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【発明の名称】 安全針組立体
【発明者】 【氏名】比恵島 徳寛

【氏名】鈴木 賢

【氏名】平岡 裕規

【要約】 【課題】小型に製造することができる安全針組立体を提供する。

【構成】安全針組立体1は、湾曲部2aを有する針2と、該針の末端部2bが連結されて該針を保持するハブ3と、上記針の先端部分を突出させた使用位置Aと針の針先2cを収容した使用済位置Bとに移動される固定部材5と、可撓性を有するチューブ体7とを備えている。上記チューブ体はその長手方向に沿う切断部7aを有しており、上記固定部材が使用位置に位置している際には、上記チューブ体の中央部分は上記針を内部に収容することのない外側位置に位置している。この状態で針の先端部分を生体に穿刺することができる。上記固定部材を使用済位置に位置させると、上記チューブ体の中央部分は上記切断部を介して針をその内部に収容するようになるので、針刺し事故を防止することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
湾曲部を有する針と、該針の末端部が連結されて該針を保持するハブと、上記針の先端部分を突出させた使用位置と針の針先を収容した使用済位置とに移動される固定部材と、可撓性を有するチューブ体とを備え、上記固定部材を使用済位置に位置させた際に、上記針を上記チューブ体の内部に収容するようにした安全針組立体において、
上記チューブ体はその長手方向に沿う切断部を有しており、上記固定部材が使用位置に位置している際には、上記チューブ体の中央部分は上記針を内部に収容することのない外側位置に位置しており、上記固定部材が使用済位置に位置された際に、上記チューブ体の中央部分は上記切断部を介して針をその内部に収容することを特徴とする安全針組立体。
【請求項2】
上記チューブ体の一端は固定部材に連結され、上記チューブ体の他端は、ハブの所要位置に設けたガイド孔を摺動自在に貫通しており、上記固定部材が使用位置に位置している際には、上記チューブ体の他端を含む中央部分が上記ガイド孔から突出して上記外側位置に位置しており、上記固定部材が使用済位置に移動された際には、固定部材の使用済位置への移動に伴ってチューブ体の中央部分がガイド孔内に引き込まれて、上記切断部を介して針をその内部に収容することを特徴とする請求項1に記載の安全針組立体。
【請求項3】
上記ガイド孔は略C字状に形成して、針の湾曲部よりも先端部分における針の軸線を囲む位置に、かつ該ガイド孔の両端部が針の基端部側に向くように形成してあり、
上記ガイド孔の両端部にチューブ体の両切断部が位置するように該チューブ体をガイド孔に貫通させて、ガイド孔における両端部によってチューブ体の両切断部を相互に離隔させるとともに、針の基端部から伸びる屈曲部を、その離隔されたチューブ体の両切断部を介してチューブ体内に進入させ、上記固定部材が使用済位置に移動される際に、針の屈曲部の外側から先端部分に向けてチューブ体を針に被せてその内部に収容することを特徴とする請求項2に記載の安全針組立体。
【請求項4】
上記チューブ体の一端はハブに連結され、上記チューブ体の他端は、固定部材の所要位置に設けたガイド孔を摺動自在に貫通しており、上記固定部材が使用位置に位置している際には、上記チューブ体の他端を含む中央部分が上記ガイド孔から突出して上記外側位置に位置しており、上記固定部材が使用済位置に移動された際には、固定部材の使用済位置への移動に伴ってチューブ体の中央部分がガイド孔内に引き込まれて、上記切断部を介して針をその内部に収容することを特徴とする請求項1に記載の安全針組立体。
【請求項5】
上記固定部材にハブ側に向けて筒状部が設けられて、上記針の先端部分はこの筒状部内を貫通するようになっており、上記ガイド孔は上記筒状部に形成されて該筒状部の円周方向に沿って針の先端部分を囲むように形成してあり、このガイド孔の両端部にチューブ体の両切断部が位置するように該チューブ体をガイド孔に貫通させて、ガイド孔における両端部によってチューブ体の両切断部を相互に離隔させ、上記固定部材が使用済位置に移動される際に、針の屈曲部の外側から先端部分に向けてチューブ体を針に被せてその内部に収容することを特徴とする請求項4に記載の安全針組立体。
【請求項6】
