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【発明の名称】 脈遷移時間を決定するための処理及び装置及びそのような装置を有する体外血液療法設備
【発明者】 【氏名】ヴァイ ツァーン

【要約】 【課題】時間の経過の間に血球数の変化を考慮に入れ、血圧のより正確な監視が可能となるような方法で、患者又は提供者の脈遷移時間を決定するための処理及び又は装置を改善する。

【構成】本発明の脈遷移時間を決定するための方法及び装置は、血液濃度と相関する値が決定され、脈遷移時間のその影響が補償されることを改善する。この方法により、より正確な血圧データを得ることができる。本発明のさらなる発達で、血液濃度と関連する値は相対的な血液容量又はヘマトクリットの変化のための装置を測定することにより決定される。本発明により、装置はまた血液透析装置及び又は血液濾過装置のように血液療法設備の一部として使用可能であり、特に、血液容量の変化及びそれによるその治療固有の血液濃度変化のため、可能な限り継続して正確に血圧を監視することが望まれる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者又は提供者の脈管系を介して伝搬し、心臓の収縮により作られる脈波のために測定された前記患者又は提供者の脈遷移時間を決定するための処理方法であって、
血液密度ρと相関する値が決定され、
前記血液密度ρと相関する値は、前記血液密度ρの影響の補償のために測定された前記脈遷移時間から脈遷移時間を計算するために使用される、
ことを特徴とする処理方法。
【請求項2】
前記血液密度ρと相関する値は、それぞれ、相対的血液容量、又は、血液容量の相対的変化である請求項1に記載の処理方法。
【請求項3】
ヘマトクリット又はヘマトクリットの相対的変化は前記血液密度ρと相関する値を示している請求項1に記載の処理方法。
【請求項4】
前記血液密度ρと相関する値を決定するため、超音波伝播時間の測定は血液で行われる請求項2又は3のいずれか1の請求項に記載の処理方法。
【請求項5】
前記血液密度ρと相関する値を決定するため、光学的直接光の測定及び/又は散乱光の測定は血液で行われる請求項2又は3のいずれか1の請求項に記載の処理方法。
【請求項6】
時間t0での血液密度ρ(t0)に関して補償された脈遷移時間PTT(t,p(t),ρ(t0))は、式




により、時間t、この時間の点にある血液密度ρ(t)及び現在の血圧p(t)のための脈遷移時間PTT(t,p(t),ρ(t))の測定値から決定される請求項1から5のいずれか1の請求項による処理方法。
【請求項7】
前記式中の血液密度の比は、式




により決定され、それぞれ、RBV(t0)及びRBV(t)は、対応する相対的血液容量を表わし、又は、商は、時間t0とtの点の間の血液容量の相対的変化を表わしている請求項6に記載の処理方法。
【請求項8】
前記式中の血液密度の比は、式




