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【発明の名称】 酸素濃縮装置
【発明者】 【氏名】安藤 誠

【要約】 【課題】在宅で長期間使用する医療機器である吸着型酸素濃縮装置において、吸気口に設けられた除塵フィルターを使用者が頻繁に清掃する必要のない酸素濃縮装置を提供する。

【構成】酸素よりも窒素を選択的に吸着する吸着剤を充填した少なくとも1つの吸着筒と、該吸着筒へ空気を供給する空気供給手段と、空気を吸入する吸気口に除塵手段としてのフィルターを具備した酸素濃縮装置であって、該フィルター清掃手段を移動する手段を備えることを特徴とする酸素濃縮装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸素よりも窒素を選択的に吸着する吸着剤を充填した少なくとも1つの吸着筒と、該吸着筒へ原料空気を供給する空気供給手段を備えた酸素濃縮装置において、該酸素濃縮装置の原料空気の取入口にフィルターを備えると共に、該フィルター表面を移動することにより該フィルター表面に捕集された塵埃を取り除くフィルター清掃手段を備えることを特徴とする酸素濃縮装置。
【請求項2】
該フィルター清掃手段が、フィルター表面を掃き出すブラシ及び掃き出した塵埃を吸引する吸引手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の酸素濃縮装置。
【請求項3】
該フィルター清掃手段が、該ブラシが該フィルター表面を往復駆動或いは周回運動する駆動手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の酸素濃縮装置。
【請求項4】
該フィルター清掃手段が、フィルター表面を振動させる振動板および浮遊した塵埃を吸引する吸引手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の酸素濃縮装置。
【請求項5】
該フィルター清掃手段が、該振動板が該フィルター表面を往復駆動或いは周回運動する駆動手段を備えることを特徴とする請求項4に記載の酸素濃縮装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は酸素より窒素を選択的に吸着する吸着剤を使い、空気中から窒素ガスを取り除き、これによって酸素を濃縮して使用者に供給する吸着型の酸素濃縮装置に関する。
【背景技術】
【0002】
慢性気管支炎等の呼吸器系疾患の効果的な治療法である酸素吸入療法に用いられる酸素濃縮装置として、窒素を選択的に吸着し得る吸着剤を1個、あるいは複数個の吸着筒に充填した吸着型酸素濃縮装置が広く使われている。このような酸素濃縮装置では原料である空気を装置内に取り込むための吸入口に、除塵を目的としたフィルターが設けられており、該フィルターは使用者によって取り外し可能な構造となっている(特許文献1)。該フィルターに付着した塵埃を除去するために、使用者は定期的に該フィルターを取り外して、水洗いや掃除機での清掃を実施する必要がある。
【特許文献1】特開2004−188118号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
酸素濃縮装置の内部には原料空気を吸着筒へ供給する手段であるコンプレッサや、装置内部の空気を循環して冷却する手段である冷却ファン等の騒音発生源があるが、在宅で使用されることが多く、かつ夜間睡眠時にも使用する酸素濃縮装置では騒音が低いことが要求される。騒音を低減するために、酸素濃縮装置の空気の吸入口面積は必要最小限であることが要求され、それに伴って該吸入口に取り付けられる除塵フィルターの面積も小さくなっている。従って、該フィルターは目詰まりするまでの期間が短く、使用者は該フィルターを取り外しての清掃という面倒な作業を頻繁に行なう必要がある。
【0004】
該フィルターの清掃が不十分で、塵埃が大量に付着した状態で装置を使用すると、原料空気の供給量が不十分となり、使用者に供給される製品ガスの酸素濃度が低下するという問題がある。さらに、該フィルターを通して酸素濃縮装置内に供給される原料空気は筐体内部の冷却という役割も持っているため、原料空気の供給低下はすなわち、筐体内部の冷却不足を引き起こし、筐体内部の高温化とそれに伴う性能の低下をもたらす、という問題もある。
【0005】
また、原料空気の供給量の低下がもたらされた場合に、空気を供給するコンプレッサの能力を増加させて供給量の低下を補う制御がなされている場合には、装置の消費電力が増加するという問題もある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記のようなフィルターの清掃を自動化し、使用者の手間を省くと共に清掃忘れに伴う機器性能低下を防止する機能を備えた医療用酸素濃縮装置を提供するものである。すなわち本発明は、酸素よりも窒素を選択的に吸着する吸着剤を充填した少なくとも1つの吸着筒と、該吸着筒へ原料空気を供給する空気供給手段を備えた酸素濃縮装置において、該酸素濃縮装置の原料空気の取入口にフィルターを備えると共に、該フィルター表面を移動することにより該フィルター表面に捕集された塵埃を取り除くフィルター清掃手段を備えることを特徴とする酸素濃縮装置を提供するものである。
