| 【発明の名称】 |
ガイドワイヤおよび穿刺具組立体 |
| 【発明者】 |
【氏名】永田 英人
【氏名】矢部 久夫
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| 【要約】 |
【課題】ガイドワイヤを挿通する穿刺具の針先による手指等の誤刺を防止することができるガイドワイヤおよび穿刺具組立体を提供すること。
【構成】穿刺具組立体1は、針管7とハブとを備えた穿刺具6と、針管7内に挿通可能なガイドワイヤ2とで構成される。ガイドワイヤ2は、第1ワイヤ31と第2ワイヤ32とで構成されるワイヤ本体3と、第1ワイヤ31と第2ワイヤ32とを接続する破断部4とを有する。破断部4は、折り曲げるかまたは捻ることにより破断面41にて破断分離することができるものである。ワイヤ本体3が針管7内に挿通されかつ係合部5がテーパ面83に係合した状態のとき、破断部4の少なくとも破断面41が針先7から突出する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 針管を備えた穿刺具の前記針管内に挿通可能なガイドワイヤであって、 可撓性を有するワイヤ本体と、 前記ワイヤ本体の途中に設けられ、折り曲げるかまたは捻ることにより破断分離し得る破断部とを備えることを特徴とするガイドワイヤ。 【請求項2】 前記ワイヤ本体の基端部に、前記穿刺具と係合し得る係合部を有する請求項1に記載のガイドワイヤ。 【請求項3】 前記ワイヤ本体が前記針管内に挿通されかつ前記係合部が前記穿刺具と係合した状態のとき、前記破断部が前記針管の針先から突出した位置にある請求項2に記載のガイドワイヤ。 【請求項4】 前記破断部の最大外径が前記針管の内径以下である請求項1ないし3のいずれかに記載のガイドワイヤ。 【請求項5】 前記破断部の最大外径が前記ワイヤ本体の外径以下である請求項1ないし4のいずれかに記載のガイドワイヤ。 【請求項6】 前記破断部は、溶接により接合した接合部で構成されている請求項1ないし5のいずれかに記載のガイドワイヤ。 【請求項7】 前記破断部は、中空部を有している請求項1ないし5のいずれかに記載のガイドワイヤ。 【請求項8】 前記破断部は、破断分離の際の破断面の位置を予め特定し得るように、当該破断部の他所に比べて優先的に破断する部位を有する請求項1ないし7のいずれかに記載のガイドワイヤ。 【請求項9】 前記破断部は、溝、スリットまたは小孔を有し、これが形成された部位が当該破断部の他所に比べて優先的に破断するよう構成されている請求項1ないし8のいずれかに記載のガイドワイヤ。 【請求項10】 前記破断部は、破断されると、塑性変形により破断面付近が異形状となるよう構成されており、当該異形状の部位が前記針管の針先と係合して前記針管内への没入を防止する請求項1ないし9のいずれかに記載のガイドワイヤ。 【請求項11】 前記ワイヤ本体の少なくとも一部は、芯材と、前記芯材の外周を被覆する被覆層とで構成されている請求項1ないし10のいずれかに記載のガイドワイヤ。 【請求項12】 針管を備えた穿刺具と、 請求項1ないし11のいずれかに記載のガイドワイヤとを備えることを特徴とする穿刺具組立体。 【請求項13】 前記穿刺具は、先端に鋭利な針先を有する針管と、針管の基端部に固着されたハブとを有するものである請求項12に記載の穿刺具組立体。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、ガイドワイヤおよびガイドワイヤを備えた穿刺具組立体に関する。 【背景技術】 【0002】 ガイドワイヤは、例えばPTCA(Percutaneous Transluminal Coronary Angioplasty:経皮的冠状動脈血管形成術)、PTA(Percutaneous Transluminal Angioplasity)のような、外科的手術が困難な部位の治療、または人体への低侵襲を目的とした治療や、心臓血管造影などの検査に用いられるカテーテルを誘導するのに使用される。PTCAに用いられるガイドワイヤは、ガイドワイヤの先端をバルーンカテーテルの先端より突出させた状態で、バルーンカテーテルと共に目的部位である冠状動脈の狭窄部付近まで挿入され、バルーンカテーテルの先端部を血管狭窄部付近まで誘導する。