により表わされ、それぞれ、HCT(t0)及びHTC(t)は、対応するヘマトクリット値を表わし、又は、商は、時間t0とtの間のヘマトクリットの相対的変化を表わしている請求項6に記載の処理方法。
【請求項9】
患者又は提供者の脈管系を介して伝搬され、心臓の収縮により作られる脈波の脈遷移時間を決定するための手段(29,45)で、患者又は提供者の脈遷移時間を決定するための装置であって、
血液密度ρと相関する値を決定するための手段(29)と、
前記脈遷移時間への前記血液密度ρの影響を補償する評価装置(34)と、
を有することを特徴とする装置。
【請求項10】
前記脈遷移時間を決定するための手段は、心電図を供給する装置(45)を備え、前記評価装置(34)は、前記心電図から前記脈遷移時間の第1基準点taを決定するように構成されている請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記第1基準点taを決定するように構成されている前記評価装置(34)は、前記心電図にRピークが現れる時間を決定する請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記脈遷移時間を決定するための手段は前記心臓から少し離れた点の脈波を検出するための装置(29)を備え、前記評価装置(34)は前記心臓から少し離れた点での脈波の検出により前記脈遷移時間の第2基準点teを決定するのに適している請求項9から11のいずれか1の請求項に記載の装置。
【請求項13】
前記心臓から少し離れた点で脈波を検出するための前記装置(29)は、体、特に、前記患者又は提供者の指の点で脈波を検出する装置である請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記心臓から少し離れた点で脈波を検出するための前記装置(29)は、フォトプレスチモグラフである請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記血液密度ρと相関する値を決定するための前記手段(29)は、それぞれ、前記相対的血液容量、又は、前記血液容量の相対的変化及び前記相対的血液容量、又は、前記血液密度ρと相関する前記値を表わす血液容量の相対的変化を決定するための測定装置を備えている請求項9から14のいずれか1の請求項に記載の装置。
【請求項16】
前記血液密度ρと相関する値を決定するための手段(29)は、それぞれ、前記ヘマトクリット又は前記ヘマトクリットの相対的変化及び前記ヘマトクリット、又は、前記血液密度ρと相関する前記値を表わすヘマトクリットの前記相対的変化を決定するための測定装置(29)を備えている請求項9から15のいずれか1の請求項に記載の装置。
【請求項17】
前記測定装置は超音波伝播時間測定装置である請求項15又は16に記載の装置。
【請求項18】
前記測定装置は光学的直接光測定装置及び/又は散乱光測定装置である請求項15又は16に記載の装置。
【請求項19】
前記評価装置(34)は、式




により、時間t、この時間の点にある血液密度ρ(t)及び現在の血圧p(t)のための脈遷移時間PTT(t,p(t),ρ(t))の測定値から、時間t0の血液密度ρ(t0)に関して補償された脈遷移時間PTT(t,p(t),ρ(t0))を決定する請求項9から18のいずれか1の請求項に記載の装置。
【請求項20】
前記式中の血液密度の比は、式




により再生され、それぞれ、RBV(t0)及びRBV(t)は、対応する相対的血液容量を表わし、又は、その商は、時間t0とtの点の間の血液容量の相対的変化を表わしている請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記式中の血液密度の比は、式




