| 【発明の名称】 |
共用封止栓及び血液浄化器 |
| 【発明者】 |
【氏名】小村 亮
【氏名】矢野 孝幸
【氏名】今宮 保
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| 【要約】 |
【課題】透析開始前の準備作業時において微生物により汚染される原因となる手指の接触が防止され、かつ血液側ポートおよび非血液側ポートの何れにおいても液密に装着される構造を有する共用封止栓を提供する。
【構成】筒状側面部13は血液側ポートの二条ネジ付き外筒の外径よりも大きな内径を有し、その内周面には、封止栓15が血液側ポートに装着された際に該ポートの二条ネジ付き外筒の外周面に密着する凸部24が設けられており、筒状栓体16は、封止栓が血液側ポートに装着された際に該ポートのノズル外周面に液密に密着する内径を有すると同時に、非血液側ポートの内周面に液密に密着する外径を有することにより、血液浄化器の血液側ポートと非血液側ポートに同一方向から装着される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 JIS T 3250:2005(血液透析器、血液透析ろ(濾)過器、血液ろ(濾)過器及び血液濃縮器)の4.4.3に記載の血液側接続部分(以下、血液側ポートと称する)、およびJIS T 3250:2005の4.4.4に記載の透析液側接続部分またはJIS T 3250:2005の4.4.5に記載の濾液側接続部分(以下、両者を非血液側ポートと総称する)を有する血液浄化器用の封止栓であって、 円板状の天板部と、該天板部の外周部から垂下する筒状側面部と、該天板部から前記筒状側面部の内側に同心円状に垂下し、かつ該筒状側面部の長さよりも短い筒状栓体と、からなる円筒状の封止栓において、 前記筒状側面部の内周面には、前記封止栓が前記血液側ポートに装着された際に該血液側ポートの二条ネジ付き外筒の外周面に密着する凸部が設けられており、 前記筒状栓体は、前記封止栓が前記血液側ポートに装着された際に前記血液側ポートのノズル外周面に液密に密着する内径を有し、かつ前記封止栓が前記非血液側ポートに装着された際に前記非血液側ポートの内周面に液密に密着する外径を有することにより、前記血液浄化器の前記血液側ポートと前記非血液側ポートに同一方向から装着されることを特徴とする共用封止栓。 【請求項2】 前記天板部から前記筒状側面部と前記筒状栓体との間に、同心円状に突出する筒状リブがさらに設けられており、 該筒状リブは、前記筒状栓体よりも長さが短く、かつ前記封止栓が前記非血液側ポートに装着された際に、該非血液側ポート先端部の外周面に液密に密着することを特徴とする請求項1に記載の共用封止栓。 【請求項3】 前記筒状リブの内径が前記非血液側ポート先端部の外径よりも0.00mm以上0.10mm以下小さいことを特徴とする請求項2に記載の共用封止栓。 【請求項4】 前記筒状栓体は、長さが6.5mm以上22.0mm以下であり、かつ前記筒状側面部の長さよりも4.0mm以上10.5mm以下短く、しかも、前記封止栓が前記血液側ポートに装着された際に該血液側ポートのノズル外周面と接触する内周面において、その内径が前記血液側ポートのノズルの外径よりも0.05mm以上0.10mm以下小さいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の共用封止栓。 【請求項5】 前記筒状栓体は、前記封止栓が前記非血液側ポートに装着された際に該非血液側ポートのノズル内周面と接触する外周面において、その外径が前記非血液側ポートのノズル内径よりも0.10mm以上0.20mm以下大きいことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の共用封止栓。 【請求項6】 前記凸部は、前記筒状側面部の軸線方向に伸展しており、等間隔に離隔して3本以上設けられていること特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の共用封止栓。 【請求項7】 前記筒状栓体は、前記封止栓が前記非血液側ポートに装着された際に該非血液側ポートのノズル内周面と接触する外周面において、全周型の環状凸条が2本以上設けられていること特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の共用封止栓。 【請求項8】 前記筒状栓体および前記筒状リブが前記天板に一体成型されている請求項1乃至7のいずれかに記載の共用封止栓。 【請求項9】 少なくとも前記筒状栓体の材質がポリエチレンまたはポリプロピレンである請求項1乃至8のいずれかに記載の共用封止栓。 【請求項10】 血液透析器、血液透析濾過器、血液濾過器、血液濃縮器から選択される何れか一種の血液浄化器であって、 請求項1乃至9の何れかに記載の共用封止栓が少なくとも2個以上装着されたことを特徴とする血液浄化器。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、人工臓器の血液側ポートおよび透析液側ポート用の共用封止栓、ならびに該封止栓を持つ血液浄化器に関する。より具体的には、血液透析器、血液透析濾過器、血液濾過器、及び血液濃縮器等の血液浄化器の血液側ポートおよび透析液側ポートの共用封止栓、ならびにこの共用封止栓を有するこれらの血液浄化器に関する。 【背景技術】 【0002】 内部に体液等の液体が流通される医療用具として、例えば、血液透析器、白血球除去器、血液成分吸着器、血漿分離器等の血液浄化器が知られている。これらは、分離材が収容された容器の外面に体液等の循環のための一個以上の液体ポートを備えており、さらに各液体ポートには、滅菌時や輸送時あるいは使用前後での内部液体の漏出や外部との接触を防止する等の目的で封止栓が装着される。 