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【発明の名称】 医療用点滴筒照明装置
【発明者】 【氏名】長島 誠

【氏名】由岐 友弘

【氏名】渡辺 進

【要約】 【課題】輝度の高い光源を用い、瞳孔が開いた暗闇の作業中でも操作者に危険をおよぼさない点滴筒の照明装置を提供する。

【構成】点滴筒2に挾着し、点滴筒2の軸線3と直交して対峙するとともに、互いに向き合った方向に弾性力が附与された1対の把持片5、6からなる点滴筒挾着体7と、一方の把持片6に設けられ、対峙する把持片5、6同士の対向面5a、6aの法線を光軸10とし、それを点滴筒2の軸線3とほぼ直交させて、他方の把持片5に向けて光線を放射する発光体11と、発光体11と同じ把持片6における発光体11の前方に設けられ、その発光体11の光軸10が通る中心部12を直進性とし、外側周辺部を散乱性とした分光体14と、発光体11の光線放射方向の把持片5に設けられ、分光体14の直進部を通過した光線を乱反射する偏光面17と、前記発光体11を点灯する電源を備えてなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
注射用医薬品を所要時間あたり一定量で輸注する点滴筒に挾着し、前記点滴筒の軸線と直交して対峙するとともに、互いに向き合った方向に弾性力が附与された1対の把持片からなる点滴筒挾着体と、
点滴筒挾着体における一方の把持片に設けられ、1対をなして対峙する把持片同士の対向面の法線をほぼ合致させるとともに、その法線を光軸とし、それを点滴筒の軸線とほぼ直交させて、他方の把持片における対向面に向けて光線を放射する発光体と、
発光体と同じ把持片における発光体投光方向の前方に設けられ、その発光体の光軸が通る中心部の透光性を直進性とし、その中心部より外側周辺部の透光性を散乱性とした分光体と、
発光体を設けた把持片に対峙する他方の把持片に設けられ、その把持片において発光体の光軸と直交する把持片対向面において、発光体が投光し、かつ分光体の直進性中心部を通過した光線を乱反射する偏光面と、
前記発光体を点灯する電源と、
を備えてなることを特徴とする医療用点滴筒照明装置。
【請求項2】
点滴筒挾着体が、高反射性合成樹脂材で成型されている請求項1記載の医療用点滴筒照明装置。
【請求項3】
合成樹脂材が抗菌性である請求項2記載の医療用点滴筒照明装置。
【請求項4】
発光体が、発光ダイオードである請求項1〜3いずれかに記載の医療用点滴筒照明装置。
【請求項5】
分光体が、軸線方向一端に、直進性透光部と散乱性透光部を備えた、透明合成樹脂製の円筒体でなる請求項1〜4いずれかに記載の医療用点滴筒照明装置。
【請求項6】
偏向面が、分光体の直進性透光部の投影形に対応した形状である請求項1〜5いずれかに記載の医療用点滴筒照明装置。
【請求項7】
偏向面が、その偏向面が設けられる把持片の内面全面にある請求項1〜6いずれかに記載の医療用点滴筒照明装置。
【請求項8】
発光体を備えた把持片の内面が、一部もしくは全面を、光乱反射性の偏光面としてある請求項1〜7いずれかに記載の医療用点滴筒照明装置。
【請求項9】
電源が、前記注射用医薬品を所要時間あたり一定量に応じた、時間あたりの薬品点滴数に対応した時間間隔で、発光手段を点滅駆動する請求項1〜8いずれかに記載の医療用点滴筒照明装置。
【請求項10】
発光手段の点滅時間間隔に応じて、記号または形状もしくは色による標識を定め、その標識を点滴筒挾着体に附設してある請求項9記載の医療用点滴筒照明装置。
【請求項11】
色による標識が、発光体の発光色である請求項10記載の医療用点滴筒照明装置。
【請求項12】
電源が、電気二重層コンデンサを備えた、急速充電可能な直流電源である請求項1〜11いずれかに記載の医療用点滴筒照明装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、信頼性の高い作業を要求されて、医薬品を静脈へ輸注する医療用点滴装置における点滴筒照明装置に関する。
【技術背景】
【0002】
医療分野における点滴装置は、使用頻度が高く、かつどの様な状況にあっても、熟練した看護師により、適正な設定の基に、適正に使用されなければならない、医療用の重要な器具である。
【0003】
このように、使用頻度の高い点滴装置は、大量に提供されて簡便に利用されるため、使用操作手順も簡潔でなければならないとともに、再利用しないため、安価に提供されることが望ましい。
