| 【発明の名称】 |
4ルーメンカテーテル |
| 【発明者】 |
【氏名】松田 裕介
【氏名】小池 紀夫
【氏名】藪下 安紀
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| 【要約】 |
【課題】脱血の吸い込み力による脱血口の閉塞、流量不足を防止して脱血流量不足、脱血不良等を防ぎ、且つ、カテーテルを留置する際術者および患者に負担が少なく、血液浄化等を効率的に行うのに適した構造を有する4ルーメンカテーテルを提供する。
【構成】長手方向に設けられた隔壁により形成された第1のルーメン及び第2のルーメンを備え、第1のルーメンはカテーテル先端まで貫通してエンドホール型の開口部を介して外部と連通し、第2のルーメンは第1のルーメンの開口部より基部側へ1〜11cm隔てた位置でエンドホール型の開口部を介して外部と連通するとともに、第2のルーメンの開口部より先端部側においては狭径部を形成し、さらに、該狭径部に設けた第3のルーメン及び第4のルーメンの開口部を介して外部と連通する第3及び第4のルーメンを側壁と隔壁の交差部位に備えたことを特徴とする4ルーメンカテーテル。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 長手方向に設けられた隔壁により形成された第1のルーメン及び第2のルーメンを備え、第1のルーメンはカテーテル先端まで貫通してエンドホール型の開口部を介して外部と連通し、第2のルーメンは第1のルーメンの開口部より基部側へ1〜11cm隔てた位置でエンドホール型の開口部を介して外部と連通するとともに、第2のルーメンの開口部より先端部側においては狭径部を形成し、さらに、該狭径部に設けた第3及び第4のルーメンの開口部を介して外部と連通する第3及び第4のルーメンを側壁と隔壁の交差部位に備えたことを特徴とする4ルーメンカテーテル。 【請求項2】 第3及び/又は第4のルーメンの開口部が、エンドホール型開口部となっている請求項1記載の4ルーメンカテーテル。 【請求項3】 第3及び/又は第4のルーメンの開口部が、スリット型開口部である請求項1記載の4ルーメンカテーテル。 【請求項4】 第3及び/又は第4のルーメンの開口部が、側孔型開口部となっている請求項1記載の4ルーメンカテーテル。 【請求項5】 狭径部が、カテーテルの先端に近づくに従い細くなるようにテーパーが付いている請求項1〜4のいずれかに記載の4ルーメンカテーテル。 【請求項6】 カテーテル先端の断面形状が、円形である請求項1〜5のいずれかに記載の4ルーメンカテーテル。 【請求項7】 第2のルーメンの開口部が、該開口部の開口面とカテーテルの軸線との角度αが15〜90°となるように形成されている請求項1〜6のいずれかに記載の4ルーメンカテーテル。 【請求項8】 第2のルーメンの開口部近傍のカテーテル本体の側壁に、第2のルーメンに連通する側孔を設けている請求項1〜7のいずれかに記載の4ルーメンカテーテル。 【請求項9】 第1のルーメンの先端狭経部に、第1のルーメンに連通する側孔を設けている請求項1〜8のいずれかに記載の4ルーメンカテーテル。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、医療分野で使用される4ルーメンカテーテルに関するものである。 【背景技術】 【0002】 緊急透析、薬物中毒、劇症肝炎等の短期間の血液浄化療法で必要とされる血液透析等の体外循環治療の手段として、脱血ルーメンで血液を体外に排出し、返血ルーメンにて浄化した血液を体内に戻すダブルルーメン型カテーテルが汎用されている。 【0003】 血液透析においては、その透析効率を上げるために安定して十分な血流量を確保することが重要である。先端部に開口部を有し側壁に複数の側孔を設けたサイドバイサイド型ダブルルーメンカテーテルが開発され用いられている(例えば、非特許文献1参照)。さらに上述したサイドバイサイド型ダブルルーメンカテーテルの問題点である血液吸引時における側孔の血管内壁への吸着による脱血不良を改良するために種々のエンドホール型(末端開口型)のダブルルーメンカテーテルが開発されている(例えば、特許文献1参照)。また、デュアルフローのエンドホール型の血液透析用トリプルルーメンカテーテルが提案されている(例えば特許文献2)。 【0004】 しかしながら、上述した血液透析用ダブルルーメンカテーテルでは体外循環時か否かに関わらず静脈注射による薬液の投与や中心静脈圧(CVP)測定には容易に使用できない欠点があり、この問題を解決するために血液透析用トリプルルーメンカテーテルが開発されている(例えば、特許文献3〜6参照)。 