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【発明の名称】 カテーテル用コネクタ
【発明者】 【氏名】石田 陞治

【氏名】中山 貴雄

【要約】 【課題】面倒な操作を伴うことなく、バルーンカテーテル、ロータブレータ、ガイドワイヤーなどの線条体を操作することができ、しかも、部品点数を低減したカテーテル用コネクタを提供する。

【構成】本カテーテル用コネクタは、筒状の本体10内にバルーンカテーテルまたはロータブレータ101、ガイドワイヤー102などの線条体100を挿通する挿通孔1aが形成され、該挿通孔1a内に止血弁20が収納されている。この止血弁20は、伸縮性を有し、最も細径のガイドワイヤー102の外径よりも小さな内径の小孔21が形成されている。また、止血弁20は、前記小孔21を形成した中心から両端側へ次第に拡径する二連の漏斗形状に形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の本体内にバルーンカテーテル、ロータブレータ、ガイドワイヤーなどの線条体を挿通する挿通孔が形成され、該挿通孔内に止血弁が収納されているカテーテル用コネクタであって、
前記止血弁は、伸縮性を有し、最も細径の線条体の外径よりも小さな内径の小孔が形成されていることを特徴とするカテーテル用コネクタ。
【請求項2】
前記止血弁は、前記小孔を形成した中心から両側へ次第に拡径する二連の漏斗形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のカテーテル用コネクタ。
【請求項3】
前記止血弁は、前記小孔を形成した一端側から他端側へ次第に拡径する漏斗形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のカテーテル用コネクタ。
【請求項4】
前記止血弁は、小孔の周囲が薄肉に形成され、周縁部が厚肉に形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のカテーテル用コネクタ。
【請求項5】
前記本体に形成された挿通孔は、先端側から基端側に段差部をもって拡径し、
前記止血弁は、各周縁部が前記各段差部に係合するように挿通孔内に収納されていることを特徴とする請求項2又は4に記載のカテーテル用コネクタ。
【請求項6】
前記挿通孔の基端側端部を塞いで線条体を固定する栓体が備えられていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載のカテーテル用コネクタ。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、バルーンカテーテル、ロータブレータ、ガイドワイヤーなどの線条体が挿通される筒状の本体内に止血弁が収納されているカテーテル用コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
冠動脈、脳の細動脈あるいは脚の動脈などが狭窄あるいは閉塞したときの治療法として経皮的な手術があり、この手術においてはバルーンカテーテルなどが使用されている。このバルーンカテーテルなどを操作している時であっても、止血することができるようにしたYコネクタが特許文献1に開示されている。
【0003】
このYコネクタは、図10(特許文献1の図1に基づいて作成)に示すように、バルーンカテーテルやガイドワイヤーなどの線条体100が挿通される筒状のメインブランチ110と、液剤注入器(図示せず)が接続される筒状のサブブランチ120とを備え、サブブランチ120がメインブランチ110の中間から約60°の角度をもって分岐し、メインブランチ110の孔とサブブランチ120の孔とは分岐部分で連通している。メインブランチ110には、筒状の本体111、プッシャー112、スクリュー113、オープナー114そしてロテーター115が備えられている。
【0004】
本体111の基端部は、わずかに拡径し、内部に固定弁116が収納されている。固定弁116は、シリコンゴムなどによって成形された筒状体で、長手方向に圧縮されることによって孔の径が収縮し、収縮された状態で孔内に挿入された線条体100を固定する。
【0005】
また、プッシャー112は、基端側に鍔部を形成した筒体であり、定常状態において鍔部が本体111の端縁と離隔するように先端側が本体111内に挿入され、長手方向に押圧されることによって、鍔部が本体111の端縁と接合し、先端縁が固定弁116を長手方向に圧縮する。
【0006】
そして、スクリュー113は、基端側にボスを設けた筒状体で、本体111の基端部に進退可能に螺着されている。すなわち、本体111の基端部には、雄ネジが形成され、スクリュー113の筒体の内周面には雌ネジが形成されている。
【0007】