上記ガイド孔は両端部を備えており、このガイド孔の両端部にチューブ体の両切断部が位置するように該チューブ体をガイド孔に貫通させて、ガイド孔における両端部によってチューブ体の両切断部を相互に離隔させたことを特徴とする請求項2又は請求項4に記載の安全針組立体。
【請求項7】
上記ガイド孔から突出して上記外側位置に位置しているチューブ体の他端に、上記ガイド孔を通過できない大きさの抜け止め部を設けてあり、上記固定部材が使用済位置に移動された際には上記抜け止め部がガイド孔に近接した位置に位置して、チューブ体が固定部材とハブとの間で張設された状態となることを特徴とする請求項2ないし請求項6のいずれかに記載の安全針組立体。
【請求項8】
上記チューブ体の一端はハブに、他端は固定部材にそれぞれ連結され、上記固定部材が使用位置に位置している際には、上記チューブ体の中央部分は上記外側位置で湾曲しており、上記固定部材が使用済位置に移動された際には、該チューブ体は針に沿って伸張されて、上記切断部を介して針をその内部に収容することを特徴とする請求項1に記載の安全針組立体。
【請求項9】
上記ハブの両側にそれぞれ把持部が設けられるとともに、この把持部の一端部と固定部材とに相互に係合可能な係合部が設けられ、これら係合部は相互に係合して固定部材を上記使用位置に保持し、また両把持部の他端部は相互に向き合っており、両把持部の他端部を相互に近接する方向に押圧した際に、上記両係合部の係合が解除されることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の安全針組立体。
【請求項10】
上記固定部材は、上記針の先端部分が貫通するのを許容する針通路と、この針通路を閉鎖する閉鎖手段とを備えており、
上記閉鎖手段は、上記固定部材が使用位置に位置している際には針の先端部分の通過を許容しており、固定部材が使用済位置に位置されて針の針先が閉鎖手段を越えて移動された際に上記針通路を閉鎖して、針先が再び固定部材から突出するのを阻止することを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の安全針組立体。
【請求項11】
上記閉鎖手段は、上記針通路に交差させて固定部材に形成した通路と、この通路に沿って移動可能に設けたシャッターと、このシャッターを上記針通路を閉鎖する位置に吸引移動させる吸引部材とを備え、上記シャッターと吸引部材とのいずれか一方が磁性体、他方が永久磁石から構成されており、
上記シャッターは、固定部材が使用位置に位置して針の先端部分が針通路を貫通している状態では吸引部材によって針の外周面に当接した状態に保持され、固定部材が使用済位置に位置されて針の針先がシャッターを超えて移動された際には、吸引部材によって移動されて針通路を閉鎖することを特徴とする請求項10に記載の安全針組立体。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、湾曲部を有する針を用いた安全針組立体に関し、より詳しくは、使用後に針の先端部分を抜去した際に、針の先端部分を覆うことが可能である、針刺し事故防止のための安全機構を備えた安全針組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
医療用の針において、例えば皮下埋め込み型カテーテルアクセスポートに穿刺する針には、一般の注射針ではなく、ポートのセプタム刺通時にコアリングを起こさないような刃面を穿刺方向に対して垂直とする形状のフーバー針が一般的に用いられる。中でも、針の途中で90°曲がった湾曲部を有し、水平方向に平行な翼を付加したものが持続投与などの用途に用いられている。
このような水平方向に平行な翼を有するフーバー針組立体を含め、針組立体においては、穿刺される針について、医療従事者および患者本人が不注意で使用後の針を刺してしまうことが問題とされている。また、保護がされていない使用済みの鋭い針で皮膚を単に引掻くだけで、感染症が発症する可能性が十分にあるということが認識されている。米国では「Needlestick Safety and Prevention Act 針刺し事故防止法」が制定されていることもあり、安全タイプの針組立体、特に安全フーバー針組立体が必要とされている。
【0003】