【非特許文献1】Shaldon,S.et al Trans.Am.Soc.Artif.Intern.Organs.10:133-135,1964 【特許文献1】特開2001−104486号公報 【特許文献2】特表平9−501337号公報 【特許文献3】特開平2−209159号公報 【特許文献4】特開平1−23142号公報 【特許文献5】米国特許第5221256号公報 【特許文献6】特開平9−276410号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 特許文献2に開示されたトリプルルーメンカテーテルは縮径した先端に開口する返血口まで形成された返血用ルーメンと、返血口よりも後方の両側に設けられて軸方向に開口する一対の脱血口が形成されて基部側で連結する脱血ルーメンを有するデュアルフローのエンドホール型の血液透析用トリプルルーメンカテーテルである。このデュアルフローのエンドホール型トリプルルーメンカテーテルにおいては、輸液専用のルーメンがないため輸液を注入することができない、またカテーテル先端部を体内へ挿入し易くするためにカテーテル先端部の形状を鋭利にすると、返血口も小さくなるため返血圧が高くなり返血流量の確保が難しくなるなど問題があった。 【0006】 上記の特許文献3〜6に開示されたトリプルルーメンはサイドバイサイド型である。サイドバイサイド型はダブルルーメン、トリプルルーメンに関わらず血管内壁への吸着による脱血不良もしくは脱血流量低下が生じるなどの問題があった。 【0007】 また、トリプルルーメンカテーテルの限界は、CVP測定、輸液、薬剤投与などに利用するルーメンが脱返血ルーメンを除くと構造上一つしかなく、CVP測定、輸液、薬剤投与など同時に必要な場合は別にルートを確保する必要があり、術者、患者にとっても負担が増加し、留置カテーテル等の本数が増加すると感染などのリスクも増加する問題があった。 【0008】 ところで、一般的にカテーテルを留置する方法として、出血量を最小限に抑え、できる限り迅速に留置する必要があることから、予め血管の所定の位置まで挿入されたガイドワイヤーに沿ってカテーテルを挿入、留置する方法(セルジンガー法)が用いられることが多い。従来のエンドホールタイプのカテーテル先端の一例を図5に示すが、セルジンガー法で留置する場合、ダブルルーメン(図5(a))では2箇所の段差、トリプルルーメン(図5(b)、(c))では3箇所の段差、4ルーメン(図5(d)、(e))では4箇所の段差が生じることとなる。このように、エンドホール型のカテーテルは末端開口部の数が増加するに従い先端部の段差数が増加し、挿入抵抗が増加する。この挿入抵抗を抑えるためにはカテーテルより一回り太いイントロデューサー等を用いる必要があり、そうすると、血管挿入時に刺入部が大きくなり留置時の出血も多く止血も難しくなり感染の機会も増える等、患者へ余分な負担を与えてしまうという問題があった。 【0009】 本発明は、上記のような課題を解決し脱血の吸い込み力による脱血口の閉塞、流量不足を防止して脱血流量不足、脱血不良等を防ぎ且つ、輸液ルーメンを二つ有し、更にカテーテルを留置する際術者および患者に負担が少なく、血液浄化等を効率的に行うのに適した構造を有する4ルーメンカテーテルを提供することを目的とするものである。 【課題を解決するための手段】 【0010】 本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討の結果、4ルーメンカテーテルのカテーテル先端部をダブルルーメンカテーテルのエンドホール型の先端形状と同様な形状とし、カテーテル先端部から基部側へずれた位置に第3のルーメン及び第4のルーメンの開口部を設けるという特殊な形状とすることにより、血管壁のへばり付きを防ぎ、且つエンドホール型のダブルルーメンと同等の挿入性が得られることを見出し、本発明に到達した。 