前記プッシャー112とスクリュー113との間に第1の止血弁117が挟まれ、前記プッシャー112と固定弁116との間に第2の止血弁118が挟まれている。この第1、第2の止血弁117,118は、シリコンゴムなどによって成形された板状体で、中央にスリットが形成され、血液が流出することなく線条体100が進退できるようにされている。なお、第2の止血弁118は、第1の止血弁117よりも薄く形成されている。
【0008】
そして、オープナー114は、基端にドーナツ盤状の盤状部114aを設けた筒体であり、前記スクリュー113のボスからプッシャー112内に移動できるように挿入されている。このオープナー114が仮想線に示すように押された時に、盤状部114aがボスに当接することにより、オープナー114がスクリュー113内に埋め込まれることがない。
【0009】
また、ロテーター115は、二重の筒状体であり、基端部が周方向に回転自在に本体111の先端部に接続されている。ロテーター115の先端部には、ガイディングカテーテル130の基端部131が連結される。
【0010】
そして、サブブランチ120の開口端部は、三方活栓(図示せず)が接続され、初期状態において閉止されている。
【0011】
このようなYコネクタにあっては、線条体100がオープナー114、スクリュー113、本体111そしてロテーター115の各孔を貫通する。そして、スクリュー113が回転操作されることにより、プッシャー112が先端側へ移動し、固定弁116の孔が収縮することによって線条体100が固定弁116によって固定される。
【0012】
このとき、メインブランチ110およびサブブランチ120の両孔内は、血液が充満する。しかし、線条体100は、第1、第2の止血弁117,118のスリットを貫通し、包み込まれた状態となっているため、血液がメインブランチ110の孔内から外部に流出することはない。
【0013】
そして、線条体100を軽く進退することができるようにするなど、一時的に操作性を向上させる時は、スクリュー113を回転操作することによって、固定弁116が線条体100を固定しない状態とし、オープナー114を先端側へ移動させる。すると、第1の止血弁117のスリットが広げられ、線条体100が第1の止血弁117に包み込まれない状態となる。この時、メインブランチ110の孔内の血液は、第2の止血弁118によって止血されるため、外部に流出しないようにされている。
【0014】
【特許文献1】特開2005−261759号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
特許文献1に開示されたYコネクタは、固定弁116が縮径することによって線条体100を固定し、また、第1、第2の止血弁117,118が線条体100を包み込む状態となって、メインブランチ110内に流入した血液が流出しないようにされている。したがって、線条体100を軽く進退させるときには、固定弁116の孔や第1の止血弁117のスリットが広がるようにスクリュー113やオープナー114などを操作しなければならない。
【0016】
しかし、一方の手でYコネクタを保持しつつ、他方の手でスクリュー113やオープナー114などを操作し、線条体100を進退させるのは大変、煩雑な操作であり、手術にも悪影響を及ぼしかねない。また、線条体100を進退させる時は、第1の止血弁117のスリットが広げられるため、血液が流出してしまう。さらに、ガイディングカテーテル130をロテーター115に接続した時に、メインブランチ110の孔内の空気が排出されるが、血液も流出する。そして、このYコネクタは、止血のために、第1、第2の止血弁117,118、プッシャー112、スクリュー113やオープナー114などを製造し、本体111内に取り付けなければならないことから、製造部品や製造工程が多くなり、コストダウンを図ることが困難である。
【0017】
そこで、本発明は、面倒な操作を伴うことなく、バルーンカテーテルやガイドワイヤーなどの線条体を操作することができ、しかも、部品点数を低減したカテーテル用コネクタを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明に係るカテーテル用コネクタは、筒状の本体内にバルーンカテーテル、ロータブレータ、ガイドワイヤーなどの線条体を挿通する挿通孔が形成され、該挿通孔内に止血弁が収納されているカテーテル用コネクタであって、前記止血弁は、伸縮性を有し、最も細径の線条体の外径よりも小さな内径の小孔が形成されていることを特徴としている。
【0019】
このカテーテル用コネクタは、まず、本体の先端部が血管内に挿入されたガイディングカテーテルの基端部と接続される。このとき、ガイディングカテーテル内に血液が流入することにより、本体部の先端部と止血弁との間(以下、「先端側」という。)の挿通孔内の空気が止血弁に形成された小孔から排気される。そして、ガイディングカテーテル内の血液が本体の先端側の挿通孔内に流入する。しかし、この血液は、小孔の内径が血液の粘性に対して十分小さく形成されていることから、小孔からほとんど流出しない。