【0007】
また本発明は、かかるフィルター清掃手段が、フィルター表面を掃き出すブラシ及び掃き出した塵埃を吸引する吸引手段を備えることを特徴とし、特に該ブラシが該フィルター表面を往復駆動或いは周回運動する駆動手段を備えることを特徴とする酸素濃縮装置を提供するものである。
【0008】
また本発明は、かかるフィルター清掃手段が、フィルター表面を振動させる振動板および浮遊した塵埃を吸引する吸引手段を備えることを特徴とし、特に該振動板が該フィルター表面を往復駆動或いは周回運動する駆動手段を備えることを特徴とする酸素濃縮装置を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の酸素濃縮装置は、使用者のフィルター清掃の負担を軽減することが可能であり、フィルターの清掃不足による装置の性能低下も予防することが可能である。特に慢性呼吸器疾患を患う高齢患者にとっては、日々の機器メンテナンスの実施を回避することが可能となり、患者コンプライアンスの向上に利するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。本発明の酸素濃縮装置は、酸素よりも窒素を選択的に吸着する吸着剤を充填した少なくとも1つの吸着筒と、該吸着筒へ原料空気を供給する空気供給手段を備えた、吸着型の酸素濃縮装置である。例えば、酸素より窒素を選択的に吸着し得る吸着剤としてモレキュラーシーブゼオライト5A、13X、或いはリチウム系ゼオライトなどを吸着筒に充填し、空気圧縮装置によって作られた加圧空気を供給することで、酸素を取り出す圧力変動吸着型の酸素濃縮装置である。
【0011】
図8に本実施例の圧力変動型酸素濃縮装置のフローをあらわす概略構成図を示す。酸素よりも窒素を選択的に吸着する吸着剤103を充填した吸着筒102に対して、コンプレッサ105により大気中から取り込んだ空気を圧縮し、加圧空気を吸気消音器116経由で供給する。吸着筒102内部を加圧状態にすることで吸着剤に窒素を吸着させ、吸着されなかった酸素を取り出す。吸着筒102より取り出された酸素は、製品タンク104に一旦貯留した後、流量設定器110により酸素供給流量を設定し、鼻カニューラ112を介して使用者に供給される。
【0012】
1回の工程で吸着できる窒素の量は、吸着剤103の量や種類、吸着筒圧力等によって決まっているため、吸着剤103に吸着される窒素の量が飽和する前に、流路切換弁109を切り換えて吸着筒102を大気開放し、吸着筒102内部を減圧して窒素を脱着させ、吸着剤103を再生させる。また、流路切換弁109は、予め設定された時間によって切り換えられるように制御装置111によって制御される。なお、1工程中の吸脱着量を増やすべく、真空ポンプを用いて、脱着工程における吸着筒102内部の圧力を真空にしても良い。なお、流路切換弁109のパージ側には排気消音器115が設けられている。
【0013】
コンプレッサ105は、コンプレッサ105を駆動させるためのコンプレッサ駆動モーター106を具備しており、コンプレッサ駆動モーター106は制御装置111によって設定された回転数で回転しコンプレッサ105を回転駆動させる。コンプレッサ圧縮機構部108は、コンプレッサ駆動モーター106によって得た回転力によって空気を圧縮するものであり、その圧縮方式によって様々な種類が存在する。酸素濃縮装置101に用いられるコンプレッサ105としては、往復運動式のピストンタイプや回転式のスクロールタイプなどが一般的によく用いられているが、大気中の空気を圧縮できるものであればどのタイプを用いても構わない。かかるコンプレッサはその供給空気導入口、及び圧縮排出口がそれぞれ少なくとも1つあり、それぞれ吸着床、もしくは装置内の適当な場所に接続されている。
【0014】
原料となる空気は、吸気口113から酸素濃縮装置筐体内に取り込まれ、吸着筒への原料空気、装置内の冷却空気として使用される。空気取入口である吸気口113には、装置内部に塵埃が入るのを防ぐ為、メッシュフィルターを備えている。
【0015】
[実施例1]
図1および図2は、本発明の酸素濃縮装置に搭載するフィルター手段の第1の実施態様例であり、図1はフィルター清掃手段が定常位置にあるときの模式図、図2はフィルター清掃手段が清掃位置に移動中の図である。また、図3は、そのフィルター駆動方法を説明するための図である。
【0016】