により再生され、それぞれ、HCT(t0)及びHTC(t)は、対応するヘマトクリット値を表わし、又は、その商は、時間t0とtの間のヘマトクリットの相対的変化を表わしている請求項19に記載の装置。
【請求項22】
前記装置はまた警報器(41)を有し、前記評価装置(34)は記憶された基準により前記脈遷移時間の異常値を認識し、その後、前記警報器(41)を起動させるのに適している請求項9から21のいずれか1の請求項に記載の装置。
【請求項23】
前記脈遷移時間を決定するための手段(29,45)は、同時に前記血液密度ρと相関する値を決定するための手段(29)を備えている請求項9から22のいずれか1の請求項に記載の装置。
【請求項24】
血液療法装置(3)と、前記血液療法装置(3)の取入れ口の一方の端部に接続され、患者又は提供者の脈管系の他方の端部に接続可能な患者又は提供者への接続用血液供給ライン(5)と、前記血液療法装置(3)の取出し口の一方の端部に接続され、患者又は提供者の脈管系の他方の端部に接続可能な患者又は提供者への接続用血液除去ライン(7)とからなる体外血液循環の血液療法設備であって、
前記血液療法設備は請求項9から23のいずれか1の請求項による装置(28)を備えていることを特徴とする血液療法設備。
【請求項25】
前記血液療法装置は血液透析器(3)及び/又は血液濾過器である請求項24に記載の血液療法設備。
【請求項26】
心臓から少し離れた点で脈波を検出するための前記装置は、好ましくは、前記血液供給ライン(5)において、体外血液循環の点で前記第2基準点teを体外的に検出するのに適している測定センサ(46)を備えている請求項24又は25に記載の血液療法設備。
【請求項27】
前記測定センサ(46)は圧力センサである請求項26に記載の血液療法設備。
【請求項28】
前記血液密度ρと相関して値を決定するための前記手段(48)は、前記体外血液循環のある位置において体外に設けられている請求項24から27のいずれか1の請求項に記載の血液療法設備。
【請求項29】
前記血液密度ρと相関する値を決定するための前記手段(48)は、光学的直接光センサ及び/又は散乱光センサとして設計されている請求項28に記載の血液療法設備。
【請求項30】
前記血液密度ρと相関する値を決定するための前記手段(48)は、超音波実時間センサとして設計されている請求項28に記載の血液療法設備。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は患者又は提供者の脈遷移時間を決定する分野に関する。
【背景技術】
【0002】
患者又は提供者の血圧は、一般的に、リバ・ロッチ方法による可膨張性ラバーカフにより測定される。この方法は所定時間でのみ測定させ、カフの圧力は一定の期間で変化される。したがって、連続測定は測定方法により決定される期間に限定される。ある程度の連続測定は定期的に替わるラバーカフの膨張及び収縮を伴い、患者に過度の応力を伴うであろう。
【0003】
非観血的リバ・ロッチ方法の代わりとして、脈遷移時間を決定するための方法があり、それもまた非観血的に実行可能である。この方法は、患者又は提供者の心臓の収縮により作られる脈波が第1点から第2点への脈管系を介してその方法をするために要求する時間が検査された血圧の関数であるという知識に基づいている。(例えば、心電図(EKG)により検出された)心臓の鼓動の発生と(例えば、耳たぶ又は指の光学センサにより検出された)心臓から少し離れた体の領域での関連の脈波の到達時間の間を過ぎる時間が測定された場合、この脈遷移時間は患者又は提供者の血圧の直接測定を表わしている。脈遷移時間は人により異なるので、最初のリバ・ロッチの測定による較正が必要である。しかし、相対的な変化の言明は脈遷移時間の相対的変化から直接得ることができる。血圧と脈遷移時間との関係は主として線形である(精神生理学、第3巻、86(1976))。心臓の鼓動に付き1つの測定が可能であるので、この測定方法は半連続的血圧測定を表わしている。
【0004】
WO89/08424は、EKG及び良好な循環の皮膚領域への光電子光学測定センサにより脈遷移時間を決定するための測定処理を説明している。しかし、皮膚組織の循環及び光電子プロファイルそれ自体も血圧を必ずしも変えることなく、血管運動及び他の調節のための時間で変化可能であるので、反復の再較正は、光電子光学測定センサの測定値を使用することにより、リバ・ロッチ方法による最初の較正に続くべきである。この点で、脈遷移時間と血圧との一定の関係がそれぞれの人のために想定される。再較正は、後の時間点での光電子プロファイルから拡張期圧と同様に収縮期圧についての絶対的な言明を許容する目的にかなう。
【0005】
緊急事態、例えば、血液透析及び又は血液濾過の間に、注意深い構造が必要となる。そのような血液療法の間の主要な問題は血圧の減少である。そのような事件の最も頻繁な原因は過度の強い液体休止の結果としての血液量減少である。そのため、特に、体外血液療法の間、早期の段階で可能な循環の問題を認識するため患者又は提供者の血圧を定期的に監視する必要がある。
【0006】
明確な基準がなされたEP−A0911044は、特に、血液透析及び又は血液濾過装置を説明し、患者に僅かに否定的な影響だけを有する連続血圧監視は脈遷移時間の測定により可能にされる。脈遷移時間の測定信号を使用して、早期段階で重要な血圧状態を認識し、その後に遅れることなく職員に知らせることは可能である。必要な場合には、例えば、点滴又は濃度を点滴することにより、血液透析及び又は血液濾過装置で対応策が自動的に実施可能である。WO89/08424の教示のように、この従来技術の装置は血圧と脈遷移時間との間に一定の関係があると仮定している。この仮定は、特に、血液濃度を変える血液療法の場合には十分正確ではない。特に、血液透析及び又は血液濾過処置の間の液体停止のため、血液濃度は処置の経過の間増加する(この場合の血液の濃度を液体それ自体と呼ぶ)。血液濃度は脈波速度及び脈遷移時間に直接の影響を有するので、結果は不正確な測定値となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、時間の経過の間に血球数の変化を考慮に入れ、血圧のより正確な監視が可能となるような方法で、患者又は提供者の脈遷移時間を決定するための処理及び又は装置を改善する技術的問題に基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の教示によれば、この問題は、血液濃度と相関する値が決定され、前記血液濃度と相関する値が測定された脈遷移時間から脈遷移時間を計算するために使用され、血液濃度の影響が補償されることで、請求項1の前文により脈遷移時間を決定するための処理により解決される。
【0009】
問題はまた血液濃度と相関する値を決定するための手段、及び脈遷移時間への血液濃度の影響を補償する評価装置があることによる請求項9の前文により、脈遷移時間を決定する装置により解決される。
【0010】
本発明は、2つの測定値の間の可変の血液濃度の影響が第1の脈遷移時間の測定の時間及び第2の脈遷移時間の測定の時間で、血液濃度と相関する値の測定により補償可能であるという認識に基づいている。この方法で、補償された第1又は第2脈遷移時間を得ることができ、それはあたかも一定の血液濃度で測定されたかのように、第2又は第1脈遷移時間と直接比較可能である。この方法で、緊急状態が非常に大きな信頼性で表示可能である。
【0011】
弾力性のある円筒状で十分長い管が同質の液体で広がる割合は、「1997年、シュプリンガー、ニューヨーク、ベルリンのY.C.Fungの「生体力学循環」第2版の140頁」に、