【0003】 血液浄化器の中では、血液透析に使用される中空糸型血液透析器(以下、ダイアライザーと称する)が、その使用数量や製品仕様の多さから血液浄化器の代表例といえるため、以下、ダイアライザーを中心に詳しく説明する。 【0004】 ダイアライザーは、筒状ケーシング内に複数本の中空糸膜束が装填され、筒状ケーシングの両端部において中空糸膜外周面とケーシング内周面との間がポッティング剤により接着されることによって、各中空糸膜の内部で形成される血液側流路と、中空糸膜の外周面と筒状ケーシングの内面との間および隣接する各中空糸膜間で形成される透析液側流路とを有している。血液側流路の両端には、血液を流通するための血液側ポートを設けたヘッダーが取り付けられている一方、透析液側流路の両端には、通常は筒状ケーシングに透析液側ポートが設けられている。使用時には、血液側ポートにおいては一方が血液導入口、他方が血液導出口となり、透析液ポートにおいては一方が透析液導入口、他方が透析液導出口となる。 【0005】 各ポートの形状は標準化されており、血液側ポートの形状については、JIS T 3250:2005(血液透析器、血液透析ろ(濾)過器、血液ろ(濾)過器及び血液濃縮器)の4.4.3に、透析液側ポートの形状については、同じく4.4.4(透析液側接続部分)または4.4.5(濾液側接続部分)に記載されている規格に基づいてそれぞれ形成されている。各ポートの規格が異なるのは、一つには、透析液側と血液側の回路接続を間違えた場合に誤って接続できないようにするためであり、従って、それぞれの形状、開口径、及び外周径は互いに一致しない。 【0006】 ダイアライザーは、内部空間が充填液で満たされている/いないの違いにより、ウェットタイプとドライタイプとに大別される。ウェットタイプのダイアライザーの場合は、充填液の漏れ防止の目的から、血液側ポート及び透析液側ポート共に液密性の封止栓が装着され、滅菌用の包装袋内に入れた状態でガンマ線滅菌や蒸気滅菌等の各種滅菌処理が施される。その際、前記のとおり血液側ポートと透析液側ポートの形状および径が異なるので、装着される封止栓としては、血液側ポートに対応するものと透析液側ポートに対応するものとの二種類が必要であり、各ポートに適するよう様々な工夫がなされている。 【0007】 例えば、特許文献1〜3に記載の円筒状の封止栓は、いずれも外筒と内筒からなる二重構造や、回動型の締結機構が設けられた構造であり、液密性や締結性については優れた効果が認められていた。しかし、仕様の異なる二種類の封止栓を併用すると、ダイアライザーの部品点数が増えるという問題があった。 【0008】 一方、ドライタイプのダイアライザーの場合は、透析液側ポートには封止栓が装着されずに開放状態とし、一方、血液側ポートには汚染防止を目的として封止栓が装着された後、滅菌用の包装袋内に入れた状態で、蒸気滅菌、ガンマ線滅菌、電子線滅菌、ガス滅菌等の各種滅菌が施される方法が一般的である。その際、蒸気滅菌やガス滅菌においては、使用される蒸気やガスをダイアライザー内および中空糸膜内に充分に行き渡らせるため、またガンマ線滅菌や電子線滅菌においては、ガンマ線滅菌時の中空糸膜の劣化を抑制するために、包装袋内および中空糸膜内部まで充分に脱酸素状態にする必要があり、従って何れの滅菌形態の場合にも通気性を持たせた封止栓が必要であった(特許文献4、5)。 ところで、ダイアライザーは、透析開始前の準備作業として生理食塩水によりプライミングされ、洗浄と同時にエア抜きや十分な親水化が施される。その際、透析液側ポートからの液漏れを防止するため、該ポートに液密性を有する封止栓が装着されることがある。また、使用後のダイアライザーが廃棄される際には、やはり透析液側流路に残留した透析液が該ポートから外部に漏れるのを防止するため、液密性を有する封止栓が装着される必要がある。このような操作のために、予め透析液側ポートを液密に封止できる封止栓を別途準備することがあったが、ウェットタイプのダイアライザーの場合と同様に、ダイアライザーの部品点数が増える点は言うまでもない。 【0009】 そこで、一つの封止栓で血液側ポートおよび透析液側ポートに兼用可能な共用封止栓が創案されている。例えば、特許文献4および特許文献5に記載の技術においては、血液側ポートに対しては通気性がある封止部と、透析液側ポートに対しては液密性のある封止部とがそれぞれ天板部を挟んで設けられた構造が開示されており、一端側から血液側ポートに嵌合すると通気性をもって装着されるとともに、他端側から透析液側ポートに嵌合すると液密性をもって装着されるよう構成され、簡便なものとなっていた。 【0010】 しかしながらこれらの共用封止栓は、透析開始前の準備作業中に、血液側ポートから透析液側ポートに付け替える際に栓体を反転する必要があり、汚染という点で医療用具として無視できない一面があった。すなわち、準備作業中に既に外部に露出しており、容易に手指に接触して菌汚染され易い部分が、反転により透析液側ポートの内部に挿入される構造になっているため、使用前のダイアライザーを汚染してしまう可能性があった。 【0011】 なお、特許文献5には、反転しなくても透析液側ポートに装着可能な栓体の構造も開示されているが、そのような構造であっても、依然として透析液側ポートの内部に挿入される部分が汚染され得る構造となっており、従って上記の問題点は何ら解決されていなかった。 【0012】 ここまでダイアライザーを例に説明したが、血液濾過器や血漿分離器のような他の血液浄化器においても、ダイアライザーの透析液側ポートに相当する非血液側ポートの汚染は医療用具として好ましいことではなく、同様に改善を要するものである。 【0013】 以上のように、血液浄化器において、複数の封止栓を準備する必要がある場合には部品点数が増加し、在庫管理や装着作業が煩雑化する一方、従来の共用封止栓を用いる場合には透析液側(非血液側)が汚染し得るという問題があった。 