酸素濃縮装置の本体1の吸気口2から吸入された空気は、除塵フィルター4を通って装置内部に供給され、空気中の塵埃は除塵フィルター4の表面に付着する。かかる除塵フィルターにはナイロンメッシュフィルターを使用した。フィルター清掃手段は歯車8と刻まれた溝によって移動し、表面に付着した塵埃はブラシ5によって除去されて、さらにファン10によって吸引され、伸縮可能である吸引ダクト9を通り、塵埃回収箱6に回収される。清掃手段は歯車8を逆回転させることにより清掃位置から定常位置に戻る。
【0017】
[実施例2]
図4は、本発明の酸素濃縮装置に搭載するフィルター手段の第2の実施態様例である。酸素濃縮装置の本体1の吸気口2から吸入された空気は、除塵フィルター4を通って装置内部に供給され、空気中の塵埃は除塵フィルター4の表面に付着する。表面に付着した塵埃は振動子12 によって除去されて、歯車8とフレームに刻まれた溝によって移動するフィルター清掃手段によって吸引され、吸引ファン10、吸引ダクト9を通り、塵埃回収箱6に回収される。除塵フィルター4の移動中には装置は運転を停止し、除塵フィルター4は歯車8を逆回転させることにより清掃位置から定常位置に戻る。
【0018】
[実施例3]
図5は、本発明の酸素濃縮装置に搭載するフィルター手段の第3の実施態様例である。酸素濃縮装置の本体1の吸気口2から吸入された空気は、除塵フィルター4を通って装置内部に供給され、空気中の塵埃は除塵フィルター4の表面に付着する。ハタキ13によってフィルター内側表面を叩くことで振動し、フィルター表面に付着した塵埃は表面から除去され浮遊する。歯車8とフレームに刻まれた溝によって移動するフィルター清掃手段によって吸引され、吸引ファン10、吸引ダクト9を通り、塵埃回収箱6に回収される。除塵フィルター4の移動中には装置は運転を停止し、除塵フィルター4は歯車8を逆回転させることにより清掃位置から定常位置に戻る。
【0019】
[実施例4]
図6は本発明の酸素濃縮装置に搭載するフィルター手段の第4の実施態様例である。該フィルターが円盤状に形成され、該清掃手段移動手段が該フィルターを周回駆動する手段であることを特徴とする酸素濃縮装置である。図7は、そのフィルター駆動方法を説明するための図である。酸素濃縮装置に吸入された空気は、除塵フィルター4を通って装置内部に供給され、空気中の塵埃は除塵フィルター4の表面に付着する。フィルター清掃手段はモーター7によって時計回りに移動し、表面に付着した塵埃はブラシ5によって除去される。除去された塵埃はさらにファン10によって吸引され、フィルターの裏側にある塵埃回収箱6に回収される。清掃手段はフィルター上を1周することで定常位置に戻る。
【0020】
上記の第1乃至第4の実施態様例では共に、塵埃回収箱6に回収された塵埃は定期的に取り除く必要があるが、在宅酸素濃縮装置は設置業者による定期的なメンテナンスが広く行なわれているので、塵埃回収箱6の容量をメンテナンス間隔の間の塵埃が収納可能な容量にすれば、使用者は除塵フィルターの清掃に関わる作業を行なう必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の酸素濃縮装置に搭載するフィルター手段の第1の実施態様例の模式図(定常位置)。
【図2】本発明の酸素濃縮装置に搭載するフィルター手段の第1の実施態様例の模式図(定常位置)。
【図3】本発明の酸素濃縮装置のフィルター手段の第1の実施態様例のフィルター駆動方法を説明する模式図。
【図4】本発明の酸素濃縮装置に搭載するフィルター手段の第2の実施態様例の模式図(定常位置)。
【図5】本発明の酸素濃縮装置に搭載するフィルター手段の第3の実施態様例の模式図(清掃位置)。
【図6】本発明の酸素濃縮装置に搭載するフィルター手段の第3の実施態様例の模式図(定常位置)。
【図7】本発明の酸素濃縮装置のフィルター手段の第3の実施態様例のフィルター駆動方法を説明する模式図。
【図8】本発明の酸素濃縮装置である圧力変動型酸素濃縮装置のフローをあらわす概略構成図。
【符号の説明】
【0022】
1 本体
2 吸気口
3 吸気ダクト
4 除塵フィルター
5 ブラシ
6 塵埃回収箱
7 吸引口
8 歯車
9 吸引ダクト
10 吸引ファン
11 モーター
12 振動子
13 はたき
101 酸素濃縮装置
102 吸着筒
103 吸着剤
104 製品タンク
105 コンプレッサ
106 コンプレッサ駆動モーター
107 冷却ファン
108 コンプレッサ圧縮機構部
109 流路切換弁
110 流量設定器
111 制御装置
112 鼻カニューラ
113 吸気口
114 排気口
115 排気消音器
116 吸気消音器
117 コンプレッサボックス
【出願人】 【識別番号】503369495
【氏名又は名称】帝人ファーマ株式会社
【出願日】 平成18年8月30日(2006.8.30)
【代理人】 【識別番号】100099678
【弁理士】
【氏名又は名称】三原 秀子


【公開番号】 特開2008−54805(P2008−54805A)
【公開日】 平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願番号】 特願2006−233485(P2006−233485)