とあり、
ρ:液体の濃度
A:管の断面
dA:断面の変化
dp:管の圧力の変化
である。
【0012】
式(1)は動脈の血管のために有効であると仮定した場合、時間t、脈波速度cのための一定血圧p(t0)でのρ(t)の濃度の血液と比較した時間t0での濃度ρ(t0)の血液のための式(2)のこの結果は、




所定経路Lの脈波伝搬速度での脈波の通過を示す脈遷移時間PTTのため、同様の式が得られる。




式(3)により、血液濃度の変化のため脈遷移時間の変化を考慮に入れることは可能である。例えば、式(3)を使用して、時間t0で第1の脈遷移時間PTT(t0,p(t0),ρ(t0))が測定され、第2の時間tで第2の脈遷移時間PTT(t,p(t),ρ(t))が測定された場合、異なる血液濃度の影響は補償可能である。それぞれの2つの脈遷移時間は他の測定値の血液濃度に変換可能であり、したがって比較可能である。



【0013】
血液濃度の影響を補償するPTTデータは直接比較及び評価可能である。予め、絶対的な血液測定装置で較正が実行可能な場合、脈遷移時間は較正測定の時間で血液濃度に変換されるべきである。したがって、絶対的な血圧値に正確に変換することが可能となり続ける。
【0014】
発明の処理及び又は発明の装置はこの成果を包含する。この点では、式(3a)又は(3b)の平方根が血液濃度の補償のために決定可能である限り、血液濃度と相関する値を決定するのに十分である。脈遷移時間への血液濃度の影響を補償する発明の装置の評価装置は、式(3a)又は(3b)により補償を行うのに適している。
【0015】
本発明による処理の特別の好適な実施例は本発明による装置の実施例で使用され、それにより、血液濃度と相関して値を決定する手段は相対的な血液容量又は血液容量の相対的変かを決定するための測定装置を備えている。式(3)による濃度の変化が容積測定変化だけでなく測定変化にもより引き起こされると仮定すると、容量V(t0)及びV(t)の式(3)からルート項のための以下の結果は、