【0004】
以上のことから、従来の点滴装置による薬液の定量輸液の設定は、目視観察により調節されるものが、数多く提供されている。
【0005】
特許文献1には、薬液の定量輸液の設定を、電子的かつ自動的に行う装置が開示され、点滴の薬滴の落下間隔を測定するために、点滴筒の側方から光線を照射する例が、図1に開示されている。
【0006】
特許文献2には、夜間において、点滴の薬滴の落下間隔を調節するために、点滴筒の下方から光線を照射するものが、図3に開示されている。
【0007】
特許文献3には、夜間において、点滴の薬滴の落下間隔を調節するために、点滴筒の下方側方から光線を照射する図が開示されている。
【0008】
【特許文献1】 特開2002−191692号公報
【特許文献2】 特開2002−320672号公報
【特許文献3】 特開2003−310753号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献1によるものは、測定装置が複雑化して、高価になると共に、点滴筒への測定装置の設定に時間を要したり、点滴装置を装着して、それを設定する看護師が、消毒処理が不完全な、測定装置に接触して、設定作業を行う手の消毒を不完全する等の課題がある。
【0010】
特許文献2によるものは、点滴筒の軸線に沿って、光線を下方から照射するので、薬液が薬滴に成長する部所の照明を適正に行えないとともに、点滴筒や薬液は透明体であるから、照射した光線のほとんどは通過してしまい、発光体が発光する光線の利用率が低く、乾電池や二次電池による充電電力で長時間照明することが困難で、電源手段を別途用意しなければならない等の課題がある。
【0011】
特許文献3によるものは、点滴筒の軸線と直交する側方から、点滴筒の下端に溜まる薬液面を、発光体の光線が照射するため、薬液が薬滴に成長する部所の照明を適正に行えないとともに、点滴筒や薬液は透明体であるから、照射した光線のほとんどは通過してしまい、照射光線の利用率が低く、乾電池や二次電池による充電電力で長時間照明することが困難で、電源手段を別途用意しなければならない等の課題がある。
【0012】
一方、夜間に点滴を要する環境は、消灯時の病室等で、照明がほとんど無い暗やみに近い状態にあり、点滴装置の設定作業者である看護士の目の瞳孔は、最大限に開いている。
【0013】
このような環境において、従来は懐中電灯を用いて、点滴装置の薬滴の落下数を目視確認すると共に、腕時計を目視して経過時間を計り、所要時間当たり落下数を、所要数になるように調節している。
【0014】
しかし、最近のペン型懐中電灯の光源は、高輝度発光ダイオードが多く採用され、この高輝度発光ダイオードの特性は、放射光線のビーム性(高密度)が高く、瞳孔を最大に開いた状態で目を照射すると、網膜を損傷する危険性がある。
【0015】
特許文献2、3の光源にも高輝度発光ダイオードが使用されることが考えられ、その場合も操作者の危険性はまぬがれない。
【0016】
高輝度発光ダイオードは、光束の光密度が高い、換言すると、単位面積当たり光量が高くて、エネルギー密度の高いビーム性光線を放射する。
【0017】
しかし、駆動電力当たりの放射光線の効率が高いので、微少電力で高量の光線を発光することができ、電池や二次電池による充電電力で長時間照明する光源に適している。
【0018】
本発明は、発光効率の高い光源を用いることを可能とし、かつ作業中に瞳孔が開いた状態にあっても操作者に危険をおよぼすことがない点滴筒用の照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
【0020】
(1) 注射用医薬品を所要時間あたり一定量で輸注する点滴筒に挾着し、前記点滴筒の軸線と直交して対峙するとともに、互いに向き合った方向に弾性力が附与された1対の把持片からなる点滴筒挾着体と、点滴筒挾着体における一方の把持片に設けられ、1対をなして対峙する把持片同士の対向面の法線をほぼ合致させるとともに、その法線を光軸とし、それを点滴筒の軸線とほぼ直交させて、他方の把持片における対向面に向けて光線を放射する発光体と、発光体と同じ把持片における発光体投光方向の前方に設けられ、その発光体の光軸が通る中心部の透光性を直進性とし、その中心部より外側周辺部の透光性を散乱性とした分光体と、発光体を設けた把持片に対峙する他方の把持片に設けられ、その把持片において発光体の光軸と直交する把持片対向面において、発光体が投光し、かつ分光体の直進性中心部を通過した光線を乱反射する偏光面と、前記発光体を点灯する電源とを備えることにより。
