| 【発明の名称】 |
液体混注具 |
| 【発明者】 |
【氏名】木谷 一郎
【氏名】酒井 陽介
【氏名】藤原 宣文
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| 【要約】 |
【課題】内部に空気が滞留することを防止できる液体混注具を提供すること。
【構成】液体混注具Aの混注具本体10を、チャンバー部11と、チャンバー部11からそれぞれ異なる方向に延びる下流分岐管12、上部分岐管13、上流分岐管14とで構成した。そして、上部分岐管13に、スリット23を備えたゴム栓20を取り付けて、上部分岐管13を閉塞するとともに、スリット23に雄ルアー部28aを挿通させることによりチャンバー部11内と雄ルアー部28aとが連通するようにした。また、ゴム栓20を、上部分岐管13の開口部側に固定された固定片22と、固定片22に連結され、雄ルアー部28aをスリット23に挿入することにより、上部分岐管13の内部側に押し込まれるゴム栓本体21とで構成した。そして、ゴム栓本体21が上部分岐管13の内部側に押し込まれたときに、ゴム栓本体21の下面が略水平面になるようにした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 チャンバー部と、前記チャンバー部からそれぞれ異なる方向に延び少なくとも上方に延びる上部分岐管を含む複数の分岐管とからなる混注具本体と、前記上部分岐管に取り付けられ、内部を貫通するスリットを閉じることにより前記上部分岐管を閉塞するとともに、前記スリットに接続管を挿通させることにより前記チャンバー部内と前記接続管内とを連通させるゴム栓とを備えた液体混注具であって、 前記ゴム栓を、前記上部分岐管に固定された固定片と、前記固定片に連結され、前記接続管を前記スリットに挿入することにより、前記上部分岐管の内部側に押し込まれるゴム栓本体とで構成し、前記ゴム栓本体が前記接続管により前記上部分岐管の内部側に押し込まれたときに、前記ゴム栓本体における前記上部分岐管の内部側に位置する下面が前記上部分岐管の内周面に密着した状態で略水平面になるようにしたことを特徴とする液体混注具。 【請求項2】 前記ゴム栓の固定片を、前記上部分岐管の開口部側に固定した請求項1に記載の液体混注具。 【請求項3】 前記ゴム栓の固定片を、前記上部分岐管の開口部側に固定された上部固定片と、前記上部分岐管の内部側に固定された下部固定片とで構成した請求項1に記載の液体混注具。 【請求項4】 前記上部分岐管を、前記チャンバー部側部分の直径が大きく前記開口部側の直径が小さくなった略円筒状に形成し、前記ゴム栓本体が前記上部分岐管の内部側に押し込まれるときに、水平方向に広がるように変形しながら下降するようにした請求項1ないし3のうちのいずれか一つに記載の液体混注具。 【請求項5】 前記上部分岐管を、前記チャンバー部と一体に形成された連結用開口縁部と、前記連結用開口縁部に取り付けられた略円筒状の別部材とで構成した請求項1ないし4のうちのいずれか一つに記載の液体混注具。 【請求項6】 前記チャンバー部内で移動することにより前記複数の分岐管のうちの任意の分岐管を連通させる弁体を前記チャンバー部内に設置した請求項1ないし5のうちのいずれか一つに記載の液体混注具。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、医療に用いられる複数の輸液チューブ等に連結されて、各輸液チューブ間に薬液等を流す液体混注具に関する。 【背景技術】 【0002】 従来から、複数の輸液チューブを用いて患者の体内に所定の薬液や生理食塩水等を供給することが行われており、このような場合に、医療用活栓等の液体混注具を用いて、各輸液チューブ間を連通したり遮断したりすることが行われている。このような、液体混注具の中に、複数の分岐管を備え、そのうちの所定の分岐管内に、注射針等を穿刺可能なゴム栓が取り付けられたものがある(例えば、特許文献1参照)。 【特許文献1】特開2004―16437号公報 【0003】 この液体混注具は、本体部分から水平方向に延びる2個の分岐管と、本体部分の上部に形成された注射器接続ポートとを備えている。