となる。V0は相対的な血液容量RBVのための比較容量である。したがって、式(4)により、血液容量の相対的変化を決定するのに十分であり、血液容量の血液濃度又は絶対的データのためのさらなる測定値は必要ではない。
【0016】
本発明の別の実施例では、血液濃度に相関する値を決定する手段はヘマトクリット(HCT)及び又はヘマトクリットの相対的変化を決定するための装置を測定することにより供給される。測定時間の間、赤血球の数及びそれらのサイズがほぼ一定であると仮定した場合、その後、ヘマトクリットの変化は血液容量の変化に反比例する。
【0017】




式(4)及び(5)を使用すると、式(3)は脈遷移時間の測定に加えて、その後、ヘマトクリットHCT(t)/HCT(t0)の相対的変化を示すことが必要なだけの式に容易に変換される。
【0018】
その上さらに、本発明による装置は、所定の基準を使用して、異常値のための式(3a)又は(3b)により補償された値を検査する評価ステップを評価装置の一部として有利に示す。例えば、単純な警報の閾値は絶対的又は相対的に設定可能である。時間tの脈遷移時間の増加は警報の基準を表わすこともできる。最後に、較正が絶対的な血圧測定装置で行われた場合には、最初、脈遷移時間は絶対的血圧値に変換可能であり、警報基準はこの値に適用可能である。
【0019】
本発明による装置の好適な実施例は、EKGを供給するための装置を含んでいる。評価装置は脈遷移時間PTTの第1基準点taをEKGから決定する。さらに、心臓から少し離れた点では、脈波を検出するための装置が供給される。評価装置は脈遷移時間PTTの第2基準点teをこのシステムの信号から決定する。好適な実施例では、検出装置はフォトプレスチモグラフである。脈遷移時間PTTは2つの基準点の間の間隔として示されている(PTT=te−ta)。
【0020】
特に有利な実施例では、脈遷移時間を決定するための手段は、同時に、血液濃度と相関する値を決定するための手段を備えている。したがって、例えば、フォトプレスチモグラフは同時にヘマトクリットを決定するために使用可能である。
【0021】
評価装置はまた、それらが最新技術で十分に周知であるので、操作職員に関する入力及び出力機能を取扱うことができる。
【0022】
この点で、脈遷移時間が測定されないという趣旨でクレームされた発明の概念は再度適用可能であるが、むしろ脈波の伝搬速度が直接測定されることを指摘されるべきである。式(2)から明らかなように、血液濃度への測定値の依存はまた本発明の核心の考えから逸れることなく脈波の伝搬速度に直接移動可能でもある。この場合は本発明の同等の手段とみなされる。
【0023】
本発明はまた、体外血液循環の血液療法設備、及び時間を通して血球数の変化を考慮し、脈遷移時間及びそれにより血圧のより正確な監視が可能となるような方法で患者又は提供者の脈遷移時間を決定するための装置を改善する問題に基づいている。
【0024】
本発明によれば、この問題は、設備が請求項9による装置を有している点で、請求項24の前文により血液療法設備により解決される。
【0025】
既に上述したように、特に、体外血液療法のため、患者又は提供者の血圧のような値の一定の観察は有用である。同時に、血球数は血液療法の間に自動的に変更される。特に、血液透析及び又は血液濾過の場合には、血液容量の変化も起こる。これらの形の処置は、人間の腎臓の機能を取り替え、又は少なくともそれらを補うように意図され、特に、患者の液体均衡を制御する目的を有している。それぞれの処置では、数リットルの液体が約4〜6時間の処置時間の間に患者から取り除かれる。したがって、体の他の液体区画からの流体がたとえ流れた場合でも、流体濃度にかなりの変化がある。
【0026】
請求項9による装置をそのような血液療法設備に統合することは連続的で正確な血圧測定を可能にする。さらに、現存する装置のアクチュエータ及びセンサ技術を用いることができる。EP−A0911044に既に説明されているように、心臓から少し離れた点での脈波を検出するための装置は、既に血液療法設備の一部である測定センサを備えることができる。
【0027】
本発明の有利な実施例では、これは動脈圧力センサ、すなわち、血液療法設備のための血液供給ラインに取付けられる圧力センサである。
【0028】
