| 【発明の名称】 |
薬剤充填容器 |
| 【発明者】 |
【氏名】田中 照和
【氏名】榎崎 聖子
【氏名】山口 貴司
【氏名】久米 浩子
【氏名】中村 真弘
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| 【要約】 |
【課題】局所麻酔剤を患部へ注入することが容易であり、ハンドリングに優れた薬剤充填容器を提供する。
【構成】薬剤充填容器1は、内部容積が縮小するように弾性変形可能な合成樹脂製の容器2と、容器2に充填され、粘度が1000〜10000mPa・sの局所麻酔剤と、を具備する。容器2は、弾性変形されることにより内部容積が縮小され、容器2に充填された局所麻酔剤が容器外へ流出されるので、片手で局所麻酔剤を容器外へ流出させることができ、ハンドリングが向上される。局所麻酔剤は、粘度が1000〜10000mPa・sであるので、使用に際して噴出や液だれなどが生じ難く、かつ、尿道などの深部にまで到達させることが容易である。また、吐出量および吐出速度を調整することが容易である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内部容積が縮小するように弾性変形可能な合成樹脂製の容器と、 上記容器に充填され、粘度が1000〜10000mPa・sの局所麻酔剤と、を具備してなる薬剤充填容器。 【請求項2】 上記容器は、蛇腹形状に成形された容器本体と、容器本体から延出されて上記局所麻酔剤を吐出するためのノズルと、を有するものである請求項1に記載の薬剤充填容器。 【請求項3】 上記局所麻酔剤が、リドカイン、ジプカイン、プロカイン、テトラカイン、メピバカイン、アミノ安息香酸エチル、塩酸リドカイン、塩酸ジプカイン、塩酸プロカイン、塩酸テトラカイン、塩酸メピバカイン、ロートエキスの少なくともいずれか一つを有効成分として含有するものである請求項1又は2に記載の薬剤充填容器。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、局所麻酔剤が充填されてなる薬剤充填容器に関する。 【背景技術】 【0002】 局所麻酔剤としての粘滑・表面麻酔剤は、尿道麻酔や気管内挿管の挿入、痔疾の治療、抜歯の際に用いられる。このような粘滑・表面麻酔剤として、例えば、塩酸リドカイン(化学名:2-Diethylamino-N-(2,6-dimethylphenyl)acetamide、分子式:C14H22N2O)を主成分とするものが知られている(例えば、特許文献1)。 【0003】 水溶性の局所麻酔剤は、通常、バイアル瓶やアンプル等の容器に充填されている。また、油脂性軟膏であれば、チューブ等の容器に充填されることが多い。局所麻酔剤は皮膚や粘膜の表面に塗布されるものなので、使用の便宜から、チューブが容器として採用されることが多い(特許文献2、特許文献3、非特許文献1、非特許文献2)。 【0004】 例えば、チューブ状の容器としてアルミチューブが用いられた場合には、使用に際して、該アルミチューブが扱かれるように変形され、これにより、アルミチューブの吐出口から吐出された局所麻酔剤が患部に塗布または注入される(特許文献2、特許文献3)。 【0005】 【特許文献1】再公表WO97/00794号公報(背景技術) 【特許文献2】特開2004−131472号公報(段落〔0036〕) 【特許文献3】特開平10−316554号公報(段落〔0018〕) 【非特許文献1】2005年7月改訂(第5版)、2001年10月販売開始(承認番号:(11AM)298)、医療用医薬品の添付文書「粘滑・表面麻酔剤アネトカインゼリー」、「包装」欄 【非特許文献2】2005年6月改訂(第6版)、1956年2月販売開始(承認番号:(阪薬)10873)、医療用医薬品の添付文書「粘滑・表面麻酔剤キシロカインゼリー」、「包装」欄 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 しかし、アルミチューブを持って扱きながら、吐出口を患部に適応するように維持するのは簡単ではなく、ハンドリングが悪いという問題がある。特に、アルミチューブに充填された局所麻酔剤の大半を一度に絞り出す作業を片手で行うことが難しく、一方、その作業に両手を使うとすれば、麻酔すべき皮膚や粘膜、人体などを片手で押さえながら処置を施すことができず、助手などが必要になる。 【0007】 また、局所麻酔剤を尿道などに注入する場合には、液だれなどが生ずることなく、尿道の深部にまで局所麻酔剤を到達させるべく、局所麻酔剤の吐出量および吐出速度が一定になるように吐出させることが望ましい。