【0014】 【特許文献1】特開2002−172161号公報 【特許文献2】特開2005−319323号公報 【特許文献3】実用新案登録第3099079号公報 【特許文献4】特開平9−10303号公報 【特許文献5】特開2002−28233号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0015】 本発明は、上記した従来技術の問題点に鑑み、ドライタイプの血液浄化器に使用される際には、透析開始前の準備作業時において微生物により汚染される原因となる手指の接触が防止され、ウェットタイプの血液浄化器に使用される際には、液密に装着可能な構造を有する共用封止栓を提供すること、および該共用封止栓を装着した血液浄化器を提供することを課題とする。 【課題を解決するための手段】 【0016】 本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、円板状の天板部と、該天板部の外周部から垂下する筒状側面部と、該天板部から筒状側面部の内側に同心円状に垂下し、かつ該筒状側面部の長さよりも短い筒状栓体とからなる円筒状の封止栓において、この筒状栓体の内周面に血液側ポート、外周面に非血液側ポートの液密封止機能を持たせることによって上記課題が解決することを見出し、本発明を得るに至った。即ち本発明は、以下を含む。 【0017】 (1)JIS T 3250:2005(血液透析器、血液透析ろ(濾)過器、血液ろ(濾)過器及び血液濃縮器)の4.4.3に記載の血液側接続部分(以下、血液側ポートと称する)、およびJIS T 3250:2005の4.4.4に記載の透析液側接続部分またはJIS T 3250:2005の4.4.5に記載の濾液側接続部分(以下、両者を非血液側ポートと総称する)を有する血液浄化器用の封止栓であって、 円板状の天板部と、該天板部の外周部から垂下する筒状側面部と、該天板部から前記筒状側面部の内側に同心円状に垂下し、かつ該筒状側面部の長さよりも短い筒状栓体と、からなる円筒状の封止栓において、 前記筒状側面部の内周面には、前記封止栓が前記血液側ポートに装着された際に該血液側ポートの二条ネジ付き外筒の外周面に密着する凸部が設けられており、 前記筒状栓体は、前記封止栓が前記血液側ポートに装着された際に前記血液側ポートのノズル外周面に液密に密着する内径を有し、かつ前記封止栓が前記非血液側ポートに装着された際に前記非血液側ポートの内周面に液密に密着する外径を有することにより、前記血液浄化器の前記血液側ポートと前記非血液側ポートに同一方向から装着されることを特徴とする共用封止栓。 【0018】 (2)前記天板部から前記筒状側面部と前記筒状栓体との間に、同心円状に突出する筒状リブがさらに設けられており、 該筒状リブは、前記筒状栓体よりも長さが短く、かつ前記封止栓が前記非血液側ポートに装着された際に、該非血液側ポート先端部の外周面に液密に密着することを特徴とする(1)に記載の共用封止栓。 【0019】 (3)前記筒状リブの内径が前記非血液側ポート先端部の外径よりも0.00mm以上0.10mm以下小さいことを特徴とする(2)に記載の共用封止栓。 【0020】 (4)前記筒状栓体は、長さが6.5mm以上22.0mm以下であり、かつ前記筒状側面部の長さよりも4.0mm以上10.5mm以下短く、しかも、前記封止栓が血液側ポートに装着された際に該血液側ポートのノズル外周面と接触する内周面において、その内径が前記血液側ポートのノズルの外径よりも0.05mm以上0.10mm以下小さいことを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載の共用封止栓。 【0021】 (5)前記筒状栓体は、前記封止栓が前記非血液側ポートに装着された際に該非血液側ポートのノズル内周面と接触する外周面において、その外径が前記非血液側ポートのノズル内径よりも0.10mm以上0.20mm以下大きいことを特徴とする(1)乃至(4)のいずれかに記載の共用封止栓。 【0022】 (6)前記凸部は、前記筒状側面部の軸線方向に伸展しており、等間隔に離隔して3本以上設けられていること特徴とする(1)乃至(5)のいずれかに記載の共用封止栓。 【0023】 (7)前記筒状栓体は、前記封止栓が前記非血液側ポートに装着された際に該非血液側ポートのノズル内周面と接触する外周面において、全周型の環状凸条が2本以上設けられていること特徴とする(1)乃至(6)のいずれかに記載の共用封止栓。 【0024】 (8)前記筒状栓体および前記筒状リブが前記天板に一体成型されている(1)乃至(7)に記載の共用封止栓。 【0025】 (9)少なくとも前記筒状栓体の材質がポリエチレンまたはポリプロピレンである(1)乃至(8)のいずれかに記載の共用封止栓。 【0026】 (10)血液透析器、血液透析濾過器、血液濾過器、血液濃縮器から選択される何れか一種の血液浄化器であって、 (1)乃至(9)の何れかに記載の共用封止栓が少なくとも2個以上装着されたことを特徴とする血液浄化器。 【発明の効果】 【0027】 本発明によれば、ドライタイプの血液浄化器に使用される際には、透析開始前の準備作業時において微生物により汚染される原因となる手指の接触を防止でき、ウェットタイプの血液浄化器に使用される際には、液密に装着可能な共用封止栓となる構造を有する共用封止栓を提供することができ、更には該共用封止栓を装着した血液浄化器を提供することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0028】 以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。本発明に係る共用封止栓が装着される血液浄化器は、例えば図1に示すように、筒状ケーシング1、ヘッダー2を主な外観要素としている。本発明に係る共用封止栓は、ヘッダー2から延出して形成された血液導入口4および血液導出口5と、筒状ケーシング1から延出して形成された透析液導入口6および透析液導出口7とのそれぞれに装着されるものである。 