【0021】
(2) 上記(1)項において、点滴筒挾着体が、高反射性合成樹脂材で成型されている。
【0022】
(3) 上記(1)または(2)項において、合成樹脂材が抗菌性である。
【0023】
(4) 上記(1)〜(3)項のいずれかにおいて、発光体が、発光ダイオードである。
【0024】
(5) 上記(1)〜(4)項のいずれかにおいて、分光体が、軸線方向一端に、直進性透光部と散乱性透光部を備えた、透明合成樹脂製の円筒体でなる。
【0025】
(6) 上記(1)〜(5)項のいずれかにおいて、偏向面が、分光体の直進性透光部の投影形に対応した形状である。
【0026】
(7) 上記(1)〜(6)項のいずれかにおいて、偏向面が、その偏向面が設けられる把持片の内面全面にある。
【0027】
(8) 上記(1)〜(7)項のいずれかにおいて、発光体を備えた把持片の内面が、一部もしくは全面を、光乱反射性の偏光面としてある。
【0028】
(9) 上記(1)〜(8)項のいずれかにおいて、電源が、前記注射用医薬品を所要時間あたり一定量に応じた、時間あたりの薬品点滴数に対応した時間間隔で、発光手段を点滅駆動する。
【0029】
(10) 上記(1)〜(9)項のいずれかにおいて、発光手段の点滅時間間隔に応じて、記号または形状もしくは色による標識を定め、その標識を点滴筒挾着体に附設してある
【0030】
(11) 上記(10)項において、色による標識が、発光体の発光色である。
【0031】
(12) 上記(1)〜(11)項のいずれかにおいて、 電源が、電気二重層コンデンサを備えている。
【発明の効果】
【0032】
本発明によると、次のような効果が奏せられる。
【0033】
(a)請求項1の発明によれば、点滴筒の軸線と直交する筒の横から、高輝度のビーム性発光体の放射光線を放射して、点滴筒の筒璧の両側から、不規則性散乱光線にして、点滴筒を照明するため、暗闇で作業する点滴処置看護士の瞳孔の開いた状態でも、その看護師に、目の網膜を損傷するような高輝度の光線を照射する怖れがない。
【0034】
(b)請求項2の発明によれば、対向する把持片同士を高反射率の合成樹材とすることにより、点滴筒内を照明する光線が増して、光量の小さな発光体を利用し、電源の維持時間を増して、長時間の照明を可能とする。
【0035】
(c)請求項3の発明によれば、繰り返し利用するため、清潔性を維持することができる。
【0036】
(d)請求項4の発明によれば、高ビーム性であるが、高い発光率の発光体を構成でき、低い電力で高輝度が得られるため、明るさの割に、消費電力を少なくして、長時間照明できる点滴筒照明装置を提供できる。
【0037】
(e)請求項5の発明によれば、発光体が放射する高ビーム性の光線の束を、中心部と周辺部に、簡単に別けることができる。
【0038】
(f)請求項6の発明によれば、分光体を直進する中心部分の光線のみをランダム方向に散乱させ、他の部分は、互いの把持片を対向させた向きに反射させ、把持片内側の光線量を増すことができる。
【0039】
(g)請求項7の発明によれば、分光体を直進する中心部分の大きさに関わりなく、他方の把持片側から放射してくる光線を、散乱させることができる。
【0040】
(h)請求項8の発明によれば、互いの把持片の対向面を光散乱性にして、できるだけ周辺に光線を散乱させることができる。
【0041】
(i)請求項9の発明によれば、暗闇で作業する点滴処置看護士は、時計を視ることなく、適正な点滴時間間隔を設定できる。
【0042】
(j)請求項10の発明によれば、点滴筒照明装置に点滴時間間隔に対応した標識が附設してあるので、間違った設定を行う怖れがない。
【0043】
(k)請求項11の発明によれば、処置する暗い部屋の中でも、点滴時間間隔に対応した標識を、照明用の発光体の色で認識するので、用意する段階と処置する段階で確認することができる。
【0044】
(l)請求項12の発明によれば、急速充電ができるとともに、繰り返し充電回数を多くすることができるので、電源スイッチを不用とし、点滴筒照明装置を安価に提供することができ、かつ部品点数を減らして、故障率を低下させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
以下、本発明を添付図面に基づいて説明する。
【0046】
図1〜図6は、本発明に係る医療用点滴筒照明装置の一実施例を示すものである。
【0047】