しかし、アルミチューブは、使い始めは変形が容易であるが、局所麻酔剤の内容量が少なくなるにつれて変形させ難くなり、局所麻酔剤の吐出量および吐出速度を一定にすることが難しい。 【0008】 また、局所麻酔剤の粘度が比較的高い場合には、使用に際して液だれなどが生じ難いという利点があるが、その粘性により尿道の深部にまで到達させることが難しくなる。一方、局所麻酔剤の粘度が比較的低い場合には、尿道の深部にまで到達させることが容易となるが、吐出量および吐出速度を調整することが難しく、また液だれなどが生じやすい。 【0009】 本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、局所麻酔剤を患部へ注入することが容易であり、ハンドリングに優れた薬剤充填容器を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0010】 (1) 本発明に係る薬剤充填容器は、内部容積が縮小するように弾性変形可能な合成樹脂製の容器と、上記容器に充填され、粘度が1000〜10000mPa・sの局所麻酔剤と、を具備してなるものである。 【0011】 容器は、弾性変形されることにより内部容積が縮小され、容器に充填された局所麻酔剤が容器外へ流出される。容器が弾性変形されることにより、片手で局所麻酔剤を容器外へ流出させることができ、ハンドリングが向上される。局所麻酔剤は、粘度が1000〜10000mPa・sであるので、使用に際して噴出や液だれなどが生じ難く、かつ、尿道などの深部にまで到達させることが容易である。また、吐出量および吐出速度を調整することが容易である。 【0012】 (2) 上記容器は、蛇腹形状に成形された容器本体と、容器本体から延出されて上記局所麻酔剤を吐出するためのノズルと、を有するものであってもよい。 【0013】 容器が蛇腹形状に成形されることにより、容器に残存する局所麻酔剤の量に拘わらず容器を片手で弾性変形させることが容易になる。また、ノズルにより、特定の皮膚や粘膜に薬剤を吐出させることが容易になる。 【0014】 (3) 上記局所麻酔剤として、リドカイン、ジプカイン、プロカイン、テトラカイン、メピバカイン、アミノ安息香酸エチル、塩酸リドカイン、塩酸ジプカイン、塩酸プロカイン、塩酸テトラカイン、塩酸メピバカイン、ロートエキスの少なくともいずれか一つを有効成分として含有するものが考えられる。 【発明の効果】 【0015】 本発明に係る薬剤充填容器によれば、内部容積が縮小するように弾性変形可能な合成樹脂製のものとされることにより、容器を片手で弾性変形させることが可能になり、ハンドリングが向上される。また、局所麻酔剤の粘度が1000〜10000mPa・sとされることにより、使用に際して噴出や液だれなどが生じ難く、局所麻酔剤の連続的な注入が可能であり、かつ、尿道などの深部にまで到達させることが容易である。また、吐出量および吐出速度を調整することが容易である。 【発明を実施するための最良の形態】 【0016】 以下に、本発明の好ましい実施形態が説明される。なお、本実施形態は本発明の一実施態様にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施態様が変更されてもよいことは言うまでもない。 【0017】 図1は、本発明の実施形態に係る薬剤充填容器1の外観を示す図である。図1に示されるように、薬剤充填容器1は、局所麻酔剤が充填された容器2が外装包材3に封入されてなる。なお、図1においては、外装包材3の内部に封入された容器2が破線で示されているが、容器2は外装包材3の外部に露呈されていない。 【0018】 図2は、容器2の外観を示す図である。図3は、キャップ22が外された状態の容器2を示す図である。図4は、図3のIV−IV断面図である。図2及び図3に示されるように、容器2は、局所麻酔剤が充填される容器本体20と、局所麻酔剤を吐出するためのノズル21と、ノズル21を封止するキャップ22とを有する。 【0019】 容器本体20は、概ね円柱形状の外形をなす中空のものである。容器本体20の内部空間に局所麻酔剤が充填される。容器本体20の外形は特に限定されず、例えば、角柱形状や球形状などの任意の形状が採用されてもよい。容器本体20が片手で弾性変形されることを考慮すると、容器本体20を片手で操作しやすい形状とすることが好適である。容器本体20の内部容積は、局所麻酔剤の用量に併せて適宜変更される。本実施形態の如く、塩酸リドカインを主成分とする局所麻酔剤が充填される場合には、内部容積が約20〜50ml程度にされることが好適である。この内部容積は、投与される局所麻酔剤の用量が約10〜15ml程度である場合に好適である。 