【0011】 すなわち、本発明は、長手方向に設けられた隔壁により形成された第1のルーメン及び第2のルーメンを備え、第1のルーメンはカテーテル先端まで貫通してエンドホール型の開口部を介して外部と連通し、第2のルーメンは第1のルーメンの開口部より基部側へ1〜11cm隔てた位置でエンドホール型の開口部を介して外部と連通するとともに、第2のルーメンの開口部より先端部側においては狭径部を形成し、更に該狭径部に設けた第3のルーメン及び第4のルーメンの開口部を介して外部と連通する第3のルーメン及び第4のルーメンを側壁と隔壁の交差部位に備えたことを特徴とする4ルーメンカテーテルを要旨とするものであり、好ましくは、前記の狭径部は、カテーテルの先端に近づくに従い細くなるようにテーパーが付いているものであり、また、好ましくは、カテーテル先端の断面形状が円形であるものであり、また、好ましくは、第2のルーメンの開口部は、該開口部の開口面とカテーテルの軸線との角度αが15〜90°となるように形成されているものであり、また、好ましくは、第2のルーメンの開口部近傍のカテーテル本体の側壁に、第2のルーメンに連通する側孔が設けられているものである。 【発明の効果】 【0012】 本発明によれば、カテーテル挿入時の抵抗をエンドホール型のダブルルーメンと同等に抑えることができ、患者および術者への負担を軽くすることができる。さらに、カテーテル本体に設けられた脱血口(第2のルーメンの開口部)の開口面の角度を15°〜90°の範囲内とすることで、より一層挿入性を向上させることができる。また、脱血口をエンドホール型としているため、脱血口の開口面積を大きくすることができ、充分な血流量を確保することができるとともに脱血口の血管壁への吸着が防止され、脱血不良が発生し難いものである。さらに、脱血口近傍のカテーテル本体の側壁に、脱血ルーメン(第2のルーメン)に連通する側孔を設けることで、脱血側の血流量をより多く確保することができる。 【0013】 本発明の4ルーメンカテーテルを使用すれば、血液透析や血液浄化法を施行するための体外循環(ブラッドアクセス)を行いながら、二つの輸液ルーメンを利用して一時的な輸液、薬剤の投与またはCVPの監視などを同時に安心して行うことができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0014】 本発明の4ルーメンカテーテルは、構成部材として、通常、体外循環の返血用ルーメンとして用いられる第1のルーメン、通常、体外循環の脱血用ルーメンとして用いられる第2のルーメン及び輸液、薬剤の投与やCVP測定等のルートに使用される第3ルーメン及び第4のルーメンが形成されているカテーテル本体、分岐部及び体外循環回路や輸液回路CVP測定機などへ接続するために枝管(または延長管)からなる。枝管の先端には回路等に接続するためのコネクターが付いている。枝管には血液回路への接続、取り外し、ヘパリンロック等の処置をする際にクランプにて枝管を閉塞させる必要があるのでクランプが取り付けられている。 【0015】 本発明の4ルーメンカテーテルは、カテーテル本体の先端部付近の形状に特徴を有するものであり、分岐部、枝管、クランプおよびコネクターについては従来から知られているものが良好に用いられる。 【0016】 本発明の4ルーメンカテーテルを図面にて説明する。図1(a)は、本発明の4ルーメンカテーテル1の一例を示したものである。カテーテル本体2の基部側に分岐部5を介して枝管6が延び、枝管6の先にコネクター7がついている。図1(b)はカテーテル本体2の先端部側の拡大正面図であり、図1(c)はカテーテル本体2の先端部側の拡大背面図であり、図1(d)はカテーテル本体2の先端部側の拡大下面図である。第1のルーメン11は、基部からカテーテル本体2の先端部まで伸び、開口部15を介して外部と連通している。第1のルーメン11を通しての返血流量を多くするために、開口部15の近傍の側壁に第1のルーメンと外部を連通する側孔(図示せず)を設けてもよい。 【0017】 第1のルーメンと隔壁を隔てて形成された第2のルーメン10は、先端から基部側へ1〜11cm隔てられた個所に設けられたエンドホール型の開口部14により外部と連通し、カテーテル本体基部まで貫通している。開口部14が設けられる位置は、好ましくは先端から基部側へ1〜8cm、より好ましくは1.5〜5cmの場所である。この距離が1cmより短いと、第1のルーメンの開口部15より体内へ戻される浄化された血液を再び透析回路に送ることとなり、逆に11cmより長くなるとカテーテルの有効長が長くなり、留置する血管が限られることとなるため採用できない。 【0018】 第2のルーメンの開口部14の開口面の角度αは、カテーテルの軸方向に対して基部側へ傾斜していることが好ましい。その角度αとしては、15〜90°が好ましく、さらに好ましくは15〜60°であり、25〜50°が最も好ましい。角度αが15°より小さいと体外循環回路の吸引圧により血管壁が開口部12に吸着して塞がれる恐れがあり、また90°より大きいとカテーテルを体内へ挿入する際に開口部14が血管を傷つける恐れがあるので好ましくない。 