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【発明の名称】 深部血管穿刺補助具
【発明者】 【氏名】市原 昭夫

【氏名】市原 富美子

【氏名】市原 淳史

【氏名】市原 英子

【要約】 【課題】深部血管穿刺を行なう際、細い試験穿刺針をガイドとして、太いイントロデューサーを血管に誘導留置する。

【構成】a.軸方向と平行に誘導孔を設けると共に軸方向に平行に誘導子軸を突出して設け、b.前記誘導子軸先端から前記誘導子軸および誘導子体を貫通して直線状の誘導子管を設け、c.前記誘導子軸先端から誘導子体中部を通って誘導子側壁に開口する検知管を設けてなる誘導子を、d.注射器を挿入し固定できる筒状のホルダー尾端に前記誘導子の誘導孔に滑らかに挿入され摺動が可能なホルダー翼片を延設したホルダーに装着し、e.摺動子軸に本穿刺針穿刺針およびイントロデューサーを装着して穿刺する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘導子管と検知管を設けたことを特徴とする深部血管穿刺補助具。
【請求項2】
a.軸方向と平行に誘導孔を設けると共に軸方向に平行に誘導子軸を突出して設け、b.前記誘導子軸先端から前記誘導子軸および誘導子体を貫通して直線状の誘導子管を設け、c.前記誘導子軸先端から誘導子体中部を通って誘導子側壁に開口する検知管を設けてなる誘導子と、d.注射器を挿入し固定できる筒状のホルダー尾端に前記誘導子の誘導孔に滑らかに挿入され摺動可能なホルダー翼片を延設したホルダーと、より構成されたことを特徴とする請求項1記載の深部血管穿刺補助具。
【請求項3】
検知管口にスポイドなどの陰圧発生具を取り付けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の深部血管穿刺補助具。
【請求項4】
摺動子と、ホルダーと、本穿刺針と、イントロデューサーと、試験穿刺針とから構成されることを特徴とする請求項1乃至3の内1項に2記載の深部血管穿刺補助具。
【請求項5】
試験穿刺針が23ゲージまたは22ゲージである請求項1乃至4の内1項に記載の深部血管穿刺補助具。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、深部血管穿刺術において、試験穿刺針を案内軸として本穿刺針を血管内に誘導する深部血管穿刺補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、深部血管を穿刺する際は、先ず細い試験穿刺針で試験穿刺を行って血管の方向や深さを確認した後に試験穿刺針を一旦抜去し、改めてイントロデューサーを取り付けた太い穿刺針で本穿刺を行い、イントロデューサーの内腔を通じてカテーテルを血管内に誘導している。しかし、試験穿刺針で血管の位置を確認して同じ距離方向に本穿刺を行っても、本穿刺針が血管内に刺入されないことがある。その理由は、試験穿刺針は血管を確認した後に抜去されて試験穿刺針の通過した軌跡が保存されないために、本穿刺針が試験穿刺針と同一の経路を進行することができないためである。
試験穿刺針を抜去せずに案内軸として残し、拡張器を取り付けたイントロデューサーを誘導しようとする場合、カテーテル挿入には12G〜16Gのイントロデューサーが必要であり、23G以下の細い試験穿刺針を使用した場合、試験穿刺針の外径とイントロデューサーの外径段差は著しく過大であり、拡張器を介在させてイントロデューサーを皮下組織や筋肉内で安全に前進させることは極めて困難である。
一方、拡張器を省いて本穿刺針を試験穿刺針に沿って進行させようとすると、試験穿刺針の先端が穿刺軸上でブレることにより血管内壁を傷つける危険性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
解決しようとする問題点は、深部血管穿刺術において、試験穿刺針が通過した経路を本穿刺針の先端が進行し得ないために血管内に刺入されない点である。
【課題を解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、深部血管穿刺術において、太い本穿刺針を細い試験穿刺針の経路に沿って誘導する際、試験穿刺針の先端のブレによる血管内壁の傷害を排除すると共に、本穿刺針の先端が静脈内に刺入したことを血液の逆流を視認して確認することを主要な目的とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明の深部血管穿刺補助具によれば、本穿刺針は試験穿刺針に沿って進行し、本穿刺針の血管内到達は血液の逆流を視認することで確認できる。本穿刺針が試験穿刺針に沿って進行する経路は、本穿刺針自体の刃先により切離され拡張されるために,拡張器を必要としないという利点がある。また、本穿刺針操作による試験穿刺針の先端のブレを防止することにより、試験穿刺針先端のブレによる血管内壁の傷害をなくすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