【0020】
そして、細管状のイントロデューサーの先端部がガイディングカテーテルの基端部内に位置するように、医師などの術者がイントロデューサーを本体内に挿入する。小孔の内径がイントロデューサーの外径よりも小さくされており、しかも止血弁が伸縮性を有していることから、イントロデューサーは、小孔を拡径するように小孔内を貫通し、イントロデューサーと止血弁とは隙間なく密着する。しかし、本体の先端側の挿通孔内の血液は、イントロデューサー内から流出し始める。
【0021】
そこで、術者は、早急にイントロデューサー内からガイディングカテーテル内に最も細径の線条体であるガイドワイヤーを挿入する。ガイドワイヤーの先端部がイントロデューサーの先端部から突出した後、術者は、イントロデューサーを本体内から引き抜く。すると、止血弁の小孔が収縮し、止血弁とガイドワイヤーとが隙間なく密着し、本体の先端側の挿通孔内の血液は流出しないようになる。
【0022】
その後、術者は、ガイドワイヤーに沿って線条体であるバルーンカテーテルまたはロータブレータを挿入する。止血弁の小孔内は、バルーンカテーテルまたはロータブレータおよびガイドワイヤー(以下、「2本の線条体」ともいう。)が並列して貫通する。止血弁の小孔は収縮するため、2本の線条体と止血弁とは隙間なく密着し、本体の先端側の挿通孔内の血液は、2本の線条体と止血弁との間から流出しない。
【0023】
治療後は、術者が2本の線条体を血管および本体の挿通孔内から引き抜く。すると、止血弁の小孔内には、2本の線条体が存在しなくなるが、小孔の内径が血液の粘性に対して十分小さく形成されていることから、本体の先端側の挿通孔内の血液は、小孔からほとんど流出しない。
【0024】
そして、本カテーテル用コネクタを使用する術者は、スクリューやプッシャーなどの部品を操作することなく、ガイドワイヤーやバルーンカテーテルまたはロータブレータなどの線条体の操作に集中することができる。
【0025】
また、前記本発明に係るカテーテル用コネクタにおいて、前記止血弁は、前記小孔を形成した中心から両側へ次第に拡径する二連の漏斗形状に形成されていることが好ましい。
【0026】
このカテーテル用コネクタによれば、止血弁が二連の漏斗形状に形成されていることにより、本体内に挿入された線条体の先端部は、止血弁の漏斗形状の内側面に案内されて、小孔内に導入される。そして、止血弁は、小孔を形成した中心が縮径された二連の漏斗形状に形成されていることから、小孔を形成した中心が伸縮しやすくされている。さらに、小孔は、二連の漏斗形状に形成された中心に形成されることにより、ロータブレータのように先端部が拡大した線条体を引き抜く操作をスムーズに行うことができる。
【0027】
また、前記本発明に係るカテーテル用コネクタにおいて、前記止血弁は、前記小孔を形成した一端側から他端側へ次第に拡径する漏斗形状に形成されていてもよい。
【0028】
このカテーテル用コネクタによれば、止血弁は、小孔が本体の先端側に位置するように挿通孔内に収納される。そして、バルーンカテーテルのような先端部を拡大していない線条体は、止血弁の漏斗形状の内側面に案内されて小孔内に導入される。そして、この止血弁の先端側が漏斗形状に形成されていないものの、バルーンカテーテルのような線条体の先端部は、拡大していないため、小孔内からスムーズに引き抜かれる。
【0029】
また、前記本発明に係るカテーテル用コネクタにおいて、前記止血弁は、小孔の周囲が薄肉に形成され、周縁部が厚肉に形成されていることが好ましい。
【0030】
このカテーテル用コネクタによれば、小孔の周囲が薄肉に形成されることにより、小孔はスムーズに伸縮し、また、止血弁の拡径された周縁部が厚肉に形成されることにより、長さ方向に伸縮するなど変形しにくく、線条体を進退させるときにも、線条体と小孔とが密着した状態を維持する。
【0031】
また、前記本発明に係るカテーテル用コネクタにおいて、前記本体に形成された挿通孔は、先端側から基端側に段差部をもって拡径し、前記止血弁は、各周縁部が前記各段差部に係合するように挿通孔内に収納されていることが好ましい。
【0032】
このカテーテル用コネクタによれば、止血弁は、段差部をもって拡径した挿通孔内に収納される。そして、止血弁の一端側の周縁部が本体の先端側に形成された段差部に係止され、他端側の周縁部が本体の基端側に形成された段差部に係止する状態となるため、止血弁は、位置ずれしにくいように収納することができる。
【0033】
また、前記本発明に係るカテーテル用コネクタにおいて、前記挿通孔の基端側端部を塞いで線条体を固定する栓体が備えられていることが好ましい。
【0034】