このようなガイドワイヤとしては、金属製の芯材の外周に合成樹脂を被覆してなる構成のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。 【0003】 ところで、ガイドワイヤを患者の血管に挿入する場合、セルジンガー法により、まず患者の血管(例えば、大腿動脈、鎖骨下動脈)に導入針(穿刺具)を穿刺し、該導入針内にガイドワイヤを挿通してガイドワイヤの先端部を血管内に挿入した後、導入針を抜去し、ガイドワイヤに沿ってダイレータ(シース)を血管内に挿入することが行われる。 【0004】 しかしながら、ガイドワイヤの先端部を血管内に挿入後、導入針を抜去した際、操作者が、導入針の露出した針先で手指等を誤って刺してしまうという事故が発生することがある。このような誤刺が原因で、操作者がウイルス性肝炎、HIV等に感染するおそれがある。 【0005】 【特許文献1】特開平8−257132号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 本発明の目的は、ガイドワイヤを挿通する穿刺具の針先による手指等の誤刺を防止することができるガイドワイヤおよび穿刺具組立体を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0007】 このような目的は、下記(1)〜(13)の本発明により達成される。 (1) 針管を備えた穿刺具の前記針管内に挿通可能なガイドワイヤであって、 可撓性を有するワイヤ本体と、 前記ワイヤ本体の途中に設けられ、折り曲げるかまたは捻ることにより破断分離し得る破断部とを備えることを特徴とするガイドワイヤ。 【0008】 (2) 前記ワイヤ本体の基端部に、前記穿刺具と係合し得る係合部を有する上記(1)に記載のガイドワイヤ。 【0009】 (3) 前記ワイヤ本体が前記針管内に挿通されかつ前記係合部が前記穿刺具と係合した状態のとき、前記破断部が前記針管の針先から突出した位置にある上記(2)に記載のガイドワイヤ。 【0010】 (4) 前記破断部の最大外径が前記針管の内径以下である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のガイドワイヤ。 【0011】 (5) 前記破断部の最大外径が前記ワイヤ本体の外径以下である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のガイドワイヤ。 【0012】 (6) 前記破断部は、溶接により接合した接合部で構成されている上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のガイドワイヤ。 【0013】 (7) 前記破断部は、中空部を有している上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のガイドワイヤ。 【0014】 (8) 前記破断部は、破断分離の際の破断面の位置を予め特定し得るように、当該破断部の他所に比べて優先的に破断する部位を有する上記(1)ないし(7)のいずれかに記載のガイドワイヤ。 【0015】 (9) 前記破断部は、溝、スリットまたは小孔を有し、これが形成された部位が当該破断部の他所に比べて優先的に破断するよう構成されている上記(1)ないし(8)のいずれかに記載のガイドワイヤ。 【0016】 (10) 前記破断部は、破断されると、塑性変形により破断面付近が異形状となるよう構成されており、当該異形状の部位が前記針管の針先と係合して前記針管内への没入を防止する上記(1)ないし(9)のいずれかに記載のガイドワイヤ。 【0017】 (11) 前記ワイヤ本体の少なくとも一部は、芯材と、前記芯材の外周を被覆する被覆層とで構成されている上記(1)ないし(10)のいずれかに記載のガイドワイヤ。 【0018】 (12) 針管を備えた穿刺具と、 上記(1)ないし(11)のいずれかに記載のガイドワイヤとを備えることを特徴とする穿刺具組立体。 【0019】 (13) 前記穿刺具は、先端に鋭利な針先を有する針管と、針管の基端部に固着されたハブとを有するものである上記(12)に記載の穿刺具組立体。 【発明の効果】 【0020】 本発明によれば、穿刺具の針先による手指等の誤刺を防止することができ、操作の安全性を向上することができる。 