試験穿刺針が通過した経路で本穿刺針を安全に血管内に刺入するという目的と、本穿刺針が血管内に刺入されたことを確認するという目的を、簡単な部品数で実現した。
【実施例1】
【0007】
本発明は、穿刺部と固定部とから構成される。穿刺部は、イントロデューサーを血管内に誘導すると共にイントロデューサーの先端が静脈内に到達したことを確認する部分で、誘導子Aと本穿刺針CとイントロデューサーDと試験穿刺針Eとから構成される。固定部は穿刺部を把持する筒状構造のホルダーBからなる。
【0008】
図1(a)は誘導子Aの斜視図で、図1(b)は誘導子Aの縦断面を示す斜視図である。図1(a)に示すように、誘導子Aは、柱状の誘導子体A3の軸方向に平行して誘導子孔A10と誘導子孔A11を貫通して設けると共に、誘導子中隔A4に軸方向と平行に誘導子軸A2を突出して設けたものである。誘導子中隔A4の中心から誘導子軸先端A1にかけて、試験穿刺針針管E2が滑らかに挿入可能な誘導子管A7を貫通させる。誘導子管A7の尾端はすり鉢状に広げて誘導子管口A6とする。また、図1(b)に示すように、誘導子軸A2に誘導子管A7に平行に検知管A9を誘導子中隔A4の中程まで設けると共に誘導子体A3表面から検知管A9に通じる検知管口A8を設ける。検知管口A8は後述するスポイトバルンSPを挿入し連結することができる。図1(b)に示すように、誘導子軸A2の基部に誘導子係止突起A5を突出して設ける。誘導子孔A10と誘導子孔A11は、後述するホルダー翼片B10(B11)が滑らかに挿入され摺動できるよう、ホルダー翼片B10(ホルダー翼片B11)の断面に倣った形状にする。
【0009】
図2(a)はホルダーBの斜視図、図2(b)は縦断面を示す斜視図である。ホルダーBは、注射器を挿入して固定する筒状のホルダー尾部B3に、ホルダー翼片B10とホルダー翼片B11を延設した筒状体である。ホルダー翼片B10(ホルダー翼片B11)は図では半月形柱であるが、円柱や楕円柱や角柱など任意の形状にしてよい。
【0010】
図3は誘導子AをホルダーBに装着した斜視図である。図3(a)はホルダーBのホルダー翼片B10(B11)を誘導子Aの誘導子孔A10(A11)に挿入して装着した斜視図である。図3(b)は摺動子AをホルダーBに沿って移動させた斜視図で、摺動子軸A2はホルダーAの長軸に平行に移動することができる。
【0011】
図4(a)は本穿刺針Cの正面図、図4(b)は本穿刺針Cの平面図、図4(c)は本穿刺針Cの縦断面図である。図4(c)に示すように、本穿刺針先端C1は内側に湾曲させる。また、本穿刺針尾端C3を切欠いて本穿刺針被係止部C5を設ける。本穿刺針Cを摺動子軸A2に装着した際、本穿刺針被係止部C5が誘導子係止突起A5に嵌ることにより、本穿刺針Cが軸中心に回ることを防止する。図4(d)は、摺動子軸A2に本穿刺針Cを装着し、試験穿刺針針管E2を誘導子管A7に挿入した断面図を示す。図4(d)に示すように、本穿刺針先端C1は試験穿刺針針管E2の管表面に密着する。
【0012】
図5(a)はイントロデューサーDの見取図で、図5(b)はイントロデューサーDの縦断面図である。イントロデューサー尾端D3は、従来使用されている形と同様でもよい。また、イントロデューサー尾端D3を両側に引いて引き裂き、分割できるようにすることは、従来使用されているイントロデューサーと同様である。図5(c)は、摺動子Aの摺動子軸A2に本穿刺針Cを装着し、さらにイントロデューサーDを被せた正面図である。イントロデューサー先端D1の内壁と本穿刺針管C2の外周を密着させる構造にすることは従来の穿刺具と同様である。
【0013】
図6(a)〜(d)は、使用説明図である。
実施例1の使用法を図により説明する。
▲1▼先ず、図6(a)の如く、試験穿刺を行い、注射器Sを吸引して血液を逆流させ、試験穿刺針先端E1が血管Vに刺入されていることを確認する。
▲2▼次に、図6(b)の如く、スポイトバルンSPを圧迫収縮させた後に、誘導子Aを進めて本穿刺針先端C1を皮下組織内に刺入する。本穿刺針先端C1が皮下組織内に在る間スポイトバルンSPは収縮した状態を保っている。
▲3▼さらに、図6(c)の如く誘導子Aを進めて、本穿刺針先端C1が血管V内に刺入すると、スポイトバルンSPの陰圧が解除され、復元したスポイトバルンSP内に血液が逆流し、本穿刺針先端C1が血管V内に刺入したことが分かる。