上記のような問題を防止するため、安全針組立体としては、略90°の湾曲部を有する針と、該針の末端部が連結されて該針を保持するハブと、該ハブに離脱可能に取り付けた固定部材と、可撓性を有する蛇腹状のチューブ体とを備えたものが知られている(特許文献1)。
上記蛇腹状のチューブ体は、一端が固定部材に取り付けられるとともに、他端がハブに取り付けられており、このチューブ体の軸部に針を貫通させてある。
上記固定部材は、針の先端部分を突出させた使用位置と、針の針先を収容した使用済位置とに移動可能となっており、固定部材を使用位置に位置させた際には、上記蛇腹状のチューブ体は固定部材とハブとの間で短く圧縮されて針の先端部分が固定部材から突出するのを許容するようになっている。この状態で、針の先端部分を生体に穿刺するとともに、固定部分を生体の皮膚などに固定して使用されるようになる。
使用後には、固定部分を生体の皮膚などに固定した状態で針の先端部分を生体から抜去することにより、相対的に固定部材を針の針先を収容した使用済位置に移動させることができる。この使用済位置では、上記蛇腹状のチューブ体は固定部材とハブとの間で長く引き伸ばされて針の先端部分を内部に収容するので、針刺し事故を防止することができる。
【特許文献1】特開2004−195227号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記蛇腹状のチューブ体は、固定部材を使用位置に位置させた際には、固定部材とハブとの間で短く圧縮されることになるが、圧縮された状態でも固定部材とハブとの間にそれなりの収容スペースが必要となるので、針組立体の小型化を図ることが困難であった。
本発明はかかる事情に鑑み、蛇腹状のチューブ体を用いる必要性をなくして小型に製造することができる安全針組立体を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち請求項1の発明は、湾曲部を有する針と、該針の末端部が連結されて該針を保持するハブと、上記針の先端部分を突出させた使用位置と針の針先を収容した使用済位置とに移動される固定部材と、可撓性を有するチューブ体とを備え、上記固定部材を使用済位置に位置させた際に、上記針を上記チューブ体の内部に収容するようにした安全針組立体において、
上記チューブ体はその長手方向に沿う切断部を有しており、上記固定部材が使用位置に位置している際には、上記チューブ体の中央部分は上記針を内部に収容することのない外側位置に位置しており、上記固定部材が使用済位置に位置された際に、上記チューブ体の中央部分は上記切断部を介して針をその内部に収容することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、上記固定部材が使用位置に位置している際には、上記チューブ体はその長手方向に沿う切断部を有しているので、該チューブ体の中央部分は上記針を内部に収容することのない外側位置に位置することができるようになる。したがって使用位置に位置している固定部材とハブとの間にチューブ体を収容するスペースを確保する必要がないので、針組立体を小型に製造することができる。
そして上記固定部材が使用済位置に位置された際には、上記チューブ体の中央部分は上記切断部を介して針をその内部に収容することができるので、針刺し事故を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下図示実施例について本発明を説明すると、図1(a)〜図2(b)において、安全針組立体1は、略90°の湾曲部2aを有する中空の針2と、この針2の基端部2bを保持するハブ3と、このハブ3の両側に設けた把持部4(図2(b)参照)と、生体の皮膚などに固定される固定部材5とを備えている。
上記針2の湾曲部2aは、先端に形成された針先2cと上記基端部2bとの間に形成されており、基端部2bが生体の設置面に対して略水平となる上記ハブ3に装着され、湾曲部2aによって針先2cが下向きとなっている。そして薬剤等を搬送する管6の端部がハブ3に接続され、上記中空の針2は管6内に連通している。この管6は、薬剤等の搬送に差し支えることがなく、可撓性を有するものであれば、特に材料が限定されるものではない。
【0008】
