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【発明の名称】 マスク
【発明者】 【氏名】袖川 隆志

【氏名】千葉 俊一

【要約】 【課題】特に立体型マスクにおいて、装着者が鼻部近傍において圧迫感や痛みを感じることなく使用でき、密着性も優れたマスクを提供する。

【構成】口当てシート部2の中央部縦方向に溶着部5が形成され、該口当てシート部2の左右両側部に耳掛け部材3を有する立体型マスクにおいて、口当てシート部2の上部に、細帯状の保形用溶着部6を形成した。保形用溶着部6は、装着者の顔面頬部に対応する位置に形成する。口当てシート部2の上部には鼻柱部を覆う突出部2gが形成されており、該突出部2gの立ち上がり部位に前記保形用溶着部6を形成するのが好ましい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
口当てシート部の中央部縦方向に溶着部を形成し、該口当てシート部の左右両側部に耳掛け部材を有する立体型マスクにおいて、
前記口当てシート部の上部に、保形用溶着部を形成したことを特徴とするマスク。
【請求項2】
前記保形用溶着部は、装着者の顔面頬部に対応する位置に形成したことを特徴とする請求項1に記載のマスク。
【請求項3】
前記保形用溶着部は、帯状の溶着部であることを特徴とする請求項1又は2に記載のマスク。
【請求項4】
前記口当てシート部の上部に鼻柱部を覆う突出部を形成し、該突出部の立ち上がり部位に前記保形用溶着部を形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のマスク。
【請求項5】
前記突出部の前記中央溶着部と前記保形用溶着部が連結していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のマスク。
【請求項6】
前記突出部の上端縁部を湾曲状に形成したことを特徴とする前記4又は5に記載のマスク。
【請求項7】
前記保形溶着部は、前記口当てシート部の側部上端部に向かって傾斜して形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のマスク。
【請求項8】
前記保形用溶着部を、前記口当てシート部の前記中央溶着部を中心にして左右対称に形成したことを特徴とする請求項1〜7にいずれかに記載のマスク。
【請求項9】
前記口当てシート部は、少なくとも表面層と中間層と裏面層からなる不織布を溶着して構成していることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のマスク。
【請求項10】
前記口当てシート部に、前記表面層と前記裏面層の延長部を重ね合わせた外延部を形成し、該外延部に前記耳掛け部材を固着したことを特徴とする請求項8に記載のマスク。
【請求項11】
前記口当てシート部における前記外延部との境界部を溶着したことを特徴とする請求項10に記載のマスク。
【請求項12】
前記外延部に、前記耳掛け部材の端部を固着する突縁部を形成したことを特徴とする請求項10又は11に記載のマスク。
【請求項13】
前記耳掛け部材は、弾性紐部材であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のマスク。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用、防塵用、防花粉用等に使用されるマスクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
花粉用マスク、衛生マスク、防塵マスク等として、従来から種々のタイプのマスクが提案され、市販されている。例えば特許文献1には、マスクの中央部に縦方向に熱溶着部を形成し、左右両端部にゴム紐を溶着した立体型マスクが開示されている。しかしながら、このようなマスクは、マスク上部を装着者の鼻部分に比較的強く圧接させて密着性を高めているため、圧迫感や長時間の使用で痛みを感じることがある。
【0003】
また特許文献2に開示されているように、マスクの上端部近くに、密着性を高めるためのノーズフィット片を貼着したものなども知られているが、ノーズフィット片によって鼻部分を押さえると、装着者がやはり圧迫感や息苦しさを感じることもある。
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3106864号公報
【特許文献2】特開2006−43227号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述したような現状に鑑みて提案されたものであり、特に立体型マスクにおいて、装着者が鼻部近傍において圧迫感や痛みを感じることなく使用でき、密着性も優れたマスクを提供するものである。
また、本発明は簡単な構成で安価に製造できるマスクを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の請求項1の発明にあっては、
口当てシート部の中央部縦方向を溶着部し、該口当てシート部の左右両側部に耳掛け部材を有する立体型マスクにおいて、
前記口当てシート部の上部に、保形用溶着部を形成したことを特徴とする。
【0007】
ここでは、保形用溶着部は、線溶着、面溶着、点溶着等のいずれでもよく、その形状も、直線状、曲線状、カギ形状等任意であり、これらを連続又は断続して形成することができる。また、必要により複数箇所に形成してもよい。溶着法も、超音波溶着、熱溶着等、任意である。さらに、口当てシート部の構成も任意である。
