| 【発明の名称】 |
吸入装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】金子 秀樹
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| 【要約】 |
【課題】利用者が常に一定の粒径の薬剤を吸入することで、吸入毎の薬効の再現性を確保する。
【構成】流路部材3の端部に取り付けた容器2は、吸入口6から吹き込まれる利用者の呼気によってふくらみ、恒温かつ恒湿の空気である呼気を溜める。流路部材3の流路に面して、吐出ヘッド4及び圧力センサー5が配置され、吸入口6からの吸入を圧力センサー5が検知する。吸入が検知されると、流路部材3内に薬剤が噴霧され、容器2内に溜められた呼気または空気とともに流動する。温度と湿度が一定である気流によって運ばれた薬剤は、一定の粒径で利用者に吸入される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 利用者が吸入口から薬剤を吸入するための吸入装置であって、 前記利用者の呼気または空気を溜める気体収容部と、 前記気体収容部に接続され、前記利用者の吸入により前記薬剤を前記吸入口へと導く気流路を形成する流路部材と、 前記気流路を介して前記利用者が前記気体収容部に溜められた前記呼気または空気を吸入するときに前記気流路内に前記薬剤を吐出するための薬剤吐出部と、を有することを特徴とする吸入装置。 【請求項2】 前記利用者が吸入する行為を検知する検知手段を有することを特徴とする請求項1記載の吸入装置。 【請求項3】 前記検知手段が、圧力センサーであることを特徴とする請求項2記載の吸入装置。 【請求項4】 前記気体収容部が、可撓性を有する容器を有することを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項記載の吸入装置。 【請求項5】 前記気体収容部が、シリンダーを有することを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項記載の吸入装置。 【請求項6】 前記気体収容部が、前記流路部材に対して着脱自在であることを特徴とする請求項1ないし5いずれか1項記載の吸入装置。 【請求項7】 前記気体収容部に、あらかじめ恒温かつ恒湿の空気が封入されていることを特徴とする請求項6記載の吸入装置。 【請求項8】 前記薬剤吐出部は、前記薬剤に熱エネルギーを付与する電気熱変換素子又は前記薬剤に機械エネルギーを付与する電気機械変換素子を有することを特徴とする請求項1ないし7いずれか1項記載の吸入装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、エアゾール薬剤等を利用者が吸入するための吸入装置に関するものである。 【背景技術】 【0002】 利用者が吸入して薬剤を摂取するための吸入装置により、電子カルテなどの情報データベースを活用できる利用者への処置が具現化しつつある。こうした吸入装置は、カルテ及び処方箋の情報を含む利用者個人に関する情報を格納する記憶手段と、薬剤を噴霧して利用者に吸入させる噴霧装置を兼ね備えた携帯端末でもある。そして、前記処方箋の情報にしたがって利用者が薬剤を吸入できるように、利用者の吸気プロファイルに応じて吸入装置を制御して薬剤を噴霧させる噴霧制御手段を有するものである(特許文献1,特許文献2参照)。 【0003】 ところで、治療行為においては、薬効の再現性が特に重要である。吸入装置を用いて薬剤を摂取する場合(すなわち、経肺投与の場合)では、患者の吸入毎に薬効の再現性を確保すること、つまり、同量の薬剤を吸入するとき、常に同量の薬剤を吸収することが重要である。吸入した薬剤の吸収量が一定であれば、常に同じ薬効を得ることできるからである。患者の吸入毎で薬効が異なると、例えばインスリンの場合では、低血糖などの問題につながる恐れがある。 