最新技術では、血液容量及びヘマトクリットの変化が体外で決定可能であることにより他のセンサがある。EP−A0358873は血液容量及び又はヘマトクリットの相対的変化を超音波実行時間から計算する超音波実行時間を決定するためのシステムを説明している。ヘマトクリット及び相対的血液容量が得られることに基づいて、体外血液供給ラインでのヘマトクリット濃度を光学的直接光方法で決定する光学的方法がある。そのような処理は、例えば、WO94/27495の対象である。使用されるために必要な光学的直接光方法と散乱光方法との組合せはWO00/33053により提案されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明の他の詳細及び利点は図面に示された実施例に関連させてより詳細に説明されている。
【0030】
図1に示された、患者又は提供者のために脈遷移時間を決定するための測定装置28は、心電図45、絶対的血圧測定装置43を有し、圧力カフ、フォトプレチスモグラフ29及び評価装置34として設計されている。すべてのセンサ部品は対応するライン32,33及び44を有する評価装置に接続されている。心電図45は(より詳細には示されていない)電極を使用して電圧信号を供給する。前記信号は患者又は提供者の体の表面での心臓の刺激(EKG)により発生される。これらの信号は評価装置34のライン32を介してアクセス可能にさせる。それは脈遷移時間を決定するための第1基準点taをRピークの位置から決定する。
【0031】
フォトプレチスモグラフ29は赤外線の光源31a及び光検出器31bからなるセンサ30を有している。この実施例では、光源及び光検出器は、3つのLED及び3つのフォトダイオードが3つの波長805nm、970nm及び1310nmで測定可能にさせるような方法で設計される。そのようなフォトプレチスモグラフはWO94/23643で説明され、ここに明確な基準が開示されている。
【0032】
フォトプレチスモグラフ29は、それがフォトダイオード31bに当たる前に光が少なくとも体の一部分を貫通するような方法で、好ましくは、患者又は提供者の指又は耳たぶに取付けられている。これは直接光設備、原則として、散乱光設備で起こることができる。測定信号はライン33を介して評価装置34に送られ、評価装置は脈遷移時間の第2基準点を曲線から決定する手段を備えている。これはEP−A0911044に述べられた処理により起こることができる。このため、最初は波長の測定値だけが必要である。脈波は血管に管膨張を発生させ、したがって、変更された血液量、したがって血液成分により血液を吸収させる。説明した3つの波長のフォトプレチスモグラフでは、これはすべての3つの波長805nm、970nm及び1030nmに適用し、それにより、最初の2つの波長の測定値は物質、ヘモグロビン及びオキシヘモグロビンに敏感であり、第3の波長の測定値はプラズマ水の吸収に関係する。
【0033】
絶対的な血圧測定装置43は脈遷移時間測定値を較正するために使用可能である。その後、次の脈遷移時間測定値は評価装置43により絶対的な圧力データに直接変換でき、所望な場合、それらは表示可能である。より詳細についてはEP−A0911044をも参照しなさい。
【0034】
血液濃度を補償する脈遷移時間測定のため、測定装置28は以下のように作動する。第1の時間t0では、評価装置34は入ってくるEKG信号(第1基準点ta)及びフォトプレチスモグラフ29の次の脈信号(第2基準点te)から第1の脈遷移時間PTT(t0,p(t0),ρ(t0))を決定する。(PTT値(√0.15…0.3a)は血圧の著しい変化に関係する連続的なPTT測定値の期間に比較して小さいので、ta、te又はこれらの2つの時間の間の時間がt0のために選択されるかどうかは重大ではない)。同時に、フォトプレチスモグラフ29の助けで、患者又は提供者の血液のヘマトクリットが決定される。このため、吸収測定は上述した3つすべての波長のため実行され、WO94/23643に説明されたように評価される。その後、時間t0でのヘマトクリットHCT(t0)のための絶対値が得られる。
【0035】
この時間t0の開始は、自動的に可動するプログラム又は外部からの手動による信号又はインターフェース接続を介して引き起こされることができる。同じことがt>t0の時間tで第2の測定の開始に適用され、対応するHCT(t)と同様に脈遷移時間PTT(t,p(t),ρ(t))が測定される。
【0036】