【0029】 ダイアライザーを例にとって説明すると、筒状ケーシング1はダイアライザーの筐体を成しており、内部の視認性を確保するため、透明又は半透明部材からなるものである。筒状ケーシング1内には、複数本(通常、数百〜数万本)の中空糸膜3が装填されている。この複数本の中空糸膜3は、両端部のポッティング剤8によって筒状ケーシングに一体化され、液密に接着固定されている。 【0030】 血液側流路は、その両端部の開口が血液導入口4および血液導出口5にそれぞれ連通する多数本の中空糸膜3の中空部内によって形成されるとともに、透析液側流路は、透析液導入口6および透析液導出口7に連通し、中空糸膜3の外周面と筒状ケーシング1の内周面間および隣接する中空糸膜3間に形成される多数の流路によって形成されている。 【0031】 ここで、血液導入口4および血液導出口5(血液側ポート)と、透析液導入口6および透析液導出口7(非血液側ポート(ここでは、透析液側ポート))とは、これらポートに接続すべき回路を使用者が間違えないように、図2、図3の如くその形状、開口径および外周の径が異なっており、各ポート(4、5、6、7)に対し液密性を保持しつつ装着できるように構成された共用封止栓が装着される。以下、本発明の共用封止栓について詳細に説明する。 【0032】 本発明でいう血液側ポートとは、JIS T 3250:2005(血液透析器、血液透析ろ(濾)過器、血液ろ(濾)過器及び血液濃縮器)の4.4.3に記載の血液側接続部分のことである。図2にその断面構造を示す。図2の如く、血液側ポート4、5は、二条ネジ9付き外筒10が外周部に、ノズル11が中央部に一体成型されており、血液の導入、導出部としての機能を有している。 【0033】 また、本発明でいう非血液側ポートとは、JIS T 3250:2005(血液透析器、血液透析ろ(濾)過器、血液ろ(濾)過器及び血液濃縮器)の4.4.4に記載の透析液側接続部分または、JIS T 3250:2005の4.4.5に記載の濾液側接続部分のことである。透析液が流れるダイアライザーや血液透析ろ過器に限っては透析液側ポートとも称する。図3にその断面構造を示す。図3の如く、非血液側ポート6、7は外径が断続的に変化した円筒状ポートであり、ダイアライザーにおいては透析液の導入、導出部として、血液濾過器や血漿分離器においてはろ液の導出部としての機能を有している。 【0034】 本発明に係る共用封止栓は、前記血液側ポートおよび非血液側ポートに対して液密に装着可能であって、透析開始前の準備作業時において前記共用封止栓を使用した場合においても、微生物により汚染される原因となる手指の接触を防止する共用封止栓の構造を有していることを特徴としていている。ここで言う液密とは、血液浄化器の内部を水で満水に充填した状態で、各前記共用封止栓を非血液側ポートの両端側および血液側ポートの一端側に装着し、血液浄化器の血液側ポートのもう一端側から0.05MPaの圧力で60秒間加圧した時に、60秒後に非血液側ポートの両端側および血液側ポートの一端側からの水漏れおよび脱栓が無いことを言う。この程度の液密性を有していれば、少なくともプライミングや廃棄の際の水漏れ防止として十分である。 【0035】 本発明の共用封止栓の形状と装着状態の概略図を図4に示す。図4(a)〜(c)の如く、共用封止栓15は全体として円筒状構造であり、円板状の天板部14と、該天板部14の外周部から垂下する筒状側面部13と、該天板部14から筒状側面部13の内側に同心円状に垂下し、かつ該筒状側面部13の長さよりも短い筒状栓体16とから構成されている。そして、共用封止栓15は、図4(d)の如く、血液側ポート4、5に装着され、図4(e)の如く、非血液側ポート6、7に装着される。 【0036】 本発明の共用封止栓においては、筒状側面部13は、血液側ポート4、5の二条ネジ9付き外筒10の外径よりも大きな内径を有することが必要である。これにより、血液側ポート4、5だけではなく非血液側ポート6、7も外側から包むように装着でき、各ポートの汚染防止や保護に好ましい。 【0037】 また、筒状側面部13の内周面には、共用封止栓が血液側ポート4、5に装着された際に該ポート4、5の二条ネジ9付き外筒10の外周面に密着する凸部19が図4(b)の如く設けられていることも必要である。これにより、共用封止栓15が、血液側ポート4、5に装着された際は勿論、非血液側ポート6、7に装着された際にも、栓体のぐらつきが防止されて安定化し、不意の抜けや液漏れの防止に効果的である。凸部19は、筒状側面体13の内周面に周方向(a−a’)または軸方向(b−b’)の何れに伸展して設けられていても良いが、共用封止栓15の施栓性に優れる点から軸線方向に伸展している形状が好ましい。軸線方向の場合は1本または2本では、ぐらつきの安定化効果が弱く、略等間隔に離隔して3本以上設けられていると安定化する。 【0038】 本発明の共用封止栓においては、筒状栓体16は筒状側面部13の長さよりも短いことが必要であり、これにより、使用前の準備作業中に筒状栓体に手指が触れ、微生物に汚染される可能性が激減する。 【0039】 筒状側面部13の長さ13Lは15mm以上26mm以下が好ましく、16mm以上24mm以下が更に好ましい。15mmより短いと、血液側、透析液側(非血液側)の両ポートへの装着安定性が低下し、各ポートから外れやすくなる傾向があり、同時に液密性も低下する傾向がある。さらに、透析液側(非血液側)ポート外周部の露出面積が増加するため、不用意に手指が接触する可能性が高くなる傾向がある。一方、26mmより長くなると、透析液側(非血液側)ポートの長さよりも長い寸法となるために、透析液側(非血液側)ポートから外れやすい傾向となる。つまり、前記範囲内において筒状側面部13を出来る限り長く設計する事により、透析開始前の準備作業(プライミング)時における透析液側ポートの外周面への手指の接触による、前記透析液側(非血液側)ポートの微生物汚染を防止する事が可能となる。 