【0004】 経肺投与における薬効においては、薬剤の粒径が重要であることが知られている。何故ならば、薬剤の肺沈着率は薬剤粒径と深い関係があるからである。吸入した薬剤粒子が大きい場合、吸入経路中の折れ曲がっている部位(例えば、のどや気管支など)で薬剤粒子が曲がることができずに壁に衝突、付着してしまい、肺まで到達することができない。気管支などに付着した薬剤は、肺胞で吸入される場合に比べ、吸収速度が遅く、また、痰などによって排出されてしまうものもあるため、結果的に吸収量が下がってしまう懸念がある。また、吸入した薬剤粒子が小さすぎると、薬剤は肺内に沈着せずに呼気によって体外に排出される。一般的に、肺胞に到達し、沈着するには、薬剤が3μm程度の大きさであることが好ましいと言われている。 【0005】 すなわち、吸入した薬剤粒子のうち、3μm程度の薬剤粒子の割合が高いほど、高い肺沈着率、つまり高い薬効が得られる。したがって、吸入装置を用いて利用者が薬剤を吸入する場合、装置の使用環境がどのようなものであっても、一定の粒径(3μm程度)の薬剤を吸入することが重要である。 【0006】 一定粒径の薬剤が一定量で吐出部から吐出され、一定の外気温度及び外気湿度の下で利用者の体内へと導かれる場合、粒径は常に一定量変化するので、患者は常に一定粒径の薬剤を吸入することが可能となる。ところが、使用するたびに外気温度又は外気湿度が変化してしまうと、患者が吸入する薬剤の粒径の変化量が増減する。 【0007】 薬剤粒子が液体の場合、温度が極端に高い場合、または湿度が極端に低い場合では、蒸発が通常環境よりも著しく促進される。その結果、噴霧された一定粒径の薬剤が、口に達するまでに、肺への沈着率の面で好ましくない小さな粒径になる可能性がある。また、薬剤粒子が固体の場合は、湿度が極端に高いと粒子同士の凝集が著しく促進される、つまり、噴霧された一定粒径の薬剤が、口に達するまでに、肺への沈着率の面で好ましくない大きな粒径になる可能性がある。 【0008】 患者が吸入する薬剤の粒径を一定にする方法として、薬剤が利用者へと導かれる気流路内にヒーターを設けて粒径を制御する技術がある(特許文献3参照)。しかし、ヒーターは電力を消費するので、装置の大型化につながる。このような吸入装置は、小型化することで場所を問わずに使用されることが期待されているため、患者が持ち運びできるような小型装置としては好ましくない。 【0009】 また、吸入装置内に患者の呼気を溜める部位を設け、その部位に薬剤を噴霧し、その部位の空気を吸入することで、患者が吸入する薬剤の粒径を常に一定にすることが達成され得る(特許文献4参照)。しかし、この場合薬剤が呼気溜め壁面に付着する懸念がある。 【0010】 特許文献4においても、壁面付着を防ぐ工夫がなされているが、十分ではなかった。呼気溜め壁面に薬剤が付着してしまうと、吸入する薬剤量が減少し、治療効率が低下するほか、衛生的にも好ましくない。 【0011】 【特許文献1】国際公開WO95/01137号公報 【特許文献2】国際公開WO02/04043号公報 【特許文献3】国際公開WO00/00244号公報 【特許文献4】特開2004−350985号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0012】 本発明は、上記従来の技術の有する未解決の課題に鑑みてなされたものであり、いかなる温度および湿度の環境下においても、常に一定の粒径の薬剤を吸入し、同じ薬効を得ることのできる吸入装置を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0013】 本発明の吸入装置は、利用者が吸入口から薬剤を吸入するための吸入装置であって、前記利用者の呼気または空気を溜める気体収容部と、前記気体収容部に接続され、前記利用者の吸入により前記薬剤を前記吸入口へと導く気流路と、前記気流路を介して前記利用者が前記気体収容部に溜められた前記呼気または空気を吸入するときに前記気流路内に前記薬剤を吐出するための薬剤吐出部と、を有することを特徴とする。 