【0019】 第2のルーメンの開口部14の吸引圧を低減し、脱血流量をより多くすることができるため、開口部14より基部側の側壁に外部と連通する側孔9を設けることが好ましい。側孔9の位置は開口部14より基部側にありすぎても十分な太さの血管内に位置しないため開口部14より1mm〜50mmの位置にあるのが好ましく、より好ましくは2mm〜35mmである。側孔の形状は特に限定されるものではないが、好ましくは円形、楕円形がよい。 【0020】 本発明においては、第2のルーメンの開口部14がある位置より先端部側のカテーテル本体が、断面積の小さい狭径部4となっていることが必要である。この狭径部4の任意の位置に第3のルーメン及び第4のルーメンの開口部3a、3bが設けられ、この開口部3を介して外部と連通する第3のルーメン及び第4のルーメンが側壁と隔壁の交差部位に備わっている。この第3のルーメン及び第4のルーメンはカテーテル本体基部まで貫通している。第3のルーメン及び第4のルーメンの開口部3の位置は、第1のルーメンの開口部15から第2のルーメンの開口部14の間にあればよく、先端より0.1cm〜10.5cmが好ましく、先端より0.25cm〜7.5cmがさらに好ましく、先端より0.5cm〜4.5cmが最も好ましい。第3のルーメン及び第4のルーメンの開口部の形態は特に限定されるものではないが好ましくはエンドホール型、側孔型、スリット型がよい。第3のルーメンの開口部3aと第4のルーメンの開口部3b間の距離は0〜7cm、より好ましくは0〜2cmが好ましい。 【0021】 狭径部4の断面積は、開口部14のある位置のカテーテル本体の断面積より小さければよく、好ましくは、先端に行くに従いよりテーパー状の傾斜がついて細くなっているのが好ましい。 【0022】 図1(e)(f)(g)は、それぞれ図1(a)で示したA-A’断面,B-B’断面,C-C’断面を示している。図1(e)は、断面が半円状の第2のルーメン10と、隔壁を挟み上半分は半円状の上辺から円周の上方向に向かい一部斜めにカットした部位が2箇所ある形状の第1のルーメン11と円形の第3のルーメン12及び第4のルーメン13が示されている。図1(f)、(g)は、狭径部4の断面であり、図1(f)では、第1のルーメン11と第3のルーメン12及び第4のルーメン13で形成された半円状となっている。狭径部4の先端部の形状は、特に限定されないが好ましくは円形がよく、例えば図1(g)に示すような断面である。図1(h)は第3のルーメン及び第4のルーメンの開口部がエンドホール型の形態の図1(b)の右側面図であり、4つのルーメンがエンドホール状に開口している。図1(i)は図1(h)で示したD-D’断面図で先端の狭径部分のみを示しており、第3のルーメン及び第4のルーメンが先端部でエンドホール状に開口しており血流と同方向へ薬液などが排出される構造を示している。開口部の形状はエンドホール型であれば特に限定されるものではないが、好ましくは円形、楕円形がよい。このように第3のルーメン及び第4のルーメンの開口部をエンドホール型にすることにより、薬剤等は血管の流れ方向と同一の方向へ排出されるため薬剤などの再循環が防ぐことができる。 【0023】 図2(a)は第3のルーメン及び第4のルーメンの開口部がスリット型の形態の先端部の拡大正面図である。図2(b)は図2(a)で示したE-E’断面図を示しておりスリット状の開口部にて開口している。図2(c)は図2(a)の右側面図であり、第3及び第4ルーメンがスリット状に開口している。図2(d)は図2(c)で示したF-F’断面図で先端の狭径部分のみを示している。スリットの形態は、特に限定されるものではないが好ましくは一方向弁、2方向弁、切込などであればよい。 【0024】 図3(a)は第3のルーメン及び第4のルーメンの開口部がサイドホール型の形態の右側面図であり、第3のルーメン及び第4のルーメンがサイドホール型に開口している。図3(b)は図3(a)で示したG-G’断面図で先端の狭径部分のみを示している。サイドホールの形状は特に限定はしないが好ましくは、円形、楕円形がよい。 【0025】 本発明の4ルーメンカテーテルは、少なくとも脱返血ルーメンがエンドホール型であるため脱血ルーメンとして用いる第2のルーメン、返血ルーメンとして用いる第1のルーメンにおいて血液流量を多くするために開口部14、15の面積を大きくする必要があるが、細径のガイドワイヤーを用いて留置するときは、第1のルーメンの内壁と大きな隙間が生じてしまい、この隙間により4ルーメンカテーテルを少ない抵抗にてガイドワイヤーに沿わすことが出来ないなど挿入性に問題が生じる。