【0021】 特に、ワイヤ本体基端部に設けられた係合部が穿刺具に係合したり、破断後の破断部が穿刺具の針先に係合したりするように構成されている場合には、破断後の破断部が針管内に没入することを防止することができ、針先による手指等の誤刺をより確実に防止することができる。 【0022】 また、破断部は、折り曲げるかまたは捻るという簡単な操作で破断することができるので、穿刺具の抜去から廃棄に至る操作を簡単に行うことができる。特に、破断面の位置を破断前に事前に特定することができ、破断の再現性も優れている。 【発明を実施するための最良の形態】 【0023】 以下、本発明のガイドワイヤおよび穿刺具組立体について、添付図面に示す好適実施形態に基づき詳細に説明する。 【0024】 図1は、本発明の穿刺具組立体の実施形態を示す部分縦断面図、図2および図3は、それぞれ、本願発明におけるガイドワイヤの基端部の構成例を示す部分縦断面図、図4および図5は、本発明のガイドワイヤにおける破断部付近の構成例を示す側面図、図6は、本発明のガイドワイヤにおける破断部の破断後の構成例を示す部分縦断面図、図7は、本発明のガイドワイヤにおける破断部の他の構成例を示す側面図、図8および図9は、それぞれ、本発明のガイドワイヤにおける破断部の他の構成例を示す縦断面図、図10〜図13は、それぞれ、本発明のガイドワイヤおよび穿刺具組立体の使用方法の一例を示す図である。なお、説明の都合上、図1〜図9中の右側を「基端」、左側を「先端」という。 【0025】 図1に示すように、本発明の穿刺具組立体1は、針管7を備えた穿刺具6と、針管7内に挿通可能なガイドワイヤ2とを備えている。 【0026】 まず、穿刺具6について説明する。穿刺具6は、先端に鋭利な針先71を有する針管(導入針)7と、この針管7の基端部に固着されたハブ8とで構成されている。 針管7は、例えば、ステンレス鋼のような各種金属材料で構成されている。 【0027】 また、ハブ8は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネートのような各種樹脂材料で構成されている。 【0028】 ハブ8の基端部外周には、フランジ81が形成されており、ハブ8の先端部には、針管固定部82が形成されている。針管7は、針管固定部82に固着されている。また、ハブ8の内部の先端側には、針管固定部82に向かって内径が漸減するテーパ面83が形成されている。このテーパ面83は、ガイドワイヤ2の先端部を針管7内に挿入する際に、ガイドワイヤ2の先端部を針管7の基端側の内腔へ案内するガイド面としての機能を発揮するものである。また、このテーパ面83には、ガイドワイヤ2の後述する係合部5が係合する。 【0029】 次に、ガイドワイヤ2について説明する。ガイドワイヤ2は、可撓性を有するワイヤ本体3と、ワイヤ本体3の途中に設けられ、折り曲げるかまたは捻ること等により破断分離し得る破断部4とを備えている。 【0030】 ワイヤ本体3は、破断部4より基端側の第1ワイヤ31と、破断部4より先端側の第2ワイヤ32とを有しており、第1ワイヤ31と第2ワイヤ32とが破断部4で連結されている。 【0031】 第1ワイヤ31および第2ワイヤ32は、針管7の内腔を挿通し得るものであれば良く、それらの外径は、針管7の内径と同程度かまたは針管7の内径より若干小さいものとされる。第1ワイヤ31および第2ワイヤ32の外径としては、0.15〜1.2mm程度が好ましく、0.2〜0.9mm程度がより好ましい。 【0032】 なお、第1ワイヤ31および第2ワイヤ32の外径は、それらの全長に渡って一定である場合に限らず、例えば、外径が先端方向に向かって漸減する部位(外径漸減部)を有していてもよい。例えば、第2ワイヤ32の先端部に、前記外径漸減部が形成されていてもよい。 【0033】 図6、図8および図9に示すように、ワイヤ本体3を構成する第1ワイヤ31および第2ワイヤ32のうちの少なくとも一方(好ましくは双方)は、芯材(芯線)33と、芯材33の外周を被覆する被覆層34とで構成されている。 【0034】 芯材33の外径としては、0.1〜1mm程度が好ましく、0.2〜0.7mm程度がより好ましい。 