突片
23 ・・・バネ部材
24 ・・・不燃性蓋部材
25 ・・・規制ピン
【出願人】 【識別番号】000106771
【氏名又は名称】シーシーアイ株式会社
【出願日】 平成18年8月23日(2006.8.23)
【代理人】 【識別番号】100083932
【弁理士】
【氏名又は名称】廣江 武典

【識別番号】100129698
【弁理士】
【氏名又は名称】武川 隆宣

【識別番号】100129676
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼荒 新一

【識別番号】100135585
【弁理士】
【氏名又は名称】西尾 務


【公開番号】 特開2008−48801(P2008−48801A)
【公開日】 平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願番号】 特願2006−226024(P2006−226024)