また図示実施例においては、上記針2として、刃面を穿刺方向に対して垂直とする形状のフーバー針を用いているが、湾曲部を有する針であれば、開口が針の前部先端にある針を用いることもできる。さらに、上記湾曲部2aの湾曲は略90°となっているが、特に略90°に限定されるものではない。しかしながら把持部4を指で挟み持ち、上から押しつけるだけで生体に針2を刺すことが可能であり、しかも管6が設置面と水平方向に延びて管6の配置も容易となるので、湾曲部2aの湾曲は略90°であることが好ましい。
【0009】
上記固定部材5は、ハブ3の底部に把持部4を介して着脱可能に取り付けられている。すなわち本実施例においては、ハブ3の両側に設けた平板状の各把持部4はそれぞれハブ3に図示しないヒンジを介して、上記基端部2bの軸方向と平行な回転軸を中心として揺動自在に取り付けられている。
そして各把持部4の内側下部には突状の係合部4aがそれぞれ形成され、また固定部材5の両側には上記突状の係合部4aに係合する凹状の係合部5a(図2(b)参照)がそれぞれ形成されている。各係合部4a、5aは、係合部4aが凹状で、把持部5aが突状であっても良く、双方ともに凸状となっていいても良い。
上記把持部4の係合部4aと固定部材5の係合部5aとは、固定部材5をハブ3の底部に当接させた状態、すなわち固定部材5を使用位置Aに位置させた状態で係合可能となっており、かつその係合状態を維持するために、ハブ3と各把持部4の内側上部との間に、図示しないバネを弾装している。
【0010】
上記把持部4の係合部4aと固定部材5の係合部5aとは、通常は相互に係合して固定部材5をハブ3の底部に当接させた使用位置Aに保持しているが、固定部材5に対してハブ3を離脱させる際には、互いに向き合っている両把持部4の上部を図示しないバネに抗して相互に近接する方向に押圧移動させればよい。
これにより両係合部4a、5aの係合を解除させることができるので、この状態で固定部材5に対して把持部4を把持したままハブ3を引き上げれば、固定部材5に対してハブ3を上方に移動させて針2を生体から引き抜くことができる。
なお、上記各把持部4は必ずしもヒンジを介してハブ3に取り付ける必要はなく、例えば把持部4とハブ3とをヒンジの部分を介して相互に一体に設けてもよい。この場合には、相互に一体となった上記ヒンジの部分を弾性変形させて上記係合部4a、5aを係合させ、或いはその係合を解除させるようにすればよい。
【0011】
上記固定部材5は、上記針2の先端部分を貫通させる針通路5bを備えており、この固定部材5は、上記ハブ3の底部に当接した上述の使用位置A(図1(a)、図2(a)参照)と、上記針通路5b内に針2の針先2cを収容した使用済位置B(図1(b)、図2(b)参照)とに移動可能となっている。
また上記固定部材5には、その上面にハブ側に向けて筒状部5cが設けられており、この筒状部5cの内部を上記針通路5bの一部としている。この筒状部5cを設けることによって長い針通路5bを確保し、それによって上記固定部材5を使用済位置Bに位置させた際に、針先2cが針通路5bから離脱してしまうのを防止するようにしてある。
そして上記固定部材5を使用済位置Bに移動させた際に、上記針2の湾曲部2aから針先2cに亘る針2の先端部分側を可撓性を有するチューブ体7によって囲繞することができるようにしてある。これにより上記針2の針先端部側については、固定部材5とチューブ体7により、収容されることとなる。
【0012】
上記チューブ体7はその軸方向に沿って切断してあり、その切断部7aを介して針2の一部をチューブ体7の内外に移動させることができるようにしてある。このチューブ体7は、自然状態では、自己の弾性により両切断部7aが相互に近接した状態となるように、すなわち軸方向と直交した方向の切断面が管状断面となるようになっている。
上記チューブ体7の下端部は上記固定部材5に設けた筒状部5cの内面に固定してあり、それによって針2がチューブ体7の下端部の内部を貫通するようにしてある。
上記チューブ体7の上端部は、上記ハブ3に形成した略C字状のガイド孔3aを下方から上方に向けて貫通させている。このとき、C字状のガイド孔3aにおける両端部にチューブ体7の両切断部7aが位置するように貫通させてあり、ガイド孔3aにおける両端部によってチューブ体7の両切断部7aを相互に離隔させて両切断部7a間に間隔を形成させることができるようにしてある。