この隙間を埋めるために、図4に示すように内腔にガイドワイヤーが挿通され、且つ第1のルーメンへ挿通されるスタイレット19aを用いてもよい。スタイレット19aは先端から基部まで貫通している。また、挿入性を向上するため第2のルーメン側に、血液の流入を防ぐために先端を閉塞させたスタイレット19bを挿入して、カテーテルの硬さを上げてもよいが、スタイレット先端が開口部14より飛び出ないような長さとする必要がある。スタイレット19は基部側にてスタイレットコネクター20に連接されており、コネクター7と嵌合可能な構造であることが操作性上好ましい。 【0026】 本発明の4ルーメンカテーテルにおける、カテーテル本体の材質としては、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、シリコーン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリアミド等で血管内において安定な内形状を保ち血管を傷つけない硬さのものであれば何でもよいが、特にポリウレタンはカテーテル挿入性を損なわない程度の硬さを持ち、常温では硬く体内の温度では柔らかくなる性質をもつのが最も好ましい。また、カテーテル本体の材質は体内のカテーテルの位置を認識するため、硫酸バリウム、タングステン酸ビスマス、酸化ビスマスなどの造影剤を含ませることにより造影性をもたせることが好ましい。 【0027】 カテーテル先端部は、血管を傷つけにくくするためカテーテルと同じ材質のより柔らかいものを溶着して、ソフトチップ16を形成してもよい。 【0028】 カテーテルの枝管の材質としては、カテーテル本体の材質と同じ硬さの材質あるいは柔らかい材質が使用される。例えば、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、シリコーン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体等が挙げられるが、容易に折れ曲がり内腔が閉塞しない強度と皮膚を傷つけない柔らかさを持つ樹脂としてポリウレタン、ポリ塩化ビニル、シリコーンが特に好ましい。 【0029】 コネクターの材質としては、硬度、強度が高く消毒剤等に対する耐薬品性と寸法安定性に優れた樹脂で、形成され得るものであれば良い。この樹脂としては例えばポリカーボネート、硬質のポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテルイミド、またはこれらの樹脂に強度をさらに上げる為に他の樹脂を混合させたものであってもよい。 【0030】 本発明の4ルーメンカテーテルを患者に留置して、留置血管の血液がルーメン内に逆流し凝固するなどしてルーメン内を閉塞させることを防止するため使用しないときはカテーテルのルーメン内の体積と同量のヘパリンを充填するか、オブチュレーターを用いることができる。適用可能なルーメンとしては第1、第2、第3及び第4のいずれのルーメンにも適用できる。ここで用いるオブチュレーターには血栓などによる閉塞を防ぐために抗血栓処理や挿入性を向上させるために潤滑性処理されたオブチュレーターを利用してもよい(例えば、特公平4−61663号公報、特開平10−248919号公報参照)。第3、第4のルーメンは内腔が小さくなるためプラスチック製よりも金属製のガイドワイヤーのような柔軟性のある金属材料をオブチュレーターとすることが好ましい。また、この金属材料に抗血栓処理または潤滑性処理を施したオブチュレーターを利用してもよい。 【0031】 本発明の4ルーメンカテーテルは、生体器官への挿入・留置を容易にするため、基材表面に親水性高分子化合物でコーティングするなどの潤滑性処理を施したもの(例えば、特開平10−248919号公報参照)であってもよい。潤滑性処理する方法は多くの方法が知られているが、特にどの方法を選択しても良い。また、潤滑性処理の範囲は人体に接触する部分、またはカテーテルを留置する用具等に接触する部分であれば特にどの部分であってもよい。 【0032】 本発明の4ルーメンカテーテルは、生体器官へ留置中に体液・組織などと接触して異物反応を生じるのを防ぐために、基材表面が生体適合性処理、例えば抗血栓処理などを施したものであってもよい。生体適合性処理はウロキナーゼ等のプラスミノーゲンアクチベーターを化学結合法により基材のカテーテル表面に固定化する方法(詳細は、特許第1406830号参照)、ヘパリン等の抗凝固因子をカテーテル表面に固定化する方法等様々な方法が知られているが、特定の方法に限定されるものではない。