そして、この注射器接続ポートに、上下に貫通する挿通部が形成されたシール弁体が設けられている。このため、シール弁体の挿通部にツイストロック式注射器を挿し込むことにより、ツイストロック式注射器と液体混注具の本体内とを連通させることができる。これによって、ツイストロック式注射器から液体混注具の本体内に薬液を注入したり、液体混注具の本体から薬液を抽出したりすることができる。 【発明の開示】 【0004】 しかしながら前述した従来の液体混注具では、シール弁体の挿通部にツイストロック式注射器を挿し込むときに、シール弁体の下部が液体混注具内の空間部に押し出されて突出する。このため、シール弁体における液体混注具内の空間部に突出した部分の周囲に空気が滞留し易くなり、液体混注具内や輸液ラインのチューブ内の空気を除去するための操作が面倒になるという問題が生じている。また、空気が滞留することにより、液体混注具内に菌が発生し易くなるという問題もある。 【0005】 本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、その目的は、内部に空気が滞留し難くなる液体混注具を提供することにある。 【0006】 前述した目的を達成するため、本発明に係る液体混注具の構成上の特徴は、チャンバー部と、チャンバー部からそれぞれ異なる方向に延び少なくとも上方に延びる上部分岐管を含む複数の分岐管とからなる混注具本体と、上部分岐管に取り付けられ、内部を貫通するスリットを閉じることにより上部分岐管を閉塞するとともに、スリットに接続管を挿通させることによりチャンバー部内と接続管内とを連通させるゴム栓とを備えた液体混注具であって、ゴム栓を、上部分岐管に固定された固定片と、固定片に連結され、接続管をスリットに挿入することにより、上部分岐管の内部側に押し込まれるゴム栓本体とで構成し、ゴム栓本体が接続管により上部分岐管の内部側に押し込まれたときに、ゴム栓本体における上部分岐管の内部側に位置する下面が上部分岐管の内周面に密着した状態で略水平面になるようにしたことにある。 【0007】 前述したように構成した本発明の液体混注具では、接続管、例えばシリンジの雄ルアー部をゴム栓本体のスリットに挿通させて接続管をチャンバー部に連通させる際に、ゴム栓本体が接続管により上部分岐管の内部側に押し込まれると、ゴム栓本体における上部分岐管の内部側に位置する下面は上部分岐管の内周面に密着した状態で略水平面になる。このため、ゴム栓本体の下面およびゴム栓本体と上部分岐管の内周面との間には、空気が滞留できるような空間部は生じ難くなる。 【0008】 すなわち、ゴム栓本体の下面には凹凸が生じなくなるため、チャンバー部内を薬液等が流れる場合には、チャンバー部内の空間部のすべての部分に薬液等が通るようになる。このため、チャンバー部内に空気が滞留することが抑制される。この結果、チャンバー部内の空気を除去するために面倒な操作をする必要がなくなるとともに、チャンバー部内に菌が発生することを抑制できる。また、薬液等の供給が終わり接続管をゴム栓本体から抜いたときには、ゴム栓本体は固定片の復元力によって元の位置に戻り、スリットはゴム栓本体の復元力によって閉塞される。 【0009】 なお、本発明に係る複数の分岐管とは、それぞれチャンバー部から延びる液体流路を備えた管であり、上部分岐管と、その他の1個又は複数個の管で構成される。また、液体混注具としては、所定の分岐管を連通させたり遮断したりする弁体を備えた活栓タイプのものや、弁体を備えず、常時連通した分岐管間で薬液等を流せるタイプのものを用いることができる。 【0010】 また、本発明に係る液体混注具の他の構成上の特徴は、ゴム栓の固定片を、上部分岐管の開口部側に固定したことにある。これによると、薬液等の供給が終わり接続管をゴム栓本体から抜いたときには、ゴム栓本体は固定片の復元力によって、上部分岐管の開口部側の位置に戻るため、上部分岐管の開口部を確実に閉塞することができる。 【0011】 また、本発明に係る液体混注具のさらに他の構成上の特徴は、ゴム栓の固定片を、上部分岐管の開口部側に固定された上部固定片と、上部分岐管の内部側に固定された下部固定片とで構成したことにある。これによると、ゴム栓本体が上部分岐管の内部側に押し込まれるときには、上部固定片が伸長し下部固定片が収縮する。