図1は、本発明の点滴筒照明装置(1)を、点滴筒(2)に挾着した状態の斜視図を示し、図2は、図1におけるII−II線横断面図である。
【0048】
図1に示す如く、点滴照明装置(1)は、注射用医薬品を所要時間当たり一定量で輸注するための点滴筒(2)における軸線(3)(円筒軸の中心線で薬滴が落下する通り道)に対して直交して、その点滴筒(2)の胴体(2a)のほぼ中央部に挾着して使用される。
【0049】
この点滴照明装置(1)は、前記点滴筒(2)の軸線(3)と直交して対峙するとともに、互いに向き合った方向に、捩りバネ(4)による弾性力が附与された1対の把持片(5)(6)からなる点滴筒挾着体(7)を備えている。
【0050】
点滴筒挾着体(7)における一対の把持片(5)(6)は、交叉部分が蝶番(8)を形成して、対向する把持片(5)(6)同士が、互いに近接離間しうるようになっており、捩りバネ(4)は、把持片(5)(6)同士を、互いに近接する方向に弾性力を附与してある。
【0051】
その点滴筒挾着体(7)一方の把持片(5)における蝶番(8)より外側は、若干突出して抓み片(9)を形成し、その抓み片(9)と他方の把持片(6)を抓むことにより、互いに対向する把持片(5)(6)の部分を開閉して、点滴筒(2)の胴体(2a)に挾着することができる。
【0052】
また、点滴筒挾着体(7)における一方の把持片(6)には、1対をなして対峙する把持片(5)(6)同士の対向面(5a)(6a)中央の法線を、ほぼ合致させるとともに、その法線を光軸(10)とし、それを点滴筒(2)の軸線(3)とほぼ直交させて、他方の把持片(5)における対向面(6a)に向けて光線を放射するようにした、発光体(11)が設けてある。
【0053】
発光体(11)と同じ把持片(6)における発光体(11)投光方向の前方には、その発光体(11)の光軸(10)が通る中心部(12)の透光性を直進性とし、その中心部(12)より外側周辺部(13)の透光性を散乱性とした分光体(14)が設けられている。
【0054】
図3は、分光体(14)のみを示す拡大図で、(a)は発光体(11)の反対側となり、点滴筒(2)の胴体(2a)に近接する側となる正面図を示し、(b)は分光体(14)の中央縦断側右面図を示す。
【0055】
分光体(14)は、図示の如く、全体は透明な合成樹脂により充実しており、正面中心部(12)には、表面を平らとして、通過する光を直進させる円形の光直進窓(15)が設けられ、その光直進窓(15)の周辺には、正面の表面を三角形に凹凸させ、そこを通過する光を折曲させて、そこで折曲された光線のいずれかは、点滴筒(2)の胴体(2a)の厚み方向に対して、臨界角度を超える入射角度をもて、発光体(11)の光線を放射する、光散乱窓(16)が設けられている。
【0056】
なお、光直進窓(15)の部分は、通過する光線になんの影響も与えないことから、その光直進窓(15)を通る部分の透明合成樹脂は不用であり、もって、分光体(14)の中央部を中空とした円筒状のものと置きかえることができる。
【0057】
発光体(11)を設けた把持片(6)に対峙する他方の把持片(5)には、その把持片(5)において発光体(11)の光軸(8)と直交する把持片(6)の対向面(5a)において、発光体(11)が投光し、かつ分光体(14)の直進性中心部(12)の光直進窓(15)を通過した光線を、乱反射する偏光面(17)を設け、その偏光面(17)で乱反射された光線のいずれかは、点滴筒(2)の胴体(2a)の厚み方向に対して、臨界角度を超える入射角度をもて入射する。
【0058】
図4は、図2に示すIV−IV線で断面視した、偏光面(17)を備えた把持片(5)を示すもので、(a)は対向面(5a)を正面に示し、(b)は、(a)における中央縦断右側面図を示すものである。
【0059】
図4の(a)に示す如く、偏光面(17)は、光直進窓(15)を通過する光線の分布に順った円形をなしているが、通過する光線の分布形状より大きくともよく、また、把持片(5)の対向面(5a)全ての面であっても良い。また、その偏光面(17)から乱反射される光線を反射する乱反射面を、それと対向する把持片(6)の対向面(6a)全面に設けることもある。
【0060】
発光体(11)は、把持片(6)の外側を膨出して、その膨出部(18)の中に内蔵した電子回路基板(19)に取り付けられている。
【0061】
電子回路基板(19)には、発光体(11)を点灯させる電源(20)が設けられている。電源(20)は、一次電池、二次電池、および大容量コンデンサのいずれでもよい。なお、実施例においては、電気二重層コンデンサ(21)を備えた、急速充電型直流電源を採用している。