【0008】
このような保形用溶着部を形成することにより、その保形用溶着部の剛性によって口当てシート部の上部が所定形状に保形され、口当てシートで鼻部が強く押さえられることなく、装着者の鼻部付近に空間部が形成される。このため圧迫感や強圧による痛みが解消され、呼吸も楽に行える。
【0009】
また、請求項2の発明にあっては、請求項1の発明において、前記保形用溶着部は、装着者の顔面頬部に対応する位置に形成したことを特徴とする。顔面頬部の位置を保形することで、鼻部付近に適切な空間部が形成される。
【0010】
また、請求項3の発明にあっては、請求項1又は2の発明において、前記保形用溶着部は、帯状の溶着部であることを特徴とする。帯状の溶着部は、金型構成も簡単で、溶着も容易である。帯幅は必要に応じて選定できる。
【0011】
また、請求項4の発明にあっては、請求項1〜3のいずれかの発明において、前記口当てシート部の上部に鼻柱部を覆う突出部を形成し、該突出部の立ち上がり部位に前記保形用溶着部を形成したことを特徴とする。
【0012】
このような突出部を形成することにより、鼻部の全体が覆われ、防粉塵性等が高まるとともに、保形用溶着部によって所定の空間部が保持され、圧迫感や痛みが解消される。突出部の立ち上がり部位とは、口当てシート部における突出部の底辺部に相当する位置である。
【0013】
また、請求項5の発明にあっては、請求項1〜4のいずれかの発明において、前記突出部の前記中央溶着部と前記保形用溶着部が連結していることを特徴とする。このようにすると、1つの金型で1回の溶着作業により、中央溶着部と保形用溶着部を形成することができ、作業効率が向上する。他の溶着部があるときは、その溶着部とも連結させてもよい。
【0014】
また、請求項6の発明にあっては、請求項4又は5の発明において、前記突出部の上端縁部を湾曲状に形成したことを特徴とする。このようにすれば、突出部と鼻部のフィット感、密着性が高まる。
【0015】
また、請求項7の発明にあっては、請求項1〜6のいずれかの発明において、前記保形溶着部は、前記口当てシート部の側部上端部に向かって傾斜して形成されていることを特徴とする。さらに、請求項8の発明にあっては、前記保形用溶着部を、前記口当てシート部の前記中央溶着部を中心にして左右対称に形成したことを特徴とする。これにより、鼻部付近に適切な空間部が形成される。
【0016】
また、請求項9の発明にあっては、請求項1〜8のいずれかの発明において、前記口当てシート部は、少なくとも表面層と中間層と裏面層からなる不織布を溶着して構成していることを特徴とする。このようにすれば、表面層に強度の高い不織布、中間層にフィルタ性能、抗菌性の高い不織布、裏面層に通気性や肌触りの良好な不織布を使用して、機能性や使い心地の良い口当てシート部が得られる。
【0017】
不織布は、各層に応じて、強度、肌触り、通気性、フィルタ性能等を考慮した不織布が選定される。不織布を構成する繊維は、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリアミド系繊維等の合成繊維、レーヨン、アセテート等の再生、半合成繊維、羊毛、絹、麻、パルプ等の天然繊維が使用できる。また不織布の製法は、スパンポンド法、メルトブロー法、ポイントボンド法、乾式又は湿式法など任意に選定することができる。
【0018】
また、請求項10の発明にあっては、請求項8の発明において、前記口当てシート部に、前記表面層と前記裏面層の延長部を重ね合わせた外延部を形成し、該外延部に前記耳掛け部材を固着したことを特徴とする。
【0019】
このようにすれば、外延部は二層の不織布で構成されているため、他の部分に比較して弾力性があり、装着者の耳部に加わる耳掛け部材の引張力を緩和でき、圧迫感や耳部の痛みも軽減される。
【0020】
また、請求項11の発明にあっては、請求項10の発明において、前記口当てシート部における前記外延部との境界部を溶着したことを特徴とする。このようにすれば、その境界部において、前記表面層、中間層及び裏面層の不織布を固着するとともに、外延部に生じる引張力を強固に受けることができる。
【0021】
また、請求項12の発明にあっては、請求項10又は11の発明において、前記外延部に、前記耳掛け部材の端部を固着する突縁部を形成したことを特徴とする。このようにすると、耳掛け部材の引張力を、突縁部において均等に分散して受けることができる。
【0022】
また、請求項13の発明にあっては、請求項1〜12のいずれかの発明において、前記耳掛け部材は、弾性紐部材であることを特徴とする。弾性紐は任意であり、ゴム材、弾性繊維等が選定される。弾性紐の形状も、円形、矩形、平形等任意である。
【発明の効果】
【0023】
上述した本発明によれば、特に立体型マスクにおいて、口当てシートの上部に、保形用溶着部を形成することにより、その保形用溶着部の剛性によって口当てシート部の上部が所定形状に保形され、装着者が鼻部近傍において圧迫感や痛みを感じることなく使用できる。しかも口当てシート部の上部が所定形状に保形されるため密着性にも優れている。
また、本発明のマスクは、保形用溶着部を形成するだけで構成が簡単であるため安価に製造できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態につき、添付図面を参考にして説明する。図1は本発明に係るマスクの平面図、図2は同じく斜視図、図3は使用状態を示す斜視図である。