このため、接続管をゴム栓本体から抜いたときには、ゴム栓本体は上部固定片と下部固定片との双方の復元力によって、上部分岐管の開口部側の位置に戻り、スリットはゴム栓本体の復元力によって閉塞される。この場合、ゴム栓本体は上部固定片と下部固定片とによって支持されるため、強固な取り付けが可能になる。 【0012】 また、本発明に係る液体混注具のさらに他の構成上の特徴は、上部分岐管を、チャンバー部側部分の直径が大きく開口部側の直径が小さくなった略円筒状に形成し、ゴム栓本体が上部分岐管の内部側に押し込まれるときに、水平方向に広がるように変形しながら下降するようにしたことにある。 【0013】 接続管をゴム栓のスリットに挿入してゴム栓本体を上部分岐管の内部側に押し込むときには、固定片または固定片とゴム栓本体との連結部近傍部分が伸長するが、上部分岐管のチャンバー部側、すなわち内部側の直径を大きくすることにより、ゴム栓本体の移動距離を小さくすることができる。このため、固定片または連結部近傍部分の延びる長さも少なくて済み、固定片または連結部近傍部分に無理な力がかからなくなる。これによって、ゴム栓が破損し難くなる。また、ゴム栓本体の変形も小さくて済むとともに、上部分岐管の内部側に押し込まれたときのゴム栓本体の下面を水平面にし易くなる。 【0014】 また、本発明に係る液体混注具のさらに他の構成上の特徴は、上部分岐管を、チャンバー部と一体に形成された連結用開口縁部と、連結用開口縁部に取り付けられた略円筒状の別部材とで構成したことにある。これによると、チャンバー部側部分の直径が大きく、開口部側の直径が小さくなった略円筒状の上部分岐管の製造が容易になる。 【0015】 また、本発明に係る液体混注具のさらに他の構成上の特徴は、チャンバー部内で移動することにより前記複数の分岐管のうちの任意の分岐管を連通させる弁体を前記チャンバー部内に設置したことにある。これによると、液体混注具に連結される各輸液チューブ間の連通・遮断の状態を任意に切り換えることができる。また、この弁体の移動とは、軸周り方向への回転や軸方向への移動である。 【発明を実施するための最良の形態】 【0016】 (第1実施形態) 以下、本発明の第1実施形態に係る液体混注具を図面を用いて詳しく説明する。図1ないし図3は、同実施形態に係る液体混注具Aを示しており、この液体混注具Aは、混注具本体10、混注具本体10内に取り付けられたゴム栓20(図4および図5参照)、蓋部材25および弁体30で構成されている。そして、混注具本体10は、軸方向の長さが短い円筒状のチャンバー部11と、チャンバー部11の外周面に90度の角度を保って連結された下流分岐管12、上部分岐管13、上流分岐管14からなる3個の分岐管とで構成されている。 【0017】 チャンバー部11は、図4および図5に示したように、軸方向を前後方向(図4および図5では左右方向)に向けて配置され、後部が閉塞された略円筒状に形成されている。そして、チャンバー部11の後壁部11aの内面に、チャンバー部11の内周面との間に所定の隙間を設けて前方に延びるリング状の係合部11bが形成されている。また、チャンバー部11の軸方向の略中央には、連通穴15a,15b,15c(図4ないし図6参照)が形成されている。これらの連通穴15a,15b,15cのうち連通穴15bは、中心部の位置を他の連通穴15a,15cの中心部の位置よりもやや前部側にずらして形成されている。 【0018】 チャンバー部11における連通穴15aに対応する部分には、下流分岐管12が設けられており、この連通穴15aを介してチャンバー部11の内部と下流分岐管12の内部に形成された流路12aとが連通している。また、連通穴15bは、直径が連通穴15a,15cの直径よりも大きく設定されている。チャンバー部11におけるこの連通穴15bに対応する部分には、上部分岐管13の一部を構成する連結用開口縁部16が設けられており、連通穴15bを介してチャンバー部11の内部と連結用開口縁部16の内部に形成された流路13aとが連通している。 【0019】 また、チャンバー部11の外周面における連結用開口縁部16の外周側には、連結用開口縁部16と間隔を保った状態で連結用開口縁部16を囲む補助連結部16aが形成され、連結用開口縁部16の内周面の左右両側には流路13aを前後に仕切る仕切り壁16bが掛け渡された状態で形成されている。