【0035】 芯材33の構成材料(素材)としては、特に限定されず、例えば、ステンレス鋼(例えば、SUS304、SUS303、SUS316、SUS316L、SUS316J1、SUS316J1L、SUS405、SUS430、SUS434、SUS444、SUS429、SUS430F、SUS302等SUSの全品種)、ピアノ線、Co−Ni−Cr系合金のようなコバルト系合金、擬弾性を示す合金(超弾性合金を含む。以下「擬弾性合金」と言う)などの各種金属材料が挙げられる。 【0036】 本発明では、第1ワイヤ31と第2ワイヤ32とで、芯材33の構成材料が同一でも、異なっていてもよい。例えば、第1ワイヤ31の芯材33は、ステンレス鋼またはコバルト系合金で構成され、第2ワイヤ32の芯材33は、擬弾性合金(超弾性合金)で構成されているものが挙げられる。 【0037】 被覆層34は、第1ワイヤ31および第2ワイヤ32のほぼ全長に渡って形成されているのが好ましい。被覆層34は、種々の目的で形成することができるが、その一例として、ガイドワイヤ2の針管7(穿刺具6)や後述するダイレータ(シース)等の器具(以下これらを総称して「器具」と言う)に対する摩擦(摺動抵抗)を低減し、摺動性を向上させることによってガイドワイヤ2や器具の操作性を向上させることがある。 【0038】 このような目的のためには、被覆層34は、摩擦を低減し得る材料で構成されているのが好ましい。これにより、ガイドワイヤ2とともに用いられる器具の内壁との摩擦抵抗(摺動抵抗)が低減されて摺動性が向上し、ガイドワイヤ2や器具の操作性がより良好なものとなる。また、ガイドワイヤ2の摺動抵抗が低くなることで、ガイドワイヤ2を器具内で移動および/または回転した際に、ガイドワイヤ2のキンク(折れ曲がり)やねじれをより確実に防止することができる。 【0039】 このような摩擦を低減し得る材料としては、例えば、フッ素系樹脂(PTFE、ETFE等)、またはこれらを含む複合材料が挙げられる。 【0040】 フッ素系樹脂(またはこれを含む複合材料)を用いた場合には、ガイドワイヤ2と器具の内壁との摩擦抵抗(摺動抵抗)をより効果的に低減し、摺動性を向上させることができ、ガイドワイヤ2の操作性がより良好なものとなる。 【0041】 また、フッ素系樹脂(またはこれを含む複合材料)を用いた場合には、通常、焼きつけ、吹きつけ等の方法により樹脂材料を加熱した状態で芯材33への被覆を行う。これにより、芯材33と、被覆層34との密着性は特に優れたものとなる。 【0042】 また、被覆層34がシリコーン樹脂(またはこれを含む複合材料)で構成されたものであると、被覆層34を形成する(芯材33に被覆形成する)際に、加熱しなくても、芯材33に対し確実かつ強固に密着した被覆層34を形成することができる。すなわち、被覆層34をシリコーン樹脂(またはこれを含む複合材料)で構成されたものとする場合、反応硬化型の材料等を用いることができるため、被覆層34の形成を室温にて行うことができる。このように、室温にて被覆層34を形成することにより、簡便にコーティングができるという利点がある。 【0043】 また、摩擦を低減し得る材料の他の好ましい例としては、親水性材料または疎水性材料が挙げられる。これらのうちでも特に、親水性材料が好ましい。 【0044】 このような親水性材料は、多くの場合、湿潤(吸水)により潤滑性を発揮し、ガイドワイヤ2とともに用いられる器具の内壁との摩擦抵抗(摺動抵抗)を低減する。これにより、ガイドワイヤ2の摺動性が向上し、ガイドワイヤ2や器具の操作性がより良好なものとなる。 【0045】 また、被覆層34は、ガイドワイヤ2を血管に挿入する際の安全性の向上を目的として設けることもできる。この目的のためには、被覆層34は柔軟性に富む材料(軟質材料)で構成されているのが好ましい。 【0046】 このような材料としては特に限定されないが、被覆層34がポリウレタンエラストマー等の熱可塑性エラストマーや各種ゴム材料で構成されたものである場合には、ガイドワイヤ2の先端部の柔軟性がより向上するため、血管への挿入時に、血管内壁等を傷つけることをより確実に防止することができ、安全性が極めて高い。 【0047】 このような被覆層34は、2層以上の積層体でもよく、また、ワイヤ本体3の形成箇所により被覆層34を構成する材料の組成が異なっていてもよい。例えば、第1ワイヤ31と第2ワイヤ32とで、被覆層34の構成材料が異なっていてもよい。