また、生体適合性処理の範囲は生体内と接触する部分であれば、特にどの部分でもよい。 【0033】 本発明の4ルーメンカテーテルは、カテーテル留置中に細菌や真菌、ウイルスなどに感染することを防止するため、基材のカテーテル表面に抗菌剤や、抗生物質などをコーティングしたもの(例えば、特開2001−276210号公報参照)や、抗菌剤が基材に直接混練されているもの(例えば、特開平8−157641号公報参照)であってもよい。 【0034】 このように構成された図1に示したような実施の形態において、例えば血液透析を行う場合、血管内に予め挿入されているガイドワイヤーを4ルーメンカテーテル1の第1のルーメン11の開口部15から第1のルーメン11に挿通させ、このガイドワイヤー等を用いて4ルーメンカテーテル1を血管内に挿入し、留置する。ついでガイドワイヤーを4ルーメンカテーテル1から抜いて、第1のルーメンの枝管に接続されたコネクター7aを透析回路の返血側に接続し、第2のルーメンの枝管に接続されたコネクター7dを透析回路の脱血側に接続して血液透析を開始する。 【0035】 図4に示したようなスタイレットが挿入された形態の場合は、例えば血液透析を行う場合、血管内に予め挿入されているガイドワイヤーを4ルーメンカテーテル1の第1のルーメンに挿入されているスタイレット19aの先端開口部21からスタイレット内腔に挿通させ、このガイドワイヤー等を用いて4ルーメンカテーテル1を血管内に挿入し、留置する。ついでスタイレットを抜去、その後ガイドワイヤーを4ルーメンカテーテルから抜いて、第1のルーメンの枝管に接続されたコネクター7aを透析回路の返血側に接続し、第2のルーメンの枝管に接続されたコネクター7dを透析回路の脱血側に接続して血液透析を開始する。 【実施例】 【0036】 以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。 【0037】 実施例1 図1(a)〜(i)に示すように、ポリウレタン製の4ルーメンカテーテル本体2(外径4.0mm、長さ200mm)で、第2のルーメン(脱血ルーメン)の開口面の角度αが30°の角度を有し、開口部14(脱血口)の位置を先端より25mmとし、開口部14(脱血口)より先端側がテーパー構造で各部位の断面は図1に示すように、外径4.0mmの(e)の断面形状を有し、半径2.0mmの半円形断面形状(f)から先端側にテーパー構造をとり、先端部の外径2.2mm、内径1.6mmの断面(g)となっており、第3のルーメン(輸液ルーメン1)及び第4のルーメン(輸液ルーメン2)のエンドホール型開口部3の位置を先端より10mmの位置とした4ルーメンカテーテルを作製した。 【0038】 実施例2 図1(a)図3(a)〜(b)に示すように、ポリウレタン製の4ルーメンカテーテル本体2(外径4.0mm、長さ200mm)で、第2のルーメン(脱血ルーメン)の開口面の角度αが30°の角度を有し、開口部14(脱血口)の位置を先端より25mmとし、開口部14(脱血口)より先端側がテーパー構造で各部位の断面は図1に示すように、外径4.0mmの(e)の断面形状を有し、半径2.0mmの半円形断面形状(f)から先端側にテーパー構造をとり、先端部の外径2.2mm、内径1.6mmの断面(g)となっており、第3のルーメン(輸液ルーメン1)のサイドホール型開口部3aの位置を先端より6mmの位置とし及び第4のルーメン(輸液ルーメン2)のサイドホール型開口部3bの位置を先端より10mmの位置とした4ルーメンカテーテルを作製した。 【0039】 比較例1 図6に示すように、ポリウレタン製の4ルーメンカテーテル本体28(外径4.0mm、長さ200mm)で、各ルーメンの開口面が軸に対して90°の角度を有し、本体28の基部には本体28の4つのルーメンにそれぞれ連通した枝管、コネクター等(図示せず)が設けられている。脱血口の位置を先端より25mmとし各部位の断面は図6に示すように、外径4.0mmの(e)の断面形状、半径2.0mmの半円形断面形状(f)、(f)の第3ルーメン部分を除いた断面形状(g)、(g)の第4ルーメン部分を除いた断面形状(h)となっており、第3のルーメン(輸液ルーメン1)の開口部3aの位置を先端より6mmの位置とし、第4のルーメン(輸液ルーメン2)の開口部3bの位置を先端より10mmの位置とした4ルーメンカテーテルを作製した。 