【0025】
図中において1はマスク本体であり、このマスク本体1は、口当てシート部2と、口当てシート部2の左右側部に固着される耳掛け部材3(他方の耳掛け部材は図示せず)からなっている。
【0026】
口当てシート部2は、図4に示すように、ここでは表面層2a、第1中間層2b、第2中間層2c及び裏面層2d(口当て側)の四層構造である。各層はポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性合成樹脂の不織布で構成されており、各層の目的に応じてスパンポンド、メルトブロー等の各種製法の不織布が使用される。なお、第2中間層2cには、抗菌性不織布を使用している。
【0027】
口当てシート部2は、前記第1中間層2bと第2中間層2cを、これよりも面積の広い表面層2aと裏面層2dで挟んだ状態のシート素材を使用し、これを二つ折りに折り曲げ、所定形状に溶着し、切断することにより得られる。
【0028】
この口当てシート部2の半分の面の形状は、図1に示すように、全体が銀杏形に形成され、上縁部2iと下縁部2jは、幅狭となるように、緩やかな湾曲状となっている。また、口当てシート部2の中央上部には、装着者の鼻柱部を覆う突出部2gが形成されており、この突出部2gの上端縁部2hは湾曲状に形成されている。
【0029】
口当てシート部2の左右両側部には外延部4(他方の外延部は図示せず)が形成されている。外延部4は、前記表面層2aと裏面層2dの延長部が重なり合って構成されており、外側縁部4aが内側に湾曲することにより2つの突縁部4b,4bが形成されている。この突縁部4b,4bには、耳掛け部材3の両端部が溶着等により固着されている。なお、耳掛け部材3は、ここではゴム材を使用している。
【0030】
一方、口当てシート部2の前端縁部であって、シート素材の折り曲げ部に相当する位置には、中央溶着部4aが縦方向に形成されている。また、口当てシート部2の上部であって、前記突出部2gの立ち上がり部位には、細帯状の保形用溶着部6が前端縁部から外延部4方向に延びるように形成されている。この保形用溶着部6の位置は、装着者の顔面頬部に対応する位置であり、図2に示すように、中央溶着部5を中心にして左右対称に形成されている。また同図に示すように、保形用溶着部6は、口当てシート部の側部上端方向に傾斜するように形成されている。
【0031】
また、口当てシート部2の前記外延部4との境界部には側部溶着部7が形成され、下端縁部には下部溶着部8が形成されている。前記中央溶着部5、保形用溶着部6、側部溶着部7及び下部溶着部8は連結しており、1つの金型で一回の溶着作業により溶着可能となっている。また、これら溶着部5,6,7,8により、前記不織布層2a,2b,2c,2dが圧着されている。
【0032】
次に、上述した本発明のマスクの使用例を図2及び図3に基づいて説明する。なお、図2及び図3では、煩雑さを避けるために、中央溶着部5と保形用溶着部6だけを示し、他の溶着部は省略している。
【0033】
まず、マスク本体1の口当てシート部2を、中央溶着部5を中心にして左右方向に広げると、図2に示すように、中央溶着部5がリブとなって前方に膨出した立体型マスクとなる。このマスク本体1の耳掛け部材3を装着者の耳部に掛け渡して装着する。
【0034】
この状態で、図3に示すように、口当てシート部2により装着者の口部、鼻部、頬部が覆われるとともに、突出部2gにより鼻柱部が覆われる。このとき、保形用溶着部6の剛性により突出部2gは鼻部に密着することなく、所定の空間部が形成される。このため装着者は鼻部付近で圧迫感や痛みを感じることなく、呼吸も楽に行える。
【0035】
また、突出部2gの上端縁部2hが湾曲状に形成されているため、装着者の鼻部とのフィット感も良い。さらに、外延部4は2枚の不織布層で構成されているため、他の部分に比較して弾力性があり、耳部における耳掛け部材3の引張力を緩和できる。
【0036】
上述した実施形態は、本発明の一例を示したものであり、保形用溶着部6の形態、口当てシート部2の構成等は、図示したものに限定されるものではなく、例えば保形用溶着部6は、必要に応じて複数形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係るマスクの平面図である。
【図2】同じく斜視図である。
【図3】同じく使用状態を示す斜視図である。
【図4】同じく口当てシート部の積層構造を説明するための概略断面図である。
【符号の説明】
【0038】
1はマスク本体
2は口当てシート部
2aは表面層
2bは第1中間層
2cは第2中間層
2dは裏面層
2gは突出部
2hは突出部上端縁部
3は耳掛け部材
4は外延部
4bは突縁部
5は中央溶着部
6は保形用溶着部
7は側部溶着部
8は下部溶着部
【出願人】 【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
【出願日】 平成18年9月1日(2006.9.1)
【代理人】 【識別番号】100078259
【弁理士】
【氏名又は名称】西野 茂美


【公開番号】 特開2008−55036(P2008−55036A)
【公開日】 平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願番号】 特願2006−237678(P2006−237678)