また、チャンバー部11における連通穴15cに対応する部分には、上流分岐管14が設けられており、この連通穴15cを介してチャンバー部11の内部と上流分岐管14の内部に形成された流路14aとが連通している。 【0020】 下流分岐管12は、チャンバー部11と一体的に形成されており、チャンバー部11側の基端部12bと、基端部12bよりも細く形成された先端側の雄ルアー部12cとで構成されている。また、雄ルアー部12cは基端部12b側部分よりも先端側部分の方が細くなった先細り状に形成されている。そして、下流分岐管12の外周面における基端部12bと雄ルアー部12cとの境界部には、係合用の突部12dが円周に沿って形成されている。 【0021】 上部分岐管13は、前述した連結用開口縁部16および補助連結部16aと、略キャップ状の連結部材17とで構成されている。この連結部材17は、下部側の直径が大きく上方にいくほど徐々に直径が小さくなった長さの短い円筒体で構成されており、略リング状に形成された下端周縁部17aを連結用開口縁部16と補助連結部16aとの間に挿し込んでチャンバー部11に固定されている。また、連結部材17の外周側には、連結部材17とでゴム栓20を固定するための蓋部材25が取り付けられている。 【0022】 蓋部材25は、上部26が連結部材17の上部外周に係合できる大きさに設定された長さの短い略円筒状に形成され、下部27が連結部材17の下端周縁部17aよりもさらに直径が大きく平面視が前後方向に長い楕円形になった長さの短い略キャップに形成されている。そして、蓋部材25は、上部26を連結部材17の上部外周に係合させ、下部27の下端内周面を補助連結部16aの外周面に係合させることにより、上部分岐管13に着脱可能に取り付けられている。また、蓋部材25の上部26の上端部から内部側に向ってリング状の天井部26aが延びその先端部に、上部26の外周面よりも直径が小さい略リング状の係合片26bが下方に向って延びている。そして、この蓋部材25と連結部材17との係合によって、ゴム栓20が固定されている。 【0023】 ゴム栓20は、天然ゴム、合成ゴムまたはエラストマーなどの弾性部材からなっており、肉厚円板状のゴム栓本体21と、ゴム栓本体21の周囲に形成された略円筒状の固定片22とで構成されている。ゴム栓本体21と固定片22とは、互いの下部側部分で連結されており、上部側部分は切り離された状態になっている。そして、図4に示したように、ゴム栓20におけるゴム栓本体21と固定片22との間に係合片26bを挿し込むことにより、蓋部材25にゴム栓20を取り付け、その状態の蓋部材25を上部分岐管13に取り付けることにより、連結部材17と蓋部材25とでゴム栓20を固定している。 【0024】 すなわち、蓋部材25の上部26、天井部26aおよび係合片26bで、固定片22の上部側部分を囲むとともに、連結部材17の上端部と係合片26bの下端部とで、ゴム栓20におけるゴム栓本体21と固定片22との連結部を挟むことにより、固定片22が蓋部材25の上部26と連結部材17との間から抜け出ることを防止している。これによって、固定片22は固定され、ゴム栓本体21は強く押圧されることにより蓋部材25の上部26から移動できる状態になる。また、ゴム栓本体21が移動する際には、固定片22およびゴム栓本体21と固定片22との連結部近傍部分は伸長する。 【0025】 また、このゴム栓20のゴム栓本体21には、上部分岐管13の内部側と上部分岐管13の外部側との間を貫通し、上部分岐管13の流路13aの一部を形成するためのスリット23が設けられている。このスリット23は、上部分岐管13の流路13aを使用しない時には、ゴム栓20の弾性によって閉塞された状態になる。また、上部分岐管13の流路13aを使用する時には、ゴム栓20のスリット23に、例えば、シリンジ28(図8参照)の雄ルアー部28aを差し込むことにより雄ルアー部28a内に流路13aと連通する流路を形成することができる。 【0026】 これによって、シリンジ28の薬液収容部28bと上部分岐管13の内部とが連通する。