【0040】 比較例2 図7に示すように、ポリウレタン製のダブルルーメンカテーテル本体29(外径4.0mm、長さ200mm)で、脱血ルーメンの開口面の角度αが30°の角度を有し、本体29の基部には本体29の2つのルーメンにそれぞれ連通した枝管、コネクター等(図示せず)が設けられている。脱血口の位置を先端より25mmとし、脱血口より先端側がテーパー構造で各部位の断面は図7に示すように、外径4.0mmの(c)の断面形状を有し、半径2.0mmの半円形断面形状(d)から先端側にテーパー構造をとり、先端部の外径2.2mm、内径1.6mmの断面(e)としたダブルルーメンカテーテルを作製した。 【0041】 比較例3 図8に示すように、ポリウレタン製のダブルルーメンカテーテル本体30(外径4.0mm、長さ200mm)で、先端から基部側へ向かって9mmおよび15mmの位置に返血ルーメンから外部へ連通する長径3mm短径1.2mmの楕円形の返血孔31を有し、先端から基部側へ向かって34mm、41mm、48mmの位置に脱血ルーメンから外部へ連通する長径3mm短径1.2mmの楕円形の脱血孔32を有し、本体30の基部には本体30の2つのルーメンにそれぞれ連通した枝管、コネクター等(図示せず)が設けられており各部位の断面は図8に示すように、長手方向の断面図(b)、外径4.0mmの(c)の断面形状を有し、半円状の詰め物を脱血ルーメン先端部に充填した断面形状(d)としたダブルルーメンカテーテルを作製した。 【0042】 試験例1(カテーテル挿入抵抗試験) 実施例1、実施例2、比較例1及び比較例2で作製したカテーテルを用いて、ガイドワイヤーに沿って挿入される際の抵抗値を以下の方法により測定した。すなわち、厚さ1mmのシリコーンゴムシートに金属穿刺針17Gにて針穴を開け、次いでその針穴にガイドワイヤー0.038”(0.97mm)を通し、ダイレーター(外径φ4.0mm)をガイドワイヤーに挿通させシリコーンゴムシートの穴を拡張しガイドワイヤーを残した状態でダイレーターを引き抜いた。その拡張された穴から出ているガイドワイヤーに挿入抵抗を測定するカテーテル(カテーテル先端より70mmにてカット)をガイドワイヤーに挿通させて圧縮試験機(島津製作所社製EZ-TEST)にセットしてカテーテルがシリコーンゴムシートにガイドワイヤーに沿って挿入される際の抵抗値を測定した。 【0043】 上記のカテーテル挿入試験の結果を図10に示す。図10から明らかなように、比較例1ではエンドホール状の開口部が4箇所あるため、挿入抵抗の4つのピークが観測される。一方、実施例1、実施例2は比較的小さな2つのピークがあるのみでエンドホール型ダブルルーメンカテーテルである比較例2とほぼ同様な値を示している。4ルーメンであるにも関わらず構造的に挿入抵抗が生じるのは第1、第2のルーメン2箇所のエンドホール型開口部であるため比較例2と同様の抵抗値を示した。 【0044】 試験例2(血管壁への脱血口吸着試験) 実施例1、実施例2、比較例1、比較例2及び比較例3で作製したカテーテルを用いて、血管に見立てたフィルムからなる筒にカテーテルの脱血口(比較例3においては脱血孔、本試験例において以下同じ)が吸着する時の流量を測定した。すなわち、図9に示すように、厚さ0.02mmのポリエチレン製のフィルムからなる円筒状の筒34を血管に見立て、筒34の中にカテーテル35を挿入しカテーテルの脱血、返血開口部が水中に位置するように装置を組み立てた。カテーテルの脱血コネクター7a、返血コネクター7dは透析器に接続された血液回路(図示せず)の脱血側コネクター36、返血側コネクター37に接続した。透析器のポンプにてカテーテル脱血口から血液回路を通りカテーテル返血口よりビーカー38内へ戻るルートにて37℃の水39を循環させた。徐々に循環水の流量を上げていき脱血口が筒に吸着した時の流量を測定した。 【0045】 上記の血管壁への脱血口吸着試験を実施した結果、比較例3では流量200mL/minにて筒への脱血口の吸着が確認された。一方、実施例1、実施例2、比較例1、比較例2では流量300mL/minまで流量を上げても脱血口の筒への吸着は確認されなかった。エンドホール型(実施例1、実施例2、比較例1、比較例2)は高流量すなわち脱血口にかかる吸引圧が大きくなっても筒38への吸着は生じなかった。 【図面の簡単な説明】 【0046】 【図1】本発明の4ルーメンカテーテルの一例を示す概略図である。(a)全体形状の一例を示す概略図(b)カテーテル先端部の正面図(c)カテーテル先端部の背面図(d)カテーテル先端部の下面図(e)カテーテルA-A’断面図(f)カテーテルB-B’断面図(g)カテーテルC-C’断面図(h)カテーテル先端部の右側面図(i)カテーテルD-D’断面図 【図2】本発明の4ルーメンカテーテルの先端部の一例を示す概略図である。