【0040】 筒状栓体16の長さ16Lは6.5mm以上22.0mm以下が好ましく、6.5mm以上20.0mm以下が更に好ましい。6.5mmより短いと、血液側ポート4、5および非血液側ポート6、7に装着された際に、前記筒状栓体と血液側ポート4、5および非血液側ポート6、7の接触面積が小さくなるために、前記共用封止栓が各ポートから外れやすくなる傾向があり、同時に液密性も低下する傾向がある。一方、血液側ポート4、5のノズル11は先端部に比べて基底部付近で外径が拡大する構造であるので、筒状栓体が22.0mmより長いと、血液側ポート4、5の内筒の傾斜構造角度が緩やかな角度へ変化する屈曲部よりも前記筒状栓体16が長くなる。その結果、血液側ポート4、5に前記共用封止栓15を装着した場合、筒状栓体16とノズル11との間に隙間が生じたり、筒状栓体16の破損や亀裂の発生を引き起こしやすくなる傾向がある。 【0041】 また、筒状栓体16の長さ16Lは、筒状側面部側面部13の長さ13Lに対して4.0mm以上10.5mm以下短いことが好ましく、8.0mm以上10.5mm以下が更に好ましい。筒状側面部側面部の長さに対して4.0mmより短いと、筒状栓体に手指が触れやすくなるので微生物に汚染され易くなる傾向にあり、10.5mmより長いと、前記共用封止栓が血液側ポート4、5から外れやすい傾向があり、同時に液密性も低下する傾向となる。 【0042】 本発明の共用封止栓においては、筒状栓体16は、共用封止栓が血液側ポート4、5に装着された際に該ポートのノズル外周面に液密に密着する内径を有すると同時に、非血液側ポート6、7の内周面に液密に密着する外径を有することが必要である。これにより、血液側ポート4、5と非血液側ポート6、7に対して、同一方向から液密に装着される。 【0043】 筒状栓体16は、共用封止栓が非血液側ポート6、7に装着された際に該ポートのノズル内周面と接触する外周面において、筒状栓体16の外径16Tが、前記透析液側ポート6、7のノズル内周面の内径6Sに比べて0.10mm以上0.20mm以下大きいことが好ましく、0.10mm以上0.15mm以下大きく形成されていることが更に好ましい。この様な構成とすることにより、非血液側ポート6、7における液密性が高まる上、施栓性も良好となる。 【0044】 筒状栓体16は、共用封止栓が血液側ポート4、5に装着された際に該ポートのノズル外周面と接触する内周面において、その内径16Sが前記血液側ポート4、5のノズルの外径11Tよりも0.05mm以上0.10mm以下小さいことが好ましく、0.06mm以上0.09mm以下小さいことが更に好ましい。この様な構成とすることにより、血液側ポート4、5における液密性が高まる上、施栓性も良好となる。 【0045】 なお、施栓時の摩擦抵抗を減らす観点から、筒状栓体16は後述する図5〜図8に示すように軸線方向(b−b’)に内外径が変化する場合がある。このような構造においては、外径16Tとは最大外径のことをいい、内径16Sとは最小内径のことをいう。 【0046】 (第一〜第三実施形態) 次に、本発明の共用封止栓の実施形態について、図5〜図7を参照しながら詳細に説明する。 【0047】 (第一実施形態) 図5は本発明に係る第一実施形態の共用封止栓である。図5において、前記筒状栓体16の長さ16Lが8.5mmであって、前記筒状栓体16の長さ16Lは、筒状側面部13の長さ13Lに比べて8.45mm短く形成されている。一方、共用封止栓が血液側ポート4、5に装着された際に該ポートのノズル外周面と接触する内周面において、その内径16Sが前記血液側ポート4、5のノズルの外径11Tに比べて0.08mm小さく、かつ、共用封止栓が非血液側ポート6、7に装着された際に該ポートのノズル内周面と接触する外周面において、筒状栓体16の外径16Tが、前記透析液側ポート6、7のノズル内周面の内径6Sに比べて0.15mm大きく形成されている。 【0048】 また、この実施形態においては、前記筒状栓体16は、共用封止栓が非血液側ポート6、7に装着された際に該ポートのノズル内周面と接触する外周面において、全周型の環状凸条(24)が2本設けられている。このような構成とすることにより、非血液側ポート6、7における液密性が高まる上、施栓性も良好となる。更に、環状凸条24が1本のみ設けられている場合は、成型時、製造取扱時の機械等の接触が原因で傷や凹みが発生した場合、液密性が保てなくなる可能性があるが、2本設ける事で前記リスクを半減させる事が可能となるため、全周型の環状凸条24は2本以上設けられることがより好ましい。 【0049】 さらに、この実施形態においては、前記構成に加えて、運搬時の振動や衝撃がかかった状態における非血液側ポート6、7の液密シール性の安定性を向上させるために、天板部14から筒状側面部13と筒状栓体16との間に同心円状に突出する筒状リブ17がさらに設けられている。筒状リブ17は筒状栓体16よりも長さが短く、かつ共用封止栓を非血液側ポート6、7に装着した際に該ポート先端部12の外周面に液密に密着するものである。筒状リブ17には、筒状側面部13との溝に筒状リブ補強材18が設けられることもある。 【0050】 この例では、筒状リブ17の内径17Sは、非血液側ポート6、7の先端部12の外径6Tよりも0.07mm小さくなるように構成しているが、0.00mm以上0.10mm以下小さく形成させる事が好ましく、0.05mm以上0.08mm以下小さく形成させることが更に好ましい。0.10mmよりも小さく形成させると、非血液側ポート6、7の先端部12と前記筒状リブ17の先端の接触部分が増加するために、装着させにくくなる傾向となり、0.00mmよりも大きく形成させると、非血液側ポート6、7の先端部12の外周面との間に隙間が生じるため、運搬時の振動、衝撃がかかった状態における透析液側ポート6、7の液密シール性の安定性が低下する傾向となる。このような筒状リブは、ウェットタイプの血液浄化器において特に効果的である。 