このカテーテル用コネクタによれば、線条体が所定の位置まで挿入された状態において、挿通孔の基端側端部が栓体によって塞がれることにより、線条体が固定され、医師などの術者は他の操作を容易に行うことができるようになる。
【発明の効果】
【0035】
本発明に係るカテーテル用コネクタによれば、止血弁が伸縮性を有し、筒状の本体内の挿通孔内に挿通される線条体の外径よりも小さな内径の小孔を形成したものとされていることにより、線条体が本体の挿通孔内を挿通していない状態において、本体の先端側の挿通孔内の空気が排気され、線条体が本体の挿通孔内を進退させる状態において、線条体と止血弁とが隙間なく密着するため、本体の先端側の挿通孔内に流入した血液が流出しないようにすることができる。
【0036】
したがって、本カテーテル用コネクタを使用する医師などの術者は、スクリューやプッシャーなどの部品を操作することなく線条体を操作することができるため、線条体の操作が容易になり、手術の際の負担を軽減することができる。また、部品点数が低減されるため、カテーテル用コネクタのコストダウンを図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
本発明に係るカテーテル用コネクタの一実施形態について図1から図8を参照しながら説明する。このカテーテル用のコネクタは、同図に示すように、Yコネクタであり、バルーンカテーテル101やガイドワイヤー102などの線条体100(図8参照)が挿通される筒状のメインブランチ1と、シリンジ(図示せず)が接続される筒状のサブブランチ2とを備え、サブブランチ2がメインブランチ1の中間から約60°の角度をもって分岐し、メインブランチ1の挿通孔1aとサブブランチ2の注入孔2aとは分岐部で連通している。
【0038】
メインブランチ1には、段付き筒状の本体10と、小孔21を形成した止血弁20と、本体10の基端部に取り付けられるキャップ30と、キャップ30に取り付けられる栓体40と、本体10の先端部に取り付けられるロテーター50とが備えられている。本体10内には、挿通孔1aが形成されており、この挿通孔1aには、図3に示すように、先端側から基端側に段差部をもって拡径する細管部11、収納部12、太管部13が連続して設けられ、収納部12、太管部13に段差部12a,13aが形成されている。また、収納部12の段差部12aには、座ぐり12bが形成され、段差部12aと細管部11との境界部が曲面状に形成されている。
【0039】
この収納部12内に止血弁20が収納される。止血弁20は、エラストマやシリコンゴムなど伸縮性を有する材料によって、図4および図5に示すように、小孔21を形成した中心から両端側へ次第に拡径する二連の漏斗形状に形成されている。この止血弁20は、図6に示すように、小孔21を形成した中心が薄肉で、各周縁部22,23に向かって次第に厚肉となるように形成されている。小孔21の内径は、最も細径のガイドワイヤー102よりも小さくされている。
【0040】
そして、止血弁20が伸縮性を有し、漏斗形状に形成され、しかも中心が薄肉に形成されていることにより、この小孔21は挿入される線条体100の直径に応じて拡張する。また、止血弁20は、中心から各周縁部22,23に向かって次第に厚肉に形成されていることから、長さ方向に伸縮して変形することがないようにされている。そして、止血弁20は、図3に示すように、先端側の周縁部22が挿通孔1aの座ぐり12bに係合し、基端側の周縁部23が太管部13の段差部13aに係合するように形成され、止血弁20が収納部12内に安定した状態で収納される。
【0041】
そして、キャップ30は、本体10の基端部を挟むように被さる二重の筒状体であり、外側の筒体31と内側の筒体32との間の基端部には底部が形成され、内側の筒体32内が挿通孔1aとされている。また、キャップ30の内側の筒体32が本体10の太管部13内に挿入され、内側の筒体32の先端縁が本体10の収納部12内に収納された止血弁20の基端側の周縁部23に当接し、止血弁20を固定する。
【0042】
そして、栓体40は、キャップ30の内側の筒体32内の挿通孔1aの基端部を塞ぎ、挿通孔1aに挿通された線条体100を固定する。この栓体40は、図1にも示すように、キャップ30と本体10とに挟まれるリング部41に連結帯42によって繋がれ、紛失しないようにされている。
【0043】
そして、ロテーター50は、本体10の先端部に周方向に回転自在に取り付けられもので、図3に示すように、環状溝51を形成した二重の筒体であり、外側の筒体52の内面に雌ネジが形成されている。このロテーター50の環状溝51内にガイディングカテーテル130の基端部131が挿入され、螺合される。したがって、ガイディングカテーテル130の基端部131には、雄ネジが形成されている。
【0044】