【0020】 容器本体20は、合成樹脂製のものである。容器本体20に用いられる合成樹脂として、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂が採用される。特に、低密度ポリエチレン(LDPE)が、成形性、安全性、柔軟性に優れているので好ましい。容器本体20は、例えば、低密度ポリエチレンのパリソンを用いたブロー成形により得られる。 【0021】 容器本体20の側周面には、蛇腹形状が形成されている。蛇腹形状とは、図2から図4に示されるように、容器本体20の側周面回りに、山折れ部分30と谷折れ部分31とが交互に形成された形状である。なお、図2から図4では、山折れ部分30及び谷折れ部分31の一部に参照符号が示されている。図2から図4には、ほぼ同形状の山折れ部分30と谷折れ部分31とが交互に形成された蛇腹形状が示されているが、本発明において、容器本体の蛇腹形状は適宜変更されてもよい。例えば、山折れ部分30と谷折れ部分31とが連続する回数が増減されてもよい。容器本体20の矢印10方向の長さは、使用者の親指と人差し指との間に収まる程度が好ましい。容器本体20を縮小させる際に、使用者は、矢印10方向に対して容器本体20を親指と人差し指及び中指とで摘むように持つことが想定される。換言すれば、容器本体20の上面側に人差し指及び中指を掛け、容器本体20の底を親指で押し込むようにして、容器本体20を縮小させると想定される。 【0022】 また、山折れ部分30の外径が、山折れ部分30が繰り返される方向(矢印10方向)に沿って段階的に又は一部が縮小されてもよい。例えば、容器本体20の底側の山折れ部分32の外径が、他の山折れ部分30の外径より小さくされると、蛇腹形状が矢印10方向に対して収縮された際に、底側の山折れ部分32が、その上側の山折れ部分30に潜り込む。これにより、収縮状態における容器本体20の内部容積の残存率が小さくなり、容器本体20内の局所麻酔剤の大部分が吐出される。このような蛇腹形状により、容器本体20が、その内部容積が縮小するように弾性変形可能とされている。 【0023】 容器本体20の上面には、円筒形状の口部23が上方へ突設されている。図4に示されるように、口部23は、容器本体20の内部空間と連続されている。容器本体20が収縮されることにより、容器本体20に充填された局所麻酔剤は、口部23側へ流動される。図3に示されるように、口部23の先端側の外周面には雄ネジ24が形成されている。雄ネジ24は、キャップ22(図2参照)を容器本体20にネジ止めするためのものである。図2にはあらわれていないが、キャップ22の内周面には雌ねじが形成されており、該雌ねじと雄ネジ24とが螺合される。 【0024】 容器本体20の口部23には、ノズル21が連結されている。ノズル21は円筒形状であって、先端側(図3の上側)の吐出口25へ向かって縮径されたものである。図4に示されるように、口部23に連結されたノズル21は、その内部空間が口部23を介して容器本体20の内部空間と連続されている。また、容器本体2の蛇腹形状が収縮する方向(図4の上下方向)と、ノズル21が延出される方向とはほぼ一致している。したがって、容器本体20が収縮されることにより、容器本体20に充填された局所麻酔剤は、ノズル21の吐出口25から吐出される。吐出口25は、例えば尿道に局所麻酔剤を注入するに適した径に設定されており、具体的には、約2〜3mm程度である。また、ノズル25が容器本体20の上面から延出される長さは、ヒトの指(人差し指や中指)の太さに対して十分に長く設定されている。これにより、容器本体20の上面に使用者の人差し指及び中指が掛けられた状態で、ノズル25が指の間に埋没されることなく突出されるので、使い勝手が向上される。また、前述されたように、使用者は、容器本体20の上面側に人差し指及び中指を掛け、容器本体20の底を親指で押し込むようにして、容器本体20を縮小させるので、注射器の如く、親指により押し込む方向と局所麻酔剤が吐出される方向とが一致する。これにより、医療従事者は注射器の如く容器2に充填された局所麻酔剤を患部に注入することができ、ハンドリングに優れ、また、操作方法が直感的に理解されやすいという利点がある。 【0025】 ノズル21は、合成樹脂から成形される。容器本体20とノズル21とが別部材として成形される場合には、ノズル21は、その形状及び作用に適した種々の合成樹脂が用いられる。ノズル21に用いられる合成樹脂として、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどがあげられる。ノズル21には、容器本体20のように収縮のための柔軟性が要求されないので、必ずしも容器本体20と同じ合成樹脂が採用されなくてもよい。勿論、容器本体20とノズル21とを同じ合成樹脂から成形されたり、一体成形されたりしてもよい。 【0026】 キャップ22は、ノズル21の吐出口25を封止するためのものである。図2に示されるように、キャップ22が、口部23の雄ネジ24に螺合されることにより、ノズル21の吐出口25が封止される。この状態で、容器本体20に充填された薬剤が容器2内に密封され、吐出口25から漏れ出すことが防止される。キャップ22は、その形状及び作用に適した種々の合成樹脂から適宜選択されて成形される。 【0027】 外装包材3は、ガス不透過性のフィルムからなる。例えば、ガス不透過性のフィルムと熱溶着が可能なフィルムとが積層されたラミネートフィルムが用いられる。ガス不透過性のフィルムは、例えばアルミニウム製のフィルムであり、熱溶着可能なフィルムは、例えばポリエチレン製のフィルムである。勿論、さらにフィルムが積層されたものであってもよい。 【0028】 図1に示されるように、外装包材3によって、容器2がピロー包装されている。ピロー包装は、例えば、ラミネートフィルムである外装包材3が二つ折りにされて、その間に容器2が介在され、折り返し部分以外の外装包材3の3つの縁部が熱溶着によりシールされることにより実現される。勿論、このようなピロー包装は一例である。例えば、予め外装包材3がチューブ形状に熱溶着されるとともに、該チューブ形状を横断するようにシールされて、一方が開口された袋が形成され、その袋の内部に容器2が入れられて封止されることによってもピロー包装が実現される。 【0029】 各図にはあらわれていないが、容器2には局所麻酔剤が充填されている。局所麻酔剤とは、目的とするヒトの一部分の知覚を鈍麻又は消失させるものである。局所麻酔は、局所麻酔剤を目的部分に注入または塗布されることにより施術される。例えば、尿道麻酔は局所麻酔である。 【0030】 局所麻酔剤として、リドカイン、ジプカイン、プロカイン、テトラカイン、メピバカイン、アミノ安息香酸エチル、塩酸リドカイン、塩酸ジプカイン、塩酸プロカイン、塩酸テトラカイン、塩酸メピバカイン、ロートエキスの少なくともいずれか一つを有効成分として含有するものがあげられる。 【0031】 上記有効成分は、局所麻酔剤中に所定の濃度で含有されていればよい。含有すべき濃度は、局所麻酔剤の種類などによって異なるが、例えば塩酸リドカインであれば、100mL中に数グラム含有されていれば局所麻酔剤としての効能・効果が奏される。 【0032】 上記局所麻酔剤は、その粘度が1000〜10000mPa・sの範囲内である。より好ましくは、1500〜8000mPa・sの範囲内であり、特に好ましくは2500〜7000mPa・sの範囲内である。局所麻酔剤の粘度を上記範囲とすることにより、使用に際して噴出や液だれなどが生じ難く、また、吐出方向が定まりやすいという利点がある。さらには、局所麻酔剤を連続的に注入することや、尿道などの深部にまで到達させることが容易であり、また、吐出量および吐出速度を調整することが容易である。また、局所麻酔剤の吐出にあたり、空気を混入させることなく全量を吐出させることが容易である。 【0033】 局所麻酔剤の粘度の調整は、例えば、局所麻酔剤中のカルメロースナトリウムの濃度を調整することにより行われる。例えば、塩酸リドカインを2g/100mLを含有する局所麻酔剤において、粘度を1000〜10000mPa・sとするには、カルメロースナトリウムを約2.8〜5.0重量%程度添加すればよい。局所麻酔剤の粘度の測定は、日本局方一般試験法に記載の粘度測定法第2法に準じて行うことができる。 【0034】 局所麻酔剤は、保存剤を含有するものであってもよい。保存剤としては、安息香酸、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸プロピル、フェノキシエタノールなどがあげられる。また、薬剤が保存剤を含有しない場合には、例えば、無菌環境下において薬剤が薬剤充填容器に充填されることにより、薬剤充填容器中の薬剤が安定に保たれる。 【0035】 局所麻酔剤は、pH調整剤を含有するものであってもよい。pHは中性(pH7)付近に調整されることが一般的である。例えば、塩酸リドカインを主成分とする局所麻酔剤においては、水酸化ナトリウムまたは塩酸をpH調整剤として用いることができる。 【0036】 以下に、本実施形態に係る薬剤充填容器1の使用方法が説明される。薬剤充填容器1は、製造後、図1に示される状態で輸送及び保管される。容器2は、合成樹脂製のものなので、ガス透過性である。