【発明の効果】 【0014】 本発明の吸入装置によれば、気流路の内壁等に薬剤が付着して吸入する薬剤量が減少することがなく、また、利用者が常に一定の粒径の薬剤を吸入できる。その結果、利用者の吸入毎に薬効の再現性を確保することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0015】 本発明に係る吸入装置の実施形態について、図1を参照して説明する。 【0016】 本発明の吸入装置は、利用者が携帯して所持するように構成されていて、装置本体1は、利用者のカルテ及び処方箋の情報を含む利用者個人に関する情報を格納するための記憶手段(不図示)を備える。そして、この処方箋の情報に従って、利用者が薬剤を効率的かつ衛生的に吸入できる。 【0017】 本明細書において「流路部材」とは、薬剤が吐出された箇所から吸入口までの薬剤の通り道である気流路を形成する部材を意味する。すなわち、流路部材内に形成された空間が「気流路」となる。 【0018】 本実施形態による吸入装置は、利用者の呼気又は空気を溜める気体収容部である可撓性の容器2と、前記容器2に接続され、利用者の吸入により薬剤を吸入口6へ導く気流路を形成する流路部材3とを有している。また、利用者は前記気流路を介して前記容器2に溜められた前記呼気又は空気を吸入するときに前記気流路内に前記薬剤を吐出させる薬剤吐出部である吐出ヘッド4を有している。 【0019】 なお、流路部材3と吸入口6は、互いに連結可能な別体に構成されていてもよいし、一体に構成されていてもよい。 【0020】 本明細書において、「薬剤」は、患者において局所的なまたは全身的な効果を生ずる任意の生理学的なまたは薬理学的な活性物質を含む。投与され得る活性物質は、抗生物質、抗ウィルス物質、抗てんかん剤、鎮痛剤、抗炎症剤及び気管支拡張薬を含み、並びにウィルスを含み、無機及び有機化合物であってもよい。また、本明細書における薬剤は、末梢神経、アドレナリン作動レセプタ、コリン作動性レセプタ、骨格筋、循環系、平滑筋、血管系、シナプスサイト、神経効果器接合部、内分泌系及びホルモン系、免疫系、生殖器系、骨格系、オータコイド系、消化器系及び排出系、ヒスタミン系及び中枢神経系に作用する薬剤を含む。例えば、多糖類、ステロイド、催眠薬及び鎮静剤、精神賦活剤、精神安定剤、鎮痙薬、筋弛緩薬、抗パーキンソン病薬、鎮痛剤、抗炎症薬、筋収縮剤、抗感染薬、抗生物質、抗菌薬、抗マラリア薬、避妊薬を含むホルモン性作用物質、交感神経興奮剤、ポリペプチド、並びに生理学的作用を誘発可能なタンパク質、利尿薬、脂質調整剤、抗男性ホルモン剤、駆虫薬、新生物薬、抗新生物薬、血糖降下薬、栄養剤及びサプリメント、成長サプリメント、脂肪、抗腸炎薬、電解質、ワクチン及び診断薬から選択され得る。 【0021】 本発明において有用な物質の例は、限定ではないが、インスリン、カルシトニン、エリスロポイチエン(EPO)、第VIII因子、第IX因子、カルシトニン、セレダーゼ、セレザイメ、シクロスポリン、顆粒球コロニー刺激因子(GCSF)、α−1プロテイナーゼインヒビター、エルカトニン、GMCSF、成長ホルモン、HGH(human growth hormone)、GHRH、へパリン、LMWH、インターフェロンα、インターフェロンβ、インターフェロンγ、インターロイキン2、LHRH、ソマトスタチン、オクトレオチドを含むソマトスタチン類似体、バソプレシン類似体、FSH、インシュリン状成長因子、インスリントロピン、インターロイキン1レセプターアンタゴニスト、インターロイキン3、インターロイキン4、インターロイキン6、M−CSF、神経成長因子、PTH、チモシンα1、IIb/IIIaインヒビター、α1抗トリプシン、呼吸器系合胞体ウィルス抗体、CFTR遺伝子、デオキシリボヌクレアーゼ、BPI、抗CMV抗体、インターロイキン1レセプター、13シスレチノイック酸、ペンタミジンイソチオネート、硫酸アルブテロール、硫酸メタプロテレノール、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、トリアムシノロンアセトアミド、ブデソナイドアセトニド、臭化イプラトロビウム、フルニソリド、フルチカゾーネ、クロモリンナトリウム、ニコチン、肺表面活性剤、アンフォテリシンB、シプロフロクサシン、ゲンタマイシン、トブラマイシン、酒石酸エルゴタミン、及び上記のアナログ、アゴニスト、アンタゴニストを含む。 