一方、サブブランチ2の開口端部には、三方活栓(図示せず)が取り付けられ、初期状態において、サブブランチ2の注入孔2aが塞がれている。
【0045】
本実施形態におけるカテーテル用コネクタは、以上のように構成され、次に使用方法について説明する。このカテーテル用コネクタを使用するに先立ち、医師などの術者は、このカテーテル用コネクタを接続していないガイディングカテーテル130を血管内に挿入する。そして、ガイディングカテーテル130の先端部が患部付近まで到達すると、術者は、ガイディングカテーテル130の基端部131を前記ロテーター50に接続する。
【0046】
このガイディングカテーテル130内には、血液が徐々に流入する。すると、ガイディングカテーテル130内の空気および本体10の先端側の挿通孔1a内の空気が、ガイディングカテーテル130内の血液に押し出される状態となり、止血弁20に形成された小孔21から排気される。
【0047】
その後、ガイディングカテーテル130内に流入した血液は、本体10の先端側の挿通孔1a内に充満する。この本体10の先端側の挿通孔1a内に充満した血液は、止血弁20によって本体10の基端側の挿通孔1aの方へほとんど流出しない。止血弁20には、小孔21が形成されているが、血液は、粘性を有しているため、小孔21からほとんど流出しない。また、止血弁20は、キャップ30の内側の筒体32の先端縁に当接しているため、血液によって押し流されることもない。
【0048】
そして、術者は、メインブランチ1の挿通孔1a内に細管状のイントロデューサー(図示せず)を挿入する。イントロデューサーの先端部は、止血弁20の漏斗形状に形成された内側面に沿って小孔21の方へ案内される。また、イントロデューサーが小孔21を貫通するとき、止血弁20は、周縁部22,23に向かって次第に厚肉に形成されているため、小孔21がイントロデューサーに引っ張られ、長さ方向に伸縮するなど変形しない。
【0049】
そして、イントロデューサーの先端部が小孔21を貫通し、細管部11内に進入する。イントロデューサーの先端部が偏向していても、段差部12aと細管部11との境界が曲面状に形成されていることにより、イントロデューサーの先端部は段差部12aに突き当たることなく、細管部11内に進入し、そして、ガイディングカテーテル130の基端部131に位置する。この時、イントロデューサーと小孔21とは、止血弁20が伸縮性を有していることから、隙間なく密着するが、本体10の先端側の挿通孔1a内に充満している血液が、イントロデューサー内から流出する。
【0050】
そこで、術者は、最も細径の線条体100であるガイドワイヤー102をイントロデューサー内からガイディングカテーテル130内に早急に挿入する。ガイドワイヤー102は、先端部がわずかにカーブしているが、イントロデューサーを使用することによって、ガイドワイヤー102の先端部をガイディングカテーテル130内にスムーズに挿入することができる。
【0051】
ガイドワイヤー102の先端部がイントロデューサーの先端部から突出すると、イントロデューサーをメインブランチ1の挿通孔1a内から素早く引き抜く。すると、止血弁20は、伸縮性を有していることから、小孔21が縮径し、図7に示すように、ガイドワイヤー102と止血弁20とが密着する。したがって、本体10の先端側の挿通孔1a内に充満している血液は、ガイドワイヤー102と止血弁20との間から流出しなくなる。なお、イントロデューサーを引き抜くとき、止血弁20は、イントロデューサーを挿入するときと同様、長さ方向に伸縮するなど変形しない。
【0052】
そして、術者は、バルーンカテーテルまたはロータブレータ101をガイドワイヤー102の基端部からガイディングカテーテル130内に挿入する。このバルーンカテーテルまたはロータブレータ101は、ガイドワイヤー102とともに小孔21内を貫通する。小孔21は、バルーンカテーテルまたはロータブレータ101の外径分だけ拡径し、このバルーンカテーテルまたはロータブレータ101およびガイドワイヤー102は、図8に示すように、止血弁20と隙間なく密着する。したがって、本体10の先端側の挿通孔1a内に充満している血液が、バルーンカテーテルまたはロータブレータ101およびガイドワイヤー102と止血弁20との間から流出しない。そして、術者は、従来のスクリューやプッシャーなどの部品を操作することなく、術者はバルーンカテーテルまたはロータブレータ101の先端が患部に到達するように操作することができる。
【0053】
バルーンカテーテルまたはロータブレータ101の先端部が患部に位置すると、術者は栓体40をキャップ30の挿通孔1aに挿し込み、バルーンカテーテル101とガイドワイヤー102とを固定する。そして、バルーンカテーテル101の基端部に加圧器(図示せず)を接続し、バルーンカテーテル101内に造影剤を注入することにより、バルーンを拡張し、閉塞した血管を拡径する。あるいは、ロータブレータ101を操作して、閉塞した血管を拡径する。