【0051】 (第二実施形態) 図6は本発明に係る第二実施形態の共用封止栓である。図6において、筒状栓体16の形状が図5とは異なっている以外は同様の形状を成している。すなわち、図6記載の筒状栓体16においても、共用封止栓が血液側ポート4、5に装着された際に該ポートのノズル外周面と接触する内周面22において、その内径16Sが前記血液側ポート4、5のノズルの外径11Tに比べて0.08mm小さく、かつ、共用封止栓が非血液側ポート6、7に装着された際に該ポートのノズル内周面と接触する外周面において、筒状栓体16の外径16Tが、前記透析液側ポート6、7のノズル内周面の内径6Sに比べて0.15mm大きく形成されている。 【0052】 (第三実施形態) 図7は本発明に係る第三実施形態の共用封止栓であって、筒状リブ17が形成されていない以外は、図5と同様な形状を成している。 【0053】 なお、本発明はこれらの図5〜図7の構造にのみ限定されるものではない。また、各図に記載した各々の好ましい要件を任意に組み合わせることもできる。 【0054】 本発明の共用封止栓15を構成する材質としては、ある程度の保形性を備えることが望ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアミド、ポリアセタール等の比較的硬い樹脂を挙げることができる。中でも、ポリエチレン、ポリプロピレンのような樹脂材料は、密封性や成型し易さの理由から特に好ましい材料となる。 【0055】 また、本発明の共用封止栓は、これらの材質により各部が一体成型されていることが生産性や強度の点から好ましい。 【0056】 かかる封止栓15は、例えばドライタイプの血液浄化器においては、血液側ポート4、5用の封止栓として両側に二個装着され、透析液側ポート6、7には装着されない状態で滅菌されることが一般的な施栓方法であり、一方、ウェットタイプの血液浄化器においては、血液側ポート4、5及び透析液側ポート6、7の全ポートに計4個装着された状態で滅菌される事が一般的な施栓方法である。いずれのタイプにおいても、少なくとも2個以上装着されていれば良く、残る2つのポートには装着されていないか、あるいは、ウェットタイプにおいては別の封止栓が装着されることもある。 【0057】 特に、ドライタイプの血液浄化器においては、ガンマ線滅菌や電子線滅菌時の中空糸膜劣化を抑制するために、包装袋内の酸素濃度を低下させる場合がある。その際、本発明の共用封止栓が液密性であるために気体の透過性も低くなり、施栓した血液側流路の酸素濃度が低下しにくくなると懸念される。しかし、中空糸膜が気体透過性を有していれば、施栓していない非血液側流路側へ中空糸膜3を通して気体の移動拡散が起こるため、酸素濃度を充分に低下させることが可能となり、実質上の問題は起こらない。酸素濃度を低下させるための方法としては、血液浄化器を脱酸素剤と共に非通気性包装材料または低通気性包装材料で密封包装する方法の他、脱気包装法、不活性ガス充填包装法などが用いられる。 【0058】 以上述べた構成により、本発明の共用封止栓は、ドライタイプの血液浄化器においては、共用封止栓15を反転させることなく血液側ポート4、5および非血液側ポート6、7の封止栓として共用できるため、透析開始前の準備作業(プライミング)時に微生物に汚染される原因となる手指の接触を防止することが可能となる。また、共用封止栓の開口部20(図4(a))を不用意に指の腹部で把持した時においても、手指が前記筒状栓体16に接触して汚染することを防止できる。さらに、ウェットタイプの血液浄化器において、液密に装着することもできる。 【0059】 (実施例1〜4) 以下、実施例により本発明をより詳細に説明する。 【0060】 以下に記載の共用封止栓は、いずれもポリエチレン(三井化学(株)製、商品名ハイゼックス2100J)を用いた射出成型により一体成型したものである。 【0061】 図5〜図7に記載の共用封止栓を実施例1〜3とし、図8に記載の共用封止栓を実施例4とした。また、実施例5については、筒状栓体16の長さ16Lが13.75mmである以外の構成要素が図5と全く同一である共用封止栓を実施例5とした。 【0062】 図8記載の共用封止栓は、図5記載の共用封止栓と構造は似通っているが、前記筒状栓体16の長さ16Lが6.5mmであり、前記筒状栓体16の長さ16Lは、筒状側面部13の長さ13Lに比べて10.45mm短く形成されている。 【0063】 また、この共用封止栓が血液側ポート4、5に装着された際に該ポートのノズル外周面と接触する内周面において、その内径16Sが前記血液側ポート4、5のノズル外径11Tに比べて0.05mm小さく、かつ、非血液側ポート6、7に装着された際に該ポートのノズル内周面と接触する外周面において、筒状栓体16の外径16Tが、前記非血液側ポート6、7のノズル内径6Sに比べて0.10mm大きく形成されている点が図5記載の共用封止栓と異なる。 【0064】 (比較例1〜4) 図9〜図12に記載の共用封止栓を比較例1〜4とした。 【0065】 (比較例1) 図9に記載の共用封止栓は、図5に記載の共用封止栓と似通った形状をしているが、この共用封止栓が血液側ポート4、5に装着された際に該ポートのノズル外周面と接触する内周面において、その内径16Sが前記血液側ポート4、5のノズル外径11Tと同一の径となるように形成され、かつ、非血液側ポート6、7のノズル内周面と接触する外周面において、筒状栓体16の外径16Tが、前記非血液側ポート6、7のノズル内径6Sと同一の径となるように形成されている点が図5に記載の共用封止栓と異なる。 【0066】 (比較例2) 図10に記載の共用封止栓は、図9に記載の共用封止栓から筒状リブ17を取り除いた形状とした。 【0067】 (比較例3) 図11に記載の共用封止栓は、筒状リブ17が形成されておらず、また、筒状栓体16の長さ16Lを6.0mmとした以外は図10に記載の共用封止栓と同一とした。 