【0022】 更に、ベアー核酸分子として現れる核酸、ウィルス性ベクター、関連ウィルス性粒子、脂質または脂質含有材料と関連したまたはそれらに組み入れられた核酸、プラスミドDNAまたはRNA、もしくは細胞、特に肺の肺胞領域の細胞のトランスフェクションまたはトランスフォーメーションに適したタイプのその他の核酸構成を備えていてもよい。上記物質は、例えば、溶性及び不溶性の荷電または非荷電分子、分子合成物の成分または薬理学的に許容可能な塩等の様々な形態であり得る。上記活性作用物質は、自然発生分子であってよく、またそれらは組換えで生成されてもよく、あるいは、それらは一つ以上のアミノ酸が付加または削除された自然発生のまたは組換えにより生成された活性作用物質のアナログであり得る。更に、上記物質は、ワクチンとしての使用に適した弱毒化ウィルスまたは不活化ウィルスを含み得る。 【0023】 また、本発明に用いられる薬液とは、液体の薬剤、または薬剤を含む液媒体を言う。薬液には、任意の添加剤を含んでよい。液中の薬剤の状態は、溶解、分散、乳化、懸濁、スラリーのいずれでも良く、液中に均一化されていればなお良い。 【0024】 薬剤として薬液を用いる場合、液の主媒体は水または有機物が好ましく、生体に投与されることを考慮すると水が主媒体であることが好ましい。 【0025】 (薬剤噴霧手段) 本発明において、薬剤吐出部(吐出ヘッド)は任意の吐出圧発生素子を有する。すなわち、吐出原理としては、限定ではないが、粉末放出、MDI方式、ジェット式ネブライザー、超音波式ネブライザー、メッシュ式ネブライザー、カムによる押し出し方式、インクジェット方式、を含む。吐出圧発生素子としては、薬剤に熱エネルギーを付与する電気熱変換素子又は機械エネルギーを付与する電気機械変換素子が好ましい。すなわち、薬剤の吐出方式としては、電気熱変換素子を用いて薬剤に熱エネルギーを付与して吐出口から吐出させる方式(サーマルジェット方式)、薬剤に機械エネルギーを付与する電気機械変換素子(例えば圧電素子)の振動圧を用いて吐出口から薬剤を吐出する方式を例示できる。吐出方式については、薬剤の種類などに応じて選択可能である。 【0026】 サーマルジェット方式を用いた場合、個々の液体吐出ユニットについて、吐出口の口径、吐出に利用される熱パルスの熱量、電気熱変換素子としてのマイクロ・ヒーターなどのサイズ精度、再現性を高くすることが可能である。このため、狭い液滴径分布を達成することが可能である。また、吐出ヘッドの製作コストが低く、吐出ヘッドを頻繁に交換する必要がある小型の装置への適用性も高い。従って、薬剤吐出装置に携帯性や利便性が求められる場合には、特に、サーマルジェット方式の吐出装置が好ましい。 【0027】 吐出ヘッドは、薬剤を収容する薬剤タンクと一体として薬剤吐出カートリッジを構成していても良いし、薬剤タンクとは別体として構成されていても良い。 【0028】 本発明の吸入装置によれば、患者が常に一定の粒径の薬剤を吸入することが可能となる。よって、吸入薬剤量を減少させることなく、かつ薬剤付着による汚染の心配のなく、吸入時の使用環境に関わらず薬効の再現性を得ることができる。 【実施例1】 【0029】 図1は実施例1による吸入装置の模式断面図を示す。この吸入装置は、流路部材3の他端に利用者の呼気または空気を溜める気体収容部としての容器2を設けたことを特徴とするものである。流路部材3には容器2がたたまれた状態で接続しており、患者が吸入口6から気流路を通して息を送ることができるようになっている。