また、その際、雄ルアー部28aとスリット23の周面との間は、ゴム栓20の弾性によって密着状態になる。さらに、ゴム栓本体21の下面の周縁部は上部分岐管13の内周面に密着する。そして、ゴム栓本体21は、雄ルアー部28aによって下方に押圧され、図5に示したように下面が水平面になる。すなわち、このゴム栓本体21は、雄ルアー部28aによって上部分岐管13内の下方に押圧され、スリット23内に雄ルアー部28aが挿入されたときに、下面が水平面になるように予め形成されている。 【0027】 上流分岐管14は、チャンバー部11と一体的に形成されており、内部には、テーパ状の穴部からなる流路14aが形成されている。この流路14aは、連通穴15cに連通しており、連通穴15c側部分が、連通穴15cに近いほど直径が小さく、連通穴15cから離れるにしたがって直径が大きくなったテーパ状に形成されている。また、流路14aの上流側部分(図6の右側部分)は、上流分岐管14の開口部に近づくほど徐々に直径が大きくなったテーパ状に形成されている。そして、上流分岐管14の開口部の外周面には、連結用のねじ部14bが形成されている。 【0028】 弁体30は、略円筒状の弁本体31と、弁本体31の前端部に連結された操作部32とで構成されている。そして、弁本体31は、先端部をチャンバー部11の内周面と係合部11bとの間に挿し込んだ状態でチャンバー部11内に設置されており、操作部32を操作することによりチャンバー部11の軸周り方向に回転する。また、図7に示したように、弁本体31の外周面には、二つの溝部33,34が軸方向に並んで形成されている。溝部33は、弁本体31の外周面における軸方向の中心よりもやや後部側の部分で円周に沿って略半周にわたって延びる切欠き溝で構成されている。 【0029】 また、溝部34は、弁本体31の外周面における軸方向の中心よりもやや前部側の部分で溝部33と平行して弁本体31の外周面に沿って延びる周方向溝部34aと、周方向溝部34aの一方の端部から屈曲して軸方向の後部側に向って延びる軸方向溝部34bとからなる略L字状の切欠き溝で構成されている。そして、溝部34の軸方向溝部34bは、溝部33の一方の端部と所定間隔を保った位置に設けられており、溝部34の周方向溝部34aの他方の端部は、溝部33の他方の端部よりも円周方向に沿った一方側(図7における手前側)に位置している。 【0030】 溝部33と溝部34の弁本体31の円周方向に沿った長さはともに円周の略半周で等しく設定されており、溝部33と溝部34の周方向溝部34aとの間隔および溝部33と溝部34の軸方向溝部34bとの間隔は略等しく設定されている。そして、溝部33と溝部34の周方向溝部34aとの間には、弁本体31の外周面に沿った堰部35が形成されている。また、チャンバー部11内に設置された弁本体31は、外周面における溝部33および溝部34の軸方向溝部34bが形成された部分を連通穴15a,15cの位置に合わせ、溝部34の周方向溝部34aが形成された部分をチャンバー部11の内周面における前部側部分に対向させた状態になる。 【0031】 また、弁本体31の外周面における堰部35が形成された部分は、連通穴15bおよびチャンバー部11の内周面における中央よりもやや前部側の部分に対向させた状態になる。このため、図6に示したように、堰部35が上方に向くように弁本体31を位置させたときには、溝部33が連通穴15cと対向してチャンバー部11内と上流分岐管14とは溝部33を介して連通する。また、溝部34における軸方向溝部34bの後部側が連通穴15aと対向してチャンバー部11内と下流分岐管12とは溝部34を介して連通する。 【0032】 この場合、堰部35の上方には、仕切り壁16bが位置するようになり、堰部35の上面と仕切り壁16bの下面とは略密着状態で接触する。そして、仕切り壁16bの上方には、上部分岐管13の流路13aを形成する空間部が位置しているため、溝部33と溝部34とは流路13aを介して連通する。したがって、この状態では、上流分岐管14からチャンバー部11および上部分岐管13を介して下流分岐管12に薬液等を流すことができる。この場合、上流分岐管14から溝部33内に流れる薬液等は、仕切り壁16bを乗り越えて溝部34に流れていく。