なおC字状のガイド孔3aとは、厳密にC字形の貫通孔のみに限定されるものではなく、く字形、U字形、馬蹄形など、概ねC字状の形状であればよい。
【0013】
上記ハブ3に形成したC字状のガイド孔3aは、湾曲部2aよりも先端部側における針2の軸線Xを囲む位置に形成してあり、かつ該ガイド孔3aの両端部が針2の基端部2b側に向くように形成してある。これによって、ガイド孔3aの両端部によって拡開されるチューブ体7の両切断部7aも針2の基端部2b側に向くようになり、針2の基端部2bから伸びる屈曲部2aは、その拡開されたチューブ体7の両切断部7aを介してチューブ体7内に進入するようになる。
そして上記固定部材5がハブ3の底部に当接した使用位置Aに位置している状態では、チューブ体7内に進入した屈曲部2aから針先2cに伸びる先端部分は、チューブ体7の先端部と固定部材5の針通路5bとを貫通して、大きく突出した状態となっている。
上記チューブ体7の末端部には、先端部から予め所定の距離となる位置に大径筒状の抜け止め部7bを一体に成形してあり、この抜け止め部7bは上記ガイド孔3aを通過できない大きさに設定してある。本実施例では、抜け止め部7bはチューブ体7と一体に形成されているが、チューブ体7と別の部材で製造してチューブ体7に固定するようにしても良いことは勿論である。
【0014】
上記固定部材5には、その内部に針通路5bを閉鎖する閉鎖手段10を設けてある。この閉鎖手段10は固定部材5がハブ3の底部に当接した使用位置Aに位置している状態では針2の先端部分の通過を許容しているが、固定部材5が使用済位置Bに位置されて針2の針先2cが閉鎖手段10よりも上方に移動された際に上記針通路5bを閉鎖して、針先2cが再び固定部材5よりも下方に突出することがないようになっている。
図示実施例では、閉鎖手段10は、針通路5bに交差させて固定部材5内に形成した通路11と、この通路11に沿って移動可能に設けた磁性体からなるシャッター12と、このシャッター12を、上記針通路5bを閉鎖する位置に吸引保持する永久磁石からなる吸引部材13とを備えている。このとき、シャッター12を永久磁石とし、吸引部材13を磁性体から構成してもよい。
上記シャッター12は常時吸引部材13の磁力による吸引力を受けているが、固定部材5が使用位置Aに位置して針2の先端部が針通路5bを貫通している状態では、針2の外周面に当接した状態に保持されている。そして固定部材5が使用済位置Bに位置されて針2の針先2cがシャッター12よりも上方に移動された際には、吸引部材13の磁力によって吸引されて針通路5bを閉鎖するようになっている。
この状態では、針先2cは再び固定部材5よりも下方に突出することができず、これによって誤穿刺を防止することができる。
【0015】
上述した第1実施例において、固定部材5がハブ3の底部に当接した使用位置Aに位置している状態では、把持部4の係合部4aと固定部材5の係合部5aとが相互に係合して固定部材5を上記使用位置Aに保持している。
この状態では、針2の先端部分は固定部材5から大きく下方に突出しており、またシャッター12は吸引部材13によって吸引されているが針2の先端部外周面に当接して、針通路5bを閉鎖するのが阻害されている。また、上記チューブ体7の抜け止め部7bを含む中央部分はガイド孔3aから大きく上方に突出して、上記針2の先端部分を内部に収容することのない外側位置に位置している。
この状態において上記両把持部4を把持すれば、特に図示しないヒンジよりも下方位置の両把持部4を把持することにより、固定部材5から大きく下方に突出した針2の先端部分を容易に生体に穿刺することができ、その状態で固定部材5を生体の皮膚などに固定すればよい。
【0016】
針2を生体から抜去する際には、上記両把持部4の上端部を把持し、両者を図示しないバネに抗して近接させれば把持部4の係合部4aと固定部材5の係合部5aとの係合を解除することができる。この状態で把持部4ごとハブ3及び針2を引き上げれば針2を生体から抜去することができ、これと同時に固定部材5は針2に対して相対的に針先2c側に移動される。