また、第2ワイヤ32の先端部を前述した柔軟性に富む材料で構成して安全性を向上しつつ、それ以外の部位は前述した摩擦を低減し得る材料で構成して操作性を向上することができる。 【0048】 被覆層34の厚さは、特に限定されず、被覆層34の形成目的や構成材料、形成方法等を考慮して適宜されるが、通常は、厚さ(平均)が1〜50μm程度であるのが好ましく、2〜30μm程度であるのがより好ましい。被覆層34の厚さが薄すぎると、被覆層34の形成目的が十分に発揮されないことがあり、また、被覆層34の剥離が生じるおそれがあり、また、被覆層34の厚さが厚すぎると、ガイドワイヤ2の外径が増大する傾向を示す。 【0049】 なお、本発明では、芯材33の外周面(表面)に、被覆層34の密着性を向上するための処理(化学処理、熱処理等)を施したり、被覆層34の密着性を向上し得る中間層を設けたりすることもできる。 【0050】 図1に示すように、ワイヤ本体3の基端部、すなわち第1ワイヤ31の基端部には、穿刺具6のハブ8と係合し得る係合部5が形成されている。図1に示す係合部5は、ワイヤ本体3の外径が増大した拡径部で構成されている。 【0051】 この係合部5は、ガイドワイヤ2を針管7内に挿通し、針管7に対し先端方向へ移動したときに、ハブ8のテーパ面83に係合し、ガイドワイヤ2がそれ以上先端方向へ移動することを阻止する。これにより、穿刺具6を把持して基端方向へ移動操作することにより、ガイドワイヤ2をそれに追従して同方向へ移動させることができる。 【0052】 なお、本発明では、係合部5の形状、寸法を適宜選択することにより、係合部5がテーパ面83に係合した際に嵌合して、ガイドワイヤ2が基端方向へ戻らないような構成とすることもできる。これにより、後述する破断部4が破断後、第1ワイヤ31が基端方向へ移動して第1ワイヤ31側の破断片42が針管7内に没入するのを防止することができ、針先71での誤刺をより確実に防止することができる。 【0053】 係合部5は、図1に示す形状のものに限らず、例えば、図2に示すように、第1ワイヤ31の基端部をU字状(J字状)に曲げた構成のものや、図3に示すように、第1ワイヤ31の基端部をループ状またはコイル状に曲げた構成あるいは結び目を形成したものであってもよい。さらには、第1ワイヤ31の基端部に別部材による係合部5を固定した構成であってもよい。 【0054】 第1ワイヤ31と第2ワイヤ32との間には、破断部(脆弱部)4が形成されている。この破断部4は、図5に示すように、折り曲げることにより、あるいは、捻ることにより(図示せず)破断分離することができるものである。この場合、破断部4の破断面(破断予想面)41は、破断部4の長手方向のほぼ中央部に形成されるのが好ましいが、第1ワイヤ31側または第2ワイヤ32側に形成されてもよい。 【0055】 ガイドワイヤ2上における破断部4の形成位置は、ワイヤ本体3が針管7内に挿通されかつ係合部5が穿刺具6(テーパ面83)に係合した状態のとき、破断部4の少なくとも破断面41が針先71から突出(露出)した位置とされる。すなわち、破断部4の破断面41が針先71から所定長さLだけ突出した位置とされる(図1参照)。これにより、破断部4の破断後、第1ワイヤ31側の破断片42が針先71から突出した状態となり、かつこの状態が維持されるので、手指等を針先71で誤刺することが防止され、安全性の向上に寄与する。 【0056】 なお、長さLは、特に限定されないが、3〜20mm程度が好ましく、5〜10mm程度がより好ましい。 【0057】 また、破断部4の全長は、特に限定されないが、1〜20mm程度が好ましく、2〜10mm程度がより好ましい。 【0058】 図4、図5および図7に示す構成では、破断部4は、溶接により接合した接合部(溶接部)で構成されている。すなわち、溶接による接合面(溶接面)が破断面41となる。溶接の方法は、特に限定されず、例えば、摩擦圧接、スポット溶接(特にレーザを用いたスポット溶接)、バットシーム溶接等の突き合わせ抵抗溶接等が挙げられる。また、軽度の溶接とすることにより、破断面41の接合強度を比較的弱く設定し、当該部位(破断開始部位)が破断部4の他所に比べて優先的に破断することで、破断部4を容易に(軽い力で簡単に)破断可能とすることができる。この場合、破断分離の際の破断面41の位置を予め特定することができるという利点もある。 