さらには、気流路内に圧力センサー5を設け、患者の吸入行為により気流路内に生じる負圧を検知するのと同期して、吐出ヘッド4より気流路内に薬剤を噴霧できる構成になっている。流路部材3は装置本体1に対して着脱可能に取り付けられていることが好ましい。 【0030】 容器2は利用者が息を吹き込むと膨らみ、利用者が吸入を行うと潰れるように可撓性を有していることが好ましい。容器2の材質としては、紙、プラスチックなどが挙げられるが、容器内の温度・湿度を一定に保ち易くするために気体透過性の低いアルミ箔、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ブチルゴムなどが好ましい。容器2のたたまれ方は特に限定されないが、不規則、蛇腹構造、渦巻状などがあげられる。潰れうる容器2の大きさは、使用者の年齢、体型、肺活量などによって適切にすることが好ましい。 【0031】 患者が吸入口6より息を送り込むと、容器2が膨らみ、その中に呼気を溜めることができる(図2)。患者の呼気は外部の温度及び湿度によらず温度約37℃、湿度約95%であり、容器2内には温度と湿度が一定の空気を溜めることができる。患者が吸入を始めると、気流路内に設けられた圧力センサー5が吸入する行為を検知し、それと同期して薬剤噴霧手段である吐出ヘッド4から薬剤が気流路内に噴霧される。吐出ヘッド4の駆動をはじめとする装置の制御は、装置本体1内に設けられた不図示の制御部(CPU)により行われる。制御部は圧力センサー5が負圧を検出したら吐出ヘッド4へ駆動信号を送信する。薬剤は容器2に溜められていた温度と湿度が一定の気流中に噴霧される。 【0032】 つまり、気流路内に噴霧された一定粒径の液滴薬剤は、装置周囲の温度及び湿度によらず常に一定の温度と湿度の空気中に噴霧されるので、薬剤が気流に運ばれて吸入口6に到達するまでの蒸発量も常に一定である。よって、装置周囲の温度及び湿度によらず一定粒径の薬剤を患者は吸入できる。 【0033】 なお、図1及び図2においては、吐出ヘッド4よりも吸入口6側に圧力センサー5を配置しているが、気流路内における圧力センサー5の位置は特に限定されない。気流路内の薬剤が付着しないように、吐出ヘッド4よりも気流の上流側に配置するのも好ましい形態である。 【実施例2】 【0034】 図3に示すように、実施例2による吸入装置は、実施例1の、利用者の吸入により潰れうる可撓性の容器2の代わりに、気体収容部としてシリンダー7を用いる。シリンダー7の可動部8が流路部材3の側端にある状態で、患者が吸入口6を咥えて息を送り込むと、開口部(空気穴)10から空気が抜けていくことで、可動部8がシリンダー7内を移動して、呼気溜め部9に呼気が溜められ、図4に示す状態になる。呼気溜め部9に溜められた呼気は、周囲の温度及び湿度によらず温度約37℃、湿度約95%とほぼ一定である。その後、患者が吸入を始めると、呼気溜め部9の中に溜められた一定の温度と湿度にある空気が患者の口に流れ込み、圧力センサー5が吸入を検知する。圧力センサー5から送られてきた信号を元にサーマルジェット方式の吐出ヘッド4が気流路に薬剤噴霧を開始する。 【0035】 気流路内に噴霧された一定粒径の薬剤は、装置周囲の温度及び湿度によらず常に一定の温度と湿度の空気中に噴霧されるので、蒸発量も常に一定である。よって、装置周囲の温度及び湿度によらず常に一定粒径の液滴薬剤を患者は吸入できる。 【実施例3】 【0036】 図5および図6は、実施例3による吸入装置を示す模式断面図である。本実施例の容器2は、体積500mLのブチルゴムからなる容器であり、封入機構11及びアダプター12を有する。容器2はアダプター12を介して、流路部材3への取り付け、及び流路部材3からの取り外しができる。すなわち、容器2は、利用者の吸入により潰れうる容器であり、流路部材3に対して着脱自在である。 【0037】 図5に示すように、流路部材3から容器2を取り外した状態であらかじめ恒温または恒湿の環境下で容器2内に空気を封入しておく。