このため、薬液等はチャンバー部11の上方の流路13a内を通過するようになり、チャンバー部11内や流路13a内に空気等が滞留することを抑制できる。 【0033】 その状態から弁体30を一方に回転させて、溝部33を連通穴15aに対向させるとともに、弁本体31の外周面を連通穴15cに対向させたときには、チャンバー部11内と下流分岐管12との間は連通し、チャンバー部11内と上流分岐管14との間は遮断される。また、図6の状態から、弁体30を他方に回転させて、溝部33を連通穴15cに対向させた状態を維持するとともに、弁本体31の外周面を連通穴15aに対向させたときには、チャンバー部11内と下流分岐管12との間は遮断され、チャンバー部11内と上流分岐管14との間は連通する。 【0034】 このように、弁体30を回転操作することにより、下流分岐管12と上流分岐管14との双方をチャンバー部11内に連通したり、一方だけをチャンバー部11内に連通したりすることができる。なお、操作部32は、3個の操作片32a,32b,32cを備えており、この操作片32a,32b,32cは、それぞれ下流分岐管12、上部分岐管13、上流分岐管14に対応するように、90度の角度を保って形成されている。 【0035】 また、図8に示したように、上部分岐管13には、シリンジ28を着脱可能に取り付けることができる。このシリンジ28は、薬液等を収容する薬液収容部28bと細径円筒状の雄ルアー部28aとを備えており、雄ルアー部28aを、ゴム栓20のスリット23内に差し込むことにより薬液収容部28bの内部と上部分岐管13の流路13aとを連通させることができる。この雄ルアー部28aを、ゴム栓20のスリット23内に差し込んでいくときに、雄ルアー部28aは、ゴム栓本体21を連結部材17の内周面に押し付けて移動させながらスリット23を広げていく。 【0036】 このとき、ゴム栓本体21と固定片22との連結部は、上方から下方に反転するようにして延びていく。これによって、ゴム栓本体21は、雄ルアー部28aの押圧力によって連結部材17に押さえ付けられて、連結部材17の内周面に密着した状態で下降していく。そして、雄ルアー部28aがスリット23内に挿入されて、チャンバー部11内に連通したときには、図5に示したように、ゴム栓本体21の下面は水平面になる。また、連結部材17の内周面とゴム栓本体21との間および雄ルアー部28aとスリット23の周面との間は、ゴム栓20の弾性によって密着状態になる。 【0037】 このため、図6に示したように上流分岐管14と下流分岐管12とを連通させて上流分岐管14側から下流分岐管12側に向けて薬液等を流しながら、図8に示したようにその薬液等にシリンジ28から他の薬液等を混合させることができる。また、チャンバー部11内と上流分岐管14との間を遮断した状態で、シリンジ28から下流分岐管12に他の薬液等を流すこともできる。 【0038】 この構成において、2種類の薬液を患者(図示せず)の体内に供給する場合には、まず下流分岐管12に、患者に穿刺して留置するための留置針が接続された輸液チューブ(図示せず)の後端部を接続する。ついで、上流分岐管14に、患者に供給する一方の薬液を収容する容器等から延びる輸液チューブの先端部に設けられた雄ルアー部を接続する。つぎに、シリンジ28の薬液収容部28b内に他方の薬液を吸引した状態で、雄ルアー部28aをゴム栓20のスリット23に貫通させる。 【0039】 そして、薬液をチャンバー部11を含む輸液ライン内に通して、輸液ライン内の空気をすべて外部に放出したのちに、留置針を患者の体に穿刺して留置した状態で容器等の薬液を患者に向けて送り出すことにより患者への薬液の供給を行う。また、シリンジ28の薬液収容部28b内の薬液も、適宜、上部分岐管13の流路13aを介してチャンバー部11内に注入する。この場合の輸液ライン内の空気を外部に放出するときに、ゴム栓本体21の下面は水平面になり、連結部材17の内周面とゴム栓本体21との間および雄ルアー部28aとスリット23の周面との間は、それぞれ密着状態になる。 【0040】 このため、チャンバー部11内には、空気が滞留する場所が生じ難くなる。すなわち、チャンバー部11内の空間部はすべて薬液の流路になるため空気が溜まり難くなる。