その後、評価装置34の脈遷移時間の血液濃度を補償するための手段は血液濃度が補償された脈遷移時間PTT(t,p(t),ρ(t0))及びPTT(t0,p(t0),ρ(t))をそれぞれ計算する。
【0037】
その後、絶対血圧測定装置43を使用して較正が行われた場合、得られた値は、ライン35を介して評価装置34に接続された表示装置36において、直接又は血圧値に変換後、表示可能である。さらに、警報41が供給可能であり、評価装置34へのライン42と接続される。これらは、評価装置34がこのための対応信号を与えた場合、可聴又は光学警報信号を発するのに適している。これは、その後、評価装置が得られた血圧又は脈遷移時間の値を使用して異常状態を示した時、例えば、閾値が超えられ又はそれ以下に落ち又は値が短時間内に急速すぎて変化した時に発生する。
【0038】
図2は血液療法設備としての血液透析器を有する血液療法設備を示している。この装置はおおよそ、EP−A0911044に説明された装置に相当する。それにもかかわらず、必須の構成部品はここに簡単に説明されている。血液療法設備は半透膜により血液チャンバー及び透析器液体チャンバー4に分割された血液透析器を有している。血液チャンバーの取入れ口は血液供給ライン5の一端部に接続され、血液ポンプ6がそれに接続され、血液チャンバー3の取出し口は血液供給ライン7の一端部に接続され、ドリップチャンバー8がそれに接続されている。体外血液循環はまた、特に、生理的NaCl溶液(通常は200ml)又は通常150ml/minの置換率でのオンライン濾過置換溶液の自動点滴を行うための装置をも有している。点滴は、通常、ボーラス状の形状で起こり、ドリップチャンバー8から血液供給ライン7へ上流に接続された供給ライン10を介して患者に与えられる。
【0039】
血液透析装置の透析液体システムはまた透析液体を準備するための装置を備え、それにより、透析液の異なる混合物(電界処理)が特定可能となる。透析液準備装置11は温度均一化装置12を有し、透析液体の温度は各種値に設定可能であり、一定を保つことができる。透析液供給ラインの第1セクション13を介して平衡装置15の一方の第1チャンバー14aの取入れ口に接続される。透析液供給ラインの第2セクション16は一方の平衡チャンバー14aの取出し口を透析液チャンバー4の取入れ口に接続する。透析液チャンバー4の取出し口は透析液除去ラインの第1セクション17を介して他方の第2平衡チャンバー14bの取入れ口に接続されている。透析液ポンプ18は透析液除去ラインの第1セクション17aに接続されている。他方の第2平衡チャンバー14bの取出し口は透析液除去ラインの第2セクション17bを介して取出し口19に接続されている。透析液ポンプ18から上流で、限外濾過液ライン20はまた取出し口19に導かれ、透析流体除去ライン17から枝分かれされている。限外濾過ポンプ21は限外濾過液ライン20に接続されている。
【0040】
血液透析装置はまた制御ライン23、貫通管27を介して血液ポンプ6、透析液ポンプ18、限外濾過ポンプ21、透析液の準備のための装置11及びボーラスの自動適用のための装置に接続される中央制御装置22をも備えている。
【0041】
血液透析処置の間、患者の血液は血液チャンバー3を通過し、透析液は透析1の透析液チャンバー4を通過する。平衡装置15は透析流体路に接続されているので、透析液が透析液除去ライン17を流れることができるのと同様に透析流体は透析液供給ライン16を流れることができるのみである。液体は限外濾過ポンプ21により患者から除去可能である。
【0042】
血液療法装置はまた図1による脈遷移時間の連続的決定のための装置28をも有している。これらの構成部品の参照数字は図1と同一である。実際的な理由のため、警報41及び表示装置36は、制御装置22に接続される、血液透析設備の制御ライン42’及び35’と共にすでにある簡単な要素41’及び36’による現在の場合に示されている。評価装置34はまたライン37を介して制御装置22に接続されている。両方の装置は実際には物理的に別の装置を表わすことができるが、それらはまた分割された装置、実際には血液療法装置のための制御装置に結合可能である。その後、分割は機能的な重要性だけを有する。
【0043】
装置26の動作モードはすでに説明されている。図2による血液透析装置の場合には、その後、制御装置22は評価装置34の血液濃度を補償された測定値をも受取る。記憶された警報の基準によれば、制御装置22が提案可能であり、又は、任意に、自動的に対策を実行し、認識された重要な血圧状態を阻止することができる。