【0059】 破断部4は、その外径が長手方向に沿って一定でも、外径が変化する部位を有していてもよい。ただし、破断部4が針管7内を通過できるようにするために、破断部4の最大外径は、針管7の内径以下であるのが好ましい。 【0060】 図4に示す構成では、破断部4の最大外径は、ワイヤ本体の外径以下となっている。これにより、破断部4を容易(軽い力で簡単に)かつ確実に破断することができる。 【0061】 さらに、図4に示す構成では、破断部4の長手方向中央部分(破断面41が形成される部分)は、くびれた形状、すなわち、破断部4の両端部に比べて細くなった(外径が減少した)形状となっている。これにより、破断面41をさらに容易(軽い力で簡単に)かつ確実に破断することができる。 【0062】 破断部4の構成材料としては、前述した芯材33の構成材料と同様の材料、その他アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金等を挙げることができるが、破断部4の破断操作に伴って塑性変形可能な材料であるのが好ましい。なお、破断部4の実際の構成材料は、芯材33と同一の材料でも、異なる材料でもよい。後者の場合、例えば、破断部4の構成材料を芯材33の構成材料より脆弱な(剛性の低い)材料とすることができる。以上のことから、破断部4の構成材料として特に好ましいものは、ポリイミド、ポリアミド、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂などの樹脂材料や各種ゴム材料とされる。 【0063】 破断部4の破断操作は、例えば次のようにして行われる。第1ワイヤ31と第2ワイヤ32とが一直線上にある状態(図4参照)から、第1ワイヤ31と第2ワイヤ32とを徐々に折り曲げてゆく。このとき、第1ワイヤ31と第2ワイヤ32とのなす角度は、最大角度で150〜60°程度とされる。 【0064】 第1ワイヤ31と第2ワイヤ32とを徐々に折り曲げてゆくと、破断部4の破断面41付近が湾曲変形(塑性変形)し始め、その曲率が徐々に増大し(図5参照)、破断面41に応力集中が生じて、やがて破断面41が破断する。 【0065】 破断部4の破断後は、第1ワイヤ31側に破断片42が残存し、第2ワイヤ32側に破断片43が残存する。このとき、破断片42、43の端部付近は、異形状となっている。すなわち、前述したように、破断部4は、破断に至る過程で相当の大きな曲率まで湾曲変形し(図5参照)、この状態で破断するため、破断片42、43の端部付近は、それぞれ、かぎ状に変形(塑性変形)した状態となる(図6参照)。破断後の第1ワイヤ31が針管7に対し基端方向へ移動しようとした際、この破断片42のかぎ状に変形した部位(異形状の部位)425が針先71に係合する。これにより、破断片42が針管7内へ没入することが防止され、破断片42が針先71から突出した状態が維持される。よって、手指等を針先71で誤刺することが防止され、安全性の向上に寄与する。 【0066】 図7に示す構成の破断部4は、溶接により接合した接合部(溶接部)で構成されており、かつ、破断面(溶接面)41付近の外径が他所より大きくなっている。ただし、この構成の破断部4においても、破断部4の最大外径(破断面41付近の外径)は、針管7の内径以下とされる。 【0067】 なお、本発明では、溶接後、機械的研磨または化学的研磨(エッチング等)により、破断面(溶接面)41付近の外径を減少させることもでき、このような方法で、破断部4の最大外径をワイヤ本体3の外径と同等またはそれ以下に調整することができる。このような破断部4の外径調整によって、破断部4の破断強度や破断後の異形状の形成の度合い等を調整することができる。 【0068】 図8に示す構成の破断部4は、ワイヤ本体3を構成する芯材33をそのまま利用したものである。すなわち、第1ワイヤ31から第2ワイヤ32に至るまで、1本の連続した芯材33が用いられ、破断部4においては、芯材33の外周面に被覆層34が形成されていない。 【0069】 そして、破断部4の長手方向中央部の外周面には、V字状の溝(切欠き)44が形成されている。この溝44が形成された部位(破断開始部位)は、他所より強度が低く、破断部4を折り曲げまたは捻って破断する際に応力集中が生じて、当該部位が破断部4の他所に比べて優先的に破断する。