(a)カテーテル先端部の正面図(b)カテーテルE-E’断面図(c)カテーテル先端部右側面図(d)カテーテルF-F’断面図 【図3】本発明の4ルーメンカテーテルの先端部の一例を示す概略図である。(a)カテーテル先端部右側面図(d)カテーテルG-G’断面図 【図4】本発明の4ルーメンカテーテルの一例を示す概略図である。(a)全体形状の一例を示す概略図(b)カテーテルH-H’断面図(c)カテーテルI-I’断面図(d)カテーテルJ-J’断面図 【図5】エンドホール型の先端構造の一例を示す概略図である。(a)ダブルルーメン型(b)、(c)トリプルルーメン型(d)、(e)4ルーメン型 【図6】比較例1で作製したカテーテル形状の概略図である。(a)カテーテル先端部の正面図(b)カテーテル先端部の背面図(c)カテーテル先端部の下面図カテーテル(d)カテーテル先端部の平面図(e)カテーテルK-K’断面図(f)カテーテルL-L’断面図(g)カテーテルM-M’断面図(g)カテーテルN-N’断面図 【図7】比較例2で作製したカテーテル形状の概略図(a)カテーテル先端部の正面図(b)カテーテル先端部の下面図(c)カテーテルO-O’断面図(d)カテーテルP-P’断面図(e)カテーテルQ-Q’断面図 【図8】比較例3で作製したカテーテル形状の概略図である。(a)カテーテル先端部の正面図(b)カテーテル先端部の長手方向の断面図(c)カテーテルR-R’断面図(d)カテーテルS-S’断面図 【図9】本発明における血管壁への脱血孔吸着試験のモデルを示す概略図である。 【図10】カテーテル挿入抵抗図 【符号の説明】 【0047】 ・ 4ルーメンカテーテル ・ 4ルーメンカテーテル本体 ・ 開口部 3a 第3のルーメンのエンドホール型開口部 3b 第4のルーメンのエンドホール型開口部 ・ 狭径部 ・ 分岐部 6a 枝管(第2のルーメン) 6b 枝管(第3のルーメン) 6c 枝管(第4のルーメン) 6d 枝管(第1のルーメン) 7a コネクター(第2のルーメン) 7b コネクター(第3のルーメン) 7c コネクター(第4のルーメン) 7d コネクター(第1のルーメン) 8a クランプ 第2のルーメン 8b クランプ 第3のルーメン 8c クランプ 第4のルーメン 8d クランプ 第1のルーメン 9 側孔 10 第1のルーメン 11 第2のルーメン 12 第3のルーメン 13 第4のルーメン ・ 第2のルーメンの開口部(脱血口) ・ 第1のルーメンの開口部(変血口) ・ ソフトチップ 17a 第3のルーメンのスリット状開口部 17b 第4のルーメンのスリット状開口部 18a 第3のルーメンの側孔型開口部 18b 第4のルーメンの側孔型開口部 19a スタイレット(第1のルーメン用) 19b スタイレット(第2のルーメン用) 20a スタイレットコネクター(第2のルーメン用) 20b スタイレットコネクター(第1のルーメン用) ・ スタイレット先端開口部 ・ スタイレット内腔(第1のルーメン用) ・ スタイレット内腔(第2のルーメン用) ・ ダブルルーメンカテーテル本体 ・ 末端開口部 ・ トリプルルーメンカテーテル本体 ・ 4ルーメンカテーテル本体 ・ 4ルーメンカテーテル本体(比較例1) ・ ダブルルーメンカテーテル本体(比較例2) ・ ダブルルーメンカテーテル本体(比較例3) ・ 返血孔 ・ 脱血孔 ・ 詰め物 ・ 筒 ・ カテーテル ・ 血液回路コネクター(脱血側) ・ 血液回路コネクター(返血側) ・ ビーカー ・ 37℃水 ・ 実施例1 ・ 実施例2 ・ 比較例1 ・ 比較例2
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004503 【氏名又は名称】ユニチカ株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年6月23日(2006.6.23) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2008−441(P2008−441A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月10日(2008.1.10) |
| 【出願番号】 |
特願2006−174063(P2006−174063) |
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