上記固定部材5が針先2c側に移動されると、固定部材5の筒状部5cに連結されたチューブ体7の中央部分がガイド孔3aを介して下方に引き込まれるようになる。前述したように、針2の屈曲部2aはC字状のガイド孔3aによって拡開されるチューブ体7の両切断部7a内に進入しているので、チューブ体7の中央部分がガイド孔3aを介して下方に引き込まれると、チューブ体7は屈曲部2aの外側から針2の先端部分に向けて被されるようになり、これにより針2の先端部分は順次チューブ体7の中央部分内に上記切断部7aを介して収容されるようになる。
【0017】
上記固定部材5が使用済位置Bとなって針2の針先2cがシャッター12を超えると、該シャッター12は吸引部材13に吸引されて針通路5bを閉鎖し、これによって針2の針先2cが固定部材5から再び下方に突出することが阻止される。
これと同時に、上記チューブ体7の末端部に設けた抜け止め部7bがガイド孔3aに近接した位置となり、これによってチューブ体7はハブ3と固定部材5との間で張設された状態となるので、それ以上ハブ3と固定部材5とを離隔させることができなくなる。
これにより針先2cは針通路5b内に、特に固定部材5の筒状部5c内に保持されるようになり、針先2cがチューブ体7の切断部7aから外部に露出してしまうことが防止できる。
【0018】
図3(a)〜図4(b)は本発明の第2実施例を示したもので、上記実施例がチューブ体7の一端を固定部材5に固定していたのに対し、本実施例ではチューブ体7の一端をハブ3に固定したものである。
すなわち本実施例では、チューブ体7の一端をハブ3に固定する一方、ガイド孔3aは固定部材5の筒状部5cに形成してある。したがって固定部材5が使用位置Aに位置している状態では、すなわち固定部材5の筒状部5cがハブ3に近接している状態では、チューブ体7は、上記ハブ3から筒状部5cに形成したガイド孔3aを摺動可能に貫通して略水平方向に延びている。
そしてこの状態では、ハブ3に連結されたチューブ体7の一端部が針2の基端部2bから湾曲部2aに亘って針2をその内部に収容しており、該チューブ体7の中央部分は上記針2の湾曲部2aから外側に外れて、上記ガイド孔3aを摺動可能に貫通して針2を内部に収容することのない外側位置となっている。換言すれば、針2の湾曲部2aから針先2cに至る先端部分はチューブ体7の外部に露出している。
【0019】
上記筒状部5cに形成したガイド孔3aは、筒状部5cの円周方向に沿って針2の先端部分を囲むように形成してあり、その両端部はハブ4側に向けて斜め上方に向くように形成してある。そして該ガイド孔3aは、固定部材5を使用位置Aに位置させた状態で、ガイド孔3aの両端部が針2の基端部2b側となるよう形成してある。
これによって、ガイド孔3aの両端部によって拡開されるチューブ体7の両切断部7aも針2の基端部2b側に向くようになっている。
その他の構成は第1実施例と同様に構成してあり、同一若しくは相当部分には第1実施例と同一の符号を付して示してある。
【0020】
上述した第2実施例において、固定部材5がハブ3の底部に当接した使用位置Aに位置している状態では、第1実施例と同様に、上記両把持部4を把持することにより、固定部材5から大きく下方に突出した針2の先端部分を容易に生体に穿刺することができる。
そして針2を生体から抜去する際に、上記固定部材5に対してハブ3が引き上げられると、それに伴ってハブ3に連結されたチューブ体7の中央部分がガイド孔3aを介して上方に引き込まれるようになる。このとき、上述したようにガイド孔3aの両端部が針2の基端部2b側となるよう形成してあるので、チューブ体7の両切断部7aも針2の基端部2b側に向くようにガイド孔3a内に引き込まれるようになり、これにより該チューブ体7は屈曲部2aの外側から針2の先端部分に向けて被せられながら、順次チューブ体7の中央部分内に上記切断部7aを介して収容されるようになる。
そして上記固定部材5が使用済位置Bとなれば、シャッター12が吸引部材13に吸引されて針通路5bを閉鎖し、また上記チューブ体7の末端部に設けた抜け止め部7bがガイド孔3aに近接した位置となるので、チューブ体7はハブ3と固定部材5との間で張設された状態となり、それ以上ハブ3と固定部材5とを離隔させることができなくなる。これにより針先2cは針通路5b内に保持されるようになる。
【0021】
図5(a)〜図6(b)は本発明の第3実施例を示したもので、上記実施例がいずれもチューブ体7の一端をハブ3又は固定部材5に固定していたのに対し、本実施例ではチューブ体7の一端をハブ3に、他端を固定部材5にそれぞれ固定したものである。