【0062】
図5は、図2に示すV−V線で断面視した、把持片(6)の対向面(6a)を示すもので、電気回路基板(19)には、+−充電用の接続端子(22)(23)が設けられている。
【0063】
図6は、電気回路基板(19)における電源(20)の動作を示すタイムチャートである。
【0064】
電源(20)は、電気二重層コンデンサ(21)が、所定の電圧まで充電されていると、オン・オフ動作するように設定されている。
【0065】
そのオン・オフ動作において、発光体(11)の点灯時間(T1)は長く、消灯時間(T2)は極短く、消灯時間(T2)の時間間隔は、薬滴(24)の落下時間間隔すなわち点滴時間間隔(T3)となるように定めてある。
【0066】
この際、消灯時間(T2)は目の残像時間より若干長く設定し、目視的には、目の中心視野で発光体(11)の点滅を観測したとき、消灯時のちらつきが算えられるのが適当である。
【0067】
消灯時間(T2)をあまり長くすると、点滴時間間隔(T3)の計測の誤差が増すので好ましくない。
【0068】
この点滴時間間隔(T3)は、1台について特定のものに固定し、それぞれの点滴時間間隔(T3)に応じて、型式番号等の記号、または丸、四角、三角等の形状、もしくは赤、青、緑などの色による標識を定め、その標識を点滴筒挾着体(7)のいずれかの個所に、印刷やシール等により、附設するのがよい。その際、滴時間間隔(T3)を色相と対応させた場合、点滴筒挾着体(7)を作る合成樹脂材の色を、それに対応させておくこともできる。なお、その合成樹脂材は、抗菌性にするのが好ましい。
【0069】
また、発光手段(11)には、高輝度の発光ダイオードを使用するので、その発光ダイオードの発光色を点滴時間間隔(T3)に対応させておくこともできる。
【0070】
図7は、点滴筒照明装置(1)の充電装置(25)の斜視図を示すものである。
充電装置(25)は、中央に点滴筒(2)の胴体(2a)とほぼ同径の支柱(26)を立設し、この支柱(26)の側面に、+−の充電電極(27)(28)を埋設した突起(29)を設けてある。
【0071】
充電装置(25)は、通常病院の看護士詰め所(ナースセンター)に適数個用意してあり、100ボルトの商用電源に接続されて、充電電力が供給されるようになっている。
【0072】
点滴筒照明装置(1)は、使用直前に、仮想線図示の如く、充電装置(25)の支柱(26)に挾着されると、挾着片(5)(6)の根元の所において、電子回路基板(19)に接続された接続端子(22)(23)が突起(29)に埋設した充電電極(27)(28)に接触して、点滴筒照明装置(1)と充電装置(25)は電気的に結合される。
【0073】
その後、支柱(26)の上端のスイッチ(30)を押すと、充電装置(25)に内蔵した所要の充電回路から、電気二重層コンデンサ(21)を短時間に急速充電する。
【0074】
この充電作業は、一定時間による定時間タイマー回路、または充電電圧を検出する自働充電回路のどちらでもよい。
【0075】
いずれにしても、充電作業時間は、数十秒から数分程度の短時間で修了し、この時間で充電された電力で、30分から1時間程度発光体(11)たる発光ダイオードを点灯することができる。
【0076】
上述した、本発明に係る点滴筒照明装置(1)の使用時には、図1に示す如く点滴筒(2)に挾着する。
【0077】
点滴筒照明装置(1)における発光体(11)は、図5に示す時間間隔で、充電装置(25)により受電された時点から点滅動作を行っている。
【0078】
なお、点滅を開始するスイッチを設けても良いが、部品点数を増して価格が高くなるとともに、故障率も増加するので、特に設ける必要が無く、また、充電に要する時間が速いので、使用する直前に充電し、その充電電力は、使い切って放電させてしまう。
【0079】
このように、点滴筒照明装置(1)は、点滴筒(2)に挾着する以前から発光体(11)が発光している。
【0080】
しかし、点滴筒(2)を挟んでいなくても、発光体(11)の前方には、散乱性の偏向面(17)が対峙しており、発光体(11)の中心部を通る、高輝度のビーム性光線は、偏光面(17)で四方にランダムに分散されて、輝度が集中した光線ではなくなり、柔らかな光となって、周辺を明るく照明する。
【0081】
発光体(11)から放射される周辺部の光線は、分光体(14)の光散乱窓(16)により、四方にランダムに分散されて、柔らかな光となって、周辺を照明する。