【0054】
そして、術者は、バルーンを収縮させた後、栓体40をキャップ30の挿通孔1aから外し、ガイディングカテーテル130内およびメインブランチ1の挿通孔1a内からバルーンカテーテルまたはロータブレータ101を引き抜き、続いてガイドワイヤー102を引き抜く。ロータブレータ101のように、先端部が拡大していても、止血弁20の先端側が漏斗形状に形成されていることにより、ロータブレータ101の先端部は、止血弁20の先端側の内側面に沿って小孔21からスムーズに引き抜かれる。バルーンカテーテルまたはロータブレータ101が止血弁20の小孔21内を進退するとき、止血弁20は、周縁部22,23の方に次第に厚肉に形成されていることにより、長さ方向に変形することなく、バルーンカテーテルまたはロータブレータ101と小孔21とは密着した状態を維持し、血液が小孔21から流出しない。
【0055】
また、小孔21からバルーンカテーテルまたはロータブレータ101とガイドワイヤー102とが引き抜かれた止血弁20の小孔21は、図6に示すように収縮するため、血液が小孔21からほとんど流出することはない。最後に、術者は、カテーテル用コネクタを接続したままのガイディングカテーテル130を血管から引き抜き、止血する。このように、術者は、各線条体100を進退させる操作中において、本体10の先端側の挿通孔1a内に充満している血液が流出しないようにスクリューやオープナーなどの部品を操作する必要がないため、手術の負担が軽減される
【0056】
なお、本発明は、前記実施の形態に限定することなく、特許請求の範囲に記載された発明特定事項の範囲内において種々変更することができる。例えば、ロータブレータを使用せず、バルーンカテーテルのみ使用するときは、止血弁20は、二連の漏斗形状ではなく、図9に示すように、小孔21(図9において図示せず)を形成した一端側から他端側へ次第に拡径する単なる漏斗形状としてもよい。あるいは、止血弁20は、小孔21を形成した皿状ないし盤状としてもよい。また、本発明に係るカテーテル用コネクタは、Yコネクタではなく、ブランチを有していないタイプ、逆に2本以上のブランチを有しているタイプであっても実施することができる。また、栓体40は、必ずしも備えられなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明に係るカテーテル用コネクタの一実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】本発明に係るカテーテル用コネクタの一実施形態を示す斜視図である。
【図3】本発明に係るカテーテル用コネクタの一実施形態を示す断面正面図である。
【図4】本発明に係るカテーテル用コネクタを構成している止血弁の一実施形態を示す斜視図である。
【図5】本発明に係るカテーテル用コネクタを構成している止血弁の一実施形態を図4と異なる方向から示す斜視図である。
【図6】本発明に係るカテーテル用コネクタを構成している止血弁の一実施形態を示す断面正面図である。
【図7】本発明に係るカテーテル用コネクタを構成している止血弁の一実施形態を示す断面正面図である。
【図8】本発明に係るカテーテル用コネクタを構成している止血弁の一実施形態を示す断面正面図である。
【図9】本発明に係るカテーテル用コネクタを構成している止血弁の前記と異なる実施形態を示す斜視図である。
【図10】従来のカテーテル用コネクタの一例を示す断面正面図である。
【符号の説明】
【0058】
1a……挿通孔
10……本体
12a…段差部
13a…段差部
20……止血弁
21……小孔
22……周縁部
23……周縁部
40……栓体
100…線条体
101…バルーンカテーテルまたはロータブレータ
102…ガイドワイヤー
【出願人】 【識別番号】391037353
【氏名又は名称】石田 陞治
【識別番号】506217726
【氏名又は名称】中山 貴雄
【出願日】 平成18年6月23日(2006.6.23)
【代理人】 【識別番号】100074332
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 昇

【識別番号】100114421
【弁理士】
【氏名又は名称】薬丸 誠一

【識別番号】100114432
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 寛昭

【識別番号】100117204
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 徳哉


【公開番号】 特開2008−450(P2008−450A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−174202(P2006−174202)