すなわち本実施例では、チューブ体7の一端をハブ3に固定する一方、チューブ体7の他端は固定部材5の筒状部5cに固定してある。そして固定部材5を使用位置Aに位置させている状態では、チューブ体7の中央部分を針2の基端部2bとは反対側に大きく湾曲させて、針2を内部に収容することのない外側位置に位置させている。この状態では、針2は、ハブ3に固定したチューブ体7の一端部分と筒状部5cに固定したチューブ体7の他端部分のみに収容された状態となっている。
このとき、チューブ体7の中央部分を針2の湾曲部2aから基端部2bとは反対側に大きく湾曲させるために、チューブ体7の切断部7aは針2の基端部2b側に向けて配置してあり、またチューブ体7の長さは針2の長さを考慮して最適な長さに設定してある。
その他の構成は第1実施例と同様に構成してあり、同一若しくは相当部分には第1実施例と同一の符号を付して示してある。
【0022】
上述した第3実施例において、固定部材5がハブ3の底部に当接した使用位置Aに位置している状態では、第1実施例と同様に、上記両把持部4を把持することにより、固定部材5から大きく下方に突出した針2の先端部分を容易に生体に穿刺することができる。
そして針2を生体から抜去する際に、上記固定部材5に対してハブ3が引き上げられると、それに伴ってハブ3と固定部材5とに連結されたチューブ体7の中央部分が徐々に引き伸ばされて針2の湾曲部2aにその外側から近接してくる。そして上記固定部材5が使用済位置Bとなれば、シャッター12が吸引部材13に吸引されて針通路5bを閉鎖し、また上記チューブ体7はハブ3と固定部材5との間で張設された状態となるので、針2は上記切断部7aを介してチューブ体7の中央部分内に収容されるようになる。
そしてこの状態では、上記チューブ体7はハブ3と固定部材5との間で張設された状態となるので、それ以上ハブ3と固定部材5とを離隔させることができなくなり、これにより針先2cは針通路5b内に保持されるようになる。
【0023】
なお、上記各実施例における閉鎖手段10はシャッター12と吸引部材13とを備えているが、これに限定されるものではない。例えば特許文献1で用いられているバネを利用した閉鎖手段であってもよい。
また上記各実施例においては、固定部材5を使用済位置Bとした際に、針2の針先2cが固定部材5の針通路5b内に位置するようにしているが、これに限定されるものではない。例えばチューブ体7の固定部材5に隣接した部分において切断部7aを形成しないようにし、固定部材5を使用済位置Bとした際に針2の針先2cを上記切断部7aの無いチューブ体7内に収容するようにしても、針刺し事故を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は本発明の第1実施例を示し、(a)は針組立体1の使用状態を示す断面図。(b)は針組立体1の使用済状態を示す断面図。
【図2】(a)は図1(a)の斜視図、(b)は図1(b)の斜視図。
【図3】本発明の第2実施例を示し、(a)は針組立体1の使用状態を示す断面図。(b)は針組立体1の使用済状態を示す断面図。
【図4】(a)は図3(a)の斜視図、(b)は図3(b)の斜視図。
【図5】本発明の第3実施例を示し、(a)は針組立体1の使用状態を示す断面図。(b)は針組立体1の使用済状態を示す断面図。
【図6】(a)は図5(a)の斜視図、(b)は図5(b)の斜視図。
【符号の説明】
【0025】
1 安全針組立体 2 針
2a 湾曲部 2b 基端部
2c 針先 3 ハブ
3a ガイド孔 4 把持部
4a 係合部 5 固定部材
5a 係合部 5b 針通路
5c 筒状部 7 チューブ体
7a 切断部 7b 抜け止め部
10 閉鎖手段 11 通路
12 シャッター 13 吸引部材
A 使用位置 B 使用済位置
X 針2の先端部分の軸線
【出願人】 【識別番号】000135036
【氏名又は名称】ニプロ株式会社
【出願日】 平成18年6月26日(2006.6.26)
【代理人】 【識別番号】100082108
【弁理士】
【氏名又は名称】神崎 真一郎


【公開番号】 特開2008−554(P2008−554A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−175760(P2006−175760)