【0082】
点滴筒照明装置(1)は、持ち運ぶ状態でも明るく光っていて、その明かりを利用して、夜間の点滴作業時に、手もとの暗い点滴筒(2)の周辺を照明して、点滴筒(2)へ点滴筒照明装置(1)を、適正な位置へ確実に挾着する。
【0083】
点滴筒照明装置(1)を点滴筒(2)へ装着すると、散乱窓(16)および偏光面(17)で散乱する光線の一部は、光散乱窓(16)および偏光面(17)に密着した点滴筒(2)の胴体(2a)の厚みの中へ、臨界角度を超える入射角度をもて進入し、胴体(2a)における透明体の肉厚による厚みの間を、外に出ることなく反射を繰り返す。
【0084】
点滴筒(2)は、破損したとき細かく破砕しにくい合成樹脂材を利用して、安全性を高めた、若干軟質性を有する合成樹脂を用い、そのような合成樹脂材には、透明度が若干乳白色を呈するものが多く利用されている。
【0085】
この若干乳白色を呈する点滴筒(2)の胴体(2a)の厚みの間に光線が進入すると、胴体(2a)の全体が、それの壁面が明るく輝いて見える。
【0086】
このように、発光体(11)が放射する、ビーム性の強い放射光線は、分光体(14)の光散乱窓(16)や偏光面(17)においてランダム方向に分散させられるとともに、点滴筒(2)の胴体(2a)においては、若干乳白色のをなす成分に反射して、点滴筒(2)の胴体(2a)を光らせる。
【0087】
もって、点滴筒(2)の上端における薬滴(24)を大きくして、落下させる状態を明瞭に照明するとともに、点滴筒(2)の下端における薬液溜まりの液面(31)を、上方から照明して、点滴筒(2)内における薬液落下の点滴状況が明瞭に観察することができる。
【0088】
この際、発光体(11)は、点滅動作を行っており、この点滅動作のリズム感と、薬液の落下間隔のリズムを合わせるように、点滴調節手段(図示略)を操作することにより、点滴筒(2)における薬滴(24)の落下時間間隔を、予め点滴筒照明装置(1)の電源(20)に設定した点滴時間間隔(T3)に整合させることができる。
【0089】
上記点滴照明装置(1)は、発光体(11)を発光させたまま、点滴筒(2)に挾着して使用するので、点滴用の薬液が切れて点滴が終了するのを目視確認でき、点滴を受ける患者は、安心して処置を受けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】 本発明に係る点滴筒照明装置の一実施例を示す、点滴筒に挾着した状態の斜視図である。
【図2】 図1におけるII−II線横断面図である。
【図3】 図1に示す分光体のみを示す拡大図で、(a)は正面図、(b)は中央縦断側右面図である。
【図4】 (a)は、図2における把持片のIV−IV線断面、(b)は、(a)における中央縦断右側面図である。
【図5】 図2に示す把持片のV−V線断面図である。
【図6】発光体を駆動する電源(20)の動作を示すタイムチャートである。
【図7】 本発明に係る点滴筒照明装置の電源を充電する充電装置の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0091】
(1) 点滴筒照明装置
(2) 点滴筒
(2a) 胴体
(3) 軸線
(4) 捩りバネ
(5)(6)把持片
(5a)(6a)対向面
(7) 点滴筒挾着体
(8) 蝶番
(9) 抓み片
(10) 軸線
(11) 発光体
(12) 中心部
(13) 外側周辺部
(14) 分光体
(15) 光直進窓
(16) 光散乱窓
(17) 偏光面
(18) 膨出部
(19) 電子回路基板
(20) 電源
(21) 電気二重層コンデンサ
(22)(23)接続端子
(24) 薬滴
(25) 充電装置
(26) 支柱
(27)(28)充電電極
(29) 突起
(30) スイッチ
(T1) 点灯時間
(T2) 消灯時間
(T3) 点滴時間間隔
【出願人】 【識別番号】501472939
【氏名又は名称】渡辺 進
【識別番号】506243714
【氏名又は名称】長島 誠
【識別番号】506243736
【氏名又は名称】由岐 友弘
【出願日】 平成18年6月20日(2006.6.20)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−557(P2008−557A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−194858(P2006−194858)