【0068】 (比較例4) 図12に記載の共用封止栓は反転型の共用封止栓であり、天板部14の一方に非血液側ポート6、7に装着される突起状栓体23が形成され、他方に血液側ポート4、5に装着される筒状側面部13と筒状栓体16が形成されたものである。この共用封止栓は、突起状栓体23が非血液側ポート6、7に装着された際に該ポートのノズル内周面と接触する外周面において、突起状栓体23の外径23Tが前記非血液側ポート6、7のノズル内径6Sに比べて0.15mm大きく形成されており、かつ、前記筒状栓体16の内径16Sは、前記血液側ポート4、5のノズル11の外径11Tに比べて0.08mm小さく形成されている。 【0069】 (実験例1〜3) 以下、上記実施例1〜5、比較例1〜4の共用封止栓を用いた実験例1〜3について説明する。 【0070】 (実験例1) JIS T 3250:2005(血液透析器、血液透析ろ(濾)過器、血液ろ(濾)過器及び血液濃縮器)の4.4.3に記載の血液側接続部分、およびJIS T 3250:2005の4.4.4に記載の透析液側接続部分を有するダイアライザーの内部に水を満水に充填した状態で、前記実施例1〜比較例4の各共用封止栓を装着し、脱栓および水漏れについて調査した。すなわち、前記実施例1〜比較例4の各共用封止栓を透析液側ポート6、7の両端側および血液側ポートの一端側(例えば、血液側ポート4)に装着した状態で、血液側ポートのもう一端側(例えば、血液側ポート5)から0.05MPaの圧力で60秒間加圧し、60秒後に透析液側ポート6、7の両端側および血液側ポートの一端側(血液側ポート4)からの水漏れの有無および脱栓の有無を調べた。結果を表1に示す。 【表1】
【0071】 表1の結果のとおり、B/Dシールを備えた本発明の各共用封止栓(実施例1〜5)において、透析液側ポートの両端側および血液側ポートの一端側からの水漏れおよび脱栓は見られず、B/Dシールのない比較例1〜3の各共用封止栓は水漏れが見られた。従って、B/Dシールを備えた実施例1〜5は、B/Dシールのない比較例1〜3に比べて優れた液密性を示すことが確認された。 【0072】 表中、B/Dシールとは共用封止栓が血液側ポート4、5に装着された際に該ポートのノズル外周面と接触する内周面において、その内径16Sが前記血液側ポート4、5のノズルの外径11Tに比べて小さく形成されており、かつ、共用封止栓が非血液側ポート6、7に装着された際に該ポートのノズル内周面と接触する外周面において、筒状栓体16の外径16Tが、前記透析液側ポート6、7のノズル内周面の内径6Sに比べて大きく形成されている栓体の構造を示している。 【0073】 (実験例2) 実施例1(図5参照)、実施例4(図8参照)、実施例5および比較例4(図12参照)の共用封止栓を試験に用い、透析開始前の準備作業(プライミング)時に、共用封止栓の透析液側ポートを液密に封止する部分及び透析液側ポート6、7の外周面に指が触れた回数をカウントした。液密に封止する部分とは、実施例1、4、5においては、筒状栓体16部分であり、比較例4においては、突起状栓体23部分を指す。 【0074】 プライミング作業手順は、一般的なドライタイプダイアライザーのプライミング手順に従い、下記の如く実施した。 【0075】 1.ダイアライザーを、血液導入口を下にして透析装置のダイアライザーホルダーに垂直に取り付ける 2.ダイアライザーの各血液側ポート4、5から共用封止栓を取り外し、これを各透析液側ポート6、7に装着する。この時、図12に示す封止栓は反転させて装着する 3.ダイアライザーの血液側ポート4、5に透析装置の血液回路を接続する(静脈側血液回路と血液導出口を接続し、動脈側血液回路と血液導入口を接続する) 4.イルリガートル台に1000ml以上の生理食塩液の入ったボトルをつるす 5.生理食塩液ボトルに輸液セットを接続する 6.生理食塩液ボトルから輸液セットに生理食塩液を満たす 7.輸液セットに動脈側血液回路を接続する 8.中空糸と血液回路を洗浄するために、血液導入口を経由して100ml/minの流量で生理食塩液1000mlを注ぎ込み、その後動脈側血液回路をクランプする。この時、洗浄中に透析液側に生理食塩液が充分にろ過されないため、透析液導入口の共用封止栓を一旦取り外し、透析液導入口まで生理食塩液の水位が上昇してきた時に、再度、共用封止栓を装着する 9.透析液側ポート6、7から各共用封止栓を取り外し、透析液回路をそれぞれの透析液側ポート6、7に接続する 10.透析液側を洗浄するために、透析液を透析液回路に500ml/minの流量で注ぎ込む 11.輸液セットを生理食塩液ボトルから外し、500ml以上の生理食塩液の入ったボトルに接続する 12.動脈血液回路からクランプを外す 13.ダイアライザーに500ml以上の生理食塩液を100ml/minの流量で注ぎ込み、中空糸および血液回路に生理食塩液を充填する 14.中空糸および血液回路に空気が残っていないことを確認した後、静脈血液回路、動脈血液回路の順にクランプする。 【表2】
【0076】 表2の結果のとおり、同一方向からの施栓が可能な実施例1、4、5の共用封止栓15に関しては、プライミング作業中に手指が筒状栓体16に触れることは全くなく、一方、比較例4の反転タイプの共用封止栓については、透析液側ポート6、7を液密に封止するための突起状栓体23にプライミング作業時に容易に指が触れてしまい、接触を防ぐことはできなかった。また透析液側ポート外周部への接触は、筒状側面部13の長さが長く、完全に透析液側ポート6、7を覆い隠す事が可能な実施例5についてのみ、手指が透析液側ポート外周部に触れる事が全くなかった。 【0077】 (実験例3) JIS T 3250:2005(血液透析器、血液透析ろ(濾)過器、血液ろ(濾)過器及び血液濃縮器)の4.4.3に記載の血液側接続部分、およびJIS T 3250:2005の4.4.4に記載の透析液側接続部分を有するダイアライザーの内部に水を満水に充填した状態で、透析液側ポート6、7の両端側および血液側ポート4、5の両端側に前記実施例1〜比較例4の各共用封止栓を装着した。そのダイアライザー6本を緩衝パットの上に並べ、さらに2段重ねとした計12本をダンボール内に梱包した状態で、JIS−Z−0202に基づき、80cmの垂直高さから落下試験を実施し、透析液側ポートの両端側および、血液側ポート4、5の両端側からの脱栓および水漏れについて調査した。結果を表3に示す。 【表3】