これによって、患者に供給される薬液に空気が混入することが抑制される。そして、シリンジ28からの薬液の供給が終わり、雄ルアー部28aをスリット23から引き抜くときには、ゴム栓本体21は雄ルアー部28aによる押圧から解放されるとともに、固定片22の復元力によって図4の状態に戻る。また、この液体混注具Aによると、上部分岐管13内をゴム栓20で閉塞したため、チャンバー部11内に空気が入って菌が繁殖することも抑制できる。 【0041】 このように、本実施形態に係る液体混注具Aでは、雄ルアー部28aをスリット23に挿通させてシリンジ28をチャンバー部11に連通させる際に、連結部材17の内部側に押し込まれるゴム栓本体21の下面は連結部材17の内周面に密着した状態で略水平面になる。このため、ゴム栓本体21の下面、連結部材17の内周面とゴム栓本体21との間および雄ルアー部28aとスリット23の周面との間には、空気が滞留できるような空間部はなくなる。この結果、チャンバー部内の空気を除去するために面倒な操作をしたり、チャンバー部内に菌が発生したりすることを抑制できる。 【0042】 また、液体混注具Aでは、ゴム栓本体21が上下移動する際に接触する連結部材17が、下部側部分の直径が大きく、上部側部分の直径が小さくなった略円筒状に形成されているため、ゴム栓本体21が連結部材17の下部側に押し込まれたときに、水平方向に広がるように変形しながら下降していく。このため、ゴム栓本体21の移動距離が小さくなり、ゴム栓本体21と固定片22との連結部の延びる長さも少なくて済む。この結果、固定片22等に無理な力がかからなくなり、ゴム栓20が破損することを防止できる。また、ゴム栓本体21の変形量も少なくて済むとともに、ゴム栓本体21が下降した際の下面を水平面にし易くなる。さらに、上部分岐管13を、チャンバー部11と一体に形成された連結用開口縁部16と、連結用開口縁部16に取り付けられた連結部材17と構成したため、上部分岐管13の製造が容易になる。 【0043】 (第2実施形態) 図9および図10は、本発明の第2実施形態に係る液体混注具Bを示している。この液体混注具Bでは、連結部材47における略リング状に形成された下端周縁部47aの厚みが前述した連結部材17の下端周縁部17aの厚みよりも小さく設定されている。また、蓋部材45の上部46の上端部から内部側斜め下方に向ってリング状の天井部46aが湾曲して延びその先端部に、前述した係合片26bよりも厚みが大きく設定された係合片46bが下方に向って延びている。ゴム栓40におけるゴム栓本体41の上面は、中央部が下方に窪んだ曲面に形成され、ゴム栓40の下面は、中央部が上面よりも大きな曲率で上方に湾曲した曲面に形成されている。 【0044】 このため、ゴム栓本体41は、周縁部が肉厚で、中央側が薄肉になった略円板状に形成され、ゴム栓本体41の外周面における上部側部分に上部固定片42が形成され、ゴム栓本体41の下端外周部に下方に向って延びる長い下部固定片43が形成されている。そして、ゴム栓40の下部固定片43は、連結部材47の下端周縁部47aとともに、連結用開口縁部44と補助連結部44aとの間に挿し込まれて固定されている。また、ゴム栓40の上部固定片42は、蓋部材45の係合片46bと連結部材47の上端部とで固定されている。この液体混注具Bにおけるそれ以外の部分の構成については、前述した液体混注具Aと同一である。したがって、同一部分に同一符号を記して説明は省略する。 【0045】 このように構成したため、雄ルアー部28aを、ゴム栓40のスリット23内に差し込んでいくと、雄ルアー部28aは、ゴム栓本体41を連結部材47の内部側に押し付けて移動させながらスリット23を広げていく。このとき、ゴム栓本体41は、上部固定片42を伸長させるとともに、下部固定片43を収縮させながら下方に移動していく。そして、雄ルアー部28aがスリット23内に挿入されて、チャンバー部11内に連通したときには、図10に示したように、ゴム栓本体41の下面は水平面になる。 【0046】 すなわち、このゴム栓本体41も、雄ルアー部28aによって上部分岐管13内の下方に押圧され、スリット23内に雄ルアー部28aが挿入されたときに、下面が水平面になるように予め形成されているためである。