▲4▼最後に、図6(d)の如く誘導器A、本穿刺針C、試験穿刺針Eを抜去すると、イントロデューサーDの血管内留置が完了する。
【実施例2】
【0014】
図7(a)〜図7(c)は実施例2を示す。実施例2では、翼片Bb10を1個のU字型に形成すると共に、摺動子中隔Ab6の下部を遊離状態にする。
【0015】
なお、誘導子孔とホルダー翼片を、それぞれ1個又は複数個とすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0016】
深部血管穿刺を行う際に23Gの注射針を使用した場合、針先が誤って動脈に刺入されても自然に止血され、大出血に至ることはない。また、23G針の先端が肺に刺入されても空気の漏出は小量であり、刺入孔は自然に閉鎖される。一方、従来使用されているイントロデューサーは16G以上の太さであるので、動脈や肺を誤穿刺すると重大な偶発症を発生する危険が大きい。殊に、圧迫止血が不可能な鎖骨下動脈を誤穿刺した場合は、致死的な合併症に発展する。
本発明によれば、試験穿刺は細い試験穿刺針で行われ、本穿刺針は誘導管に誘導されて試験穿刺針の軌跡に沿って進行する。従って、太いイントロデューサーが誤った経路を進行する可能性はない。一方、静脈圧は動脈圧と違って陰圧であり、穿刺針が静脈内に刺入されても静脈血は陰圧をかけなければ逆流しない。本発明では、スポイトなどの陰圧発生部で静脈血をスポイトバルンに逆流させて視認することにより、本穿刺針先端が静脈内に刺入されたことを積極的に確認することができる。従って本発明では、試験穿刺に成功すれば、イントロデューサーの先端は確実に目的静脈内に刺入される。
本発明は、血管の穿刺のみでなく、その他の管腔の穿刺にも応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】(a)誘導子の斜視図。(実施例1)(b)誘導子の縦断面を示す斜視図。(実施例1)
【図2】(a)ホルダーの斜視図。(実施例1)(b)ホルダーの縦断面を示す斜視図。(実施例1)
【図3】(a)ホルダーに誘導子を装着した斜視図。(実施例1)(b)ホルダーに沿って誘導子を移動させた斜視図。(実施例1)
【図4】(a)本穿刺針の正面図。(実施例1)(b)本穿刺針の平面図。(実施例1)(c)本穿刺針の縦断面図。(実施例1)(d)誘導子と試験穿刺針と本穿刺針の関係を示す縦断面図。(実施例1)
【図5】(a)イントロデューサーの斜視図。(実施例1)(b)イントロデューサーの縦断面を示す斜視図。(実施例1)(c)誘導子と本穿刺針とイントロデューサーの関係を示す正面図。(実施例1)
【図6】(a)試験穿刺を行い、試験穿刺針の先端を血管内に刺入した説明図。(b)誘導子を進めて、本穿刺針とイントロデューサーの先端を皮下組織内に刺入する説明図。(c)誘導子を進め、本穿刺針先端を血管内に刺入した説明図。(d)誘導子と本穿刺針と試験穿刺針を抜去し、イントロデューサーの先端を血管内に残した説明図。
【図7】(a)誘導子の斜視図。(実施例2)(b)ホルダーの一部横断面を示す斜視図。(実施例2)(c)ホルダーに誘導子を装着した斜視図。(実施例2)
【符号の説明】
【0018】
A1、Ab1 誘導子軸先端
A2、Ab2 誘導子軸
A3、Ab3 誘導子体
A4、Ab4 摺動子中隔
A5 誘導子係止突起
A6、Ab6 誘導子管口
A7 誘導子管
A8、Ab8 検知管口
A9 検知管
A10、Ab10 誘導子孔
A11 誘導子孔
B1、Bb1 ホルダー先端
B3、Bb3 ホルダー尾部
B10、B11、Bb10 ホルダー翼片、
C1 本穿刺針先端
C2 本穿刺針針管
C3 本穿刺針尾端
C5 本穿刺針被係止部
D1 イントロデューサー先端
D2 イントロデューサー管体
D3 イントロデューサー尾端
D4 イントロデューサー管腔
D12 分割線
E1 試験穿刺針先端
E2 試験穿刺針針管
E3 試験穿刺針針基
S 注射器
SP スポイトバルン
SK 皮膚面
V 血管
【出願人】 【識別番号】000180494
【氏名又は名称】市原 昭夫
【識別番号】000180508
【氏名又は名称】市原 富美子
【識別番号】501229791
【氏名又は名称】市原 淳史
【識別番号】301045403
【氏名又は名称】市原 英子
【出願日】 平成18年11月8日(2006.11.8)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−49112(P2008−49112A)
【公開日】 平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願番号】 特願2006−331171(P2006−331171)