そのため、破断部4を容易かつ確実に破断することができる。このような溝44を形成することにより、破断分離の際の破断面41の位置を予め特定することができるという効果を奏する。 【0070】 図9に示す構成の破断部4は、中空部を有する管体(管状部材)45で構成されている。管体45の両端部には、それぞれ、第1ワイヤ31の芯材33の先端部および第2ワイヤ32の芯材33の基端部が嵌入され、例えば溶接、接着剤による接着等の方法により固定されている。 【0071】 管体45の構成材料は、芯材33の構成材料より脆弱な(剛性の低い)材料とすることができる。このような管体45の構成材料としては、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金を用いることができる。 【0072】 管体45の長手方向中央部の外周面には、周方向に沿って、管体45の管壁を貫通する複数の小孔46が形成されている。この小孔46が形成された部位(破断開始部位)は、管体45の他所より強度がさらに低く、破断部4を折り曲げまたは捻って破断する際に応力集中が生じて、当該部位が管体45の他所に比べて優先的に破断する。そのため、破断部4を容易かつ確実に破断することができる。このような小孔46を形成することにより、破断分離の際の破断面41の位置(各小孔46を結んだ面)を予め特定することができるという効果を奏する。 【0073】 なお、管体45に対しても、小孔46に代え、前述した溝44、スリット、薄肉部、段差部等を形成することができ、これらによっても同様の効果を発揮することができる。この場合、溝44等は、管体45の外周面、内周面のいずれに形成してもよい。 【0074】 また、本発明では、管体45を破断可能であれば、管体45に対し、小孔46、溝44等を設けなくてもよいことは、言うまでもない。 【0075】 次に、ガイドワイヤ2および穿刺具組立体1の使用方法の一例について、図10〜図13を参照しつつ説明する。 【0076】 まず、図10に示すように、シリンジ9の先端に穿刺具6のハブ8を装着し、針管7で患者の皮膚10およびその下の血管11を穿刺する。針先71が血管11内に挿入される(血管が確保される)と、血圧により血液が針管7内を逆流(フラッシュバック)し、シリンジ9内へ流入する。シリンジ9内への血液の流入を視認することで、針先71が血管11内に挿入されたことを把握することができる。 【0077】 針先71が血管11内に挿入されたことを確認したら、図11に示すように、針管7の穿刺状態を保持したまま、穿刺具6からシリンジ9を取り外し、次いで、ガイドワイヤ2の先端部を穿刺具6のハブ8内に挿入する。ガイドワイヤ2の先端部は、ハブ8のテーパ面83に案内されて針管7の内腔に導入され、さらにガイドワイヤ2を先端方向へ徐々に進めると、やがてガイドワイヤ2の先端部は、針先71から突出し、血管11内に挿入される。 【0078】 ガイドワイヤ2の先端部が血管11内に挿入されたら、図12に示すように、ガイドワイヤ2の留置状態を保持したまま、穿刺具6を基端方向へ移動し、係合部5がハブ8のテーパ面83に係合したところでその移動を停止する。 【0079】 次いで、図13に示すように、ガイドワイヤ2の第2ワイヤ32側(破断部4より先端側)を手で把持して固定し、第1ワイヤ31側を第2ワイヤ32に対し折り曲げる(または捻る)ことにより、破断部4を破断する。1回の折り曲げ(または捻り)では破断できない場合には、折り曲げ(または捻り)操作を複数回反復する。このとき、折り曲げとねじりを組み合わせて行ってもよい。 【0080】 破断分離されたガイドワイヤ2の第1ワイヤ31側および穿刺具6は、廃棄処分に供される。このとき、針管7の針先71からは、第1ワイヤ31側に残存している破断片42が突出しているため、手指等を針先71で誤刺することが防止される。 【0081】 特に、係合部5がテーパ面83に嵌合して、破断後のガイドワイヤ2の第1ワイヤ31側の部分が基端方向へ戻らないような構成とした場合には、破断片42が基端方向へ押圧されても破断片42が針管7内に没入することが防止されるので、針先71での誤刺をより確実に防止することができ、より安全性が高い。 