仮に、容器2が外装包材3で封入されずに長期間放置されたとすると、容器2の内部に外気の炭酸ガスなどの気体が進入して局所麻酔剤に溶け込むことが考えられる。また、局所麻酔剤の水分が容器2の外側に蒸散することが考えられる。その結果、局所麻酔剤のpHが変化したり、粘度が変化したりすることが想定される。このような局所麻酔剤の経時変化は好ましくない。本薬剤充填容器1では、容器2が外装包材3で封入されており、外装包材3はガス不透過性なので、外気が外装包材3の内部に進入することがない。また、外装包材3の内部から外部へ水蒸気が進出することがない。これにより、容器2の周囲が安定した環境に維持され、容器2内に炭酸ガスなどが浸入することや、容器2内から水分が蒸散することが防止される。つまり、局所麻酔剤の経時変化が防止される。なお、局所麻酔剤に保存剤やpH調整剤が含有される場合には、外装包材3は省略されてもよい。 【0037】 使用に際して、外装包材3が開封され、容器2が取り出される。容器2のキャップ22が外されることにより、ノズル21の吐出口25が開口され、局所麻酔剤が吐出可能な状態になる。使用者は、容器本体20を、例えば、親指と、人差し指及び中指とで挟み持ち、ノズル21の吐出口25を、局所麻酔剤を注入または塗布すべき所望の患部、例えば、尿道に当接させる。そして、シリンジのピストンを押すが如く、容器本体20の底が親指で押される。これにより、容器本体20が弾性変形され、内部容積が収縮される。この際、ノズル21は、人差し指と中指とで挟まれており、吐出口25は所望の位置、例えば尿道に保持される。容器本体20の収縮に伴って吐出口25から局所麻酔剤が吐出され、例えば尿道に注入される。 【0038】 前述されたように、容器本体20は、使用者の親指と人差し指との間に収まる程度の大きさなので、使用者は、このような作業を片手で行うことができる。したがって、もう一方の手で、患部や人体を押さえたり、キャップ22の着脱などの作業を行うことができるので、ハンドリングがよい。また、容器2に充填された局所麻酔剤の全量を一気に吐出させることが容易である。また、局所麻酔剤の粘度が前述された範囲内とされているので、局所麻酔剤の注入に際して液だれなどが生じ難く、また、吐出方向が定まりやすい。さらには、局所麻酔剤を尿道の深部にまで到達させることが容易であり、また、吐出量および吐出速度を調整することが容易である。また、局所麻酔剤の吐出にあたり、空気を混入させることなく全量を吐出させることが容易である。 【実施例】 【0039】 以下に、本発明の実施例が説明される。実施例は、本発明の一実施形態であり、本発明が実施例に記載されたものに限定されないことは言うまでもない。 【0040】 以下に示される方法で調製され、粘度が測定された実施例および比較例に係る薬剤充填容器について評価を行った。 【0041】 (実施例1) リドカインゼリーの調製方法: 塩酸リドカイン400mg、カルメロースナトリウム2.8〜5.0w/最終容積%(2.8〜5.0w/v%)、パラオキシ安息香酸メチル0.05w/最終容積%(0.04〜0.06w/v%)、パラオキシ安息香酸プロピル0.025w/最終容積%(0.02〜0.03w/v%)を注射用水に溶解し、塩酸又は水酸化ナトリウムでpH7.0に調整した後に、注射用水を加えて全量を20mLにした。この薬液を蒸気ライン滅菌して、図2に示される容器2に充填し密封した。 【0042】 ラミネートフィルムで構成された外装包材3により容器2を包み、オートシーラにより外装包材3を加熱溶着して密封することにより、容器2をピロー包装して薬剤充填容器1を得た。 【0043】 粘度測定方法: 被検体であるリドカインゼリーの粘度測定を次のように行った。粘度の測定は、日本薬局方一般試験法に記載の粘度測定法第2法に準じて行った。詳細には、被検体10mLを、粘度計(東機産業株式会社、商品名:TV−22)を用いて測定した。粘度計のロータとして少量サンプル測定用M3を用い、レンジM、ロータ回転速度6rpmに設定した。定温恒温槽(YAMATO社、商品名:BU150S)を用いて測定温度を20℃に保持し、10分間にわたって20秒毎にデータを採取し、8分から9分40秒までの粘度の平均値を算出した。 【0044】 ハンドリング性: リドカインゼリーの粘度及びカルメロースナトリウム濃度に基づいて、得られた薬剤充填容器1を分類し、各薬剤充填容器1の容器2のハンドリング性を評価した。ハンドリング性の評価は、容器2を片手で持ち、容器2の内部容積が縮小するように弾性変形させて、リドカインゼリーを容器2から吐出させるときに、操作者が感じる抵抗感を軟らかさ(固さ)として段階的に判定した。この評価結果を表1に示す。 【0045】 【表1】