【0044】
血液透析処置の間に行われた限外濾過のため、患者はかなりの量の液体を取り除かせ、血圧を減少させた(低血圧)状態にする。脈遷移時間方法による血圧の半連続的な測定により(毎秒約1測定値)、低血圧状態は顕著な徴候が患者に表れる前に早くすでに認識可能である。
【0045】
評価装置34により、その後、血液濃度の影響は限外濾過のために変化し、補償されるので、これらの測定値は正確さを増して与えられる。相対的な血液容量の20%の減少は血液透析の間にはまれではない。式(3)及び(4)により、血圧変化の補償は、早期の測定との比較のため脈遷移時間の後の測定のため約20%より正確な測定値となる。
【0046】
血圧の減少に対する対策の例は、制御ライン23を通る電界濃度の変化により、制御ライン26を通る点滴の開始により、ライン24を通る限外濾過を減少又は切換えることにより、又は血液ポンプ6を停止することにより処置を直ぐに停止することにより、制御装置により導入可能である。
【0047】
本発明の別の実施例では、血液供給ライン5の動脈圧力センサ46は、通常とにかくあり、脈遷移時間の測定のための第2基準点teを検出するために使用される。この場合、圧力センサ46はライン47を介して評価装置34に接続される。この実施例ではこの機能のためのフォトプレチスモグラフ28の必要性はない。
【0048】
特に有利な実施例では、フォトプレチスモグラフ29は一緒に分配可能である。この場合には、血液濃度と相関する値を決定するための手段は対外的に供給される。このために、血液容量モニター48は、EP−A0358873に説明された方法で血液供給ライン5に取付け可能である。この血液容量モニターは血液供給ラインを通る超音波信号の実行時間を決定する超音波送信機48a及び超音波受信機48bから成っている。血液容量モニター48はライン49を介して、時間t0とtの間の相対的な血液容量又はヘマトクリットの変化を信号から決定する評価装置34に接続される。ヘマトクリットを光学的に決定する他の体外センサを使用すること、又は、例えば、血液供給ラインの他の測定変数を使用することもまた考えられる。
【0049】
体外循環の機能の取扱い異なって分割されることができる。したがって、一定の状況では、血液濃度と相関する値を決定するための手段を外部循環に統合するが、患者の体に完全に直接、脈遷移時間を決定するための手段を残すのは合理的である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】独立したモニターの感知で脈遷移時間を決定する発明の処理を適用するための、本発明よる装置の概略図である。
【図2】図1による、装置を有する血液透析装置からなる体外血液療法設備の概略図である。
【出願人】 【識別番号】597075904
【氏名又は名称】フレゼニウス メディカル ケア ドイッチェランド ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【出願日】 平成19年9月12日(2007.9.12)
【代理人】 【識別番号】100059959
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 稔

【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭

【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男

【識別番号】100065189
【弁理士】
【氏名又は名称】宍戸 嘉一

【識別番号】100084009
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 信夫

【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜

【識別番号】100084663
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 篤


【公開番号】 特開2008−55180(P2008−55180A)
【公開日】 平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願番号】 特願2007−236621(P2007−236621)