【0082】 また、破断部4の破断後、破断片42の先端部付近が、かぎ状(異形状)に塑性変形した状態となっている場合(図6に示すかぎ状に変形した部位425を有する場合)には、破断片42が基端方向へ押圧されても破断片42のかぎ状に変形した部位425が針先71に係合して、破断片42が針管7内へ没入することが防止されるので、針先71での誤刺をより確実に防止することができより安全性が高い。 【0083】 以上のようにして破断部4の破断分離が終了したら、生体に留置されているガイドワイヤ2の第2ワイヤ32の基端部側から、図示しないダイレータまたはシースを挿入し、これらの器具の先端部を第2ワイヤ32に沿って血管11内に挿入する。 【0084】 本発明のガイドワイヤおよび穿刺具組立体は、例えば、高カロリー輸液療法や圧力モニタリングなどを目的としてセルジンガー法でガイドワイヤを生体内に導入する際のガイドワイヤイントロデューサー、CVカテーテルキットに含まれるガイドワイヤイントロデューサー等に適用することができる。 【0085】 以上、本発明のガイドワイヤおよび穿刺具組立体を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、ガイドワイヤおよび穿刺具組立体を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。 【0086】 また、本発明のガイドワイヤおよび穿刺具組立体の用途や使用方法は、上述したものに限られない。 【図面の簡単な説明】 【0087】 【図1】本発明の穿刺具組立体の実施形態を示す部分縦断面図である。 【図2】本願発明におけるガイドワイヤの基端部の他の構成例を示す部分縦断面図である。 【図3】本願発明におけるガイドワイヤの基端部の他の構成例を示す部分縦断面図である。 【図4】本発明のガイドワイヤにおける破断部付近(破断前)の構成例を示す側面図である。 【図5】本発明のガイドワイヤにおける破断部付近(破断操作時)の構成例を示す側面図である。 【図6】本発明のガイドワイヤにおける破断部の破断後の構成例を示す部分縦断面図である。 【図7】本発明のガイドワイヤにおける破断部の他の構成例を示す側面図である。 【図8】本発明のガイドワイヤにおける破断部の他の構成例を示す縦断面図である。 【図9】本発明のガイドワイヤにおける破断部の他の構成例を示す縦断面図である。 【図10】本発明のガイドワイヤおよび穿刺具組立体の使用方法の一例を示す図である。 【図11】本発明のガイドワイヤおよび穿刺具組立体の使用方法の一例を示す図である。 【図12】本発明のガイドワイヤおよび穿刺具組立体の使用方法の一例を示す図である。 【図13】本発明のガイドワイヤおよび穿刺具組立体の使用方法の一例を示す図である。 【符号の説明】 【0088】 1 穿刺具組立体 2 ガイドワイヤ 3 ワイヤ本体 31 第1ワイヤ 32 第2ワイヤ 33 芯材 34 被覆層 4 破断部 41 破断面 42、43 破断片 425 かぎ状に変形した部位(異形状の部位) 44 溝(切欠き) 45 管体 46 小孔 5 係合部 6 穿刺具 7 針管 71 針先 8 ハブ 81 フランジ 82 針管固定部 83 テーパ面 9 シリンジ 10 皮膚 11 血管
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| 【出願人】 |
【識別番号】000109543 【氏名又は名称】テルモ株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年7月25日(2006.7.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100091292 【弁理士】 【氏名又は名称】増田 達哉
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| 【公開番号】 |
特開2008−23253(P2008−23253A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月7日(2008.2.7) |
| 【出願番号】 |
特願2006−202279(P2006−202279) |
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