【0046】 (比較例1) リドカインゼリーに含まれるカルメロースナトリウムが2.8w/最終容積%(2.8w/v%)未満、5.0w/最終容積%(5.0w/v%)超であること、又はカルメロースナトリウムを含有しないほかは、上記実施例1と同様にしてリドカインゼリーを調製し、容器2に収容された薬剤充填容器1を得た。このリドカインゼリーについて前述された方法で粘度測定及びハンドリング性の評価を行った結果を表1に示す。なお、カルメロースナトリウムを含有しないリドカインゼリーが充填された容器2については、リドカインゼリーの液だれが激しく、ハンドリング性を評価することができなかった。 【0047】 表1に示されるように、カルメロースナトリウム濃度が2.8〜5.0w/最終容積%であって、リドカインゼリーの粘度が1000〜10000mPa・sである実施例1の各容器2については、ハンドリング性が良好であることが確認された。特に、リドカインゼリーの粘度が1500〜8000mPa・sである場合のハンドリング性が良好であり、リドカインゼリーの粘度が2500〜7000mPa・sにおいて最も良好なハンドリング性が得られた。これに対して、カルメロースナトリウムが2.8w/最終容積%未満、又は5.0w/最終容積%以上であって、リドカインゼリーの粘度が1000mPa・s未満又は10000mPa・s超である比較例1の各容器2については、ハンドリング性が不良であることが確認された。 【0048】 (実施例2) 塩酸メピバカインゼリーの調製方法: 塩酸メピバカイン400mg、カルメロースナトリウム2.8〜5.0w/最終容積%(2.8〜5.0w/v%)、パラオキシ安息香酸メチル0.05w/最終容積%(0.04〜0.06w/v%)、パラオキシ安息香酸プロピル0.025w/最終容積%(0.02〜0.03w/v%)を注射用水に溶解し、塩酸又は水酸化ナトリウムでpH7.0に調整した後に、注射用水を加えて全量を20mLにした。この薬液を蒸気ライン滅菌して、図2に示される容器2に充填し密封した。 【0049】 ラミネートフィルムで構成された外装包材3により容器2を包み、オートシーラにより外装包材3を加熱溶着して密封することにより、容器2をピロー包装して薬剤充填容器1を得た。 【0050】 実施例2の各薬剤充填容器1についても、上記実施例1及び比較例1と同様に、カルメロースナトリウム濃度及びメピバカインゼリーの粘度に基づいて、得られた薬剤充填容器1を分類し、各薬剤充填容器1の容器2のハンドリング性を評価したところ、カルメロースナトリウム濃度が2.8〜5.0w/最終容積%であって、メピバカインゼリーの粘度が1000〜10000mPa・sである実施例2の各容器2について、ハンドリング性が良好であることが確認された。特に、メピバカインゼリーの粘度が1500〜8000mPa・sである場合のハンドリング性が良好であり、メピバカインゼリーの粘度が2500〜7000mPa・sにおいて最も良好なハンドリング性が得られた。 【図面の簡単な説明】 【0051】 【図1】図1は、本発明の実施形態に係る薬剤充填容器1の外観構成を示す図である。 【図2】図2は、容器2の外観構成を示す図である。 【図3】図3は、キャップ22を取り外した状態の容器2を示す図である。 【図4】図4は、図3におけるIV−IV断面図である。 【符号の説明】 【0052】 1・・・薬剤充填容器 2・・・容器 3・・・外装包材 20・・・容器本体 21・・・ノズル
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| 【出願人】 |
【識別番号】000135036 【氏名又は名称】ニプロ株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年7月31日(2006.7.31) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100117101 【弁理士】 【氏名又は名称】西木 信夫
【識別番号】100120318 【弁理士】 【氏名又は名称】松田 朋浩
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| 【公開番号】 |
特開2008−29681(P2008−29681A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月14日(2008.2.14) |
| 【出願番号】 |
特願2006−207849(P2006−207849) |
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