また、連結部材47の上端部とゴム栓本体41との間および雄ルアー部28aとスリット23の周面との間は、ゴム栓40の弾性によって密着状態になる。この液体混注具Bによっても、ゴム栓本体41の下面には、空気が滞留できるような空間部は生じ難くなるため、チャンバー部11内の空気を除去するために面倒な操作をしたり、チャンバー部内に菌が発生したりすることを抑制できる。 【0047】 また、雄ルアー部28aをゴム栓本体41から抜くときには、ゴム栓本体41は上部固定片42と下部固定片43との双方の復元力によって、連結部材47の開口部側の位置に戻り、スリット23はゴム栓本体41の復元力によって閉塞される。この場合、ゴム栓本体41は上部固定片42と下部固定片43とによって支持されるため、強固に取り付けられる。この液体混注具Bにおけるそれ以外の作用効果については前述した液体混注具Aと同様である。 【0048】 また、本発明に係る液体混注具は、前述した各実施形態に限定するものでなく、適宜変更実施が可能である。例えば、前述した各実施形態では、液体混注具として弁体30を備えた活栓タイプのものを用いているが、本発明に係る液体混注具としては、弁体を備えず、上流分岐管から常時連通した下流分岐管に薬液等を流せるとともに、上部分岐管から他の薬液等をチャンバー部に流すことのできるものを用いてもよい。また、上流分岐管を備えてなく、分岐管を上部分岐管と下流分岐管だけで構成した液体混注具を用いることもできる。 【0049】 また、前述した第1実施形態では、ゴム栓20の固定片22をゴム栓本体21の周囲に形成された略円筒状に形成しているが、この固定片22としては、ゴム栓本体の周面に間隔を保って配置された2個または2個以上の複数の線状または帯状の部材で構成してもよい。また、同様に、第2実施形態における上部固定片42および下部固定片43も複数の線状または帯状の部材で構成することができる。 【図面の簡単な説明】 【0050】 【図1】本発明の第1実施形態に係る液体混注具を示した平面図である。 【図2】液体混注具の正面図である。 【図3】液体混注具の側面図である。 【図4】液体混注具の断面図である。 【図5】図4の液体混注具のゴム栓に雄ルアー部を挿し込んだ状態を示した断面図である。 【図6】液体混注具の本体と弁体との関係を示した断面図である。 【図7】弁体を示した斜視図である。 【図8】液体混注具にシリンジを取り付けた状態を示した正面図である。 【図9】本発明の第2実施形態に係る液体混注具の断面図である。 【図10】図9の液体混注具のゴム栓に雄ルアー部を挿し込んだ状態を示した断面図である。 【符号の説明】 【0051】 10…混注具本体、11…チャンバー部、12…下流分岐管、13…上部分岐管、14…上流分岐管、16,44…連結用開口縁部、16a,44a…補助連結部、17,47…連結部材、20,40…ゴム栓、21,41…ゴム栓本体、22…固定片、23…スリット、28a…雄ルアー部、30…弁体、42…上部固定片、43…下部固定片、A,B…液体混注具。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000228888 【氏名又は名称】日本シャーウッド株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年7月27日(2006.7.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】110000213 【氏名又は名称】特許業務法人プロスペック特許事務所
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| 【公開番号】 |
特開2008−29495(P2008−29495A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月14日(2008.2.14) |
| 【出願番号】 |
特願2006−204771(P2006−204771) |
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