【0078】 表3の結果のとおり、筒状リブ17が形成されており、B/Dシールのある実施例1、2、4、5の共用封止栓では、脱栓および水漏れはなく、筒状リブ17又はB/Dシールのいずれかが又は両方のない実施例3、比較例1〜4の共用封止栓では、脱栓又は水漏れがあった。従って、筒状リブ17が形成されており、B/Dシールのある実施例1、2、4、5の共用封止栓は、筒状リブ17又はB/Dシールのいずれかが又は両方のない実施例3、比較例1〜4の共用封止栓に比べて、落下衝撃のような強烈な衝撃に対して施栓の安定性を向上できることが確認できた。 【産業上の利用可能性】 【0079】 本発明の共用封止栓は、医療の現場に於いて、血液透析器、血液透析濾過器、血液濾過器、血液濃縮器等の血液浄化器の共用封止栓として有用に用いられる。 【図面の簡単な説明】 【0080】 【図1】共用封止栓が装着される血液浄化器を示す部分断面図である。 【図2】共用封止栓を装着する前の血液側ポートの断面図である。 【図3】共用封止栓を装着する前の非血液側ポートの断面図である。 【図4】(a)は共用封止栓を示す斜視図である。(b)は共用封止栓のa−a’を示す底部から天板部方向への断面図である。(c)は共用封止栓のb−b’を示す断面図である。(d)は共用封止栓を非血液側ポートに装着した際のb−b’を示す断面図である。(e)は共用封止栓を血液側ポートに装着した際のb−b’を示す断面図である。 【図5】(a)実施例1の共用封止栓を示す断面透視図である。(b)実施例1の共用封止栓を示す下面図である。(c)実施例1の共用封止栓を血液側ポートに装着した際の断面透視図である。(d)実施例1の共用封止栓を非血液側ポートに装着した際の断面透視図である。 【図6】(a)実施例2の共用封止栓を示す断面透視図である。(b)実施例2の共用封止栓を血液側ポートに装着した際の断面透視図である。(c)実施例2の共用封止栓を非血液側ポートに装着した際の断面透視図である。 【図7】(a)実施例3の共用封止栓を示す断面透視図である。(b)実施例3の共用封止栓を示す下面図である。(c)実施例3の共用封止栓を血液側ポートに装着した際の断面透視図である。(d)実施例3の共用封止栓を非血液側ポートに装着した際の断面透視図である。 【図8】(a)実施例4の共用封止栓を示す断面透視図である。(b)実施例4の共用封止栓を血液側ポートに装着した際の断面透視図である。 (c)実施例4の共用封止栓を非血液側ポートに装着した際の断面透視図である。 【図9】(a)比較例1の封止栓を示す断面透視図である。(b)比較例1の封止栓を血液側ポートに装着した際の断面透視図である。(c)比較例1の封止栓を非血液側ポートに装着した際の断面透視図である。 【図10】(a)比較例2の封止栓を示す断面透視図である。(b)比較例2の封止栓を血液側ポートに装着した際の断面透視図である。(c)比較例2の封止栓を非血液側ポートに装着した際の断面透視図である。 【図11】(a)比較例3の封止栓を示す断面透視図である。(b)比較例3の封止栓を血液側ポートに装着した際の断面透視図である。(c)比較例3の封止栓を非血液側ポートに装着した際の断面透視図である。 【図12】(a)比較例4の封止栓を示す断面透視図である。(b)比較例4の封止栓を血液側ポートに装着した際の断面透視図である。(c)比較例4の封止栓を透析液側ポートに装着した際の断面透視図である。 【符号の説明】 【0081】 1・・・筒状ケーシング 2・・・ヘッダ 3・・・中空糸膜 4・・・血液導入口(血液側ポート) 5・・・血液導出口(血液側ポート) 6・・・透析液導入口(透析液側ポート、非血液側ポート) 7・・・透析液導出口(透析液側ポート、非血液側ポート) 8・・・ポッティング剤 9・・・二条ネジ 10・・・外筒 11・・・ノズル 12・・・透析液ポート先端部 13・・・筒状側面部 14・・・天板部 15・・・共用封止栓 16・・・筒状栓体 17・・・筒状リブ 18・・・筒状リブ補強材 19・・・凸部 20・・・封止栓下面開口部 21・・・血液側ポート外周面と筒状栓体内周面の接触部 22・・・透析液側ポート内周面と筒状栓体外周面の接触部 23・・・突起状栓体 24・・・全周型の環状凸条
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| 【出願人】 |
【識別番号】000116806 【氏名又は名称】旭化成クラレメディカル株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年9月1日(2006.9.1) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100095315 【弁理士】 【氏名又は名称】中川 裕幸
【識別番号】100134717 【弁理士】 【氏名又は名称】大石 裕司
【識別番号】100142158 【弁理士】 【氏名又は名称】岩田 啓
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| 【公開番号】 |
特開2008−55030(P2008−55030A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月13日(2008.3.13) |
| 【出願番号】 |
特願2006−237547(P2006−237547) |
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