空気の封入は、一定温度又は一定湿度の空気を収容しているボンベからガスインジェクターを用いるなどして行っても良い。容器2内にあらかじめ封入しておく空気の環境は、使用想定環境において考えられる周囲の温度、湿度との差異を平均的に少なくするために、使用想定環境の温度、湿度の平均値にしておくことが好ましい。 【0038】 空気を封入する際には、少なくとも温度または湿度が恒常的な空気を封入することが必要であり、温度及び湿度の両方が恒常的な空気を封入することがより好ましい。 【0039】 患者が吸入直前に、あらかじめ恒温または恒湿の環境下で空気が溜められた容器2をアダプター12を介して流路部材3に取り付けると、図6に示す状態となる。その後、封入機構11を開放して、患者が吸入を始めると、容器2の中に溜められた温度及び湿度が一定の空気が患者の口に流れ込み、圧力センサー5が吸入を検知する。圧力センサー5から送られてきた信号を元にサーマルジェット方式の吐出ヘッド4が気流路内に薬剤噴霧を開始する。 【0040】 気流路内に噴霧された一定粒径の薬剤は、装置周囲の温度及び湿度によらず常に一定の温度と湿度の空気中に噴霧されるので、蒸発量も常に一定である。よって、装置周囲の温度及び湿度によらず常に一定粒径の液滴薬剤を患者は吸入できる。 【0041】 末尾の表1は、それぞれの環境下で噴霧された3.0μmの水滴がマウスピース(流路部材)外に出るときの粒径を調べたものである。マウスピースの断面積を100mm2 、噴霧部からマウスピース出口までの距離を0.04m、気流路内の気流の流速を20m/sとした。また、液滴は1000000個/sの頻度で噴霧を行った。 【0042】 表1に示したように、マウスピース外に出るときの液滴の粒径は環境によって大きく異なる。吸入する液滴の粒径が異なると、薬剤の肺への沈着率が吸入毎に異なり、薬効の再現性が得られない。装置周囲の温度及び湿度によらず常に一定の温度と湿度の空気中に液滴が噴霧される場合は、常に一定粒径となるので、薬効の再現性が得られる。 【0043】 【表1】
【図面の簡単な説明】 【0044】 【図1】本発明の実施例1による吸入装置を示す模式断面図である。 【図2】図1に示す吸入装置において患者の呼気が容器内に溜められた状態を示す模式断面図である。 【図3】本発明の実施例2による吸入装置を示す模式断面図である。 【図4】図3に示す吸入装置において患者の呼気がシリンダー内に溜められた状態を示す模式断面図である。 【図5】本発明の実施例3による吸入装置を示す模式断面図である。 【図6】図5に示す吸入装置において、温度及び湿度が一定の空気が溜められた容器を流路部材に取り付けた状態を示す模式断面図である。 【符号の説明】 【0045】 1 装置本体 2 容器 3 流路部材 4 吐出ヘッド 5 圧力センサー 6 吸入口 7 シリンダー
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001007 【氏名又は名称】キヤノン株式会社
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| 【出願日】 |
平成19年6月8日(2007.6.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100095991 【弁理士】 【氏名又は名称】阪本 善朗
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| 【公開番号】 |
特開2008−49127(P2008−49127A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月6日(2008.3.6) |
| 【出願番号】 |
特願2007−152215(P2007−152215) |
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